JPH07209254A - 極間式磁粉探傷器 - Google Patents

極間式磁粉探傷器

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JPH07209254A
JPH07209254A JP1895694A JP1895694A JPH07209254A JP H07209254 A JPH07209254 A JP H07209254A JP 1895694 A JP1895694 A JP 1895694A JP 1895694 A JP1895694 A JP 1895694A JP H07209254 A JPH07209254 A JP H07209254A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁心4の回りにコイル6を巻回してなる極間
式磁粉探傷器。磁心4の材料を鉄アモルファスにしたこ
とで、磁心全体の重量を従来とほぼ同程度にできなが
ら、コイル線材の使用量を激減できる。内側絶縁層15
に、外側絶縁層18,20よりも熱伝導の良好な材料を
用いる。磁極8の端面を端面保護用の薄板22で覆うと
共に、ステンレス鋼の磁極保護用のバンド24を、その
端縁24bが磁極8を覆う薄板22の外面とほぼ一致す
る状態で磁極8の回りに設ける。 【効果】 得られる磁束の割に全体を軽量化にでき、ま
た、コイルから十分に放熱できながら探傷器の防水性を
向上できた。磁心の磁極部分が破損し難く、且つ、磁極
指示が生じ難くなった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対の磁極を有する磁
心の回りにコイルを巻回してなり、両磁極を被検査体に
接当させて溶接欠陥等を検査するための極間式磁粉探傷
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、極間式磁粉探傷器の磁心には、け
い素鋼板の積層体が用いられていた。しかし、けい素鋼
板の磁心では透磁率が小さく、起磁力を十分に得るため
にコイルを多層巻きにする必要があった。しかも、多層
巻きにすることによってコイルからの発熱を抑えるべく
安全率を考慮して余裕をもった太さの線径のコイル線材
を使用せねばならないので、その結果、コイル線材の使
用量が多くなって小型のものでも2Kgを越える重いも
のとなり、検査員の負担が非常に大きかった。
【0003】さらに、コイルからの発熱を放熱せねばな
らないにも拘わらず、磁心の鉄損が大きくて磁心自体が
発熱するために外部へ放熱する必要があり、コイル層間
の絶縁や外装を厚くできず防水性が劣るものとなって、
高湿度の使用環境や磁粉を分散させた検査液の使用時に
支障をきたしていた。
【0004】また、従来の探傷器では透磁率が小さいた
めに漏れ磁束が大きく、磁極の先端部近傍まで十分にコ
イルを巻回せねばならず、磁極近傍が太くなって狭所の
検査を行いづらかった。
【0005】さらに、従来の探傷器では強磁性体の磁心
が磁極で露出しており、磁極の側面に漏れ磁束を生じて
磁極指示を生じやすく、検査時における欠陥の確認に手
間取ることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の技術に鑑
みて、本発明の第一の目的は、得られる磁束の割に軽量
な極間式磁粉探傷器を得ることにある。また、本発明の
第二の目的は、防水性の優れた極間式磁粉探傷器を得る
ことにある。また、本発明の第三の目的は、狭所での検
査が容易な極間式磁粉探傷器を得ることにある。さら
に、本発明の第四の目的は、磁極指示の生じにくい極間
式磁粉探傷器を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第一の特徴構成は、一対の磁極を有する磁
