JPH0720294A - 電子線照射装置 - Google Patents

電子線照射装置

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JPH0720294A
JPH0720294A JP18719393A JP18719393A JPH0720294A JP H0720294 A JPH0720294 A JP H0720294A JP 18719393 A JP18719393 A JP 18719393A JP 18719393 A JP18719393 A JP 18719393A JP H0720294 A JPH0720294 A JP H0720294A
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JP
Japan
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electron beam
foil
irradiation
irradiation chamber
window
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JP18719393A
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English (en)
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Shinobu Kinoshita
忍 木下
Taro Takei
太郎 武井
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Iwasaki Denki KK
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Iwasaki Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 150kV以下の加速電圧で加速された低エ
ネルギー電子線を用いて表面処理を効率よく行うことが
できる電子線照射装置を提供する。 【構成】 窓箔32には、厚さ13μm〜30μmのA
l箔を用い、Al箔の照射室20側の表面を厚さ0.2
μm〜1.0μmのTiで被覆している。これにより、
照射室20内を空気雰囲気として電子線を照射した場合
でも、照射室20内で発生したオゾンにより窓箔32が
酸化されるのをチタンの被覆により防ぐことができる。
しかも、電流密度を0.7mA/cm以上とした場合で
も、電子線を効率よく照射室20内に取り出すことがで
きると共に、加速電圧を150kV以下とした場合で
も、窓箔32の温度をその耐熱温度以下に抑えることが
できるので、表面処理を効率よく行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面処理に利用される
ものであって、特に、インクの硬化(即時乾燥)や表面
殺菌に利用される電子線照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクの硬化(即時乾燥)、表面
殺菌などの表面処理は、紫外線や電子線を用いて行われ
ている。しかし、紫外線を用いる方法では、光重合開始
剤を添加する必要があり、また、紫外線は透過力が弱い
ので、たとえば着色塗料等、不透明な材料の内部までは
処理することができないという問題がある。このため、
かかる表面処理には、主に低エネルギー電子線が利用さ
れている。
【0003】従来の低エネルギータイプの電子線照射装
置では、線状のフィラメントから放出された熱電子を電
子線として取り出し、この電子線を加速管内の真空空間
で加速した後、照射窓部を介して照射室内に取り出し、
照射室内を搬送される被処理物に照射することにより処
理を行う。照射窓部は、加速管内の真空雰囲気と照射室
内の照射雰囲気とを仕切る窓箔を有する。窓箔には、ピ
ンホールがなく、しかも加速管内の真空雰囲気を十分維
持できる機械的強度を有する金属、たとえば10〜20
μm厚のチタン箔や25〜30μm厚のアルミニウム箔
が用いられる。通常は、窓箔32として、機械的な取扱
いやすさから、厚さ約13μmのTi箔が最もよく使用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる低エ
ネルギータイプの電子線照射装置では、電子線を真空空
