JPH07204708A - ホットコイルの製造方法 - Google Patents

ホットコイルの製造方法

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JPH07204708A
JPH07204708A JP1397194A JP1397194A JPH07204708A JP H07204708 A JPH07204708 A JP H07204708A JP 1397194 A JP1397194 A JP 1397194A JP 1397194 A JP1397194 A JP 1397194A JP H07204708 A JPH07204708 A JP H07204708A
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浩一 高島
Yoshimichi Okita
義道 大喜多
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造設備の小型化及び簡素化を図りつつ、高
品質の製品を低コストで生産することを可能にするホッ
トコイルの製造方法を提供すること。 【構成】 厚み70mm〜120mmの中厚鋳片連続鋳造設
備、鋳片搬送テーブル、加熱設備、強圧下粗圧延ミル、
仕上げ圧延ミル、ダウンコイラーを一直線上に配置した
ホットコイルの製造設備を用い、加熱設備における加熱
後の鋳片の中央表面温度、強圧下粗圧延ミルの第1ロー
ルの周速度等を規定して、加熱設備からダウンコイラー
までの間において同一鋳片を連続して圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造設備の延長線上
に各々近接して設置した圧延設備を用いるホットコイル
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホットストリップは、高品質と大量生産
を要求されるため、従来から高炉の溶鉄を原材料とし、
転炉を経て、大型鋼塊を分塊することによって、又は連
続鋳造機による大型鋳片を用いて製造する方法が主流と
なっている。ところで、この方法の場合、工程を鋼片の
製造からホットコイルの圧延までに限定しても、大型鋼
片製造関連設備又は連続鋳造設備、大型加熱設備、粗圧
延ミル、仕上げ圧延ミルを含むホットコイル製造設備が
必要で、さらに、この製造設備を統括的に制御し、管理
するための機構も加わることから、製造設備の巨大化、
工場敷地の広大化、設備建造費の巨額化、製造工程の管
理システムの複雑化を招くという問題点を有していた。
また、この方法の場合、鋼材の製造工程に要する時間が
長くなり、製品の温度低下が著しく、温度補償のための
各種の制御機構、圧延中の温度低下に対応して、加工速
度の増加や圧下力の増加が必要となり、機械の強度の増
加等、圧延本来の機構以外に数多くの補助技術を必要と
し、上述の問題点と相まって、鋼材の製造コストを押し
上げる原因となっていた。
【0003】ところで、圧延工場におけるホットコイル
の製造設備が巨大化すること等への対策として、製造設
備の巨大化の要因の1つが、一直線上に配置した製造設
備の相互の干渉を防ぐために、加熱設備、数基の粗圧延
ミル、仕上げ圧延ミル群において鋳片を独立して加工で
きるように、それぞれの設備の間に1鋳片分の間隔を開
けるようにしていることにあることに鑑み、粗圧延加工
の後、鋳片を一旦コイル状に巻くことによって、製造設
備の長さを短縮するとともに、製品の温度低下を防止
し、製品の温度の均一化を図る、いわゆるコイルボック
スを設置することも行われている。しかしながら、この
方法も、上記問題点を完全に解決するものではなかっ
た。
【0004】他方、製鋼技術の向上に伴って、薄鋳片を
用いてホットストリップを製造する方法が提案されてい
る。この方法の場合、鋳片を可能な限り薄厚(厚さ50
mm程度)に鋳造し、又は連続鋳造機の機内で圧下するこ
とによって、前記大型鋳片を用いる製造設備において必
須であった大型加熱設備及び粗圧延ミルを省略すること
を可能とすることによって製造設備を簡素化し、前記大
型鋳片を用いる方法が有する問題点を解決しようとする
