JPH07206468A - ブラウン管用ファンネルガラス - Google Patents

ブラウン管用ファンネルガラス

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JPH07206468A
JPH07206468A JP1894594A JP1894594A JPH07206468A JP H07206468 A JPH07206468 A JP H07206468A JP 1894594 A JP1894594 A JP 1894594A JP 1894594 A JP1894594 A JP 1894594A JP H07206468 A JPH07206468 A JP H07206468A
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JP
Japan
Prior art keywords
glass
pbo
funnel glass
ray tube
funnel
Prior art date
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Pending
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JP1894594A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Miwa
義治 三和
Kazuhiko Asahi
和彦 旭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境保護や廃水処理作業の軽減という点で好
ましく、しかも0.6Åの波長のX線に対する吸収係数
が40cm-1以上という優れたX線吸収能を有するブラ
ウン管用ファンネルガラスを提供する。 【構成】 重量百分率で、Bi23 を3.0〜28.
0%、PbOを0〜17.0%含有し、0.6Åの波長
のX線に対する吸収係数が40cm-1以上であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーブラウン管に使
用されるファンネルガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管は、映像が映し出されるパネ
ルと、電子銃が装着されるネック管と、パネルとネック
管を接続するファンネルにより構成され、これらの各部
材には、それぞれの動作に応じた組成のガラスが使用さ
れている。
【0003】ところでカラーブラウン管の場合、陽極に
印加電圧をかけると、陰極から電子が出され、これがパ
ネルの内面に設けられた蛍光体を発光させてパネルに映
像を映し出すが、この際、制動X線が発光し、これがガ
ラスを通過して管外に漏れると人体に危険である。
【0004】そのためこの種のガラスには、X線吸収能
力の大きい成分を含有させることが必要となる。X線吸
収能力の非常に大きい成分としてはPbOが存在する
が、PbOを含有するガラスは、電子線やX線の照射に
よってブラウニングと呼ばれる着色を生じるので、映像
が映し出されるパネルに使用することは好ましくない。
【0005】従ってパネルには、PbOを避けて比較的
大きなX線吸収能力を有するBaOやSrO等を多量に
含有するガラスが用いられ、ファンネルやネック管に
は、PbOを多量に含有するガラスが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで鉛が人体にと
って有害であることは広く知られていることであるが、
近年、ブラウン管を廃棄処分する際、地中に埋めること
があり、長年月の間にファンネルガラスやネック管ガラ
スに含有されている鉛が地中に溶出し、環境を汚染する
のではないかと懸念されている。
【0007】また一般にファンネルガラスには、20〜
25重量%のPbOが含有されているが、これを製造す
る場合、パネルとのシールエッジ部分を研磨する必要が
あり、研磨工程で使用した廃水中に鉛が混入するため、
これが工場の外にそのまま出ないように処理する必要が
ある。
【0008】本発明の第1の目的は、従来のガラスに比
べてPbOの含有量が少ないため、あるいはPb0を含
有しないため、環境保護や廃水処理作業の軽減という点
で好ましく、しかも0.6Åの波長のX線に対する吸収
係数が40cm-1以上という優れたX線吸収能を有する
ブラウン管用ファンネルガラスを提供することである。
【0009】また本発明の第2の目的は、上記の目的を
満足しながら、さらに成形性、溶融性、電気絶縁性、化
学的耐久性をも満足するブラウン管用ファンネルガラス
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、種々の実験を重ねた結果、PbOの一部
あるいは全部をBi23 に置換することによって高い
X線吸収能を有し、しかも失透し難いブラウン管用ファ
ンネルガラスが得られることを見いだし、本発明として
提案するに至った。
【0011】すなわち本発明のブラウン管用ファンネル
ガラスは、Bi23 を3.0〜28.0%、PbOを
0〜17.0%含有してなり、0.6Åの波長のX線に
対する吸収係数が40cm-1以上であることを特徴とす
る。
【0012】また本発明のブラウン管用ファンネルガラ
スは、好ましくは、Bi23 を16.0〜28.0
%、PbOを0〜4.0%含有してなることを特徴とす
る。
【0013】さらに本発明のブラウン管用ファンネルガ
ラスは、より好ましくは、重量百分率で、Bi23
16.0〜28.0%、PbO 0〜4.0%、SiO
2 46.0〜60.0%、Al23 0.5〜6.
0、Li2 O 0〜5.0%、Na2 O 0〜10.0
%、K2 O 2.0〜15.0%、Li2 O+Na2
+K2 O 10.0〜20.0%、MgO 0〜5.0
%、CaO 0〜6.0%、MgO+CaO 0〜9.