間で加速するための加速電圧の最小設定値は150kV
であると考えられている。これは、加速電圧が150k
Vより小さいと、電子線の透過力が極めて弱く、窓箔に
大部分の電子線が吸収されるため、照射室内に効率よく
電子線を取り出すことができず、しかも窓箔の温度がそ
の耐熱温度以上に上昇するおそれがあるからである。
【0005】また、電子線照射装置を表面処理に利用す
ることができるためには、被処理物の内部に与える影響
が少ないことが要求されるため、被処理物に対する電子
線の浸透深さは小さくなければならない。図4は電子線
の浸透深さと吸収線量との関係を示す図である。ここ
で、図4の縦軸は電子線を照射された被処理物の表面で
受けた線量を100%とした場合の、深さで受ける線量
の割合を表し、また、同図の横軸は被処理物の単位面積
当たりの質量(面密度g/m2 )を表す。この浸透深さ
と吸収線量との関係から、被処理物の比重と所定の深さ
とが与えられれば、その深さにおける電子線の透過率を
知ることができる。図4から、加速電圧が低いほど電子
線の透過率が小さいことがわかる。たとえば、加速電圧
が150kVである場合、電子線は、比重1g/cm3
の物質(たとえば水)には約200μmまで透過するこ
とができる。
【0006】しかしながら、インクの付く面が他の面よ
り高くなっている凸版印刷ではインクの厚さは数十μm
であり、このインクの乾燥処理を行う場合には、電子線
の浸透深さとして数十μm程度あれば十分である。ま
た、表面改質や表面殺菌を行う場合でも、電子線は数μ
m程度透過すれば十分な場合が多い。このため、このよ
うな表面処理を行う場合に、150kVの加速電圧で加
速された電子線を照射すると、電子線はインク等の処理
したい物質を透過して被処理物の内部まで届くことにな
るので、被処理物が電子線で劣化するという問題があ
る。したがって、150kV以下の加速電圧で加速され
た低エネルギー電子線を用いて表面処理を効率よく行う
ことができる電子線照射装置の実現が望まれている。
【0007】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、150kV以下の加速電圧で加速された低エネ
ルギー電子線を用いて表面処理を効率よく行うことがで
きる電子線照射装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、陰極から放出された熱電子を電子線とし
て取り出し、前記電子線を加速する電子線発生部と、被
処理物に前記電子線を照射する照射室と、前記電子線発
生部内の真空雰囲気と前記照射室内の照射雰囲気とを仕
切ると共に前記電子線を取り出す金属箔とを備える電子
線照射装置において、前記金属箔は厚さ13μm〜30
μmのアルミニウム箔であって、前記アルミニウム箔の
前記照射室側の表面を厚さ0.2μm〜1.0μmのチ
タンで被覆したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明は前記の構成によって、金属箔として厚
さ13μm〜30μmのアルミニウム箔を用い、アルミ
ニウム箔の照射室側の表面を厚さ0.2μm〜1.0μ
mのチタンで被覆したことにより、照射室内を空気雰囲
気として電子線を照射した場合でも、照射室内で発生し
たオゾンにより金属箔が酸化されるのをチタンの被覆に
より防ぐことができる。しかも、ビーム電流を電子線有
効照射幅で割った値である電流密度を0.7mA/cm
以上とした場合でも、電子線を効率よく照射室内に取り
出すことができると共に、加速電圧を150kV以下と
した場合でも、金属箔の温度をその耐熱温度以下に抑え
ることができるので、表面処理を効率よく行うことがで
きる。ここで、アルミニウム箔の厚さが13μmより薄
いと機械的強度が弱く電子線発生部内の真空雰囲気を維
持できなくなってしまい、30μmより厚いと電子線を
効率よく照射室内に取り出せなくなってしまう。また、
チタンの厚さが0.2μmより薄いと耐食性が悪くな
り、1.0μmより厚いと箔の取扱いが容易でなくな
る。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は本発明の一実施例である電子線
照射装置の概略構成図である。
【0011】図1に示す電子線照射装置は、低エネルギ
ータイプのもので、電子線発生部10と、照射室20
と、照射窓部30とを備えるものである。ここで、低エ
ネルギータイプの電子線照射装置とは、取り出す電子の
