JPH07201451A - 薄膜抵抗体加熱ローラ - Google Patents

薄膜抵抗体加熱ローラ

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Publication number
JPH07201451A
JPH07201451A JP33795093A JP33795093A JPH07201451A JP H07201451 A JPH07201451 A JP H07201451A JP 33795093 A JP33795093 A JP 33795093A JP 33795093 A JP33795093 A JP 33795093A JP H07201451 A JPH07201451 A JP H07201451A
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JP
Japan
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thin film
film resistor
heating roller
resistance value
trimming
Prior art date
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Pending
Application number
JP33795093A
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English (en)
Inventor
Kazunori Hosomi
和徳 細見
Yoshiharu Ogawa
善晴 小川
Tatsuo Kono
辰男 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い歩留まりが得られる薄膜抵抗体加熱ロー
ラを提供する。 【構成】 抵抗値を高めるために薄膜抵抗体34を局部
的に除去するトリミング線56が薄膜抵抗体34の回転
軸心方向における一部の領域に設けられることにより、
その一部の領域の抵抗値が所望値だけ高められる。した
がって、薄膜抵抗体34の膜厚が数μm以下と極めて薄
く、膜厚のばらつきによる抵抗値の影響が大きい加熱ロ
ーラ10において、焼成などの薄膜抵抗体34の固着工
程の後においても、回転軸心方向に分割された複数の領
域毎に測定される抵抗値も所定の公差内に容易に入れる
ことが可能となるので、加熱ローラ10の歩留まりが大
幅に高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜抵抗体加熱ローラ
に関し、特にその薄膜抵抗体加熱ローラの回転軸心方向
における抵抗値分布を精度よく得る技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】加熱対象物に外周面を押圧することにより
その加熱対象物に加熱を施す形式の加熱ローラが知られ
ている。たとえば、特開平4−213480号公報およ
び特願昭59−102267号公報に記載されたような
電子複写機のトナー定着用ローラがそれである。前者の
加熱ローラは、円筒状外周面の一端から他端へ向かう線
状抵抗発熱体を多数本備え、その線状抵抗発熱体の配置
密度を端部程高くすることにより均一な温度分布を得る
ように構成されている。また、後者の加熱ローラは、円
筒状外周面にTiO2 抵抗膜を設けるとともに、その膜
厚を43μmの端部に比較して中央部を55μmとして
厚くすることにより均一な温度分布を得るように構成さ
れている。しかしながら、上記従来の加熱ローラによれ
ば、抵抗体の膜厚が大きいため、立ち上がりの熱応答性
が低く、たとえば複写機のスイッチが操作されてから複
写可能となるまでの待機時間が長くなるという欠点があ
った。
【0003】これに対し、本発明者等は、先に、有機金
属化合物すなわち金属レジネートを利用することにより
円筒状外周面に数μm程度の膜厚の薄膜抵抗体を形成
し、熱応答性を高めた加熱ローラを出願した(特願平5
−236751号)。これによれば、加熱ローラの外周
面に形成された薄膜抵抗体の膜厚が桁違いに薄いので、
熱応答性が顕著に改善される。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記のような加熱
ローラは、その外周面に固着された抵抗体の抵抗値を所
定の公差にいれる必要があるだけでなく、その外周面の
温度むらに起因するトナーの定着むらを解消するなどの
ために、円筒状外周面の抵抗体の回転軸心方向に分割さ
