JPH07206916A - ヘキサン抽出性物質の含有率が低減されたエチレンポリマーを製造する方法 - Google Patents

ヘキサン抽出性物質の含有率が低減されたエチレンポリマーを製造する方法

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JPH07206916A
JPH07206916A JP33361894A JP33361894A JPH07206916A JP H07206916 A JPH07206916 A JP H07206916A JP 33361894 A JP33361894 A JP 33361894A JP 33361894 A JP33361894 A JP 33361894A JP H07206916 A JPH07206916 A JP H07206916A
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titanium tetrachloride
catalyst
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JP33361894A
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Eric Allan Lucas
エリック・アラン・ルーカス
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Union Carbide Chemicals and Plastics Technology LLC
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Union Carbide Chemicals and Plastics Technology LLC
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 この発明は、(a)有機アルミニウム成分と
(b)亜鉛又はマンガンのような−1.5Vより高い還
元電位(水素電極標準に対して)を持つ金属を用いて四
塩化チタンを還元することによって製造された三塩化チ
タン成分とを含み、ヘキサン抽出性物質の含有率が低減
されたエチレンポリマーを製造するのに好適なチーグラ
ー・ナッタタイプの触媒系に関する。 【効果】 本発明の触媒を用いてエチレンの重合を行な
った場合、ヘキサン抽出性物質の含有率が低減されたエ
チレンポリマーが製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、(a)有機アルミニ
ウム成分と(b)−1.5Vより高い還元電位(水素電
極標準に対して)を持つ金属を用いて四塩化チタンを還
元することによって製造された三塩化チタン成分とを含
み、ヘキサン抽出性物質の含有率が低減されたエチレン
ポリマーを製造するのに好適な、チーグラー・ナッタタ
イプの触媒系に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】三塩化
チタンはチーグラー・ナッタ触媒系のよく知られた成分
である。かかる系において用いられる三塩化チタンは商
品として入手でき、特に一般的には四塩化チタンを金属
アルミニウムで還元することによって製造される。この
方法で製造された三塩化チタンを用いた触媒は極めて活
性であるが、かかる触媒は、エチレンとヘキセンのよう
な高級α−オレフィンとの共重合において用いられた場
合に、抽出性物質及び揮発性油を望ましくないほど高い
割合で含有するブロッキー(blocky)樹脂の生成を促進
してしまうことがわかった。この抽出性物質及び揮発性
油の割合が高くなるのは、四塩化チタンを金属アルミニ
ウムで還元した場合に生成することが知られているTi
Cl3 ・1/3 AlCl3 混合結晶が触媒中に存在するこ
とがその原因の少なくとも一部となっている。
【0003】チーグラー・ナッタ触媒系に用いるのに適
した三塩化チタンはまた、四塩化チタンを水素ガスによ
って還元することによって製造することもできる。しか
しながら、この方法は経費的に極めて高くつくものであ
り、しかも、環境上望ましくない副生成物、即ち塩化水
素の生成を伴うという欠点を持つ。
【0004】三塩化チタンを製造するためのさらに別の
方法としては、四塩化チタンをジアルキルマグネシウム
化合物又はハロゲン化アルキルマグネシウムのような有
機マグネシウム化合物によって還元する方法がある。し
かしながら、この方法もまた経費的に極めて高くつくも
のであり、水素還元法と同様に、望ましくない反応副生
成物、この場合には塩素化アルカンの生成を伴うという
欠点を持つ。
【0005】係属中の米国特許出願第07/92663
3号明細書には、四塩化チタンを金属マグネシウムで還
元することによって三塩化チタンを製造することができ
るということ、及び、この方法で製造された三塩化チタ
ンは、エチレンとヘキセンのような高級α−オレフィン
とを共重合するために有機アルミニウム助触媒と共に用
いた場合に、ヘキサン抽出性物質含有率が低減されたエ
チレンコポリマーを製造することができるということが
教示されている。しかし、残念ながら四塩化チタンの金
属マグネシウムによる還元反応は制御するのが難しい。
その結果、用いた四塩化チタンの一部は過度に還元され
て二塩化チタンになり、別の一部は全く還元されないと
いうことになる。従って、所望のTiCl3 に加えて、
少量のTiCl2 及びTiCl4 が最終生成物中に見出
されることがある。過度に還元された物質であるTiC
2 はオレフィン重合において不活性であることが示さ
れ、他方、非還元物質であるTiCl4 は活性及び嵩密
度の問題の原因となる。製造される生成物が混合物であ
るために、この四塩化チタン還元方法もまた、完全に満
足できるものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、エチレンと高級α−オレフィンとを共重合さ
せてヘキサン抽出性物質含有率が低減されたエチレンコ
ポリマーを製造するために有機アルミニウム助触媒と共
に用いることができる三塩化チタンを製造するために四
塩化チタンを還元する改良型方法を提供するものであ
り、この方法は、四塩化チタンを還元して三塩化チタン
にするのに充分な量の−1.5Vより高い還元電位(水
素電極標準に対して)を持つ金属で四塩化チタンを処理
することを含む。この方法に従えば、四塩化チタンの三
塩化チタンへの還元は電子供与体溶媒中で行なわれ、三
塩化チタン及び還元用金属の塩化物の生成をもたらす。
三塩化チタンは電子供与体との可溶性錯体を形成し、溶
液中に残る。他方、還元用金属塩化物は不溶性であり、
溶液から沈殿する。この沈殿をろ過によって除去し、所
望のMg/Ti比を持つ触媒成分を製造するのに充分な
量の二塩化マグネシウムをこの溶液に添加する。次いで
この溶液を好適な担体に含浸させるか、又は好適な充填
材と共に若しくは充填材なしで噴霧乾燥させて、所望の
触媒の離散粒子を得る。
【0007】かくして、本発明は、ヘキサン抽出性物質
含有率が低減されたエチレンコポリマーを製造するのに
好適な、次の成分(a)及び(b)を含む改良型触媒系
を提供する: (a)有機アルミニウム成分 (b)(i)四塩化チタンを電子供与体溶媒中で、この
四塩化チタンを還元して三塩化チタンにするのに充分な
量の−1.5Vより高い還元電位(水素電極標準に対し
て)を持つ金属で処理することによって、該四塩化チタ
ンを還元し且つ前記金属をその不溶性塩化物にし、(i
i)還元用金属の不溶性塩化物をろ過によって除去し、
(iii)得られた溶液に、所望のMg/Ti比を有する触
媒成分を製造するための二塩化マグネシウムを添加し、
(iv)次いでこの溶液を好適な担体に含浸させるか、又
はこの溶液を好適な充填材と共に若しくは充填材なしで
噴霧乾燥して、触媒の離散粒子を得ることによって製造
された三塩化チタン成分。
【0008】この方法で製造される触媒系は、AlCl
3 、TiCl2 及びTiCl4 のような望ましくない不
純物を実質的に含有せず、エチレンと高級α−オレフィ
ンとの共重合に用いた場合に、ヘキサン抽出性物質含有
率が低減されたエチレンコポリマーを製造することがで
きる。望ましくない不純物を実質的に含有しない触媒系
を提供することに加えて、本発明は、三塩化チタン成分
がその場で、即ちこの極めて腐蝕性が高く、水との反応
性が高く、取り扱いが難しい物質を生産して単離するこ
とを必要とせずに、製造される、触媒系の独特な製造方
法を提供するものである。従って、本発明は、三塩化チ
タンを直接取り扱う必要性を排除し且つ望ましくない不
純物の存在を最小限にする好都合な触媒製造方法を提供
する。
【0009】発明の具体的な説明 本発明に従う−1.5Vより高い還元電位(水素電極標
準に対して)を持つ金属による四塩化チタンの還元は電
子供与体溶媒中で行なわれ、三塩化チタン及び還元用金
属の塩化物の生成をもたらす。三塩化チタンは電子供与
体との可溶性錯体を形成し、溶液中に残る。他方、還元
用金属塩化物は不溶性であり、溶液から沈殿する。テト
ラヒドロフラン(THF)を溶媒として用い且つ亜鉛を
還元用金属として用いた場合の反応は、次の式によって
表わすことができる:
【化1】THF・Zn+2TiCl4 →ZnCl2 +2
TiCl3 (THF)3
【0010】反応用溶媒として用いられる電子供与体化
合物は、25℃において液状の有機化合物であって且つ
用いた四塩化チタン及び製造される三塩化チタン錯体が
その中において可溶であるものである。しかしながら、
用いる電子供与体化合物は、アルコール基のような活性
水素を含有する基を含有しないものでなければならな
い。何故ならば、かかる基は還元用金属及び四塩化チタ
ンの両方と容易に反応してしまうからである。この電子
供与体化合物は、ルイス塩基と称されることもある。
【0011】好適な電子供与体化合物には、脂肪族及び
芳香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテ
ル、環状脂肪族エーテル並びに脂肪族ケトンが包含され
る。特に有用なものは、1〜4個の炭素原子を有する飽
和脂肪族カルボン酸のアルキルエステル;7〜8個の炭
素原子を有する芳香族カルボン酸のアルキルエステル;
2〜8個の炭素原子、好ましくは4〜5個の炭素原子を
有する脂肪族エーテル;4〜5個の炭素原子を有する環
状脂肪族エーテル、好ましくは4個の炭素原子を有する
モノ又はジエーテル;及び3〜6個の炭素原子、好まし
くは3〜4個の炭素原子を有する脂肪族ケトンである。
最も好ましい電子供与体はテトラヒドロフランで唖あ
る。所望ならば、これら電子供与体化合物は、四塩化チ
タンの還元の際及び続いての還元された生成物を用いた
重合の際に用いられる反応条件下において不活性な1種
以上の置換基で置換されていてもよい。
【0012】より効果的に四塩化チタンの三塩化チタン
への還元を制御し且つ四塩化チタンの二塩化チタンへの
望ましくない過剰還元を制限するためには、−1.5V
より高い還元電位(水素電極標準に対して)を持つ金属
を用いて還元を行なうべきである。−1.5Vより低い
還元電位を持つ金属(例えばマグネシウム)(これは−
2.4Vの還元電位を持つ)は四塩化チタンの還元にと
って望ましくないほど高い過電圧を持ち、これは過剰量
の二塩化チタンの生成をもたらすことがあるので、この
ような金属は回避すべきである。
【0013】−1.5Vより高い還元電位を持つことに
加えて、本発明において用いられる金属は、四塩化チタ
ンとの反応の結果として形成する反応副生成物である金
属塩化物が、溶液から容易に除去できるように、溶媒と
して用いた電子供与体化合物中に実質的に不溶であるも
のでなければならない。亜鉛は不溶性塩化物を形成し且
