JPH071989A - 車両用定速走行装置 - Google Patents

車両用定速走行装置

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JPH071989A
JPH071989A JP14320193A JP14320193A JPH071989A JP H071989 A JPH071989 A JP H071989A JP 14320193 A JP14320193 A JP 14320193A JP 14320193 A JP14320193 A JP 14320193A JP H071989 A JPH071989 A JP H071989A
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vehicle speed
running resistance
speed
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Hitoshi Sugiuchi
仁 杉内
Hideo Nakamura
英夫 中村
Hiroshi Funakoshi
浩 舟越
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行抵抗を推定し,スロットルをフィードフ
ォワード制御する走行抵抗推定式の定速走行装置におい
て,ブレーキ作動時やスロットル開度の急変による走行
抵抗の推定誤差が原因となる車速のオーバーシュートを
防止し,車両の制御性能を向上させる。 【構成】 走行抵抗推定値更新禁止手段111により定
速走行制御時に一定時間,例えば,ブレーキ操作終了後
の所定時間,または予め設定した時間により走行推定を
禁止するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,走行時における車両
の走行速度を一定に保持する車両用定速走行装置に関
し,特に,定速走行制御開始時における制御性を向上さ
せる車両用定速走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,車両用定速走行装置として,例え
ば,特開昭47−35692号公報に開示されているも
のがある。これは,車速と目標の設定車速との積分誤差
と比例誤差およびゲインより車速偏差を減少するための
目標スロットル開度を求め,スロットルアクチュエータ
へ出力するものである。しかし,これは車速フィードバ
ック制御であるため,走行抵抗や駆動力を含む車両諸現
等が著しく変化すると,スロットルのばたつきや車速の
ハンチング等が発生し,車種の差異により上記ゲインを
チューニングする必要があった。
【0003】そこで,このような問題点を解決するため
に,走行抵抗や車両状態が著しく変化した場合において
も,ゲインのチューニングを最小限にできる走行抵抗推
定式フィードフォワード制御法が提案されている。この
走行抵抗推定式フィードフォワード制御法は,例えば,
特開昭62−261545号公報に開示されているもの
がある。
【0004】上記走行抵抗推定式フィードフォワード制
御法は,駆動力,車重,加速度から走行抵抗を推定して
いる。駆動力は,現在のエンジン負荷(スロットル開
度,基本燃料噴射量,吸気管負圧)と現在のエンジン回
転数より,テーブルルックアップにより,ほぼリアルタ
イムに求める。また,加速度は過去5点の車速と現在の
車速との計6点より,最小2乗法により求めているた
め,演算周期の3倍程度の遅れを生じている。このた
め,ほぼリアルタイムで求められる駆動力と,遅れを含
んだ加速度から推定される走行抵抗には,位相ずれによ
る推定誤差が含まれる。
【0005】この位相ずれによる影響を最小限にするた
め,走行抵抗の推定値を加重平均する。この場合,定速
走行制御中のみ走行抵抗を推定すると,制御開始1回目
の走行抵抗の推定値に誤差が含まれ(加重平均をしてい
るため,初期値を0とすると,推定走行抵抗値の真値と
に差が生じる),車速が目標車速に対してアンダーシュ
ートするという不具合があった。そこで,常時,走行抵
抗を推定する構成とし,制御開始1回目の誤差を最小に
している。すなわち,上記の構成とした場合,初期値が