れた複数の領域毎に測定される抵抗値も所定の公差内に
あることが必要とされる。しかしながら、従来の加熱ロ
ーラは、焼成工程などによる抵抗体の固着後には抵抗値
に修正が不可能であるので、歩留まりが充分に得られな
かった。特に、円筒状外周面に薄膜抵抗体を用いる場合
には、その膜厚が数μm以下と極めて薄く、膜厚のばら
つきによる影響が大きいので、かかる不都合が顕著とな
る。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、高い歩留まりが
得られる薄膜抵抗体加熱ローラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、円筒状外周面
に固着された薄膜抵抗体に通電することにより、その外
周面に接触する対象物を加熱処理する薄膜抵抗体加熱ロ
ーラであって、前記薄膜抵抗体の回転軸心方向における
一部の領域に、その一部の領域の抵抗値を高めるために
薄膜を局部的に除去するトリミングパターンが設けられ
ていることにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、抵抗値を高めるために薄膜
抵抗体を局部的に除去するトリミングパターンが薄膜抵
抗体の回転軸心方向における一部の領域に設けられるこ
とにより、その一部の領域の抵抗値が所望値だけ高めら
れる。
【0008】
【第1発明の効果】したがって、薄膜抵抗体の膜厚が数
μm以下と極めて薄く、膜厚のばらつきによる抵抗値の
影響が大きい薄膜抵抗体加熱ローラにおいて、焼成など
の薄膜抵抗体の固着工程の後においても、回転軸心方向
に分割された複数の領域毎に測定される抵抗値も所定の
公差内に容易に入れることが可能となるので、歩留まり
が大幅に高くなる。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための他の発明の要旨とするところは、円筒状
外周面に固着された薄膜抵抗体に通電することにより、
その外周面に接触する対象物を加熱処理する薄膜抵抗体
加熱ローラであって、前記薄膜抵抗体の回転軸心方向に
おける一部の領域の抵抗値を低くするために、一定密度
に配置された多数個の細かな積層パターンからなる薄膜
抵抗体層がその一部の領域に更に積層されていることに
ある。
【0010】
【作用】このようにすれば、一定密度に配置された多数
個の細かな積層パターンからなる薄膜抵抗体層が、抵抗
値を調整しようとする一部の領域において更に積層され
ているので、その一部の領域の抵抗値が所望値だけ低く
される。
【0011】
【第2発明の効果】したがって、抵抗体の膜厚が数μm
程度と極めて薄く、膜厚のばらつきによる抵抗値の影響
が大きい薄膜抵抗体加熱ローラにおいて、焼成などの抵
抗体固着工程の後においても、回転軸心方向に分割され
た複数の領域毎に測定される抵抗値も所定の公差内に容
易に入れることが可能となるので、歩留まりが大幅に高
くなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例のトナー定着用
薄膜抵抗体加熱ローラ(以下、加熱ローラという)10
が適用された複写機のトナー定着部の要部断面を模式的
に示す図である。図において、上下に所定の間隔をもっ
て固定されたハウジング12,14内に、上記加熱ロー
ラ10とアルミニウム製円柱16の外周面にシリコンゴ
ム18が固着されて成る加圧ローラ20とが図示しない
軸受けにより回転可能に取り付けられており、加熱ロー
ラ10および加圧ローラ20は所定の力で互いに押圧さ
れている。また、ハウジング12の内周面と加熱ローラ
10の外周面との間隔は約1mm程度と小さくされてお
り、ハウジング12の外部から内周面に貫通して設けら
れた貫通穴に熱電対26が取り付けられて、内部の温度
を検出し、図示しない制御回路によりトナー定着用加熱
ローラ10に印加される電圧が制御され、その表面温度
が適正な温度に保たれるようにされている。そして、図
示しない転写装置によりトナーが転写された記録紙22
等が搬入口24から送り込まれると、加熱ローラ10お
よび上記加圧ローラ20間で加熱されつつ加圧される過
程でトナーに含まれる樹脂が溶融して、その記録紙22
等にトナーが定着させられるようになっている。
【0014】上記加熱ローラ10は、図2に示すよう
に、硬質ガラス円筒30と、その円筒状外周面の両端部
において環状に設けられた一対の電極32と、それら一
対の電極32の間に設けられて電極32の間に流された
電流により発熱する薄膜抵抗体34と、その薄膜抵抗体
34を保護すると共にトナーの付着を防止するために薄
膜抵抗体34を覆う保護膜36とを備えている。
