JPH07197221A - Ni−Ti−Pd系形状記憶合金素子の製造方法 - Google Patents

Ni−Ti−Pd系形状記憶合金素子の製造方法

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JPH07197221A
JPH07197221A JP35272093A JP35272093A JPH07197221A JP H07197221 A JPH07197221 A JP H07197221A JP 35272093 A JP35272093 A JP 35272093A JP 35272093 A JP35272093 A JP 35272093A JP H07197221 A JPH07197221 A JP H07197221A
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JP
Japan
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alloy
shape memory
temperature
cold
memory alloy
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JP35272093A
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Hiroshi Horikawa
宏 堀川
Tatsuhiko Ueki
達彦 植木
Kazuo Matsubara
和男 松原
Kengo Mitose
賢悟 水戸瀬
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Ni−Ti−Pd系形状記憶合金素子の加工
性を良くし、かつ高温における回復ひずみの大きい素子
が得られるようにしたこと。 【構成】 図1に示すNi−TiおよびPdの三元合金
組成図において、A,B,CおよびDで示す点の成分が
原子%で A:Ni14.0%、 Ti51.0%、 Pd35.
0% B:Ni34.5%、 Ti51.0%、 Pd14.
5% C:Ni37.5%、 Ti48.0%、 Pd14.
5% D:Ni17.0%、 Ti48.0%、 Pd35.
0% で囲まれた領域内にあるNi−Ti−Pd系合金の鋳塊
を、500〜840℃の温度で熱間加工した後、焼鈍と
冷間加工を繰り返し、最終の冷間加工率を10〜40と
して冷間加工を行うことを特徴とするNi−Ti−Pd
系形状記憶合金素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、100℃以上の高温域
でひずみ量で2%以上の形状回復をする形状記憶合金を
用いた素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子%で1対1近傍のNi−Ti合金は
高温相の母相状態で立方晶構造をとり、これを冷却する
とマルテンサイト変態温度で変態して単斜晶構造のマル
テンサイト相となる。形状記憶効果を期待する場合は、
まさにこの変態による結晶構造の変化による、形状回復
現象を利用する。その形状回復率は、ひずみ量で5%近
くもあり、これを利用して、感温動作する素子として、
家電や自動車などの分野に広く応用されている。しか
し、Ni−Ti合金の場合は、変態温度の高温側の限界
が、100℃付近である。そのため、機器を構成する有
機物が溶ける温度を感知する動作素子や、さらにSn−
Pdのようなハンダが溶ける温度に対する感温動作素子
としては、Ni−Ti合金は使用できなかった。一方、
Ni−Ti−Pd系形状記憶合金でPdが50at%の
範囲で、500℃近い高温に変態温度があり、形状記憶
効果を示すことは特公平4−63139号公報において
公知である。しかしNi−Ti−Pd系合金は加工性が
悪く、また感温動作素子等に実際に使用する場合は、少
なくとも2%以上の形状回復ひずみが必要であるが、高
温において、2%以上の形状回復ひずみを有するNi−
Ti−Pd系形状記憶合金素子は得られてないのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
ついて検討の結果なされたもので、加工性が良く、かつ
100℃以上の高温において、ひずみ量で2%以上の形
状回復を示すNi−Ti−Pd系形状記憶合金素子が得
られる製造方法を開発したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すN
i−TiおよびPdの三元合金組成図において、A,
B,CおよびDで示す点の成分が原子%で A:Ni14.0%、 Ti51.0%、 Pd35.
0% B:Ni34.5%、 Ti51.0%、 Pd14.
5% C:Ni37.5%、 Ti48.0%、 Pd14.
5% D:Ni17.0%、 Ti48.0%、 Pd35.