ものであるが、この方法の場合は、鋼材の品質や生産性
の点で問題点を有していた。すなわち、 a)高品質の製品を生産することができない。すなわち、
一般用途、又は表面品質の要求度の低い鋼種を製造する
場合には問題は少ないが、高品質の製品を生産する場合
には、鋳造時に発生する表面欠陥や圧延工程に至るまで
に生ずるスケールを完全に除去することができず、製品
の表面状態が悪化しやすい。 b)鋼材の種類が、炭素(C)0.08〜0.15wt%
程度のいわゆる包晶反応域のものである場合、鋳込速度
が速く、凝固の条件が一定しにくいので、鋳片にクラッ
クが発生しやすく、品質を一定に保つことができない。 c)薄鋳片を製造するためには、シール、ノズルのセット
等に熟練を要し、鋳込作業に困難を伴うとともに、ノズ
ルの寿命にも影響を及ぼす。 d)高速鋳込や低速鋳込を行うと、鋳片が不均一に冷却さ
れたり、鋳片に不均一な応力がかかったり、パウダーを
巻き込むことにより、鋳片の組織が脆化しやすく、この
ため、クラックが発生しやすい種類の鋼材は制約を受け
る。 e)モールドの間隔が狭いので、鋳込時の溶鋼の揺動が激
しく、鋳片の表面状態が悪化しやすい。 f)圧延の比率が小さいため、鋳片に発生した欠陥がその
まま製品の表面状態の悪化として発生しやすく、また、
除去しにくい。 g)鋳込時又は圧延工程時に発生した製品の表面スケール
は、薄くかつタイトに付着しているため、超高圧のデス
ケーラーによっても、表面スケールの除去に手間を要
し、製品の温度が低下し、また完全には除去ない。 等の点で問題を有しており、鋳片の厚さを薄くすること
にも自ずと限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
大型鋳片又は薄鋳片を用いてホットストリップを製造す
る方法の有する問題点を解決し、製造設備の小型化及び
簡素化を図りつつ、高品質の製品を低コストで生産する
ことを可能にするホットコイルの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1発明のホットコイルの製造方法は、中厚鋳片
連続鋳造設備、鋳片搬送テーブル、加熱設備、強圧下粗
圧延ミル、仕上げ圧延ミル、ダウンコイラーを一直線上
に配置したホットコイルの製造設備を用い、加熱設備か
らダウンコイラーまでの間において同一鋳片を連続して
圧延することを要旨とする。ここで、中厚鋳片連続鋳造
設備とは、厚みが70mm〜120mmの鋳片を製造する連
続鋳造設備をいう。
【0007】また、本第2発明は、中厚鋳片連続鋳造設
備、鋳片搬送テーブル、加熱設備、強圧下粗圧延ミル、
仕上げ圧延ミル、ダウンコイラーを一直線上に配置した
ホットコイルの製造設備を用い、加熱設備からダウンコ
イラーまでの間において同一鋳片を連続して圧延するホ
ットコイルの製造方法であって、ホットコイルの製造
を、(a)中厚鋳片連続鋳造設備で製造される鋳片の厚
みを70mm〜120mmに形成し、(b)中厚鋳片連続鋳
造設備における鋳込開始から鋳造された鋳片が加熱設備
に到達するまでの時間を鋳片の厚みに略比例させて、7
0mm鋳片の場合は10分未満、120mm鋳片の場合は1
5分未満とし、(c)加熱設備における加熱後の鋳片の
中央表面温度を摂氏950度〜1150度とし、(d)
強圧下粗圧延ミルの第1ロールの周速度を5m/分〜2
0m/分とし、(e)製品の仕上げ圧延ミル通過終了時
の温度を鋼の変態温度Ar3以上に保持して行うことを
要旨とする。
【0008】本発明のホットコイルの製造方法における
鋳片の厚み等の数値は、以下の理由によって定められ
る。
【0009】(a)鋳片の厚みに関する構成について 本発明においては、中厚鋳片連続鋳造設備で製造される
鋳片の厚みを70mm以上に制限することにより、ノズル
とモールドとの間の距離の確保と、パウダーの添加及び
焼成物の除去を容易に行うことができ、これにより、連
続鋳造の各種作業を安定して行うことができる。また、
鋳込時の溶鋼の揺動を著しく抑え、ノロ噛み及びクラッ
クの発生を低減することができるとともに、溶鋼中の介
在物の浮上を安定して維持することができ、製造される
鋳片の品質を良好に保つことができる。また、スケール