【0015】上記硬質ガラス円筒30は、円筒状外周面
を有して加熱ローラ10の基体として機能しており、引
き抜き加工により製造された硬質ガラス(例えばNa2
O4.4wt%,B23 11.9wt%,SiO2
80.6wt%および少量のAl23 ,アルカリ土類
酸化物を含む組成から成り、その特性が熱伝導率0.0
026 cal/sec・cm・℃,比熱0.23 cal/g・℃,軟
化点820℃程度のガラス等)製円筒である。
【0016】また、上記薄膜抵抗体34は、レジネート
と称される金属有機化合物を含む液状またはペースト状
物が、直接印刷による塗布後の焼成、或いは転写法によ
る転写後の焼成により形成された極めて薄い抵抗体であ
る。このレジネートは、たとえば表1の金系レジネート
が用いられ、4乃至5μmの塗布厚みが焼成後には表1
に示されるように1μmまたはそれ以下の値となる。こ
の金系レジネートペーストは、主成分としてAuを、お
よび、添加物成分としてPd(パラジウム)、Pt(白
金)、Bi(ビスマス)、Rh(ロジウム)、Cr(ク
ロム)、V(バナジウム)、Sn(錫)、Cu(銅)、
Pb(鉛)等をそれぞれ溶解して有機結合物と反応させ
ることにより生成されるレジネート(金属有機化合物:
Metal-Organic-Compound:MOC)を、ホウケイ酸系ガ
ラス或いはホウケイ酸鉛系ガラスパウダーおよび、テレ
ピン油或いはターピネオール等の溶剤と共に混合・混練
することにより得られるものである。また、上記添加物
成分としての金属の内、Bi、Rh、Cr、V、Sn等
は、レジネートの他に酸化物パウダの形態で混合される
こともある。また、上記MOCとしては、(C7
15S)n −M,(C12 25S)n −M(Mは金属、nは
任意の自然数を表す。Auにおいてはn=1)等の金属
メルカプチドや、或いは、アビエチン酸(C2030
2 )の何れかの基に−SMが結合した金属樹脂硫化バル
サム等が用いられる。
【0017】
【表1】
【0018】上記レジネートは、液状またはペースト状
であって金属が有機物と化学的に結合できる程度に極め
て微細になっているため、焼成後には良好な表面粗さと
薄い緻密な金属組織が得られる。また、レジネート膜か
ら得られた薄膜抵抗体34は、金属が原子レベルで結合
しているため、使用時の熱応力による断線が生じ難く、
上記のように薄い膜厚で使用することが可能であるが、
従来のように厚膜ペーストを用いて形成した場合は抵抗
発熱体層の金属はガラス成分によって結合されることに
より粒子レベルで互いに接触しているだけであるため、
熱応力に対する抵抗力が低く、前記のような膜厚以下に
することが困難であったのである。
【0019】前記一対の電極32は、Ag(銀)または
Ag−Pd,Ag−Pt厚膜ペーストが、薄膜抵抗体3
4が固着された後に、スクリーン印刷の直接印刷或いは
転写法による間接印刷により10〜20μmの厚さで薄
膜抵抗体34に接触するように印刷された後に焼成され
て7〜14μm程度の厚みとされたものである。また、
前記保護膜36は、薄膜抵抗体34が固着された部分に
対してよく知られた方法で厚さ20〜25μm程度に形
成されたフッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレ
ン)皮膜である。
【0020】以上のように構成された加熱ローラ10
は、その外周面の表面温度のばらつきに起因するトナー
の定着むらを防止するために、その回転軸心方向に区分
された各領域において予め定められた抵抗値公差内の抵
抗値を備えることが要求される。このため、加熱ローラ
10は、回転軸心方向に8分割された領域G1 乃至G8
毎に設定された抵抗値の公差を満足するように、抵抗値
を上昇させることが必要な領域たとえば領域G7 にたと
えば図3に示すようなパターンでトリミングが施されて
いる。このトリミングは、たとえば図3に示すようなパ
ターンで薄膜抵抗体が局部的に除去されるものであっ
て、たとえば図4に示すレーザトリミング装置40によ
り行われる。なお、図3は、保護膜36が塗着される前
のトリミング工程における加熱ローラ10を示してい
る。
【0021】図4において、レーザトリミング装置40
では、保護膜36が塗着されていない加熱ローラ10が
回転可能に支持されるとともに、パルスモータなどの回
転位置決め装置42によってその回転角が制御されるよ
うになっている。レーザトリミング装置40の演算制御
装置44は、レーザヘッド46を加熱ローラ10の回転
軸心方向に平行な方向に移動可能に支持するとともにそ
の方向の位置を制御するための駆動装置を備えている。
