JPH0720025B2 - 可聴周波電圧信号の補正方法とその装置 - Google Patents

可聴周波電圧信号の補正方法とその装置

Info

Publication number
JPH0720025B2
JPH0720025B2 JP60207692A JP20769285A JPH0720025B2 JP H0720025 B2 JPH0720025 B2 JP H0720025B2 JP 60207692 A JP60207692 A JP 60207692A JP 20769285 A JP20769285 A JP 20769285A JP H0720025 B2 JPH0720025 B2 JP H0720025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
load
correction
channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60207692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61129912A (ja
Inventor
ロバート・シー・クルツクス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BBE Sound Inc
Original Assignee
BBE Sound Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BBE Sound Inc filed Critical BBE Sound Inc
Publication of JPS61129912A publication Critical patent/JPS61129912A/ja
Publication of JPH0720025B2 publication Critical patent/JPH0720025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/189High frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers
    • H03F3/19High frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers with semiconductor devices only
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G5/00Tone control or bandwidth control in amplifiers
    • H03G5/16Automatic control
    • H03G5/165Equalizers; Volume or gain control in limited frequency bands
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/04Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for correcting frequency response

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は増幅器の技術分野に属し、特に、スピーカ等の
負荷をドライブする増幅器に関し、これらスピーカはリ
アクタンス成分が多く、また慣性および共振を含む機械
的歪みの影響を受け易くなる性質がある。
(従来技術の説明) 40年以上の前および未だ最新の状況においても、オーデ
ィオ増幅器(以下単に“アンプ”とも称す)は、周波数
応答を向上させると共に歪を減少させる努力をするため
に、“電圧フィードバック”と称する技術を採用して来
た。このような電圧フィードバックシステムは従来技術
分野において“定電圧”システムとも呼ばれることがあ
った。この理由は、固定の増幅器入力電圧に対して、出
力電圧が広範囲に亘ってほぼ一定な値となるからであ
る。従って、現在のオーディオアンプはスピーカをドラ
イブするための電圧出力を供給することができる。この
スピーカは増幅器に入力する可聴周波電圧(以下、入力
プログラム電圧という。)を波形即ち形状、および位相
の両方に対して極めて正確に追従することができる。
しかし乍ら、このようなアンプの負荷として使用されて
いる通常のマグネチックコイル駆動型スピーカは電流駆
動型デバイスであり、電気的および機械的特性の両方を
有しており、これらはコイルを通って流れる電流を“定
電圧”増幅器ドライブに拘らずかなり厳しく変更させる
ものである。
この結果、スピーカ電流がアンプの電圧出力をもう少し
で追従するようになることを回避できると共に、この代
りに、振幅,波形および位相に関してアンプによって与
えられたプログラムからスピーカがかなり離れるように
なる。一般的な結果としては、スピーカの音響応答特性
が“定電圧”増幅器の平坦電圧応答(レスポンス)より
かなり相違したものとなる。
従来のコイル駆動型スピーカ(またはマルチスピーカシ
ステム)は極めて誘導性の強いリアクタンスな負荷であ
る。このことは負荷インピーダンスを周波数によって変
動させてしまい、周波数が高くなると、スピーカへの電
力は従って低下し、プログラム周波数が通常の400Hz標
準または規定インピーダンスポイントより上昇し、20kH
zより高くなる場合である。一例によれば、高周波にお
けるインピーダンスのこのような増大が如何に深刻なも
のであるかがわかる。メーカーの現在の技術水準にある
代表的なスピーカに対するインピーダンス/周波数応答
曲線によれば、400Hzで規定の8オームのスピーカでは
約4300Hzでは2倍の16オームで約10kHzでは4倍の32オ
ームとなる。電力はスピーカのインピーダンスに反比例
する。
スピーカ負荷の誘導性リアクタンスによって負荷電流が
その位相においてプログラムより遅延し、この位相遅れ
は400Hzの規定インピーダンスポイントよりサウンド周
波数の高域終了まで増大するようになる。このような誘
導性リアクタンスの位相遅れがどのくらいであるかを例
によって示すと、図示されたすぐ前のパラグラフにおい
て関連したスピーカで位相遅れを測定すると、400Hzで
約33°,900Hzで約45°および5kHzで約70°となる。この
誘導性リアクタンスの位相遅れの全体部分として、通常
重要なプログラム情報が含まれている高周波波面または
トランジェントに対する立上り時間はプログラムにおけ
る実際の波面またはトランジェントに関連して低下する
ようになる。
スピーカの質量は、立上りおよび立下り波面に応じて加
速および減速に対して抵抗するので、この結果、慣性遅
れおよびオーバーシュートがそれぞれ生じるようにな
る。スピーカ音響出力の慣性歪はスピーカの誘導性リア
クタンスによって生じた位相および立上り時間歪に極め
て近似するものである。この為、誘導性リアクタンスお
よび慣性によるこれらの効果は加算されるようになる。
これら慣性ならびに誘導性リアクタンスによる悪影響は
可聴スペクトラムの高域端部まで周波数の上昇と共に増
加するようになる。
楽器によって発生されたサウンドの多くは、基準周波数
サイクルで鋭く立上る初期のトランジェント波面によっ
て特徴付けられたシャープなアタックを有している。こ
のイニシャルトランジェントはサウンドの高周波のハー
モニックを含んでいる。このようなサウンドの全体スペ
クトルを人間の耳で聞くことによって、以下のことがわ
かった。即ち、最初にイニシャルハーモニックサウンド
を聞き、次に中間および低い終りの周波数を聞く。しか
し乍ら、最新のアンプ/スピーカシステムにおけるスピ
ーカの誘導性リアクタンスおよび慣性の追加性、または
累積性効果によって、立上り時間がかなりスローにな
り、位相遅れが高周波ではかなり大きくなる。高周波ハ
ーモニックの多くを含んだ鋭く立上る波面またはイニシ
ャルトランジェントは低い、重い周波数によって、大部
分マスクされてしまう。このような高周波ハーモニック
のマスキングを通常“トランジェント歪”と称し、音響
出力を“人工的”または“録音済”のサウンドにしてし
まう。これは、耳が低い周波数の音の前に鋭く立上るイ
ニシャルトランジェント波面を受ければ、完全に“生”
または自然にきこえてくるものである。
代表的なコンデンサマイクには約20-25μsの立上り時
間がある。音の再生のロスを防止し、同時にコンデンサ
マイクロフォンでこのような高周波ハーモニックを捕え
て再生するために、マイクロフォンの立上り時間より遅
いスピーカロード電流の立上り時間を再生するアンプシ
ステムが必要であり、これは約10μs以下で、理想的に
は約5μsである。ダイレクトソリッドステートピック
アップトランスデューサ(Barces-Berry社製)では、殆
んど遅れがなく、アンプシステムの立上り時間が約10μ
s以上であり、好適には5μsより遅くなければ、この
ダイレクトトランスデューサにより、自然なサウンドが
再生できる。このような高速の立上り時間を再生するに
は、スピーカロード電流位相を、プログラム信号に対し
て400Hzの規定インピーダンスポイントより約20kHzま
で、“同相”に保持する必要があり、好適には、スピー
カロード電流を約1kHzから20kHz位いまで進ませる必要
がある。更に、他のサウンド成分と適当な役割で、この
ハーモニックを聴くためには、高周波成分のスピーカの
誘導性リアクタンスによる減衰を克服する必要がある。
中間レンジの周波数に対して180°も大きな位相進みを
高周波ハーモニックとトランジェントに与えることによ
って、これら成分の分離が行われ、中間レンジ成分が耳
に届く前に、高周波成分が届くことを本願人は確めた。
従来の最新式アンプ/スピーカシステムはスピーカロー
ド電流(速い立上り時間を有す)を、マスキング問題を
回避するために必要な“同相”条件を与えることが出来
ない。種々の試みが行われたが、立上り時間や位相を改
善したが、10μsのオーダーの立上り時間や20kHzぐら
いまでのハーモニックとトランジションの進み位相や
“同相”条件を満すものは無かった。更に、本願人によ
れば、高周波成分を忠実に聴くために中間の周波数に対
して、180°もの大きな進み位相を高周波に与えて、マ
スキング効果を防止する方法は気が付かなかった。この
ような問題解決の為の最新の原理的タイプの機器はグラ
フィックイコライザである。従って、ハイファイ産業の
クオリティユニットはBoseスピーカ付きBoseイコライザ
である。このユニットは、以下のような周波数レスポン
スカーブを有する。これは、約10kHzまでは、余りにも
急しゅんで、僅かな進み位相、10kHz〜15kHz間では同
相、その後、急激に落込み、15kHz以降では大きな位相
遅れ、20kHzでは約45°の遅れとなる。結果として得ら
れた立上り時間は約45-40μsであり、イニシャルトラ
ンジェントの高周波ハーモニックを再生するには余りに
も遅すぎる。
400Hzの規定インピーダンスポイント以下では、通常の
スピーカのインピーダンスカーブはこれのコンプライア
ンスや開放コーン共振による容量性,リアクタンス効果
で上昇する。メーカーの示したスピーカレスポンスカー
ブは、150Hz以下で鋭く立上り、50Hzで大きなインピー
ダンスピークとなり、20Hzで鋭く8オームに落ちる。こ
の大きな低周波インピーダンスピークは、スピーカの音
響出力に大きな孔を表現する。この為、プログラムの低
周波成分が失われる。キャビネットのデザインによって
低周波において開放コーン共振を減少できるが、これら
は一般に、キャビネットの共振およびダンピングのよう
な別の問題を生じる。アンプの補償によって、20Hzまで
の低周波レスポンスを立上らせなければ、低周波成分の
大部分が失われてしまう。特に、パーカッションサウン
ドを表わす低周波情報が失われる。
代表的なスピーカの悪い低周波レスポンスに加えて、40
0Hz以下のコーン共振の立上りスロープにおける容量性
リアクタンス効果により、著しく位相が進み、この領域
で基本および低周波ハーモニックが同時に位相遅れの生
じた高周波成分を追越してしまう。更に、“マスキン
グ”問題を追加してしまう。
本願人の調査によれば、米国特許第4,260,954号が興味
深い先行技術である。このロード補正システムによれ
ば、負荷(ロード)を通って流れる電流を表わすフィー
ドバック電圧信号を発生させ、この信号とアンプの入力
プログラム電圧とを比較し、この比較結果を利用して、
プログラムアンプラインのゲインを調整してロード電流
の波形および位相の変位を補償している。このようなシ
ステムは、1個のスピーカの負荷電流を検知した場合に
は良好に作動するが、更に複雑な負荷(複数スピーカと
ネットワーク)に接続した場合には、常に満足出来ると
は限らなかった。即ち、このような複雑な負荷電流はス
ピーカ性能を正しく表わしたものではなく、検出が妨害
されてしまうからである。また、前述の特許システムで
は、実際の負荷は予測が出来ず、時として不完全なもの
である。不所望なインピーダンスの周波数に対する抑
圧,落込みがある。このような不規則性を正確に追従出
来なかった。また、このシステムを、アンプのラインに
簡単にプラグ取付けできず、別の接続物を必要とした。
また、この特許には、中間レンジの周波数の平均振幅に
対して高周波のものを自動的に調整する手段が開示され
ていない。これによりレンジ間のアンバランスを補償す
る。また、これには、高周波の位相を意図的に進ませる
考え方が開示されてなく、これによってこれらを分離す
ると共に、中間の周波数によってマスクされないように
するものである。
西独特許第2,235,664号(1974,7月31日公告)の第2図
の回路には関連性がある。しかし、このような回路によ
ってリファレンス(参考)またはモデル負荷を用いて、
