JPH07196085A - 船の推進装置 - Google Patents

船の推進装置

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JPH07196085A
JPH07196085A JP1211894A JP1211894A JPH07196085A JP H07196085 A JPH07196085 A JP H07196085A JP 1211894 A JP1211894 A JP 1211894A JP 1211894 A JP1211894 A JP 1211894A JP H07196085 A JPH07196085 A JP H07196085A
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propeller
hydrofoil
pod
hull
ship
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Katsumi Kawajiri
勝己 川尻
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロペラブレードが岩礁や浅瀬に当って損傷
を受けるおそれがなく、プロペラブレード後方の螺旋状
回転水流中においてフィン付き紡錘形プロペラポッドが
その後部表面の流れ剥離発生を防止し、プロペラポッド
の推進抵抗を小さくし、推進効率を向上する船の推進装
置を提供する。 【構成】 翼断面形状ストラット11によって船体から
垂下され、かつプロペラ駆動機構を収容した紡錘形のプ
ロペラポッド12と、このプロペラポッド12の前部に
おいてその紡錘形の一部をなし、かつプロペラ駆動機構
により回転駆動されるハブ13と、このハブ13の周囲
に設けられた複数個のプロペラブレード21と、プロペ
ラポッド12からその軸心を略中心として放射状に突設
され、かつプロペラブレード21より半径方向外方に突
出する垂直下向きのフィン25aを含む複数個の翼断面
形状フィン25を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、船の推進装置、詳し
くは水中翼船に好適なフィン付きプロペラポッド及びプ
ロペラからなる推進装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水中翼船の一般的な推進装置10
0には、図7に示すように、船底51から長さの異なる
支柱101a、101bによって垂下された軸受102
によって斜めにプロペラ軸103を軸承した斜軸式プロ
ペラ推進方式(例えば、Jene'sHi-Speed Marine Craft
1993-94 参照)が採用されているが、航行中に傾斜プロ
ペラ軸103や軸受102が受ける抵抗が大きい上に、
流木等の水面浮遊物に当って航行中に損傷を受けるおそ
れがあり、また進行方向に対してプロペラ104が斜め
下方を向くために推進効率が悪く、さらにプロペラ駆動
用エンジン105が船体内中央付近に配置されることか
ら、通常、その上方や前後に配置される客室52、5
3、54にエンジン105が発生する騒音と振動が伝わ
り易いといった幾つかの問題がある。
【0003】そこで、図8に示すように、近年新たな水
中翼船に適した推進装置110として、エンジンを船体
内後部に配置してプロペラブレード21を傘歯車付き動
力伝達軸15、16を介して回転駆動する通称Z−ドラ
イブという動力伝達システムを使用したものが開発され
ている。この動力伝達システムは、エンジンからの動力
を伝達する動力伝達軸15を内部に収容した翼断面形状
ストラット11によって船体55から紡錘形のプロペラ
ポッド12を垂下している。そして、その内部に上記動
力伝達軸15からの動力の伝達方向をほぼ90度に変換
する傘歯車15a、16aを使用した動力伝達方向変換
機構14を収容し、そのプロペラポッド12の前部に紡
錘形の一部をなし、かつ上記動力伝達軸15によって動
力伝達方向変換機構14を介して回転駆動されるハブ1
3を設け、このハブ13によってその周囲に設けられた
複数のプロペラブレード21を回転するように構成され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のZ−ドライブ方式の推進装置110では、次の
ような点で改良の余地がある。すなわち、 1)プロペラブレード21がハブ13およびプロペラポ
ッド12の外周より外方に突出しているために、プロペ
ラブレード21が岩礁や浅瀬に当って損傷をうけるおそ
れがある。
【0005】2)またプロペラブレード21の下流側
(後方)にプロペラポッド12が位置しており、このプ
ロペラポッド12がプロペラブレード21の回転による