がある程度成長するので超高圧デスケーラーを使用しな
くてもよく、通常のデスケーラーによって表面スケール
を容易に除去することができる。また、熱の放散によっ
て鋳片の温度が急激に低下したり、不均一になることを
鋳片の内部からの復熱によって防止することができる。
さらに、製造されるホットコイルの単位重量を確保する
ための取り合わせが容易となる。一方、本発明において
は、鋳片の厚みを120mm以下に制限することにより、
従来法程の設備の巨大化、高度化せずに鋳片を製造する
ことができる。また、機械の高さを低くすることができ
るので凝固時に発生する溶鋼の静圧を低く抑えることが
でき、これにより鋳片の変形を防止し、鋳片の内部に重
大な欠陥が生じることを防ぐための高度な装置の設置を
軽減することができる。また、鋳片の内部からの復熱と
加熱設備による鋳片の全体及びエッジ部分の加熱とをバ
ランスさせながら短時間で鋳片の温度を均一な圧延温度
にする必要があるが、このための加熱設備の能力を最小
限に抑えることができる。さらに、鋳片の加熱設備によ
る加熱と圧延ミルによる圧延を同調して行うことも容易
である。
【0010】(b)鋳込開始から鋳造された鋳片が加熱
設備に到達するまでの時間に関する構成について 本発明においては、従来の薄鋳片を用いてホットストリ
ップを製造する方法と同様に、中厚鋳片連続鋳造設備の
直後に鋳片を均一に加熱するための加熱設備を配置する
ことも可能である。さらに、以降の工程におけるトラブ
ルに対処するためのバッファーとして、鋳込まれた鋳片
を所定長さに切断後、横に引き出す鋳片移送設備を加熱
設備の前工程に配置することもできる。なお、引き出さ
れた鋳片は、他の設備で製造された鋳片と同様に、再加
熱した後、鋳片移送設備を用いてこの圧延設備に引き込
むことによって圧延材料として利用することができる。
このように、鋳込開始から鋳造された鋳片が加熱設備に
到達するまでの時間は、鋳片が鋳片移送設備を通過する
時間が加わることから、熱の放散によって鋳片の温度が
低下したり、不均一になるが、この場合にも、中厚鋳片
連続鋳造設備における鋳込開始から鋳造された鋳片が加
熱設備に到達するまでの時間を鋳片の厚みに略比例させ
て、70mm鋳片の場合は10分未満、80mm鋳片の場合
は11分未満、90mm鋳片の場合は12分未満、100
mm鋳片の場合は13分未満、110mm鋳片の場合は12
分未満、120mm鋳片の場合は15分未満とすることに
よって、鋳片の持つ熱を有効活用することができ、加熱
設備の能力を極端に増強する必要がなくなる。この場
合、鋳片移送設備には、熱放射を低減するためのカバー
等の設備を配設することが好ましい。
【0011】(c)加熱設備における加熱後の鋳片の中
央表面温度に関する構成について 圧延時の鋳片の温度は、製品の品質、圧延の作業性等に
大きな影響を与え、従来の圧延方法においても、製品の
材質及び品質、エネルギ効率等を考慮して、きめ細かな
管理を行っている。本発明においては、加熱設備からダ
ウンコイラーまでの間において同一鋳片を連続して圧延
するようにしていることから強圧下粗圧延ミルと仕上げ
圧延ミルとを近接して配置することができるとともに鋳
片を加熱した後直ちに圧延することができ、このため鋳
片の温度の低下が少ないことから、加熱設備における加
熱後の鋳片の中央表面温度を摂氏950度〜1150度
と、従来よりも低くすることができ、圧延ミルのロール
の肌荒れを防止できるとともに、エネルギ効率を向上す
ることができる。なお、加熱後の鋳片の中央表面温度を
摂氏950度以下にすることは、製品の仕上げ圧延ミル
通過終了時の温度を鋼の変態温度Ar3以上に保持して
行うことが困難となり好ましくない。一方、加熱後の鋳
片の中央表面温度を摂氏1150度以上にすることは、
製品の品質の点、圧延ミルのロールの肌荒れの点及びエ
ネルギ効率の点で好ましくない。
【0012】(d)強圧下粗圧延ミルの第1ロールの周
速度に関する構成について 圧延時の鋳片の温度の低下は、製品の品質に致命的な影
響を与えることから、圧延時間を極力短縮するため、数
段の粗圧延ミルを備える従来の大型ホットコイル設備に
おいては、粗圧延ミルの第1ロールの周速度を30m/
分以上、一般的には、70m/分程度に設定している。
