JPH07206330A - ダムウェーター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、かご室内での台車の移動を防止し
て荷崩れをより確実に防止することを目的とするもので
ある。 【構成】 台車１８が乗せられるとスプリング１４に抗
して周囲の床面に対して下動して台車１８の移動を規制
する可動床１３を、かご床１１の一部に上下動可能に設
けた。また、台車１８を取り出す際には、可動床１３に
隣接する斜面形成床１５を回動させて斜面を形成するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、かご室内に台車を乗
せて昇降させるダムウェーターに関し、特に台車上の荷
物の荷崩れ防止に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は例えば公開技報９０−９３５３号
に示された従来のダムウェーターのかごを示す斜視図で
ある。図において、１は前面に出入口１ａを有するかご
室、２は一端部がかご室１の前面下隅部に回動自在に取
り付けられた安全棒、３は出入口１ａを開閉する簡易
扉、４はかご室１の前面上隅部に取り付けられ、安全棒
２により操作されるスイッチである。

【０００３】図８は図７の要部を拡大して示す斜視図で
ある。図において、５は簡易扉３をかご室１に取り付け
るための蝶番、６は簡易扉３の裏面上下端部に取り付け
られた金具、７は金具６に係合し簡易扉３を開方向へ付
勢するコイルばねである。

【０００４】次に、動作について説明する。安全棒２を
図８のように起こしているときには、スイッチ４が切れ
ており、かご室１は停止している。また、この状態で
は、コイルばね７に付勢されて簡易扉３が開いており、
台車（図示せず）等をかご室１内に乗せることができ
る。

【０００５】上記の状態から安全棒２を回動させて倒す
と、簡易扉３が押圧されコイルばね７に逆らって閉じら
れる。そして、図７のように安全棒２を倒しきると、簡
易扉３が閉状態となるとともに、スイッチ４が入り、か
ご室１の昇降運転が可能となる。この後、目的階で安全
棒２を再び起こせば、スイッチ４が切れるとともに、簡
易扉３が開状態となり、台車等の取り出しが可能とな
る。

【０００６】また、このようなダムウェーターでは、昇
降運転中のかご室１の振動により、台車上の荷物が荷崩
れすることがあるが、運転中は簡易扉３の閉状態が保持
されているため、崩れた荷物が昇降路側へ落ち昇降路壁
に引っ掛かる等の事故は防止されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のダムウェーターにおいては、安全棒２と簡易扉
３とにより崩れた荷物が昇降路側へ落ちるのが防止され
てはいるものの、運転中の振動によりかご室１内で台車
が移動するため、荷崩れそのものは十分に防止すること
ができないという問題点があった。

【０００８】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、かご室内での
台車の移動を防止して荷崩れをより確実に防止すること
ができるダムウェーターを得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係るダ
ムウェーターは、台車が乗せられると周囲の床面に対し
て下動して台車の移動を規制する可動床を、かご床の一
部に上下動可能に設けたものである。

【００１０】請求項２の発明に係るダムウェーターは、
可動床上の台車を取り出す際に可動床側の端部が下動す
るように回動して斜面を形成する斜面形成床を、可動床
のかご室出入口側に隣接してかご床に回動可能に設けた
ものである。

【００１１】

【作用】請求項１の発明においては、かご室内に台車を
乗せる際に、台車を可動床上に位置させることにより可
動床が沈み、台車の移動を規制する。

【００１２】請求項２の発明においては、台車を取り出
す際に、斜面形成床により斜面を形成し、可動床の床面
と周囲の床面との間の段差を斜面にする。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図１はこの発明の一実施例によるダムウェーターの
かご床を示す斜視図、図２は図１の断面図、図３は図２
のかご床に台車を乗せた状態を示す断面図である。図に
おいて、１１は中央部に凹部１１ａを有するかご床、１
２は凹部１１ａの底部に設けられている複数のシリン
ダ、１３は凹部１１ａ内に所定の範囲で上下動可能に設
けられている可動床であり、この可動床１３は、シリン
ダ１２内に挿入されたプランジャ１３ａを有している。
１４はシリンダ１２内に設けられプランジャ１３ａを上
方へ付勢しているスプリングである。

【００１４】１５は可動床１３のかご室出入口側に隣接
してかご床１１に設けられている断面Ｌ字状の斜面形成
床であり、この斜面形成床１５は、支点１６を中心に所
定の範囲で回動可能になっている。１７は乗場、１８は
可動床１３上に乗せられた台車である。

【００１５】図４は図３の台車を取り出す際の状態を示
す断面図、図５は図４の要部を示すかご室出入口側から
見た断面図、図６は図５の一部を拡大して示す斜視図で
ある。図において、１９は斜面形成床１５の下面に固定
された受軸部であり、この受軸部１９には、軸受１９ａ
が設けられている。２０は下端部が受軸部１９の軸受１
９ａに挿入されている連結棒であり、この連結棒２０
は、中間部がかご室壁２１の外側に設けられ、上端部は
壁開口部２１ａからかご室内に突出している。