心の回りにコイルを巻回してなる構成において、前記磁
心を、鋼板の積層体よりも比重が小さく且つ高角形比の
磁心材料で構成したことにある。
【0008】また、本発明の第二の特徴構成は、上記第
一の特徴構成において、前記磁心と前記コイルとの間の
内側絶縁層を設けると共に、前記コイルの外側に防水材
料よりなる外側絶縁層を設け、内側絶縁層に外側絶縁層
よりも熱伝導の良好な材料を用いたことにある。
【0009】また、本発明の第三の特徴構成は、第一又
は第二の特徴構成において、前記各磁極の端面を端面保
護用の薄板で覆うと共に、硬質かつ非磁性体の材料より
なる磁極保護用のバンドを、その端縁が当該各磁極を覆
う薄板の外面とほぼ一致する状態で当該各磁極の回りに
設けたことにある。
【0010】また、本発明の第四の特徴構成は、第三の
特徴構成において、前記非磁性体のバンドを、環状体の
一部を欠如したステンレス鋼で構成したことにある。
【0011】また、本発明の第五の特徴構成は、第一〜
四の特徴構成において、前記磁心が、鉄アモルファス箔
の積層体よりなることにある。
【0012】
【作用】まず、作用の説明に先だって、図10及び図1
2のグラフについて説明する。
【0013】図10は高角形比の磁心材料を磁心に用い
たコイルに直流電流を加え、磁界の強さHを変化させた
ときに磁束密度Bが変化する状態を示したものであっ
て、Lはヒシテリシスループを表している。本発明にい
う高角形比の材料とは、残留磁束密度Brと飽和磁束密
度Bsとの比Bs/Brが1に近いものを指す。また、
図12は本発明にかかる磁心材料を磁心に用いた探傷器
のコイルに交流電流を加え、起磁力を変化させたときに
磁束密度Bが変化する状態を示したものであって、直流
電流を加える図10のものとは意味が異なる。起磁力を
意味する横軸のアンペアターンAT[A]を磁心の平均
磁路長Lで除して求めたものが、磁界の強さに相当す
る。また、同図中、曲線F1は従来の探傷器における磁
束密度の変化を示し、曲線F2は本発明に係る探傷器に
おける磁束密度の変化を示し、曲線F3は曲線F1との
比較のために、曲線F2の各値とΔB/B2とを掛け合
わせて求めたものである。
【0014】ここに、上記第一の特徴構成のごとく磁心
に高角形比の磁心材料を用いれば、図12の曲線F2に
示すように、起磁力ATが小さい割には大きな磁束密度
Bを得ることができる。但し、高角形比の材料の特徴と
して、起磁力ATを増大させる割に磁束密度Bは増大せ
ず、同図の点P1に示す従来必要とされた磁束密度B1
を得るためには、ほとんど従来と変わらない起磁力が必
要となる。そのため、一見すれば、探傷器の磁心材料と
して高角形比の材料を用いる必要性は乏しいように思わ
れる。
【0015】しかし、本発明では、鋼板の積層体よりも
比重の小さな磁心材料を用いてあるので、磁心の断面積
を増大させても、磁心全体の重量は比重の小さな分だけ
相殺されて増加し難くなる。また、高角形比の磁心材料
の特徴により、従来の起磁力よりも大幅に小さな起磁力
ATであっても、同図点P2に示すように相当の磁束密
度B2までには達し、同図点P3に示すように磁束密度
の僅かな不足分ΔBに相当する割合で磁心の断面積を増
大させて必要な磁束を得ればよく、磁心全体の重量が従
来と変わらない割に、必要な起磁力ATが大幅に小さく
なることによって、コイル線材の使用量が減少する。し
かもコイルを5〜6重もの多層巻きにせずとも済み、放
熱を考慮して線材の太さに余裕を持たせる必要性が小さ
くなることもあいまって、コイル線材の使用量は激減す
る。
【0016】また、第一の特徴による高角形比の磁心材
料は低鉄損で磁心自体がほとんど発熱せず、その上、上
記第二の特徴構成に示すように内側絶縁層に外側絶縁層
よりも熱伝導率の良好な材料を用いてあるので、磁心を
コイルの放熱材として使用できる。したがって、コイル
の放熱を外側に対して行う必要性が小さくなるため、絶
