JPH07202698A - A/d変換器 - Google Patents

A/d変換器

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JPH07202698A
JPH07202698A JP33412893A JP33412893A JPH07202698A JP H07202698 A JPH07202698 A JP H07202698A JP 33412893 A JP33412893 A JP 33412893A JP 33412893 A JP33412893 A JP 33412893A JP H07202698 A JPH07202698 A JP H07202698A
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寛 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力を抑え、低電源電圧化、高精度化に
適する電流モードA/D変換器を提供する。 【構成】 カレントミラー回路を用いた階層的なツリー
構造によって入力電流を分散させ各信号経路の途中で比
較電流を減算する。比較電流の種類と比較電流に要する
消費電流が少ない。したがって、低電源電圧化や高精度
化に伴う比較電流の補正に要する回路規模と消費電流が
少ない。また、入力信号がツリーの末端まで到達するま
での間に低消費電力化や高精度化のための回路を導入し
やすいという回路構成上の柔軟性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カレントミラーを用い
てA/D変換回路を階層的ツリー構造にすることによ
り、低消費電流・低消費電力、低電源電圧、高精度化に
適した電流モードA/D変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル回路の低電源電圧化、低
消費電力化にともない、アナ/デジ混載化のためにA/
D変換器にも低電源電圧化、低消費電力化が求められて
いる。このような要求に対して、デジタル雑音に強い電
流モードのA/D変換器を使用することが考えられる。
【0003】従来の電流モードA/D変換器の例を以下
に示す。
【0004】従来例1として、図11にカレントミラー
を用いて単純に並列化しただけの電流モードA/D変換
器を示す。NビットA/D変換器の場合、入力電流をカ
レントミラーで比較電流の個数2N −1だけ生成し、そ
れと比較電流を比較しデジタル出力を得る。
【0005】従来例2として、図12に電流分割(CU
RRENT−SPLITTING)を用いた電流モード
A/D変換器(1992 IEEE INTERNAT
IONAL SYMPOSIUM ON CIRCUI
TS AND SYSTEMS vol.2,pp58
5−588)を示す。NビットのA/D変換器の場合、
入力電流を比較器の個数2N −1だけ分割・分配し、そ
の分割された各々の電流と比較電流を比較しデジタル出
力を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、低消費
電力化、低電源電圧化、高精度化の点で以下のような問
題点がある。
【0007】従来例1では、NビットA/D変換器の場
合、比較電流の種類が2N −1と多いので全体の消費電
流に占める比較電流の消費電流が大きく、さらに、全体
の消費電流も大きい。従来例2では、入力電流を分割す
る以外は従来例1と同じ比較電流を用いるのでやはり消
費電流は大きい。また、従来例2では、NビットA/D
変換器の場合、入力電流フルスケールが最大で2N ×
(2N −1)ΔI(ただし、ΔIは1LSB相当の電
流)と大きくなるので、回路中での電圧降下が大きくな
り、低電源電圧化の場合に問題となる。
【0008】これらの従来例の消費電流は相当大きく、
低消費電流化は困難である。
【0009】また、一般に低電源電圧化すると、カレン
トミラーのミラー比の精度劣化や、しきい値電圧のばら
つきが問題となるが、上記の従来例1,2とも、それら
を補償する方法や補正による高精度化の方法については
何等考慮されていない。
【0010】以上述べたように、従来例の電流モードA
/D変換器は低消費電力化や低電源電圧化、高精度化を
考慮しておらず、低消費電力、低消費電流、低電源電圧
を必要とするA/D変換器や高精度化を意図したA/D
変換器等に使用するには適していないという問題があ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、入力