【００１６】２２は連結棒２０の上端部に設けられたレ
バー、２３，２４はかご室壁２１の壁開口部２１ａ上端
部両側に設けられているレバー止めループ部であり、一
方のレバー止めループ部２３には、隙間２３ａが設けら
れている。２５はレバー止めループ部２３，２４に保持
されているとともにレバー２２に係合している棒状のレ
バー止めであり、このレバー止め２５の中間部には、抜
け止め２５ａが設けられている。

【００１７】次に、動作について説明する。ダムウェー
ターが停止しており、台車１８がかご室内に乗せられて
いないときには、図１に示すように、可動床１３はスプ
リング１４により押し上げられ、周囲のかご床１１と面
一の床面を形成している。また、斜面形成床１５も傾斜
しておらず、周囲のかご床１１と面一の床面を形成して
いる。

【００１８】この状態で、台車１８を可動床１３上に乗
せると、図３に示すように、台車１８の重さにより可動
床１３がスプリング１４に逆らって沈む。このとき、可
動床１３を台車１８の４つの車輪がほぼぴったりと乗る
ような形状，大きさとしておくことにより、台車１８の
移動が規制される。

【００１９】次に、目的階で台車１８を取り出す場合、
まず、抜け止め２５ａを図６の矢印Ａ方向へ持ち上げ、
レバー止め２５を矢印Ｂ方向へ移動させる。そして、抜
け止め２５ａを隙間２３ａに通して、レバー止め２５を
レバー止めループ部２３，２４から抜き去る。これによ
り、レバー２２及び連結棒２０が壁開口部２１ａの範囲
で下動し、図４及び図５に示すように、斜面形成床１５
により斜面が形成される。この斜面を利用して、台車１
８が容易に取り出せる。

【００２０】このようにして、台車１８を取り出すと、
スプリング１４により可動床１３が元の位置まで上動す
る。また、レバー２２を元の高さまで引き上げ、上記と
逆の手順でレバー止め２５を装着することにより、斜面
形成床１５も元の状態に戻され、次の台車１８の搭載を
待機する。

【００２１】このようなダムウェーターでは、昇降運転
中の台車１８の移動が規制されているため、振動を受け
ても台車１８は動かず、台車１８上の荷物（図示せず）
の荷崩れはより確実に防止される。また、斜面形成床１
５を利用して台車１８を取り出すため、台車１８の取り
出しも容易である。

【００２２】さらに、この実施例では、特別な駆動源を
用いず、スプリング１４により可動床１３を上下動させ
ているので、構成が簡単で安価である。さらにまた、連
結棒２０を介して斜面形成床１５に連結されたレバー２
２により斜面形成床１５を動作させるので、斜面形成床
１５の操作をかご室内で容易に行える。

【００２３】なお、上記実施例ではスプリング１２によ
り可動床１３を上下動させるものを示したが、他の駆動
手段により上下動させてもよい。このとき、台車１８の
重量に抗して可動床１３を持ち上げることができれば、
斜面形成床１５を省略しても台車１８を容易に取り出せ
る。また、斜面形成床１５の操作機構は上記実施例に限
定されるものではない。

【００２４】さらに、上記実施例では可動床１３の材質
について特に示していないが、周囲のかご床１１と同様
のものでも、異なるものでもよい。例えば、可動床１３
の上面材に防振用ゴム材を使用してもよく、台車１８の
振動を防止できるとともに、台車１８の車輪の滑り止め
となる。

【００２５】さらにまた、可動床１３や斜面形成床１５
を樹脂材等の軽い材料で構成してもよく、これによりか
ご室全体の軽量化を図ることができる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明の
ダムウェーターは、台車が乗せられると周囲の床面に対
して下動して台車の移動を規制する可動床を、かご床の
一部に上下動可能に設けたので、かご室内での台車の移
動を防止して荷崩れをより確実に防止することができる
という効果を奏する。

【００２７】また、請求項２の発明のダムウェーター
は、可動床上の台車を取り出す際に可動床側の端部が下
動するように回動して斜面を形成する斜面形成床を、可
動床のかご室出入口側に隣接してかご床に回動可能に設
けたので、上記請求項１の発明と同様の効果に加えて、
台車を容易に取り出すことができるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるダムウェーターのか
ご床を示す斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】図２のかご床に台車を乗せた状態を示す断面図
である。

【図４】図３の台車を取り出す際の状態を示す断面図で
ある。

【図５】図４の要部を示すかご室出入口側から見た断面
図である。

【図６】図５の一部を拡大して示す斜視図である。

【図７】従来のダムウェーターのかごの一例を示す斜視
図である。

【図８】図７の要部を拡大して示す斜視図である。

【符号の説明】

１１ かご床 １３ 可動床 １５ 斜面形成床 １８ 台車

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 かご床の一部に上下動可能に設けられ、
   台車が乗せられると周囲の床面に対して下動して上記台
   車の移動を規制する可動床を備えていることを特徴とす
   るダムウェーター。
2. 【請求項２】 かご床の一部に上下動可能に設けられ、
   台車が乗せられると周囲の床面に対して下動して上記台
   車の移動を規制する可動床と、この可動床のかご室出入
   口側に隣接して上記かご床に回動可能に設けられ、上記
   可動床上の台車を取り出す際に上記可動床側の端部が下
   動するように回動して斜面を形成する斜面形成床とを備
   えていることを特徴とするダムウェーター。