縁層を十分肉厚にでき、その防水性を向上させることが
できる。
【0017】また、上記第三の特徴構成によれば、例え
脆性材料により磁心が構成されていても、薄板によって
磁極が保護されるので、磁極の端面が損傷し難くなる。
薄板は渦電流の発生や透磁率の向上のためにできるだけ
薄く形成することが望ましいが、磨耗についても考慮す
る必要があり、そのため、硬質の材料よりなる保護用の
バンドを、その端縁が薄板の外面とほぼ一致する状態で
設けることにより、バンドの端縁を被検査体に接触させ
ることで、薄板の磨耗を防いである。さらに、バンドは
非磁性体の材料であるため、漏れ磁束による磁極指示を
生じ難い。
【0018】また、上記第四の特徴によれば、ステンレ
ス鋼は硬質で耐磨耗性に優れているため、磁極保護用と
して適切であるが、抵抗値が小さいため、環状体の一部
を欠如して誘導電流の発生を防いである。
【0019】
【発明の効果】このように、上記本発明の第一の特徴構
成によれば、磁心全体の重量を従来とほぼ同程度にでき
ながら、コイル線材の使用量を激減させて得られる磁束
の割に全体重量の軽量な極間式磁粉探傷器を提供するこ
とができるようになった。そして、コイル線材の使用量
が減少したことで全体が狭幅となり、しかも、漏れ磁束
が少ないので先端部までコイルを巻回せずともよく、狭
所での検査作業も容易となった。
【0020】また、上記第二の特徴構成によれば、コイ
ルから十分に放熱できながら探傷器の防水性を向上させ
得るに至った。さらに、第三、第四の特徴構成によれ
ば、磁心の磁極部分が破損しにくく、且つ、磁極指示の
生じにくい探傷器を提供し得るに至った。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
を説明する。図1〜3に示すように、本発明にかかる極
間式磁粉探傷器2は、大略コの字状の磁心4の回りにコ
イル6を巻回してなり、磁心4の両端部に一対の磁極
8,8を有している。探傷器2の上角部には、ケーブル
10を接続する端子を有する端子部12を備えている。
コイル6への通電は、コイル6と電気的に別系統に構成
されたスイッチ14によりON/OFFの選択が可能で
ある。
【0022】検査を行うに当たっては、被検査体に各磁
極8,8を接触させてから通電して被検査体を磁化させ
た状態で、例えば蛍光磁粉を分散した検査液を被検査体
に散布する。そして、欠陥部から漏洩する磁束に磁粉が
集中する性質を利用して、溶接欠陥や疲労によるクラッ
クなどの欠陥に磁粉を集中させてこれらを発見すること
ができる。
【0023】上記磁心4は、厚さ23ミクロン程度の鉄
アモルファス箔を積層したものであって、透磁率が大き
く、高角形比を示すものである。作成に当たっては、各
箔の層間にボンディング材を設けた状態で多数枚積層し
て型に嵌込んで成形し、還元性雰囲気中において再結晶
しない程度の温度で加熱して固めればよい。但し、ボン
ディングなしで成形してもよく、また、加熱しないで形
成することもできる。さらに、本発明に用いる磁心材料
としては、高角形比且つ比重の小さな材料であればよ
く、例えば、樹脂に強磁性体を混入させたようなもので
あってもよい。なお、鉄アモルファス箔はその平面を図
1の紙面に直交させる姿勢で磁心4のコの字に沿うよう
に積層してある。
【0024】探傷器2の大部分は図3に示すように6層
構造になっている。まず、磁心4に最も近い第一層目
は、グラスファイバー布にスチレン樹脂を含浸させたF
RP及びエポキシ樹脂よりなるFRP層15である。そ
の上に第二層目として下層コイルC1を構成する銅線に
絶縁被覆を施したホルマル線を巻回し、第三層目として
エポキシ樹脂を塗布して第一のエポキシ樹脂層16を設
けてある。第四層目の上層コイルC2を構成するホルマ
ル線、及び、第五層目の第二のエポキシ樹脂層18は、