つ−0.8Vの還元電位(即ち、−0.1Vの還元電位
を持つTi+3と比較して−0.7Vの過電圧)を持つの
で、特に好適である。マンガンもまた不溶性塩化物を形
成し、−1.0Vの還元電位(即ち、Ti+3と比較して
−0.9Vの過電圧)を持つので、これもまた好適であ
る。これらの金属は共に、98%以上のTiCl4 を還
元してTiCl3 にすることがわかった。
【0014】本発明において用いられる還元用金属は四
塩化チタンとの反応性が高いので、粉体としてよりもむ
しろ粒体の形で用いるのが好ましい。より微細な粉体の
形の金属を用いるよりもむしろより大きい粒の粒子を用
いた方が金属の反応性が制限され、より円滑に且つより
制御された態様で反応を進行させることができる。通常
は、約0.10μm〜約10μm、好ましくは約0.1
0μm〜約1μmの平均粒子寸法を有する還元用金属粒
子を用いる。
【0015】四塩化チタンの三塩化チタンへの還元は、
少なくとも還元を果たすのに必要な化学量論的量、即ち
四塩化チタン2モルにつき少なくとも1グラム原子の量
の還元用金属を用いて行なわれる。四塩化チタンを三塩
化チタンに完全に還元するためには、少なくとも化学量
論的量の還元用金属が必要であるが、四塩化チタン2モ
ルにつき1.1グラム原子以下の還元用金属を用いるの
が好ましい。化学量論的量の還元用金属を用いるのが特
に好ましい。
【0016】前述のように、還元用金属による四塩化チ
タンの還元は、電子供与体化合物中で行なわれる。四塩
化チタン1モルにつき約5モル〜約400モルの電子供
与体化合物を用いるのが有利であり、四塩化チタン1モ
ルにつき約50モル〜200モルの電子供与体化合物を
用いるのが好ましい。
【0017】還元用金属と電子供与体化合物との混合物
に四塩化チタンを添加するのが一般的であるが、電子供
与体化合物中に四塩化チタンを含有させた溶液に還元用
金属を添加することもでき、また、電子供与体化合物に
四塩化チタン及び還元用金属を一緒に添加することもで
きる。反応を行なう温度は、電子供与体化合物の沸点よ
り低い温度であるのが一般的であり、50〜70℃の範
囲の温度であるのが好ましい。不活性雰囲気、即ち還元
用金属による四塩化チタンの還元の際に用いられる条件
下において非反応性の雰囲気を保つべきである。
【0018】還元用金属による四塩化チタンの還元によ
って、電子供与体化合物中の三塩化チタンの溶液が得ら
れ、そして還元用金属の不溶性塩化物が溶液から沈殿す
る。所望の触媒成分の形成を完全なものにするために
は、不溶性金属塩化物をろ過によって溶液から分離する
こと及び所望のMg/Ti比を有する触媒化合物を製造
するのに充分な量の二塩化マグネシウムを溶液に添加す
ることのみが必要である。次いで、溶液を好適な担体に
含浸させるか、又は好適な充填材と共に若しくは充填材
なしで噴霧乾燥させて、所望の触媒の離散粒子を得るこ
とができる。
【0019】溶液への二塩化マグネシウムの添加量は通
常、溶液を好適な担体に含浸させるか噴霧乾燥させるか
に依存する。溶液を噴霧乾燥させる場合には担体の細孔
内部まで完全に乾燥させるという制約がないので、この
操作に従う場合には通常は溶液を担体に含浸させる場合
よりも多量の二塩化マグネシウムが用いられる。一般的
に、1:1〜56:1、好ましくは1.5:1〜5:1
のMg/Ti比を得るのに充分な量の二塩化マグネシウ
ムを溶液に添加する。溶液を噴霧乾燥させる場合には、
1.5〜1〜15:1のMg/Ti比を得るのに充分な
量の二塩化マグネシウムを添加するのが好ましく、4:
1〜6:1のMg/Ti比を得るのに充分な量の二塩化
マグネシウムを添加するのが特に好ましい。他方、溶液
を担体に含浸させる場合には、1.5〜1〜10:1の
Mg/Ti比を得るのに充分な量の二塩化マグネシウム
を添加するのが好ましく、2:1〜5:1のMg/Ti
比を得るのに充分な量の二塩化マグネシウムを添加する
のが特に好ましい。
【0020】電子供与体溶液中への二塩化マグネシウム
の溶解は、約20℃〜電子供与体化合物の沸点までの温
度において電子供与体溶液中で二塩化マグネシウムを撹
拌することによって行なうことができる。二塩化マグネ
シウムは三塩化チタンの存在下よりも四塩化チタンの存
在下の方がより迅速に電子供与体化合物中に溶解するの
で、電子供与体化合物中の四塩化チタンの溶液に還元用
金属を添加することによって四塩化チタンを還元して三
塩化チタンにする場合には、還元用金属を添加する前に
電子供与体化合物中に二塩化マグネシウム及び四塩化チ
タンの両方を溶解させることができ、そうするのが好ま
しい。もちろん、還元用金属と電子供与体化合物との混
合物中に二塩化マグネシウムを溶解させ、その後にこの
混合物に四塩化チタンを添加することもできるが、しか
し、そうすることに格別な利点はないように思われる。
【0021】この態様で製造された三塩化チタン及び二
塩化マグネシウムの溶液を次いで、好適な担体に含浸さ
せるか、又は好適な充填材と共に若しくは充填材なしで
噴霧乾燥させて、所望の触媒の離散粒子が得られる。
【0022】この態様で製造された含浸され又は噴霧乾
燥された触媒成分は、次式: Mgm TiClp [ED]q (式中、EDは電子供与体化合物であり、mは1〜5
6、好ましくは1.5〜5であり、pは5〜115、好
ましくは6〜13であり、qは2〜85、好ましくは3
〜12である)を有する。
【0023】電子供与体化合物中の三塩化チタン及び二
塩化マグネシウムの溶液の好適な担体への含浸は、この
担体を前記溶液と混合し、約100℃までの温度におい
て乾燥させて過剰分の電子供与体化合物を除去すること
によって行なうことができる。
【0024】担体として用いることができる材料は、触
媒系の他の成分に対して不活性であり且つその後の重合
の際に不活性である固体粒状多孔質材料である。好適な
担体材料には、珪素及び(又は)アルミニウムの酸化物
のような無機材料が包含される。これらの材料は通常、
