JPH07196645A - ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物 - Google Patents

ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物

Info

Publication number
JPH07196645A
JPH07196645A JP34936293A JP34936293A JPH07196645A JP H07196645 A JPH07196645 A JP H07196645A JP 34936293 A JP34936293 A JP 34936293A JP 34936293 A JP34936293 A JP 34936293A JP H07196645 A JPH07196645 A JP H07196645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extraction
polyphenols
extract
weight
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34936293A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiro Shimura
二郎 志村
Toshiharu Yamazaki
敏晴 山崎
Koichi Matsumoto
宏一 松本
Tadashi Sasazuka
忠 笹塚
Hiroshi Suzuki
弘 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOKKAIDO TOGYO KK
Hokkaido Sugar Co Ltd
Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
Original Assignee
HOKKAIDO TOGYO KK
Hokkaido Sugar Co Ltd
Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOKKAIDO TOGYO KK, Hokkaido Sugar Co Ltd, Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd filed Critical HOKKAIDO TOGYO KK
Priority to JP34936293A priority Critical patent/JPH07196645A/ja
Publication of JPH07196645A publication Critical patent/JPH07196645A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】抽出溶媒に植物を所定時間浸漬しポリフェノー
ル類を抽出する方法であって、(a)植物原料の乾燥重量
に対して1重量%以上300重量%以下のベタイン、及
び(b)水若しくは混合溶液全重量中5重量%以上80重
量%以下のアルコールが配合されているアルコールと水
との混合溶液、とからなる抽出溶媒を用いることを特徴
とする抽出方法。 【効果】抽出溶媒にベタインを添加した本発明の抽出方
法により、植物から効率よくポリフェノール類を抽出す
ることができる。従って、その後に特別に精製工程を必
要とせず、単に抽出溶媒を除去するのみで、実用的に十
分な生理活性を有する抽出液及び抽出物を安全且つ容易
に、そして工業的に安定して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物からポリフェノール
類を抽出する新規な方法に関する。更にはポリフェノー
ル類を含有する植物由来の抽出液及び抽出物に関する。
【0002】
【従来の技術】茶を初めとする植物から抽出されたポリ
フェノール類の生理活性に関しては、古くから経験的に
伝承されてきた。近年これらの成分と生理活性の関係が
次第に明らかにされている。
【0003】例えば抗酸化作用(特開平4−20262
号公報)、シュクラーゼ活性阻害作用(特開平5−17
352号公報)、血小板凝集阻害作用(特開平2−18
4626号公報)、抗歯周病予防作用(特開平3−21
8320号公報)、貝類駆除作用(特開平3−1482
05号公報)、殺マイコプラズマ作用(特開平3−10
6820号公報)、血糖上昇抑制作用(特開平4−25
3918号公報)など種々の機能が見出され各種用途へ
の提案がなされている。
【0004】上記公報記載の技術を利用するためには植
物からポリフェノール類を効率良く抽出し、純度良く精
製されなければならず、そのための製造技術も多く提案
されている。
【0005】例えば、茶抽出物を疎水性溶媒を用いて精
製する方法(特開昭59−219284号公報、特開昭
59−219384号公報)、茶抽出液を限外濾過膜に
より分子量分画する方法(特開平2−6499号公
報)、茶抽出物をカラムで精製する方法(特開平2−3
11474号公報)、茶水溶性成分をカラム及び有機溶
剤を用いて精製する方法(特開平4−182479号公
報)などである。
【0006】上記いずれの製造方法においてもまず第1