0% で囲まれた領域内にあるNi−Ti−Pd系合金の鋳塊
を、500〜840℃の温度で熱間加工した後、焼鈍と
冷間加工を繰り返し、最終の冷間加工率を10〜40%
として冷間加工を行うことを特徴とするNi−Ti−P
d系形状記憶合金素子の製造方法である。
【0005】
【作用】本発明において対象とする合金の組成を上記の
ように限定したのは、後述する実施例に基づき熱間、冷
間加工性と動作温度および2%以上の形状回復ひずみ量
との関係により決定したもので、図1にその合金組成範
囲を示す。この組成図において、点ABよりNi組成の
低い側、CDよりNi組成の高い側は、破断までの伸び
が小さく、冷間の加工性が劣り、工業的ではない。AD
より、Pd濃度が高い方では、形状回復ひずみ量が感温
動作素子として使う場合に低すぎる。BCより、Pd濃
度が低い方では、高温用の感温動作素子として、動作す
る温度が100℃未満である。したがって、ABCDで
囲った範囲が最適である。
【0006】また熱間加工の温度を500〜840℃と
したのは、500℃より低い温度では割れが入り易く加
工できないからであり、また840℃より高い温度では
鋳塊の表面に多数のひび割れが生じるからである。さら
に焼鈍と冷間加工を繰り返し、最終の冷間加工率を10
〜40%とするのは、10%以上の冷間加工を施すこと
により、回復ひずみが格段に向上するからであるが、4
0%より高いと割れが生じ、加工できないためである。
なお合金の溶解は、通常のアーク溶解、高周波真空溶解
が適用でき、得られた鋳塊は、常法により均質化熱処理
を施し熱間圧延する。また冷間加工の間に行う焼鈍は、
500〜840℃で行うことが望ましい。
【0007】
【実施例】以下に本発明の一実施例について説明する。 (実施例1)本実施例では合金組成と冷間加工性につい
て実験した。アーク溶解にて表1に示すNi−Ti−P
d合金を作製した。均質化熱処理後、750℃において
熱間圧延を1.2mmの板厚まで行った。この板から試
験片を取り出し、引張り試験により破断伸びを測定し
た。さらに、冷間の圧延を行った。減面加工率15%の
冷間圧延後、割れが入ったサンプルを“×”入らなかっ
たサンプル“○”で評価した。これらの結果を表1に併
記した。また組成について図1に示した。
【0008】
【表1】
【0009】表1および図1から明らかなように、No.
1〜No.9はいずれも冷間加工性が良い。これに対し、
ABよりNi組成の低濃度側のNo.10, 11, 13
と、CDよりNi組成の高濃度側のNo.12, 14は冷
間の加工性が悪く、工業用の材料としては好ましくな
い。
【0010】(実施例2)本実施例ではPd濃度と変態
点(Af)および形状回復ひずみについて実験した。表
1中に示した合金のうち、割れなかったサンプルに関し
て、0.8mmまで焼鈍・冷間加工を繰り返し、最終の
冷間圧延の減面加工率を20%として圧延した。得られ
た板から、幅1.0mmの短冊状の試験片を切りだし、
500℃1時間の熱処理を行った。変態点(Af)は、
20mg±4mgの試験片を切りだし、DSC法によっ
て測定した。形状回復ひずみは、引張り試験機により測
定した。ひずみ量はストレイン式の伸び計を用いて精密
に測定した。恒温炉によって(Af−40)℃に制御し
た試験片を、ひずみ量5%まで変形し、荷重を除荷した
後、(Af+50)℃まで加熱し、回復ひずみを測定し
た。その時に得られる荷重−ひずみ曲線の一例を図2に
示す。また測定結果を表2に示す。
【0011】
【表2】
【0012】表2より明らかなように、No.1はAfが
100℃より低く、No.7およびNo.9は形状回復ひず
みが2%より低い。以上の結果より、100℃以上の変
態温度は、図1中、BCよりPd高濃度側の必要があ
る。また、形状回復ひずみは、感温動作素子として少な
くとも2%以上必要であるので、この組成は、図1中、
ADより低Pd濃度側の必要があることが判る。したが
って、前記の実施例1で行った冷間加工性は良好であっ
たNo.1、No.7およびNo.9は本発明の対象外とな
る。
【0013】(実施例3)本実施例では熱間加工性につ
いて実験した。サンプルNo.3とNo.5の合金を均質化
処理後、厚さ10mmの形状に切りだし、表3中に示す
温度で、熱間圧延性を評価した。圧延のロール間隔を7
mmにして、450℃〜900℃の間で15分間保持し
た後、炉から取り出した直後、圧延機に通した。その時
のサンプルの状況を表3に併記した。
【0014】
【表3】
【0015】表3から明らかなように450℃では、い
ずれの合金も中央から割れが入り、加工が不可能であっ
た。高温では、No.3の試料で880℃以上、No.5の
試料で920℃以上において、表面に圧延方向に直角な