抵抗値測定装置48は、加熱ローラ10の薄膜抵抗体3
4の各領域毎の両端部に接触させられる1対の電極50
および52を備え、それら電極50および52の接触部
位により挟まれた領域の抵抗値を測定し、その抵抗値を
示す信号SRを上記演算制御装置44へ出力する。
【0022】演算制御装置44は、CPU、ROM、R
AMなどを含む所謂マイクロコンピュータであり、予め
記憶されたプログラムに従って 回転位置決め装置42
を駆動することにより加熱ローラ10の回転位置を制御
するとともに、レーザヘッド46の位置およびレーザ光
Lの出力をオンオフを制御することにより、図3に示す
トリミングパターンを形成し、上記領域の抵抗値がその
領域の公差内に予め設定した値に到達すると、レーザ光
Lの出力および加熱ローラ10の回転を停止させるとと
もに、レーザヘッド46を原位置に復帰させてトリミン
グを終了させる。
【0023】上記トリミングパターンは、周方向に平行
な多数本の短いトリミング線56が等密度で配置される
ことにより構成されており、図5に示すように、トリミ
ング線56の幅をWa 、長さをla 、周方向の配置間隔
をPa1、回転軸心方向の配置間隔をPa2としたとき、そ
の値を変更することにより表2に示すような抵抗値上昇
率が得られる。また、上記の長さla のトリミング線5
6を等密度で配置したとき、単位面積当たりのトリミン
グ線56の総延長LTa は、Wa を0.09mmとし且つ
a1およびPa2を1.0乃至7.0mmの間で振り分ける
と、図6に示すように、抵抗値上昇率および表面温度上
昇率に比例する関係がある。このため、上記演算制御装
置44は、トリミングすべき領域たとえばG7 の抵抗値
とその領域G7 の公差内に設定した目標値との差に基づ
いて上昇率を算出するとともに、その上昇率に対応した
トリミング線56の総延長LTaを上記図6の関係から予
め設定したトリミング線56の1本の長さla に基づい
て算出し、その総延長LTaを領域内に均等に割りつけて
周方向の配置間隔Pa1および回転軸心方向の配置間隔P
a2を決定し、そのパターンにて領域G7 のトリミングを
実行させる。
【0024】
【表2】
【0025】ここで、上記トリミング線56の1本の長
さla が長い程、レーザトリミング装置40によるトリ
ミング工程の能率が高くなるが、加熱ローラ10の表面
の温度むらが大きくなる傾向がある。そして、この温度
むらの値は、トナーの定着むらに影響しないように10
℃以下が望まれる。
【0026】表3は、トリミング線56の1本の長さl
a と温度むらとの関係に関する本発明者等の実験結果を
示している。すなわち、前記加熱ローラ10と同じ条件
および材質にて平板状の試料を作成し、その試料上の薄
膜抵抗体の長手方向の一部に、図3および図5に示すト
リミングパターンを用いて、抵抗値上昇率が5%となる
ように、トリミング線56の1本の長さla を変化させ
て図6と同様の条件でトリミングを施し、その表面温度
分布を放射型温度測定器にて測定したときに得られるト
リミング領域における表面温度の最大振幅を温度むらと
して測定したものである。平板状の試料を用いたのは、
放射角により温度測定値が変化することから、放射面の
傾斜の影響を除去するためである。
【0027】
【表3】
【0028】上記表3から明らかなように、トリミング
線56の1本の長さla が1.0mmでは温度むらが7℃
であったが、la が1.5mmでは、温度むらが15℃と
なってトナーの定着むらに影響するので、トリミング線
56の1本の長さla は1.0mm以下に設定されること
が望ましい。
【0029】また、トナーの定着むらに対する影響の点
で、上記トリミング線56の幅Waは0.6以下が望ま
しく、および深さ(段差)は5μm以下が望ましい。硬
質ガラス円筒30はレーザトリミングに際して光の吸収
率が低いことから、その上に固着された薄膜抵抗体34
だけが好適に除去され易いので、トリミング線56の深
さはその薄膜抵抗体34の厚みと略同じとなる。その薄
膜抵抗体34の厚みは、1μm以下、或いは最大でも2
乃至3μmの厚みであるから、トリミング線56の深さ
は最大でも2乃至3μm以下である。
【0030】上述のように、本実施例によれば、抵抗値
を高めるために薄膜抵抗体34を局部的に除去するトリ
ミング線56が薄膜抵抗体34の回転軸心方向における
一部の領域に設けられることにより、その一部の領域の
抵抗値が所望値だけ高められる。したがって、薄膜抵抗
体34の膜厚が数μm以下と極めて薄く、膜厚のばらつ
きによる抵抗値の影響が大きい加熱ローラ10におい
て、焼成などの薄膜抵抗体34の固着工程の後において