エネルギーが300keV以下のものをいう。
【0012】電子線発生部10は、電子線を発生するタ
ーミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を真
空空間(加速空間)で加速する加速管14とを有するも
のである。また、電子線発生部10の内部は、電子が気
体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、図
示しない拡散ポンプ等により10-6〜10-7Torrの真空
に保たれている。ターミナル12は、熱電子を放出する
線状のフィラメント12aと、フィラメント12aを支
持するガン構造体12bと、フィラメント12aで発生
した熱電子をコントロールするグリッド12cとを有す
る。
【0013】照射室20は、被処理物に電子線を照射す
る照射空間22を含むものである。本実施例では、照射
室20の内部は空気雰囲気としている。また、被処理物
は照射室20内をコンベア等の搬送手段(不図示)によ
り、図1において左側から右側に移動する。尚、電子線
発生部10及び照射室20の周囲は電子線照射時に二次
的に発生するX線が外部へ漏出しないように、鉛遮蔽が
施されている。
【0014】照射窓部30は、金属箔からなる窓箔32
と、窓箔32を冷却すると共に窓箔32を支持する窓枠
構造体34とを有するものである。窓箔32は、電子線
発生部10内の真空雰囲気と照射室20内の照射雰囲気
(空気雰囲気)とを仕切るものであり、また窓箔32を
介して照射室20内に電子線を取り出すものである。電
子線発生部10と照射室20との境界に設ける窓箔32
には、ピンホールがなく、電子線発生部10内の真空雰
囲気を十分維持できる機械的強度があり、しかも、電子
線が透過しやすいように比重が小さく肉厚の薄い金属が
望ましい。
【0015】本実施例では、窓箔32として、厚さ13
μm〜30μmのAl箔であって、Al箔の照射室20
側の表面を厚さ0.2μm〜1.0μmのTiで被覆し
たものを用いている。かかる窓箔32を用いる理由につ
いて、以下に詳細に説明する。
【0016】まず、従来の低エネルギータイプの電子線
照射装置では、なぜ加速電圧の最小設定値が150kV
であるのかを考える。図2は100kVと150kVの
加速電圧に対する電流密度と窓箔の温度との関係を示す
図である。ここで、電流密度とは、ビーム電流を電子線
有効照射幅で割った値をいい、また電子線有効照射幅と
は、窓箔を介して電子線発生部から照射室内に取り出
し、被処理物に照射できる電子線の照射幅をいう。図2
から、窓箔として12.7μm厚のTi箔を用いた電子
線照射装置では、加速電圧が100kVである場合に
は、加速電圧が150kVである場合に比べて、電流密
度に対するTi箔の温度上昇率が大きいことがわかる。
これは、加速電圧により電子線の得るエネルギーが異な
り、エネルギーの低い電子線ほど窓箔を透過できないの
で、加速電圧が低いときに窓箔温度が上昇しやすいため
である。また、ビーム電流が大きいほど電子線の量が多
いためである。
【0017】本発明者等は経験的に、電子線照射装置に
使用されるTi箔の耐熱温度が約500℃であると把握
している。一般に、電子線照射装置を用いて行う処理
に、樹脂の硬化、改質、架橋等があるが、これらの処理
を行う場合には、3Mrad以上の線量を必要とする。
そして、通常、処理スピードを50m/min以上、電
流密度を0.7mA/cm以上に設定している。かかる
場合には、図2から、加速電圧を100kVとするとT
i箔の温度がその耐熱温度以上に上がってしまうので、
加速電圧を100kVに設定できない、言い換えると、
12.7μm厚のTi箔が使用できないということがわ
かる。そこで、本発明者等は、加速電圧を低くしても温
度上昇を抑えることができる、熱伝導率の高いAl箔を
窓箔32として使用することとした。
【0018】ところで、照射室20内を空気雰囲気にし
て、被処理物に電子線を照射すると、酸化力の強いオゾ
ンが発生する。文献「オゾン分解技術(三▲しゅう▼書
房、平成2年)」によれば、次のような一連の反応によ
って、酸素及び窒素の存在する雰囲気からオゾンや窒素
酸化物が生成されることが示されている。 N2 ,O2 → N2 + ,O2 + (一次イオンの生
成) N2 + + O2 → N2 + O2 + (電荷の移動) O2 + + e → 2O (中和による解
離) N2 + + e → 2N (中和による解
