JPH07198885A - 鋼板コンクリート構造建屋及びその構築方法 - Google Patents
鋼板コンクリート構造建屋及びその構築方法Info
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Abstract
ト打設の際に埋込む埋込金物の枚数の大幅な削減、更に
は建屋内及び壁部の空間のより有効な利用を図ることで
きるようにしたもの、及び建屋内に収納される機器部材
の据付け工事の省力化、工期短縮化を図ったものを提供
する。 【構成】 矩形ブロック状に形成した鋼板ブロックを連
続的に引き並べて枠組みを形成し、この枠組みにコンク
リートを打設して構築した鋼板コンクリート構造建屋に
おいて、前記鋼板ブロックの鋼板7,20の表面に建屋
内に収納する機器部材を支持する支持部材6a,6b,
6cの支持機能を持たせたことを特徴とする。
Description
建屋に使用される鋼板コンクリート構造建屋及びその構
築方法に関する。
筋コンクリート構造(RC構造)としており、その一般
的な構築方法は、床、壁、天井等の各部材毎に、鉄筋の
組立て工事を行った後、コンクリートを打設するための
型枠工事を行い、しかる後、コンクリートを打設して、
そのコンクリートが硬化するまで、例えば一ヶ月程度の
養生後に型枠を撤去する。そして、その後に、建屋内に
収容される配管、ケーブルトレイ、空調ダクト等の機器
部材を、コンクリート打設前に鉄筋コンクリート構造体
内に予め設定しておいた埋込金物にそれらの支持部材を
溶接等で支持して据付けるようにしている。
13に示す。
の他に、これらの相互間を連絡する配管1、これらの動
力用又は計装用のケーブルを設置するためのケーブルト
レイ2、建屋内の換気空調を行う空調ダクト3等の機器
部材が配置されている。特に、これら配管1、ケーブル
トレイ2及び空調ダクト3については、建屋内のほぼ全
域に亘って延びるように設置されている。
めに、コンクリート躯体4内にスタッドジベル付埋込金
物5が埋設され、この埋込金物5の露出表面に各々の支
持部材6の端部が溶接等に固着され、この各支持部材6
に前記配管1、ケーブルトレイ2、空調ダクト3等の機
器部材がボルト・ナット若しくは溶接等によりそれぞれ
固定支持されている。
コンクリート打設後、コンクリートが硬化するまで、建
屋の中で機械工事を行うことができない。
すように、建屋を鋼板コンクリート構造とすることが提
案されている。
隔離間して配置された2枚の矩形状鋼板7,7間に補強
用リブプレート8を挟込むとともに、必要に応じてスタ
ッドジベル9で補強して矩形ブロック状の壁用鋼板ブロ
ック10を形成し、この鋼板ブロック10を引き並べ各
突合せ部11を溶接で接合して枠組み12を形成し、こ
の枠組み12内、即ち各壁用鋼板ブロック10の各空間
部10a内にコンクリートを流し込んで硬化させること
より構成される。
例えば図15に示すように、吊り具13により揚重機1
4で吊り上げられて所定の位置に搬送され、事前に図1
4に示す床部15に埋込まれたアンカーナット16を介
して該床部15に固定される。
で補強され両側に溝形鋼18が配置されてブロック状に
形成された床及び天井用鋼板ブロック10′(図16参
照)を引き並べ各突合せ部を接合して枠組みを形成し、
この枠組みの上方に鉄筋19を組んでコンクリート4を
打設することにより構成される。
を収納するため、図17に示すように、鋼板7の裏面側
(コンクリート側)の所定の位置に予め埋込金物5を溶
着しておき、コンクリート打設後に図18に示すように
鋼板7の該埋込金物5に対応する位置に穿孔7aを設け
て埋込金物5の表面を外部に露出させ、この露出部表面
に支持部材6の端面を溶接してこれを固定するようなさ
れていた。
リート打設後、コンクリートの硬化を待って建屋内の機
械工事に着手する鉄筋コンクリート構造に比べ、その工
期を短縮することができる。
ように、例えば原子力発電所の建屋構造として、鋼板コ
ンクリート構造を採用したとしても、埋込金物の埋設箇
所の配置調整が大変で、この設定に多大の時間がかかる
ばかりでなく、鋼板の切欠きが多量に発生して建屋構造
部材に欠陥を生じさせ、しかも、各切欠き毎に強度確認
が必要となってしまう。
ト、ケーブルトレイ等の機器部材の施工に際しては、建
屋が構築された後に、別途これらの据付け工事を行う必
