JPH07194959A - ポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤、該界面活性剤の製造方法および洗浄剤組成物 - Google Patents

ポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤、該界面活性剤の製造方法および洗浄剤組成物

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JPH07194959A
JPH07194959A JP5351507A JP35150793A JPH07194959A JP H07194959 A JPH07194959 A JP H07194959A JP 5351507 A JP5351507 A JP 5351507A JP 35150793 A JP35150793 A JP 35150793A JP H07194959 A JPH07194959 A JP H07194959A
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JP
Japan
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fatty acid
amide
ester
polyoxyethylene
acid amide
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JP5351507A
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Tamotsu Fujii
保 藤井
Hirotaka Sekido
博孝 關戸
Kyoken Usuba
恭謙 薄羽
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Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
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Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D1/00Detergent compositions based essentially on surface-active compounds; Use of these compounds as a detergent
    • C11D1/88Ampholytes; Electroneutral compounds
    • C11D1/886Ampholytes containing P

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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 起泡力・洗浄力に優れ、しかも皮膚や毛髪に
対する刺激が少なく、さらに耐寒性に優れたポリオキシ
エチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤を
提供する。 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖
の飽和または不飽和の脂肪酸残基、nは1以上の整数を
表す)で示されるアミドエステルの含有率が、1.5w
t%以下であることを特徴とする、一般式(2) 【化2】 (式中、RCO、nは前記定義に同じ。AはRCONH
(CH2CH2O)n またはMO基を表し、Mは水素、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、ア
ルカノールアミンのカチオン性残基、または塩基性アミ
ノ酸のカチオン性残基を表す)で示されるポリオキシエ
チレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、起泡力・洗浄力に優
れ、しかも皮膚や毛髪に対する刺激が少なく、さらに溶
解性に優れたポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エ
ステル塩型界面活性剤およびそれを含有する洗浄剤組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、洗浄剤用の界面活性剤としてアル
キル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩などのアニオン界面活性剤が広く用いられて
いる。しかし、これらアニオン界面活性剤は、程度の差
はあるがいずれも皮膚刺激性を有し、連用すると皮膚を
荒らすという問題点を有している。
【0003】近年、皮膚刺激性の改善を目的に、脂肪酸
モノエタノールアミドにエチレンオキサイドを付加反応
させ、このエチレンオキサイド付加反応生成物をリン酸
エステル塩化した、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドリ
ン酸エステル塩型界面活性剤が使われるようになってき
た。
【0004】しかし、この方法で得られたポリオキシエ
チレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤は、
前記した、皮膚刺激などの点は優れているものの、水に
不溶性の化合物を含んでおり、その不溶物の含有量が多
いものは常温で、比較的含有量の少ないものでも冷時に
濁りを生じてしまい、商品価値を低下させていた。さら