も、回転軸心方向に分割された複数の領域毎に測定され
る抵抗値も所定の公差内に容易に入れることが可能とな
るので、加熱ローラ10の歩留まりが大幅に高くなる。
【0031】また、本実施例によれば、薄膜抵抗体34
の厚みがきわめて薄いため、その薄膜抵抗体34に温度
分布を比較的均一にするためにトリミング線56が形成
されても、そのトリミング線56の凹みが小さいので、
定着ムラの発生に影響しない利点がある。
【0032】図7は、前記レーザトリミング装置40に
よる他のトリミング例を示している。本実施例のトリミ
ングパターンは、周方向において傾斜した多数のトリミ
ング線58から構成されており、図8に示すように、ト
リミング線58の幅をWb 、長さをlb 、周方向の配置
間隔をPb2、回転軸心方向の配置間隔をPb1としたと
き、その値を変更することにより表4に示すような抵抗
値上昇率および温度上昇率が得られる。また、上記トリ
ミング線58でも、前述の実施例と同様に、トリミング
線58の単位面積当たりの総延長LTbは抵抗値上昇率お
よび表面温度上昇率に比例する関係がある。本実施例に
おいても、演算制御装置44は、トリミングすべき領域
たとえばG7 の抵抗値とその領域G7 の公差内に設定し
た目標値との差に基づいて上昇率を算出するとともに、
その上昇率に対応したトリミング線58の総延長LTb
上記図6のように予め求められた関係から予め設定した
トリミング線58の1本の長さla に基づいて算出し、
その総延長LTbを領域内に均等に割りつけて周方向の配
置間隔Pb1および回転軸心方向の配置間隔Pb2を決定
し、そのパターンにて領域G7 のトリミングを実行させ
る。
【0033】
【表4】
【0034】図9は、前記レーザトリミング装置40に
よる他のトリミング例を示している。本実施例のトリミ
ングパターンは、周方向において傾斜した多数のトリミ
ング点60から構成されており、図10に示すように、
トリミング点60の径をRc、周方向の配置間隔を
c1、回転軸心方向の配置間隔をPc2としたとき、その
値を変更することにより表5に示すような抵抗値上昇率
および温度上昇率が得られる。また、上記トリミング点
60でも、前述の実施例と同様に、トリミング点60の
単位面積当たりの総個数LTcは抵抗値上昇率および表面
温度上昇率に比例する関係がある。本実施例において
も、演算制御装置44は、トリミングすべき領域たとえ
ばG7 の抵抗値とその領域G7 の公差内に設定した目標
値との差に基づいて上昇率を算出するとともに、その上
昇率に対応したトリミング点60の総個数LTcを上記図
6のように予め求められた関係から予め設定したトリミ
ング点60の径Rc に基づいて算出し、その総個数LTc
を領域内に均等に割りつけて周方向の配置間隔Pc1およ
び回転軸心方向の配置間隔Pc2を決定し、そのパターン
にて領域G7 のトリミングを実行させる。
【0035】
【表5】
【0036】上記レーザトリミング装置40により抵抗
値の調整は、抵抗値を高める方向であったが、抵抗値を
低める方向に調整する実施例、すなわち積層パターンを
薄膜抵抗体34に積層する抵抗値調整方法を以下に説明
する。
【0037】図11に示す加熱ローラ10の所定の領域
たとえばG7 では、薄膜抵抗体34と同様の材料が回転
軸心に平行な多数の積層線62から成る積層パターンに
より薄膜抵抗体34の上に積層されている。すなわち、
前記表1に示すレジネートペーストを上記積層パターン
が刻印された凹版上に塗布し、塗布されたレジネートペ
ーストを転写ローラを用いて薄膜抵抗体34の上に転写
する。或いは、上記レジネートペーストを用いて転写用
紙上に上記積層パターンにて印刷しかつその上のトップ
コートを塗布して作成された転写紙を用い、加熱ローラ
10の所定の領域G7 の上に上記積層パターンのレジネ
ートペーストをトップコートと共に張りつけた後、焼成
することにより積層するのである。
【0038】本実施例では、図12に示すように、積層
線62の幅をWd 、長さをld 、周方向の配置間隔をP
d2、回転軸心方向の配置間隔をPd1としたとき、その値
を変更することにより表6に示すような抵抗値変化率お
よび温度変化率が得られる。本実施例の積層線62で
は、前述の実施例と反対に、積層線62の単位面積当た
りの総延長LTdは抵抗値下降率および表面温度下降率に
比例する関係がある。本実施例では、前述の抵抗値測定
装置48により測定されたトリミングすべき領域たとえ
ばG7 の抵抗値とその領域G7 の公差内に設定した目標
値との差に基づいて抵抗値下降率を算出するとともに、
その抵抗値下降率に対応して予め用意された版を用いて
