JPH07207376A - AlまたはAl合金溶湯処理用フラックス - Google Patents

AlまたはAl合金溶湯処理用フラックス

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JPH07207376A
JPH07207376A JP328294A JP328294A JPH07207376A JP H07207376 A JPH07207376 A JP H07207376A JP 328294 A JP328294 A JP 328294A JP 328294 A JP328294 A JP 328294A JP H07207376 A JPH07207376 A JP H07207376A
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Kiyomasa Oga
清正 大賀
Motohiro Arai
基浩 新井
Joji Masuda
穣司 益田
Takayuki Kitano
貴之 北野
Takefumi Saeki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AlまたはAl合金溶湯を精錬処理する際に
生成し湯面上に浮上する滓の除去性を高め、メタルロス
を少なくすると共に滓の湯離れ性を高めることができ、
且つハロゲン系の有害ガスを生じることのない除滓用の
フラックスを提供することを目的とする。 【構成】 AlまたはAl合金溶湯の精錬工程で生成す
る滓の除去性を高めるためのフラックスであって、金属
硫酸塩と金属炭酸塩と酸化物の混合物よりなる3成分
系、もしくは金属硫酸塩と金属炭酸塩と酸化物と金属硝
酸塩よりなる4成分系の混合物からなるAlまたはAl
合金溶湯処理用のフラックスを開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAlまたはAl合金溶湯
処理用のフラックスに関し、特に該溶湯を精錬処理する
際に生成し湯面上に浮上する滓の除去性を高め、メタル
ロスを少なくすると共に滓の湯離れ性を高めることがで
き、且つハロゲン系の有害ガスを生じることのない除滓
用のフラックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlまたはAl合金(以下、Al合金で
代表する)製品の一般的な製造工程を例示すると次の通
りである。 原料−溶解−精錬−除滓−炉外精錬−鋳造−ソーキング
−熱間加工−冷間加工−熱処理−表面処理−製品。
【0003】このうち、溶解炉内での処理工程である溶
解から除滓までの工程について詳述すると次の通りであ
る。即ち、反射炉や誘導炉内に投入された原料は、加熱
溶融されて溶湯となる。次いで脱ガス処理および脱介在
物処理を行なった後、溶湯品質を保証するため、通常は
溶湯中にハロゲン系の精錬剤、例えば塩素ガスやフラッ
クス(塩化物やふっ化物を主成分とするもの)を吹き込
む。この精錬工程では、溶解工程で原料から持ち込まれ
た各種介在物(主として酸化物)あるいは溶解工程で新
たに生じた酸化物等が、メタル分との混合状態で「滓」
として浮上する。
【0004】この滓は、製品欠陥の大きな原因となるの
で可及的に炉外へ除去すべきであるが、この滓中には多
量のメタル分が含まれており、これをそのまま排出する
とメタルロスが軽視できなくなるので、除滓に当たって
はメタル分はできるだけ溶湯中へ戻し、介在物のみを効
率よく排出除去する必要がある。
【0005】そのための代表的な方法として、ハロゲン
系の発熱型フラクスを湯面に浮上した滓上に散布し、滓
と共に混合することにより滓中の微細なAlと反応せし
め、このときの発熱を利用して滓を加熱することによっ
て粗大なメタル分の流動性を高めて溶湯中に戻すと共
に、滓組成を高温生成酸化物に変化させることにより溶
湯との濡れ性を低減し、溶湯表面からの滓の分離を促進
することによって、除滓時のメタルロスを極力少なく抑
えるものである。
【0006】ところがこの方法では、ハロゲン系の発熱
型フラックスを使用するため処理工程で有害なハロゲン
系ガスが生成し、これが作業環境を汚染する大きな原因
になるばかりでなく、この排ガスをそのまま外部に放出
すると大気汚染を生じるので排ガス浄化処理設備の設置
が不可欠となり、その設備費および運転経費を含めた費
用が嵩むという難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に着目してなされたものであって、その目的は、ハ
