JPH072073U - クリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリップ自体に、紙葉類の配付先等を表示で
きるようにする。紙葉類が厚くても、安定して挾むこと
ができるようにする。 【構成】 表面押さえ部２，裏面押さえ部３および連結
部４からなるクリップ１を、板材を用いて作る。表面押
さえ部２の表面に、紙葉類Ｐの配付先等を記入するため
の表示部５を設ける。連結部４が、紙葉類Ｐの先端位置
Ｐａよりも内側にくるようにする。裏面押さえ部３の端
部３ａを細くし、変形がこの端部３ａに集中するように
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、紙等の紙葉類を挾んだり、あるいはしおりとして使用できるクリッ プに係り、特に必要事項の表示部を有するクリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、紙葉類を挾むクリップとしては、金属線材を巻回して表面押さえ部とそ の外周部に位置する裏面押さえ部とを形成し、これら両押さえ部の間に紙葉類を 挿入するようにした構造のものが一般に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のクリップは、金属線材を用いて形成されているため、クリップの押 さえ力が部分的に負荷され、薄い紙葉類の場合には、紙葉類が屈曲してしまうと いう問題があり、またクリップを取外す際に、金属線材の端部が紙葉類に引掛か り、紙葉類が損傷するという問題もある。

【０００４】 そこで一部では、プラスチックを成形加工して形成されるクリップも販売され ているが、この種のクリップは、厚い紙葉類に装着した際に、表裏の各押さえ部 が紙葉類に対し斜めに接触して片当たりとなり、紙葉類を安定して挾むことがで きないという問題がある。

【０００５】 また、前記従来のクリップは、金属線材を用いた場合も、またプラスチック成 形品の場合も、いずれも紙葉類を挾む機能しか有していない。このため、例えば 紙葉類を会社の部課別に分けて配付するような場合には、部課名を記載した紙を 別に用意し、この紙を紙葉類の上に配置してクリップを装着しなければならず、 作業が容易でないとともに、紙資源の無駄になるという問題がある。また、例え ばクリップを販促品として提供するような場合には、クリップ上に提供者名を記 入できるスペースがないため、包装袋等に表示せざるを得ないが、使用者が使用 する際には、包装袋は捨てられてしまうため、充分な販売促進効果が得られない という問題がある。

【０００６】 本考案は、かかる現況に鑑みなされたもので、薄い紙葉類の場合であっても、 紙葉類が屈曲したり損傷するおそれがないとともに、厚い紙葉類であっても安定 して挾むことができ、また紙葉類を種分けする等の場合であっても、無駄な紙を 必要とせず、さらに販促品として使用する場合には、充分な販売促進効果が得ら れるクリップを提供することを目的とする。

【０００７】 本考案の他の目的は、紙葉類への装着が容易なクリップを提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成する手段として、紙葉類の表面側に配される板状の 表面押さえ部と、この表面押さえ部の外周側に位置して紙葉類の裏面側に配され る帯板状の裏面押さえ部と、前記両押さえ部を紙葉類挿入先端側の端部で連結す る連結部とを備え、連結部を、前記両押さえ部間に挿入される紙葉類の先端位置 よりも紙葉類挿入基端側に位置設定し、かつ表面押さえ部の表面に、必要事項の 表示部を設けるようにしたことを特徴とする。

【０００９】 そして、本考案においては、表面押さえ部の紙葉類挿入基端側の端部を、表面 側に屈曲させるようにすることが好ましく、また裏面押さえ部の連結部側の端部 を狭幅とすることが好ましい。

【００１０】

【作用】

本考案に係るクリップにおいては、表面押さえ部および裏面押さえ部が、とも に板状をなしており、紙葉類と広い面積で接触することになる。このため、薄い 紙葉類であっても、紙葉類が屈曲したり損傷することがない。また、連結部は、 両押さえ部間に挿入される紙葉類の先端位置よりも紙葉類挿入基端側に位置して いるので、厚い紙葉類に装着した場合でも、表面押さえ部全体が連結部を支点と して斜いて紙葉類と平行になり、安定した押さえ力が得られる。