実際のスピーカ負荷の誘導性リアクタンス、慣性,共振
の悪影響を補正する考えは開示されていない。真実、こ
の回路は、スピーカ電流の変動または、入力プログラム
からの音響出力を変動を補正する傾向は無い。
上述した特許以外の関連ある文献としては、米国特許3,
902,111号(1975年8月26日)および4,153,849号(1979
年5月8日)がある。しかし、これら文献は、類似性が
ないもので、例えば、波形が変動するプログラム電圧信
号のソースを扱っていなかったり、この変動電圧信号に
応答してドライブするスピーカでは無いものである。前
者の特許は低周波のサーボシステムを簡単にしたように
見え、固定のセットポイント入力や、変動するプログラ
ム電圧を入力したりするものでなく、本願のものとは異
なる。
また、後者の特許は、イットリウム−鉄−ガーネット
(YIG)デバイスおよびトラベリング−ウェーブマスタ
(TWM)デバイスの動作特性を正規化するための回路
で、これらデバイスは制御電流によって同調され、この
ようなデバイスをマイクロ波システム内で交替できるも
のである。同様に、波形の変化するプログラム信号が入
力に利用されるのではなく、簡単に、基準DC電圧を用い
て、デバイスの応答を所望の周波数/電流特性にシフト
させるものではない。また、これには、正のフィードバ
ック回路が開示されており、これらは、本願には全く使
用できない。
本発明の目的は、供給したプログラムから負荷の出力が
変動するような増幅器ドライブによる負荷の悪影響をほ
ぼ完全に補正するシステムを提供することであり、この
悪影響には電気的に限られないリアクタンス,慣性,共
振等が含まれている。
他の一般的な目的は、オーディオシステムに特に利用で
きる増幅器負荷補正システムを提供することで、誘導性
リアクタンス,慣性遅れおよびイーバーシュート,なら
びにスピーカコンリアンスとこれと組合された開放コー
ン共振による重大な歪をほぼ完全に補正できる。
また、他の目的は、スピーカの通常の位相遅れ特性をほ
ぼ完全に克服出来る増幅器負荷補正システムを提供する
ことであり、この遅れ特性は、規定の400Hzから20kHzま
で誘導性リアクタンスおよび慣性の両者が原因で増大
し、スピーカロード(負荷)電流の位相をほぼ完全に
“同相”に保持でき、400Hzから20kHzまで僅かに進ま
せ、同時に、立上り時間を約10μs以下に抱持でき、或
る実施例では2〜5μs以内に保持できるものである。
また、他の目的は、負荷電流立上り時間が、十分に速
く、約400Hzから20kHz位いまでほぼ完全に同相状態を瞬
間の保持でできると共に十分な振幅を有する増幅器負荷
補正システムを提供することで、増幅器/スピーカシス
テムによって、楽器や音声に含まれた高周波ハーモニッ
クにおける鋭く立上るイニシャルトランジェントを忠実
に再生し、このトランジェント波面およびその後に中,
低域成分を正しく順序で耳に供給し、この結果、トラン
ジェント歪マスキングを克服し、更に最初に再生したサ
ウンドを従来のような“人工的”または“録音済み”の
サウンドとは異なり完全に“生きた”または“自然”な
音となるようにしたことを特徴とする。
また、中間の周波数に対して180°の大きな位相進みを
高周波に意図的に与えることによって、前者が耳に届く
前に高周波ハーモニックおよびトランジェントが正しく
セットされ、これによって高周波が中間周波によってマ
スクされないような増幅器負荷補正システムを提供する
ことを目的とする。
また、低周波の位相の遅れた負荷電流を与えることによ
って、スピーカレスポンスカーブの400Hz以下のコーン
共振部分の立上りスロープの領域におけるスピーカの通
常の位相進みを補償し、更に低周波による高周波ハーモ
ニックのマスキング作用を防止するようにした補正シス
テムを提供することである。
また、代表的なコンデンサマイクロフォンの20〜25μs
の立上り時間よりかなり速い負荷電流立上り時間を発生
させることによって、マウンドの生成終端における損失
を補充し、同時にコンデンサマイクロフォンによって、
捕獲された鋭い立上りイニシャルトランジション波面に
おける高周波ハーモニック内容を再生するような補正シ
ステムを提供することである。
速い立上り時間および位相補正を行ない、同時に通常の
劣悪なスピーカインピーダンスカーブを補正しこれによ
って400Hzから20kHzまでの高周波レンジおよび400Hzか
ら20Hzまでの低周波レンジの両方において出力レスポン
スが与えられるような補正システムを提供することを目
的とする。
また、本発明の他の特異な目的は、実際の負荷の特性の
モデルとして作用するリファレンスロード(参考または
基準負荷)より補正信号を発生させ、このようなリファ
レンスロードを実際にドライブする負荷から完全に分離
するような補正システムを提供することである。また、
実際のスピーカ負荷のインダクタンスの等価モデルとし
て作用するリファレンスロードから補正信号を発生させ
ると共に、スピーカ負荷の機械的慣性に類似したモデル
として作用するロードからも補正信号を発生させ、十分
な補正振幅を供給して誘導性リアクタンスおよび実際の
スピーカの慣性を両者の悪影響を同時に補正するシステ
ムを提供することである。同様に、リファレンスロード
もまた実際のスピーカシステムのロードのキャパシタン
スの等価モデルとして作用すると共に、同時にスピーカ
システムのコンプライアンスおよび関連した開放(オー
ブンエア)コーン共振用の類似のモデルとして作用して
これらスピーカの特性を補正した補正システムを提供す
ることである。
実際の負荷より補正信号を取出す代りに、リファレンス
ロードより取出して、理想のロードに基づいて補正を行
ない、補正されたトランスデューサ出力をプログラムの
ほぼ完全な再生とすることができる補正システムを提供
することである。
また、実際にドライブされる負荷から完全に独立分離さ
れたリファレンスロードを用いて、実際のロードにおけ
るインピーダンスの落込み等の予想出来ない不完全性に
よって制限されたり、歪むことのない補正信号が得られ
る補正システムを提供することである。
また、上述のようなリファレンスロードを用いて、クロ
スオーバーネットワークやマルチプルスピーカ分配ライ
ンシステムとマルチスピーカシステムを補正システムと
組合せられる補正システムを提供し、このようなマルチ
スピーカシステムによって、実際のロードの電流とプロ
グラム信号を比較する従来のシステムにおける補正用の
混乱をベースを与えないようにしたものである。
また、プリアンプからの入力ジャックやパワーアンプへ
の出力ジャック等の簡単なもののみを用いて、あらゆる
アンプ/スピーカシステムに簡単に組合せることの可能
な補正システムを提供することである。
リファレンスロードにはインダクタおよびキャパシタ成
分、または回路を設け、これらの値は、実際のロードの
対応したインダクタンスやキャパシタンス特性より十分
に大きな値であり、リファレンスロードの電流および;
これをドライブするのに必要なパワーを最少にした補正
システムを提供することにある。
更に、高周波,中間周波および低周波を3つの独立のチ
ャネルに分離して、振幅を互いに調整に合うようにし、
20Hz位いから20kHzまでほぼ平坦にした補正システムを
提供することにある。高周波および中間周波チャネル間
で自動的にバランスを取るシステムを提供し、高周波の
平均振幅が中間のものに比べて増大または減少した場合
には高周波チャネルのゲインが自動的に減少または増加
して、これらチャネルの振幅を、プログラム中に起るア
ンバランスに拘らず所望のバランスにしたような補正シ
ステムを提供することである。
本発明によれば、プログラム信号を、インダクタおよび
コンデンサ成分、またはこれら成分に似た回路を有する
リファレンスロードに供給して高/低周波補正信号成分
をそれぞれ発生させる。これらリファレンスロードのイ
ンダクタおよびコンデンサ成分を同調させて相互にキャ
ンセルをし合い、これによって、通常のスピーカシステ
ムの規定の400Hz付近でシステムよりゼロ補正信号を取
出し、このインダクタ成分によって400Hzから約20kHzま
での周波数に対しての高周波補正信号を発生させ、コン
デンサ成分によって、400Hzから約20Hzまでの周波数に
対して低周波の補正信号を発生させることができる。
インダクタまたはコンデンサに類似した回路を実際のも
のの位置にリファレンスロード成分(素子)として設け
られるので、以下の明細書において便利なために、用語
“インダクタ成分(素子)”“インダクタ素子手段”
“コンデンサ成分(素子)”および“コンデンサ素子手
段”とは実際および疑似インダクタおよびコンデンサコ
ンポーネント(成分,素子)の両方に使用するものとす
る。
本発明によれば、リファレンスロードは単一の直列同調
したインダクタ/コンデンサ回路であり、これから高周
波および低周波補正信号成分が一緒に得られる。また、
独立した高周波/低周波チャネルを用いて、高周波チャ
ネルにはインダクタリファレンスロード成分を含ませ、
他のチャネルにはコンデンサリファレンスロード成分を
含ませる。これらチャネルの補正信号出力をプログラム
信号と加算アンプで混合して、パワーアンプに供給し、
これによって実際のロードをドライブするようにする。
このような独立の信号チャネルを他の独立のプログラム
信号チャネルと共に用いることによって、高/低周波数
の振幅をプログラム信号および互いに対して独立して調
整できる。この結果、実際のロードをドライブするパワ
ーアンプの最適比率で供給できる特徴がある。
また、本発明によれば、これら両チャネルにおけるイン
ダクタおよびコンデンサ成分を簡単なRC移相ネットワー
クとし、これによって、オーディオスペクトルの高/低
周波成分の位相を適当な方向にシフトでき、誘導性およ
び容量性リアクタンスおよび負荷慣性から得られた負荷
の悪い特性に対してほぼ完全に補正できる。このことは
特に、高周波チャネルでは有効なものである。この理由
は、これによって、小さな、廉価なRC回路タイプのイン
ダクタ素子を実際のチョークコイルの代りに採用出来る
ことである。これによって大きくて高価な実際のチョー
クインダクタを不要とでき、これによって、本システム
を小さなハイブリッドICチップに組込むことができる。
高/中/低周波数チャネルを独立して設け、高周波およ
び中間周波数の平均振幅間で振幅のアンバランスが検出
され、前者の平均振幅を自動的に再調整してこれらの周
波数間でバランスを取り直すことができる。このような
自動再調整は検出器/加算システムによって実現され、
ここでは負のDC出力検出器によって、高周波チャネルの
信号を検出すると共にこれに類似したDC電圧を発生さ
せ、正のDC出力中間レンジ検出器によって中間レンジチ
ャネルの信号を検出してこれに類似したDCを発生させ、
更にこれら正負のDC出力を加算増幅器で混合させて、こ
れのDC出力によって自動的に可変抵抗を調整して、所望
の高周波ゲインを再調整する。
また、独立をした高/中/低周波チャネルを設け、高/
中間周波数チャネルの一方にインバータを設け、これに
よって、高周波に、180°の位相進みを与え(中間周波
数に比べて)、高周波ハーモニックおよびトランジェン
トを中間周波が耳に聴えてくる前にセットし、これによ
って高周波が低周波によってほぼ完全にマスクされない
ようになる。
また、プログラム信号に対して補正信号の調整が行わ
れ、高/低周波数補正成分の両方が含まれた補正信号が
一方のチャネルで発生され、ここではプログラム信号が
相殺されて、補正信号を独立して調整でき、他方のチャ
ネルをダイレクトプログラム信号チャネルとしたことを
特徴とするものである。この調整された補正信号および
プログラム信号を加算増幅器内で加算して、実際の負荷
をドライブするパワーアンプに供給する。
リファレンスロードを流れる電流を検出して、この電流
を表わした電圧帰還信号を差動演算増幅器中でプログラ
ム信号電圧と比較して、補正信号を発生させて、これを
プログラム信号と共にパワーアンプに供給するようにす
る。また、リファレンスロードのインダクタ成分を構成
して、これのインダクタおよびコンデンサ成分の各々を
独立のチャネルボルテージディバイダネットワーク中に
構成し、ここから補正信号を取出し、独立して調整可能
な補正信号を加算増幅器中でプログラム信号と混合させ
て、実際の負荷をドライブするパワーアンプに供給する
ようにしたことを特徴とするものである。
以下図面を参照し乍ら本発明を詳述する。
第1図は、本発明のリファレンス(参考または基準)ロ
ード(負荷)増幅器補正回路またはシステムの第1実施
態様を示すものである。第1図に示したリファレンスロ
ード補正回路は、パワーアンプ(電力増幅器)およびス
ピーカ負荷の動作的に組合わされて図示されており、こ
れらは通常の現代技術のパワーアンプおよびスピーカコ
ンポーネントである。このようなパワーアンプおよびこ
れと組合わされた負荷が第2−9図に示した本発明の他
の回路形態には開示されていないが、パワーアンプおよ
び負荷がこれら他の回路の出力ターミナルに第1図の回
路と同じ方法で接続されているものとする。
第1図に示したリファレンスロード(参考または基準負
荷)補正回路またはシステムは一般に10で表わされてお
り、入力および出力ターミナル12,14を有する。入力タ
ーミナル12はプログラムソースに接続されており、この
ソースには一般に従来の現在技術のプリアンプ(前置増
幅器)が包含されている。この補正回路出力ターミナル
14をパワーアンプ18の入力ターミナルに接続し、このア
ンプは従来の現代技術のパワーゲイン(利得)ブロック
とすることができる。適当な増幅器のパワーが本発明の
リファレンスロード補正回路10に対して得られ、これに
よって負荷トランスデューサの出力を広い周波数帯域に
亘って、この補正回路へのプログラム入力の波形ならび
に位相にほぼ完全に適合させるようにするためには、パ