本発明においては、加熱設備からダウンコイラーまでの
間において同一鋳片を連続して圧延するようにしている
ことから強圧下粗圧延ミルと仕上げ圧延ミルとを近接し
て配置することができるとともに鋳片を加熱した後直ち
に圧延することができ、このため鋳片の温度の低下が少
ないことから、強圧下粗圧延ミルの第1ロールの周速度
を5m/分〜20m/分と、従来よりも低く設定するこ
とができ、さらに、強圧下粗圧延ミルの1スタンドの圧
下比を大きく取ることができる。ところで、強圧下粗圧
延ミルの1スタンドの圧下比に関連して、圧延時の鋳片
の温度の低下は、製品の品質に致命的な影響を与えるこ
とから、圧延ミルの圧下比を高めることによって圧延ミ
ルの台数を減らし、圧延時間を極力短縮することが望ま
しい。本発明においては、強圧下粗圧延ミルの第1ロー
ルの周速度を5m/分〜20m/分と、従来よりも低く
設定することから、強圧下粗圧延ミルの1スタンドの圧
下比を40%以上、さらに好ましくは50%以上と、従
来よりも高く設定することができ、これによって、圧延
時間を短縮することができる。また、結果的には、製品
の仕上げ圧延ミルの通過速度を引き下げることが可能に
なり、モータ能力、仕上げ圧延ミルの剛性等、機械的な
仕様を軽くすることができる。
【0013】(e)製品の仕上げ圧延ミル通過終了時の
温度に関する構成について 圧延時の鋳片の温度は、製品の品質、圧延の作業性等に
大きな影響を与え、従来の圧延方法においても、製品の
材質及び品質、エネルギ効率等を考慮して、きめ細かな
管理を行っている。本発明においては、加熱設備からダ
ウンコイラーまでの間において同一鋳片を連続して圧延
するようにしていることから強圧下粗圧延ミルと仕上げ
圧延ミルとを近接して配置することができるとともに鋳
片を加熱した後直ちに圧延することができ、このため鋳
片の温度の低下が少ないことから、加熱設備における加
熱後の鋳片の中央表面温度を従来よりも低く設定して
も、製品の仕上げ圧延ミル通過終了時の温度を鋼の変態
温度Ar3以上に保持して行うことが可能となり、製品
の品質、圧延の作業性を良好に保持することができる。
さらに、仕上げ圧延ミルの通過速度の低速化は鋼板搬送
テーブルの水冷効果を増加させることとなり、結果的に
その全長を短縮することができる。
【0014】
【作用】本発明のホットコイルの製造方法においては、
中厚鋳片を用いて加熱設備からダウンコイラーまでの間
において同一鋳片を連続して圧延することにより、製造
設備の小型化及び簡素化を図りつつ、高品質の製品を低
コストで生産することができる。
【0015】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて説明す
る。図1及び図2は、本発明のホットコイルの製造方法
を実施するために使用する設備の一例を示す。
【0016】この設備は、中厚鋳片を供給する連続鋳造
設備1、切断機2、鋳片搬送テーブル3、これに続いて
設置された鋳片を均一に加熱するための加熱設備4、デ
スケーラー5、強圧下粗圧延ミル6、シヤー7、デスケ
ーラー8、仕上げ圧延ミル9、鋼板搬送テーブル10及
び鋼板をコイル状に巻き取るダウンコイラー11を一直
線上に近接して配置した圧延設備12並びに圧延設備1
2におけるトラブルに対処するためのバッファーとし
て、鋳込まれた中厚鋳片をそのまま横に引き出す鋳片移
送設備16から構成される。
【0017】鋳片移送設備16は、引き出された鋳片
を、他の設備で製造された鋳片と同様に、再加熱した
後、搬送テーブル3から供給圧延設備12に供給するこ
とによって圧延材料として利用することができるよう
に、鋳片搬送テーブル13,15及び冷鋳片を加熱する
ための加熱設備14から構成する。
【0018】中厚鋳片を供給する連続鋳造設備1には、
従来より広く一般に使用されているものをより小型化し
て使用することができる。圧延設備12を構成する加熱
設備4には、誘導加熱炉又は燃焼加熱炉を用い、鋳片の
コーナーを独立して加熱するためのコーナー加熱設備を
併設することが望ましい。また、デスケーラー5,8に
は高圧水により鋳片表面に形成されたスケールを除去す
るデスケーラーを、強圧下粗圧延ミル6には、圧下能力