約10μm〜約250μm、好ましくは約10μm〜約
150μmの平均粒子寸法、及び少なくとも約3m2
g、好ましくは少なくとも約50m2 /gの表面積を有
する。少なくとも約80Å単位、好ましくは少なくとも
100Å単位の平均細孔寸法を有するシリカ担体を用い
ることによって、触媒の重合活性を改善することができ
る。担体材料は乾燥したもの、即ち吸収された水分を含
有しないものであるべきである。担体材料の乾燥は、例
えばシリカを担体として用いる場合には少なくとも60
0℃の温度において加熱することによって行なうことが
できる。また、シリカを用いる場合、少なくとも200
℃の温度において乾燥させ、約1重量%〜約8重量%の
下記の1種以上のアルミニウム活性剤化合物で処理する
こともできる。この態様で担体をアルミニウム化合物で
変性することによって、触媒活性が高められ且つ得られ
るエチレンポリマーの形態が改善される。また、ジエチ
ル亜鉛のような他の金属化合物を担体を変性するのに用
いることもできる。
【0025】含浸された担体は、Mg/Ti/ED成分
を約3重量%〜約50重量%含有するのが好適であり、
約10重量%〜約30重量%含有するのが好ましい。
【0026】電子供与体化合物中の三塩化チタン及び二
塩化マグネシウムの溶液は、担体中に含浸させるよりは
噴霧乾燥させた方がよい。噴霧乾燥は、溶液を好適な充
填材と混合し、得られたスラリーを随意に電子供与体化
合物の沸点程度の高さの温度に加熱し、次いで好適な噴
霧装置によってスラリーを噴霧して球状に造形された離
散粒子を形成させることによって行なうことができる。
噴霧は、不活性乾燥用気体、即ち噴霧の際に用いられる
条件下において非反応性の気体と共にスラリーを噴霧器
に通すことによって行なわれる。噴霧を行なうために、
噴霧ノズル又は高速遠心ディスクを用いることができ
る。スラリーの噴霧及び過剰分の電子供与体化合物の除
去を果たすためには、乾燥用気体の容積流量はスラリー
の容積流量をかなり越えていなければならない。通常
は、スラリーの噴霧及び過剰分の電子供与体化合物の除
去を促進するために、乾燥用気体を電子供与体化合物の
沸点より高い、約160℃程度の高さの温度に加熱す
る。しかしながら、乾燥用気体の容積流量を非常に高い
レベルに保つ場合には、電子供与体化合物の沸点より低
い温度を用いることもできる。噴霧圧力は、約1psi
g〜200psigであるのが好適である。
【0027】噴霧乾燥に好適なスラリーを形成させるた
めの三塩化チタン及び二塩化マグネシウムの溶液に対す
る充填材としては、触媒系の他の成分に対して不活性で
あり且つその後の重合の際に不活性である任意の固体粒
状材料を用いることができる。かかる材料は有機性であ
っても無機性であってもよい。好適な充填材医には、シ
リカ、二酸化チタン、ポリスチレン及び炭酸カルシウム
が包含される。疎水性ヒュームドシリカは、スラリーに
高い粘度を付与し且つ噴霧乾燥された粒子に良好な強度
を付与するので、好ましい。
【0028】充填材として用いられる粒状材料は、50
μm以下の平均粒子寸法を有するものであるべきであ
り、10μm以上の平均粒子寸法を有するものであるの
が好ましい。三塩化チタン及び二塩化マグネシウムの溶
液を担体に含浸させる場合に用いられる粒状材料と同様
に、充填材として用いられる粒状材料もまた乾燥したも
の、即ち吸収された水を含有しないものであるべきであ
る。
【0029】噴霧乾燥に適したスラリー、即ち0重量%
〜約15重量%、好ましくは約2.5重量%〜約10重
量%の量の充填材を含有するスラリーを得るのに充分な
充填材を、三塩化チタン及び二塩化マグネシウムの溶液
と混合すべきである。かかるスラリーを噴霧乾燥した場
合、充填材が0重量%〜約50重量%、好ましくは約1
0重量%〜約30重量%の量で存在する離散触媒粒子が
得られる。この態様で製造された噴霧乾燥された触媒粒
子は、約5μm〜約200μm、好ましくは約10μm
〜約30μmの平均粒子寸法を有する。
【0030】エチレンポリマーの製造において有用であ
るためには、含浸又は噴霧乾燥された触媒中のチタン原
子をエチレンの重合を効果的に起こさせる状態に変化さ
せることができる化合物を用いてこの触媒を活性化しな
ければならない。かかる活性化は、次の構造: AlRdef (式中、XはCl又はOR’であり、R及びR’は同一
であっても異なっていてもよく、1〜14個の炭素原子
を有する飽和炭化水素基であり、eは0〜1.5であ
り、fは0又は1であり、dはdとeとfとの合計d+
e+fが3となる数である)を有する有機アルミニウム
化合物を用いて行なわれる。
【0031】R及びR’は、重合反応の際に用いられる
反応条件下において不活性な1種以上の置換基で置換さ
れていてもよい。好ましいR及びR’は、1〜8個の炭
素原子を有するアルキル基である。
【0032】かかる活性剤化合物は、単独で用いること
もでき、組合せて用いることもでき、その例には、Al(C
2H5)3 、Al(C2H5)2Cl 、Al2(C2H5)3Cl3 、Al(C2H5)2H、
Al(C2H5)2(OC2H5)、Al(i-C4H9)3 、Al(i-C4H9)2H、Al(C
6H13)3及びAl(C8H17)3のような化合物が包含される。
【0033】所望ならば、含浸又は噴霧乾燥された触媒
を重合反応器に導入する前にある程度まで活性化しても
よい(このある程度までの活性化を「部分的活性化」と
言う)。しかしながら、重合反応器の外で活性化を行な
う場合には、触媒中の活性剤化合物対電子供与体のモル
比が2:1以上になると触媒活性が実質的に低減される
ことがわかっているので、この比がこの値以上にならな
い量の活性剤化合物を添加する程度にとどめておくべき
である。最大の触媒活性を保つためには、触媒の活性剤
化合物対電子供与体のモル比が約0.1:1〜約1:1
になる量の活性剤化合物を用いるのが好ましい。この部
分的活性化は、炭化水素溶媒スラリー中で実施すること