離) N + O2 → NO + O N + NO → N2 + O O + 2O2 → O3 + O2 (オゾンの生成) Al箔は、特公昭44−12772、特開昭61−17
8700に示されているように、耐食性の点で問題があ
る。すなわち、Al箔は、照射室20に存在するオゾン
により容易に酸化してしまうという問題がある。そこ
で、本発明者等は、Al箔の照射室20側の表面をTi
で被覆して、耐食性の向上を図ることとした。
【0019】次に、本発明者等は、実際にAl箔とその
照射室2側の表面を被覆するTiの厚さをどのように設
定すれば、窓箔32としての望ましい特性を持たせるこ
とができるかを調べた。
【0020】まず、耐食性についての実験を行った。こ
の実験では、電子線照射装置として、エナジー・サンエ
ンス社製ラボ装置CB175/15/180を使用し、
また、窓箔として、13μm厚と25μm厚の二種類の
Al箔の表面に所定の厚さのTiを真空蒸着したものを
用いた。そして、加速電圧を100kV、ビーム電流を
5mA、照射室20内を空気雰囲気とし、約50時間の
ライフテストを行った後、金属顕微鏡やX線マイクロア
ナライザーで腐食の観察を行った。
【0021】ここで、窓箔の製作段階において、1μm
より厚いTiをAl箔の表面に真空蒸着したものは、箔
がカールしてしまい、取扱いが難しくなる。このため、
このような金属箔は、窓箔32として使用することがで
きないと考えられる。そして、事前のライフテスト結果
から0.5μm厚のTiをAl箔の表面に真空蒸着した
ものでも耐食性が良好であることを確認した後、Al箔
の表面に0.1μm、0.2μm、0.3μm厚のTi
を真空蒸着した窓箔のサンプルを作製した。このとき、
13μm厚のAl箔を用いたサンプルは非常に薄いため
に、これらのサンプルを電子線照射装置に取り付ける際
には、特に取扱いに注意が必要であった。
【0022】実験の結果、13μm厚のAl箔の表面に
0.1μm厚のTiを蒸着したサンプルには、表面に腐
食が観測され、また、25μm厚のAl箔の表面に0.
1μm厚のTiを蒸着したサンプルには、表面に若干の
腐食が観察された。そして、その他のサンプルについて
は、腐食は観察されなかった。したがって、Al箔の表
面に0.2μm以上の厚さのTiを蒸着したものは耐食
性が優れていることがわかった。
【0023】次に、上記のような耐食性が優れた窓箔を
用いた場合に、電子線を効率よく照射室20内に取り出
すことができるか否かを実験した。この実験では、窓箔
として、13μm厚のAl箔の表面を0.2μm厚のT
iで被覆したものと、25μm厚のAl箔の表面を0.
2μm厚のTiで被覆したものとを用いて、電子線の発
生効率Kの測定を行った。
【0024】ここで、電子線の発生効率Kは、装置個々
の効率を表す定数であって、装置の性能の指標となるも
のである。そして、この電子線の発生効率Kは、被処理
物が吸収する線量D、ビーム電流I、処理スピードvに
対して、 K=D(Mrad)×v(m/min)/I(mA) ・・・・(1) で与えられる。たとえば、窓箔として12.7μm厚の
Ti箔を用いた従来の電子線照射装置では、K=18以
上とする必要がある。
【0025】この実験では、ビーム電流を6mA、処理
スピードを30m/minに設定し、加速電圧を変えて
吸収線量を測定し、(1)式から電子線の発生効率Kを
求めた。この測定結果を図3に示す。図3から、13μ
m厚のAl箔の表面を0.2μm厚のTiで被覆したサ
ンプルを用いた場合は、加速電圧が70kVでも、電子
線の発生効率Kが18よりも大きく、従来の電子線照射
装置に比べて、電子線をかなり効率よく照射室20内に
取り出すことができることがわかる。また、25μm厚
のAl箔の表面を0.2μm厚のTiで被覆したサンプ
ルを用いた場合も、加速電圧が約100kV以上であれ
ば、従来の電子線照射装置と同じくらい、電子線を効率
よく照射室20内に取り出すことができる。
【0026】最後に、窓箔として25μm厚のAl箔の
表面を0.2μm厚のTiで被覆したものを用いた場合
に、加速電圧を100kVに設定して、電流密度に対す
る窓箔の温度上昇率を測定した。測定の結果、図2に示
すように、12.7μm厚のTi箔を用い、加速電圧を
150kVとして測定した場合とほぼ同等の温度上昇率
を示した。したがって、25μm厚のAl箔の表面を
0.2μm厚のTiで被覆した窓箔を用いた場合には、