ロゲン系のフラックスを使用することなく、Alまたは
Al合金の精錬工程で湯面上に浮上する滓からメタル分
をうまく溶湯中へ戻すと共に滓の湯離れを良くし、滓を
効率よく分離除去することのできる方法を提供しようと
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成した本発
明の構成は、AlまたはAl合金溶湯の精錬工程で生成
する滓の除去性を高めるためのフラックスであって、金
属硫酸塩と金属炭酸塩と酸化物の混合物、もしくは金属
硫酸塩と金属炭酸塩と酸化物と金属硝酸塩の混合物から
なるところに要旨を有するものであり、該フラックスの
好ましい配合組成は 金属硫酸塩:30〜60重量% 金属炭酸塩: 5〜30重量% 酸化物:15〜35重量% 金属硝酸塩:0〜10重量% である。
【0009】また、該フラックスを構成する金属硫酸塩
としては、K2 SO4 、MgSO4、Na2 SO4 より
なる群から選択される1種以上;金属炭酸塩としてはM
gCO3 、CaCO3 、Na2 CO3 、K2 CO3 より
なる群から選択される1種以上;酸化物としてはAl2
3 および/またはB23 ;金属硝酸塩としてはKN
3 が好適である。
【0010】
【作用】前述の如く従来は、除滓用発熱型フラックスと
してKClを主体とするハロゲン系化合物を使用してお
り、これらは滓中のAlとの間で著しい発熱反応を起こ
すので、その反応熱を利用することによって滓を効果的
に加熱することができ、それにより滓中に含まれるメタ
ル分の流動性が高められて溶湯への戻りが加速されると
共に、滓の主成分である酸化物はより安定で溶湯との親
和性の小さい高温酸化物に変化し、除滓性が著しく高め
られる。
【0011】しかしながら、先に述べた様にハロゲン系
化合物を使用すると、有害で且つ腐食性の高いハロゲン
ガスやハロゲン化水素が生成するため、その中和処理に
大きな負担が強いられる。
【0012】そこで本発明では、こうした有害ガス発生
の問題を解消しつつメタルロスの低減と除滓性の向上を
効果的に達成することのできるフラックスを提供するも
のであって、その構成は、前述の如く金属硫酸塩と金属
炭酸塩と酸化物の3成分系混合物、もしくは金属硫酸塩
と金属炭酸塩と酸化物と金属硝酸塩の4成分系混合物か
らなるものであり、これらのフラックスを使用すると、
従来のフラックスに指摘される前記障害を伴うことな
く、除滓性を高めると共にメタルロスを効果的に少なく
することができるのである。
【0013】本発明で規定する成分系のフラックスにお
いて、まず酸化物は滓中に含まれるAlに対する酸素供
給源となるもので、発熱反応の着火成分として不可欠の
せ成分である。該酸化物としては、Alよりも酸素との
結合力の弱い元素の酸化物であれば全て使用できるが、
溶湯内へ有害不純物として混入しにくく且つ着火性能の
優れたものとして最も好ましいのはAl23 およびB
23 であり、これらは単独で使用してもよくあるいは
2種を併用することもできる。
【0014】尚、酸化物としてB23 を単独で使用し
た場合は、フラックスが高融点となって通常の滓温度で
溶融しにくくなり、着火反応性がやや不足気味になるこ
とがあるので、好ましくは酸化物としてB23 とAl
23 を併用することによってフラックス全体の融点を
低下させ、着火反応がよりスムーズに進行する様にする
のがよい。
【0015】この着火発熱反応によって、滓中の粗大な
メタル分は昇温して流動性が高められ、湯戻り(滓から
溶湯へ戻る現象)が加速されるが、この湯戻りにはある
程度の時間が必要であるので、着火発熱反応が急激に起
こって即座に終了すると、滓全体を万遍なく昇温できな
くなると共に、湯戻りに必要な時間も確保できなくな
り、除滓性及びメタルロスの低減を十分に達成すること
ができなくなる。そこで本発明では、該酸化物よりも熱
分解温度の高い金属炭酸塩と、該炭酸塩よりも更に分解
温度の高い金属硫酸塩を併用し、あるいは必要により更
に他の成分として金属硝酸塩を併用し、これらを発熱反
応工程で順次熱分解させることによって発熱反応を継続
的に生ぜしめ、これにより滓を穏やかに且つ継続的に加
熱することにより、滓全体を万遍なく加熱昇温させると
共に滓中のメタル分の湯戻りを十分に行ない、更には滓
の主成分である酸化物のより安定な高温酸化物への変化
を進め、メタルロスの低減と除滓性の向上を達成するも
のである。
【0016】こうした継続的発熱を達成するには、フラ