の大きな大径ロールを備え、かつ受け入れる鋳片の大き
さの自由度が大きい圧延機を、仕上げ圧延ミル4には4
重圧延ロールを備えた圧延機を複数台、本実施例におい
ては6台、直列に配設して構成することが望ましいが、
圧延設備12を構成する装置はこれに限定されず、適宜
公知の装置を組み合わせて使用することができる。
【0019】また、熱放射による鋳片の温度低下を防止
するため、連続鋳造設備1、搬送テーブル3、その他の
設備には、カバーや断熱材を配設するとともに、鋳片が
接触する搬送テーブル3のローラー等の部材には低伝熱
材料を使用することが望ましい。
【0020】また、仕上げ圧延ミル9は、鋳片供給設備
16から供給された大型鋳片を強圧下粗圧延ミル6によ
り複数回反復して圧延する際、強圧下粗圧延ミル6によ
り圧延される鋳片を仕上げ圧延ミル9のロールの間隙に
挿通させることができるように構成することが望まし
い。具体的には、仕上げ圧延ミル9のロールの間隙を大
きく開けることができるように、例えば、仕上げ圧延ミ
ル9の上下のロール間の距離を鋳片の圧延厚さに応じて
調節する手段に加えて、仕上げ圧延ミル9の上下のロー
ルを定量だけ上方又は下方に速やかに移動できる手段を
設けるとともに、仕上げ圧延ミル9のロールの間を移動
する鋳片が仕上げ圧延ミル9の上下のロールに接触しな
いように鋳片を案内するガイド部材9a及び鋳片の下面
を支持する受けロール9bをロールの一側又は両側に設
ける。この場合において、強圧下粗圧延ミル6及び仕上
げ圧延ミル9は、仕上げ圧延ミル9のガイド部材9a及
び受けロール9bを含め連動するように電気制御するこ
とが望ましい。
【0021】これにより、従来の連続鋳造設備1では、
通常ある程度ロットを集約し、一定期間連続的に汎用製
品を製造するので、ユーザーから小量の高品位の製品や
特殊材料の製品の発注があった場合には対応が困難であ
ったが、このような場合、あるいは、連続鋳造設備の補
修等による連続鋳造設備の停止時においてホット鋳片の
供給が途切れた際に圧延設備を稼働する場合には、所望
の材質の冷鋳片をライン外の鋳片供給設備16の冷鋳片
搬送テーブル13から、加熱設備14、加熱鋳片搬送テ
ーブル15を介して鋳片搬送テーブル3に供給する設備
を活用する。この鋳片供給設備16から供給された鋳片
は、連続鋳造設備1から供給されるホット鋳片と同様
に、強圧下粗圧延ミル6及び仕上げ圧延ミル9により圧
延し、ダウンコイラー11によりコイル状に巻き取り、
連続鋳造設備1から供給される鋳片から製造されるホッ
トコイルと異なる性状のホットコイルを製造することが
できる。なお、鋳片供給設備16から供給する鋳片の材
質を連続鋳造設備1から供給されるホット鋳片の材質と
同じにした場合には、製造されるホットコイルの性状に
差異がないのはいうまでもない。この場合において、加
熱設備4による鋳片の加熱は省略することができ、ま
た、鋳片供給設備から供給される鋳片が連続鋳造設備か
ら供給される鋳片より大きいときには、供給された鋳片
を強圧下粗圧延ミル6により複数回反復して圧延して所
定厚さにした後、仕上げ圧延ミル9に掛けるようにす
る。そして、鋳片を強圧下粗圧延ミル6により複数回反
復して圧延する際、強圧下粗圧延ミル6のロールの間隙
を大きく開けるとともに、仕上げ圧延ミル9のロールの
間を移動する鋳片が仕上げ圧延ミル9の上下のロールに
接触しないように鋳片をガイド部材9a及び受けロール
9bにより案内及び支持しながら、強圧下粗圧延ミル6
により圧延される鋳片の端部を仕上げ圧延ミル9のロー
ルの間隙に挿通するように位置させる。
【0022】次に、上記の設備を使用するホットコイル
の製造方法について説明する。連続鋳造設備1から供給
された中厚鋳片を、鋳片搬送テーブル3を介して加熱設
備4に搬送し、加熱設備4により均一に加熱し、デスケ
ーラー5の高圧水により鋳片表面に形成されたスケール
を除去した後、強圧下粗圧延ミル6により所定厚さに圧
延し、直ちに圧延された鋳片をデスケーラー8の高圧水
により鋳片表面に形成されたスケールを除去した後、仕
上げ圧延ミル9により最終製品の厚さに圧延し、圧延さ
れた鋼板を鋼板搬送テーブル10を介してダウンコイラ
ー11に搬送し、ダウンコイラー11により鋼板をコイ