0であることによる走行抵抗推定値の誤差に起因するア
ンダーシュートは解決することができる。
【0006】さらに,詳細に説明する。上記特開昭47
−35692号公報に開示されている装置は,所定周期
(例えば,300ms)毎の目標速度Vsに対する車両
速度Vの誤差, εI=Vs−V と,所定周期dt前の車両速度, V(t−dt) と,現在の車両速度V(t)との誤差, εp=V(t−dt)−V(t) とを求め,この誤差εI,εpおよびゲイン定数kI,
kpによりスロットル開度変化量dθを次式で与えてい
る。すなわち, dθ=KI×εI+Kp×εp である。
【0007】ところが,上記装置にあっては,道路勾配
や車両重量による走行抵抗の変化によらず,上記式によ
り得られたスロットル開度変化量dθが正であれば所定
周期毎にdθだけスロットルを開き,dθが負であれば
所定周期毎にdθだけスロットルを閉じる。この結果,
決定されるスロットル開度の値が,将来車両をいかなる
速度に落ちつかせるか時々刻々判断できないため,特に
起伏の多い道路を走行する際には,スロットル開度が不
必要に変動するという不具合があった。
【0008】上記問題点を解決するものが,上記特開昭
62−261545号公報に開示されている装置であ
る。これは走行抵抗を推定し,この推定した走行抵抗に
基づいてスロットルをフィードフォワード制御するもの
であり,走行抵抗の推定を以下のアルゴリズムに基づい
て実行している。すなわち, 第1に,スロットル開度とエンジン回転数とに応じ
たエンジントルクをエンジン性能曲線から読み出す。
【0009】 第2に,ホイール力Fwを次式により
算出する。
【0010】 Fw=γm×ηm×γn×ηn×Te×1/R γm: 変速機各段の変速比 ηm: 変速機各段の伝達効率 γn: 最終減速比 ηn: ファイナル伝達効率 R: タイヤ半径 第3に,加速度αを次式により算出する。
【0011】α=(V(t−dt)−V(t))/dt 上記二式に基づいて推定走行抵抗値Drを次式によ
り求める。
【0012】Dr=Fw−Wα/g W: 車両重量 g: 重量加速度 一般に,スロットル開度θのステップ変化に対するホイ
ール力Fwの過度応答には,無駄時間や遅れ要素が存在
する(約数百msの遅れ)ため,特に起伏の多い道路を
走行するときのようにスロットル開度θを各制御毎に大
きく変化させる必要がある場合には,無駄時間や遅れ要
素の分だけホイール力Fwの演算に誤差が発生し,その
結果,上記Dr=Fw−Wα/gにより求まる推定走行
抵抗値Drが真値からずれ,スロットルが必ずしも適正
に制御できなかった。
【0013】さらに,上記問題点を解決するものとし
て,特開昭62−286845号公報に開示されている
装置がある。これは,エンジンやトランスミッションの
遅れ時間を考慮して推定走行抵抗値Drを演算するもの
である。ところが,この方式にあっては,プログラミン
グに必要なメモリ容量を確保する必要があるため,装置
のコスト高を招来し,また,CPUの演算処理時間も従
来に比べて長くなり,CPUの演算処理速度が従来と同
じであれば制御性をかえって悪化させる等の問題点があ
った。
【0014】そこで,一般に簡便で公知な方法として,
以下に示す推定走行抵抗値の重み付け平均処理を実行し
て近似する方法がある。すなわち,演算により得られた
推定走行抵抗値Drから重み付け平均値を計算する。す
なわち, 〜Dr=Dr(t−dt)×(1−k)+Dr(t)k Dr: 推定走行抵抗加重平均値 である。上記式において,kは推定走行抵抗の加重平均
の重み付けである。ここで,推定走行抵抗の加重平均の
重み付けkを小さくすれば,遅れ要素が増大し,走行抵
抗の推定が遅れて制御性が悪化する場合があり,逆に,
大きくすれば上記の理由により誤った走行抵抗を推定し
てしまい,定速走行制御中の車両速度の安定性が損なわ
れる。エンジン系の遅れ要素は,エンジンのバルブから
スロットルチャンバーまでの吸入空気導入管における空
気の移動時間に付随した遅れが大きく,理論的に数百m
sの遅れ時間があり,次式により遅れの時定数Tfを求
めることができる。
【0015】Tf=Vc/(R’×Ta×(ηv×Ve