工程として茶からポリフェノール類の抽出が必要不可欠
である。該方法は熱水又は熱水とアルコールの熱混合溶
液に茶葉を浸漬し場合により更に加熱し、所望により圧
搾するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記抽
出方法により抽出後、溶媒を除去して得られる抽出物中
に含まれるポリフェノール類はせいぜい30%程度であ
った。従って、第1工程での抽出効率が低いため、その
後の精製工程が費用及び手間のかかるものとなり、全体
的な製造効率には限界があった。
【0008】また、上記精製方法は工程中に引火点のあ
る毒性の強い溶剤を使用することになり、使用した溶剤
が抽出物中に残留する恐れが生じるため安全性上に問題
がある。
【0009】そこで、上述の事情を鑑み本発明は安全で
抽出効率が高く、しいては生理活性に優れた、茶葉から
ポリフェノール類の抽出方法を提供することを目的とす
る。更には前記抽出方法により製造されるポリフェノー
ル含有量が高く、当然に生理活性の高い安全な抽出液及
び抽出物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的に
従い鋭意研究を進めた結果、抽出溶媒にベタインを添加
して抽出作業を行うと、ポリフェノール類の抽出効率が
上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明は、抽出溶媒に植物を所定時間浸漬
しポリフェノール類を抽出する方法であって、(a)植物
原料の乾燥重量に対して1重量%以上300重量%以下
のベタイン、及び(b)水若しくは混合溶液全重量中5重
量%以上80重量%以下のアルコールが配合されている
アルコールと水との混合溶液、とからなる抽出溶媒を用
いることを特徴とする抽出方法に関する。更には該抽出
方法により製造される抽出液及びこれから溶媒を除去し
て製造される抽出物に関する。
【0012】
【作用】詳しい作用については未だ不明であるが、抽出
溶媒にベタインを添加することにより、植物中のポリフ
ェノール類が溶媒中へ高率に抽出される。本発明の抽出
物の抗酸化作用はポリフェノール類単独で用いるよりも
相乗的に増強されており、このことからベタインとポリ
フェノール類との間で何らかの相互作用が働いているも
のと考える。
【0013】ベタインは動植物界に広く分布する塩基性
窒素化合物であり、微生物の生育抑制、抗酸化作用、幼
動物の生長促進作用、肝機能の正常化作用などが報告さ
れている。この中、現在実用化されているのは塩化コリ
ンの代替として生長促進作用の目的で幼動物の飼料に添
加されているに過ぎない。
【0014】即ち、ベタインについての上述のポリフェ
ノール類の抽出効率向上を目的としての利用は本発明に
より初めて開示されたものである。
【0015】
【好適な実施態様】本発明の抽出方法の目的物質であ
り、同時に、本発明の抽出液及び抽出物の成分をなすポ
リフェノール類は、下記の一般式Iで表わされるカテキ
ン類と一般式IIで表わされるテアフラビン類に代表され
る。
【0016】
【化1】
【0017】(上記式中、R1はH又はOHを示し、R2
はH又は次式iを示す。)
【0018】
【化2】
【0019】一般式Iで表わされるカテキン類の具体例
としては以下のものがある。 (−)エピカテキン(一般式I中、R1=H、R2=H
のもの) (−)エピガロカテキン(一般式I中、R1=OH、
2=Hのもの) (−)エピカテキンガレート(一般式I中、R1
H、R2=式iのもの) (−)エピガロカテキンガレート(一般式I中、R1
=OH、R2=式iのもの)
【0020】
【化3】
【0021】(上記式中、R3及びR4はH又は上式iを
示し、R3及びR4は同一であっても異なっていても構わ
ない。)
【0022】一般式IIで表わされるテアフラビン類の具
体例としては以下のものがある。 遊離型テアフラビン(一般式II中、R3=H、R4=H
のもの) テアフラビンモノガレートA(一般式II中、R3=式
i、R4=Hのもの) テアフラビンモノガレートB(一般式II中、R3=
H、R=式iのもの) テアフラビンジガレート(一般式II中、R3=式i、R
4=式iのもの)
【0023】本発明の抽出原料としては、ポリフェノー
ル類を含有していることが知られている植物が適用さ
れ、例えば茶、ローズマリー、セージ、ゴマ、綿実、ブ
ドウ、アルファルファ、イチョウ、甘草、メース、ナツ
メグなどを挙げることができる。この中でも茶(Camell
ia sinensis)が最も好ましい。ここでいう茶とは、茶
全草、若しくはその一部、例えば葉、木部、根、実など
の生若しくは乾燥物の不醗酵物若しくは部分醗酵物若し
くは完全醗酵物を指す。本発明では、緑茶、ウーロン
茶、紅茶等の茶葉がより好ましく、更にはウーロン茶葉
が特に好ましい。
【0024】本発明に適用されるベタインは天然の蛤、
牡蠣、イカ、ビート、小麦などの動植物から抽出された
ものであれば構わない。好ましくはアザミ科フダンソウ
属(Beta属)に属するビート(Beta vulgaris)から抽
出されたものであり、安定供給、価格などの点で適当で
ある。
【0025】本発明で使用するベタインの配合量として
は、抽出原料となる植物の乾燥重量に対して1重量%以