それぞれ第二、第三層目と同様の構成である。第六層目
には、スチレンゴムを塗布して落下時のショックから探
傷器2を保護する弾力性を有し且つ防水性を有する保護
層20を形成してある。なお、FRP層15のスチレン
樹脂並びに第一、第二のエポキシ樹脂層15,16のエ
ポキシ樹脂は、各コイルを構成するホルマル線の間にも
入り込んで、これら各ホルマル線間に毛細管現象により
水が侵入する事をも防止する。
【0025】ここに、本実施例においては、上記コイル
6を図1のA、B、Cに示す3つの領域に分けて巻回し
てある。まず、前記端子部12の後述する一つのターミ
ナル28bから始まり、一方の磁極8に向かって下層コ
イルA1を巻回し、磁極8の手前で折り返して端子部1
2に向かい上層コイルA2を巻回する。上層コイルA2
のホルマル線は更に領域B,Cにおいて下層コイルB
1,C1を巻回し、他方の磁極8から折り返して再び領
域C,Bにおいて上層コイルC2,B2を巻回する。但
し、領域Bにおけるスイッチ14付近は上層コイルB2
を巻回せず、図9に示すようにスイッチ14の突出を小
さくしている。上層コイルB2から延出するホルマル線
は端子部12の他のターミナル28bに接続する。
【0026】本実施例の鉄アモルファス箔の積層体より
なる磁心4は低鉄損であり、けい素鋼板を積層してなる
磁心4を用いた場合に比べて磁心4の発熱がほとんどな
い。したがって、磁心4をコイル6の放熱体として用い
るために、コイル6の外側絶縁層である第五層のエポキ
シ層18及び第六層の保護層20よりも、コイル6の内
装側に向かってより多くの熱を伝熱させるべく、内側絶
縁層である第一層に、伝熱係数の大きなグラスファイバ
ーを含有するFRP層15を用いてある。また、本発明
によれば、コイル6の必要巻回数が2層程度と小さくな
ったので、各コイル層のスペースを節約せずとも放熱が
可能となり、第三層であるコイル6,6間の第一のエポ
キシ樹脂層16を設けることができて、コイル層間の絶
縁破壊による短絡をより有効に防止できるようになっ
た。特に、定格入力電圧100Vを条件とする設計で
は、例えば、コイルBにおける端子取付部近傍におい
て、下層コイルB1と上層コイルB2との間に定格約7
1Vもの電位差を生じるので、絶縁破壊の危険性が減っ
たことは係る部分において大きな意義がある。
【0027】本実施例における磁心4は鉄アモルファス
箔を積層したものであるから、非常に脆く、特に磁心4
がコイル6に覆われない磁極8,8は特に破損し易い。
そこで、磁極8,8の破損を防ぐため、図2〜4に示す
ように、各磁極8,8の端面を、端面保護用の薄板22
で覆ってある。この薄板22は、透磁率の比較的大きな
軟鉄よりなり、渦電流による発熱を抑えるために薄く形
成してある。薄板22の両端部は、磁心4への取付部を
形成するために上方に向かって折り曲げてあり、特に、
両磁極8,8を結ぶ縦方向の両端部を折り曲げることで
横方向の幅を抑えて狭所での検査を行い易くしてあり、
さらに、その折り曲げ部の両側に抜止用の切欠22aを
形成してある。
【0028】図2,3に示すように、薄板22で覆った
各磁極8,8の回りに、磁極保護用のバンド24を巻き
付けてある。このバンド24は、環状体の一部を欠如し
てスリット24aを形成したステンレス鋼よりなり、そ
の端縁24bが当該各磁極8,8を覆う薄板22の外面
とほぼ一致する状態で当該各磁極8,8の回りに巻きつ
けてある。ステンレス鋼は硬質で磨耗し難く、バンド2
4の端縁24bを薄板22の外面とほぼ一致させること
によって、磨耗しやすい軟鉄の薄板22を保護すると共
に、衝突による磁極8,8の破損を防止してある。ま
た、ステンレス鋼は非磁性体であるため、バンド24の
外周部と被検査体との間に磁束がほとんど漏洩しないの
で、磁極8,8の周部に磁粉模様がつく磁極指示が生じ
難くなり、検査精度を向上させ得るという利点がある。