ックス組成を中に着火成分である酸化物と共に金属炭酸
塩と金属硫酸塩を含有させる必要があり、それらの好ま
しい配合組成は 金属硫酸塩:30〜60重量% 金属炭酸塩: 5〜30重量% 酸化物:15〜35重量% である。しかして、上記配合組成を外れる場合は、着火
性が低下して発熱反応の開始が遅れたり、あるいは発熱
反応の持続性が低下する等、着火性と発熱反応の持続性
のバランスが悪くなる傾向が表われてくる。このとき、
滓の温度が低い場合は、更に他の成分として熱分解温度
の低い金属硝酸塩を併用すれば、着火を一層確実に行な
うことができる。但し、金属硝酸塩を多量添加し過ぎる
と着火反応が激しくなって安全性に問題が生じてくるの
で、併用する場合でもその配合量はフラックス全体に占
める比率で10重量%以下に抑えることが好ましい。
【0017】上記金属硫酸塩、金属炭酸塩、酸化物及び
金属硝酸塩の種類は、Alよりも酸素との反応性が小さ
い金属の塩もしくは酸化物であれば特に限定されない
が、着火反応性または発熱反応の継続性ならびにAl合
金溶湯中への混入しにくさ等を総合的に考慮して好まし
いのは、金属硫酸塩がK2 SO4 、MgSO4 およびN
2 SO4 ;金属炭酸塩がMgCO3 、CaCO3 、N
2 CO3 またはK2 CO3 ;酸化物がAl23 およ
びB23 ;金属硝酸塩がKNO3 及びNaNO 3 であ
り、これらは夫々単独で使用してもよく、あるいは2種
以上を併用しても構わない。上記フラックス構成成分の
作用および好ましい配合率についての検討結果を更に詳
述する。
【0018】着火用金属酸化物:B23 AlおよびAl合金溶湯表面に存在する滓の温度は、除
滓時における溶解炉バーナー加熱の有無により著しく異
なってくる。実測によると、その温度は400〜100
0℃の広範囲となる。そして該温度範囲の滓に着火材と
してB23 を散布し、滓と撹拌したときの着火状況を
調べたところ、滓温度400〜1000℃の範囲で確実
に着火させるには、B23 の配合量を10〜2重量%
の範囲にすればよいことが確認された。
【0019】金属硫酸塩:発熱反応を継続させるための
酸素供給源である金属硫酸塩の好ましい配合量は、次の
実験結果によって定めた。即ちAlおよびAl合金溶湯
中にSが多く混入すると欠陥発生の原因となり製品不良
を招く恐れがある。その限界上限値は、これまでの経験
から10ppm程度以下である。そこで硫酸塩としてK
2 SO4 、MgSO4 、Na2 SO4 などを使用したと
きの溶湯中へのSの混入量について検討した結果、表1
に示す如くフラックス中の金属硫酸塩としての配合量の
上限は60重量%であることが分かった。
【0020】
【表1】
【0021】金属炭酸塩:発熱反応を継続させるための
酸素供給源である金属炭酸塩の必要配合率は、次の実験
結果によって定めた。即ちAlおよびAl合金溶湯に未
分解の金属炭酸塩が混入すると、製品表面に線状欠陥が
多発することが経験的に知られており、その上限値は、
これまでの経験より金属炭酸塩として約10ppmであ
るとされている。そこで金属炭酸塩としてMgCO3
CaCO3 、Na2 CO3 、K2 CO3 等を用いた場合
の溶湯中への残留状況を調べた結果、表2に示す結果が
得られ、この結果より、線状欠陥を生じさせないフラッ
クス中の好ましい金属炭酸塩配合量の上限は30重量%
となる。
【0022】
【表2】
【0023】上記の結果より、フラックスの好ましい組
成は下記の通りとなる。 酸化物B23 :2〜10重量% 硫酸塩 :60重量%以下 炭酸塩 :30重量%以下 次に、酸化物としてB25 を10重量%一定とし、金
属硫酸塩の配合量を60〜30重量%、金属炭酸塩の配
合量を30〜60重量%の範囲で変えたときの除滓性に
与える影響を調べた。
【0024】
【表3】
【0025】その結果は表3に示す通りであり、いずれ
の場合も発熱までにかなりの時間がかかり、実用性にお
いてやや問題がある。尚金属硫酸塩および金属炭酸塩と
して様々の組合せについて実験を行なったが、いずれも
同様の傾向が認められた。この原因は、フラックスが液
状化し難いためと考えられた。
【0026】そこで融点降下剤としてAl23 の併用
を試みたところ、フラックス中に13〜25重量%のA
23 を添加すれば、400〜1000℃の滓温度で
液状化し、着火反応が円滑且つ速やかに起こることを知
った。また酸化物としてB23 とAl23 を併用し
た場合でも、金属硫酸塩や金属炭酸塩の好適配合比率に
は大差がなく、従って着火速度を加味したより好ましい