信号電流をツリー状(木構造状)に分散させ、それぞれ
の電流経路で比較電流を減算/加算していくことを階層
的に行ない、それらの結果得られる電流を最終的に比較
電流と比較判定し、デジタル出力を得る。
【0012】すなわち、本電流モードA/D変換器は、
アナログ信号電流を入力とする入力端子N(1)とN1
個の出力端子N(1,1)〜N(1,N1)を有するカ
レントミラー回路CM(1)と、前記の端子N(1)に
接続し電流を加/減算する電流源S(1)と、前記の端
子N(1,1)〜N(1,N1)それぞれに接続し、電
流を加/減算する電流源S(1,1)〜S(1,N1)
と、前記の端子N(1,1)〜N(1,N1)から供給
される電流をそれぞれの入力とし、それぞれがN2個の
出力端子N(2,k1,1)〜N(2,k1,N2)を
有するカレントミラー回路CM(2,k1)(ただし、
k1=1〜N1)と、前記の端子N(2,1,1)〜N
(2,N1,N2)それぞれに接続し、電流を加/減算
する電流源S(2,1,1)〜S(1,N1,N2)
と、前記の端子N(2,1,1)〜N(2,N1,N
2)から供給される電流をそれぞれの入力とし、それぞ
れN3個の出力端子N(3,k1,k2,1)〜N
(3,k1,k2,N3)を有するカレントミラー回路
CM(3,k1,k2)(ただし、k1=1〜N1,k
2=1〜N2)と、前記の端子N(3,1,1,1)〜
N(3,N1,N2,N3)それぞれに接続し、電流を
加/減算する電流源S(3,1,1,1)〜S(3,N
1,N2,N3)と、(途中同様)前記の端子N(i,
1,…,1)〜N(i,N1,…,Ni)から供給され
る電流をそれぞれの入力とし、それぞれN(i+1)個
の出力端子N(i,k1,k2,…,k1,1)〜N
(i,k1,k2,…,ki,N(i+1))を有する
カレントミラー回路CM(i,k1,k2,…,ki)
(ただし、k1=1〜N1,k2=1〜N2,k3=1
〜N3,…,ki=1〜Ni)と、前記の端子N(i,
1,…,1,1)〜N(i,N1,…,Ni,N(i+
1))それぞれに接続し、電流を比較減算する電流源S
(i,1,…,1,1)〜S(i,N1,…,Ni,N
(i+1))と、前記の端子N(i,1,…,1,1)
〜N(i,N1,…,Ni,N(i+1))それぞれに
接続し、前記のカレントミラー回路CM(i,1,…,
1)〜CM(i,N1,…,Ni)の出力電流と前記の
電流源S(i,1,…,1,1)〜S(i,N1,…,
Ni,N(i+1))の比較電流との大小を比較する比
較器H(i,1,…,1,1)〜H(i,N1,…,N
i,N(i+1))と、前記の比較器H(i,1,…,
1,1)〜H(i,N1,…,Ni,N(i+1))の
デジタル出力を所望のデジタルコードに変換するエンコ
ード回路と、を有するA/D変換器である。
【0013】また、前記のA/D変換器において、前記
のカレントミラー回路の一部において、第nの出力端子
を余分に設けたカレントミラー回路CM(n)と、その
第nの出力端子に接続した電流源S(n)と、その第n
の出力端子に接続した比較器H(n)と、前記比較器H
(n)の出力により一部の信号電流を遮断する手段と、
遮断した部分に対応するデジタル出力の一部を固定する
手段と、を有するA/D変換器。
【0014】また、前記のA/D変換器において、前記
A/D変換器の一部の端子N(n)の電圧とある基準電
圧とを比較する電圧比較器HV(n)と、前記比較器H
V(n)の出力により一部の信号電流を遮断する手段
と、遮断した部分に対応するデジタル出力の一部を固定
する手段と、を有するA/D変換器。
【0015】また、前記のA/D変換器において、電流
源Sとして出力可変可能な電流源SV、を有する。
【0016】また、前記A/D変換器において、入力電
圧を入力電流に変換する手段、を有する。
【0017】また、前記A/D変換器において、カレン
トミラー回路を構成する組になるトランジスタサイズが
ツリー構造の末端にいくほど小さいカレントミラー回
路、を有する。
【0018】
【作用】まず、ここでいう階層的ツリー構造とは、カレ
ントミラー回路で1入力を多出力にするのがツリー構造
(木構造)の1単位となり、その出力それぞれにさらに
同様のカレントミラー回路によるツリー構造が接続さ
れ、繰り返し構造をもつツリー構造のことである。
【0019】入力信号電流をツリー状に分散させ、各経
路の途中で比較電流を減算するので、ツリーの末端へい