【0029】上記バンド24のスリット24aは、バン
ド24に誘導電流が流れることを防止する。また、バン
ド24の断面を逆L字形に形成して鍔部24cを設ける
ことによりバンド24を補強し且つバンド24固定用の
接着面積を増大させる一方、先端部を狭幅にして狭所で
の検査を可能にしている。
【0030】上記薄板22及びバンド24を各磁極8,
8に組み付けるに際しては、上記第一〜第五層15,C
1,16,C2,18を設けた磁心4の先端部側面に接
着剤26を塗布してから薄板22を嵌合し、更に接着剤
26を塗布してからバンド24を嵌合し、上記鍔部、ス
リット及び貫通孔に接着剤26を詰め込む。ここに用い
る接着剤26はエポキシ系接着剤であり、硬化すること
によって薄板22に形成した切欠22aと係合して、薄
板22の抜けを防止する。
【0031】図6〜8に示すように、端子部12には、
5つのキャラメルターミナル28a,28b,28c
と、当該ターミナルを覆う保護枠30を設けてある。こ
の保護枠30は、大略、側面視L字形のアルミニウム製
アングル32の側面に補強用のアルミニウム板34,3
4を溶着し、アングル32の上部端から下方に向かって
一対の第一の脚36,36を延出させると共に、アング
ル32の下部から横側に向かって一対の第二の脚38,
38を延出させてなる。第一、第二の脚36,38の交
差部に、樹脂製のブッシュ39を挿通してから、支点と
なるねじ40を貫通させ、ナットで締め付けることによ
り相互に連結してある。樹脂製のブッシュ39はねじと
第一、第二の脚36,38とを電気的に絶縁して、誘導
電流の発生を防止する。アングル32の上部両側及び下
部両側及び第一、第二の脚36,38の折り返し部には
皿ねじ42を貫通させるための孔を形成してあり、各皿
ねじ42と各ナット44を締め付けることでアングル3
2に第一、第二の脚36,38を連結してある。また、
各皿ねじ42の先端部は磁心4に接触し、支点となるね
じ40との協動で、保護枠30を磁心4に固定する。な
お、第一、第二の脚36,38は磁心4に直接接触し
て、後述するアース線と導通する状態となっている。
【0032】保護枠30の周りには防水構造を設けてあ
る。まず、アングル32の後面にはケーブル10貫通用
のねじ孔を形成してあり、パッキン46を貫通した径違
いニップル48をねじ孔に螺合させると共に、このニッ
プル48にパッキン50を貫通したケーブル10を貫通
させ、さらにロックナット52を締め付けてケーブル1
0接続部からの浸水を防止してある。また、保護枠30
と磁心4との間に上述のFRP層15を設け、アングル
32の上部に形成した配線用の角孔にアクリル板54を
嵌込んで、アクリル板54の周部にエポキシ樹脂56を
塗布し、さらに図示省略するが、保護枠30内に非硬化
性のシリコン樹脂を充填すると共に外面に上述のエポキ
シ樹脂層を多層設けると共にスチレンゴムを塗布して、
保護枠30内への浸水を防止してある。なお、断線等が
発生したときは、エポキシ樹脂を剥がしてアクリル板を
外し、シリコン樹脂を引き出すことにより、ケーブル1
0の再配線が可能である。また、図示省略するが、アン
グル32の下部と磁心4との間にはエポキシ樹脂を厚塗
りして防水構造としてある。
【0033】上記5つのキャラメルターミナル28a,
28b,28cは、上記第一層のFRP層15を設けた
磁心4の表面に接着してある。本実施例におけるケーブ
ル10はアースを含めて5芯の防水構造である。最上部
のターミナル28aはアース用の端子であって、先の第
一の脚36にねじ58で取り付けたアース線58aとケ
ーブル10のアース線とを接続する。中間部の2つのタ
ーミナル28b,28bは、図示省略する上記コイル6
の入力端と出力端を、それぞれケーブル10の100V
電源に接続する。さらに、最下部の2つのターミナル2
8c,28cは、図示省略するスイッチ14への信号線