ワーアンプ18は少くとも約20のゲイン(利得)が必要で
ある。更にまた、このパワーアンプにマテリアルの波形
歪が生じないようにするために、この周波数応答は約20
Hzから20kHzまでフラットであることが望しい(定電圧
モードで)。
本発明のリファレンスロード補正回路10を通常プリアン
プとパワーアンプとの間に接続しているが、プログラム
ソースよりパワーアンプまでのコンポーネントのライト
中のいずれの場所に設けることができる。
本発明のリファレンスロード補正回路は増幅器によって
ドライブされた負荷の欠陥や不足量を補正することがで
き、代表的な負荷としてはハイファイセットや、テレビ
ジョンまたはラジオのスピーカ負荷である。このスピー
カ負荷は第1図に線図的に表わしたスピーカ20のような
シングルスピーカ、またはクロスオーバネットワークに
よるマルチスピーカとすることができる。また、本発明
によるリファレンスロード補正回路はマルチチャネル増
幅器システムにおけるロード補正にも適している。この
システムでは、チャネルは多重化されたパワーのモノラ
ル出力に対して互にブリッジ接続されている。本発明の
リファレンスロード補正回路はまた、時として劇場で採
用されている多数のスピーカに対して分配ラインシステ
ム(例えば70ボルト)用のロード補正用にも利用出来
る。本発明のリファレンスロード補正回路が採用された
すべてのマルチプルスピーカシステムにおいては、本発
明の回路によってシステムの複数個のスピーカの各々に
おける電気的(リアクタンス)および機械的(慣性)不
足の両者に対してほぼ完全に補うことができる。
補正回路入力ターミナル12に供給されたプログラム信号
は電圧信号であり、これはミュージック,音声または他
のプログラムインフォメーションに従って波形が変化す
る信号である。本発明によるリファレンスロード補正回
路またはシステム10が設けられていない従来の状況の下
では、定電圧パワーアンプ18で増幅された後で、この可
変波形プログラム信号は、大きな誘導性リアクタンス,
機械的慣性およびスピーカ装置負荷20のオープン・エア
(開放)コーン共振による振幅および位相に大きな歪を
有するようになってしまう。これについては、本発明の
ロード補正特性に関連して後述する。
入力プログラム信号が入力ターミナル12から導体(コン
ダクタ)22を経て平衡型差動演算増幅器(以下単にオペ
アンプと称す)26の非反転入力24に供給される。このオ
ペアンプ26の出力28を補正回路出力ターミナル14に接続
すると共に、通常、30で表わされた本発明のリファレン
スロードの一端にも接続する。このリファレンスロード
30の他端をセンシングポイント32に接続し、センシング
抵抗34を介して接地される。このセンシング抵抗34によ
ってリファレンスロード30を通って流れる電流を検知し
てセンシングポイント32における帰還電圧信号を発生す
る。この帰還電圧信号をコンダクタ36を経てオペアンプ
26の反転入力38に戻るように供給する。
リファレンスロード30はインダクタ素子(成分)40およ
び直列接続されたコンデンサ素子(成分)42より構成さ
れている。このインダクタ素子40によって、リファレン
スロード30を通って流れる電流の、入力ターミナル1お
よびオペアンプの出力28におけるプログラム信号の位相
に対して遅れが生じる。他方、このコンデンサ素子42に
よってこのリファレンスロード30を通過する電流の位相
に入力ターミナル12およびオペアンプ出力28のプログラ
ム電圧信号に対して進みを生じる。これらインダクタ素
子40およびコンデンサ素子42の値は適切に選択されてい
るのでこのリファレンスロード回路30は約400Hzで直列
共振するようになっている。これはリファレンスロード
補正回路10をスピーカシステムの通常、即ち規格のイン
ピーダンス400Hzに整合させるためである。約400Hzに同
調されたリファレンスロード回路30によれば、インダク
タ素子40およびコンデンサ素子42のリアクタンスはこの
周波数でキャンセルし合う、即ち、この周波数において
はこれら素子による位相シフト効果が互いに打消し合う
ことを意味する。従って、このリファレンスロード回路
において残存するインピーダンスはインダクタ素子40の
抵抗だけであり、これは極めて低いものである。
入力ターミナル12からオペアンプ26の非反転入力24への
入力には値の等しい一対の抵抗44および46からなる入力
ネットワークが包含されている。同様に、センシングポ
イント32からオペアンプ26の反転入力38への帰還回路に
は、値の等しい一対の抵抗48,50および入力ネットワー
ク抵抗44,46が包含されている。入力ネットワーク抵抗
ならびに帰還ネットワーク抵抗のこれらの等価な値によ
ってオペアンプ26は400Hzプログラム信号に対してトラ
ンスファゲイン(伝送利得)1を有するようになる。こ
のため、リファレンスロード30を流れ負荷電流はその最
大値を有するようになるか、または実際においてリファ
レンスロード30をストレートに流れるようになり、同様
にセンシングポイント32における帰還電圧信号がアース
より上の最大値を有するようになる。このような利得1
の伝送利得によって、オペアンプ26は検出可能な残留バ
ックグランドノイズを増幅器ラインに誘導しないように
なる。このことは従来のシステムにおいては問題となっ
ていた。
オペアンプ26の2つの差動入力端子によってそれぞれの
プログラムおよび帰還信号がそれぞれのコンダクタ22,2
6を通って連続的に供給されるので、このオペアンプ26
によってリファレンスロード30を流れる電流と、入力プ
ログラム電圧とを振幅および位相に関して連続して比較
するようにし、オペアンプ出力28の増幅されたプログラ
ム信号に加えて補正信号を継続して発生するようにす
る。この補正信号によってインダクタ素子40およびコン
デンサ素子42の両者における位相シフトおよびリアクタ
ンス値の変動を連続的に且つ、同時に補正することがで
き、このことは、このような変動が補正回路10の帯域幅
以内で例え広いものであろうとも、400Hzからプログラ
ム周波数の変動より基因するものである。この補正は位
相および振幅の両方に対して完全且つ、瞬時に行われる
ものであるから、センシングポイント32がマイナスプロ
グラム電圧を表わすロックソリッド定電流ポイント(ro
ck-solid constant current point)として確立される
ようになる。
プログラム信号周波数成分がリファレンスロード30の40
0Hzに直列同調した値から上昇すると、リファレンスロ
ードインダクタ成分40の対応する増加したリアクタンス
によって、センシング抵抗34を流れる減少した電流,セ
ンシングポイント32における減少した対応のフィードバ
ック電圧レベルおよびオペアンプ26の出力28の増大した
補正信号成分に影響を与えるようになる。同様に、リフ
ァレンスロード30の400Hzに同調した値より下がるとリ
ファレンスロードコンデンサ成分42の増大したリアクタ
ンスによってオペアンプ26の出力28の補正信号成分の値
を増大するようになる。この結果は、補正信号の振幅対
周波数のプロットしたものは従来のスピーカのリアクタ
ンスカーブに類似したカーブを描くようになる。このよ
うな補正信号のカーブを第10図に示し、スピーカリアク
タンスは第11図に示し、これらのカーブについては後で
詳述する。抵抗52,54をそれぞれリファレンスロードイ
ンダクタ成分40およびコンデンサ成分42と並列に接続す
る。これらの抵抗52および54を調整することによってそ
れぞれのリアクタンス40および42の上限値をセットする
ことが出来ると共に、これと同様に、補正信号の振幅対
周波数カーブの上限値をセットすることができる。この
カーブは補正回路のバンド幅の上側および下側のそれぞ
れの周波数終端部に類似したものである。センシング抵
抗34用に選択された値によって補正信号カーブのスロー
プを決定する。
オペアンプ26の出力28における補正信号成分をリファレ
ンスロード30へ送給するだけでなく、同時に補正回路出
力ターミナル14にも供給され、従ってプログラム信号と
一緒にパワーアンプ18の入力ターミナル16にも供給され
る。パワーアンプ18における補正信号を増幅することに
よってこの信号に所望の電力が与えられ、この結果、振
幅および位相歪に対してはほぼ完全に補正することがで
きる。これら歪は誘導性および容量性リアクタンス,ス
ピーカまたはスピーカシステムのコーン抵抗が原因であ
り、スピーカの慣性および特にマグネックスピーカコイ
ルの質量による機械的歪も補正出来る。
補正信号を生じさせるために用いたロード(負荷)30
を、本明細書ではリファレンスロード(基準負荷)と称
していたが、シンセティック(合成)ロード,ファント
ムロード,等価ロード,擬似ロード,モデルロードまた
は人工的ロード等と称することも適当である。
リファレンスロード30のインダクタ素子(成分)40およ
びコンデンサ素子(成分)42は代表的なスピーカシステ
ム負荷を実質的に表わす相対値を有する一方、これら値
は実際のスピーカシステムにおける対応する値より何倍
も大きい値を有することが好ましい。このことによって
電流センシング抵抗34の値をこれに応じて増大させるこ
とができる。リファレンスロード30およびセンシング抵
抗34の回路素子のこのような大きな値によって差動演算
増幅器26を低電力の増幅器チップすることができる。こ
のアンプは第1図ではパワーアンプの形態となってい
る。しかし乍ら、リファレンスロード30のインダクタ40
およびコンデンサ42は実際のスピーカシステムを正しく
表わすための比率であるので、このリファレンスロード
30によって得られた補正信号はあらゆるスピーカ負荷シ
ステムとコンパチブルを有し、このスピーカシステムに
おける電気的および機械的な不足量を完全に補正するこ
とができる。
第1図のリファレンスロード(基準または参考負荷)補
正回路10は電流動作型のシステムであり、その為に大き
な出力インピーダンスを有し、約10kΩ以上の負荷を必
要とする。このことは、この第1図の回路を第2図に示
したような電圧増幅器に変更することによって解決でき
る。
第2図に示したリファレンスロード補正回路は一般に10
aで表わされ、第1図の回路と異なる点は、基本的には
2つの負帰還ネットワーク抵抗を除いたことである。所
望に応じて第1図の入力ネットワーク抵抗を設けること
もできるが、必要なことではない。さもなければ本発明
による第2図の電圧増幅器の回路素子は第1図の電流増
幅器のものと同一となってしまう。プログラム信号が入
力ターミナル12aに供給されると共にコンダクタ22aを介
して平衡型差動演算増幅器(以下、単にオペアンプと称
す)26aの非反転入力24aに供給される。このオペアンプ
26aの出力28aを、実際の負荷をドライブするパワーアン
プへの入力端子としての補正回路10aの出力ターミナル1
4aに接続すると共に、30aとして表わされたリファレン
スロード(基準または参照負荷)の一端にも接続する。
このリファレンスロードには直列接続されたインダクタ
素子40aおよびコンデンサ素子42aとが設けられており、
これらの素子はこれと対応の第1図の回路素子と同一な
値を有し、約400Hzで直列同調するようになっている。
またこのリファレンスロード30aにはインダクタおよび
コンデンサ素子40a,42aと並列接続された可変型シャン
ト(分路)抵抗52a,54aがそれぞれ儲けられており、こ
れらは第1図の対応のものと同じ目的を有する。またこ
のロード30aの他端をセンシングポイント32aに接続す
る。このポイント32aをセンシング抵抗34aおよびコンダ
クタ36aを介してオペアンプ26aの反転入力38aにも接続
する。電流外嵌の代りに、出力ードに対する要求条件が
縮減された電圧増幅器の形態である以外は、第2図に示
したリファレンスロード補正回路10aは第1図に示した
リファレンスロード補正回路は全く同様に作動するの
で、同じ結果が得られる。
第1,2図の差動演算増幅器26および26aの各々は電圧帰還
を設けることなく可変利得増幅器として構成して、本発
明の補正電流を連続して変化させることができる。
楽器のサウンドの多くは、このサウンドの高周波ハーモ
ニックの殆んどを含んだ鋭く上昇する初期遷移波面によ
って特徴づけられた鋭いアタック(attack)を有してお
り、このような鋭く上昇する波面はこのサウンドの基本
周波数に従った繰返し比率で発生するものである。この
ようなサウンドの全体のスペクトラムを人間の耳で聴く
ためには、高い部分を最初に、そして基本サウンドを後
で聴く必要がある。この順序で聴いた時、これらサウン
ド成分のすべてが聴取され、完全に“自然音(ナチュラ
ル・サウンド)”として認識でき、これによって“人工
的”または“記録された”サウンドとは認識されない。
この理由はこのようにして十分に処理されたサウンドを
聴くからである。従来の増幅器/スピーカシステムにお
ける基本的問題は、スピーカシステムのリアクタンスお
よび機械的慣性によってスピーカまたはスピーカシステ
ムが基本周波数の各サイクルのアタック時に急激に加速
されるのを妨げ、これによってスピーカによる中間レン
ジおよび低域周波数が再生される前に、高周波ハーモニ
ックの多くを含んだ鋭く上昇する波面または初期遷移を
再生するのに十分な特性を有していない。このことによ
って、高周波ハーモニックの大部分が低周波によってマ
スクされてしまう。一般式にこのようなマスキング効果
によってサウンドの高周波ハーモニック成分の約50%ぐ
らいまでの損失が発生してしまう。従って、従来の増幅
器/スピーカシステムでは、ベルやチャイム等のように
音楽のリアリティが沢山追加されたような“ベルの鳴る
音”が失われてしまう。このようなスピーカの歪に影響
が与えられてしまうならば、声の音質が母音サウンドに
対して変化してしまう。従来のスピーカシステムにおけ
るサウンド内に含まれた高周波ハーモニックによるマス