【００１１】 また、表面押さえ部の表面には、必要事項の表示部が設けられているので、紙 葉類を種分けする等の場合には、部課名等の配付先を記入したり、これらを表示 したシール等を貼付しておくことにより、不要な用紙を使用する必要がなくなる 。また、販促品として提供する場合には、提供者の表示を表示部に付すことによ り、使用者に、クリップを使用する都度表示部の表示内容を確認させることがで き、長期に亘って充分な販売促進効果が得られる。

【００１２】 そして、本考案において、表面押さえ部の紙葉類挿入基端側の端部を、表面側 に屈曲させることにより、紙葉類を容易に両押さえ部間に案内することができ、 また裏面押さえ部の連結部側の端部を狭幅にすることにより、変形が容易となる 。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案を図面を参照して説明する。 図１ないし図３は、本考案の第１実施例に係るクリップを示すもので、このク リップ１は、鎖線で示す紙葉類Ｐの表面側に配されるハート形板状の表面押さえ 部２と、この表面押さえ部２の外周部に「の」字状に配置されて外形がハート形 を有する帯板状の裏面押さえ部３とを備えており、これら両押さえ部２，３は連 結部４を介して相互に連結され、裏面押さえ部３は、前記紙葉類Ｐの裏面側に配 されるようになっている。

【００１４】 このクリップ１は、プラスチックの成形加工あるいは金属板の打抜加工等によ り形成されており、前記各部２，３，４の縁部は、図２および図３に示すように 、紙葉類Ｐが引掛からないように面取り加工が施されている。

【００１５】 また、前記連結部４は、図１に示すように、表裏の両押さえ部２，３を、紙葉 類挿入先端側の端部，すなわち図１における上端部で相互に連結しているが、そ の位置は、両押さえ部２，３間に挿入される紙葉類Ｐの先端位置Ｐａよりも紙葉 類挿入基端側，すなわち図１における下端側に設定されている。そしてこれによ り、厚い紙葉類Ｐを挾んだ際にも、表面押さえ部２が紙葉類Ｐと平行になり、安 定した押さえ力が得られるようになっている。なお、これについては後に詳述す る。

【００１６】 前記表面押さえ部２の表面には、図１に示すように、必要事項の表示部５が設 けられており、この表示部５には、クリップ使用者が必要事項を記入したり、シ ール等を貼付できるようなっているとともに、クリップ１を販促品として提供す る場合には、クリップ提供者が自社製品のＰＲ表示を行なうことができるように なっている。なお、この表示部５は、必ずしも枠が設けられている必要はなく、 スペースが確保されていればよい。

【００１７】 前記表面押さえ部２の紙葉類挿入基端側の端部には、図３に示すように、表面 側に屈曲する屈曲部２ａが設けられており、この屈曲部２ａにより、紙葉類Ｐを スムースに両押さえ部２，３間に案内することができるとともに、表面押さえ部 ２を必ず紙葉類Ｐの表面側に位置させることができ、表示部５が紙葉類Ｐで隠さ れてしまうといった不具合を解消できるようになっている。

【００１８】 また、前記裏面押さえ部３の連結部４側の端部３ａは、図１に示すように、他 の部分よりも狭幅に形成されており、この端部３ａは、図４に示すように紙葉類 Ｐの表面側に位置する表面押さえ部２と、紙葉類Ｐの裏面側に位置する裏面押さ え部３とを、紙葉類Ｐの厚さ方向に延在して連結する連結帯を構成している。そ して、この連結帯を狭幅にすることにより、変形が容易となり、両押さえ部２， ３が紙葉類Ｐに対し容易に平行になるようになっている。

【００１９】 次に、本実施例の作用について説明する。 使用に際しては、表面押さえ部２を紙葉類Ｐの表面側に配置するとともに、裏 面押さえ部３を紙葉類Ｐの裏面側に配置した状態で、クリップ１を紙葉類Ｐに装 着する。この際、表面押さえ部２の紙葉類挿入基端側の端部には屈曲部２ａが設 けられているので、軟い紙葉類Ｐであっても、失敗なくクリップ１を装着でき、 しかも表面押さえ部２が常に紙葉類Ｐの表面側に位置する状態で、クリップ１を 装着することができる。