ができ、次いで、溶媒を除去するために、得られた混合
物を約20℃〜約80℃、好ましくは約50℃〜約70
℃の温度において乾燥させることができる。次いで得ら
れた乾燥生成物を重合反応器に供給し、そこで追加の活
性剤化合物(これはその前に用いた活性剤化合物と同一
の化合物であっても異なる化合物であってもよい)によ
って活性化を完了させることができる。別法として、触
媒及び活性剤の両方を含有させた炭化水素スラリーを反
応器に直接供給してもよい。かかるスラリーは、一般的
に1重量%〜75重量%の触媒及び活性剤を含有する。
【0034】他方、含浸又は噴霧乾燥された触媒は、所
望ならば、前もって反応器の外での活性化を行なうこと
なく、米国特許第4383095号及び同第43760
62号の両明細書に記載された態様で、重合反応器内で
完全に活性化させてもよい。必要ならばこれら米国特許
の明細書を参照されたい。
【0035】重合は、本発明の触媒系を用いて、エチレ
ン又はエチレンと3〜8個の炭素原子を有する少なくと
も1種のα−オレフィンとの混合物を、触媒系の2種の
成分、即ち有機アルミニウム成分及び三塩化チタン成分
と接触させることによって行なわれる。重合は溶液法、
スラリー法又は気相法のいずれの技術を用いて行なうこ
ともできるが、気相中で流動床中で重合を行なうのが好
ましい。気相重合に有用な好適な流動床反応系は、例え
ば米国特許第4302565号、同第4302566号
及び同第4303771号の各明細書に記載されている
ので、必要ならばこれらを参照されたい。
【0036】部分的に活性化された又は全く活性化され
ていない三塩化チタン触媒成分及びこの成分の活性化を
完了させるのに必要な量の有機アルミニウム助触媒は、
反応器内のこれらそれぞれの物質の量をより効果的に制
御するために、別々の供給ラインから反応器に導入する
のが一般的である。しかしながら、所望ならばこれらを
一緒に添加することもできる。いずれの場合にも、有機
アルミニウム助触媒及び三塩化チタン成分は、反応器内
の全チタン対アルミニウム原子比が約10:1〜約40
0:1、好ましくは約15:1〜約60:1になるよう
な量で反応器に添加する。
【0037】有機アルミニウム助触媒成分は、不活性液
状溶媒、即ち重合の際に用いられる条件下において非反
応性の溶媒中に溶解させて反応器に導入することができ
る。この目的のためには、イソペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、トルエン、キシレン、ナフサ及び鉱油のような
炭化水素を用いるのが好ましい。かかる溶液は、5重量
%〜75重量%の有機アルミニウム助触媒を含有するの
が一般的である。所望ならば、より低濃度又はより高濃
度の溶液を用いることもでき、また、溶媒なしで有機ア
ルミニウム助触媒を添加することもでき、また、所望な
らば液状モノマー流中に有機アルミニウム助触媒を懸濁
させることもできる。溶媒を用い且つ重合を気相中で実
施する場合、過剰量の液体を用いると重合を妨害してし
まうので、それを回避するように反応器に導入される溶
媒の量を注意深く制御すべきである。
【0038】有機アルミニウム助触媒を溶解させるため
に用いられる溶媒はまた、反応器に三塩化チタン成分を
導入するために用いることもできる。この目的のために
は、鉱油のようなより高沸点の溶媒が好ましい。固体状
三塩化チタン成分は溶媒なしで又は液状モノマー中に懸
濁させて反応器に導入することもできるが、固体状触媒
成分を分散させて反応器内へのその流入を促進するため
にかかる溶媒を用いてもよい。かかる分散体は、1重量
%〜75重量%の固体触媒成分を含有するのが一般的で
ある。
【0039】エチレンと共に重合させることができるα
−オレフィンは、1分子当たりに3〜8個の炭素原子を
有するものである。これらのα−オレフィンは、二重結
合から2個離れた炭素原子より近くに枝分かれを持って
いるべきではない。好適なα−オレフィンには、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘプテン−1及びオクテン−1が
包含される。好ましいα−オレフィンには、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1及びオクテン−1が包含される。
【0040】重合の際に用いられる温度は、重合を気相
中又はスラリー中で行なう場合には約10℃〜約115
℃、重合を溶液中で行なう場合には約150℃〜約25
0℃の範囲で変えることができる。重合を気相中で実施
する場合、もちろんこの温度は、ポリマーの凝集を防止
するために、製造されるポリマーの焼結温度より低く保
たれなければならない。他方、気相重合の際に用いられ
る温度は、反応混合物が実質的に凝縮して液体状態にな
るのを防止するのに充分高くしなければならない。何故
ならば、かかる凝縮は製造されるポリマー粒子を互いに
結合させ、同様にポリマー凝集の問題を悪化させるから
である。この問題点は通常、5個以上の炭素原子を有す
る比較的高い露点を有するα−オレフィンの使用と関連
づけられる。ある程度の凝縮は許容できるが、それを越
えると反応器の汚れを引き起こすだろう。
【0041】0.91g/cm3 〜0.97g/cm3
の密度を有するポリマーが望まれる場合には、約75℃
〜約115℃の温度を用いるのが一般的であり、約75
℃〜約100℃の温度を用いるのが好ましい。0.91
g/cm3 より小さい密度を有するポリマーを製造する
場合には、生成物の焼結温度が低くなるので、約10℃
〜約80℃、好ましくは約40℃〜約60℃の低温を用
いるべきである。後者の場合、フレデリク・ジョン・キ
ャロル(Frederic John Karol) らによるヨーロッパ特許
公開第0120503号明細書に記載されたように、凝
集を防止し且つ連続的な重合を維持するために、反応混
合物を多量の希釈用気体で希釈することもまた必要であ
