JPH0720765U - テレビ受信機の選局装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレビ放送を受信する際のサーチ選局におい
て、誤動作がなく、放送局の有無を正確に判定する選局
装置を提供する。 【構成】 チューナが正規の放送局電波以外の無信号電
波を受信し、隣接局妨害を受けた場合は、音声中間周波
数回路の信号中にＡＭ成分が含まれる。音声信号処理回
路から取り出されたシグナル強度を表わすＳ信号は、電
圧比較器において基準電圧との電圧比較が行われる。Ａ
Ｍ成分を含むＳ信号は比較器で二値化され、次段のアナ
ログスイッチを制御し、同期信号をミュートして同期信
号のパルス数を変化させる。同期信号判別回路は同期信
号のパルス数を計数し、所定時間内のパルス計数値が正
常であれば放送局ありと判定する。パルス計数値が変化
していれば放送局なしと判定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はテレビジョン受信機の選局装置にかかわり、特に同調電圧により受信 周波数と局部発振周波数を変化させて自動的に放送局をサーチする自動選局装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、テレビ受信機の選局装置は選局操作により希望のチャネルが指定できる 周波数シンセサイザー方式により構成されるものが一般的である。図３は従来の テレビ受信機の要部を示すブロック図で、選局装置はマイクロコンピュータと同 調電圧発生回路からなり、同調電圧を上昇または下降させて受信される放送局を 選局操作するようにしている。

【０００３】 図中、１はテレビアンテナ、２はテレビチューナ、３はＳＡＷ型フィルター、 ４は映像信号処理回路、５は音声回路のＳＡＷフィルター、６は音声信号処理回 路、７は映像中間周波数信号から水平同期信号を検出する同期信号検出回路、８ はマイクロコンピュータ、９はテレビチューナ２の同調周波数及び局部発振周波 数を制御する同調電圧発生回路である。同調電圧発生回路９の内部はプログラマ ブル分周器、基準周波数発振器、及び周波数比較器の各部からなっている。マイ クロコンピュータ８には映像及び音声処理回路の各部から、例えばＡＦＣ信号や 水平同期信号が供給され、マイクロコンピュータ８はこれらの入力信号に基づい て同調電圧発生回路の９を制御する制御信号を出力する。上述したＡＦＣ信号や 同期信号は選局時に放送局の有無を検出するためのパラメータとなる検出手段で ある。

【０００４】 このような検出手段としては従来各種の方法が提案されているが、例えば、映 像信号処理回路４に周波数弁別回路、すなわち、ＡＦＣ回路の出力電圧により動 作する電圧比較器を設け、この比較器出力をマイクロコンピュータ８に入力して 放送局の有無を判断する第１の検出方法がある。

【０００５】 また、映像処理回路４の映像中間周波数から水平同期信号を検出し、同期信号 のパルス数をカウントして放送局の有無を判断する第２の検出方法がある。そし て、上記第１の検出方法と第２の検出方法を組み合わせた第３の検出方法、すな わち、ＡＦＣ電圧と水平同期信号の２つのパラメータから放送局の有無を判断す る第３の検出方法もある。その他、音声処理回路６の中間周波数検波回路から信 号の振幅レベルを検知し、所定レベル以上の出力電圧をステーションディテクタ （ＳＤ）信号としてマイクロコンピュータ８に入力し、放送局の有無を判断する 第４の検出方法もある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ＡＦＣ電圧を利用する第１の検出方法は、テレビ放送周波数付近の単 発信号、またはマイコン機器等の装置から輻射されるノイズの影響を受けて誤動 作する欠点がある。また、映像信号に水平同期信号が含まれているかどうかをみ て、放送局の有無を判断する第２の検出方法は次のような欠点がある。

【０００７】 すなわち、選局したチャネルに同期信号が含まれていない無信号でも、その上 下の隣接チャネルに強電界の放送電波が存在するときは、チューナが相互変調、 あるいは混変調などの妨害を受け、隣接チャネルの変調をうけたキャリアが帯域 内に入り込むと、同期検出回路が同期信号を検出し、実際には放送が行われてい ない無信号の電波でも放送ありと誤判定し、サーチを停止してしまうという不都 合がある。