【００２０】 ところで、連結部４は、両押さえ部２，３間に挿入される紙葉類Ｐの先端位置 Ｐａよりも、紙葉類挿入基端側に位置設定され、しかもこの連結部４に連続する 裏面押さえ部３の端部３ａは、他の部分よりも狭幅に形成されて変形し易くなっ ている。このため、厚い紙葉類Ｐにクリップ１を装着した際に、図４に示すよう に、両押さえ部２，３が紙葉類Ｐと平行になった状態で、ほとんど前記端部３ａ のみが変形することになる。換言すれば、端部３ａのみに大部分の変形を集中さ せることにより、両押さえ部２，３を紙葉類Ｐと平行にすることができ、これに より紙葉類Ｐを挾む力を安定させることができる。

【００２１】 図５は、本考案の第２実施例を示すもので、クリップ１全体を縦長の楕円形状 に形成し、長い文章でも１行で表示部５に表示できるようにしたものである。 なお、その他の点については、前記第１実施例と同一構成となっており、作用 も同一である。

【００２２】 しかして、本実施例によっても、前記第１実施例と同様の効果が得られるとと もに、文字を小さくしなくても、長い文章を１行で表示部５に表示できるので、 例えば販促品として提供する際に、提供者のＰＲ文章が長い場合に有効である。

【００２３】 なお、前記両実施例においては、紙葉類を挾むクリップを例に採って説明した が、しおりとしても使用することができる。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、連結部を、両押さえ部間に挿入される紙葉類の 先端位置よりも紙葉類挿入基端側に位置させているので、厚い紙葉類に装着した 場合であっても、両押さえ部，特に表面押さえ部には変形をほとんど生じさせな いで紙葉類を安定して押さえることができる。

【００２５】 また、両押さえ部がともに板状をなしているので、紙葉類との接触面積が広く なり、薄い紙葉類であっても、紙葉類が屈曲したり損傷することがない。

【００２６】 また、表面押さえ部の表面には、必要事項の表示部が設けられているので、紙 葉類を種分けする際に種分け表示をしたり、あるいは販促品として提供する際に 提供者のＰＲ表示をすることがでる。

【００２７】 そして、本考案において、表面押さえ部の紙葉類挿入基端側の端部を、表面側 に屈曲させることにより、紙葉類への装着が容易となり、また裏面押さえ部の連 結部側の端部を狭幅にすることにより、変形をこの部分に集中させ、両押さえ部 の変形をより少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係るクリップを示す正面
図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【図３】図１のIII −III 線断面図である。

【図４】厚い紙葉類を挾んだ際のクリップの状態を示す
説明図である。

【図５】本考案の第２実施例に係るクリップを示す正面
図である。

【符号の説明】

１ クリップ ２ 表面押さえ部 ２ａ 屈曲部 ３ 裏面押さえ部 ３ａ 端部 ４ 連結部 ５ 表示部 Ｐ 紙葉類 Ｐａ 先端位置

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙葉類の表面側に配される板状の表面押
   さえ部と、この表面押さえ部の外周側に位置して紙葉類
   の裏面側に配される帯板状の裏面押さえ部と、前記両押
   さえ部を紙葉類挿入先端側の端部で連結する連結部とを
   備え、連結部は、前記両押さえ部間に挿入される紙葉類
   の先端位置よりも紙葉類挿入基端側に位置設定され、か
   つ表面押さえ部の表面には、必要事項の表示部が設けら
   れていることを特徴とするクリップ。
2. 【請求項２】 表面押さえ部の紙葉類挿入基端側の端部
   は、表面側に屈曲していることを特徴とする請求項１記
   載のクリップ。
3. 【請求項３】 裏面押さえ部の連結側の端部は、狭幅と
   なつていることを特徴とする請求項１または２記載のク
   リップ。