上300重量%以下とし、好ましくは5重量%以上30
0重量%以下であり、より好ましくは20重量%以上2
00%以下である。ベタインの配合量が1重量%より少
ないと、ベタインの添加による抽出効率の上昇効果が十
分に表れない。即ち、1重量%以上添加した時に初めて
ベタインの添加による抽出効率の上昇効果が得られ、5
重量%以上配合すると、その効果は顕著なものとなる。
一方、ベタイン量を300重量%より多く添加してもポ
リフェノール類の抽出は阻害され逆に抽出効率は低下傾
向を示すため無駄である。
【0026】本発明の方法に係る抽出溶媒のベタイン以
外の成分としては水を単独で使用すればよい。更に、水
にアルコールを混合して使用すると抽出効率を一層高め
ることができる。
【0027】混合するアルコールとしては水溶性を示す
ものでなければならず、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコールなどが挙げられる。アルコールを混
合する場合の配合量はアルコールと水との混合溶液全重
量に対して5重量%以上80重量%以下とし、好ましく
は10重量%以上50重量%以下、特に好ましくは20
重量%以上40重量%以下である。アルコールの配合量
が5重量%未満ではアルコールの添加による効果が表れ
ず、80重量%を超えて配合すると逆に抽出効率の低下
を招く。
【0028】上記ベタイン及び水を、場合によりこれに
アルコールを加えたものを抽出溶媒として抽出原料をこ
の中に浸漬させ、開放下又は還流下にて抽出を行う。抽
出温度及び抽出時間は、抽出原料及び抽出溶媒に応じて
適宜選択すればよいが、抽出温度が高い方が抽出効率は
よくなり、抽出時間も短時間ですむ。抽出終了後は必要
に応じて原料を圧搾する。
【0029】ところで、本発明の抽出方法は必ずしも熱
湯又は抽出時の加熱を必要としなくても十分に実用的な
量のポリフェノール類を抽出することができる。
【0030】本発明の抽出方法により製造された抽出液
はポリフェノール類を高濃度に含有し且つ抽出溶媒はい
ずれも安全な物質であるので、必要に応じて濃縮するな
どしてそのまま利用することができる。
【0031】或いは、本発明の抽出液を抽出溶媒の種類
に応じて適当な方法で溶媒が除去され、乾燥され、抽出
物を得、利用に供してもよい。溶媒の除去方法として
は、蒸発法、減圧法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法などが挙
げられる。
【0032】本発明の抽出液又は抽出物中にはベタイン
が残留しているが、ベタインも天然物であり、人体に対
してポリフェノール類と同様に安全な物質であり且つポ
リフェノール類の生理活性には何等悪影響を与えない。
特にポリフェノール類を抗酸化作用の目的で使用する場
合には、ベタイン自身の抗酸化作用と相俟って相乗的に
作用が増強するので、むしろ好ましい。
【0033】本発明の抽出方法は安全且つ簡便であり、
生理活性の高いポリフェノール類を効率良く抽出するこ
とができる。更に該方法により製造される本発明の抽出
液又は抽出物は、その中に十分にポリフェノール類を含
有している為、前述の如くそのままでも十分に実用に供
せられる。従って、前述の従来例の如き有毒な有機溶剤
を使用することがないので、作業者も安全であり且つ極
めて安全なポリフェノール類を提供することができる。
【0034】しかし、本発明は、本発明の抽出液及び抽
出物について、更に前述の公知の方法を適用して精製し
共存するカフェィン、茶色素、アミノ酸、糖、ステロイ
ド等の來雑物を除去することを妨げるものではない。
【0035】以下、実施例により本発明について更に説
明を加えるが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。尚、特にことわりのない限り実施例中の
「%」とは「重量%」を表わすこととする。
【0036】
【実施例】
【実施例1】ウーロン茶葉3kg(乾燥重量)にベタイ
ン1kgと水30lを加えて、30分間開放下で煮沸し
ながら抽出を行った。抽出溶液の量が15lとなるよう
に蒸発させて調整した後、圧搾ろ過し抽出液サンプルと
した。このときの抽出固形分濃度は約6%であった。
【0037】
【比較例1】ベタインを添加しないこと以外は実施例1
と同様にして抽出を行った。このときの抽出固形分濃度
は約4%であった。
【0038】
【評価試験1】 色素退色防止効果試験 <その1>実施例1及び比較例1について、カロチノイ
ド色素の退色防止効果試験を下記の方法で実施した。結
果を表1に示す。また、0.3重量%抽出液添加色素液
の退色変化については図1にも表わした。
【0039】別に調製したβ−カロチンの1%可溶化液
3mgをとり、蒸留水で全量が100mlとなるように
希釈したものをβ−カロチン標準液とした。このβ−カ
ロチン標準液に上記実施例1及び比較例1で得た抽出液
をそれぞれについて0.1%、0.3%となるように添
加して、液を日のあたる窓際に放置した。放置開始時及
び経日的に最大吸収波長での吸光度を測定し、放置開始
直後の吸光度を100としその後の変化を調べた。な
お、吸光度の測定は色素液2mlをとり、アセトンで5
0mlに希釈して行った。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示される通り、0.1%及び0.3
