JPH0720583B2 - 含リン排水の処理方法 - Google Patents

含リン排水の処理方法

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JPH0720583B2
JPH0720583B2 JP63290478A JP29047888A JPH0720583B2 JP H0720583 B2 JPH0720583 B2 JP H0720583B2 JP 63290478 A JP63290478 A JP 63290478A JP 29047888 A JP29047888 A JP 29047888A JP H0720583 B2 JPH0720583 B2 JP H0720583B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、し尿、水産加工排水、家庭用排水、下水ある
いは工場排水などにおけるリン化合物を有する排水の高
度浄化処理方法に関し、特に、化学的酸素要求量(以下
CODということがある)、生物学的酸素要求量(以下BOD
ということがある)、懸濁固体(以下SSということがあ
る)、リン酸等の除去率が高く、しかも鉄イオンの流出
も実質的にない処理方法に関する。
<従来技術とその問題点> 従来、有機物等で汚染度の高い排水の処理方法として
は、水で希釈後、活性汚泥法によって処理することが行
われてきた。さらに、下水、工場排水の再利用の必要か
ら排水の高度処理技術が発達してきた。
下水、排水の高度処理技術には大別して二つあり、一は
従来の活性汚泥処理した処理液をさらに高度処理する方
法であり、他は、物理化学的処理方法と呼ばれるもので
硫酸バン土、消石灰、塩化第一鉄などの無機凝集剤によ
り沈澱生成と沈澱除去を組み合わせる方法である。物理
化学的処理方法は、各種の被処理物質に応じた処理が可
能で高度処理ができるが、複雑な処理工程が必要であ
り、装置が大型化してしまう問題があり、また必ずしも
低濃度まで除去する必要のない被処理物もあり経済的で
ない場合もある。
このため処理する排水に応じた各種の処理方法を組み合
わせて行う方法が考えられている。
し尿の処理は、希釈後、生物学的処理方法である硝化脱
窒素活性汚泥法をおこなってBOD、窒素を除去した後、
処理水に硫酸バン土などを添加し、残留する燐、COD、
色度、SSを除去する方法がおこなわれている。しかし硫
酸バン土による凝集処理は凝集剤を大量に消費するう
え、発生する凝集汚泥の処分も大きな問題となる。
また、近年、燐酸の存在は富栄養化の主因となり、湖
水、河川水の富栄養化によって水質が悪化して異臭を発
し、閉鎖系海域への燐酸含有排水の放流は赤潮発生の原
因となる。このような燐酸は、逆浸透膜を利用した高度
な処理をすれば除去できるが、設備費、経費がかかる。
このため、し尿、下水、工場排水処理法での脱燐法の主
流は、曝気段階で第一鉄塩を添加して、燐酸を鉄塩とし
て沈殿させる方法や、最終沈澱処理の段階で、第二鉄塩
を添加して沈澱処置する方法、また、鉄塩に代わってア
ルミニウム塩を使用する方法が知られている。
本発明者等は、FeCl3により燐酸を凝集沈澱させた後、
膜濾過して固液分離して排水処理をおこなった。この方
法ではpH4〜5で凝集反応を行った後そのまま膜処理す
るだけで燐酸を効率よく除去でき、さらにCODや色度も
減少でき、最終工程の活性吸着塔の運転コストも低減で
きることがわかった。
しかしながらこの方法では、凝集剤として加えた鉄イオ
ンや凝集工程で生成する第一鉄イオンが除去されず膜処
理時の膜透過流速(以下フラックスということがある)
が安定しないという問題があった。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、従来技術の問題点を解決し、リン化合
物を効率よく除去できるだけでなく、鉄イオンが充分除
去され、処理水の水質がさらに向上し、膜濾過のフラッ
クスの減少が少ない含リン排水の処理方法を提供しよう
