JPH0720013B2 - 小形受信機の補助空中線 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、本体に着脱可能な留め具が装着されていると
ともに本体内部に内部アンテナを有する小形受信機の補
助空中線に関し、更に詳しくは上部内部アンテナと電磁
気的に結合して、上記小形受信機の感度向上を図るため
の小形受信機の補助空中線に関する。

（従来の技術） 一般に、小形受信機の本体内部には内部アンテナが装備
されているが、この内部アンテナだけでは十分な感度を
得ることが困難であり、そのため本体外部に補助空中線
を備えることが行なわれている。

従来のこの種の補助空中線としては、小形受信機本体に
コネクタを設け、このコネクタを介して直接的に内部ア
ンテナと結合するようにした外部アンテナや、小形受信
機とは別体の補助空中線装置で、内部に内蔵した補助ア
ンテナを電磁気的に小形受信機の内部アンテナと結合す
るようにしたものがあつた。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した従来の補助空中線のうち、コネクタを介して直
接的に内部アンテナと結合する構成のものは、コネクタ
部分に電気的接点を持つこととなるため、小形受信機の
内部回路に静電気に弱い素子が使用されていた場合、ノ
イズにより受信感度が劣化したりあるいはその素子が損
傷したりするおそれがあつた。また、小形受信機とは別
体の補助空中線装置の場合、構造的に大形化し、小形受
信機の携帯性を損うという問題点があつた。

本発明は上述した問題点を解決するためになされたもの
で、小形受信機の内部アンテナとの間に電気的接点を持
つことなく効率よく受信感度を向上することができると
ともに、小形受信機の携帯性を損うことのないコンパク
トな小形受信機の補助空中線の提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） （１） 内部アンテナ（６）を有する小形受信機の本体
（１）に装着され、留め具本体（３）に支点が設けられ
ているアーム（４）を有する留め具（２）であって、前
記アーム（４）と前記小形受信機の一面との間にクリッ
プ機能を形成するとともに前記留め具（２）のアーム
（４）に、外部アンテナ（10）と、前記外部アンテナに
接続され前記内部アンテナ（６）と電磁気的に結合する
ためのコイル（12）と、前記コイル（12）に接続され前
記外部アンテナ（10）と前記内部アンテナ（６）との間
の同調をとるためのコンデンサ（13）と、前記外部アン
テナ（10）のための地板（14）とからなる補助アンテナ
の少なくとも前記地板（14）部分とを設けた構成として
本来ある大きさを変えずに補助空中線を実現した。

（実施例） 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図（ａ）は本実施例に係る小形受信機の補助空中線
の外観を示す上面図、第１図（ｂ）は同空中線の内部構
造を示す縦断面図、第２図（ａ），（ｂ）は小形受信機
の外観構造を示す斜視図、第３図は電気的回路説明図で
ある。

第２図（ａ），（ｂ）に示すように、本実施例に係る補
助空中線の適用対象となる小形受信機は、受信機本体１
に着脱自在なクリツプホルダ式の留め具２が装備された
ものである。留め具２は、留め具本体３が受信機本体１
に密接した状態で弾力的に外嵌でき、かつ、この留め具
本体３の支持部3aを中心にアーム４が回動自在に取り付
けられたものである。なお、アーム４はばね（図示せ
ず）により付勢されており、受信機本体１との間にクリ
ツプ構造を形成するようになつている。また、受信機本
体１内には、受信回路を形成する回路基板５とともに、
内部アンテナ６が内蔵されている。

そして、第１図（ｂ）に示すごとく、上記アーム４に、
外部ワイヤーアンテナ10を接続するコネクタ11、外部ワ
イヤーアンテナ10と内部アンテナ６とを電磁気的に結合
するフエライトコア（ピツクアツプコイル）12、外部ワ
イヤーアンテナ10と内部アンテナ６との間の同調をとる
トリマコンデンサ（可変コンデンサ）13、これら各部材
で形成される補助空中線回路の地気部分が接続されるア
ース板14がそれぞれ組み込まれている。

すなわち、コネクタ11およびトリマコンデンサ13は、ア
ーム４の基端部に設けた内部スペースに組み込まれてお
り、フエライトコア12は、アーム４の中間部にて内部ア
ンテナ６と対向するように組み込まれており、アース板
14は、アーム４の背に沿つて組み込まれている。