%のいずれの濃度においても実施例1の方が比較例1よ
り経日的な色素退色変化が遅く抗酸化作用が強く働いて
いることを示した。即ち、ベタインが添加されている実
施例1の方がポリフェノール類がより多く抽出されてい
ることを示した。
【0042】<その2>ウーロン茶葉3kg(乾燥重
量)を下記表2に示す処方の抽出溶媒を加えて還流下3
0分間抽出を行った。抽出後ただちに抽出液を圧搾瀘過
し、抽出溶液が半量になるまで蒸発させ、これを抽出液
とした(実施例2〜11及び比較例2〜4)。
【0043】実施例2〜11及び比較例2〜4に関し、
上記と同様にしてカロチノイドの色素の退色防止効果に
ついて評価試験を行った。色素液中の抽出液添加量は
0.3%とした。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】前記表1の対照と比較すると、ベタインの
添加による効果は1重量%から表われ始め、5重量%以
上ではポリフェノール類の抽出効率の向上がより顕著に
認められた。一方、300重量%を超えると、逆に抽出
効率が低下傾向を示した。アルコールの配合量について
も同様に水との混合溶液中5重量%以上80重量%以下
であるときに抽出効率の向上をなしえることが認められ
た。
【0046】<その3>次の処方により1時間煮沸した
後、抽出溶液が半量になるまで蒸発させて調製し、全量
の10%のエタノールを添加して原液とした(実施例1
2)。
【0047】抽出時の処方 ウーロン茶葉 30g ベタイン 30g イオン水 300L
【0048】別に下記処方のβ−カロチン1%乳化液を
調製した。
【0049】色素液の処方 ポリグリセリン脂肪酸エステル 10 % β−カロチン 3.4% MCT 7 % グリセリン 64 % イオン水 で 全量100 %
【0050】上記β−カロチン乳化液を3mg/100
mlとなるようにイオン水で希釈し、着色液とした。こ
れに、上記実施例12を抽出固形分に換算して300p
pm添加したものを日光のあたる窓際に放置した。放置
開始時及び経日的に最大吸収波長での吸光度を測定し、
放置開始直後の吸光度を100としその後の変化を調べ
た。なお、吸光度の測定は色素液2mlをとり、アセト
ンで50mlに希釈して行った。市販品(ウーロン茶抽
出物:抽出固形分濃度10%)についても同様に試験を
行った。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】本発明の抽出液は市販品に比べて色素退色
が遅いことを示し、本発明の抽出液中にはポリフェノー
ル類が高濃度に含有していることを立証した。即ち、本
発明の方法はポリフェノール類の抽出効率を向上させた
ものである。
【0053】
【評価試験2】 不溶性グルカン合成酵素阻害作用(抗
う蝕作用)の測定 上記実施例6を蒸発乾固させて得た抽出物及び市販品
(ウーロン茶抽出物:抽出固形分濃度10%)について
下記の要領で不溶性グルカン合成酵素阻害作用を調べ
た。サンプル液は実施例6及び市販品をそれぞれ純水で
希釈し調製した。結果は表4に示す。
【0054】 サンプル液(対照は純水) 100μl 0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液 100μl (pH6.0含デキストランT10 4mg/ml) G.Tase5倍希釈液 100μl を試験管にとり、37℃、1時間、前反応させる。 0.1Mグルコース(対照は純水) 100μl を更に加え、37℃2時間インキューベートする。冷却
後、0.25NーHCl0.2mlにて反応を停止させる。
【0055】生成した不溶性グルカンを純水にて3回遠
心洗浄した後(4000rpm、10分)、0.5NーNaOH
2mlにて、不溶性グルカンを攪拌し溶解させる。こ
の中から0.5mlを容量18mlの試験管に分注する。
これに5w/w%フェノール0.5mlと濃硫酸H2SO42.5
mlを加え、約1時間室温にて放置後490nmでの吸
光度を測定し、別に作成した検量線より不溶性グルカン
量(μg)を求める。尚、酵素活性の阻害率は次式によ
って計算される。
【0056】
【数1】
【0057】A0:対照の不溶性グルカン量(μg) A1:各試料の不溶性グルカン量(μg)
【0058】
【表4】
【0059】本発明品である実施例6と市販品とはほぼ
同程度の抗う蝕性を示した。市販品では本発明による抽
出後に何らかの精製工程を設けているものである。本発
明の方法により製造される抽出液又は抽出物は、ポリフ
ェノール類の抽出効率が良好であるため特別な精製工程
を設けずとも十分に生理活性を有する優れたものであっ
た。
【0060】
【発明の効果】抽出溶媒にベタインを添加した本発明の
ポリフェノール類の抽出方法により、植物から効率よく
ポリフェノール類を抽出することができる。従って、そ
の後に特別に精製工程を必要とせず、単に抽出溶媒を除
去するのみで、実用的に十分な生理活性を有する抽出液
及び抽出物を容易且つ工業的に安定して得ることができ
る。
【0061】従って、本発明の抽出方法ではポリフェノ
ール類と同様に天然に存在する安全なベタインを使用し
有毒な有機溶剤等は使用しないので、作業者にとっても