キング効果は“トランジェント(遷移)歪”として呼ば
れており、これは増幅器/スピーカシステムにおける固
有の不足量として簡単に説明されている。
このトランジション歪の問題をほぼ完全に治すために、
増幅器は、スピーカシステムを約10μsより短かい音響
的ライズタイム(立上り時間)でドライブする必要があ
ると共に、400Hzのクロスオーバ周波数より約20kHzまで
すべての周波数に対してほぼ位相遅れ零でドライブする
必要がある。本明細書において用いた用語“ライズタイ
ム”とは、完全なサイン波サイクルの最初の立上りの1/
4の時間帰還を意味する。
本願人は、高周波ハーモニックを、低域および中間周波
数に対して位相を進みをこれに意識的に与えることによ
って更にマスクさせないようにすることができることを
見出した。これは第9図に示した回路において実現でき
ると共に、この回路に関連して後述する。
第1図および第2図のリファレンスロード補正回路10,1
0aの実験的プロトタイプのものは約5から10μs間の立
上り時間を呈するので、この結果、これらの回路は約50
kHzから約20kHzまでのバンド幅を有するようになる。こ
のような約5〜10μsの範囲における鋭い立上り時間に
よって第1,2図のリファレンスロード補正回路が約10kHz
までにおいて負荷において十分な位相補正ができると共
に、この負荷を約20kHzまで同相で保持できるが、ある
場合において、第1,2図に示したプロトタイプの回路は2
0kHzで僅かな位相遅れが現われてしまう。しかし乍ら、
この補正回路は、400Hzから20kHzを含む周波数スペクト
ラムの高域部までのクロスオーバー周波数に僅かな進み
位相を生じる方が好適である。これには、約5μsより
長くない立上り時間が必要であり、これは以下の説明す
る本発明の他の形態で達成できる。このような僅かな位
相進みによってスピーカシステムの実際の音響出力は少
なくとも同相であり、これによって最初に高域部分で後
に低い重いハーモニック成分および基本サウンドが正し
い順序で再生されるようになる。
第1図および2図の回路によって得られた負荷の補正用
のスピーカシステムは優れたものであることが証明され
ているが、これら回路より得られる補正量(高周波にお
ける)における実際上の制限が存在する。このことは、
リファレンスロード30(または30a)のインダクタ40
(または40a)を分路する可変抵抗52(または52a)が上
昇してインダクタ回路のQを高い値に上昇させた時に、
立上り時間および位相補正の両者が僅か乍ら損われてし
まい、不自然なプライトネス(brightness)がサウンド
のあるタイプのものに導入されてしまう。
また、第1,2図の補正回路における他の僅かな問題点と
しては、これら回路には、約0.8%程度(全出力に対し
て)のハーモニック歪があることである。しかし乍ら、
第1,2図の回路における立上り時間および位相,ハーモ
ニック歪による制限が平均値は聴取者にとって可聴でき
るかどうか疑しいものである。
第4図に開示されたリファレンスロード補正回路または
システムによって補正信号をプログラム信号から分離出
来るので、この補正信号をプログラム信号に関連して所
望の範囲まで増幅することができ、更にこの補正信号を
プログラム信号に混入し戻すことができる。他方、第5
〜9図に示したロード補正回路またはシステムによって
400Hzクロスオーバ周波数より上側および下側用の高周
波および低周波負荷補正を行なう独立の回路部分が与え
られる。これら第4−9図の補正回路のこれらの特徴に
よって高周波の補正量を調整することができ、これによ
って立上り時間を約2から5μsの範囲内に短縮するこ
とができ、400Hzのクロスオーバー周波数の少し上の周
波数より約20kHzのスペクトルの一番高い部分までにお
いて僅かな進み位相を得ることができると共に、この補
正信号を十分に電力増幅することができ、スピーカのリ
アクタンスおよび慣性の両者をほぼ完全に克服すること
ができる。
第4−9図の回路の詳細を詳述する前に第1,2図の補正
回路に類似したリファレンスロード補正回路の第3の形
態について説明する。第3図に示す番号10bで示した回
路において、入力ターミナル12bに供給されたプログラ
ムは抵抗44b,46bより成る入力抵抗ネットワークを介し
て平衡型可変利得差動増幅器(以下、オペアンプと称
す)26bの非反転入力に与えられる。このオペアンプ26b
の出力28bにはプログラム電圧信号および補正電圧信号
の両方が現われるようになる。このオペアンプ26bには
これの出力28bおよび反転入力38b間に接続された通常の
帰還抵抗56が設けられている。混合されたプログラム信
号および補正信号をオペアンプ出力28bから補正回路10b
の出力ターミナル14bへ供給され、この回路出力ターミ
ナル14bをパワーアンプの入力に接続させるように、こ
のパワーアンプによって第1図と同様な方法で主負荷を
ドライブする。第3図に示す回路はまた以下の点で第1
図の回路に似ている。即ち、低電力の電流増幅器チップ
が採用されている。しかし、第3図ではこのアンプはセ
パレート演算増幅器58であり、これによってリファレン
スロード30bをドライブするようになる。増幅器58はそ
の非反転入力60において同様に混合したプログラムおよ
び補正信号をシステム出力14bに供給されるように差動
増幅器出力28bから受信するようになる。低電力アンプ5
8には入力抵抗62および抵抗64,66より成る帰還ネットワ
ークが設けられている。このアンプ58の出力68をリファ
レンスロード30bの一端に接続すると共に、他端をセン
シングポイント32bに接続する。このセンシングポイン
ト32bおよびアース間に接続されたセンシング(検出)
抵抗34bによってリファレンスロード電流を表わす帰還
電圧信号を発生されるようになる。このリファレンスロ
ード30bおよびこれの電流検出抵抗34bは第1,2図に示し
た回路の対応する回路素子と同様であり、これによって
同様な電圧帰還信号が得られるようになる。
第3図のシステムと第1,2図のものとの根本的な相違点
は、第3図のシステムにおけるロード補正信号がプログ
ラム信号ライン中の差動増幅器に発生しないことであ
り、しかしこの代りにセパレート差動コンパレータ70に
よって発生する。このコンパレータは平衡型の差動演算
増幅器であり、前述のオペアンプ26bに類似したもので
ある。このセンシング抵抗34b間で発生した帰還電圧信
号を抵抗74,76より成る入力ネットワークを介して差動
コンパレータの非反転入力72に供給する。従って、この
非反転入力72はリファレンスロード電流の振幅および位
相の両者を継続的に表わす帰還電圧信号を受け取るよう
になる。この差動コンパレータの反転入力78を抵抗80,8
2から成る入力ネットワークを介してプログラム入力タ
ーミナル12bに接続するので、反転入力78が入力してく
るプログラムを表わす電圧信号を継続して受信するよう
になる。このようにして差動コンパレータ70によってプ
ログラム電圧と帰還電圧間の連続的で且つ瞬時の差動比
較結果を表わす所望の補正電圧信号が発生されるように
なる。この補正電圧信号をコンパレータ出力84から可変
利得差動ライン増幅器26bの反転入力38bへ供給して、こ
の補正電圧信号をアンプ26bの出力28bおよびシステム出
力14bにおけるプログラム電圧信号と混合する。
第4図を参照し乍ら、リファレンスロード補正回路10c
について説明すると、これには第2図に示したリファレ
ンスロード補正回路10aと同じ回路素子(コンポーネン
ト)が設けられている。これによってプログラム信号電
圧に混合された補正信号電圧を最初に発生している。従
って、入力ターミナル12cに与えられたプログラムを平
衡型差動演算増幅器26cの非反転入力に供給し、これの
出力28cをリファレンスロード30cの一方側に接続する。
これは直列同調型のインダクタ素子−コンデンサ素子回
路である。第2図に示されたようなリファレンスロード
30cの他方の側をセンシングポイント32cに接続し、リフ
ァレンスロード電流がこのセンシングポイント32cから
センシング抵抗34cを経て流れるようになり、電流表示
された帰還信号を発生する。この帰還信号をコンダクタ
36cを経てオペアンプ26cの反転入力に戻すようにする。
第4図のリファレンスロード補正回路10cには番号86で
表示されたプログラム信号キャンセル回路が設けられて
おり、この回路は簡単の為にアウトラインまたは破線で
包囲されている。
このキャンセル回路86には、平衡型差同演算増幅器(オ
ペアンプ)88が設けられており、このオペアンプ88の非
反転入力90において補正電圧プラス正のプログラム信号
を入力ネットワークを経てオペアンプ26cの出力28cから
受信する。この入力ネットワークは固定抵抗92および可
変抵抗94より構成されている。オペアンプ88の反転入力
96は入力抵抗98を介してセンシングポイント32cより負
のプログラム電圧を受取る。可変抵抗94を調整すること
によってオペアンプ88をその出力100においてゼロにす
る(400Hzにて)。この場合、出力100において補正電圧
のみを残存させ乍ら行なう。即ち、第10図に示した補正
信号の振幅対周波数カーブの400Hzより上側および下
側、即ち補正領域における高いスロープおよび低いスロ
ープのみを残すようにする。このように分離された補正
信号をゲインコントロール・ポテンショメータ102を経
てメインプログラム中に戻し、加算増幅器104内で混合
させる。この補正信号およびプログラム信号の両者を加
算増幅器104の反転入力106に導入し、この補正信号を入
力抵抗108を介して導入し、一方、リファレンスロード
補正回路10cおよびプログラム信号キャンセル回路86の
両方をバイパスするプログラム信号をコンダクタ110お
よび入力抵抗112を介してプログラム入力ターミナル12c
から直接導入している。加算増幅器104はその出力116お
よび入力106間に帰還抵抗114を有する。この増幅器104
の出力116をこのシステムの出力ターミナル14cに接続す
る。次にこれをパワーアンプおよび実際の負荷の組合せ
のための接続用にする。
第4図に示した補正信号分離タイプの補正回路には、第
1,2,3図のリファレンスロード補正回路とは異なる数種
の利点がある。例えば約3μsの改善された立上り時間
を有するようになる。第4図の回路で得られた補正信号
によって実際の負荷を流れる負荷電流は400Hzのクロス
オーバー周波数の近傍から20kHzまでのすべての周波数
に対して所望の僅かな進み位相を有するようなる。従っ
て、これによって所望の進んだ位相が得られ、この結
果、スピーカシステムの実際の音響出力は少なくとも同
相であり、高周波の部分その後に低いハーモニック周波
数および基本周波数を正しく順序で再生することができ
る。第4図の回路の重要な利点としては(第1〜3図の
回路に比べて)、補正調整によって立上り時間、即ち位
相が変化しないことである。このことによって第4図の
回路によって補正量の大きなものが得られるようにな
る。第4図におけるリファレンスロード30cのインダク
タ回路部分のQの値を第1〜3図の回路のQ値に対して
約2倍にすることができる。上側周波数の補正が第4図
の回路中で持ち上がったとしても、実際のロードの音響
出力は不自然にかん高くなったりすることは無く、音声
の音質および、ベル,チャイムおよびシンバル等の器具
による高いハーモニックが含まれたサウンドを正確に再
成できる。第4図の回路には他の重要な効果がある。即
ち、これの加算増幅器の出力は負荷感応タイプではない
ことである。この回路のハーモニック歪は第1−3図の
回路のものとほぼ同じである。
第5図に示すリファレンスロード補正システムには、そ
れぞれ別個に高周波および低周波リファレンスロード補
正回路部分118,120が設けられている。これら回路部分
の各々にはそれ自信の変更差動演算増幅器(以下オペア
ンプと称す)122,124が設けられている。プログラム入
力ターミナル12dを入力抵抗126を経てこれらオペアンプ
122,124の各非反転入力に接続する。高周波オペアンプ1
22はインダクタ素子リファレンスロード128および低周
波オペアンプ124はコンデンサ素子リファレンスロード1
24をそれぞれ利用し、それぞれのリファレンスロード12
8,130のクロスオーバー周波数は依然400Hzである。オペ
アンプ122の出力をインダクタ素子リファレンスロード1
28の一方に接続し、このロードの他方をセンシングポイ
ント134に接続し、これを次にセンジング抵抗136および
オペアンプ122の反転入力に接続する。同様に、オペア
ンプ124の出力138をコンデンサ素子リファレンスロード
130の一方に、これの他方をセンシングポイント140に接
続する。このセンシングポイント140をセンジング抵抗
する142およびオペアンプ124の反転入力に接続する。
高周波および低周波補正信号をそれぞれの増幅器の出力
132,138にそれぞれ独立して得られる。これら信号はそ
れぞれの個別のゲインコントロールポテンショメータ14
4,146を経て元のプログラムと混合されて加算増幅器104
aに与えられる。これら高周波および低周波補正信号利
得制限用ポテンショメータ144,146の出力をそれぞれの
加算抵抗148,150を経て、加算バス152に接続する。この
バス152を加算増幅器104aの反転入力106aに接続する。
平坦で、歪みのない完全はプログラム信号をプログラム
入力ターミナル12dからコンダクタ110aおよび加算抵抗1
54を経て加算バス152に導入する。従って、独立して調
整可能な高周波および低周波補正信号を加算バス152お
よび加算増幅器104aで元のプログラム信号と混合する。
帰還抵抗114a(加算増幅器104aの出力116aと反転入力と
の間に接続された)の値は、混合した信号の各々に対し
て1対1利得用の加算抵抗148,150および154のそれぞれ