に、起泡力や洗浄力についても充分とは言えず、満足で
きないものであった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、起泡力・
洗浄力に優れ、しかも皮膚や毛髪に対する刺激が少な
く、さらに溶解性に優れたポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミドリン酸エステル塩型界面活性剤およびそれを含有す
る洗浄剤組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、起泡力・
洗浄力に優れ、しかも皮膚や毛髪に対する刺激が少な
く、さらに溶解性に優れた洗浄剤組成物を得るべく検討
を重ねた結果、従来のポリオキシエチレン脂肪酸アミド
リン酸エステル塩型界面活性剤が有する欠点が、エチレ
ンオキサイド付加反応の際に副生するアミドエステルに
由来している事を発見した。
【0007】すなわち、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ドリン酸エステル塩型界面活性剤は、脂肪酸モノエタノ
ールアミドにエチレンオキサイドを付加する工程を経て
製造されているが、エチレンオキサイド付加の際に、化
12に示すような、不均化反応を起こし、ポリオキシエ
チレン脂肪酸アミド中にアミドエステル(a)とトリア
ルカノールアミン(b)が副生してしまう。
【0008】
【化12】
【0009】この不均化反応は、150℃以上の温度で
エチレンオキサイド付加を行った時に顕著である。エチ
レンオキサイド付加温度を下げれば、不均化反応を抑え
ることができるが、エチレンオキサイド付加温度を下げ
るとエチレンオキサイド付加の反応に時間を要してしま
う。また、原料の脂肪酸モノエタノールアミドの融点が
高い場合には、融点以下の温度でエチレンオキサイドを
付加することは不均一の反応となるのでできない。
【0010】したがって、脂肪酸モノエタノールアミド
にエチレンオキサイド付加を行なう限り、この不均化反
応が起こり、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド中に副生
したアミドエステルが混入してしまうことは避けられな
いことであった。
【0011】この、アミドエステルを含んだポリオキシ
エチレン脂肪酸アミドをリン酸エステル塩化して、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩を得よう
とすると、アミドエステルはリン酸エステル化剤と反応
しないでそのままの形で、製品であるポリオキシエチレ
ン脂肪酸アミドリン酸エステル塩中に混入してしまって
いた。
【0012】このアミドエステルは融点が高いため、多
量に存在すると、製品ポリオキシエチレン脂肪酸アミド
リン酸エステル塩型界面活性剤に濁りや沈殿を生じさせ
る原因となる。またアミドエステルはほとんど極性を持
たず、水溶性が乏しいため、他の界面活性剤と十分に相
溶せず、洗浄剤の配合においてもアミドエステルに由来
する濁りを生ずることがあり、商品価値を低下させてい
た。さらに、アミドエステルは起泡力や洗浄力が低いた
め、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩
型界面活性剤が本来有する性能を低下させていた。
【0013】そこで、本発明者らは、副生するアミドエ
ステルをポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステ
ル塩型界面活性剤から取り除くことにより、従来のポリ
オキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活
性剤の欠点を解消できるのではないかと着目し、研究を
進めた結果、アミドエステルを含むポリオキシエチレン
脂肪酸アミドに、アルカノールアミンを添加することに
より、アミドエステルは速やかにポリオキシエチレン脂
肪酸アミドに転移分解できることを見いだし、そうして
得られたアミドエステルを含有していないポリオキシエ
チレン脂肪酸アミドを、リン酸エステル塩化して得られ
たポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型
界面活性剤は、アミドエステルを含んでおらず前記の問
題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0014】すなわち本発明は、 (1)一般式(1)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖も
しくは分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸残基、nは1
以上の整数を表す)で示されるアミドエステルの含有率
が、1.5wt%以下であることを特徴とする、一般式
(2)
【0017】
【化14】
【0018】(式中、RCO、nは前記定義に同じ。A
はRCONH(CH2CH2O)n またはMO基を表
し、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム基、アルカノールアミンのカチオン性残基、ま
たは塩基性アミノ酸のカチオン性残基を表す)で示され
るポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型
界面活性剤。
【0019】(2) 下記一般式(3)
【0020】
【化15】