安全であり且つ抽出液又は抽出物中に有機溶剤が残留す
るおそれもないため消費者にとっても安全な物質を提供
できる。即ち、本発明によりポリフェノール類という天
然に存在する安全性の高い物質を利用する意義が最大限
に活かされる。更に、本発明は安価且つ容易に実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1と本発明の実施態様の一である実施例
1により得た抽出液サンプルが各々0.3重量%添加さ
れたβ−カロチン色素液の経日的な退色変化を相対的に
表わしたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 宏一 神奈川県横浜市西区南浅間町1−1 横浜 油脂工業株式会社内 (72)発明者 笹塚 忠 北海道北見市北上101−15 (72)発明者 鈴木 弘 東京都杉並区和泉1−28−22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抽出溶媒に植物を所定時間浸漬しポリフェ
    ノール類を抽出する方法であって、(a)植物原料の乾燥
    重量に対して1重量%以上300重量%以下のベタイ
    ン、及び(b)水若しくは混合溶液全重量中5重量%以上
    80重量%以下のアルコールが配合されているアルコー
    ルと水との混合溶液、とからなる抽出溶媒を用いること
    を特徴とする抽出方法。
  2. 【請求項2】植物が茶(Camellia sinensis)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリフェノール類の抽出
    方法。
  3. 【請求項3】茶がウーロン茶葉であることを特徴とする
    請求項2記載のポリフェノール類の抽出方法。
  4. 【請求項4】加熱しながら植物を抽出溶媒中に浸漬させ
    ることを特徴とする請求項1記載の抽出方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の一に記載の方法により製
    造されたポリフェノール類を含有する抽出液。
  6. 【請求項6】請求項5記載の抽出液から溶媒を除去する
    ことにより製造されるポリフェノール類を成分に有する
    抽出物。
  7. 【請求項7】ポリフェノール類がエピカテキン、エピガ
    ロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン
    ガレート、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノガレ
    ートA、テアフラビンモノガレートB、テアフラビンジ
    ガレートの少なくとも1種以上である請求項6記載の抽
    出物。
JP34936293A 1993-12-28 1993-12-28 ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物 Withdrawn JPH07196645A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34936293A JPH07196645A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34936293A JPH07196645A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07196645A true JPH07196645A (ja) 1995-08-01

Family

ID=18403255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34936293A Withdrawn JPH07196645A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07196645A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080995A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Toyo Shinyaku Co., Ltd. プロアントシアニジン高含有物の製造方法
JP2007045798A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Saga Univ ポリフェノールの抽出方法とその装置
US8567412B2 (en) 1997-12-24 2013-10-29 Biosyntec Use of polyphenol compounds or derivatives thereof as free-radical scavengers in cigarette filters
CN113198203A (zh) * 2015-04-10 2021-08-03 纳图瑞克斯有限公司 共熔萃取溶剂,使用该溶剂、根据共熔生成法的萃取方法,和由该萃取方法产生的萃取物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8567412B2 (en) 1997-12-24 2013-10-29 Biosyntec Use of polyphenol compounds or derivatives thereof as free-radical scavengers in cigarette filters