とする。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、リン化合物を含有する排水の処理方
法であって、下記の工程(a)〜(d)からなることを
特徴とする含リン排水の処理方法を提供する。
(a)生物学的前処理工程を経た排水に、リン化合物固
定化剤としての第二鉄塩を加え、酸性条件下で、リン化
合物を不溶性物として生成せしめる工程。
(b)前記不溶性物を分離する工程。
(c)前記不溶性物が分離除去された液を中和する工
程。
(d)前記中和された液を膜濾過して濃縮液と処理水と
に分離する工程。
ここで、(a)工程の酸性条件が、pH3〜5である含リ
ン排水の処理方法が好ましい。
また、リン化合物を含有する排水が、前処理として生物
学的処理工程を経たものである含リン排水の処理方法が
よい。
さらに、(d)工程で膜濾過された濃縮液の少なくとも
一部を(a)工程の不溶性物生成工程へ返送する含リン
排水の処理方法が好ましい。
また、(d)工程で得られた処理水を、活性炭を用いて
脱色するのがよい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明方法を適用される排水は、リン化合物を含む排水
であれば特に限定されないが、し尿、水産加工排水、食
品排水、下水、工場排水などの有機性物質を含む排水で
ある。排水は、生物学的処理を行ってから以下の(a)
〜(d)工程を行う。生物学的処理は、嫌気性菌、好気
性菌、通性嫌気性菌、等の微生物を活性汚泥と共に排水
中に入れ、ばっ気、攪拌等の適切な処理を行う。
(a)工程;生物学的前処理工程を経た排水に、リン化
合物固定化剤としての第二鉄塩を加え、酸性条件下で、
リン化合物を不溶性物として生成せしめる工程。
リン化合物を不溶性物とする工程は、排水中のリン化合
物を、接触粒体あるいは粉体、沈澱物を添加して、吸着
あるいは化学的に反応させて固定化し、一度固定化した
リン化合物が系外に流出しないようにする場合もある
し、化合物を添加してリン化合物と反応させて不溶性の
沈澱とする等の場合もある。
用いるリン化合物固定化剤は、第二鉄塩が好ましく、特
に、FeCl3、Fe2(SO4)3が好ましい。リン化合物固定化剤
の濃度は、全リン濃度に対してFeの濃度が、Fe/全リン
=1.5〜3モル比がよい。
酸性条件は、好ましくは、pH3〜5、より好ましくは、
4〜4.5がよい。
酸性条件は、燐化合物固定化剤にFeCl3を用いる場合
は、カセイソーダ、カセイカリ、等のアルカリを添加し
て調整するが、場合によっては、硝酸、塩酸、硫酸等の
酸を必要により添加して調整してもよい。
工程(a)を行う装置は、バッチ式でも連続式でもよい
が第1図に例示する攪拌機7を備えた混合槽6が好まし
い。
工程(a)を行う時間および温度は、処理される排水の
種類や汚染度によって種々であり限定されない。好まし
くは、10〜120分、15〜50℃がよい。
工程(b);工程(a)でえられた不溶性物を分離する
工程。
工程(b)は、工程(a)で得られた不溶性のリン含有
沈澱物を分離して系外に除く工程であれば特に限定され
ない。加圧分解法、限外濾過分離法、濾過分離法、重力
分離法等を例示できる。好ましくは、第1図に例示する
攪拌機を備えた重力分離槽8を用いて静置し、重力分離
槽8の底部に溜った沈澱物をバルブ10を開けて排出ライ
ン11から系外に排出する。
工程(b)で得られる上澄み液は、COD、80mg/l以下、S
S、90mg/l以下とするのがよい。分離槽8中の滞留時間
は、用いる排水の種類によって異なるが、2〜10時間が
好ましい。
必要な場合は、不溶性物の凝集性をあげるためにアニオ
ンまたはノニオン系高分子等の凝集助剤を添加してもよ
いが、本発明方法では、特に凝集助剤を用いなくても充
分沈澱分離できることも一つの特徴である。
工程(c);工程(b)で不溶性物が分離除去された上
澄み液を中和する工程。
工程(b)で得られた液に、NaOH、KOH等のアルカリの
中和剤を加えてpH6〜8の中性とする。
処理温度は、15〜70℃がよい。好ましくは、第1図に例
示する中和槽3をもちいる。