積層線62が形成される。その版の積層パターンは、積
層線62の総延長LTdを予め求めた関係から予め設定し
た積層線62の1本の長さld に基づいて算出し、その
総延長LTdを領域内に均等に割りつけて回転軸心方向の
配置間隔Pd1および周方向の配置間隔Pd2を決定して得
られたものである。
【0039】
【表6】
【0040】本実施例においても、一定密度に配置され
た多数個の細かな積層線62から成る積層パターンの薄
膜抵抗体層が、薄膜抵抗体34のうちの抵抗値を調整し
ようとする一部の領域において更に積層されるので、そ
の一部の領域の抵抗値が所望値だけ低くされる。したが
って、膜厚が数μm程度と極めて薄く、膜厚のばらつき
による抵抗値の影響が大きい薄膜抵抗体34を備えた加
熱ローラ10において、焼成などの抵抗体固着工程の後
においても、回転軸心方向に分割された複数の領域毎に
測定される抵抗値も所定の公差内に容易に入れることが
可能となるので、歩留まりが大幅に高くなる。
【0041】また、上記のようにして薄膜抵抗体34上
に固着された積層線62は、最大でも1乃至2μm程度
しか薄膜抵抗体34の面よりも高くならないため、何等
定着むらに影響しない。
【0042】また、本実施例によれば、薄膜抵抗体34
が再焼成によって殆ど抵抗値変化のないレジネート焼成
の金属薄膜から構成されているので、積層パターンを固
着するための再焼成時において抵抗値の調整がきわめて
容易となる利点がある。
【0043】図13は、径の異なる2種類の積層点6
4、66が交互に配置されて成る他の積層パターンを示
している。図に示すように、積層点64の径をRe1、積
層点66の径をRe2、周方向の配置間隔をPe2、回転軸
心方向の配置間隔をPe1としたとき、その値を変更する
ことにより表7に示すような抵抗値変化率および温度変
化率が得られる。本実施例の積層点64、66では、上
記実施例と同様に、積層点64、66の単位面積当たり
の総個数LTeは抵抗値下降率および表面温度下降率に比
例する関係がある。本実施例では、前述の抵抗値測定装
置48により測定されたトリミングすべき領域たとえば
7 の抵抗値とその領域G7 の公差内に設定した目標値
との差に基づいて抵抗値下降率を算出するとともに、そ
の抵抗値下降率に対応して予め用意された版を用いて積
層点64、66が形成される。その版の積層パターン
は、積層点64、66の総個数LTeを予め求めた関係か
ら予め設定した積層点64、66の径に基づいて算出
し、その総個数LTeを領域内に均等に割りつけて周方向
の配置間隔Pe2および回転軸心方向の配置間隔Pe1を決
定して得られたものである。本実施例においても、上記
実施例と同様の効果が得られる。
【0044】
【表7】
【0045】以上、本発明の一実施例を詳細に説明した
が、本発明は更に別の態様でも実施される。
【0046】例えば、前述の薄膜抵抗体34を形成する
レジネートペーストは、Au系レジネートペーストであ
ったが、Ru系レジネートペーストや、Pt,Pd,A
g等の他の導電成分を主成分とするものでもよく、ま
た、添加物成分としてはCd(カドミウム)等が用いら
れてもよい。各成分は、トナー定着用薄膜抵抗体加熱ロ
ーラ10としての特性を損なわない範囲で、レジネート
の形態の他に、金属酸化物パウダ或いは単に金属パウダ
の形態で混合され得る。
【0047】上記Ru系レジネートペーストは、主成分
としてRuおよび、添加物成分としてPb(鉛)、B
(ホウ素)、Si(ケイ素)、Bi等を用いた他は前記
実施例と同様にして得られるものである。このRu系レ
ジネートペーストの場合は、金系の場合と同様なMOC
が用いられるが、RuのMOCとしては金属樹脂硫化バ
ルサムに代えてRuオクタネート〔(C815COO)
3 Ru〕が用いられ、金属メルカプチドとしては、前記
の化学式においてn=3のものが用いられる。
【0048】また、前述の薄膜抵抗体34は、レジネー
ト材料の焼成によるものだけでなく、蒸着やスパッタ、
液相メッキなどの手法によって5μm以下の膜厚に形成
されたものであればよく、また、その材質は、NiCr
などのNi合金、TaSiO 2 などの合金或いは金属酸
化物でもよい。
【0049】また、加熱ローラ10の基体としては、硬
質ガラスの他にアルミナ、ムライト、ジルコニア等のセ
ラミックスや、絶縁皮膜を有するアルミニウム、ステン
レス等の金属も用いられ得る。
【0050】また、前述の実施例のトリミングパターン
では、多数本の短いトリミング線56、58や多数個の
トリミング点60が用いられていたが、薄膜抵抗体34
の所定の領域において螺旋状に巻回された1本の連続し