WO2004080995A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Toyo Shinyaku Co., Ltd. プロアントシアニジン高含有物の製造方法
JP2007045798A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Saga Univ ポリフェノールの抽出方法とその装置
CN113198203A (zh) * 2015-04-10 2021-08-03 纳图瑞克斯有限公司 共熔萃取溶剂,使用该溶剂、根据共熔生成法的萃取方法,和由该萃取方法产生的萃取物
CN113198203B (zh) * 2015-04-10 2023-09-08 纳图瑞克斯有限公司 共熔萃取溶剂,使用该溶剂、根据共熔生成法的萃取方法,和由该萃取方法产生的萃取物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE46788E1 (en) Parthenolide free bioactive ingredients from feverfew (Tanacetum parthenium) and processes for their production
JPS59219384A (ja) 天然抗酸化剤の製造方法
EP0810222B1 (fr) Procédé d'extraction de polyphénols catéchiques à partir de potentilles, extrait obtenu et son utilisation
JP3635081B2 (ja) 美白剤、抗酸化剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、老化防止剤、皮膚外用剤、化粧料及び食料品
EP0384796A1 (fr) Procédé de préparation d'extraits polyphénoliques de type flavane-3-ol purifiés et extraits obtenus
Astiti et al. Analysis of phenolic and tannin contents in the methanol extract of sweet and sour star fruit plants (Averrhoa carambola L) leaves commonly used as raw materials of Lawar (A Balinese Traditional Food)
JPH07196645A (ja) ポリフェノール類の抽出方法及び該方法により得られる抽出液と抽出物
JP4344913B2 (ja) ケルセチン組成物、食品保存剤及びその製造方法
JPH0665575A (ja) 天然酸化防止剤
JP2001299305A (ja) 活性酸素消去用組成物およびその製造法
TW201815407A (zh) 含有極度遮光栽培的綠茶的萃取物的皮膚外用劑組合物及用途
KR101920859B1 (ko) 엉겅퀴 꽃 발효식초를 함유하는 두피 및 모발용 조성물 및 이의 제조방법
WO2012014948A1 (ja) 抗酸化剤及び化粧料
SE469107B (sv) Kosmetiska ljusskyddspreparat innehaallande flaederblomsextrakt och foerfarande foer deras framstaellning
JPH06305978A (ja) チロシナーゼ阻害剤、美白化粧品および変色防止剤
JP2594083B2 (ja) 香料の変色防止剤
JP4504118B2 (ja) アルコール飲料
AU2013201510B2 (en) Parthenolide Free Bioactive Ingredients from Feverfew (Tanacetum Parthenium) and Processes for their Production
JP5232979B2 (ja) コレステロール低減剤
CA2740359A1 (fr) Composition cosmetique comprennant un extrait d' acanthe et utilisation d' acanthe dans une composition cosmetique capillaire
JP3331616B2 (ja) 抗菌剤
KR20040057291A (ko) 프로폴리스의 유효성분 추출방법
RU2102417C1 (ru) Способ производства красного пищевого красителя
JP2002114691A (ja) 活性酸素消去剤
JPH07110213B2 (ja) 食品材料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010306