要があり、この工事に対してはさらなる合理化が要望さ
れている。
で、鋼板の露出表面を有効に利用してコンクリート打設
の際に埋込む埋込金物の枚数の大幅な削減、更には建屋
内の空間や壁自体のより有効な利用を図ることができる
ようにしたもの、及び建屋内に収納される機器部材の据
付け工事の省力化、工期短縮化を図ったものを提供する
ことを目的とする。
め、本発明に係る鋼板コンクリート構造建屋は、矩形ブ
ロック状に形成した鋼板ブロックを連続的に引き並べて
枠組みを形成し、この枠組みにコンクリートを打設して
構築した鋼板コンクリート構造建屋において、前記鋼板
ブロックの鋼板表面に建屋内に収納する機器部材を支持
する支持部材の支持機能を持たせたことを特徴とするも
の、及び前記鋼板ブロックの鋼板表面の露出部を建屋内
に収納する機器部材の一部として一体に形成したことを
特徴とするもの、更には前記前記鋼板ブロック間にコン
クリートを打設することなく空間のまま残した部分を設
けたことを特徴とするものである。
法は、矩形ブロック状に形成した鋼板ブロックを連続的
に引き並べて枠組みを形成し、この枠組みにコンクリー
トを打設するようにした鋼板コンクリート構造建屋の構
築方法において、建屋内に収納される機器部材を前記枠
組み形成前の前記鋼板ブロックに予め一体化させておく
ことを特徴とするものである。
れば、埋込金物を別途設けることなく、機器部材を支持
する支持部材をこの端面を鋼板表面に直接溶接すること
によって固定することができ、これによって埋込金物の
枚数の大幅な削減を図ることができる。
の露出部を空調ダクトやケーブルトレイ等の機器部材の
一部として一体的に使用することにより、この一部を鋼
板の露出部で構成した機器部材を支持するための支持部
材及び該支持部材の端部を固定支持する埋込金物を不要
となすとともに、建屋内部の空間のより有効な利用を図
ることができる。
ブロック間にコンクリートを打設することなく空間のま
ま残した部分を設けることにより、この空間を空調用ダ
クトや配管スペースとして使用することができ、これに
よって空調ダクトや配管スペースを別途設ける必要をな
くすとともに、壁自体のより有効な利用を図ることがで
きる。
建屋内に収納される機器部材を予め一体化させておいた
鋼板ブロックを引き並べ、必要に応じて溶接等を施すこ
とによって、建屋の構築と同時に機器部材の建屋内への
据付けを行うことができる。
して説明する。
体4の反対側の露出表面にケーブルトレイ2や空調ダク
ト3等の機器部材を支持する支持部材6(6a〜6c)
の支持機構を持たせた実施例を示すものである。
に配置されたスタットジベル9,9間の所定の箇所に追
加スタットジベル9aを設けるとともに、一部に厚肉の
鋼板20を使用して該厚肉の鋼板20を長足のスタッド
ジベル9bで補強して、荷重が少ない支持部材6aの支
持に対しては、鋼板7の表面をそのまま、より荷重が大
きい支持部材6bの支持に対しては、前記追加スタッド
ジベル6aを付加した部分の表面を、大荷重の支持部材
6cの支持に対しては、前記厚肉の鋼板20の表面をそ
れぞれ使用し、各支持部材6a,6b,6cの端部を溶
着して支持するようにしたものである。
支持する荷重の大きさに合わせて、強度の異なる部分を
使い分けることにより、全ての支持部材6を支持するよ
うにすることができ、しかも埋込金物の枚数を極力少な
くすることができる。
しては、図2(a)に示すように、厚肉の鋼板20の外
形とほぼ同じ大きさの内形を有する切欠き7aを鋼板7
に予め設けておいて、鋼板20の外周面を切欠き7aの
内周面に突合せて該突合せ部を溶着する突合せタイプの
他に、同図(b)に示すように、厚肉の鋼板20の外形
よりやや小さい内形の切欠き7bを設けて、鋼板7の裏
面側に厚肉の鋼板20を溶着する切欠きタイプ、及び同
図(c)に示すように、鋼板7にスタッドジベル9bを
挿通させる穴7cを開けておいて、この穴7cの中にス
タッドジベル9bを挿通させこの表面側から厚肉の鋼板
20を溶着する穴開けタイプがある。
て、スタッドジベル9の他にアングル材21やチャンネ
ル材22を使用したものであり、また図4に示す実施例
は、所定間隔毎に厚肉の鋼板20を配置するとともに、
この厚肉の鋼板20,20間に渡し材23を掛け渡し
て、この渡し材23で支持部材6を支持するようにし
て、支持部材6を任意の支持点で支持できるようにした