螺旋状回転水流の影響を受け、プロペラポッド後部12
aの表面流れが剥離して推進抵抗が増加し、推進効率が
低下する。
【0006】本発明は上記した従来のZ−ドライブ方式
の推進装置の不都合を解消するために提案されたもので
あって、従来のZ−ドライブ方式の推進装置に対しても
簡単な改造で容易に適用でき、プロペラブレードが岩礁
や浅瀬に当って損傷を受けないように予防措置がとら
れ、またプロペラブレード後方の螺旋状回転水流中にお
いてフィン付き紡錘形回転体形状プロペラポッドがその
後部表面の流れ剥離発生を防止してプロペラポッドによ
る推進抵抗を小さくし、推進効率をより一層改善するこ
とができる船の推進装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明にかかる船の推進装置は、a)翼断面形状スト
ラットによって船体から垂下され、かつプロペラ駆動機
構を収容した紡錘形のプロペラポッドと、b)このプロペ
ラポッドの前部においてその紡錘形の一部をなし、かつ
前記プロペラ駆動機構により回転駆動されるハブと、c)
このハブの周囲に設けられた複数のプロペラブレード
と、d)前記プロペラポッドからその軸心を略中心として
放射状に突設され、かつ前記プロペラブレードより半径
方向外方に突出する垂直下向きのフィンを含む複数の翼
断面形状フィンとを備えている。
【0008】請求項2記載のように、前記船が水中翼船
の場合に、前記プロペラポッドを巡航速度で水中翼船の
船体が水面から露出するに足る長さのストラットによっ
て船体から垂下して設けることができる。
【0009】また請求項3記載のように、前記船が水中
翼船の場合に、前記プロペラポッドを巡航速度で水中翼
船の船体が水面から露出するに足る長さのストラットに
よって船体から垂下して、このストラットの前記プロペ
ラポッドより上方において揚力発生用水中翼を設けるこ
とができる。
【0010】さらに請求項4記載のように、前記船が水
中翼船の場合に、前記プロペラポッドを巡航速度で水中
翼船の船体が水面から露出するに足る長さのストラット
によって船体から垂下して、このストラットの前記プロ
ペラポッドより下方の延長部において揚力発生用水中翼
を設けることもできる。
【0011】
【作用】上記した構成を有する本発明にかかる船の推進
装置では、内部に動力伝達手段などを収容した翼断面形
状ストラットによって船体から垂下されたプロペラポッ
ドは、上記動力伝達手段などを含むプロペラ駆動機構を
収容し、その紡錘形の一部をなすように前部に回転可能
に組み込まれたハブを上記プロペラ駆動機構によって回
転駆動するとともに、ハブの周囲に設けられた複数のプ
ロペラブレードを回転駆動する。このプロペラポッド
は、船体から離れて垂下されているために、一般に船尾
に設けられたプロペラが受けるような船体による、特に
船尾によって影響された複雑な水流を回避して一様な水
流をプロペラブレードが受けれるようにするとともに、
回転プロペラブレードの直後(すぐ下流側)に発生する
強い乱流と後方の螺旋状回転流とを、その紡錘形による
排除効果によってかなり整流化する。さらに、プロペラ
ポッドは、プロペラブレード先端部の早い水流部分をプ
ロペラブレードの外周円の外方へ押し出して有効伴流を
増加させることにより、推進効率を向上する。
【0012】プロペラポッドからその軸心を略中心とし
て放射状に突設された複数個のフィンのうち、プロペラ
ブレードより半径方向外方に突出した垂直下向きのフィ
ンは、一般のプロペラよりかなり下方に位置している本
発明のプロペラブレードが岩礁や浅瀬に当って損傷する
のを防ぐ。また、それらの複数の翼断面形状フィンに水
流に適合したピッチ角を持たせると、プロペラポッドの
後部に発生していた表面水流の剥離が解消されるととも
に、整流効果を一段と高めてプロペラブレードの回転に
よる螺旋状回転流を整流にして推進力を最大限に発揮さ
せることによって、推進効率がより一層高められること
になる。さらにその揚力発生効果によっても推進効率が
向上する。そして、上記した簡単な構成ゆえに、在来の
Z−ドライブ方式の推進装置に対しても簡単な改造で適
用できることになる。
【0013】請求項2のように、水中翼船に設けられ、
プロペラポッドが巡航速度で水中翼船の船体が水面から
露出するに足る長さのストラットによって該船体から垂
下されているものでは、上記した従来の水中翼船の一般
的な推進装置に比べて推進効率に優れ、抵抗が小さく、
客室へのエンジンの騒音や振動の問題が解消される。
【0014】また請求項3のように、プロペラポッドが
巡航速度で水中翼船の船体が水面から露出するに足る長
さのストラットによって該船体から垂下され、このスト
ラットが前記プロペラポッドより上方において揚力発生
用水中翼を備えているものでは、水中翼は回転プロペラ