たとえ電流密度を0.7mA/cm以上に設定しても、
窓箔の温度がその耐熱温度以上に上がるのを抑えること
ができる。
【0027】尚、窓箔32としては、ピンホールがな
く、電子線発生部10内の真空雰囲気を維持できる機械
的強度を有する必要があることを考慮すると、Al箔の
厚さの下限は13μmである。また、電子線を効率よく
照射室20内に取り出せるためには、Al箔の厚さの上
限は30μmであると思われる。
【0028】上記のように構成された電子線照射装置で
は、フィラメント12aに電流を通じて加熱するとフィ
ラメント12aは熱電子を放出し、この熱電子は、フィ
ラメント12aとグリッド12cとの間に印加された制
御電圧により四方八方に引き寄せられる。このうち、グ
リッド12cを通過したものだけが電子線として有効に
取り出される。そして、このグリッド12cから取り出
された電子線は、グリッド12cと窓箔32との間に印
加された加速電圧により加速管14内の真空空間で加速
された後、窓箔32を突き抜け、照射室20内に効率よ
く取り出される。そして、この電子線は、照射窓部30
の下方の照射室20内を搬送される被処理物に照射され
る。
【0029】本実施例の電子線照射装置では、窓箔とし
て厚さ13μm〜30μmのAl箔を用い、Al箔の照
射室側の表面を厚さ0.2μm〜1.0μmのTiで被
覆したことにより、照射室内を空気雰囲気として電子線
を照射した場合でも、照射室内で発生したオゾンにより
窓箔が酸化されるのをチタンの被覆により防ぐことがで
き、窓箔を耐食性が優れたものとすることができる。し
かも、電流密度を0.7mA/cm以上とした場合で
も、電子線を効率よく照射室内に取り出すことができる
と共に、加速電圧を150kV以下とした場合でも、窓
箔の温度をその耐熱温度以下に抑えることができるの
で、表面処理を効率良く行うことができる。
【0030】また、本実施例の電子線照射装置では、1
50kV以下の加速電圧で表面処理を行うことができる
ので、制動X線の発生が少なく、自己遮蔽を簡素化する
ことができる。このため、装置を小型化することができ
ると共に、製造コストを低くすることができる。
【0031】尚、本発明は、上記の実施例に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、金
属箔として厚さ13μm〜30μmのアルミニウム箔を
用い、アルミニウム箔の照射室側の表面を厚さ0.2μ
m〜1.0μmのチタンで被覆したことにより、金属箔
を耐食性が優れたものとすることができ、しかも、電流
密度を0.7mA/cm以上とした場合でも、電子線を
効率よく照射室内に取り出すことができると共に、加速
電圧を150kV以下とした場合でも、金属箔の温度を
その耐熱温度以下に抑えることができるので、表面処理
を効率良く行うことができる電子線照射装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電子線照射装置の概略
構成図である。
【図2】100kVと150kVの加速電圧に対する電
流密度と窓箔の温度との関係を示す図である。
【図3】加速電圧と電子線の発生効率との関係を示す図
である。
【図4】電子線の浸透深さと吸収線量との関係を示す図
である。
【符号の説明】
10 電子線発生部 12 ターミナル 12a フィラメント 12b ガン構造体 12c グリッド 14 加速管 20 照射室 22 照射空間 30 照射窓部 32 窓箔 34 窓枠構造体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極から放出された熱電子を電子線とし
    て取り出し、前記電子線を加速する電子線発生部と、被
    処理物に前記電子線を照射する照射室と、前記電子線発
    生部内の真空雰囲気と前記照射室内の照射雰囲気とを仕
    切ると共に前記電子線を取り出す金属箔とを備える電子
    線照射装置において、 前記金属箔は厚さ13μm〜30μmのアルミニウム箔
    であって、前記アルミニウム箔の前記照射室側の表面を
    厚さ0.2μm〜1.0μmのチタンで被覆したことを
    特徴とする電子線照射装置。
JP18719393A 1993-06-30 1993-06-30 電子線照射装置 Pending JPH0720294A (ja)

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