くほど必要な比較電流の大きさは小さくて済む。したが
って、全体の消費電流を大幅に減少させることが可能と
なる。また、構造が階層的でツリーの末端へいくほど比
較電流が小さいということは、比較電流を補正できるよ
うにした場合の比較電流の電流源の種類は少なく、か
つ、比較電流自体の消費電流は小さくて済むので、低電
源電圧化、高精度化のときの電流補正に要する回路規模
と消費電流を小さくすることができる。また、全体のツ
リー構造の部分的なツリーの構成の自由度が高い。ま
た、低消費電力化や高精度化のための回路を導入しやす
い柔軟性を有している。
【0020】したがって、低消費電流、低電源電圧、高
精度化に適したA/D変換器を実現できる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0022】なお、ここでは、カレントミラーとして最
も簡単なものを用いているが、より高精度化を図ったカ
レントミラー(例えば、Wilsonカレントミラー回
路、等)を用いてもよい。また、説明の都合上、トラン
ジスタとしてMOSFETを用いているが、バイポーラ
トランジスタなど他のトランジスタを用いてもよい。ま
た、コンパレータとして電流比較型(例えば、特願平4
−39837、特願平5−282238など)を主に用
いているが、電圧比較型も使用できる。
【0023】ここでは特に低消費電力化、低電源電圧
化、高精度化を主な目的として説明する。
【0024】図1〜図4に本発明のA/D変換器の回路
構成例を示す。
【0025】以下、種々の階層ツリー構造に対してnビ
ットm段構成と呼ぶことにする。すなわち、nビットm
段構成なら、ひとつめのカレントミラー回路の出力は2
n 本で、その出力それぞれに同様のカレントミラー回路
が接続することをm回繰り返した場合の階層的ツリー構
造を示す。また、nビットm段構成で冗長性を含まなけ
ればn×mビットA/D変換器となる。例えば、n=
1、m=4のときには、構造はバイナリ・ツリー(二進
木)構造で4ビットA/D変換器になる。
【0026】図1は1ビット4段構成の4ビットA/D
変換器の実施例である。この場合、カレントミラーによ
って入力端(根)からツリーの末端に向かって次々2分
されていく。入力端に近いほうから1段、2段、…と呼
ぶことにする。例えば、1段目はCM1とS1−1〜S
1−2を含み、2段目はCM2−1〜CM2−2とS2
−1〜S2−4を含む。また、経路の途中で減算する比
較電流S1−1〜S3−8とコンパレータH1〜H16
の最終的な比較電流S4−1〜S4−16は本質的に同
じ役割をするので、以下、これらをまとめて減算比較電
流と呼ぶことにする。このときコンパレータは直前のカ
レントミラーの出力電流から比較電流を引いた結果と電
流0レベルを比較するとみなせる。また、図1には入力
信号が電圧の場合に信号を電流に変換する電圧−電流変
換器(V−Iコンバータ)を付けている。
【0027】図2に、図1の1ビット4段構成の4ビッ
トA/D変換器の概念図を示す。
【0028】以下、図2を用いて4ビットA/D変換器
の場合の変換原理を説明する。入力電流フルスケールを
16とし、1LSB相当の電流を1とする。カレントミ
ラーの電流比は1対1とする。図2において、n段目の
下からm番目の節点(ノード)部分を(n,m)と指定
する。コンパレータはオーバーフロー検出も含めて16
個使用するとし、下から順にH1、H2、…、H16と
し、コンパレータは入力がマイナスのとき“L”、入力
がプラスのとき“H”を出力し、全体の出力が温度計コ
ードになるとする。入力電流自体のオフセット電流は簡
単のため0とする。n段目の減算比較電流は図2のよう
に−0、−16/2n の2種類とする。通常の変換特性
を得るために1段目に入る前に入力電流にオフセット電
流として−0.5のオフセットを加えることにするが、
別に他の段の減算比較電流でオフセットを加えてもよ
い。
【0029】具体例を示すと、例えば、入力電流が6で
あるとすると、(1,2)を根とするツリーでははじめ
の減算比較電流が−8であるから、(1,2)の減算後
の電流はすべてマイナスなのでH8〜H16はすべて出
力“L”である。同様に、(3,4)を根とする電流も
(3,4)の時点で電流はすでに6−0.5−4−2=
−0.5とマイナスになっているので、H7、H6も出
力“L”である。H5の場合は、6−0.5−4−0−
1=+0.5とプラスで出力“H”であり、同様にH4
〜H1の出力は“H”となる。以上により“(MSB
側)LLLLLLLL LLLHHHHH(LSB