る。
【0042】用いられる圧力は、減圧から過圧まで変え
ることができる。気相重合、スラリー重合及び溶液重合
については、約7000kPaまでの圧力が好適であ
り、約70kPa〜約3500kPaの圧力が好まし
い。
【0043】重合は、所望ならば、不活性気体、即ち重
合の際に用いられる条件下において非反応性の気体の存
在下で行なうことができる。また、水素のような連鎖移
動剤を存在させてもよい。しかしながら、湿分、酸素、
一酸化炭素、二酸化炭素、アセチレン等のような望まし
くない触媒毒が実質的にない状態に反応器を保つべきで
ある。
【0044】重合を流動床中で行なう場合、床に通す気
体状反応混合物の見かけ気体速度は、有効な流動床を保
つために、流動化に必要な最低流量を越えていなければ
ならない。
【0045】
【作用】本発明の触媒系を用いて製造されるエチレンと
ヘキセンのような高級α−オレフィンとのコポリマー
は、四塩化チタンをアルミニウムで還元することによっ
て得られた三塩化チタン成分を用いた同様の触媒系を用
いて製造されたコポリマーのn−ヘキサン抽出性物質含
有率よりも最高50%も低いn−ヘキサン抽出性物質含
有率を有する。
【0046】
【実施例】以下の実施例は、本発明を例示するためのも
のであり、その範囲を限定するものではない。実施例に
おいて製造されたポリマーの各種の特性は、第1表の脚
注に示したASTM試験法及び下記の方法に従って測定
した。
【0047】シクロヘキサン抽出性物質 粒状樹脂を用い、ASTM法D−1928に従ってプラ
ックを製造する。これらのプラックを半分に切り、それ
ぞれの試験片を0.1mgの桁まで計量する。これらの
プラックを次いで沸騰したシクロヘキサン(81℃)中
に4時間浸漬する。次いでこれらのプラックをシクロヘ
キサンから取り出し、真空下で60℃において乾燥させ
る、これらのプラックを再び0.1mgの桁まで計量
し、抽出性物質含有率が、元の重量の百分率として表わ
されるプラックの重量損失として得られる。追加的に、
係属中の米国特許出願第07/926333号明細書に
記載された方法を用いて抽出性物質を評価することがで
きる。この別法においては、粒体よりもフィルムから抽
出性物質が測定される。
【0048】例1 (a)TiCl3 /MgCl2 触媒成分溶液の調製 リボン撹拌機を備え且つ窒素雰囲気(O2 、H2 O含有
率5ppm未満)下に保った5ガロンの容器に無水テト
ラヒドロフラン(THF)5リットルを添加した。この
THFに粒状金属亜鉛Zn(粒子寸法0.1μm〜1μ
mの範囲)162g(2.48モル)及び無水二塩化マ
グネシウムMgCl2 235g(2.47モル)を添加
した。この混合物を連続的に撹拌し、この混合物に四塩
化チタンTiCl4 104.0g(0.548モル)を
0.5時間かけて添加した。次いでこの混合物を0.5
時間の間に65℃に加熱し、65℃に4時間保った。こ
の期間の間にMgCl2 の殆どが溶解した。次いでこの
溶液を容器から別の不活性スラリー化容器に、未反応の
Zn並びに溶解しなかったMgCl2 及びZnCl2
除去するために1μmのフィルターバッグを通してろ過
することによって取り出した。
【0049】(b)TiCl3 /MgCl2 触媒成分の
噴霧乾燥 例1(a)におけるようにして調製した溶液にヒューム
ドシリカ{キャボット社(Cabot Corporation)製の CAB
-O-SIL(登録商標名)TS-610}317.1gを添加し
た。この時間の間及びその後の数時間この混合物をリボ
ン撹拌機によって撹拌して、シリカを溶液中に充分に分
散させた。この期間を通じて混合物の温度を70℃に保
ち、常に窒素雰囲気(H2 O含有率5ppm未満)を保
った。二流体外部混合式ノズル型噴霧器を備えた開放サ
イクル実験室用噴霧乾燥機を用いて得られたスラリーを
噴霧乾燥させた。窒素ガスを噴霧乾燥機中に入口温度1
07℃において導入し、触媒スラリーを噴霧乾燥機に約
25℃の温度において毎時15〜20ccの速度で供給
した。この供給速度は、約85℃の出口ガス温度を保つ
のに充分だった。噴霧圧力は大気圧より僅かに高かっ
た。得られた噴霧乾燥された触媒は、Ti2.6重量
%、Mg6.3重量%及びTHF31.7重量%を含有
していた。
【0050】(c)エチレンとヘキセン−1との共重合 1リットルのオートクレーブ反応器を窒素流(H2 O含
有率5ppm未満)下で100℃に0.5時間加熱する
ことによって乾燥させてパージした。この反応器を50
℃に冷却した後に、この反応器に脱気した無水ヘキサン
500ミリリットルを添加し、例1(b)におけるよう
にして調製した触媒(0.0219g、0.0127ミ
リモルTi)を添加し、次いで脱気した無水1−ヘキセ
ン(H2O含有率ppm未満)5ミリリットル及びトリ
エチルアルミニウム(TEAL)0.32ミリリットル
(ヘキサン中にTEAL15重量%のもの、0.50ミ
リモルAl)を添加した。次いでこの反応器を密封し、
スラリーの温度を85℃に挙げ、水素(H2 )500標
準cc(0.022モル)を添加し、この反応器をエチ
レンによって全圧150psigに加圧した。温度を8
5.0℃に保ち、45分間重合を続けさせ、この期間の
間エチレンを反応器に連続的に添加して一定圧力を保っ
た。次いで反応器を35℃に冷却し、排気して開放し、
ポリマースラリーを取り出した。このスラリーにトルエ
ン中の1重量%Irganox (登録商標名)1076溶液1ミリ
リットルを添加することによってポリマーを安定化さ
せ、次いでこれを少なくとも2時間空気乾燥させて殆ど
の溶媒を除去し、次いで60℃、200トル未満におい
て8時間真空乾燥させた。
【0051】比較例1 (a)TiCl3 触媒成分の調製 この例におけるTiCl3 の溶液は、Znの代わりに金
属マグネシウムMg6.66g(0.274モル)を用
い且つMgCl2 添加量を少なくした(209g、2.