フラックス組成は下記の通りである。 金属硫酸塩:30〜60重量% 金属炭酸塩(酸化物の増加分をここでカバー):15〜
30重量% 酸化物:(13〜35重量%) B23 (着火用):2〜10重量% Al23 (融点降下用):13〜25重量%
【0027】但し、上記組成においても、滓温度が低い
場合には着火が不安定になることがある。従って低温側
での着火促進策としてより好ましいのは、より強力な酸
化剤である硝酸塩(KNO3 など)を少量添加するのが
よい。そこで金属硝酸塩配合による低温側での着火促進
を加味してより好ましい配合組成を調べた結果、下記表
4に示すフラックス組成とすればよいことを知った。こ
の場合、金属硝酸塩は低温での着火促進という点では優
れた効果を発揮するが、配合量が多くなり過ぎると前述
の如く安全面からの問題が生じてくるので、多くともフ
ラックス全体中に占める比率で10重量%以下に抑えな
ければならない。
【0028】
【表4】
【0029】以上の結果を総合して、本発明に係るフラ
ックスの好ましい配合組成は下記の通りとなる。 金属硫酸塩:30〜60重量% 金属炭酸塩:5〜30重量% 酸化物 :15〜35重量% B23 (着火用)…2〜10重量% Al23 (融点降下用)…13〜25重量% 硝酸塩(必要に応じ):0〜10重量%
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0031】実施例1(各化合物を夫々1種用いた場
合) 溶解条件:Al合金(JIS 1100)、20t 原料:地金(50%)+スクラップ(50%)・20t 溶解炉:反射炉(重油焚き)、20t 溶解温度:750℃ 溶解雰囲気:大気 精錬条件:Cl2 ガス精錬、100リットル/分×10
分 滓温度:400℃ 除滓条件:フラックス組成 金属硫酸塩(K2 SO4 ):60重量% 金属炭酸塩(K2 CO3 ):5重量% 酸化物 (B23 ) :2重量% (Al23 ):23重量% 金属硝酸塩(KNO3 ) :10重量% フラックス散布量:溶湯重量の0.1重量% 反応方法:滓表面にフラックス散布して撹拌し、発熱反
応を生じさせる 除滓 :レーキにて溶湯表面の滓を炉外へ除去、排出 炉外処理:耐火性多孔体フィルターを用い溶湯濾過 鋳造 :直径300mmビレットを半連続鋳造 製品検査:直径30mm棒に押し出し、表面を目視およ
び蛍光探傷法で検査 結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】尚表5において、除滓性とは[(除去され
た滓重量/溶湯重量)×100(%)]で評価した。滓
中にしめる酸化物の割合は通常10重量%以下と少な
く、ほぼ一定であるため、滓率が大きい値を示すものほ
ど滓中のメタル分の分離が悪く、また除滓時における滓
と溶湯との分離性も悪く、除滓性が悪いことを表わして
いる。尚、金属硫酸塩としてK2 SO4 以外にMgSO
4 やNa2 SO4 を使用し、また金属炭酸塩としてK2
CO3 以外にMgCO3 、CaCO3 、Na2 CO3
を使用した場合もほぼ同様の結果が得られ、滓率はいず
れも3.1〜2.9%であった。
【0034】実施例2(金属硝酸塩を用いない場合) 溶解、精錬条件は実施例1と同様とした。但し、精錬
後、溶湯温度が低下したため、バーナー着火により滓温
度を1000℃に高めた。 除滓条件: フラックス組成 K2 SO4 :60重量% K2 CO3 :25重量% B23 :2重量%(滓の温度が高いため、着火反応
剤の使用量を低減) Al23 :13重量%(滓の温度が高いため、融点降
下剤の使用量を低減) KNO3 :無 (滓の温度が高いためKNO3使用せ
ず) フラックス散布量、反応方法は実施例1と同様とした。 除滓:レーキにて溶湯表面の滓を炉外に除去 炉外処理:耐火性多孔体フィルターを用い溶湯濾過 鋳造:直径300mmビレットを半連続鋳造 製品検査:直径30mm棒に押し出し、表面を目視およ
び蛍光探傷法によって検査 結果を表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】表6から明らかである様に滓の温度が高い
ときは金属硝酸塩を使用せずとも優れた着火、発熱反応
性を得ることができ、むしろ金属硝酸塩を配合したもの
(実施例1)では、着火、発熱反応が急激に起こるため
滓全体を万遍なく昇温しにくくなると共に、発熱時間も
短くなるので、除滓性はかえって低くなることが分か
る。尚、金属硫酸塩としてK2 SO4 以外にMgSO4