側)”と温度計コードが得られることになる。以上の例
から、入力からツリーの末端までの経路の数は24 通り
であり、ひとつの経路における減算比較電流(の総和)
の種類は24 通りであるので、どのような入力電流も必
ず上記と同様に温度計コードに変換される。この温度計
コードをエンコーダ回路によりコード変換すれば所望の
デジタルコードが得られる。
【0030】同じ4ビットA/D変換器でも種々のビッ
ト・段構成をとることができる。図3〜図4に4ビット
A/D変換器のビット・段構成の種々のバリエーション
の例を概念図で示す。図3は2ビット2段構成、図4は
1ビット2段+2ビット1段構成である。このように、
バリエーションは多く、回路特性に合わせて最適な構成
を採ることができる。
【0031】次に、本発明のA/D変換器がいかに低消
費電流、すなわち、低消費電力に適しているか説明す
る。
【0032】本発明のA/D変換器として、図5〜図6
に8ビットA/D変換器で2ビット4段構成の場合の実
施例を示す。図5〜図6には請求項2,3で述べた消費
電流削減のための付加回路(電流削減回路)も付けてい
る。
【0033】以下、図5のA/D変換器の消費電流を従
来例1、従来例2と比較する。ただし、A/D変換器は
8ビットA/D変換器とし、1LSB相当の電流をΔ
I、入力電流フルスケールFSを256ΔIとする。な
お、ここでは、入力電流に加えるオフセット電流、バイ
アス電流、及び、比較減算電流を発生するための補助的
な電流による電流消費は考えないとする。また、コンパ
レータ、エンコード回路等の消費電流も考えないとす
る。
【0034】例えば、従来例1の場合、消費電流は以下
のようになる。入力信号電流の大きさがnΔI(ただ
し、nは0〜255の整数)のときの消費電流ITは、
【0035】
【数1】
【0036】となる。
【0037】従来例2の場合も同様に、
【0038】
【数2】
【0039】となる。
【0040】また、従来例1,2のA/D変換器の比較
電流の種類はどちらも電流値nΔI(n=1〜255)
の255種類、個数は255個である。
【0041】本発明の図5のA/D変換器の消費電流は
以下のようになる。ただし、信号経路のカレントミラー
の倍率(ミラー比)はすべて等倍(1倍)とする。n段
目(n=1〜4)の減算比較電流はそれぞれ、0、FS
/4n 、FS×2/4n 、FS×3/4n とする。した
がって、本発明のA/D変換器の比較減算電流の種類は
16種類、個数は340個である。
【0042】ツリー構造の各節点で消費する電流は、そ
の節点Nの減算比較電流IMと、その節点のひとつ前
(根に近い側)の節点の電流IA(N−1)とで決ま
る。減算比較電流はカレントミラー回路により生成され
るとすると、節点のカレントミラー回路の構造上、節点
で消費する電流ISは、 IA(N-1)≧IMのとき、IS=IA(N-1):IA(N) =IA(N-1)-IM (3) IA(N-1)<IMのとき、IS=IA(N-1):IA(N) ≒0 (4) となる。ただし、IA(N)のその節点Nの電流であ
る。
【0043】したがって、上式(3),(4)を使って
全体の消費電流ITを計算できる。つぎに、電流削減回
路をつけた場合を考える。これは、ツリーの根元のほう
で予めある電流レベルの比較電流と信号電流を前置比較
器(プリ・コンパレータ)で比較し、その結果を用いて
変換に不必要なツリーの信号電流を遮断する。図5に、
プリ・コンパレータとして電流コンパレータを用いた場
合を示す。また、信号電流の大きさによってツリー構造
の各節点の電圧も変化するので、プリ・コンパレータと
してある電圧レベルの比較電圧と節点電圧を比較する電
圧コンパレータも使用できる。図6に、プリ・コンパレ
ータとして電圧コンパレータを用いた場合を示す。
【0044】図5〜図6の場合には、1段目の4つの節
点のうち、減算比較電流の小さい節点3つ(1,1)〜
(1,3)について遮断を行なうようにしている。
【0045】図5の場合には、信号電流の遮断を、節点
の減算比較電流と並列にトランジスタを接続し、信号電
流がある電流レベル以上になるとそのトランジスタをオ
ンさせて、減算比較電流を等価的に大きくすることによ
り行なっている。このとき、式(4)と同じ状況にな
り、その節点を流れる信号電流は0になり、その節点を
根とするツリー消費電流はほとんど0となる。このと
き、エンコード回路によっては、そのツリーの末端のコ
ンパレータの出力は不定となってしまう場合があるの