19モル)ことを除いて、例1(a)におけるようにし
て調製した。
【0052】(b)TiCl3 触媒成分の噴霧乾燥 この例における噴霧乾燥された触媒成分は、例1(a)
において用いた溶液の代わりに比較例1(a)において
調製した溶液を用いたことを除いて、例1(b)におけ
るようにして調製した。
【0053】(c)エチレンと1−ヘキセンとの共重合 比較例1(b)におけるようにして調製した噴霧乾燥さ
れた触媒をエチレンと1−ヘキセンとの重合について例
1(c)におけるようにして用いた。結果を第1表に示
す。
【0054】比較例2 (a)TiCl3 /MgCl2 触媒成分溶液の調製 この例におけるTiCl3 の溶液は、TiCl4 の代わ
りに同じモル量の商品として入手できるTiCl3 (1/
3 AlCl3 との共晶として)を用い、これを例1
(a)におけるのと同じモル量のMgCl2 と共にTH
F中に溶解させたことを除いて、例1(a)におけるよ
うにして調製した。
【0055】(b)TiCl3 /MgCl2 触媒成分の
噴霧乾燥 この例における噴霧乾燥された触媒成分は、例1(a)
におけるようにして調製した溶液の代わりに比較例2
(a)におけるようにして調製した溶液を用いたことを
除いて、例1(b)におけるようにして調製した。
【0056】(c)エチレンと1−ヘキセンとの共重合 比較例2(b)に記載したようにして調製した噴霧乾燥
された触媒をエチレンと1−ヘキセンとの重合について
例1(c)におけるようにして用いた。結果を第1表に
示す。
【0057】例2 (a)触媒担体の調製 多孔質シリカ(Davidson 955)500gを600℃の温
度において加熱することによって脱水し、次いでイソペ
ンタン3リットル中でスラリーにした。このスラリーを
撹拌しながら、ヘキサン中の20重量%トリエチルアル
ミニウム溶液186ミリリットルを15分かけて添加し
た。次いで得られた混合物を窒素パージ下で60℃にお
いて約4時間かけて乾燥させて、乾燥されたさらさらし
た粉体を得た。
【0058】(b)TiCl3 触媒成分溶液の調製 水及び酸素のそれぞれの含有率2ppm未満のアルゴン
を充填したグローブボックス中の100ミリリットルの
フラスコに、四塩化チタンビス(テトラヒドロフラン)
TiCl4 ・2THF0.334g(0.00100モ
ル)及びMgCl2 0.287g(0.00300モ
ル)を添加した。このフラスコに栓をし、グローブボッ
クスから取り出し、窒素を充填したマニホールドに接続
した。このフラスコに無水THF30ミリリットルを添
加し、得られたスラリーを50℃に加熱して固体状物質
を溶解させて、透明な黄色の溶液を得た。次いでこの溶
液に0.1μm〜1μmの範囲の粒子寸法を有する粒状
Zn0.33g(0.0050モル)を添加し、得られ
たスラリーを室温において3時間撹拌した。この期間の
間に溶液の色が黄色から薄紫色に変化した。次いでこの
溶液をろ過して、反応の際に生成したZnCl2 、溶解
しなかったMgCl2 及び未反応Znを除去した。
【0059】(c)TiCl3 触媒成分の含浸 例2(a)に従って調製したシリカ3.3gに、不活性
輸送技術及び窒素を充填したマニホールドを用いて、例
2(b)に従って調製したろ液を添加した。得られたス
ラリーを室温において20分間撹拌し、次いで真空下で
40℃未満の温度において約2時間かけて乾燥させて、
薄いラベンダー色のさらさらした粉体を得た。この粉体
をアルゴンを充填したグローブボックス内に貯蔵した。
【0060】(d)エチレンと1−ヘキセンとの共重合 例2(c)に従って調製した含浸された触媒を用いて例
1(c)に記載したようにしてエチレンと1−ヘキセン
とを共重合させた。結果を第1表に示す。
【0061】例3 (a)TiCl3 /MgCl2 触媒成分溶液の調製 この溶液は、Znの代わりに粒状金属マンガンMn0.