【０００８】 同様に、ＡＦＣ電圧と同期信号を併用した第３の検出方法も、上記第１及び第 ２の検出方法の欠点は排除できるが、周波数弁別回路や電圧比較器の構成が複雑 になる欠点がある。特に、周波数弁別回路は同調回路の調整手段が不可欠であり 、煩雑である。第４の検出方法は通常ＦＭ受信機に応用されるが、テレビ受信機 の場合は、第１ＩＦ回路の周波数帯域がＦＭ受信機の帯域よりも広帯域であるた めに、正常なＳＤ信号と混変調妨害等で発生するノイズとを判別することができ ず誤動作を発生する。

【０００９】 本考案は上記事情に鑑みなされたもので、テレビ受信機の選局装置において、 上記従来の欠点を排除し、回路構成が簡素で調整の必要がなく、誤動作のない選 局装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の選局装置では、チューナ部の局部発振周波 数を変化させて、放送電波のサーチ選局を行う選局装置において、映像信号から 水平同期信号を検出する同期信号検出手段と、音声中間周波数回路から入力電界 強度に比例する信号レベルを検出するシグナル検出手段と、該シグナル検出手段 により検出されたＳ信号を基準電圧と比較する電圧比較手段と、該電圧比較手段 により二値化された信号で上記同期信号をミュートし、これより得られた信号の パルス数を計数して同期信号が正常か否かを判定する同期信号判別回路と、を備 えたものである。

【００１１】

【作用】

チューナが正規の放送局電波でない無信号の電波を選局受信したときは、相互 変調や混変調等の隣接局妨害の影響により、音声処理回路の信号中にＡＭ成分が 含まれるようになる。このＡＭ成分は、音声中間周波数回路から取り出された入 力電界強度に比例する電圧をもつシグナル強度を表わすＳ信号から検出される。 このＳ信号は比較回路において基準電圧と比較され二値化されパルス信号に生成 される。二値化されたパルス信号は水平同期信号をミュートして、この結果、水 平同期信号はパルスの数が変化する。

【００１２】 同期信号判別回路は所定時間内のパルス数を計数し、計数結果に変化がある場 合はチューナが正規の放送局以外の電波、または無信号電波を受信したと判定す る。計数結果に変化がなければ正規の放送局電波を受信したと判定する。マイコ ンはこの判定結果をうけ、放送局以外の電波を受信した場合は選局操作を無効と してチューナに次のサーチを指令する。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案を図面を参照して説明する。図１は本考案の実施例を示すブロッ ク図、図２は回路の動作を説明するタイミングチャートである。図中、１０はア ンテナ、１１はテレビチューナ、１２及び１３はＳＡＷ型の帯域フィルター、１ ４は映像信号処理回路、１５は映像信号出力端子である。１６はキャリア信号を １０．７ＭHzの音声中間周波数に変換する周波数変換回路、１７は局部発振器、 １８はその水晶振動子である。１９は音声信号処理回路で、音声中間周波数信号 を増幅及び検波するとともに音声多重信号を復調し、出力端子２０に音声多重信 号を出力する。この音声信号処理回路１９から入力電界強度に比例するシグナル 強度信号（以下、Ｓ信号という）が取り出され、端子Ｓから直流レベルのＳ信号 が検出される。

【００１４】 ２１は同期信号検出回路であり、映像信号処理回路１４出力の一部から水平同 期信号が検出される。抵抗Ｒ１とコンデンサＣからなる時定数回路とトラップ回 路３０はＳ信号中に含まれる特定の周波数を減衰させる回路である。特定周波数 は、例えば音声多重放送時に信号中に含まれるサブキャリア信号３１．５ＫHzで あり、Ｓ信号がサブキャリア信号に影響されないよう、あらかじめこれを除去す る。３１はＳ信号を増幅する増幅器、３２はＳ信号を基準電圧３３と比較する電 圧比較器である。３４はミュート回路として機能するアナログスイッチである。 このスイッチ回路３４は一方の端子に印加された同期信号を電圧比較器３２の出 力によって開閉制御し、同期信号をミュートする。そして、３５は同期信号のパ ルス数を計数し、所定時間内にカウントしたパルス数から放送局の有無を判定す る同期信号判別回路である。この判別回路の出力端子３６は図３に示すマイコン ８に接続され、判別回路３５の判定により放送局の有無が判別された結果の判別 信号はマイコン８に送出される。