×γa×N/(2×Pa)+C×g×θ)) Vc: 吸入空気導気管容積 R’: ガス定数 Ta: 吸気温度 ηv: 充填効率 Ve: エンジン排気量 γa: 空気密度 N: エンジン回転数, Pa: 大気圧 C: スロットル弁の開度定数 g: 吸気管圧力によって決まる定数 θ: スロットル開度 である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記に
示されるような従来における走行抵抗推定式フィードフ
ォワード制御法にあっては,ドライバーが定速走行制御
中にブレーキを操作すると,定速走行制御はブレーキO
Nによりキャンセルされるが,走行抵抗は,常時推定さ
れる。このため,ドライバーのブレーキONによる加速
度の変動に起因した誤差が走行抵抗の推定値に含まれ,
車速が目標車速に対してオーバーシュートするという問
題点があった。すなわち,真の走行抵抗が変化しなくて
も,過去数点の車速と現在の車速とから加速度演算する
ため,過去数点の車速の中にブレーキONによる速度変
化が含まれ,推定される走行抵抗値が真値からかけ離れ
たものになる。
【0017】また,従来における推定走行抵抗値の重み
付け平均処理は,スロットル開度が急変しないときにお
いて有効であって,例えば,運転者がアクセルペダルO
FFの状態から定速走行の制御を開始するとき,スロッ
トル開度が急開し,推定走行抵抗値に大きな誤差が生じ
るため,目標の走行抵抗値との間に大きな誤差を発生さ
せ,車速のオーバーシュートを生じる等,車両の制御性
能を悪化させるという問題点があった。
【0018】この発明は,上記に鑑みてなされたもので
あって,走行抵抗を推定し,スロットルをフィードフォ
ワード制御する走行抵抗推定式の定速走行装置におい
て,ブレーキ作動時やスロットル開度の急変による走行
抵抗の推定誤差が原因となる車速のオーバーシュートを
防止し,車両の制御性能を向上させることを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は,上記の目的
を達成するために,目標の定速走行車速を設定する車速
設定手段と,現在の車速を検出する車速検出手段と,前
記車速検出手段により検出された車速から加速度を演算
する加速度演算手段と,エンジンのトルクを推定するエ
ンジントルク推定手段と,走行抵抗を推定する走行抵抗
推定手段と,前記走行抵抗推定手段により推定された走
行抵抗での目標速度を保持するための目標駆動力を演算
する目標エンジントルク演算手段と,前記目標エンジン
トルク演算手段により演算された目標駆動力に基づいて
目標スロットル開度を演算する目標スロットル開度演算
手段と,前記目標スロットル開度演算手段により演算さ
れた目標スロットル開度に基づいてスロットルを制御す
るスロットル制御手段と,定速走行制御時に一定時間,
走行推定を禁止する走行抵抗推定値更新禁止手段とを具
備する車両用定速走行装置を提供するものである。
【0020】また,前記走行抵抗推定値更新禁止手段
は,ブレーキ操作終了後における所定時間,または予め
設定した時間に基づいて走行抵抗の推定を禁止するもの
である。
【0021】また,目標の定速走行車速を設定する車速
設定手段と,現在の車速を検出する車速検出手段と,前
記車速検出手段により検出された車速から加速度を演算
する加速度演算手段と,エンジンのトルクを推定するエ
ンジントルク推定手段と,走行抵抗を推定する走行抵抗
推定手段と,前記走行抵抗推定手段により推定された走
行抵抗値に重み付け平均平滑化処理を実行する平均平滑
化処理手段と,前記平均平滑化処理手段により平均平滑
化された走行抵抗値での目標速度を保持するための目標
駆動力を演算する目標エンジントルク演算手段と,前記
目標エンジントルク演算手段により演算された目標駆動
力に基づいて目標スロットル開度を演算する目標スロッ
トル開度演算手段と,前記目標スロットル開度演算手段
により演算された目標スロットル開度に基づいてスロッ
トルを制御するスロットル制御手段と,定速走行制御時
に所定時間,前記平均平滑化処理手段による平均平滑化
処理の重み付け値を通常制御時に対して小さくするよう
に制御する制御手段とを具備する車両用定速走行装置を
提供するものである。