【0021】(式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖も
しくは分岐鎖の飽和、または不飽和の脂肪酸残基を表
す)で示される脂肪酸モノエタノールアミドにエチレン
オキサイドを付加させて、一般式(4)
【0022】
【化16】
【0023】(式中、RCOは前記定義に同じ、nは1
以上の整数を表す)で示されるポリオキシエチレン脂肪
酸アミドを製造し、該ポリオキシエチレン脂肪酸アミド
中に含まれる一般式(1)
【0024】
【化17】
【0025】(式中、RCOおよびnは前記定義に同じ
である)で示されるアミドエステルに対して、0.8〜
10倍モルの一般式(5)
【0026】
【化18】
【0027】(式中、mは1以上の整数を表す)で示さ
れるアルカノールアミンを反応させて、前記一般式
(1)のアミドエステルを、前記一般式(4)および一
般式(6)
【0028】
【化19】
【0029】(式中、RCOおよびmは、前記定義に同
じ)で示されるポリオキシエチレン脂肪酸アミドに転移
させた後、リン酸化剤とを反応させることを特徴とす
る、一般式(1)
【0030】
【化20】
【0031】(式中、RCO、nは前記定義に同じ)で
示されるアミドエステルの含有率が、1.5wt%以下
の一般式(2)
【0032】
【化21】
【0033】(式中、RCO、nは前記定義に同じ。A
はRCONH(CH2CH2O)n またはMO基を表
し、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム基、アルカノールアミンのカチオン性残基、ま
たは塩基性アミノ酸のカチオン性残基を表す)で示され
るポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型
界面活性剤の製造方法。
【0034】(3) 一般式(1)
【0035】
【化22】
【0036】(式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖も
しくは分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸残基、nは1
以上の整数を表す)で示されるアミドエステルの含有率
が、1.5wt%以下の一般式(2)
【0037】
【化23】
【0038】(式中、RCO、nは前記定義に同じ。A
はRCONH(CH2CH2O)n またはMO基を表
し、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム基、アルカノールアミンのカチオン性残基、ま
たは塩基性アミノ酸のカチオン性残基を表す)で示され
るポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型
界面活性剤を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
【0039】(4) 請求項3において、一般式(1)
のアミドエステルの含有率が wt%以下の一般式
(2)で示されるポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン
酸エステル塩型界面活性剤とアニオン界面活性剤および
/または両性界面活性剤を含有することを特徴とする洗
浄剤組成物。
【0040】本発明のポリオキシエチレン脂肪酸アミド
リン酸エステル塩型界面活性剤は、アミドエステルの含
有率が1.5wt%以下であることを特徴とするもので
あるが、本発明におけるアミドエステルの含有率とは、
前記一般式(2)で示されるポリオキシエチレン脂肪酸
アミドリン酸エステル塩型界面活性剤に対する含有率で
ある。
【0041】本発明の、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ドリン酸エステル塩型界面活性剤の原料となる一般式
(3)で表される脂肪酸モノエタノールアミドを構成す
るアシル基(RCO)は、炭素数6〜22の直鎖もしく
は分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸残基であり、例え
ば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核
油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸などの脂肪酸の残基が挙げら
れる。
【0042】本発明において、一般式(1)、(2)お
よび(4)におけるnは、オキシエチレン基の繰り返し
単位を表わす1以上の整数であるが、エチレンオキサイ
ドの付加反応を考慮すると、1〜100の範囲が好まし
く、さらに1〜21の範囲がより好ましい。
【0043】本発明の、一般式(4)で表わされるポリ
オキシエチレン脂肪酸アミドとしては、例えばポリオキ
シエチレン(3)ヤシ油脂肪酸アミド、ポリオキシエチ
レン(6)ヤシ油脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン
(11)ヤシ油脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン
(2)ラウリン酸アミド、ポリオキシエチレン(3)ラ
ウリン酸アミド、ポリオキシエチレン(4)ラウリン酸
アミド、ポリオキシエチレン(6)ラウリン酸アミド、
ポリオキシエチレン(11)ラウリン酸アミド、ポリオ
キシエチレン(6)ミリスチン酸アミド、ポリオキシエ
チレン(11)ステアリン酸アミド、ポリオキシエチレ
ン(21)オレイン酸アミドなどが挙げられる。
【0044】本発明の、アミドエステルの含有率が1.
