JPH0720278U - 万能手動工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １つの工具でプライヤーとペンチとして利用
できる上、ドライバーやボックスレンチなど交換工具を
取付けられると共に、ハンマーやカッターなども設けら
れ、軽量でかさ張らず、携帯や保管が便利で作業性に優
れたものである。 【構成】 先端側のアゴ３の片側に波形の凹凸部４を形
成し、基端側を把持部６とした２本のアーム２Ａ、２Ｂ
を、前記凹凸部４を内側に対向させて交差し、この交差
した部分をジョイント７で開閉自在に連結して工具本体
１を形成し、前記ジョイント７を取外し自在に形成する
と共に、一方のアーム２Ａの基端に、ドライバー23やボ
ックスレンチ22などの交換工具を着脱自在に取付けるソ
ケット11を設けたことを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は１つの工具で多数の作用を行なえる万能手動工具に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

一般にペンチやハンマー、ドライバー、レンチ、カッターなどの工具は夫々の 用途に応じて別個に形成されている。またドライバーやレンチなどは、夫々ネジ やボルトの径が異なるものに対応できるように、種々の大きさのものがセットに なったものもあるが、機械の組立てや修理、建築作業などにおいて、用途の異な る工具を多数備えて作業しなければならなかった。特に高所での作業や工具を携 帯して行く場合など、重い工具箱を運んで行かなければならず、また使用後はそ の都度整理しておかないと乱雑となって作業がやりにくく、しかも工具を紛失し たりする恐れがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記欠点を除去し、１つの工具でプライヤーとペンチに利用できる上 、ドライバーやボックスレンチ、ハンマー、カッターなど多数の作用も兼ね、し かも軽量でかさ張らず、携帯や保管が便利で作業性に優れた万能手動工具を提供 するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１記載の万能手動工具は、先端側のアゴの片側に波形の凹凸部 とこの下にサイドカッターを形成し、基端側を把持部とした２本のアームを、前 記凹凸部を内側に対向させて交差し、この交差した部分をジョイントで開閉自在 に連結して工具本体を形成し、前記ジョイントを取外し自在に形成すると共に、 一方のアームの基端に、ドライバーやボックスレンチなどの交換工具を着脱自在 に取付けるソケットを設けたことを特徴とするものである。

【０００５】 また請求項２記載の万能手動工具は、一方のアームの先端側の凹凸部を形成し た反対の側面に、ハンマーヘッドを着脱自在に取付けたことを特徴とするもので ある。

【０００６】 更に請求項３記載の万能手動工具は、一方のアームの凹凸部を形成した側の基 端側に、カッター部を設けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案の請求項１記載の万能手動工具は、プライヤーやペンチとして使用する 場合には把持部を手に持って、工具本体のアゴに形成した波形の凹凸部の間に挟 んで物をつかみ、またサイドカッターで針金などを切断する。また一方のアーム の基端部に設けたソケットに、ボックスレンチやドライバーなどの交換工具を差 し込んで嵌合させることにより、ボルトを締付けるレンチやねじを締付けるドラ イバーとして使用することができる。この場合、他方のアームを横に広げた状態 で、この把持部を持って回転させることにより大きなトルクで締付けることがで きる。

【０００８】 また請求項２記載の万能手動工具は、アームを閉じた状態で把持部がハンマー の柄となり、ここを手でつかんで先端側のハンマーヘッドで釘を打ち付けてハン マーとして使用することができる。また請求項３記載の万能手動工具は、梱包し たダンボールを縛った紐を切断する場合には、アゴ側を手に持ってアームの基端 側に取付けたカッター部に紐を引っ掛けて手前に引くとナイフで簡単に切断する ことができる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図１ないし図７を参照して詳細に説明する。図におい て１は工具本体で、２本のアーム２Ａ、２Ｂを開閉自在に組合せて形成されてい る。アーム２Ａ、２Ｂは夫々、その先端側のアゴ３の片側に波形の凹凸部４とサ イドカッター５を形成し、基端側を把持部６としたものである。このアーム２Ａ 、２Ｂの凹凸部４、４を内側に対向してサイドカッター５、５の下部を重ねて交 差させ、この交差した部分をジョイント７で開閉自在に連結してプライヤー状の 工具本体１を形成したものである。

【００１０】 前記ジョイント７は図３に示すように、アーム２Ａにボルト８を突設し、アー ム２Ｂに図２に示すようにダルマ孔状のボルト挿通孔９を形成し、アーム２Ａの 上にアーム２Ｂを重ねて、前記ボルト８をボルト挿通孔９に貫通させて、突出し た上部を蝶ナット10で取外し自在に連結したものである。またアーム２Ａの基端 には図２に示すように、交換工具を着脱自在に取付けるソケット11が一体に形成 されている。このソケット11は図４に示すように内側が正六角形の筒状に形成さ れている。

【００１１】 更に図２に示すように、他方のアーム２Ｂの先端側の凹凸部４を形成した反対 の側面に、円柱状のハンマーヘッド12が取付けられ、このハンマーヘッド12に突 設したボルト13を、アーム２Ｂに開孔したネジ孔14に着脱自在に螺合したもので ある。更にアーム２Ｂの凹凸部４を形成した側と反対側の基端部には、カッター 部15が設けられている。

【００１２】 このカッター部15はアーム２Ｂの基端部の内側に、先端側に向かって斜めにナ イフホルダー16が固定され、ここにネジ18でナイフ17が取付けられている。ナイ フ17の先端は、図５に示すようにアーム２Ｂに形成した受刃19に隣接して取付け られている。