【0022】
【作用】この発明による車両用定速走行装置は,定速走
行制御時に一定時間,例えば,ブレーキ操作終了後の所
定時間,または予め設定した時間により走行推定を禁止
するように制御し,走行抵抗の推定誤差が原因となる車
速のオーバーシュートを防止する。
【0023】また,定速走行制御時に所定時間,平均平
滑化処理の重み付け値を通常制御時に対して小さくする
ように制御し,走行抵抗の推定誤差が原因となる車速の
オーバーシュートを防止する。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕以下,この発明の一実施例を添付図面を参
照して説明する。図1は,この発明による車両用定速走
行装置の概略構成(実施例1)を示すブロック図であ
る。本装置は,各入力手段と定速走行制御用コントロー
ラとに大きく分けられる。
【0025】図において,入力手段は,以下の手段が設
けられている。すなわち,目標の定速走行車速を設定す
る車速設定手段101,車両の走行速度を検出する車速
検出手段102,現在のエンジン負荷を検出するエンジ
ン負荷検出手段103,現在のエンジン回転数を検出す
るエンジン回転数検出手段104,ドライバーがブレー
キを踏んだことを検出するブレーキ操作検出手段10
5,現在のスロットルバルブ118の開度を検出するス
ロットル開度検出手段106である。
【0026】また,定速走行制御用コントローラは,以
下のように構成されている。すなわち,現在の車両加速
度を演算する加速度演算手段107,現在のエンジント
ルク,エンジン回転数,および車速に基づいて現在の駆
動力を推定する駆動力推定手段108,現在のエンジン
負荷およびエンジン回転数に基づいてエンジントルクを
推定するエンジントルク推定手段109,現在走行中の
車両が受ける走行抵抗を推定する走行抵抗推定手段11
0,ブレーキ操作検出手段105の検出により走行抵抗
の推定を禁止する走行抵抗推定値更新禁止手段111,
現在の車速および目標車速に基づいて車速偏差を演算す
る車速偏差演算手段112である。
【0027】さらに,車速偏差および走行抵抗推定値に
基づいて目標駆動力を演算する目標駆動力演算手段11
3,目標駆動力,車速,およびエンジン回転数に基づい
て目標エンジントルクを演算する目標エンジントルク演
算手段114,目標駆動力および現在のエンジン回転数
に基づいて目標スロットル開度を演算する目標スロット
ル開度演算手段115,現在のスロットル開度および目
標スロットル開度に基づいてスロットルアクチュエータ
117を介してスロットルバルブ118の制御を実行す
るスロットル制御手段116である。また,119はア
クセルペダルである。
【0028】図2は,本発明による車両用定速走行装置
のシステム構成を示すブロック図である。本システム
は,マイクロコンピュータ201を中心とした制御シス
テムであり,主にエンジン制御機能部202および定速
走行制御機能部203から構成されており,その詳細な
構成は以下の通りである。
【0029】図2において,204は目標とする車速を
設定操作するためのSET/COAST SW,205
はRES/ACC SW,206は定速走行制御を中止
操作するためのCANNCEL SW,207はCLA
TCH SW,208はブレーキペダルの作動状態を検
出するためのBRAKE SW,209はエンジン単位
角毎の信号を発生してエンジン回転数を計測するクラン
ク角センサである。また,これらの各出力はCPU20
1に直接入力されるように接続されている。
【0030】また,210はアナログ信号をデジタル信
号に変換するA/D変換器である。該A/D変換器21
0には自車両の速度を検出する車速センサ211,スロ
ットルセンサ212,エアフローメータ213が接続さ
れている。さらに,マイクロコンピュータ201には,
メモリ214,エンジン点火システム215,エンジン
燃料噴射システム216,トランスミッション217が
接続されている。メモリ214は,エンジンのトルクデ
ータが格納されているエンジントルクテーブル218,
および目標スロットル開度データが格納されている目標
スロットル開度テーブル219が設けられている。