また、上記各部材の電気的回路構成は第３図に示すよう
になつている。すなわち、フエライトコア12とトリマコ
ンデンサ13とが並列接続され、その終端にアース板14が
接続され、コネクタ14がフエライトコア12と接続された
回路構成となつている。

上述したように留め具２に補助空中線の各構成部材（外
部ワイヤーアンテナ10を除く）を組み込んであるため、
コンパクトで小形受信機の携帯性を損うことがなく、外
部ワイヤーアンテナ10により感度向上を図ることができ
る。また、外部ワイヤーアンテナ10と内部アンテナ６と
の間の結合がフエライトコア12を介して電磁気的結合の
ため、静電気等により小形無線機の回路素子を損傷する
こともない。さらにまた、外部ワイヤーアンテナ10を着
脱自在としたので必要に応じて取り外して持ち運びで
き、携帯性保持の面で一層顕著な効果を有している。な
お、アース板14はアーム４の強度を増強する機能をも果
たしている。

第４図（ａ），（ｂ）は上述した補助空中線の変形例を
示すものである。

すなわち、留め具２の本体３に収納部3bを設け、この収
納部3b内に、フエライトコア12、トリマコンデンサ13、
アース板14を内蔵し、かつ、コネクタ11を取り付けたも
のである。

なお、電気的回路構成は上述した実施例と同様、第３図
に示すとおりである。

このような構成にしても、上述した実施例と同様の効果
を奏することができる。

なお、本発明は上述した実施例あるいは変形例に限定さ
れるものではない。例えば、外部アンテナはコネクタを
介さず直接ピツクアツプコイルに接続してもよい。ま
た、アース板を用いず、地気部分を留め具に接続してア
ースする構成であつてもよい。さらにまた、小形受信機
は留め具を有する各種のものが対象となり、かつ、留め
具も種々の構造のものが対象となる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明は、小形受信機に装備された
留め具に外部アンテナ以外の構成部材を組み込んだの
で、コンパクトで小形受信機の携帯性を損うことがな
く、またピツクアツプコイルにより内部アンテナと電磁
的に結合する構成としたので、小形受信機の内部アンテ
ナとの間に電気的接点を持つことなく効率よく受信感度
を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本発明の実施例に係る小形受信機の補助
空中線の外観を示す上面図、第１図（ｂ）は同補助空中
線の内部構造を示す縦断面図、第２図（ａ），（ｂ）は
小形受信機の外観構造を示すもので、同図（ａ）は留め
具をはずした状態を示す斜視図、同図（ｂ）は留め具を
装着した状態を示す斜視図、第３図は電気的回路説明
図、第４図（ａ），（ｂ）は本発明の変形例を示すもの
であり、同図（ａ）は一部切欠上面図、同図（ｂ）は縦
断面図である。 １……受信機本体、２……留め具 ３……留め具本体、４……アーム ５……回路基板、６……内部アンテナ 10……外部ワイヤーアンテナ 11……コネクタ 12……フエライトコア（ピツクアツプコイル） 13……トリマコンデンサ（可変コンデンサ） 14……アース板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】着脱可能な外部ワイヤーアンテナ（10）
   と、該外部ワイヤーアンテナ（10）を接続するためのコ
   ネクタ（11）と、小型受信機本体（１）に設けられた内
   部アンテナ（６）と前記外部ワイヤーアンテナ（10）と
   の同調を取るためのコンデンサ（13）と、前記外部アン
   テナ（10）の接地を取るためのアース板（14）とから構
   成される小型受信機の補助空中線において、 前記小型受信機本体（10）に対し着脱自在に取り付けら
   れる留め具（２）の留め具本体（３）に支持部（3a）を
   介して回転自在に取り付けられたアーム部（４）の基端
   部に、前記コネクタ（11）と前記コンデンサ（13）が組
   み込まれ、前記アーム部（４）の背に沿って、前記アー
   ス板（14）が組み込まれ、前記外部アンテナ（10）と前
   記内部アンテナ（６）とを電磁気的に結合するコイル
   （12）が前記アーム（４）の中間部に、前記内部アンテ
   ナ（６）と対抗するように組み込まれていることを特徴
   とする小型受信機の補助空中線。