【００１３】 次に上記構成をなす万能手動工具の使用方法について説明する。通常のプライ ヤーとして使用する場合には、把持部６、６を手に持って、アーム２Ａ、２Ｂの アゴ３に形成した波形の凹凸部４、４の間に挟んで物をつかむ。また幅の広い物 をつかむ場合には、蝶ナット10を緩めて、ダルマ孔状のボルト挿通孔９に貫通し たボルト８をずらせてジョイント７の位置を変えることにより図１に示すように 凹凸部４、４の間隔を広げることができる。

【００１４】 またサイドカッター５、５で針金などを切断するペンチとして使用することが できる。またアーム２Ａ、２Ｂを閉じた状態で、ここがハンマーの柄となり、こ これを右手でつかんで、ハンマーヘッド12で釘を打ち付けてハンマーとして使用 することができる。またプライヤーやペンチとして使用する時にハンマーヘッド 12が邪魔になる場合には、図２に示すようにハンマーヘッド12を回転させてボル ト13をネジ孔14から抜いて取外すことができる。

【００１５】 またアーム２Ａの基端部に形成したソケット11には図６に示すように、六角柱 状の取付部21を形成したボックスレンチ22の取付部21を差し込んで嵌合させるこ とによりボルトを締付けるレンチとして使用することができる。なおこの場合、 アーム２Ｂを横に広げた状態で、アーム２Ｂの把持部６を持って回転させること により大きなトルクでボルトを締付けることができる。またボルトの径が異なる 場合には、セットになった大きさの異なるボックスレンチ22に交換して使用する 。

【００１６】 また蝶ナット10をボルト８から取外してから、ダルマ孔状のボルト挿通孔９を 形成したアーム２Ｂを取外して図７のようにアーム２Ａだけを使用して、このソ ケット11に六角柱状の取付部21を形成したドライバー23の取付部21を差し込んで 嵌合させることにより狭い所にねじを取付けるドライバーとして使用することが できる。なおこの場合、アーム２Ｂを取外さないで連結したままアーム２Ｂを横 に広げた状態でこの把持部６を持って回転させることにより大きなトルクでねじ を締付けることもできる。またねじの径やプラスマイナスが異なる場合には、セ ットになった別のドライバー23に交換して使用する。またドライバー23の外にガ ラス切り工具や孔明け工具など取付部21を設けた他の工具も取付けることができ る。なおソケット11や取付部21は六角形に限らず四角形のものでも良い。

【００１７】 また荷物を梱包したダンボールを縛った紐を切断する場合には図１に示すよう にアゴ３側を手に持って、アーム２Ｂの基端側に取付けたカッター部15に紐20を 引っ掛けて万能手動工具を手前に引くと紐20は、図５に示すようにナイフ17と受 刃19との間で簡単に切断することができる。この場合、段部を設けて受刃19を形 成してあるので切断した紐20が狭い隙間に食い込まず連続して容易に切断するこ とができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案に係る万能手動工具によれば、１つの工具でプライヤ ーとペンチとして利用できる上、アームの基端部にソケットが設けられているの で、取付部が設けられたドライバーやボックスレンチなど任意の交換工具をソケ ットに取付けることができる。また工具本体の先端にハンマーヘッドを取付けた ものはアームがハンマーの柄となり、またアームの基端側にカッター部を取付け たものは紐を切る場合に容易であるなど、１つの工具で多数の作用をなすことが でき、しかも軽量でかさ張らず、携帯や保管が便利で作業性に優れているもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による万能手動工具を示す正
面図である。

【図２】図１の要部を破断して示す万能手動工具の正面
図である。

【図３】図１のジョイント部分を拡大して示す断面図で
ある。

【図４】図１のソケットを示す底面図である。

【図５】図１のカッター部を示す断面図である。

【図６】アームのソケットにボックスレンチーを取付け
た状態を示す正面図である。

【図７】アームのソケットにドライバーを取付けた状態
を示す正面図である。

【符合の説明】

１ 工具本体 ２Ａ アーム ２Ｂ アーム ３ アゴ ４ 凹凸部 ５ サイドカッター ６ 把持部 ７ ジョイント ８ ボルト ９ ボルト挿通孔 10 蝶ナット 11 ソケット 12 ハンマーヘッド 15 カッター部 16 ナイフホルダー 17 ナイフ 19 受刃 20 紐 21 取付部 22 ボックスレンチ 23 ドライバー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端側のアゴの片側に波形の凹凸部とこ
   の下にサイドカッターを形成し、基端側を把持部とした
   ２本のアームを、前記凹凸部を内側に対向させて交差
   し、この交差した部分をジョイントで開閉自在に連結し
   て工具本体を形成し、前記ジョイントを取外し自在に形
   成すると共に、一方のアームの基端に、ドライバーやボ
   ックスレンチなどの交換工具を着脱自在に取付けるソケ
   ットを設けたことを特徴とする万能手動工具。
2. 【請求項２】 一方のアームの先端側の凹凸部を形成し
   た反対の側面に、ハンマーヘッドを着脱自在に取付けた
   ことを特徴とする請求項１記載の万能手動工具。
3. 【請求項３】 一方のアームの凹凸部を形成した側の基
   端側に、カッター部を設けたことを特徴とする請求項１
   または２記載の万能手動工具。