ブレードの発生する螺旋状回転流の影響を受けないか
ら、上述のような揚力損失を起こすことがなく、推進効
率が優れている。
【0015】さらに請求項4のように、プロペラポッド
が巡航速度で水中翼船の船体が水面から露出するに足る
長さのストラットによって船体から垂下され、このスト
ラットが上記プロペラポッドより下方の延長部において
揚力発生用水中翼を備えているものも、水中翼は回転プ
ロペラブレードの発生する螺旋状回転流の影響を受け
ず、揚力損失を起こすことがなく、推進効率が優れてい
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明にかかる船の推進装置を実施例
によって図面を参照して詳細に説明する。
【0017】図1(a)は本発明の第1実施例にかかる船
の推進装置の側面図、図1(b)は髄の推進装置および正
面図である。
【0018】図1(a)および図1(b)において、本例の
船の推進装置1は、基本的には従来の推進システムと同
様にプロペラブレード21を回転駆動するもので、コミ
ューター船やタグボート、フェリーボートなどの中小型
船舶(図示せず)の船体内の後部に、エンジン(図示せ
ず)を配置してプロペラブレード21を傘歯車付き動力
伝達機構を介して回転駆動する通称Z−ドライブという
動力伝達システムである。紡錘形のプロペラポッド12
が、内部にエンジンからの動力を伝達する動力伝達軸1
5を収容した翼断面形状ストラット11によって船体5
から垂下されている。その内部に動力伝達軸15からの
動力の伝達方向を変換する傘歯車15a、16aを使用
した動力伝達方向変換機構14を収容し、そのプロペラ
ポッド12の前部には、プロペラポッド12とともに紡
錘形を形成し、かつ動力伝達軸15によって動力伝達方
向変換機構14を介して回転駆動されるハブ13を回動
自在に支承し、このハブ13の周囲に円周方向に等間隔
に設けられた複数個のプロペラブレード21がハブ13
とともに回転するように構成されている。
【0019】プロペラブレード21が発生する後方(下
流側)の螺旋状回転水流中に、紡錘形状のプロペラポッ
ド12を配置すると、そのプロペラポッド12によって
推進抵抗が増加する。しかし、プロペラポッド12の紡
錘形状を、例えば 1.8 ≦プロペラポッド最大径/プ
ロペラハブ径 ≦ 2.5 となるように設計することによ
り、回転するプロペラブレード21の直後に発生する強
い乱流と回転流をその紡錘形状による排除効果によって
整流にする。同時に、プロペラブレード21の先端部の
早い水流部分を、回転するプロペラブレードの外周円の
外方へ押し出して有効伴流を増加し、プロペラポッド1
2により抵抗が増加する分をかなり上回る推進効率の改
善効果が得られ、その結果として船の推進に必要なエン
ジンの出力を節減することができる。
【0020】プロペラポッド12の最大直径部12bか
らその軸心を中心として放射状に、本例では5枚の翼断
面形状推力発生用フィン25が円周方向に間隔をあけて
突設されいる。5枚のフィン25のうち垂直下向きのフ
ィン25aは、プロペラブレード21の半径より長い半
径を有するように形成して、プロペラブレード21より
半径方向外方に突出させることで、一般のプロペラより
かなり下方に設けられることになるプロペラブレード2
1が岩礁や浅瀬に当り損傷するのを防止する。また、そ
れらの5枚のフィン25(25a)は、水流に適合し
た、例えば、ストラット11から左右に60度ずつのピ
ッチ角を持たせ、かつ 0.5≦ フィン先端直径/プロ
ペラ径 ≦ 0.8に設定すると、ストラット11も加担
してプロペラポッド後部12aに発生するおそれのある
表面水流の剥離を防ぐと同時に、整流効果を一段と高め
て螺旋状回転流を整流にして推進力を最大限に発揮さ
せ、推進効率をより一層高めることになる。このように
翼断面形状フィン25は推力を発生させるとともに、揚
力も発生して推進効率の向上に寄与する。
【0021】図2は第2実施例にかかる船の推進装置を
備えた水中翼船の側面図、図3はその水中翼船の正面図
である。
【0022】図2および図3において、本例の推進装置
2は、水中翼船用に水中翼31と組み合わさった構造に
なっている点以外は、上記第1実施例のものと同じ構成
であり、同じ構成部材には同じ符号を付しているが、そ
れらの説明は省略して、相違点についてのみ説明する。
【0023】本例のフィン付きプロペラポッド12は、
巡航速度で水中翼船の船体6が水面から露出するに足る
長さのストラット11によって船体6から垂下されてお
り、また揚力発生用水中翼31を備えている。プロペラ
ポッド12は、図3に示すように船体6の後部にそれぞ
れストラット11により垂下して左右一対設けられてい
る。また左右のストラット11は、プロペラポッド12
のすぐ上方で、所定の迎え角度に傾斜させた中間部水中