と同じ抵抗値を有する。加算増幅器104aの出力116aをシ
ステム出力14dに接続し、これを次にパワーアンプとロ
ード(負荷)との組合せに接続するように構成する。
第5図の回路には、高周波および低周波補正に対して独
立して調整可能な特徴の他に、急速な立上り時間および
僅かな進み位相特性が第4図の回路の20kHzまでに得ら
れるようになる。第5図の回路における補正調整によっ
て位相または立上り時間を変化させないことがわかっ
た。ハーモニック歪は約0.4%減衰され、これは前述し
た回路の減衰量の僅か半分である。
第5図の回路構成のように、第6図の構成は、3本の独
立チャネル,高周波,低周波補正チャネルおよび直接通
過プログラム信号チャネルより成る。同図において、低
周波補正チャネルおよびプログラム信号チャネルは第5
図の回路と同一であるが、高周波チャネルには電圧ドラ
イバ回路構成中にインダクタ素子として“アクティブイ
ンダクタ”を採用した点が異なる。このドライバ回路に
よって高周波の振幅および位相補正信号がフィードバッ
ク信号を用いることなく、または到来するプログラム信
号とフィードバック信号との比較を必要とせずに発生さ
れる。この比較は本発明による前述した種々の実施例に
おける高周波補正に対して必要であった。
第6図において、プログラム電圧信号がプログラム入力
ターミナル12eに導入されると共に、高周波および低周
波リフャレンスロード補正回路部分118a,120aを分離す
るようになる。第5図において、低周波補正回路部120a
には、平衡型作動増幅器(オペアンプ)124aが設けられ
ており、このオペアンプによってコンデンサ成分リファ
レンスロード130aをドライブすることにより、センジン
グ抵抗142a間に所望の低周波電圧フィードバック信号が
発生する。更に、このフィードバック信号をオペアンプ
124aの反転入力に印加する。低周波補正信号がオペアン
プ124aの出力からゲインコントロールポテンショメータ
146aおよび加算抵抗150aを経て加算用バス152に供給さ
れる。
第5図の回路の場合と同様に、平坦で減衰されていない
プログラム電圧信号がプログラム入力ターミナル12eか
らコンダクタ110bおよび加算用抵抗154を介して加算用
バス152に供給されるようになる。
第6図の高周波リファレンスロード補正回路部118aはイ
ンダクタ素子としてアクティブインダクタを電圧ドライ
バ回路に利用する。このドライバ回路によって、高周波
補正信号を発生する。この補正信号は第5図で発生させ
たものと実質的に同じものであるが、第5図のフィード
バック回路および入力プログラム信号との比較すること
なく発生させることができる。このアクティブインダク
タを破線ブロックで示し、一般に156で示す。従来のイ
ンダクタを第6図のアクティブインダクタ156として同
一回路位置に設けることが出来るが、本例のインダクタ
の方が好適である。その理由は、リアクタンスの無い完
全なインダクタとして作用するからである。このアクテ
ィブインダクタ156は従来より良く知られているもので
あり、個々のパーツについての詳細な動作を本発明を構
成するものではない。このアクティブインダクタ156に
は、出力と出力が接続された差動演算増幅器158,160が
設けられ、更に、位相シフトネットワーク162,164(そ
れぞれの反転および非反転入力が組合わされている)を
有する増幅器160,抵抗166とコンデンサ168から成る位相
シフトネットワーク162,ならびにコンデンサ170,抵抗17
2より成る位相シフトネットワーク164が設けられてい
る。アクティブインダクタ増幅器160には出力抵抗170が
設けられている。
アクティブインダクタ156の一部であるボルテージディ
バイダ(分圧器)にはこのディバイダの一側部分として
抵抗176が設けられており、この抵抗176の上側端をプロ
グラム入力ターミナル12eに接続し、これの下側端を交
点178でアクティブインダクタ156に接続する。このアク
ティブインダクタ156はディバイタの下側部であり、交
点178からグランドコネクション180まで延在している。
抵抗176とアクティブインダクタ156から成るこのディバ
イダからの出力がアンプ158の出力の交点182から得られ
る。出力ポイント182はボルテージディバイダ交点178に
その振幅および位相に関して対応するものである。その
理由はアンプ158を利得1の非反転ボルテージフォロア
として構成したためである。
高周波補正信号の振幅は、利得制御用ポテンショメータ
144aを介して交点182より取出すことによって調整可能
となり、この高周波補正信号を加算抵抗148aを介して加
算用バス152aに供給する。この加算用バス152aによって
高周波および低周波補正信号およびプログラム信号を加
算増幅器104bに供給する。これの出力116bをシステム出
力ターミナル14eに接続し、このターミナルをパワーア
ンプおよび負荷の組合せたものに接続するようにする。
加算増幅器104bの3つのチャネルのゲインは、高周波チ
ャネル用ではそれぞれのチャネル加算用抵抗148aの値で
増幅器帰還抵抗114bの値を割った値で、低周波チャネル
では抵抗150aで割った値およびプログラムチャネルでは
抵抗154aで割った値である。高周波チャネルのボルテー
ジディバイダ構成によってこれの補正信号の振幅が低周
波およびプログラムチャネルの補正信号の振幅よりかな
り小さいものであるので、高周波チャネル用の加算抵抗
148aは低周波およびプログラム信号チャネルの加算抵抗
148aよりかなり低い値となり、例えば1/10の比率であ
り、これら3つのチャネル間に平衡が得られた出力が供
給されるようになる。
アクティブインダクタ高周波チャネルリファレンスロー
ドは以下の方法で作動し、これによって高周波補正信号
が得られる。400Hzのクロスオーバー周波数において、
高周波チャネル118aのアクティブインダクタ156および
低周波チャネル120aのコンデンサ素子リファレンスロー
ド130aは互いにキャンセルしてバランスを取るようにな
る。プログラム周波数は400Hzクロスオーバー周波数よ
り上へ増加するにつれて、アクティブインダクタ156の
インピーダンスは徐々に増大し、この結果、抵抗176を
有するボルテージドライバ構成において電圧降下の徐々
に大きくなる部分が大部分占めるようになり、交点182
に徐々に大きなる補正信号電圧出力が得られ、従ってゲ
インコントロールポテンショメータ144aを経て加算用バ
ス152aおよび加算用増幅器104bへ供給される。可聴ハー
モニックより速い立上り時間を有する補正信号の連続的
且つ、瞬時的な特性によって、ボルテージディバイダ出
力交点182からの補正信号出力が、プログラム信号に対
して僅かに進んだ位相を有るようになる。これは400Hz
のクロスオーバー周波数から20kHzまでのすべての周波
数において実現するものである。高周波補正信号の位相
は進み位相であり、実際上、アクティブインダクタ156
によって生じた連続的、且つ瞬時的な位相遅れの成分で
ある。
第6図のリファレンスロード補正回路は前述した補正回
路のハーモニック歪よりかなり少ない歪、0.1%程度
で、約2〜3μsの改善された立上り時間を有するよう
になる。更に、高周波および低周波チャネル118aおよび
120aにおいて補正量を調整することに伴って位相補正ま
たは立上り時間に如何なる変動も生じさせない特徴があ
る。
第7図に示したリファレンスロード補正システムにおい
ては、独立した高周波および低周波チャネル118bおよび
120bを第5,6図のシステムで設けたように設けるが、こ
れら独立のチャネルに対するリファレンスロードは第6
図の高周波チャネルボルテージディバイダの構成に類似
したボルテージディバイダの構成中に設けられる。所望
に応じて、第7図の高周波補正チャネル118bを第6図の
高周波補正チャネル118aを同一に作ることができ、この
場合、第6図のアクティブインダクタ156を採用する。
しかし乍ら、高周波チャネルインダクタ素子ボルテージ
ディバイダ構成を簡単な形態で表わすために、実際のイ
ンダクタ156aを、アクティブインダクタ156の代りに第
7図にインダクタ素子として表示してある。
第7図の高周波チャネルボルテージディバイダは、プロ
グラム入力ターミナル12fおよびアース間に接続された
抵抗176aおよびインダクタ素子156aより構成されてい
る。高周波補正信号出力がボルテージディバイダ素子17
6aおよび156a間の交点178aから得られ、これをゲインコ
ントロールポテンショメータ144bおよび加算抵抗148bを
介して加算バス152bへ、従って加算用増幅器104cに供給
する。第7図の高周波補正チャネル118bは第6図に高周
波補正チャネル118aと全く同様に動作する。
第7図の低周波補正チャネル120bにはプログラム入力タ
ーミナル12fおよび接地間にボルテージディバイダが設
けられ、これは抵抗184,リファレンスロードコンデンサ
素子186より成る。このリファレンスロードディバイダ
からの出力ジャンクション(交点)188によってこれの
低周波補正信号がゲインコントロールポテンショメータ
146bおよび加算抵抗150bを経て加算バス152bおよび加算
増幅器104cに供給されるようになる。
平坦で、且つ減衰されていないプログラム信号がプログ
ラム入力ターミナル12fよりコンダクタ110cおよび加算
抵抗154bを介して加算用バス152bおよびこの結果加算増
幅器104cに供給される。混合された高周波および低周波
補正信号およびプログラム信号を加算増幅器104cの出力
116cからシステム出力14fに供給され、この出力をパワ
ーアンプおよび負荷の組合せたものに接続する。高周波
補正チャネル118bおよび低周波補正チャネル120bの両方
のボルテージディバイダにおける減衰のために、高周波
および低周波チャネル用のそれぞれの加算抵抗148bを加
算増幅器104cの帰還抵抗114cおよびプログラムチャネル
コンダクタ110cの加算抵抗154bよりかなり小さな値とす
る。このことによって、高周波および低周波の補正チャ
ネル118b,120bからの補正信号が増幅されてプログラム
信号に対する比率を補正するようになる。
高周波補正チャネル118bにおけるリファレンスロードイ
ンダクタ素子156aおよび低周波補正チャネル120bにおけ
るリファレンスロードコンデンサ素子186の平衡が取ら
れて400Hzのクロスオーバー周波数で互いにチャンネル
するようになる。低周波チャネル120bにおけるコンデン
サ素子リファレンスロードボルテージディバイダは第6,
7図の高周波チャネルにおけるインダクタ素子リファレ
ンスロードボルテージディバイダと以下の点を除いて同
じ方法で動作する。即ち、このボルテージディバイダ
は、400Hzより下側において反対の周波数方向に作動す
ることである。従って、周波数が400Hzより低い値に低
下するので、リファレンスロードコンデンサ素子186の
インピーダンスは増大し、この結果で、コンデンサ186
での電圧降下の割合がディバイダ(抵抗184,コンデンサ
186)における全体の電圧降下に比べて大きくなり、こ
の結果、増加した補正信号出力がボルテージディバイダ
の交点188からゲインコントロールポテンショメータ146
bまで、従って、加算抵抗150bと加算バス152bを経て加
算増幅器104cへ供給されるようになる。ボルテージディ
バイダ交点188で発生した低周波補正信号の位相は遅れ
位相であり、実質的に連続的なものである。コンデンサ
成分の位相のようにコンデンサ186により位相進みの瞬
時の補償が低周波レンジに亘って変動する。従って、プ
ログラム信号に関連して進んだ位相(コンデンサ成分
の)によって、低周波補正信号をこのプログラム信号に
対して遅らせるようになる。このような位相遅れ補正電
圧信号により、進み位相を補償し、さもなければ、この
進み位相が実際の負荷の誘導性リアクタンスによって低
周波で発生してしまうようになる。同様な方法、しかし
反対な処理方法で、高周波チャネル148bからの高周波補
正電圧は進み位相を有し、これによって、位相遅れを補
償する。この位相遅れは、実際の負荷の誘導性リアクタ
ンスにより高周波において発生してしまうものである。
第7図の負荷補正システムにおいて、入力ドライバ抵抗
176aおよび184によって第10図の補正信号カーブの高周
波および低周波成分のそれぞれのスロープをセットする
ようにする。このカーブの高周波および低周波成分の高
さをゲインコントロールポテンショメータ144bおよび14
6bのそれぞれをセットすることによって調整することが
できる。第6図のシステムにおいて、このカーブの高周
波部分のスロープを入力分圧抵抗176によってセット
し、他方、低周波部分のスロープをセンシング抵抗142a
によってセットする。これら成分の高さをゲインコント
ロールポテンショメータ144a,146aのそれぞれによって
調整可能にセットできる。第5図のシステムでは、カー
ブの高周波および低周波成分のスロープはセンシング抵
抗136,142のそれぞれの値によってセットされ、他方、
これら成分の高さは、ゲインコントロールポテンショメ
ータ144,146によって調整できる。第4図のシステムに
おいては、カーブの高周波および低周波成分のスロープ
を単一のセンシング抵抗34cによってセットでき、これ
の高さはリファレンスロード3のインダクタおよびキャ
パシタ間の可変シャント抵抗によって独立して調整可能
となる。更に、両方のカーブの高さは1個のゲインコン
トロールポテンショメータ102によって共同して調整す
ることができる。
第7図の性能(パーフォマンス)は第6図のものとほぼ
同一であり、約2〜5μsの立上り時間で、約400Hzの
クロスオーバー周波数より20kHzまでは進み位相で、位
相または立上り時間を歪せることなく調整できる。第6
図のものと同様に、第7図のシステムは極めて低い約0.