で、プレ・コンパレータの出力で強制的に出力を“H”
にし、誤動作を防止する。
【0046】図6の場合には、信号電流の遮断を、単純
にスイッチで信号経路を遮断することによって行なって
いる。ただし、信号経路にスイッチが入ることで電圧降
下が生じ精度が悪化したり速度が遅くなったりするの
で、低電源電圧化には不利である。
【0047】ここでは、入力電流Iinに応じて、Iin>
192ΔIのとき、1段目の下から3番目の節点まで遮
断、Iin>128ΔIのとき、1段目の下から2番目の
節点まで遮断、Iin> 64ΔIのとき、1段目の下か
ら1番目の節点を遮断、とする。
【0048】以上の設定のもとで、従来例1と従来例2
の場合、本発明で電流削減回路なしの場合、本発明で電
流削減回路ありの場合、の3つの場合それぞれの消費電
流の計算結果を図7に示す。
【0049】図7より以下のことが分かる。
【0050】本発明の電流削減回路なしの場合は、入力
電流が大きいところで従来例に対して消費電流が大きく
なってしまっている。この原因は、減算比較電流の小さ
い節点では大きな入力電流がほとんどそのまま流れてし
まう上、そのような節点がツリー構造のため多数存在す
るからである。ただし、入力電流が小さい場合、従来例
1、従来例2より消費電流は小さい。
【0051】また、本発明の電流削減回路ありの場合
は、入力電流レンジ全体で従来例に比べて消費電流が大
幅に小さくなっている。ここでは、図5のプリ・コンパ
レータなどの付加回路の消費電流や、信号を遮断する節
点での消費電流を含めていないが、それらの消費電流は
大きめに見積もっても数百ΔI〜1000ΔI程度であ
り、従来例との比較の上では無視できる。
【0052】以上の結果から、本発明のA/D変換器を
用いれば電流削減回路を容易に接続でき、従来に比べて
大幅に消費電流、すなわち消費電力が小さくなる。
【0053】次に、本発明のA/D変換器がいかに低消
費電力のままで、低電源電圧化、高精度化に適している
か説明する。
【0054】まず、減算比較電流の補正について説明す
る。一般に、低電源電圧化するとトランジスタ回路特性
が劣化し、素子ばらつきは増大する。また、一般に、A
/D変換器要求されるビット数が大きくなり高精度が要
求される場合には補正が必要である。したがって、低電
源電圧化や高精度化するためにはA/D変換器の比較電
圧や比較電流を補正する必要がある。例えば、電圧モー
ドのA/D変換器で抵抗ラダーの抵抗値をトリミングし
比較電圧を補正するなどである。電流モードA/D変換
器の場合には、結局、比較電流、すなわち電流源電流を
補正することになる。これは本発明のA/D変換器の場
合、減算比較電流電源を補正することに相当する。
【0055】電流源を補正、すなわち可変できるように
した場合、その出力端子を直接に補正すべき端子(ノー
ド)に接続するより、カレントミラーを介して供給した
ほうが良い場合がある。ふつう、可変電流源は固定電流
源に比べて、回路規模が大きく、出力端子自体の寄生容
量が大きいので、直接接続すると信号経路の負荷になる
からである。つまり、可変電流源の出力端子自体に大き
な寄生容量が存在する場合や、可変電流源の回路面積が
大きいため補正すべき端子への配線抵抗、配線容量が大
きい場合である。また、可変電流源自体に大きな電圧降
下があれば、補正すべき端子に接続できず、低電源電圧
化の障害になる。したがって、可変電流源を使用し、か
つ、低電源電圧化や信号経路の負荷を増加させないため
には、カレントミラーを介して電流を供給するほうが有
利である。ただし、カレントミラーを介して電流を供給
する場合には電流源自体に流れる電流とカレントミラー
の出力端子に流れる電流が消費されるため、消費電流は
大きくなる。
【0056】さて、上述の8ビットA/D変換器の従来
例1,2に上記のカレントミラーを介した可変電流源に
よる補正を行なった場合の消費電流の増加分ΔITは、
そのミラー比が1のときには比較電流の総和となり、
【0057】
【数3】
【0058】したがって、全体の最大消費電流は2倍以
上になる。
【0059】一方、本発明のA/D変換器の場合、消費
電流の増加分ΔITは比較減算電流IMの総和となり、 ΔIT = ΣIM ≒ 1600ΔI (6) であるから、全体の最大消費電流は大体25%程度しか
増加しない。これは、本発明のA/D変換器は、比較電
流の種類が少なく、かつ、比較電流の総和が小さいこと
による。つまり、本発明のA/D変換器は、補正電流源
を用いても、全体の減算比較電流(の総和)自体が従来