本発明法では、(a)工程を酸性条件下で行って、従来
中性条件下では水酸化第二鉄として沈澱していた第二鉄
イオンとCODとCOD値としてカウントされる原水中に存在
する有機、無機の物質との酸化還元反応を行う結果第一
鉄イオンが生成するが、中和工程を有するため、溶解度
がおおきいFe2+の濃度が減少し、第一鉄イオンを含有し
ない高度処理排水がえられる。
工程(d);工程(c)で中和された液を膜濾過して濃
縮液と処理水とに分離する工程。
膜濾過は、分画分子量10,000〜100,000の透過膜を1.0〜
5.0kg/cm2の加圧条件で用いて透過する。使用しうる透
過膜の素材は、芳香族ポリアミド系、ポリスルフォン
系、ポリベンズイミダゾール系、ニトリル系、ポリハロ
ゲン化ビニル系、ポリハロゲン化ビニリデン系等の樹脂
が用いられ、好ましくは、ポリアクリロニトリル、ポリ
フッ化ビニリデンがよい。
膜濾過を行う装置の形式は、特に限定されないが、ロッ
ド型膜モジュール、管型膜モジュール、中空管型膜モジ
ュール、のり巻き構造型膜モジュール、中空糸型膜モジ
ュール、平膜型モジュール等を利用することができる
が、管型、中空管型膜モジュールは物理的洗浄が容易で
あり好ましい。より好ましくは、第1図に例示する平膜
型モジュールがよい。
本発明法では、(b)工程を有するので、工程(d)で
の膜濾過のフラックスの低下率が少なく、排水を連続処
理しても2001/m2hr以上の値を2週間以上保持できる。
また、工程(d)で処理水と分離された濃縮液は、好ま
しくは、その少なくとも一部を工程(a)および/また
は工程(c)へ返送するのがよい。この返送処理により
中和処理工程(c)で必要な中和剤の量を低減できる。
以上の本発明法による処理を行った処理水は、必要によ
りさらに吸着処理を行ってもよい。吸着処理は、有機性
吸着樹脂や、活性炭、ゼオライト、珪藻土、酸性白土等
の無機性吸着剤を用いて処理を行うことができる。
本発明の好適実施例の一つを第1図を用いて説明する。
第1図に示すフローチャートは、攪拌機7を備えた混和
槽6、かき取り羽根9を備えた沈澱分離層8、中和槽1
3、膜分離装置15、をこの順序で配置して、搬送ライン1
4で連続的につないだ含リン化合物の処理ラインをあら
わす。別に、原水槽2、塩化第二鉄槽3、カセイソーダ
槽4を設け、これらは、それぞれポンプ25を備える搬入
ライン26をもち、搬入ライン26は混和槽6に連通し、そ
れぞれ混和槽6に原水1、塩化第二鉄、カセイソーダを
供給できるように配置されている。また、必要によりカ
セイソーダ槽5を備え、カセイソーダ槽5は同様にポン
プ25を備える搬入ライン26をもち中和槽13にカセイソー
ダを供給できるように配置されている。カセイソーダ槽
5を設けずに、中和槽13へのカセイソーダの供給は、カ
セイソーダ槽4から行ってもよい。
原水1は、原水槽2に導入され、原水槽2ではフロート
21により原水の水位が一定に保たれている。
原水槽2中の原水1は、ポンプ25により搬入ライン26中
を運ばれ混和槽6の底部にはいる。別に混和槽6中に
は、塩化第二鉄槽3およびカセイソーダ槽4よりそれぞ
れ塩化第二鉄、カセイソーダが、適宜供給される。
原水と、塩化第二鉄と、カセイソーダは、混和槽6中で
攪拌機7により攪拌混合され所定のpH値を保つよう調節
されつつ供給される。混和槽6中で、原水中に含まれる
リン化合物は、塩化第二鉄と反応して不溶性物となる。
一定時間混和槽6中で混和されリン化合物を不溶性物と
して含む原水は、搬送ライン14により沈澱分離槽8中に
はこばれる。沈澱分離槽8中で静置された原水は、重力
により不溶性物を沈澱分離し、沈澱分離槽8の底部に不
溶性物がたまる。沈澱分離槽8の底部に不溶性物が固着
すると分離除去しにくいのでかき取り羽根9により底部
に固着した不溶性物をかき取って不溶性物を沈澱分離槽
8の排出底部に導く。沈澱分離槽8の底部は排出ライン
11とバルブ10を介して連通し、底部に溜った不溶性物を
適宜バルブ10を開いて排出ライン11により濃縮液12とし
て系外に排出する。