【0031】次に,動作について説明する。図3は,こ
の発明による車両用定速走行装置の動作を示すフローチ
ャートである。図において,まず,車速設定手段101
であるSET/COAST SW204がONされてい
るか否かを判断する(S301)。この処理において,
SET/COAST SW204がONされていると判
断したときには,さらに,ブレーキ操作検出手段105
によりブレーキOFFから一定時間以上経過したか否か
を判断する(S302)。なお,この一定時間とは,ブ
レーキONが加速度に影響しなくなる時間であり,車速
から加速度を演算する方法により異なる。例えば,この
発明の場合においては,6個の車速から最小2乗法によ
り加速度を求めているので,車速演算周期×6となる。
【0032】上記ステップ302において,ブレーキO
FFから一定時間以上経過していないと判断したときに
は,走行抵抗推定値更新禁止手段111により走行抵抗
の推定を禁止し,ブレーキONの1回前(1制御周期
前)に推定した推定走行抵抗値を現在の推定走行抵抗値
とし,該推定走行抵抗値と速度偏差演算手段112より
得られた速度誤差より,目標スロットル開度を演算す
る。そして,目標スロットル開度を維持するように,ス
ロットル制御手段116によりスロットルアクチュエー
タ117を介してスロットルバルブ118を制御する
(S303)。
【0033】一方,上記ステップ302において,ブレ
ーキOFFから一定時間以上経過していると判断したと
きには,走行抵抗推定手段110は,加速度演算手段1
07より得られた車両状態から走行抵抗を推定し,この
走行抵抗推定値と車速偏差演算手段112より得られた
速度誤差より,目標スロットル開度を演算する。そし
て,目標スロットル開度を維持するように,スロットル
制御手段116によりスロットルアクチュエータ117
を介してスロットルバルブ118を制御する(S30
4)。
【0034】また,上記ステップ301において,SE
T/COAST SW204がOFFであると判断した
とき,すなわち,目標車速が設定されなかったときに
は,さらに,現在,定速走行中であるか否かを判断する
(S305)。この処理において,定速走行中ではない
と判断したときには,本ルーチンを終了する。一方,定
速走行中であると判断したときには,上記ステップ30
2以降の処理を実行する。
【0035】次に,上記推定および演算について, (1)走行抵抗の推定 (2)車速偏差分駆動力の演算 (3)目標スロットル開度の演算 の順に詳細に説明する。
【0036】(1) 走行抵抗の推定 第1に,現在のスロットル開度,エンジン回転数よりエ
ンジントルクテーブル218からエンジン全開性能のテ
ーブルルックアップを用いてエンジントルク(Te)を
推定する。
【0037】第2に,エンジントルク,トルクコンバー
タのトルク比(t),ギア比(Gm),ファイナル・ギ
ア比(Gn),タイヤ動半径(r)より駆動力(F)を
次式に基づいて求める。
【0038】F(kg)=Te(kgm)×t×Gm×
Gn/r(m) 第3に,駆動力(F),車両重量(W),加速度
(α),重力加速度(g)より推定走行抵抗値(Dr)
を次式に基づいて推定する。
【0039】Dr(kg)=F(kg)−m(kg)×
α(m/s2 )/g(m/s2 ) なお,上記推定走行抵抗値(Dr)は,車両が定速走行
するために必要とする駆動力(Fr)と等しい。
【0040】(2) 車速偏差分駆動力の演算 車速偏差分駆動力(Fv)は,現在の車速(V)と目標
車速(Vs)との偏差から次式に基づいて求める。
【0041】MV=K1×(Vs−V) MSV=K2×(Vs−V)+MSV−1 SMV=K2×MSV FV(kg)=MV+SMV (3) 目標スロットル開度の演算 第1に,目標エンジントルク(Tes)を走行抵抗駆動
力(Fr),車速偏差分駆動力(Fv),トルクコンバ
ータのトルク比(t),ギア比(Gm.Gn),タイヤ
動半径(r)より,次式に基づいて求める。
【0042】Tes(kgm)={Fr(kg)+Fv
(kg)}×r(m)/{t×gm×Gn} 第2に,上記エンジントルクを現在のエンジン回転数で
発生できるスロットル開度が,目標スロットル開度(θ
r)となる。この目標スロットル開度(θr)は目標エ