例に比べて小さいために、消費電流増加は小さいという
特徴をもつ。
【0060】したがって、本発明のA/D変換器を用い
れば消費電流の増加を加えて、補正電流回路を導入で
き、低電源電圧化、高精度化できる。
【0061】補正電流源の実施例を図8〜図9に示す。
【0062】図8はメモリに記憶したデジタル信号でス
イッチをオン・オフし電流源を調整するデジタル方式の
補正電流源の実施例である。この回路の出力電流をカレ
ントミラーを介して減算比較電流として減算節点に供給
する。この結果、カレントミラーのトランジスタサイズ
を小さくでき、スイッチの電圧降下は信号経路と分離さ
れ、また、カレントミラーを電流減算点の近くに配置す
れば信号電流に対する配線容量・配線抵抗の影響も小さ
くなり、速度的、レイアウト的に有利である。
【0063】図9はフローティング・ゲートを有するM
OSFETのフローティング・ゲートの電荷量を制御す
ることによりドレイン電流を調整・可変できるアナログ
方式の補正電流源の実施例である。この場合にはアナロ
グ的に電流値を制御でき、スイッチも使用しないので、
デジタル方式に比べて補正電流源の占有面積を小さくで
きる。
【0064】図10は減算比較電流に補正(可変)電流
源を適用した実施例である。電流源の出力をカレントミ
ラーを介して減算節点に供給して信号経路の寄生容量を
減らしている。補正電流源を使用することにより、低電
源電圧化したときのカレントミラー等の特性劣化や素子
ばらつきを補償できる。特にトランジスタにMOSFE
Tを用いた場合に素子ばらつきが問題となるが、上記の
補正をすればMOSトランジスタは最小サイズを使うこ
とができ高速化できる。
【0065】その他、本発明のA/D変換器の実施例と
して以下の事項がある。
【0066】カレントミラー回路のトランジスタサイズ
をツリー構造の末端にいくほど小さくすることができ
る。通常、本発明のA/D変換器はツリーの末端へいく
ほど比較に必要な電流レンジは小さくてよいので、カレ
ントミラー回路のトランジスタサイズを後段ほどトラン
ジスタサイズを小さくすることができ、信号がツリーを
伝搬する伝搬遅延時間の減少による高速化が可能であ
る。
【0067】また、ツリー構造による変換の一部におい
て、比較電流を減算するのではなく、比較電流を加算し
てオフセットを与えてもよい。これにより、ツリー構造
の後段の比較電流を調整することや、信号電流のバイア
ス電流成分として速度の低下やカレントミラーの精度劣
化を防止することができる。
【0068】また、ツリー構造による変換の一部におい
て、カレントミラーの比率をかえて、途中の信号電流を
乗算(増幅/減衰)してもよい。これにより、比較器の
要求分解能を緩和し高精度化を図ることや、不必要な信
号電流による電力消費を防止することができる。
【0069】また、直並列型A/D変換器の内部に使用
する並列型A/D変換器として本発明のA/D変換器を
用いることにより、低電源電圧でかつ並列型よりチップ
面積、消費電流の小さいA/D変換器を実現できる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のA/D変
換器は階層的ツリー構造をもつため、比較電流の種類が
少なく、全体の消費電流に占める比較電流の消費電流の
割合が小さく、また、消費電流削減回路や、低電源電圧
化、高精度化に必要な比較電流の補正回路を導入しやす
い柔軟な構成が可能である。したがって、従来のA/D
変換器に比べて低消費電力化と低電源電圧化、高精度化
に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】1ビット4段構成の4ビットA/D変換器の回
路図である。
【図2】1ビット4段構成の4ビットA/D変換器の概
念図である。
【図3】4ビットA/D変換器の変形例を示した図であ
る。
【図4】4ビットA/D変換器の変形例を示した図であ
る。
【図5】消費電流削減回路付き2ビット4段構成の8ビ
ットA/D変換器の実施例を示した図である。
【図6】消費電流削減回路付き2ビット4段構成の8ビ
ットA/D変換器の実施例を示した図である。
【図7】本発明と従来例との消費電流を比較した図であ
る。
【図8】補正電流の例を示す図である。
【図9】補正電流の例を示す図である。
【図10】補正電流源を適用した1ビット4段構成の4
ビットA/D変換器の図である。
【図11】電流モードA/D変換器の従来例の図であ
る。
【図12】電流モードA/D変換器の従来例の図であ
る。
【符号の説明】