不溶性物中には、不溶性リン化合物以外に、SS凝集物等
も含まれる。
沈澱物を分離された原水は、中和槽13に搬送され、中和
槽13中で、カセイソーダ槽5から導入されるカセイソー
ダにより所定のpHに中和される。中和処理により鉄イオ
ンは、水酸化鉄として析出する。
中和された原水は、搬送ライン14によりポンプ25を介し
て膜分離装置15に送られる。原水は膜分離装置15中の分
離膜を通過することにより分画分子量以上の物がこしと
られて処理水22となり処理水ライン19により系外に搬送
される。処理水ライン19には、流量計20が設けられ、膜
分離装置15からの透過液量を常時読み取れる。
また、搬送ライン14から中和槽13に流れ込む液量以上の
膜分離装置15からの透過液は中和槽13に設けたフロート
21を介して返送することにより、中和槽13の液レベルは
一定に保持される。
膜分離装置15により処理水22と分離された膜分離装置濃
縮液は、返送ライン16を通って一部中和槽返送ライン17
にはいって中和槽13中に返送され、一部は、混和槽返送
ライン18にはいって混和槽6に返送される。このpH値の
高い液の返送により系全体で使用するカセイソーダの量
を節約することが出来る。
<実施例> 以下に実施例により本発明を具体的に説明する。本発明
は実施例に限定されるものではない。
(実施例1) 表1に示す水質の原水を、第1図に示す装置を用いて処
理した。
テスト条件および測定条件は下記のとおりであった。な
お用いた化合物の分子量(原子量)は下記の値で計算し
た。
P ;30.97 FeCl3;162.2 Fe;55.85 Fe(OH)3;106.8 Cl;35.5 FePO4;150.82 O ;16 NaOH;40 1.テスト条件 1・1原水 原水フィード量37.8〜51.6l/h 標準値45.0l/h 1.2混和槽 容積 50l 滞留時間 1.11h pH 4.0〜4.5で操業 pHコントロールはフレークカセイソーダーの682gを水道
水で20lに溶解し、0.48〜0.68l/hで定量フィードし行っ
た。
塩化第二鉄フィード量 原水中の全リン量(以下全Pと略すことがある)を90mg
/lとしFe/全Pモル比2で塩化第二鉄をフィードした。
塩化第二鉄は38%品(40°Be′)の2,785gを水道水20l
で希釈して使用した。
全リンフィード量;45×90/30.97=130.8mmol/h Fe/全Pモル比;2.0 FeCl3フィード量;130.8×2.0=261.5mmol/h =42.4g・FeCl3/h =111.6g・38%FeCl3/h 1.3沈澱分離槽 断面積 0.297m2 容積 0.253m3 面積負荷 45×10-3/0.297=0.152m3/m2・h =3.64m/day 滞留時間 0.235×103/45=5.62h 掻き取り羽根回転数 1.15rph 外径 600mm 先端周速度 2.16m/h 入口懸濁固体濃度 730mg/l 濃縮液懸濁固体濃度 12,000mg/l 濃縮液抜き出し量 2.8l/h 懸濁固体濃度除去率 90% 出口懸濁固体濃度 73mg/l 1・4中和槽 pHは6.5〜7.5を目標とした。凝集混和槽のpHコントロー
ルは、フレークカセイソーダ40gを水道水10lに溶解し0.
27〜0.75l/hでフィードし行った。
入口懸濁固体濃度 73mg/l 濃縮倍率 10倍 中和槽懸濁固体濃度 730mg/l 混和槽への返送量 4.8l/h ホールドアップ 30l 1・5膜分離装置 平膜型モジュール;UFP-10 2S2P 0.22m2 面間3.0mm EPTフレームジョイント 運転条件;圧力、入口2.4kg/cm2 出口1.6kg/cm2 線速度2.5m/s 膜;ローヌ・プーラン社製IRIS-3065 (材質ポリフッ化ビニリデン) 分画分子量40,000および70,000 2.分析方法 2・1全リン量 モリブデン酸アンモニウム法(下水試験法準拠) 2・2COD 100℃過マンガン酸カリウム法(JIS K-0102準拠) 2・3全Fe量 o−フェナントロリン法(JIS K-0102準拠) 2・4懸濁固体(SS)濃度 沈殿分離槽処理水 試料500mlに500mg/l-アコフロックA1001mlを加え、弱撹