1%のハーモニック歪を有する。第1〜5図の回路で前
述したハーモニック歪は、原理上第3高調波(ハーモニ
ック)歪であることが知られているが、このような歪は
本発明の第6,7図の回路によってほぼ完全に除去でき
る。
第8図は、本発明の他の簡単な回路形態である。これに
は、第5,6,7の回路と同様な方法で高周波および低周波
の独立のチャネルが設けられている。しかし乍ら、第8
図は第5,6および7図の回路により改善された種々の特
徴がある。第1に、第8図の高周波および低周波チャネ
ルにおいてインダクタおよびコンデンサリファレンスロ
ード成分が簡単なRC(抵抗,コンデンサ)位相シフトネ
ットワークとなっており、これによって、オーディオス
ペクトルの高周波および低周波成分の位相を適当な方向
にシフトさせると、同時にこれらは、本発明の他の回路
のインダクタおよびコンデンサ成分と同じ方法で、周波
数応答した振幅を有する。第8図のRC回路タイプのイン
ダクタ成分による実施例によって、第5図および第7図
の実際にチョークインダクタのような不所望に大きく、
コストの高い部品を用いなくて済み、更にこの回路を小
さなハイブリッドICチップに具現化することが可能とな
る。
第8図の回路と、第5,6および7図の回路とのもう1つ
の差は、高周波チャネルにおけるリファレンスロードイ
ンダクタ素子と低周波チャネルにおけるリファレンスロ
ードコンデンサ素子はそれぞれハイパスおよびローパス
フィルタを有し、更に第5,6,7図のそれぞれのストレー
ト通過フルプログラム信号チャネル110a,110b,110cの代
りに、第8図の回路にはこれと同じ中心チャネルに中間
レンジのバンドパスフィルタを有することである。この
ように分離された高,低および中間周波数レンジを有す
ることにより、中間レンジに対して高域および低域の振
幅を所望のバランスで調整できる。本願人によれば、40
0Hzにしスポンスの中心を有し、約700と200Hzにコーナ
ーの周波数を有する(これらコーナー周波数は3dB落ち
たポイントである)中間レンジのバンドパスフィルタに
よって優れた性能が得られ、更に約1kHzで中間レンジの
センタレベルより上側のハイパスフィルタおよびフェー
ズシフタ(移相器)で、1オクターブで約6dB(最大
限)のスロープ(傾き)調整が出来、更に、約300Hzで
中間レンジの中心レベルより上側のローパスフィルタお
よび移相器で、1オクターブで約6dBまでスロープを調
整でき、約200Hzでレベルが落ち、20Hzより下側までほ
ぼフラットな特性を有し、リファレンスロードインダク
タ素子200およびコンデンサ素子210は400Hzのクロスオ
ーバー周波数で互いに打消し合うような特性が得られる
ことがわかった。
第8図に示した回路の特別な詳細について説明すると、
高周波および低周波補正チャネルを通常118cおよび120c
で表わす。これらチャネルを入力交点12gと出力加算152
cとの間に並列回路として構成する。
高周波チャネル118cのリファレンスロードインダクタ素
子を200で表わし、本例では、これはパッシィブタイプ
のハイパスフィルタおよび移相器とし、これによってス
ペクトルの高周波部分に対して進み位相とし、高域の位
相進みおよび振幅の両者を約1kHzから少なくとも20kHz
までの間の周波数に対して増大させて、誘導性リアクタ
ンスの遅れ周波数応答特性および負荷の慣性特性に対し
て補償するようにする。このパッシィブハイパスフィル
タおよび移相器200は一対の抵抗202,204および一対のコ
ンデンサ206および208より構成される。このリファレン
スロードインダクタ素子200の出力をマニアルによるゲ
インコントロールポテンショメータ144cおよび加算抵抗
148cを経て加算バス152cへ供給する。
一方、低周波補正チャネル120cにはパッシィブタイプの
ローパスフィルタおよび移相器形態のリファレンスロー
ドコンデンサ素子210が設けられており、これによって
低周波信号に位相遅れを生じさせると共に、この位相遅
れおよびこの信号の振幅の両方を約300Hzより落ちる周
波数に対して増大させることになり、この結果、容量性
リアクタンス負荷および負荷の周波数応答特性に対して
補償する。このパッシィブタイプの低周波フィルタおよ
び移相器(即ち、リファレンスロードコンデンサ素子21
0である)は一対の抵抗212,214および一対のコンデンサ
216,218より構成されている。この低周波補正チャネル1
20cの出力をマニアルのゲインコントロールポテンショ
メータ146cおよび加算抵抗150cを経て出力加算用バス15
2に供給する。ハイパスフィルター200とローパスフィル
ター210は約400Hzのクロスオーバー周波数で互いにキャ
ンセルしてバランスを取るようになる。
番号220で表わされた中間レンジチャネルをまた、入力
交点12gと出力加算用バス152cとの間の高周波チャネル
および低周波チャネルと共に並列回路として構成する。
中間レンジチャネル220にはコンダクタ222および演算増
幅器224が中間レンジのバンドパスフィルタ構成で設け
られている。このバンドパスフィルタ224の出力を加算
用抵抗154cを介して出力加算用バス152cに取出す。
入力交点12gへの入力をボルテージフロア226を介して供
給する。このボルテージフロア226は3つの並列回路118
c,120cおよび220に対してインピーダンスマッチングす
るために極めて低い出力インピーダンスを有するもので
ある。加算用バス152cが加算用増幅器104dに与えられ、
これには帰還抵抗114dを有しており、これの出力をシス
テム出力14gに接続する。加算増幅器104dにおける3つ
のチャネル信号の各ゲインは、帰還抵抗114dの値と各チ
ャネル加算用抵抗148c,150c,154cの値との比率となる。
一般に、高周波ハーモニックは、中間レンジ周波数帯域
の基準ハーモニックであり、高周波チャネル118cのゲイ
ンコントロールポテンショメータ144cで中間周波数に対
する高周波の振幅を調整する能力によって、高周波の振
幅と、高周波ハーモニックとトランジェントをマスキン
グしないようなハーモニックの中間レンジの基本周波数
の振幅との間に最良のバランスが得られる。
第9図の回路によって高周波と中間レンジの周波数間の
このようなバランスの自動調整が達成される。これは、
このバランスが入力プログラム中の変動に従って所望の
プリセットバランスから変位するからである。
第8図の性能は第6,7図のものと殆ど同じで、約2〜5
μsの立上り時間で、400Hzのクロスオーバー周波数か
ら20kHzまでは進み位相で、位相や立上り時間を妨害せ
ずに回路を調整できる。第6,7図の回路と同様に、第8
図の回路では、約0.1%より少ない極低のハーモニック
歪となる。
第9図において、入力交点12hへの入力をインピーダン
スマッチング用のボルテージフォロア227を経て供給す
る。高周波補正チャネル118d,低周波補正チャネル120d
を入力交点12hと出力加算バス152d間の並列回路に接続
する。このチャネル120dは第8図のチャネル120cと同じ
ものであり、パッシィブタイプのローパスフィルタおよ
び移相器210を有し、このチャネル120dからの出力をマ
ニュアルゲインコントロールポテンショメータ146dと加
算抵抗150dを介して出力加算バス152dに供給する。
チャネル118dはハイパスフィルターのRCネットワーク22
8であり、これによって位相進みが生じ、振幅と共に約1
kHzから20kHzまでの周波数と共に進みが増加するように
なる。このハイパスフィルターのRCネットワークは抵抗
230および一対の抵抗232,234より構成される。ハイパス
フィルター228の出力は加算用またはゲイン設定用抵抗
対236,238を通過する。この抵抗対は中間の交点240で分
割された分離抵抗として見なせる。抵抗238を出力加算
バス152dに接続する。自動的に変化する抵抗242(FETが
望しい)を交点240とアースとの間に接続してこれによ
って加算用ゲインセット抵抗ペア236,238の有効抵抗を
変化させ、中間周波数に対して高周波の振幅を自動的に
バランスさせる。このことは、プログラムが自動的に補
償されて再生され、これは高周波信号レンジにおいて過
剰等価または不足等価処理され、全体または一部分のプ
ログラムに対して行われる。この自動補償によって適当
な方法でプログラムを混合して高周波レンジおよび中間
レンジ間に正しく、プリセットされたバランスが実現す
る。自動補償回路の詳細については後述する。
他の実施例で説明したように、ハイパスフィルター228
とローパスフィルター210210は平衡がとられ、400Hzの
クロスオーバー周波数でほぼ相殺し合うようになる。
中間レンジのチャネルは244で表わされ、これのコンダ
クタ246を入力交点12hに接続し、更に中間レンジバンド
パスフィルタ248に導く、このフィルタは第8図のフィ
ルタ224とほぼ同じ周波数応答特性を有するが、本例の
場合、このフィルタ248もまたインバータであり、高周
波信号を中間レンジの信号から180°だけ分離するよう
になる(後述する)。中間レンジバンドパスおよびイン
バータ248の出力は加算抵抗250を通って出力加算バス15
2dに流れる。
高周波補正チャネル118dおよび中間レンジチャネル244
の出力間における振幅バランスを調整するための第9図
の自動システムは、検出器および加算システムであり、
負のDC出力検出器がチャネル118d中の高周波信号を検出
してこれの平均振幅に類似したDC電圧を発生する。更に
正のDC出力検出器は中間レンジチャネル244中の信号を
検出し、これの平均振幅を表わしたDCアナログ出力を発
生し、これら検出器の負および正のDC出力が加算アンプ
で混合される。このアンプのDC出力によって可変抵抗24
2を自動的に調整する。このようなデュアル検出器およ
び加算アンプの回路システムが如何に作動するかは回路
自身の詳細な説明に関連して説明される。
この回路システム用の減衰されない中間レンジ信号のソ
ースは中間レンジバンドパス248における中間レンジチ
ャネルコンダクタ246中の交点252である。コンダクタ25
4は交点25から中間レンジ検出器256までを導く。これは
整流器であり、プログラム中間レンジ周波数の平均DCで
ある出力を与えるものである。検出器256の正のDC出力
はゲイン調整用ポテンショメータ258を通って流れる。
これはシステムの主要調整部材であり、更に加算抵抗26
0を通って加算アンプ264用の入力交点262に流れる。こ
のアンプには帰還抵抗266が設けられている。この抵抗2
66の値と加算抵抗260の値との比率によってゲインを決
定し、加算アンプ264によってゲインが中間レンジDCに
与えられる。加算アンプ264はこれの入力交点268におい
て負にバイアスされ、これはポテンショメータ268から
抵抗270を介して与えられる。この負のバイアスの量は
採用したFETのタイプに従って変化する。一般的には、
約3V程度である。
一方、高周波信号のソースは、この補正チャネル118dの
交点272である(コンデンサ234と抵抗236との交点)。
この位置に交点272を設けると、減衰されていない高周
波信号のソースがコンダクタ273から高周波検出器であ
り、高周波の平均振幅に類似した負のDC電圧を与えるよ
うになる。この負のDC出力はプリセットされたトリマー
ポテンショメータ276および加算用抵抗278を介してDC加
算増幅器264の入力交点262に供給される。このアンプ26
4によって負の高周波レンジ負出力電圧に与えられるゲ
インは帰還抵抗266の値と高周波加算抵抗278の値との割
合である。
中間レンジ検出器256からの正のDC情報および高周波レ
ンジ検出器274からの負のDC情報を含む加算アンプ264の
加算出力がコンダクタ280を介してFET242に供給され
る。このFETは可変抵抗構造となっている。このFET回路
は、加算アンプ264の出力電圧における増加が可変抵抗2
42の抵抗値を増大させるように構成され、加算アンプ26
4のDC出力電圧における減少がこの抵抗242の抵抗値を減
少させるようになる。プログラムの高周波および低周波
部分間のバランスの自動調整を与える方法は以下の通り
である。
可変抵抗FET242によって分割されたゲインのセット抵抗
236-238の中間における交点240へのボルテージディバイ
ダを構成するので、FETの抵抗が上昇および下降するに
つれて、高周波補正チャネル118dから1次加算増幅器28
4へ多い信号または少ない信号を流すようになる。プロ
グラム中間レンジ周波数の平均振幅がプログラム高周波
の平均振幅に近づいて来た場合には、中間レンジの検出
器256の正のDC出力が高周波レンジの検出器274の負のDC
出力に比べて上昇し、更に加算アンプ264のDC出力も従
って上昇し、これによって可変抵抗242の抵抗が増大す
るようになる。高周波チャネル118dのゲインを増大させ
る。反対に、高周波信号の平均振幅が中間レンジの信号
の平均振幅に比べて上昇した場合、高周波検出器274の
負のDC出力が増大し、これによって加算アンプ264のDC
出力電圧が低下し、更にFET可変抵抗242の抵抗値も少な
くなる。この結果、高周波チャネル118dのゲインが低下
する。この方法において、このシステムによって連続的
且つ、自動的に、プログラムの高周波および中間レンジ
部分間の適当なバランスが見つけられ、これは、メイン
調整ポテンショメータ258および高周波プリセットトリ
マポテンショメータ276のセット(設定値)によって決
まる。
従って、これから明らかなように、この自動バランスシ
ステムの中間レンジ部分はエキスパンダの方法と同様な
機能を有する。この理由は、高周波チャネル118dのゲイ
ンを増大し、中間周波数の平均振幅における増加にマッ
チするようになる。反対に、高周波部分に対しては、コ
ンプレッサのように機能する。この理由は、高周波チャ
ネル118dのゲインを減少させて高周波信号の平均振幅に
おける増加を補償させる。従って、全体のバランスシス
テムはコンパンダ(compander)のような機能を有する
ようになる。
中間レンジおよび高周波信号間における振幅バランスの
自動化は重要なことである。即ち、第8図に関連して説
明した事実によるもので、一般に高周波ハーモニック
は、中間レンジ周波数バンドにおける基本波のハーモニ
ック(高調波)であり、このように密接な関係がある高
周波および中間レンジの周波数を有し、増幅されたプロ
グラムは、これらが適当なバランスを保っているなら
ば、更に現実的なものとなる。プロトタイプの回路では
同様な自動バランス方法が低周波チャネルで設けられて
いたが、これによって増幅されたプログラム出力を十分
に改善して余分な費用や複雑度を増さないようには出来
なかった。
中間レンジバンドパスフィルター及びインバーター248
によって与えられる中間レンジチャネル244における位
相反転の理由は高周波ハーモニック及びトランジェント
を耳の後ろにセットする為でありこのセットは中間周波
数を聞けるようにセットする前に行ない、これによって
高周波が中間周波数によって完全にマスクされないよう
になる。従って、第9図の回路において高周波の位相は
前述した他の回路における位相よりかなり進むようにな
る。この事は実際において良好なセパレーション及び良
好な細部の表現(高周波の)が与えられる様になる。中
間レンジチャネルを通過する中間レンジの信号はインバ
ータ248により位相反転され遅延されるので高周波補正
チャネルを通る信号は中間レンジチャネルを通過する信
号に対し、相対的に進んだ信号となり、高周波の位相進
みは中間レンジチャネル244の位相反転により達成され
る。従って余分なオペアンプの必要性がなくなる。この
理由はオペアンプ248はバンドパスフィルター及びイン
バーターの2の目的を達成し、セパレートオペアンプが
高周波チャネル118dの中に必要されるからであった。し
かしながら高周波及び中間レンジ周波数間の同様な位相
分離がこのチャネル118dにインバーターを設ける事によ
って達成される。中間レンジチャネル244の反転によっ
て低周波チャネル120dにおける低周波のセパレーション
に問題を生じさせるがこれは実際上、耳で聞く事はでき
ない様に思える。高周波及び低周波間の正しいバランス
作業及び高周波に起こる大きな位相の進みによって高周
波の細部が改善される。この結果基本周波数レンジに何
かを忘れてきた様な精神的フィーリングが得られる。こ
の事はチャネル120dのポテンショメーター146dを調整し
て低周波チャネルのゲインを上昇させるように保障でき
る。ハイパスチャネル118d及び中間レンジバンドパスチ
ャネル244間の自動的バランスとは別にして3つのチャ
ネルの周波数応答特性は第9図の回路及び第8図の回路
とほぼ同じである。又、中間レンジチャネルの反転の結
果は別にして第9図の回路の性能は第6,7,8図の回路の
ものと少くとも同じであり立ち上がり時間及びハーモニ