ものである。
記図1に示す実施例のような使い分けの必要をなくして
標準化を図ることができ、これによって、設計及び製作
の際の工数の低減を図ることができる。
ができることは勿論である。
機器部材の一部として使用した実施例を示すもので、図
5に示す実施例は、壁部を構成する鋼板7の露出表面に
上板24と底板25の一側面を所定間隔離間させて平行
に溶着するとともに、この上板24と底板25の他側面
に側板26を溶着して、密閉された空間部27を形成
し、この空間部27を空調用ダクト3となすとともに、
鋼板7の表面に所定のピッチで直線的に連続した連結板
28の一端を2列に溶着し、この連結板28の他端に夫
々溝形鋼29を溶着して2列に延びるケーブルトレイ2
を構成したものである。
板26で構成された空間部27は密閉構造であり、空調
ダクト3として使用することができるともに、この空調
ダクト3は、建屋を構成する鋼板7と一体構造となして
建屋に固定され、また鋼板7、連結板28及び溝形鋼2
9によって構成されるケーブルトレイ2も、鋼板7と一
体構造をなして建屋に固定される。
ブルトレイ2が建屋と一体構造となっているので、空調
ダクト及びケーブルトレイ固定用の支持部材及び該支持
部材を固定する埋込金物を不要となすとともに、壁面と
空調ダクト3及びケーブルトレイ2との間の支持部材等
の施工スペースをなくして建屋内の有効スペースを増加
させることができる。
3及びケーブルトレイ2の荷重を考慮して、この取付部
におけるスタットジベル9,9間に追加スタットジベル
9aを設けて、ここでの強度の強化を図っている。
ーナ部に底板25と側板26の一側部を溶着するすると
ともに、他側部を互いに溶着して該コーナ部に密閉され
た空間部27を形成し、この空間部27で空調ダクト3
の1つを構成するとともに、天状部をなす鋼板7にも、
一対の側板26を所定間隔離間させて平行に垂設し、こ
の両側板26の下端に底板25を溶着して密閉された空
間部27を形成し、この空間部27を他の空調ダクト3
としたものである。
建屋構造材と兼用するようにすることができる。
する補強用のH型鋼17の一部を下向きに突設させ、こ
のH型鋼17,17同志を底板25で連結して密閉され
た空間部27を形成し、この空間部27で空調ダクト3
を構成したものである。
する補強用のH型鋼17の一部を下向きに突設させ、こ
のH型鋼17,17同志を連結板28で連結して空間部
を形成し、この空間部でケーブルトレイ2を構成したも
のである。
にコンクリートを打設することなく、空間のままの部分
を残し、この空間を空調ダクト3として使用するように
した実施例を示すものである。
7,7間の一部の補強用リブプレート8,8で挟まれた
部分にコンクリート4を打設することなく、空間30を
そのまま残し、この空間30を空調ダクト3として、図
10は、床部15に立設した壁部をなす鋼板ブロック
7,7間の一部の補強用リブプレート8,8で挟まれた
部分にコンクリート4を打設することなく、空間30′
をそのまま残し、この空間30′を空調ダクト3として
使用するようにしたものである。
を調整することにより、空間30,30′の大きさを変
更することができ、また、この空間30,30′を他の
用途、例えば配管用スペースとして使用することもでき
る。
にコンクリートを打設することなく空間30,30′の
まま残した部分を設け、この空間30,30′を空調用
ダクト3や配管用スペースとして使用することにより、
空調ダクト3や配管用スペースを別途設ける必要をなく
すとともに、壁自体のより有効な利用を図ることができ
る。
示すもので、この実施例の場合、壁部は、図11に示す
ように、2枚の矩形状鋼板7,7間に補強用リブプレー
ト8を挟み込んで形成した壁用鋼板ブロック10の表面
側に、予め配管1の支持部材6とケーブルトレイ2の支
持部材6を溶接またはボルト等で固定するとともに、こ
の各支持部材6で配管1及びケーブルトレイ2を個々に
保持して一体ブロック化しておき、これを吊り具13に
より揚重機14で吊り上げて所定の位置に搬送して引き
並べ、この各突合せ部を溶着して枠組みを形成した後、
この枠組み内にコンクリートを流し込むことによって構
築される。
板7とH型鋼17とを組合わせ側部に溝形鋼18を配置
して形成した天井用鋼板ブロック10′の下面に、予め
配管1の支持部材6を固着するとともに、この支持部材