拌下10min凝集処理した。このものをJIS K-0102 14・1
懸濁物質に基いて分析した。ろ過材は東洋ろ紙ガラスフ
ィルタ−GS20を使用した。
沈殿分離槽濃縮液 試料20mlを50ml遠沈管に採り3,000rpm、20minの条件で
遠心分離し、上澄みをデカンテーションの後沈殿分を30
ml蒸留水に再懸濁した。その後再度遠心分離して105℃
で一昼夜乾燥後坪量してSS分とした。
沈澱分離槽 試料500mlに500mg/l-アコフロックA1001mlを加え弱撹拌
下10min凝集処理した。10min静置の後上澄みをデカンテ
ーションして沈殿分を50ml遠沈管に移液した。この後は
項と同操作によりSSを測定した。
混和槽 項と同操作を行ったがフロックの浮上、形成不良等に
より定量的測定は困難であった。したがって計算により
理論値を算出した。計算式をつぎに示した。
CFL=(QT-P×150.28){(QFE−QT-P)×106.8}+(C
UF×QHW)/(QRW+QHW) CFL ;混和槽懸濁固体濃度 (mg/l) CUF ;中和槽懸濁固体濃度 (mg/l) QT-P ;全リンフィード量 (mmol/h) QFe ;塩化第二鉄フィード量(l/h) QRW ;原水フィード量 (l/h) QHW ;混和槽への返送量 (l/h) 2・5色度 吸光光度計を利用し測定波長410nm、セル10mmにて測定
した。
(比較例) 比較として、沈殿分離槽8および中和槽13がなく、中和
槽と同容量の濃縮槽27を有し、膜分離装置15から混和槽
6への混和槽返送ライン18のない以外は第1図と同様の
装置である第2図に示す装置を用いて、実施例1と同様
な処理を行った。ただし、下記の条件とした。
原水水質;全リン濃度80mg/l COD 100mg/l FeCl3/全リン=1.5モル比 NaOH/FeCl3=1.5モル比 全P 0.114mol/h FeCl3 0.17mol/h=27.7g/h NaOH 0.257mol/h=10.3g/h 透過膜流出量 200l/m2・h以上 各部所の流出および測定した懸濁固体(SS)濃度を第2
図に示した。
3.テスト結果および考案 3・1原水水質 テスト期間中の原水水質は運転状態により変動した。p
H、COD、全リン量および色度の最高、最低、平均の各値
を表1に示した。
3・2混和槽へのカセイソーダ添加量 混和槽へのカセイソーダ添加量は混和槽pH、原水pHおよ
びFe/全Pモル比で変動した。原水pHとNaOH/Feモル比の
関係を測定し、結果を第4図に示した。
第4図の結果は下記式で示され、混和槽平均pH4.20で、
相関係数r=0.908という高い相関関係が得られた。
NaOH/Fe(モル比)=−0.334×原水pH+4.216 r=0.908 3・3沈殿分離槽 テスト期間中の平均面積負荷4.17m/day、平均滞留時間
4.94hの条件で、懸濁固体濃度平均除去率89.14%が得ら
れた。
また、沈殿分離槽濃縮液の平均懸濁固体濃度は12,030mg
/lであった。濃縮液の取扱は容易で、沈降固化、配管閉
塞等の問題は全く認められなかった。
3・4中和槽 中和槽の温度制御を行わなかった。そのため15.4〜42.1
℃で変動し、平均温度は32.2℃であった。なお温度依存
係数は次式において0.024であり、純水系とほぼ同じ値
であった。
F1UXt1=F1UXt2×{1+(t1−t2)×k} K=0.024 上記の結果より、高温で運転することにより高いフラッ
クスレベルが得られると考えられる。
pH調整用カセイソーダ添加量 pH4の沈澱分離槽処理水をpH7にするためのカセイソーダ
必要量は、平均44.7mmol/hであった。この量は混和槽で
の添加量の約10%に相当した。
混和槽と中和槽での全カセイソーダ添加量をNaOH/Feモ
ル比にし、第5図に示した。
第5図から原水pHが6.8〜7.0の範囲ではNaOH/Feモル比
は約2.1であった。
なお、第5図から下記関係式が得られ、相関係数r=0.