ックひずみが改善される。第10図は補正信号の振幅帯周
波数の曲線を示しこれは第4から9図に示した補正シス
テムの代表的なものである。この曲線は第1〜3図のシ
ステム用と同じであるが高周波部分は第1から3図のシ
ステム用より、それ程高いものではない。この理由は前
述したひずみの為である。このひずみはリファレンスロ
ードのインダクター成分のQがあまりにも高く同周する
からである。
比較すると11図に示した曲線は代表的なスピーカー(8
オーム400Hz)に対してメーカーから与えられたインピ
ーダンス/周波数応答曲線である。このカーブは従来の
スピーカーにおける固有の重大な問題点を現わしており
これら問題点はリファレンスロード補正回路によって補
正することができる。
先ず第10図を参照すると補正信号のカーブが190で表わ
されており、これには、400Hzのクロスオーバー周波数
より上側に高周波部分192と、これより下側に低周波部
分194とが含まれている。400Hzでは補正信号が存在しな
いが、このカーブ190の両部分192,194は400Hzのゼロポ
イントから接線的に立上っている。
このカーブ190の高周波部分192は400Hzポイントから上
側に徐々に傾斜しており、約1,000Hzから開始して10kHz
まで1オクターブ当り約4〜6dBで上昇する。ここでカ
ーブは丸るくなり、20kHzでほぼ平坦となる。20kHzより
上側では追加の補正はサウンドに対して十分に貢献しな
い。
カーブ190の低周波部分194は400Hzより下側で徐々に立
上り約40Hzまでオクターブ当り約3dBの傾きを有し、約5
Hzまでは丸るくなると共に、レベルが下る。
第11図を参照すると、番号196で表わされたインピーダ
ンスカーブはスピーカのトータルインピーダンスを表わ
すものである。約400Hzより上側において、このインピ
ーダンスは抵抗および誘導性リアクタンスのベクトル合
計を表わし、約400Hzより下側ではこのインピーダンス
はスピーカコイルの抵抗および容量性リアクタンスのベ
クトル合計である。しかし、これは、スピーカのコンプ
ライアンスおよびオープンエア(開放)コーン共振によ
って生じた容量性リアクタンス効果が一番影響を受け
る。このようなトータルインピーダンスカーブ196から
明らかなように、8オームのスピーカに対するメーカー
の規格は約150Hzから600Hzまでの極めて狭い限定された
周波数レンジにおいてのみ正しいものであり、トータル
インピーダンスはもっと大きな値となる。従って、この
ロード(負荷)の誘導性リアクタンスのために、このイ
ンピーダンスは約2,300Hz付近では2倍の16オームとな
る。更に約10kHzでは4倍の32オームとなる。約150オー
ムより下では、インピーダンスカーブ196はインピーダ
ンスピークまで鋭く立上り、このピークはスピーカのコ
ーンリアクタンスによって一義的に決められ、20Hzでは
8オームに鋭く下へ向けて傾斜するようになる。
アンプからスピーカへ供給されたパワー、即ちスピーカ
の音響出力はスピーカのインピーダンスに反比例するの
で、第11図のスピーカインピーダンスカーブ196から明
らかなように、約400Hzより上側において、増幅器プロ
グラムにおける高周波部分は低周波部分に比べて著しく
減少するので(音響出力)、その結果オーバートーン構
造の多くが減衰されたり失われたりすると共に、このプ
ログラムのフォーマット構造が極めて悪い影響を受ける
ようになる。プログラムの振幅の大きな損失が発生する
上に、更に、スピーカの誘導性リアクタンスによってプ
ログラム電圧に対して負荷電流に大きな位相遅れが生じ
る。またこのような位相遅れは、高い周波数において著
しく増大するようになる。従って、インピーダンスカー
ブ196で表わされたスピーカの誘導性リアクタンスによ
って生じる負荷電流の位相遅れ角度は400Hzで約33°,90
0Hzで約45°および5kHzで約70°と大きくなる。このよ
うな負荷電流のプログラム信号に対する位相遅れ角度は
前述したトランジェント歪に直接応答するもので、この
歪では基本波および低ハーモニック周波数によって高周
波ハーモニックをマスクするようになる。スピーカのコ
ンプライアンスおよびコーン共振によって生じた400Hz
以下のインピーダンスカーブ196の立上りは進み位相を
有し、これは通常最悪でもマスク作用に問題を起すもの
である。
本発明による第10図の補正信号カーブ190と、第11図の
代表的なトータルスピーカインピーダンスカーブ196間
に一般的な類似性は注目に価いする。第10図の補正信号
の高周波部分192はインピーダンスの増加をほぼ完全に
克服するのに十分なレース(比率)で立ち上る。このイ
ンピーダンスの増加は、第11図のスピーカインピーダン
スカーブの立上り部分で表わされているようにスピーカ
の周波数と共に増大するものである。前述したように、
本発明によって得られたリファレンスロード補正信号に
よって第19図に示したようなスピーカの位相遅れをほぼ
完璧に補正することができると共に、第4−8図に示し
た本発明の回路によって実際上、400Hzのクロスオーバ
ー周波数から20kHzまでのすべての周波数に対してプロ
グラム信号電圧の位相に対して僅かに進んだ負荷電流の
位相が与えられる。これは、スピーカの音響出力が以上
の周波数スペクトル全般に沿って実質的に同相であるも
のと仮定した。更に、第9図に示した回路によって、中
間レンジ周波数に対して高周波ハーモニックの位相進み
の量が大きくなり、これにより高周波分が強調される。
このことについては第9図に関連して詳述した。
第10図に示したカーブ190の低周波部分194によってスピ
ーカのコーン共振ピークを完全に補償出来ないが、これ
の部分194の傾きおよび高さを調整でき、この結果、ス
ピーカの低周波音響出力は良好となる。20Hz以下のすべ
ての低周波部分194のレベル調整された部分を利用する
ことによってパーカッションサウンド(衝撃音)が明解
に聴えるようになる。このカーブ190の低周波部分194に
おけるリファレンスロード補正に関する最重要事項は低
周波補正信号は約25〜30程度の位相遅れを生じることで
あり、これはスピーカインピーダンスカーブのコーン共
振セクションの立上り部分の進み位相を相殺することが
できる。
スピーカシステムの負荷補正のために本発明を採用した
リファレンスロード補正回路がすでに開示されてきた
が、本発明は他の増幅器でドライブされる負荷の不足量
に対して同様に補正することができる。この場合、リフ
ァレンスロード回路素子を、負荷が何んであろうとも、
ドライブされる負荷の電気的および機械的特性に対して
等価なモデルとして選択できる。
本発明の初期の実験用プロトタイプでは、実際のスピー
カ負荷がリファレンスロードとして用いられた。また、
他の初期プロトタイプのものでは、第1図に示したパッ
シィブリファレンスロード30が、インダクタおよびコン
デンサ回路素子と共に用いられた。これら素子は実際の
スピーカ負荷で見られるようなインダクタンスおよびコ
ンデンサにほぼ相当する値を有する。しかし乍ら、この
ようなプロトタイプによる実験によって、本発明のリフ
ァレンスロードのインダクタ素子は実際のスピーカ負荷
のインダクタンスの等価なモデルとして作用するだけで
なく、スピーカ負荷の機械的慣性に対する類似のモデル
としても作用する。印加されたプログラム電圧に関連し
てインダクタの電流応答カーブは、スピーカの機械的応
答カーブに極めて近似している。矩形波電圧パルスをイ
ンダクタに印加すると、インダクタを通る電流はこのパ
ルスの前縁および後縁において位相遅れを生じ、このよ
うな位相遅れ(前縁の)は機械的慣性による遅に対応
し、このような後縁の位相遅れは慣性におけるオーバー
ショートに相当するものである。第1〜9図に示した本
発明の実施例における誘導性リアクタンスおよび慣性間
におけるこのような対応に利益が得られる。これは、十
分なリファレンスロードインダクタ成分を与えることに
よってスピーカシステムのインダクタンスに対して等価
なモデルとして作用すると共に、更にスピ−カシステム
の機械的慣性に対する類似のモデルとして作用する。従
って、リファレンスロードのインダクタ回路素子を適切
に選択することによって、補正信号振幅およびパサーが
十分与えられ、スピーカシステムの誘導性リアクタンス
および規格的慣性の両者に対してほぼ完全に協動して補
償することができる。
同様に、本発明のリファレンスロードのコンデンサ回路
素子は、実際のスピーカシステムのキャパシタンス用の
等価モデルとしてのみならず、スピーカシステムのコン
プライアンスおよび関連したオープンエアコーン共振用
の類似モデルとしても作用可能であることがわかった。
この結果、本発明の低周波補正信号は実際の負荷スピー
カシステムの静電性リアクタンスを補償するだけでな
く、これと協同してスピーカシステムのコンプライアン
スおよびコーン共振に対しても補償することができる。
Crooksの米国特許第4,206,954に開示された増幅器負荷
補正システムにおいては、補正が実際のトランスデュー
サ負荷電流の検知によって行われ、この負荷(ロード)
は例えば、クロスオーバネットワークを有する複数のス
ピーカ、またはマルチスピーカ分配ラインシステムのよ
うに、単一スピーカとは異なりかなり複雑なものとなっ
ており、このようなシステムによれば、検出にマイク作
用を与えてしまうと共に補正を干渉してしまう。本発明
のリファレンスロード補正システムでは、このような問
題を完全に克服出来、更に、実験的プロトタイプのもの
では、複雑なスピーカシステムを広範囲に亘ってテスト
し、またこのような種々のスピーカシステムと協動し得
るもので、スピーカシステムのリアクタンスおよび慣性
をすべての場合においてほぼ完全に補正できることがわ
かった。
前述の米国特許におけるダイレクトロードセンシングシ
ステムにおける他の問題点は、本発明のリファレンスロ
ードを採用することによって完全に治すことができる。
即ち、実際の負荷は不完全なもので、予測出来ないが、
本願のリファレンスロードは完全に予測ができ、ほぼ完
全なモデル負荷として作動する。従って、本発明のリフ
ァレンスロードによって、実際の負荷における不完全性
をほぼ完全に治すことができるが、上述の米国特許シス
テムではスピーカシステムにおける不完全性を補正でき
ない。
また、本願のリファレンスロードシステムの利益は、こ
のシステムをアンプ/スピーカシステムに簡単に組込む
ことができ、この場合、プリアンプからの入力ジャック
と、パワーアンプからの出力ジャックのみが必要であ
り、従来のように、負荷のドライブ用の追加の接続を必
要としないものである。
本発明のリファレンスロードは負荷のドライブより完全
に分離されており、(前述した従来システムのと比較に
おいて説明されている)、このような完全な分離はダイ
レクトロード検知システムの各問題点を克服するのにク
リティカルな要因である。
本発明の位相およびトランジェント接続特性を示すテス
トにおいては、完全に独立した同一の最新式スピーカを
単一のパワーアンプの2つチャネルの各々に接続し、グ
ラフィックイコライザを用いてスピーカの周波数レスポ
ンスをゼロに合せ、これにより音響出力を各チャネルに
おいてフラットにした。本発明の実験的プロトタイプの
もを一方のチャネルのプリアンプおよびパワーアンプ間
に接続した。リファレンスロード補正システムを用いた
場合と用いない場合とにおいてはオーディオ特性はドラ
マチックに差があった。例え、プログラムは実際に録音
されたプログラムであったとしても、ライブサウンドの
ような音でもマスキング効果が無った。しかし、本願の
リファレンスロード補正システムが無いものでは、高周
波トランジェントがマスクされてしまった。
本発明によれば、種々のオペアンプを満足に使うことが
でき、例えば、モトローラ,ナショナルおよびライソン
社の標準品で4558デュアルオペアンプがある。これは低
雑音で速いレスポンス特性の高性能オペアンプである。
また、TLO62のオペアンプがテキサスインストルメント
社より得られる。第9図のFET242はシリコニックス社の
J230FETが入手できる。
第1−9図の回路には種々の回路素子の値が表示してあ
るが、これらはこれに限定されるものではない。
前述した本例では、リファレンスロード補正信号を増幅
器ライン中に直接与えるものであったが、これに限らず
録音されたプログラム情報の処理時に採用することもで
きる。従って、生か予め録音されたオリジナルプログラ
ムをリファレンスロード補正システムを用いた増幅器ラ
イン中に与え、これの出力プログラムを録音することが
できる(これには補正電圧が印加されている)。次に、
このように処理されたレコーディングが負荷をドライブ
するあらゆるアンプ−負荷システムを介して与えられる
と、レコーディング中のリファレンスロード補正信号が
十分な補正を負荷に与え、これはあたかも本願の補正シ
ステムがアンプ−負荷ラインに物理的に接続されたよう
になる。このようにサウンドのプロセッサとして用いた
補正回路によってスピーカ補正信号を営業用のレコー
ド,テープ,ビディオテープ,映画のサウンドトラック
のレコーディング中に加えることもできる。この場合処
理された補正信号が実際にレコーディング中に記録され
ている。このような構成を第12図に示し、ここでは、レ
コーディングステージ290をリファレンスロード補正シ
ステム10の出力ターミナル14とパワーアンプ18の入力タ
ーミナル16との間に接続してある。第12図は第1図に示
したシステム10と一緒に示されているが、第2−9図の
他のシステムを第1図のシステム10の位置に代用させる
こともできる。
本発明は上述実施例のみに限定されず、種々の変更を加
え得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明の理解を容易にするための回路
図。 第9図は本発明の実施例を示す回路図。 第10図は補正信号の振幅/周波数曲線図。 第11図はスピーカのトータルインピーダンス/周波数レ
スポンス曲線図。 第12図は他の実施例を示すブロック図。 10……リファレンスロード補正回路、18……パワーアン
プ、30,30a,30b,30c,30d……リファレンスロード、86…
…プログラム信号キャンセル回路、118,118a〜118d……
高周波補正チャネル(回路)、120,120a〜120d……低周
波補正チャネル(回路)、244……中間レンジチャネル
(回路)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導性リアクタンスおよび容量性リアクタ
    ンスの特性に類似した特性を有するロードを歪みなく駆
    動するために、このロードを駆動するパワーアンプの入
    力回路ラインの入力交点(12h)における入力可聴周波
    電圧信号の補正方法であって、 前記可聴周波信号をハイパス移相ネットワーク手段(22
    8)を有する高周波補正チャネル(118d)に供給して、
    前記ロードの誘導性リアクタンスを補償する高周波補正
    信号を発生させ、 前記可聴周波信号を中間レンジバンドパス手段(248)
    を有する中間レンジチャネル(244)に供給して位相反
    転した中間レンジの可聴周波信号を発生させ、 この中間レンジの可聴周波信号と前記高周波補正信号を
    比較(264)して、前記中間レンジの可聴周波信号の振
    幅に対して前記高周波補正信号の振幅を自動的に調整
    (242)し、 前記可聴周波信号をローパス移相ネットワーク手段(21
    0)を有する低周波補正チャネル(120d)に供給して、
    容量性リアクタンスに類似した前記ロードの特性を補償
    する低周波補正信号を発生させ、 前記高周波および低周波補正信号を前記位相反転した中
    間レンジ可聴周波信号と混合させると共に、これら混合
    した信号を前記パワーアンプに供給するようにしたこと
    を特徴とする可聴周波信号の補正方法。
  2. 【請求項2】前記低周波補正チャネル(120d)の信号振
    幅を前記中間レンジチャネル(244)の信号振幅に対し
    て調整可能(146)としたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の可聴周波信号の補正方法。
  3. 【請求項3】前記高周波補正チャネルおよび中間レンジ
    チャネルの一方の信号を移相させることによって高周波
    チャネル信号を中間レンジのチャネル信号に対して大き
    な位相進みを与えるようにしたことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の可聴周波信号の補正方法。
  4. 【請求項4】前記位相進みを約180°としたことを特徴
    とする特許請求の範囲第3項記載の可聴周波信号の補正
    方法。
  5. 【請求項5】誘導性リアクタンスおよび容量性リアクタ