S 電流源 CM カレントミラー回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ信号電流を入力とする入力端子
    N(1)とN1個の出力端子N(1,1)〜N(1,N
    1)を有するカレントミラー回路CM(1)と、 前記の端子N(1)に接続し電流を加/減算する電流源
    S(1)と、 前記の端子N(1,1)〜N(1,N1)それぞれに接
    続し、電流を加/減算する電流源S(1,1)〜S
    (1,N1)と、 前記の端子N(1,1)〜N(1,N1)から供給され
    る電流をそれぞれの入力とし、それぞれがN2個の出力
    端子N(2,k1,1)〜N(2,k1,N2)を有す
    るカレントミラー回路CM(2,k1)(ただし、k1
    =1〜N1)と、 前記の端子N(2,1,1)〜N(2,N1,N2)そ
    れぞれに接続し、電流を加/減算する電流源S(2,
    1,1)〜S(1,N1,N2)と、 前記の端子N(2,1,1)〜N(2,N1,N2)か
    ら供給される電流をそれぞれの入力とし、それぞれN3
    個の出力端子N(3,k1,k2,1)〜N(3,k
    1,k2,N3)を有するカレントミラー回路CM
    (3,k1,k2)(ただし、k1=1〜N1,k2=
    1〜N2)と、 前記の端子N(3,1,1,1)〜N(3,N1,N
    2,N3)それぞれに接続し、電流を加/減算する電流
    源S(3,1,1,1)〜S(3,N1,N2,N3)
    と、 (途中同様)前記の端子N(i,1,…,1)〜N
    (i,N1,…,Ni)から供給される電流をそれぞれ
    の入力とし、それぞれN(i+1)個の出力端子N
    (i,k1,k2,…,k1,1)〜N(i,k1,k
    2,…,ki,N(i+1))を有するカレントミラー
    回路CM(i,k1,k2,…,ki)(ただし、k1
    =1〜N1,k2=1〜N2,k3=1〜N3,…,k
    i=1〜Ni)と、 前記の端子N(i,1,…,1,1)〜N(i,N1,
    …,Ni,N(i+1))それぞれに接続し、電流を比
    較減算する電流源S(i,1,…,1,1)〜S(i,
    N1,…,Ni,N(i+1))と、 前記の端子N(i,1,…,1,1)〜N(i,N1,
    …,Ni,N(i+1))それぞれに接続し、前記のカ
    レントミラー回路CM(i,1,…,1)〜CM(i,
    N1,…,Ni)の出力電流と前記の電流源S(i,
    1,…,1,1)〜S(i,N1,…,Ni,N(i+
    1))の比較電流との大小を比較する比較器H(i,
    1,…,1,1)〜H(i,N1,…,Ni,N(i+
    1))と、 前記の比較器H(i,1,…,1,1)〜H(i,N
    1,…,Ni,N(i+1))のデジタル出力を所望の
    デジタルコードに変換するエンコード回路と、を有する
    A/D変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1のカレントミラー回路の一部に
    おいて、第nの出力端子を余分に設けたカレントミラー
    回路CM(n)と、 その第nの出力端子に接続した電流源S(n)と、 その第nの出力端子に接続した比較器H(n)と、 前記比較器H(n)の出力により一部の信号電流を遮断
    する手段と、 遮断した部分に対応するデジタル出力の一部を固定する
    手段と、を有するA/D変換器。
  3. 【請求項3】 請求項1の一部の端子N(n)の電圧と
    ある基準電圧とを比較する電圧比較器HV(n)と、 前記比較器HV(n)の出力により一部の信号電流を遮
    断する手段と、 遮断した部分に対応するデジタル出力の一部を固定する
    手段と、を有するA/D変換器。
  4. 【請求項4】 電流源Sとして出力可変可能な電流源S
    V、を有する請求項1または2に記載のA/D変換器。
  5. 【請求項5】 入力電圧を入力電流に変換する手段、を
    有する請求項4に記載のA/D変換器。
  6. 【請求項6】 カレントミラー回路を構成する組になる
    トランジスタサイズがツリー構造の末端にいくほど小さ
    いカレントミラー回路、を有する請求項1に記載のA/
    D変換器。
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