をそれぞれケーブル10の信号線に接続する。
【0034】上記スイッチ14は、ボタン部14aを押
圧することにより、基板上に形成した一対の端子パター
ン14bに抵抗面14cを押しつけて抵抗値を減少させ
る樹脂製のセンサーである。図示省略するが、端子パタ
ーン14bから延出する一対の線を先のターミナル28
c,28c及び信号線を介して増幅器に接続し、端子パ
ターン間の抵抗値が一定のしきい値を越えた場合に、上
記コイル6に通電する構造となっている。スイッチ14
の主要部14dは弾性樹脂で構成してあり、先のスチレ
ンゴムの保護層20と密着して、スイッチ14内への浸
水を防止してある。
【0035】次に、図11,12を参照しながら、本発
明の探傷器の動作特性について説明する。図11は図1
2のグラフにおけるデータを採取した測定装置の概略図
を示すものである。交流電源72から供給した交流電流
の電圧を単相誘導電圧調整器74で調整し、上記探傷器
2に供給する磁界の強さを変化させる。また、上述の磁
心4と同じ構成の第二の磁心4’(前記薄板22を各磁
極8に被せてある。)を磁極同士密着させて閉磁路を形
成し、第二の磁心4’に探りコイル76を5巻き巻回し
て、その出力端子をオシロスコープ78に接続してあ
る。そして、B=Ef/4・k・f・n・Aなる式によ
り、磁束密度を求めている。同式中、kは歪み係数であ
って約1.3755の値をとり、fは電源の周波数であ
って商用電源を用いているので60又は50Hz(本実
施例では60Hz)の値をとり,nは探りコイルの巻回
数であって5の値をとり,Aは磁心4の断面積、Efは
オシロスコープに表示される略正弦波のピーク値であ
る。なお、従来の探傷器の特性を測定するに当たって
は、第二の磁心4’に従来の探傷器に用いられているけ
い素鋼板の積層体を使用する。
【0036】図12に示した横軸のアンペアターンAT
は、コイルの巻回数Nに電流Iを掛け合わせたもので起
磁力[A]を示す。磁界の強さを求めるには、ATを一
方の磁心4の平均磁路長0.34mで除すればよい。な
お、本実施例では交流電源を用いているので、電流Iは
実効値である。
【0037】従来の探傷器の特性を表す曲線F1では、
点P1に示すように、定格使用電圧の実効値100Vに
おいてAT=約2600[A]の位置を動作点に設定し
てあり、このときの磁束密度B1=約1.22[T]で
ある。本発明にかかる探傷器では、曲線F2の点P2に
示すように、定格使用電圧の実効値100VにおいてA
T=約1500[A]の位置を動作点としてあるが、こ
のときの磁束密度B2=1.14[T]ではB1に及ば
ない。
【0038】そこで、本実施例では、上記磁束密度の差
分ΔB=(B1−B2)=0.08[T]に相当する割
合で、上記磁心4の断面積を増加させてある。増加率を
求めると、0.08/1.14×100=約7%とな
る。すなわち、従来の磁心の断面積は、20×25=5
00[平方ミリメートル]であるから、本実施例におい
ては、上記磁心4の断面積を500×1.07=535
[平方ミリメートル]に設定してある。
【0039】ここで、磁心の重量の増加について検討す
る。磁心材料にけい素鋼板の積層体を用いた場合は、鋼
の比重7.85にワニスによる重量の補正値0.95を
掛け合わせて、全体の見かけ比重は7.85×0.95
=約7.46となる。一方、鉄アモルファス積層体を用
いた本実施例の磁心の全体の見かけ比重は6.58であ
り、従来の磁心に比べて低比重となっている。上述のご
とく断面積を7%増加させたとしても、6.58×1.
07=約7.04<7.46となり、磁心全体の重量は
未だ従来の磁心よりも軽くなっている。仮に同じ太さの
線材を用いてコイルを巻回するとすれば、コイル線材の
使用量は約半分となり、全体の重量は激減することとな
る。比較の一例を挙げると、従来の探傷器では直径1.