876であった。
全NaOH/全Fe=−0.270×原水pH+3.954 3・5膜分離装置 UFフラックス 16日間以上200l/m2.h以上のフラックスが安定して得ら
れた。フラックス量の測定結果を第3図に示した。
フラックス低下の要因となる膜付着物は剥離が容易で、
モジュールの一時運転停止でかなりのフラックス回復が
認められた。中和槽のレベルコントロールによる間欠運
転がフラックス向上に有効と考えられた。なおテストで
は午前と午後各1回の一時停止操作を行った。
膜グレードごとのフラックス経時変化 IRIS-3065、分画分子量40,000と70,000の膜のフラック
ス経時変化を第6図に示した。本データにおいて分画分
子量40,000が高圧側、70,000が低圧側である。
第6図においてテスト初期にバラツキが大きいのは、プ
レートフラックスの測定を一時停止操作の前に行なった
り、後に行なったりしたためである。
この結果から分画分子量40,000の膜が70,000に比較し高
いフラックスが得られることがわかった。しかし薬液洗
浄後は差がほとんど認められなくなった。
薬液洗浄 モジュールの薬液洗浄を行った。洗浄条件は次のとお
り。
使用水 ;本発明装置で処理した処理水 洗浄時圧力 ;入口0.5kg/cm2 ;出口0.3kg/cm2 流量 ;0.48m3/h LV=1.4m/s フラックス測定時圧力;入口2.3kg/cm2 出口1.7kg/cm2 流量 ;8.5m3/h LV=2.5m/s (1)0.1mol/l-塩酸洗浄 フラックス低下要因が水酸化第二鉄の沈着であると推定
し0.1mol/l-塩酸による洗浄を行った。しかし、洗浄後
のフラックスは45l/h(205l/m2.h)でほとんど効果が見
られなかった。
(2)600mg/l-次亜塩素酸ナトリウム洗浄 塩酸洗浄液置換後600mg/l-次亜塩素酸ナトリウム洗浄を
行った。洗浄液濃度は置換後の洗浄水pHが約4であった
ので、pHを8にするに要した量から決定した。
洗浄後のフラックスは125l/h(568l/m2.h)まで回復し
た。このことからフラックス低下要因が残留COD等の有
機物であることが判明した。
(3)600mg/l-次亜塩素酸ナトリウム単独の洗浄 前記結果に基き、600mg/l-次亜塩素酸ナトリウム単独の
洗浄テストを行った。その結果洗浄後のフラックスは85
l/h(386l/m2.h)になった。塩酸と併用した場合に比較
すると32%の低下となったが、実液での初期フラックス
はほとんど変わらなかった。
(4)UF膜でのCOD阻止率 以上の洗浄結果からUF膜でのCOD阻止が起こっていると
考え沈殿分離槽処理水、中和槽濃縮液および膜分離装置
処理水のCODを測定した。結果を表2に示した。
表2に示すとおりUF膜で平均12.8%のCOD阻止が認めら
れた。使用したIRIS-3065の分画分子量は40,000ないし7
0,000であり、フロックス共存系であることからプレコ
ート効果によるものと推定される。
以上の洗浄テスト結果からUFフラックスの低下要因は沈
殿分離槽処理水に含まれるCOD成分の寄与が大きいこと
がわかった。したがって中和槽から混和槽への返送量を
1/10から1/5程度に上げればフラックスの向上が期待で
きる。
また、1〜2回/月の薬液洗浄、1回/3ケ月の開放洗浄
で200l/m2.h以上のフラックス維持が可能である。
3・6処理水水質 テスト期間中全般にわたり良好な処理水質が維持され
た。ただし一時混和槽pHが上昇しCODが65mg/lになった
ことがあった。表3に結果を示した。
実施例における処理水CODは比較例と比較すると平均値
で40mg/から29mg/lに低下した。混和槽のFe/T-Pモル比
が2.0から2.4に上昇した効果によるものと思われるが、
滞留時間5時間の中和槽が組み込まれたことで緩衝作用
が生じ処理水水質がさらに安定したものと考えた。全リ
ン濃度T-P、全鉄濃度T-Feにおいては0.1mg/l以下の分析
値を分析誤差範囲内にあり、混和槽pHおよび中和槽pHが
コントローラー等で適正に管理されれば無視しうると言
って差し支えない。
これに対し比較例では、膜分離装置処理水中に2mg/lの
溶存鉄が残存していた。
比較例では中和槽13中でのSS濃度が20,000mg/l、UFフラ
ックス200l/m2.hの設計値に対し余裕がなかった。実施
例では中和槽13中でのSS濃度は1,000mg/lでありUFフラ
ックス200l/m2.hの設計値に対し充分余裕があった。
3・7活性炭吸着特性 武田薬品工業ア(株)化成品研究所に依頼し、実施例1