55g(0.010モル)を用いたことを除いて、例2
(b)に記載したのと同じ態様で調製した。
【0062】(b)担持されたTiCl3 /MgCl2
触媒成分の調製 この触媒成分は、例2(b)に従って調製した溶液の代
わりに例3(a)に従って調製した溶液を用いたことを
除いて、例2(c)に記載したのと同じ態様で調製し
た。
【0063】(c)エチレンと1−ヘキセンとの共重合 例3(b)に従って調製した触媒を用いて例2(d)に
記載したようにしてエチレンと1−ヘキセンとを共重合
させた。結果を第1表に示す。
【0064】比較例3 (a)TiCl3 /MgCl2 触媒成分溶液の調製 この溶液は、Znの代わりにアルミ箔(Al)0.14
g(0.0050モル)を用いたことを除いて、例2
(b)に記載したのと同じ態様で調製した。
【0065】(b)担持されたTiCl3 /MgCl2
触媒成分の調製 この触媒成分は、例2(b)に従って調製した溶液の代
わりに比較例3(a)に従って調製した溶液を用いたこ
とを除いて、例2(c)に記載したのと同じ態様で調製
した。
【0066】(c)エチレンと1−ヘキセンとの共重合 比較例3(b)に従って調製した触媒を例2(d)に記
載したようにしてエチレンと1−ヘキセンとの共重合に
用いた。結果を第1表に示す。
【0067】
【表1】
【0068】例4 例1〜3において製造された樹脂を前記した操作に従っ
てシクロヘキサン抽出性物質含有率について評価した。
それぞれについて、シクロヘキサン抽出性物質の含有率
が低減されたことが確認された。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)有機アルミニウム成分及び (b)(i)四塩化チタンを電子供与体溶媒中で、この
    四塩化チタンを還元して三塩化チタンにするのに充分な
    量の−1.5Vより高い還元電位(水素電極標準に対し
    て)を持つ金属で処理することによって、該四塩化チタ
    ンを還元し且つ前記金属をその不溶性塩化物にし、(i
    i)還元用金属の不溶性塩化物をろ過によって除去し、
    (iii)得られた溶液に、1:1〜56:1のMg/Ti
    比を有する触媒成分を製造するための二塩化マグネシウ
    ムを添加し、(iv)次いでこの溶液を好適な担体に含浸
    させるか、又はこの溶液を好適な充填材と共に若しくは
    充填材なしで噴霧乾燥して、触媒の離散粒子を得ること
    によって製造された三塩化チタン成分を含む触媒系。
  2. 【請求項2】 還元用金属が亜鉛、マンガン及びそれら
    の混合物より成る群から選択される、請求項1記載の触
    媒系。
  3. 【請求項3】 電子供与体溶媒が (i)1〜4個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン
    酸のアルキルエステル; (ii)7又は8個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸
    のアルキルエステル; (iii)2〜8個の炭素原子を有する脂肪族エーテル; (iv)4又は5個の炭素原子を有する環状脂肪族エーテ
    ル;及び (v)3〜6個の炭素原子を有する脂肪族ケトン: より成る群から選択される、請求項2記載の触媒系。
  4. 【請求項4】 電子供与体溶媒がテトラヒドロフランで
    あり、還元用金属が亜鉛であり、1.5:1〜10:1
    のMg/Ti比を有する触媒成分を製造するのに充分な
    量の二塩化マグネシウムを溶液に添加し、この溶液をシ
    リカ担体に含浸させた、請求項3記載の触媒系。
  5. 【請求項5】 電子供与体溶媒がテトラヒドロフランで
    あり、還元用金属が亜鉛であり、1.5:1〜15:1
    のMg/Ti比を有する触媒成分を製造するのに充分な
    量の二塩化マグネシウムを溶液に添加し、充填材として
    疎水性ヒュームドシリカを用いてこの溶液を噴霧乾燥さ
    せた、請求項3記載の触媒系。
  6. 【請求項6】 エチレン又はエチレンと3〜8個の炭素
    原子を有する少なくとも1種のα−オレフィンとの混合
    物を、 (a)有機アルミニウム成分及び (b)(i)四塩化チタンを電子供与体溶媒中で、この
    四塩化チタンを還元して三塩化チタンにするのに充分な
    量の−1.5Vより高い還元電位(水素電極標準に対し
    て)を持つ金属で処理することによって、該四塩化チタ
    ンを還元し且つ前記金属をその不溶性塩化物にし、(i
    i)還元用金属の不溶性塩化物をろ過によって除去し、
    (iii)得られた溶液に、1:1〜56:1のMg/Ti
    比を有する触媒成分を製造するための二塩化マグネシウ
    ムを添加し、(iv)次いでこの溶液を好適な担体に含浸
    させるか、又はこの溶液を好適な充填材と共に若しくは
    充填材なしで噴霧乾燥して、触媒の離散粒子を得ること
    によって製造された三塩化チタン成分を含む触媒として
    有効量の触媒系と接触させることを含む、エチレンの重
    合方法。
  7. 【請求項7】 エチレンをヘキセン−1と共重合させ
    る、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 還元用金属が亜鉛、マンガン及びそれら
    の混合物より成る群から選択され、且つ、電子供与体溶
    媒が (i)1〜4個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン
    酸のアルキルエステル;(ii)7又は8個の炭素原子を
    有する芳香族カルボン酸のアルキルエステル; (iii)2〜8個の炭素原子を有する脂肪族エーテル; (iv)4又は5個の炭素原子を有する環状脂肪族エーテ
    ル;及び (v)3〜6個の炭素原子を有する脂肪族ケトン:より
    成る群から選択される、請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 チーグラー・ナッタ触媒系の成分として
    用いるのに適した三塩化チタンの製造方法であって、
    (i)四塩化チタンを電子供与体溶媒中で、この四塩化
    チタンを還元して三塩化チタンにするのに充分な量の−
    1.5Vより高い還元電位(水素電極標準に対して)を
    持つ金属で処理することによって、該四塩化チタンを還
    元して三塩化チタンにし且つ前記金属をその不溶性塩化
    物にし、(ii)還元用金属の不溶性塩化物をろ過によっ
    て除去することを含む、前記製造方法。
  10. 【請求項10】 還元用金属が亜鉛、マンガン及びそれ
    らの混合物より成る群から選択され、且つ、電子供与体
    溶媒が (i)1〜4個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン
    酸のアルキルエステル; (ii)7又は8個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸
    のアルキルエステル; (iii)2〜8個の炭素原子を有する脂肪族エーテル; (iv)4又は5個の炭素原子を有する環状脂肪族エーテ
    ル;及び (v)3〜6個の炭素原子を有する脂肪族ケトン:より
    成る群から選択される、請求項9記載の方法。
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