0mmの線材を5〜6段で全1040巻きしていたもの
が、本発明によれば直径0.72mmの線材を2段で従
来の半分程度の巻き数にすればよいこととなった。
【0040】図12における曲線F3は、曲線F2の各
値にΔB/B2を掛け合わせたもので、従来の探傷器と
本発明の探傷器とを全磁束量において比較するためのも
のである。本発明の探傷器の動作点P3における全磁束
量は、従来の探傷器の動作点P1における全磁束量と同
じである。しかも、各動作点における曲線の勾配は曲線
F1よりも曲線F3の方が小さいため、本発明の探傷器
の方は、電圧変動等が発生しても磁束密度が低下せず、
したがって、探傷器の安定性自体も優れている。
【0041】なお、上記実施例では、磁極保護用のバン
ドにステンレス鋼を用いたが、硬質且つ非磁性体の材料
であれば、例えばカーボン、セラミックス、強化プラス
チックなどを用いてもよい。磁極端面保護用の薄板につ
いても、磁極での透磁率を大きく低下させない限り、軟
鉄以外のものを使用できる。また、渦電流の抑制のため
に、薄板の底面に貫通孔を多数形成してもよいし、薄板
として網目の細かい金網等を用いる事もできる。さら
に、上記バンドのスリット間に上記端子部12に示した
樹脂性ブッシュ39、ねじ40及びナットを設けて、誘
導電流の発生を押さえつつもバンドをスリット間で連結
するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】極間式磁粉探傷器の側面図である。
【図2】極間式磁粉探傷器の下面図である。
【図3】極間式磁粉探傷器の磁極付近の図2におけるX
−X線縦断面図である。
【図4】磁極保護用の薄板の斜視図である。
【図5】磁極保護用のバンドの斜視図である。
【図6】保護枠の斜視図である。
【図7】端子部近傍のゴム層等を省略した一部切欠縦断
面図である。
【図8】端子部近傍のゴム層、エポキシ樹脂及びFRP
層等を省略した平面図である。
【図9】図2のY−Y線断面図である。
【図10】高角形比の材料のヒシテリシスループを描い
たB−H曲線を示すグラフである。
【図11】測定装置の概略図である。
【図12】本発明にかかる磁心材料を磁心に用いた探傷
器のコイルに交流電流を加え、起磁力ATを変化させた
ときに磁束密度Bが変化する状態を示した曲線を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
8 磁極 4 磁心 6 コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁極(8,8)を有する磁心
    (4)の回りにコイル(6)を巻回してなる極間式磁粉
    探傷器であって、前記磁心(4)を、鋼板の積層体より
    も比重が小さく且つ高角形比の磁心材料で構成してある
    極間式磁粉探傷器。
  2. 【請求項2】 前記磁心(4)と前記コイル(6)との
    間の内側絶縁層(15)を設けると共に、前記コイル
    (6)の外側に防水材料よりなる外側絶縁層(18,2
    0)を設け、内側絶縁層(15)に外側絶縁層(18,
    20)よりも熱伝導の良好な材料を用いてある請求項1
    に記載の極間式磁粉探傷器。
  3. 【請求項3】 前記各磁極(8,8)の端面を端面保護
    用の薄板(22)で覆うと共に、硬質かつ非磁性体の材
    料よりなる磁極保護用のバンド(24)を、その端縁
    (24b)が当該各磁極(8,8)を覆う薄板(22)
    の外面とほぼ一致する状態で当該各磁極(8,8)の回
    りに設けてある請求項1又は2のいずれかに記載の極間
    式磁粉探傷器。
  4. 【請求項4】 前記非磁性体のバンド(24)を、環状
    体の一部(24a)を欠如したステンレス鋼で構成して
    ある請求項3記載の極間式磁粉探傷器。
  5. 【請求項5】 前記磁心(4)が、鉄アモルファス箔の
    積層体よりなる請求項1〜4のいずれかに記載の極間式
    磁粉探傷器。
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