    ンスの特性に類似した特性を有するロードを歪みなく駆
    動するために、このロードを駆動するパワーアンプの入
    力回路ラインの入力交点(12h)における入力可聴周波
    電圧信号の補正方法であって、 ハイパス移相ネットワーク手段(228)を含み、前記ロ
    ードの誘導性リアクタンスを補償する高周波補正信号を
    発生させる独立の高周波補正チャネル回路(118d)と、 ローパス移相ネットワーク手段(210)を含み、容量性
    リアクタンスに類似した前記ロードの特性を補償する低
    周波補正信号を発生させる独立の低周波補正チャネル回
    路(120d)と、 位相反転した可聴周波信号を供給するために中間レンジ
    バンドパスフィルター手段(248)を内部に有する中間
    レンジチャネル回路(244)と、 前記各チャネルの各出力信号を混合する混合回路手段
    (236)、(238)、(150d),(250)とを有し、この
    混合した信号を前記パワーアンプに供給したことを特徴
    とする可聴周波信号の補正装置。
  6. 【請求項6】振幅調整手段(242,146d)を前記高周波お
    よび低周波チャネル回路(118d,120d)の各々内に設
    け、これによってこれら高周波および低周波補正チャネ
    ル回路(118d,120d)の前記信号の振幅を前記中間レン
    ジチャネル回路(244)の信号の振幅に対して調整可能
    としたことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の可
    聴周波信号の補正装置。
  7. 【請求項7】インバータ回路手段を前記中間レンジ、バ
    ンドパスフィルター手段の中に位相反転手段として設け
    たことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の可聴周
    波信号の補正装置。
JP60207692A 1984-11-07 1985-09-19 可聴周波電圧信号の補正方法とその装置 Expired - Lifetime JPH0720025B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US06/669,071 US4638258A (en) 1982-02-26 1984-11-07 Reference load amplifier correction system
US669071 1984-11-07

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61129912A JPS61129912A (ja) 1986-06-17
JPH0720025B2 true JPH0720025B2 (ja) 1995-03-06

Family

ID=24684885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60207692A Expired - Lifetime JPH0720025B2 (ja) 1984-11-07 1985-09-19 可聴周波電圧信号の補正方法とその装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US4638258A (ja)
EP (1) EP0181608B1 (ja)
JP (1) JPH0720025B2 (ja)
KR (1) KR930003520B1 (ja)
AT (1) ATE73979T1 (ja)
DE (1) DE3585664D1 (ja)
HK (1) HK93595A (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5031221A (en) * 1987-06-02 1991-07-09 Yamaha Corporation Dynamic loudspeaker driving apparatus
US5129006A (en) * 1989-01-06 1992-07-07 Hill Amel L Electronic audio signal amplifier and loudspeaker system
US5280543A (en) * 1989-12-26 1994-01-18 Yamaha Corporation Acoustic apparatus and driving apparatus constituting the same
JP3035943B2 (ja) * 1989-12-26 2000-04-24 ヤマハ株式会社 音響装置およびこのような音響装置を構成するための駆動装置
JP2884651B2 (ja) * 1989-12-29 1999-04-19 ヤマハ株式会社 音響装置
US5389730A (en) * 1990-03-20 1995-02-14 Yamaha Corporation Emphasize system for electronic musical instrument
GB9101038D0 (en) * 1991-01-17 1991-02-27 Jim Marshall Products Limited Audio amplifiers
US5510752A (en) * 1995-01-24 1996-04-23 Bbe Sound Inc. Low input signal bandwidth compressor and amplifier control circuit
US5736897A (en) * 1995-01-24 1998-04-07 Bbe Sound Inc. Low input signal bandwidth compressor and amplifier control circuit with a state variable pre-amplifier
MY115112A (en) * 1996-10-22 2003-03-31 Jun Ichi Kakumoto Audio sign alwaveform emphasis processing device and method
US6947567B1 (en) 1999-11-12 2005-09-20 Bbe Sound Inc. Audio boost circuit
US7388959B2 (en) * 2003-08-22 2008-06-17 Bbe Sound, Inc. Harmonic generator and pre-amp
US20050175195A1 (en) * 2004-02-10 2005-08-11 Cheney Maynard C.Jr. Detecting connectivity of a speaker
US6937071B1 (en) 2004-03-16 2005-08-30 Micrel, Incorporated High frequency differential power amplifier
US20060139093A1 (en) 2004-12-23 2006-06-29 Bbe Sound Inc. Three-channel state-variable compressor circuit
US7449959B2 (en) * 2007-01-31 2008-11-11 Texas Instruments Incorporated Methods and apparatus to detect impedance at an amplifier output
US20090060209A1 (en) * 2007-08-31 2009-03-05 Victor Company Of Japan, Ltd. A Corporation Of Japan Audio-signal processing apparatus and method
US8787598B2 (en) * 2008-05-26 2014-07-22 Paul G. Berg Dynamic contoured-sound/subwoofer-synthesis audio system
US8233643B1 (en) 2010-03-23 2012-07-31 Fiberplex Technologies, LLC System and method for amplifying low level signals provided on electrical supply power
US8390374B2 (en) * 2011-01-25 2013-03-05 Analog Devices, Inc. Apparatus and method for amplification with high front-end gain in the presence of large DC offsets
CN109298237B (zh) * 2018-11-15 2020-10-09 中电科仪器仪表有限公司 一种峰值功率探头的多功率点频响补偿方法
US11164551B2 (en) * 2019-02-28 2021-11-02 Clifford W. Chase Amplifier matching in a digital amplifier modeling system

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3207854A (en) * 1960-08-30 1965-09-21 Minnesota Mining & Mfg Noise reduction method for recorded signals
US3449518A (en) * 1965-09-15 1969-06-10 Louis W Erath Sound reproduction compensation system
US3493682A (en) * 1966-11-21 1970-02-03 Louis W Erath Audio component matching system
BE720115A (ja) * 1968-08-29 1969-02-03
US3755754A (en) * 1972-02-04 1973-08-28 Varian Associates Predistortion compensation for a microwave amplifier
US4052560A (en) * 1976-06-03 1977-10-04 John Bryant Santmann Loudspeaker distortion reduction systems
FR2374773A1 (fr) * 1976-12-15 1978-07-13 Central Son Egaliseur pour la correction de courbe de reponse d'une chaine electroacoustique
US4130727A (en) * 1977-06-29 1978-12-19 Teledyne, Inc. Loudspeaker equalization
US4260954A (en) * 1979-01-26 1981-04-07 Barcus-Berry, Inc. Amplifier load correction system
JPS55105414A (en) * 1979-02-07 1980-08-13 Nippon Gakki Seizo Kk Equalizer device
JPS6134749Y2 (ja) * 1979-09-28 1986-10-09
US4340778A (en) * 1979-11-13 1982-07-20 Bennett Sound Corporation Speaker distortion compensator
US4426552A (en) * 1979-11-13 1984-01-17 Cowans Kenneth W Speaker distortion compensator
US4482866A (en) * 1982-02-26 1984-11-13 Barcus-Berry, Inc. Reference load amplifier correction system
DE3326494A1 (de) * 1983-07-22 1985-01-31 Burkhard Dipl.-Ing. 2000 Hamburg Dick Kontrolle der membranbewegung des dynamischen lautsprechers durch ein verbessertes netzwerk zur nachbildung seiner eingangsimpedanz

Also Published As

Publication number Publication date
ATE73979T1 (de) 1992-04-15
EP0181608A1 (en) 1986-05-21
US4638258A (en) 1987-01-20
DE3585664D1 (de) 1992-04-23
JPS61129912A (ja) 1986-06-17
EP0181608B1 (en) 1992-03-18
HK93595A (en) 1995-06-23
KR860004512A (ko) 1986-06-23
KR930003520B1 (ko) 1993-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0720025B2 (ja) 可聴周波電圧信号の補正方法とその装置
USRE37223E1 (en) Dynamic equalizing
KR910006321B1 (ko) 스테레오 증강 시스템 및 방법
US6381334B1 (en) Series-configured crossover network for electro-acoustic loudspeakers
CA2335486C (en) Apparatus and method for adjusting audio equipment in acoustic environments
JPH03502635A (ja) ステレオの改善及び方向性サーボ
US4482866A (en) Reference load amplifier correction system
US4610024A (en) Audio apparatus
KR20020043617A (ko) 음향 보정 장치
US5197102A (en) Audio power amplifier system with frequency selective damping factor controls
US7171002B2 (en) Methods and apparatus for sub-harmonic generation, stereo expansion and distortion
US20140044282A1 (en) Active Instrument Subwoofer System for Low Frequency Enhancement
EP2590434A1 (en) Filter circuit
AU667007B2 (en) Sound system gain and equalization circuit
US5814752A (en) Musical instrument crossover circuits and method of using same
KR20000029950A (ko) 전자오디오신호의고조파개선장치및방법
Scott The Amplifier and Its Place in the High-Fidelity System
US6775385B1 (en) Loudspeaker frequency distribution and adjusting circuit
Werner Loudspeakers and negative impedances
US1761626A (en) High and low audiofrequency amplification control
JPS61248611A (ja) ラウドネス補償装置
JPH04109799A (ja) 音響信号再生装置
WO2001022576A9 (en) Loudspeaker frequency distribution and adjusting circuit
JPH04301907A (ja) 音声信号再生装置
MXPA99001506A (en) Apparatus and methods for the harmonic enhancement of electronic audio signals

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term