0%、SrO 0〜15.0%、BaO 0〜15.0
%、Bi23 +PbO+SrO+BaO 18.0〜
39.0%、ZrO2 0〜5.0%、As23
〜1.0%、Sb23 0〜1.0%、As23
Sb23 0〜1.0%からなることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明のブラウン管用ファンネルガラスは、P
bOの含有量が17.0%以下と少ないため、従来のフ
ァンネルガラスに比べて、鉛の溶出が少なく、環境保護
や廃水処理の点で好ましい。しかもPbOに代えてBi
23 を3.0%以上含有させることによって所期のX
線吸収能を得ることが可能となる。
【0015】X線吸収能力の大きな成分としては、先記
したようにBaOやSrO等が存在するが、これらの成
分は、PbOと比較すると、X線を吸収する能力が小さ
く、従ってPbOを含有させたガラスと同等の特性を得
るためには、PbO量よりも多く含有させなければなら
ない。しかしながらこれらの成分を多量に含有すると、
液相温度が上昇し、ガラスが失透しやすくなり、成形が
困難となる。
【0016】ところがBi23 は、PbOとほぼ同等
のX線吸収能力を備えており、しかもこれを多量に含有
させても、液相温度の上昇が小さいため、ガラスは失透
し難く、成形性も損なわれない。
【0017】また本発明において、PbOの含有量が
4.0%以下になると、鉛の溶出が極めて少なくなるた
め好ましいが、その場合、所期のX線吸収能を得るため
には、Bi23 を16.0%以上含有させることが必
要となる。ただしBi23 の含有量が、28.0%以
上になると、ガラスの粘度が低くなりすぎるため好まし
くない。
【0018】さらに本発明において、ガラスの成形性、
溶融性、電気絶縁性、化学耐久性等を考慮すると、先記
したPbOとBi23 以外にも、SiO2 、Al2
3 、Li2 O、Na2 O、K2 O、MgO、CaO、S
rO、BaO、As23 及びSb23 の含有量を先
記のように規制することが好ましい。
【0019】これらの各成分の含有量を先記のように規
制した理由は、以下のとおりである。
【0020】SiO2 は、ガラスのネットワークフォー
マーであるが、その含有量が46.0%以下になると、
ガラスの粘度が低下すると共に化学的耐久性が悪くな
り、60.0%以上になると、ガラスの粘度が高くなり
すぎて溶融成形が困難となりやすい。
【0021】Al23 は、化学的耐久性を向上する作
用を有するが、その含有量が0.5%以下になると、こ
のような効果が得られ難くなり、6.0%以上になる
と、ガラスの粘度が高くなりガラスの溶融性が悪くなり
やすい。
【0022】Li2 O、Na2 O、K2 Oといったアル
カリ金属酸化物は、いずれもガラスの溶融性を向上する
作用を有し、これらの含有量が10.0%以下になる
と、ガラスの粘度が高くなりすぎて溶融成形が困難とな
りやすい。またLi2 Oが5.0%以上になると、ガラ
スが失透しやすくなる。さらにNa2 Oが10.0%以
上、K2 Oが15.0%以上、アルカリ金属酸化物が2
0.0%以上になると、ガラスの熱膨張係数が高くなり
すぎると共にガラスの電気絶縁性が悪くなる。K2 Oが
2.0%以下の場合も、電気絶縁性が悪くなる。
【0023】MgOとCaOは、主としてガラスの粘性
曲線を調整するという作用を有するが、MgOが5.0
%以上、CaOが6.0%以上、これらの合量が9.0
%以上になると、ガラスの粘性曲線が急峻になるため成
形が困難となりやすい。
【0024】SrOとBaOは、粘性曲線を調整すると
共にX線吸収能を高める作用を有するが、各々15.0
%以上になると、ガラスの液相温度が高くなりすぎて成
形が困難となりやすい。
【0025】Bi23 、PbO、SrO及びBaOの
合量が18.0%以下になると、ガラスのX線吸収能が
不十分となり、一方、39.0%以上になると、ガラス
の粘性が低くなりすぎる。
【0026】ZrO2 も、X線吸収能を高める作用を有
するが、5.0%以上になると、液相温度が高くなりす
ぎる。
【0027】As23 とSb23 は、ガラスの清澄
剤としての作用を有し、各々あるいは合量で1.0%ま
で添加可能である。
【0028】
【実施例】以下、実施例と比較例に基づいて本発明のブ
ラウン管用ファンネルガラスを詳細に説明する。
【0029】表1は、本発明の実施例(試料No.1〜
5)及び比較例(試料No.6〜8)を各々示すもので
ある。
【0030】
【表1】
【0031】表1のNo.1〜8の各試料は、以下のよ
うに調製した。
【0032】まず各試料のガラス組成となるように調合
した原料バッチを白金ルツボに入れ、約1480℃で4
時間溶融した。均質なガラスを得るため、途中で白金攪
拌棒を使って3分間攪拌を行って脱泡した後、溶融ガラ
スを金型に流し出した。次いで、このガラスを徐冷し、
これを用いてX線吸収係数、液相温度、鉛溶出量を求め
た。
【0033】その結果、本発明の実施例であるNo.1
〜5の各試料は、X線吸収係数が54.1cm-1以上と
高く、液相温度が925℃以下であり、鉛の溶出も検出
されなかった。
【0034】それに対し、比較例であるNo.6の試料
は、鉛の溶出量が0.06ppmと多く、またNo.7