ル状に巻き取り、ホットコイルを製造する。
【0023】この場合、加熱設備4からダウンコイラー
11までの間において同一鋳片を連続して圧延するとと
もに、(a)中厚鋳片連続鋳造設備で製造される鋳片の
厚みを70mm〜120mmに形成し、(b)中厚鋳片連続
鋳造設備における鋳込開始から鋳造された鋳片が加熱設
備に到達するまでの時間を鋳片の厚みに略比例させて、
70mm鋳片の場合は10分未満、120mm鋳片の場合は
15分未満とし、(c)加熱設備における加熱後の鋳片
の中央表面温度を摂氏950度〜1150度とし、
(d)強圧下粗圧延ミルの第1ロールの周速度を5m/
分〜20m/分とし、(e)製品の仕上げ圧延ミル通過
終了時の温度を鋼の変態温度Ar3以上に保持して行
う。なお、強圧下粗圧延ミルの第1ロールの周速度を5
m/分〜20m/分と、従来よりも低く設定することか
ら、強圧下粗圧延ミルの1スタンドの圧下比を40%以
上、さらに好ましくは50%以上とする。
【0024】このホットコイルの製造方法に用いられる
鋳片及び最終製品の重量及び形状の例(括弧内は一例)
を以下に示す。 (鋳片) 重量:Max30t(20t) 厚み:70mm〜120mm(70mm) 長さ:Max30m(25m) (最終製品) 重量:Max30t 厚み:1.2mm〜12.7mm 幅 :900mm〜1600mm
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、従来の大型鋳片又は薄
鋳片を用いてホットストリップを製造する方法の有する
問題点を解決し、製造設備の小型化及び簡素化を図りつ
つ、高品質の製品を低コストで生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホットコイルの製造設備の一例を示す側面図。
【図2】ホットコイルの製造設備の一例を示す平面図。
【図3】仕上げ圧延ミルの一例を示す側面図。
【符号の説明】
1 中厚鋳片連続鋳造設備 2 切断機 3 鋳片搬送テーブル 4 加熱設備 5 デスケーラー 6 強圧下粗圧延ミル 7 シヤー 8 デスケーラー 9 仕上げ圧延ミル 10 鋼板搬送テーブル 11 ダウンコイラー 12 圧延設備 13 鋳片搬送テーブル 14 加熱設備 15 鋳片搬送テーブル 16 鋳片移送設備

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中厚鋳片連続鋳造設備、鋳片搬送テーブ
    ル、加熱設備、強圧下粗圧延ミル、仕上げ圧延ミル、ダ
    ウンコイラーを一直線上に配置したホットコイルの製造
    設備を用い、加熱設備からダウンコイラーまでの間にお
    いて同一鋳片を連続して圧延することを特徴とするホッ
    トコイルの製造方法。
  2. 【請求項2】 中厚鋳片連続鋳造設備、鋳片搬送テーブ
    ル、加熱設備、強圧下粗圧延ミル、仕上げ圧延ミル、ダ
    ウンコイラーを一直線上に配置したホットコイルの製造
    設備を用い、加熱設備からダウンコイラーまでの間にお
    いて同一鋳片を連続して圧延するホットコイルの製造方
    法であって、ホットコイルの製造を、 (a)中厚鋳片連続鋳造設備で製造される鋳片の厚みを
    70mm〜120mmに形成し、 (b)中厚鋳片連続鋳造設備における鋳込開始から鋳造
    された鋳片が加熱設備に到達するまでの時間を鋳片の厚
    みに略比例させて、70mm鋳片の場合は10分未満、1
    20mm鋳片の場合は15分未満とし、 (c)加熱設備における加熱後の鋳片の中央表面温度を
    摂氏950度〜1150度とし、 (d)強圧下粗圧延ミルの第1ロールの周速度を5m/
    分〜20m/分とし、 (e)製品の仕上げ圧延ミル通過終了時の温度を鋼の変
    態温度Ar3以上に保持して行うことを特徴とするホッ
    トコイルの製造方法。
JP6013971A 1993-09-10 1994-01-11 ホットコイルの製造方法 Expired - Lifetime JP2604315B2 (ja)

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