翼31により相互に連結されている。さらに船体6の前
部船底の中央にも、垂下したストラット41の下端に揚
力発生用水中翼51を備えている。
【0024】図4(a)は第3実施例にかかる船の推進装
置の側面図、図4(b)は推進装置の正面図である。
【0025】図4(a)および図4(b)において、本例の
推進装置3は、水中翼船用に水中翼31と組み合わさっ
た構造になっており、基本的には、図2の推進装置2と
共通している。そこで、推進装置2と同じ構成部材には
同じ符号を付しているがそれらの説明は省略し、相違点
についてのみ説明する。本例の推進装置3では、水中翼
31はプロペラポッド12のかなり上方に配置されてお
り、回転プロペラブレード21の発生する螺旋状回転流
の影響を受けず、第2実施例に比べて揚力損失を起こし
にくいため、推進効率が優れており、水中翼船には最も
好適な推進装置である。
【0026】本例でも、上記第1実施例のものと同等の
翼断面形状推力発生用フィン25による効果を享受で
き、垂直下向きのフィン25aによってプロペラブレー
ド21が岩礁や浅瀬に当って損傷するのが防止される。
【0027】図5(a)は第4実施例にかかる船の推進装
置の側面図、図5(b)は推進装置の正面図である。
【0028】図5(a)および図5(b)において、本例の
推進装置4も、水中翼船用に水中翼31と組み合わさっ
た構造になっている点以外は、上記第1実施例のものと
同じ構成であり、同じ構成部材には同じ符号を付してい
るがそれらの説明は省略し、相違点についてのみ説明す
る。本例の一対のフィン付きプロペラポッド12は、水
中翼船の船体6の左右後部から船体6が巡航速度で水面
から露出し、かつプロペラブレード21を水中にいれて
おくに足る長さの左右一対のストラット11によって垂
下されており、またそれらプロペラポッド12から垂直
下向きに延長されたストラット延長部には、プロペラブ
レード21の先端より下方の下端部において所定の迎え
角度の揚力発生用水中翼31を備えている。
【0029】この場合にも、水中翼31は回転プロペラ
ブレード21の発生する螺旋状回転流の影響を受けず、
揚力損失を起こすことがないから、推進効率が優れてい
る。反面、巡航中に船体6を持ち揚げる状態において
も、プロペラブレード21を水面下に位置させておかね
ばならず、他の水中翼取り付け方式に比べてストラット
11の長さも、また最下部の水中翼31の下端までの長
さもかなりする必要がある。本例でも、上記第1実施例
のものと同等の翼断面形状推力発生用フィン25による
効果を享受できることは言うまでもない。また本例で
は、最下位置の水中翼31によってプロペラブレード2
1が岩礁や浅瀬に当って損傷するのを防ぐようになって
いるが、水中翼31を防護するためにさらに別の垂直下
向きのを付設することもできる。
【0030】図6(a)は第5実施例にかかる船の推進装
置の側面図、図6(b)は推進装置の正面図である。
【0031】図6(a)および図6(b)において、本例の
推進装置5では、左右の一対のプロペラポッド12が水
中翼31cによって連結され、各プロペラポッド12の
外側に水中翼延長部31a、31bがそれぞれ突設され
ている。この場合、水中翼31の一部は、回転プロペラ
ブレード21が発生する螺旋状回転流の影響を受けて若
干揚力損失を起こすことがあるが、他の水中翼取り付け
方式に比べて強度的に適した水中翼スステムとなる。本
例でも、上記第1実施例のものと同等の翼断面形状推力
発生用フィン25による効果を享受でき、また垂直下方
のフィン25aによってプロペラブレード21が岩礁や
浅瀬に当って損傷するのが防止される。
【0032】ところで、上記した各実施例では、プロペ
ラポッド12の前部にプロペラブレード付きハブ13を
設けたものを示しているが、プロペラポッド12の後部
にもプロペラブレード付きハブを設けたZ−ドライブ方
式の推進装置にも本発明を適用することができる。
【0033】また、水中翼船以外では、ストラット11
をその垂下軸線周りで船体6に対して360度旋回可能
に構成して操縦性能をもたせたり、プロペラブレード2
1を可変ピッチ方式として加速や減速、停止の船速制御
ができるようにすることもできる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる船
の推進装置によれば、 1)翼断面形状ストラットによって船体から垂下された
プロペラポッドによって、一般に船尾に設けられたプロ
ペラが受ける船体によって影響されるような複雑な水流
を回避し、整流された一様な水流をプロペラブレードへ
当てることができ、また回転するプロペラブレードの直
後に発生する強い乱流と後方回転流をそのプロペラポッ
ドの紡錘形状による排除効果によってかなり整流化し、
かつプロペラブレード先端部の早い水流部分をプロペラ