【００１５】 次に、図２を参照して装置の動作を説明する。波形（Ａ）は同期信号検出回路 ２１で検出された水平同期信号のパルス波形である。また、波形（Ｂ）は電圧比 較器３２に入力するＳ信号とＤＣレベルの基準電圧を示している。音声信号処理 回路１９から取り出されたＳ信号はＤＲ時定数回路とトラップ回路３０において サブキャリア成分が除去され、更に増幅器３１で増幅される。増幅器３１の出力 は電圧比較器３２に入力され、基準電圧３３の所定レベルと電圧比較される。波 形（Ｂ）のＳ信号はチューナが正規の放送局電波以外の無信号電波を受信したと きの音声信号波形であり、隣接局妨害により信号中にＡＭ成分が含まれている。 波形（Ｃ）はＳ信号が電圧比較器３２により二値化されたパルス波形を示してい る。

【００１６】 そして、得られた波形（Ｃ）のパルス電圧でアナログスイッチを開閉制御する と、水平同期信号はミュートされ、（Ａ）のパルス列と（Ｃ）のパルス列が加算 されて、同期信号判別回路３５入力に波形（Ｄ）のパルス列が生成される。同期 信号判別回路３５は（Ｄ）の信号からパルス数を計数し、所定時間内のパルスが 所定数かどうかを判定し、判別結果の信号を端子３６に出力する。同期信号検出 回路２１出力に同期信号があり、かつＳ信号にＡＭ成分が含まれてなければ、所 定時間内に正常な同期信号のパルスを計数するので、判別回路３５は正規の放送 局を受信したと判定する。もし、前述の波形（Ｄ）のように変化したパルスを計 数したときは、所定時間内の計数値が正常時のパルス数よりも多くなるので、判 別回路は正規の放送局以外の電波を受信したと判定する。

【００１７】 このように、判別回路３５の判定結果はマイコン８に入力され、選局時におい て放送局の有無が正しく判定される。そして、たとえ選局時に強入力レベルの隣 接局が存在しても、本考案の選局装置は妨害による誤選局の可能性を防止するこ とができる。また、本案装置は調整を必要とする回路を追加する必要がなく、回 路を簡素化してコストを抑圧することができる。

【００１８】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案の選局装置によれば、放送電波のサーチ選局を行 う選局装置において、同期信号検出手段と、音声中間周波数回路から入力電界強 度に比例する信号レベルを検出するシグナル検出手段と、該シグナル検出手段に より検出されたＳ信号を基準電圧と比較する電圧比較手段と、該電圧比較手段に より二値化された信号で上記同期信号をミュートし、これより得られた信号のパ ルス数を計数して同期信号が正常か否かを判定する同期信号判別回路とを備えた ので、隣接局妨害により無信号の電波を受信しても選局装置が誤動作を起こすこ とがなく、選局の信頼性を高めることができるとともに、操作性のよい装置を提 供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるテレビ受信機の選局装置を示すブ
ロック図である。

【図２】選局装置の動作を示すタイミングチャート図で
ある。

【図３】従来の選局装置を示すブロック図である。

【符号の説明】

１４ 映像信号処理回路 １９ 音声信号処理回路 ２１ 同期信号検出回路 ３０ トラップ回路 ３２ 電圧比較器 ３４ ミュート回路（アナログスイッチ） ３５ 同期信号判別回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チューナ部の局部発振周波数を変化させ
   て、放送電波のサーチ選局を行う選局装置において、映
   像信号から水平同期信号を検出する同期信号検出手段
   と、音声中間周波数回路から入力電界強度に比例する信
   号レベルを検出するシグナル検出手段と、該シグナル検
   出手段により検出されたＳ信号を基準電圧と比較する電
   圧比較手段と、該電圧比較手段により二値化された信号
   で上記同期信号をミュートし、これより得られた信号の
   パルス数を計数して同期信号が正常か否かを判定する同
   期信号判別回路と、を備えたことを特徴とするテレビ受
   信機の選局装置。