6で配管1を保持して一体ブロック化しておき、これを
吊り具13により揚重機14で吊り上げて所定の位置に
搬送して引き並べ、この各突合せ部を溶着し、更に必要
に応じてこの上方に鉄筋を配置して枠組みを形成し、こ
こにコンクリートを打設することによって構築されるよ
うなされている。
配管1等の機器部材を予め一体化させておいて、これを
順次引き並べつつ各突合せ部を溶接等により固定して建
屋を構築して行くことにより、建屋の構築と同時に各機
器部材を壁部や天井部に据付けることができ、その後
に、各ブロック間の突合せ部の小規模の工事を行うこと
で建屋内の機器部材の据え付け工事を完了させることが
できる。
材もユニット化して据付けることができることから、建
屋を構築した後に建屋内の天井部等の高所に機器部材を
据付ける必要がなくなり、建設工期の大幅短縮化と工事
の大幅な省力化、更には安全性の確保を図ることができ
る。
0に機器部材の一つとしての配管1及びケーブルトレイ
2を、天井用鋼板ブロック10′に同じく配管1を夫々
予め一体化させた例を示しているが、他の機器部材を一
体化させたり、予め一体化する機器部材の個数を増加さ
せることもできることは勿論である。
請求項1記載の建屋によれば、埋込金物を別途設けるこ
となく、機器部材を支持する支持部材をこの端面を鋼板
表面に直接溶接することによって固定することができ、
これによって埋込金物の枚数の大幅な削減を図ることが
できるとともに、標準化することによって、埋込金物の
配置設計工数の大幅な削減を図るようにすることもでき
る。
の露出部を空調ダクトやケーブルトレイ等の機器部材の
一部として使用することにより、この一部を鋼板の露出
部で構成した機器部材を支持するための支持部材及び該
支持部材の端部を固定支持する埋込金物を不要となすと
ともに、鋼板の切欠きによる欠陥をなくすことができ、
更に建屋内部の空間のより有効な利用を図ることができ
る。
ブロック間にコンクリートを打設することなく空間のま
ま残した部分を設け、この空間を空調用ダクトや配管ス
ペースとして使用することにより、空調ダクトや配管ス
ペースを別途設ける必要をなくすとともに、壁自体のよ
り有効な利用を図ることができる。
内に収納される機器部材を予め一体化させておいた鋼板
ブロックを引き並べ、必要に応じて溶接等を施すことに
よって、建屋の構築と同時に機器部材の建屋内への据付
けを行うことができ、これによって、建設工期の大幅短
縮化と省力化、更には高所作業低減化による安全性の大
幅な向上を図ることができる。
一実施例を示す断面図。
板の取付け部の異なる例を示す断面図。
を示す斜視図。
斜視図。
する斜視図。
図。
図。
図。
斜視図。
図。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】矩形ブロック状に形成した鋼板ブロックを
連続的に引き並べて枠組みを形成し、この枠組みにコン
クリートを打設して構築した鋼板コンクリート構造建屋
において、前記鋼板ブロックの鋼板表面に建屋内に収納
する機器部材を支持する支持部材の支持機能を持たせた
ことを特徴とする鋼板コンクリート構造建屋。 - 【請求項2】矩形ブロック状に形成した鋼板ブロックを
連続的に引き並べて枠組みを形成し、この枠組みにコン
クリートを打設して構築した鋼板コンクリート構造建屋
において、前記鋼板ブロックの鋼板表面の露出部を建屋
内に収納する機器部材の一部として一体に形成したこと
を特徴とする鋼板コンクリート構造建屋。 - 【請求項3】矩形ブロック状に形成した鋼板ブロックを
連続的に引き並べて枠組みを形成し、この枠組みにコン
クリートを打設して構築した鋼板コンクリート構造建屋
において、前記鋼板ブロック間にコンクリートを打設す
ることなく空間のまま残した部分を設けたことを特徴と
する鋼板コンクリート構造建屋。 - 【請求項4】矩形ブロック状に形成した鋼板ブロックを
連続的に引き並べて枠組みを形成し、この枠組みにコン
クリートを打設するようにした鋼板コンクリート構造建
屋の構築方法において、建屋内に収納される機器部材を
前記枠組み形成前の前記鋼板ブロックに予め一体化させ
ておくことを特徴とする鋼板コンクリート構造建屋の製
造方法。
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