ンジントルク,エンジン回転数より目標スロットル開度
テーブル219からエンジン全開性能のテーブルルック
アップを用いて求める。
【0043】したがって,以上説明したように,この実
施例によれば,走行抵抗を推定し,スロットルをフィー
ドフォワード制御する走行抵抗推定式の定速走行装置に
おいて,ブレーキによる走行抵抗の推定誤差が原因とな
る車速のオーバーシュートを防止することができる。
【0044】このようにして,定速走行制御時に一定時
間,例えば,ブレーキ操作終了後の所定時間,または予
め設定した時間により走行推定を禁止するように制御
し,走行抵抗の推定誤差が原因となる車速のオーバーシ
ュートを防止する。
【0045】〔実施例2〕図4は,この発明による車両
用定速走行装置の概略構成(実施例2)を示すブロック
図である。図において,401はスロットル開度検出手
段106(図1参照),吸入空気量検出手段,エンジン
回転数検出手段104(図1参照)等のセンサ群からパ
ワートレイン伝達系の過度特性を求めるトルク推定手
段,402は定速走行制御開始判定手段である。また,
他の機能要素は図1と同一のものは同じ符号を付してあ
る。走行抵抗推定手段110の入力側には,トルク推定
手段401,加速度演算手段107,定速走行制御開始
手段402が接続されている。また,目標エンジントル
ク演算手段114の入力側には,車速設定手段101,
車速検出手段102,走行抵抗推定手段110が接続さ
れ,その出力側には目標スロットル開度演算手段115
が接続されている。
【0046】図5は,この発明による車両用定速走行装
置のシステム構成を示すブロック図である。なお,この
構成は本装置をオートマチックトランスミッション車に
装着したものである。図において,501は定速走行制
御装置であり,イグニッションスイッチ502,運転者
が所望の速度にセットする速度設定スイッチ503,定
速走行制御中に運転者が加速を希望するときに使用する
加速スイッチ504,定速走行制御中に運転者が減速を
希望するときに使用する減速スイッチ505,定速走行
制御中に運転者が定速走行制御を中止するときに使用す
るキャンセルスイッチ206,ブレーキスイッチ20
8,車速センサ211,スロットルセンサ212,およ
び変速段信号(ギア信号)を入力する自動変速機制御装
置506が接続されている。また,507はスロットル
を制御するスロットルモータであり,スロットルを固定
支持する軸上に設けられている。
【0047】図6は,この発明による車両用定速走行装
置のアルゴリズム構成を示すブロック図である。図にお
いて,601は車速設定手段101により設定出力され
る設定車速Vs,602は1/s,603は目標車速と
実車速とのずれを補正するための積分要素であり,ゲイ
ンk2は次式により与えられる。すなわち, k2=k2’×W である。なお,上記k2’はエンジン特性およびパワー
トレイン特性によって変化する値であり,予め実験値と
して求めることができ,例えば, k2’=0.02 とする。
【0048】また,604は比例要素であり,ゲインk
1は次式により与えられる。すなわち, k1=k1’×W である。なお,上記k1’は,エンジン特性およびパワ
ートレイン特性により変化する値であり,予め実験値と
して求めることができ,例えば, k1’=0.30 とする。また,605は速度検出器であり,車速Vを出
力する。606は加速度検出器であり,加速度αを次式
により演算出力する。すなわち, α=(V(t−dt)−V(t))/dt である。
【0049】また,607はエンジン回転数信号,60
8はスロットル開度信号,609はエンジン特性マップ
であり,エンジン回転数とスロットル開度に基づいてエ
ンジントルクTeをテーブルルックアップする。610
はギア位置検出器であり,ギア位置を出力する。611
はホイール力演算器であり,次式に基づいてホイール力
Fwを演算出力する。すなわち, Fw=γm×ηm×γn×ηn×Te×1/R である。
【0050】また,612は走行抵抗演算器であり,次
式に基づいて推定走行抵抗Drを演算出力する。すなわ
ち, Dr=Fw−Wα/g である。
【0051】また,613は加重平均手段であり,次式