やNa2 SO4 を使用し、また金属炭酸塩としてK2
3 以外にMgCO3 、CaCO3 、Na2 CO3を用
いて同様に試験したが、同様に良好な着火と発熱反応が
得られ、滓率はいずれも3.1〜2.9%で良好であっ
た。
【0037】実施例3(金属硫酸塩および金属炭酸塩を
夫々複数種用いた例) 前記実施例1および2で採用したのと同じ溶解、精錬条
件等を採用し、除滓用フラックスの成分組成を下記の様
に変更した以外は同様にして実験を行なった。 (フラックス組成) 金属硫酸塩:(K2 SO4 )20重量% (MgSO4 )20重量% (Na2 SO4 )20重量% 金属炭酸塩:(K2 CO3 )1重量% (MgCO3 )1重量% (CaCO3 )1重量% (Na2 CO3 )2重量% 酸化物 :(B23 )2重量% (Al23 )23重量% 金属硝酸塩:(KNO3 )10重量% 結果は表7に示す通りであり、実施例1と同様に良好な
結果を得た。
【0038】
【表7】
【0039】実施例4 フラックス組成を下記の様に変更した以外は実施例2と
全く同様にして実験を行なった。 (フラックス組成) 金属硫酸塩:(K2 SO4 )20重量% (MgSO4 )20重量% (Na2 SO4 )20重量% 金属炭酸塩:(MgCO3 )5重量% (CaCO3 )5重量% (Na2 CO3 )5重量% (K2 CO3 )10重量% 酸化物 :(Al23 )13重量% (B23 )2重量% 金属硝酸塩:無 結果は表8に示す通りであり、実施例2と全く同様に良
好な結果が得られた。
【0040】
【表8】
【0041】表7,8の結果からも明らかである様に、
本発明では金属硫酸塩、金属炭酸塩、酸化物よりなる成
分系、あるいは必要により配合される硝酸塩を加えた4
成分の配合を必須とするものであり、金属硫酸塩等の各
成分は夫々単独で用いた場合でもまた夫々を複数種ずつ
使用した場合でも、同様に良好な結果が得られることが
分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、従
来のハロゲン系除滓用フラックスに代わるものとして、
有害ガスを生じることがなく、且つ着火性と発熱反応性
および昇温持続性の優れた複合成分系のフラックスとす
ることによって、排ガス中和処理に要する負担を軽減し
つつ、除滓性の向上を図ると共に除滓時のメタルロスを
抑えることができ、溶湯歩留りも高め得ることになっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 元裕 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 大賀 清正 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 新井 基浩 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 益田 穣司 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 北野 貴之 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 佐伯 武文 神戸市中央区北長狭通4丁目4番18号 有 限会社フォセコ・ジャパン・リミテッド内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl合金溶湯の精錬工程で生
    成する滓の除去性を高めるためのフラックスであって、 金属硫酸塩と金属炭酸塩と酸化物の混合物、もしくは金
    属硫酸塩と金属炭酸塩と酸化物と金属硝酸塩の混合物か
    らなることを特徴とするAlまたはAl合金溶湯処理用
    フラックス。
  2. 【請求項2】 配合組成が 金属硫酸塩:30〜60重量% 金属炭酸塩: 5〜30重量% 酸化物:15〜35重量% 金属硝酸塩:0〜10重量% である請求項1に記載のフラックス。
  3. 【請求項3】 金属硫酸塩がK2 SO4 、MgSO4
    Na2 SO4 よりなる群から選択される1種以上;金属
    炭酸塩がMgCO3 、CaCO3 、Na2 CO3 、K2
    CO3 よりなる群から選択される1種以上;酸化物がA
    23 および/またはB23 ;金属硝酸塩がKNO
    3 である請求項1または2に記載のフラックス。
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