線状の割れが多数生じる。したがって、熱間加工は50
0℃〜840℃が良い。
【0016】(実施例4)本実施例では冷間加工率と形
状回復ひずみについて実験した。実施例1と同様に作製
した、No.4の合金の、熱間圧延後の板厚1.2mmの
板材を、750℃20分間焼鈍した。その後、表4に示
す減面率で、冷間圧延を行った。その板材から、短冊状
の試験片を作製し、500℃1時間の熱処理を行い、実
施例2と同様の形状回復ひずみの測定を行った。その結
果を表4に併記した。
【0017】
【表4】
【0018】表4から明らかなように、加工率が15%
以上になると、形状回復ひずみが格段によくなることが
わかる。また、45%では、サンプルが割れてしまい、
加工が不可能である。したがって形状回復ひずみ向上の
ための冷間加工率は10〜40%が適当である。
【0019】(実施例5)本実施例では高温における素
子の動作について実験した。表1中に示した合金のう
ち、No.4の試料を、750℃の熱間加工後、0.8m
mまで焼鈍・冷間加工を繰り返し、最終の冷間圧延の減
面加工率を20%とした。得られた板から、幅5.0m
mの短冊状の試験片を切りだし、300℃1時間の熱処
理を行った。これを、室温で長手方向に5%のひずみを
与えた後、100mmの長さに切断した。この試料を用
いて、図3のような装置を作製した。この装置はNi−
Ti−Pd系形状記憶合金素子1が形状を回復すると長
手方向に収縮し、2mm収縮したところで接点2が圧縮
コイルばね3に押されて接触し、ランプ4が点灯する感
温装置である。室温から徐々に温度を上昇させた結果、
160℃において、形状記憶合金素子1が収縮し、ラン
プ4が点灯した。このように、本発明に係る形状記憶合
金素子が、100℃以上の温度で、動作することが確認
された。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
加工が容易で、かつ高温における回復ひずみの大きいN
i−Ti−Pd系形状合金素子が得られるもので、工業
上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るNi−Ti−Pd系三
元合金の組成を示す図
【図2】本発明の一実施例に係るNi−Ti−Pd系形
状記憶合金素子の荷重−ひずみ曲線図
【図3】本発明の一実施例で使用する感温装置の概略図
【符号の説明】
1 Ni−Ti−Pd系形状記憶合金素子 2 接点 3 圧縮コイルばね 4 ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/14 // C22K 1:00 (72)発明者 水戸瀬 賢悟 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図1に示すNi−TiおよびPdの三元
    合金組成図において、A,B,CおよびDで示す点の成
    分が原子%で A:Ni14.0%、 Ti51.0%、 Pd35.
    0% B:Ni34.5%、 Ti51.0%、 Pd14.
    5% C:Ni37.5%、 Ti48.0%、 Pd14.
    5% D:Ni17.0%、 Ti48.0%、 Pd35.
    0% で囲まれた領域内にあるNi−Ti−Pd系合金の鋳塊
    を、500〜840℃の温度で熱間加工した後、焼鈍と
    冷間加工を繰り返し、最終の冷間加工率を10〜40%
    として冷間加工を行うことを特徴とするNi−Ti−P
    d系形状記憶合金素子の製造方法。
JP35272093A 1993-12-28 1993-12-28 Ni−Ti−Pd系形状記憶合金素子の製造方法 Pending JPH07197221A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003102256A1 (fr) * 2002-06-04 2003-12-11 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Fil extremement fin en alliage a memoire de forme, materiau composite destine a la fabrication de ce fil et procede de production associe
JP2013155436A (ja) * 2009-11-02 2013-08-15 Saes Smart Materials Ni−Ti半製品及びその製造方法

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