に基づいて走行抵抗値の加重平均演算を実行する。すな
わち, 〜Dr=Dr(t−dt)×(1−K)+Dr(t)K なお,Kは推定走行抵抗の加重平均の重み付けである。
【0052】また,614は目標トルク演算器であり,
目標エンジントルクTrを演算出力する。615はホイ
ール力を演算出力するホイール力演算器,616はエン
ジン特性マップであり,エンジン回転数および要求エン
ジントルクから目標スロットル開度θrをテーブルルッ
クアップする。617は目標スロットル開度を演算出力
する目標スロットル開度演算器,618はスロットルモ
ータ(ステッピングモータ)507を駆動するスロット
ルモータ駆動回路である。
【0053】次に,動作について説明する。図7は,こ
の発明による車両用走行抵抗制御動作および加重平均処
理動作を示すフローチャートである。図において,ま
ず,車速Vを入力し(S701),スロットル制御周期
が経過したか否かを判断する(S702)。この処理に
おいて,スロットル制御周期が経過したと判断したとき
には,予め記憶されていた前回の車速から加速度を算出
する(S703)。その後,スロットルセンサ212に
よりスロットル開度を入力する(S704)。さらに,
エンジン回転数信号607からエンジン回転数を入力し
(S705),予め用意されたエンジン特性マップ60
9からエンジントルクを計算する(S706)。その
後,走行抵抗を演算する(S707)。
【0054】上記において走行抵抗を演算した後,定速
走行制御の開始をセットするセットスイッチ(速度設定
スイッチ503)が操作されたか否かを判断する(S7
08)。この処理において,セットスイッチが操作され
たと判断したときには,さらに,タイマが作動中である
か否かを判断する(S709)。すなわち,定速走行制
御が開始されてから所定時間以上経過(エンジン駆動系
の遅れ時間より大きい値,例えば,200msec程
度)したか否かを判断する。このステップ709におい
て,タイマ作動中であると判断したときには,タイマを
セットする(S710)。一方,上記ステップ709に
おいて,タイマが作動中ではないと判断したときには,
走行抵抗値を加重平均する(S711)。
【0055】次に,上記実施例による効果を説明する。
例えば,いま,定速走行制御の開始を指示するスイッチ
(速度設定スイッチ503)が操作されたとする。この
とき走行抵抗の加重平均手段613により走行抵抗値が
所定時間の間,スイッチ操作前の値に固定された値に大
きな誤差を生じる可能性がないため,誤ってスロットル
を駆動制御することによる制御性の悪化を排除すること
ができる。また,数百msの所定時間,走行抵抗を更新
しなくてもそのような短時間に走行抵抗が急変すること
は有り得ないため,特に問題はない。
【0056】なお,上記の実施例の他に,次のようにし
ても同様の効果が得られる。すなわち,定速走行制御の
開始を指示するスイッチ(速度設定スイッチ503)が
操作されたとき,走行抵抗の加重平均手段613により
走行抵抗が所定時間の間,上記式における重み付けKを
小さくし,例えば,以下のように設定する。すなわち,
通常時: 重み付けK=2/
20 定速走行制御開始時: 重み付けK=1/20 である。その結果,所定時間中,重み付けの値を小さく
することにより誤差を含んだ走行抵抗演算が実行された
場合にも,それによる影響を小さくすることができる。
【0057】このようにして,定速走行制御時に所定時
間,平均平滑化処理の重み付け値を通常制御時に対して
小さくするように制御し,走行抵抗の推定誤差が原因と
なる車速のオーバーシュートを防止する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように,この発明による車
両用定速走行制御装置によれば,定速走行制御時に一定
時間,例えば,ブレーキ操作終了後の所定時間,または
予め設定した時間により走行推定を禁止し,また,定速
走行制御時に所定時間,平均平滑化処理の重み付け値を
通常制御時に対して小さくするように制御するため,ブ
レーキ作動時やスロットル開度の急変による走行抵抗の
推定誤差が原因となる車速のオーバーシュートが防止で