および比較例で得られた処理水の活性炭吸着等温泉デー
タを採った。使用した活性炭グレードはW5C-8/32であ
る。
比較例で得られた処理水の活性炭吸着等温線データを第
7図に示した。第7図の結果から武田W5C-8/32COD平衡
吸着量は従来設計データとして使用している北越炭素デ
ータ240g・COD/kg・ACに比較して1/2以下の110g・COD/k
g・AC at110mg/lCODであった。
実施例で得られた処理水の活性炭吸着等温線データを第
8図に示した。第8図に示すように実施例で得られた処
理水は、平均COD29mg/lに対し25mg/lと低い設定でもCOD
平衡吸着量は230g・COD/kg・ACと北越炭素データとほぼ
同じ値になった。
このことから本発明の中和工程を有する処理方法により
活性炭COD吸着能が向上することがわかった。したがっ
て、本発明法の活性炭に掛かるランニングコストは比較
例に対してCOD入力濃度が1/3に低下する分、安価になっ
た。
また、比較例で得られた処理水、実施例で得られた処理
水および実施例で得られたものをさらに活性炭処理した
ものの窒素成分等の測定を行った。結果を第4表に示
す。
表4から窒素成分のうち有機体窒素は、実施例で59.0
%、活性炭処理で97.3%が除去された。しかし硝酸体窒
素はほとんど変化がなかったことがわかる。
全リン濃度は活性炭処理により0.08mg/lから0.20mg/lに
上昇しているが、分析下限付近の測定値であり明確な現
象とはいい難い。
色度は活性炭処理水で17deg.になった。目視ではほとん
ど零に近い。
<発明の効果> 本発明の含リン排水の処理方法は、COD、BOD、SS、リン
化合物等の除去率が高く、しかも鉄イオンの流出が実質
的にないので、安価なランニングコストでリン化合物を
有する排水の高度浄化処理ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の処理方法を説明するフローチャート
である。 第2図は、比較例に用いた従来の処理方法を説明するフ
ローチャートである。 第3図は、実施例で得られた膜分離装置の透過流速(フ
ラックス)の経時変化を示すグラフである。 第4図は、実施例で用いた原水pHと混和槽NaOH添加量の
関係を示すグラフである。 第5図は、実施例で用いた原水pHと全カセイソーダ添加
量の関係を示すグラフである。 第6図は、実施例で得られた膜グレードごとの透過流速
(フラックス)の経時変化を示すグラフである。 第7図は、比較例で得られた処理水の活性炭吸着処理時
における吸着等温線を示すグラフである。 第8図は、実施例で得られた処理水の活性炭吸着処理時
における吸着等温線を示すグラフである。 符号の説明 1……原水(排水) 2……原水槽 3……塩化第2鉄槽 4、5……カセイソーダ槽 6……混和槽 7……撹拌機 8……沈殿分離槽 9……かき取り羽根 10……バルブ 11……排出ライン 12……不溶性物(濃縮液) 13……中和槽 14……搬送ライン 15……膜分離装置 16……返送ライン 17……中和槽返送ライン 18……混和槽返送ライン 19……処理水ライン 20……流量計 21……フロート 22……処理水 25……ポンプ 26……搬入ライン 27……濃縮槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン化合物を含有する排水の処理方法であ
    って、下記の工程(a)〜(d)を有することを特徴と
    する含リン排水の処理方法。 (a)生物学的前処理工程を経た排水に、リン化合物固
    定化剤としての第二鉄塩を加え、酸性条件下で、リン化
    合物を不溶性物として生成せしめる工程。 (b)前記不溶性物を分離する工程。 (c)前記不溶性物が分離除去された液を中和する工
    程。 (d)前記中和された液を膜濾過して濃縮液と処理水と
    に分離する工程。
  2. 【請求項2】前記(a)工程の酸性条件が、pH3〜5で
    ある請求項1に記載の含リン排水の処理方法。
  3. 【請求項3】前記(d)工程で膜濾過された濃縮液の少
    なくとも一部を前記(a)工程の不溶性物生成工程へ返
    送する請求項1または2に記載の含リン排水の処理方
    法。
  4. 【請求項4】前記(d)工程で得られた処理水を、さら
    に活性炭を用いて脱色する請求項1〜3のいずれかに記
    載の含リン排水の処理方法。
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