たトリミング線が用いられてもよい。
【0051】また、前述の積層パターンでは、多数本の
短い積層線62や多数個の積層点64,66が用いられ
ていたが、薄膜抵抗体34の所定の領域を全面的或いは
局部的に覆うパターンが用いられてもよい。
【0052】また、前述の加熱ローラ10では、1対の
電極32の間の円筒状の外周面において薄膜抵抗体34
が全面的に固着されていたが、僅かな隙間を隔てて螺旋
状に巻回されたパターンに従って固着されていてもよ
い。このように構成された加熱ローラにおいても、薄膜
抵抗体の回転軸心方向の所定の領域において前記トリミ
ングパターン或いは積層パターンにより抵抗値調整が行
われ得る。
【0053】また、前述の実施例の加熱ロータにおいて
は、薄膜抵抗体の回転軸心方向の所定の領域において複
数種類のトリミングパターン或いは積層パターンが組み
合わされることにより、各領域の抵抗値が調整されてい
てもよい。
【0054】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のトナー定着用薄膜抵抗体加
熱ローラが適用された静電複写機のトナー定着部の要部
断面を模式的に示す図である。
【図2】図1のトナー定着用薄膜抵抗体加熱ローラの保
護膜の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図3】図1の加熱ローラにおいて一部の領域にトリミ
ングが施された状態を説明する図である。
【図4】図3の加熱ローラのトリミングを行うレーザト
リミング装置の構成を説明する図である。
【図5】図3のトリミングパターンを詳しく示す図であ
る。
【図6】図5のトリミングパターンにおいて、それを構
成するトリミング線の長さをパラメータとする、単位面
積当たりのトリミング線の総延長とそれにより得られる
抵抗値上昇率との関係を説明する図である。
【図7】本発明の他の実施例における図3に相当する図
である。
【図8】図7のトリミングパターンを詳しく示す図であ
る。
【図9】本発明の他の実施例における図3に相当する図
である。
【図10】図9のトリミングパターンを詳しく示す図で
ある。
【図11】本発明の他の実施例における図3に相当する
図である。
【図12】図11の積層パターンを詳しく示す図であ
る。
【図13】本発明の他の実施例における図12に相当す
る図である。
【符号の説明】
10:薄膜抵抗体加熱ローラ 30:硬質ガラス円筒 32:電極 34:薄膜抵抗体 56,58:トリミング線、60:トリミング点(トリ
ミングパターン) 62:積層線、64:積層点、(トリミングパターン)
フロントページの続き (72)発明者 河野 辰男 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状外周面に固着された薄膜抵抗体に
    通電することにより、該外周面に接触する対象物を加熱
    処理する薄膜抵抗体加熱ローラであって、 前記薄膜抵抗体の回転軸心方向における一部の領域に、
    該一部の領域の抵抗値を高めるために薄膜を局部的に除
    去するトリミングパターンが設けられていることを特徴
    とする薄膜抵抗体加熱ローラ。
  2. 【請求項2】 円筒状外周面に固着された薄膜抵抗体に
    通電することにより、該外周面に接触する対象物を加熱
    処理する薄膜抵抗体加熱ローラであって、 前記薄膜抵抗体の回転軸心方向における一部の領域の抵
    抗値を低くするために、一定密度に配置された多数個の
    細かな積層パターンからなる薄膜抵抗体層が該一部の領
    域に更に積層されていることを特徴とする薄膜抵抗体加
    熱ローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0881550A2 (en) * 1997-05-30 1998-12-02 Kyocera Corporation Heating roller for fixing

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0881550A2 (en) * 1997-05-30 1998-12-02 Kyocera Corporation Heating roller for fixing
EP0881550A3 (en) * 1997-05-30 1999-10-06 Kyocera Corporation Heating roller for fixing

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