ブレードの外周の回転円の外方へ押し出して有効伴流を
増加させ、推進効率を向上する。
【0035】2)プロペラポッドからその軸心を略中心
として放射状に突設された複数のフィンのうちの垂直下
向きのプロペラブレードから半径方向外方に突出するフ
ィンによって、一般のプロペラよりかなり下方に設けら
れたプロペラブレードが岩礁や浅瀬に当って損傷するが
防止される。
【0036】3)それらの複数の翼断面形状推力発生用
フィンに水流に適合したピッチ角を持たせることによっ
て、プロペラポッド後部に発生していた表面水流の剥離
を防止するとともに、整流効果を一段と高めてプロペラ
ブレード後方の螺旋状回転流を整流にし、推進力を最大
限に発揮させ、推進効率をより一層高めることができる
とともに、その揚力発生作用によっても推進効率の向上
を図ることができる。
【0037】4)複数の翼断面形状推力発生用フィンを
プロペラポッドに放射状に突設した簡単な構造であるか
ら、在来のZ−ドライブ方式の推進装置に対しても容易
に適用できる。
【0038】請求項2の推進装置では、上記したように
従来の水中翼船の一般的な推進装置に比べて推進効率に
優れ、抵抗が小さく、客室へのエンジンの騒音や振動の
問題が解消される。
【0039】請求項3の推進装置では、さらに水中翼は
回転するプロペラブレードの発生する螺旋状回転流の影
響を受けないので、揚力損失を起こすことがなく、推進
効率が優れている。
【0040】請求項4の推進装置も、水中翼は回転プロ
ペラブレードの発生する螺旋状回転流の影響を受けず、
揚力損失を起こすことがないので、推進効率が優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施例にかかる船の推
進装置の側面図、図1(b)はその推進装置の正面図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例にかかる船の推進装置を備
えた水中翼船を示す側面図である。
【図3】図2の水中翼船の正面図である。
【図4】図4(a)は本発明の第3実施例にかかる船の推
進装置の側面図、図4(b)はその推進装置の正面図であ
る。
【図5】図5(a)は本発明の第4実施例にかかる船の推
進装置の側面図、図5(b)はその推進装置の正面図であ
る。
【図6】図6(a)は本発明の第5実施例にかかる船の推
進装置の側面図、図6(b)はその推進装置の正面図であ
る。
【図7】従来の一般的な斜軸式プロペラ推進方式の推進
装置を備えた水中翼船を示す側面図である。
【図8】従来の一般的なZ−ドライブ方式の推進装置の
側面図である。
【符号の説明】
1・2・3・4・5 推進装置 6 船体 11 ストラット 12 プロペラポッド 13 ハブ 14 動力伝達方向変換機構 15 動力伝達軸 21 プロペラブレード 25 翼形状推力発生用フィン 25a垂直下向きフィン 31 水中翼

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼断面形状ストラットによって船体から
    垂下され、かつプロペラ駆動機構を収容した紡錘形のプ
    ロペラポッドと、 このプロペラポッドの前部においてその紡錘形の一部を
    なし、かつ前記プロペラ駆動機構により回転駆動される
    ハブと、 このハブの周囲に設けられた複数のプロペラブレード
    と、 前記プロペラポッドからその軸心を略中心として放射状
    に突設され、かつ前記プロペラブレードより半径方向外
    方に突出する垂直下向きのフィンを含む複数の翼断面形
    状フィンとを備えていることを特徴とする船の推進装
    置。
  2. 【請求項2】 前記船が水中翼船であり、前記プロペラ
    ポッドは巡航速度で水中翼船の船体が水面から露出する
    に足る長さのストラットによって船体から垂下されてい
    る請求項1記載の船の推進装置。
  3. 【請求項3】 前記船が水中翼船であり、前記プロペラ
    ポッドは巡航速度で水中翼船の船体が水面から露出する
    に足る長さのストラットによって船体から垂下され、か
    つこのストラットは前記プロペラポッドより上方におい
    て揚力発生用水中翼を備えている請求項1又は2記載の
    船の推進装置。
  4. 【請求項4】 前記船が水中翼船であり、前記プロペラ
    ポッドは巡航速度で水中翼船の船体が水面から露出する
    に足る長さのストラットによって船体から垂下され、か
    つこのストラットは前記プロペラポッドより下方の延長
    部において揚力発生用水中翼を備えている請求項1又は
    2記載の船の推進装置。
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