及びNo.8の各試料は、液相温度が1100℃以上で
あり、成形が困難であると判断される。
【0035】尚、表1のX線吸収係数は、ガラス組成と
密度に基づいて0.6Åの波長のX線に対する吸収係数
を計算して求めたものである。
【0036】また液相温度の測定方法は、以下のとおり
である。
【0037】まず各試料を粉砕し、この粉砕物の中で3
2メッシュ篩は通過するが、48メッシュは通過しない
粉砕物だけを取り出し、水洗いした後、乾燥させて白金
ボート内に移した。次いでこの白金ボートを700〜1
200℃の温度勾配のついた電気炉内に入れて、48時
間熱処理した後、白金ボートを取り出し、放冷してから
試料ガラスを白金ボートから取り出した。その後、この
試料ガラスを偏光顕微鏡で観察してガラスの底部から約
2mm上方の部分において結晶が析出している部分と、
析出していない部分との境界を見いだし、その境界の位
置に対応する電気炉内の温度を求め、これを液相温度と
した。
【0038】さらに鉛溶出量は、次のように測定した。
【0039】まずガラス試料を100×30×10mm
の寸法で、重さ約100gとなるように切断し、切断面
を♯1000の耐水研磨紙で研磨して溶出試験試料を作
製した。その後、この試料を水洗いし、乾燥させてか
ら、この試料の16倍の重量の脱イオン水と共に溶出器
に入れ、酢酸によってpHを5.0に調整した。30
℃、24時間の条件で保持した後、試料を取り出し、溶
出液中のPbの濃度を誘導結合プラズマ発光分光分析法
(ICP)によって求めた。因にこの方法による検出限
界は、0.01ppmである。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明のブラウン管用ファ
ンネルガラスは、PbOの含有量が少ないため、あるい
はPbOを含有しないため、従来のガラスに比べて鉛の
溶出量が少なく、しかも0.6Åの波長のX線に対する
吸収係数が40cm-1以上という高いX線吸収能を有し
ており、カラーブラウン管に用いるファンネルガラスと
して好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量百分率で、Bi23 を3.0〜2
    8.0%、PbOを0〜17.0%含有し、0.6Åの
    波長のX線に対する吸収係数が40cm-1以上であるこ
    とを特徴とするブラウン管用ファンネルガラス。
  2. 【請求項2】 重量百分率で、Bi23 を16.0〜
    28.0%、PbOを0〜4.0%含有してなることを
    特徴とする請求項1のブラウン管用ファンネルガラス。
  3. 【請求項3】 重量百分率で、Bi23 16.0〜
    28.0%、PbO0〜4.0%、SiO2 46.0
    〜60.0%、Al23 0.5〜 6.0%、Li
    2 O 0〜5.0%、Na2 O 0〜10.0%、K2
    O 2.0〜15.0%、Li2 O+Na2 O+K2
    10.0〜20.0%、MgO0〜5.0%、CaO
    0〜6.0%、MgO+CaO 0〜9.0%、Sr
    O0〜15.0%、BaO 0〜15.0%、Bi2
    3 +PbO+SrO+BaO 18.0〜39.0%、
    ZrO2 0〜5.0%、As23 0〜1.0%、S
    23 0〜1.0%、As23 +Sb23
    〜1.0%からなることを特徴とする請求項1及び2の
    ブラウン管用ファンネルガラス。
JP1894594A 1994-01-18 1994-01-18 ブラウン管用ファンネルガラス Pending JPH07206468A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10029818C1 (de) * 2000-03-30 2001-06-21 Schott Glas Bleifreies bismuthaltiges Silicatglas und seine Verwendungen
EP1138641A1 (de) 2000-03-30 2001-10-04 Schott Glas Bleifreie bismuthaltige Silicatgläser und ihre Verwendungen

Cited By (4)

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DE10029818C1 (de) * 2000-03-30 2001-06-21 Schott Glas Bleifreies bismuthaltiges Silicatglas und seine Verwendungen
DE10029820C1 (de) * 2000-03-30 2001-06-21 Schott Glas Bleifreies bismuthaltiges Silicatglas und dessen Verwendungen
EP1138641A1 (de) 2000-03-30 2001-10-04 Schott Glas Bleifreie bismuthaltige Silicatgläser und ihre Verwendungen
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