き,良好な定速走行制御が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による車両用定速走行装置の概略構成
(実施例1)を示すブロック図である。
【図2】この発明による車両用定速走行装置のシステム
構成を示すブロック図である。
【図3】この発明による車両用定速走行装置の動作を示
すフローチャートである。
【図4】この発明による車両用定速走行装置の概略構成
(実施例2)を示すブロック図である。
【図5】この発明による車両用定速走行装置のシステム
構成を示すブロック図である。
【図6】この発明による車両用定速走行装置のアルゴリ
ズム構成を示すブロック図である。
【図7】この発明による車両用走行抵抗制御動作および
加重平均処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 車速設定手段 102 車速検出手段 103 エンジン負荷検出手段 104 エンジン回転数検出手段 106 スロットル開度検出手段 107 加速度演算手段 108 駆動力推定手段 110 走行抵抗推定手段 111 走行抵抗推定値更新禁止手段 113 目標駆動力演算手段 114 目標エンジントルク演算手段 115 目標スロットル開度演算手段 116 スロットル制御手段 501 定速走行制御装置 613 加重平均手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標の定速走行車速を設定する車速設定
    手段と,現在の車速を検出する車速検出手段と,前記車
    速検出手段により検出された車速から加速度を演算する
    加速度演算手段と,エンジンのトルクを推定するエンジ
    ントルク推定手段と,走行抵抗を推定する走行抵抗推定
    手段と,前記走行抵抗推定手段により推定された走行抵
    抗での目標速度を保持するための目標駆動力を演算する
    目標エンジントルク演算手段と,前記目標エンジントル
    ク演算手段により演算された目標駆動力に基づいて目標
    スロットル開度を演算する目標スロットル開度演算手段
    と,前記目標スロットル開度演算手段により演算された
    目標スロットル開度に基づいてスロットルを制御するス
    ロットル制御手段と,定速走行制御時に一定時間,走行
    推定を禁止する走行抵抗推定値更新禁止手段とを具備す
    ることを特徴とする車両用定速走行装置。
  2. 【請求項2】 前記走行抵抗推定値更新禁止手段は,ブ
    レーキ操作終了後における所定時間,または予め設定し
    た時間に基づいて走行抵抗の推定を禁止することを特徴
    とする請求項1記載の車両用定速走行装置。
  3. 【請求項3】 目標の定速走行車速を設定する車速設定
    手段と,現在の車速を検出する車速検出手段と,前記車
    速検出手段により検出された車速から加速度を演算する
    加速度演算手段と,エンジンのトルクを推定するエンジ
    ントルク推定手段と,走行抵抗を推定する走行抵抗推定
    手段と,前記走行抵抗推定手段により推定された走行抵
    抗値に重み付け平均平滑化処理を実行する平均平滑化処
    理手段と,前記平均平滑化処理手段により平均平滑化さ
    れた走行抵抗値での目標速度を保持するための目標駆動
    力を演算する目標エンジントルク演算手段と,前記目標
    エンジントルク演算手段により演算された目標駆動力に
    基づいて目標スロットル開度を演算する目標スロットル
    開度演算手段と,前記目標スロットル開度演算手段によ
    り演算された目標スロットル開度に基づいてスロットル
    を制御するスロットル制御手段と,定速走行制御時に所
    定時間,前記平均平滑化処理手段による平均平滑化処理
    の重み付け値を通常制御時に対して小さくするように制
    御する制御手段とを具備することを特徴とする車両用定
    速走行装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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