5wt%以下のポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸
エステル塩型界面活性剤を製造するには、以下のように
行えばよい。
【0045】(ポリオキシエチレン脂肪酸アミドの製造
工程)この工程は、従来のポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミドを製造する方法に準じればよく、例えば一般式
(3)の脂肪酸モノエタノールアミドに、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、および水酸化ナトリ
ウムなどの塩基触媒の存在下、80〜200℃でエチレ
ンオキサイドを付加させればよい。
【0046】(アミドエステル分解工程)この工程は、
ポリオキシエチレン脂肪酸アミド中に含まれるアミドエ
ステルに対して0.8〜10倍モルの前記一般式(5)
のアルカノールアミンを反応させる。
【0047】本発明で用いられる前記一般式(5)のア
ルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミ
ン、ジグリコールアミン、トリグリコールアミン、ポリ
グリコールアミンなどが挙げられる。
【0048】アルカノールアミンを添加したのちの、転
移反応の方法は特に限定されないが、反応温度は、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミドの融点以上で行うことが好
ましい。この転移反応は比較的容易に進行し、通常の場
合20〜150℃で10分〜12時間攪拌することによ
って達成される。
【0049】添加するアルカノールアミンの量は、エチ
レンオキサイド付加が終了した時点でのポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド中のアミドエステルのモル含量に対
し、0.8〜10倍モルである。0.8倍モルより少な
い場合には、アミドエステル全量がポリオキシエチレン
脂肪酸アミドに変換できず、残ってしまう。10倍モル
を超える量を加えても、効果は変化せず、過剰分のアル
カノールアミンが製品中に残ってしまい、次のマレイン
酸エステル化工程において、無水マレイン酸を余計に必
要とするばかりでなく、製品ポリオキシエチレン脂肪酸
アミドリン酸エステル塩型界面活性剤の性能を低下させ
たり、経時的な着色の原因となるので好ましくない。
【0050】この工程では、アルカノールアミンに加
え、さらに、微量の塩基を添加すると転移反応を促進す
ることができる。ただ、脂肪酸モノエタノールアミドに
エチレンオキサイドを付加させる際、通常は塩基触媒を
用いているので、あえて塩基触媒を追加する必要はな
い。
【0051】転移反応において加えたアルカノールアミ
ンの過剰分が残留するのを嫌う場合は、反応終了後、減
圧でアルカノールアミンを除去することも可能である。
但しこの場合はモノエタノールアミンやジグリコールア
ミンなどの低沸点のアルカノールアミンを用いた場合に
限られる。しかし、指定した範囲のアルカノールアミン
添加量であれば、通常は最終製品のポリオキシエチレン
脂肪酸アミドリン酸エステル塩中に残留するアルカノー
ルアミンの含量は少なく、製品の性能・安定性に影響を
与えることはないので、除去の操作は必要としない。
【0052】(リン酸エステル塩化工程)この工程は、
従来のポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル
塩を製造する方法に準じれはよく、一般式(4)のポリ
オキシエチレン脂肪酸アミドにリン酸化剤を反応させた
のち、中和剤で中和すれはよい。
【0053】リン酸化剤としては、オキシ塩化リン、五
酸化リン、ポリリン酸、オルトリン酸などが挙げられる
本発明におけるリン酸エステル化反応方法は特に限定さ
れず、公知の方法にしたがって行えはよいが、モノ(ポ
リオキシエチレン脂肪酸アミド)リン酸エステルを得る
目的では、オキシ塩化リンをポリオキシエチレン脂肪酸
アミドに対して1〜3倍モル用い、反応温度は−20〜
80℃で行うことが好ましい。ジ(ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド)リン酸エステルを得る目的の場合では、
五酸化リンをポリオキシエチレン脂肪酸アミドに対し
て、0.25〜4倍モル用い、反応温度は0〜l20℃
で行うことが好ましい。なお五酸化リンで反応を行った
時は、モノエステルとジエステルの混合物となって得ら
れる場合が多い。
【0054】リン酸エステル化の反応は無溶媒でも進行
するが、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドの融点が反応
温度以上の場合には、ヘキサン、ベンゼン、トルエンな
どの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなど
のハロゲン系溶媒などの溶媒を用いてもよい。
【0055】リン酸エステル化の反応後、過剰に用いた
リン酸化剤から発生するオルトリン酸が不都合の場合
は、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステルを
溶媒で一旦抽出したのち、水を加え、分液洗浄する事で
容易に除去できる。
【0056】リン酸エステルの中和剤としてほ、アルカ
リ金属(例えばナトリウム、カリウムなど)の水酸化
物、アルカリ土類金属(例えはマグネシウムなど)、ア
ンモニア、アルカノールアミン(例えは卜リエタノール
アミンなど)、または、塩基性アミノ酸(例えばリジ
ン、アルギニンなど)を用いることができる。
【0057】本発明により得られる一般式(2)で表わ
されるポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル
塩型界面活性剤の代表的なものを例示すると、ポリオキ
シエチレン(3)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン
酸カリウム、ポリオキシエチレン(11)ヤシ油脂肪酸
アミドリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレ
ン(6)ラウリン酸アミドリン酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレン(6)ミリスチン酸アミドリン酸アンモニウ
ム、ポリオキシエチレン(11)ステアリン酸アミドリ
ン酸リジン塩、ポリオキシエチレン(21)オレイン酸
アミドリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0058】なお、アミドエステルの含有率が1.5w
t%以下のポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エス
テル塩型界面活性剤を製造する方法として、低濃度のア
ルカリ水で処理して、アミドエステルのエステル基のみ
を加水分解させ、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドと脂
肪酸石けんに分解させる方法や、アミドエステルを含有
するポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩
型界面活性剤からアミドエステルを抽出方法も挙げられ
る。
【0059】本発明における第3の発明は、アミドエス
テルの含有率が1.5wt%以下のポリオキシエチレン
脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤を含有する
洗浄剤組成物に関するものであり、さらに詳しくは、ア
ミドエステルの含有率がwt%以下のポリオキシエチレ
ン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤と、アニ
オン界面活性剤および/または両性界面活性剤を含有す
ることを特徴とする洗浄剤組成物に関する物である。
【0060】第3の発明の洗浄剤組成物に用いられるア
ミドエステルの含有率が1.5wt%以下のポリオキシ
エチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤の
洗浄剤組成物中における含有量は、0.05〜40重量
%、より好ましくは0.1〜30重量%である。
【0061】第3の発明の洗浄剤組成物における、アミ
ドエステルの含有率が1.5wt%以下のポリオキシエ
チレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤の含
有量が0.05重量%未満では、その効果充分でなく、
40重量%を越えて配合しても効果が増大せず好ましく
ない。
【0062】本発明で得られた、アミドエステルの含有
率が1.5wt%以下のポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ドリン酸エステル塩型界面活性剤は、それ単独でも界面
活性を示すが、他のアニオン界面活性剤および/または
両性界面活性剤と組み合わせることにより、その性能を
さらに向上させることができる。従来から用いられてい
るアミドエステルを含んだポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミドリン酸エステル塩型界面活性剤を含有する洗浄剤の
成分を、本発明で得られたポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミドリン酸エステル塩型界面活性剤に置き換えると、起
泡力・洗浄力が向上し、濁りなどが見られなくなり溶解
性や耐寒性が向上する。
【0063】本発明の洗浄剤組成物に用いられるアニオ
ン界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸トリエタノールアミンなどの脂肪酸石けん、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノ
ールアミンなどラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレン
(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸アミド
硫酸ナトリウムなどのアミドエーテル硫酸塩、モノドデ
シルリン酸トリエタノール、ポリオキシエチレンドデシ
ルエーテルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル類、
ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチル
タウリンナトリウムなどのアシルメチルタウリン塩、ラ
ウロイルイセチオン酸ナトリウムなどのアシルイセチオ
ン酸塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POE
(1〜4)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、など
のスルホコハク酸型界面活性剤、アルキルエーテルカル
ボン酸塩、カルボキシメチルセルロースなどのセルロー
ス誘導体、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイル
サルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリ
ウム、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサル
コシントリエタノールアミンなどのN−アシルサルコシ
ン塩、ココイル−N−メチル−β−アラニンナトリウ
ム、ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウ
ム、ミリストイル−N−メチル−β−アラニンナトリウ
ム、パルミトイル−N−メチル−β−アラニンナトリウ
ム、ステアロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウ
ム、ラウロイル−N−メチル−β−アラニンカリウム、
ラウロイル−N−メチル−β−アラニントリエタノール
アミンなどのN−アシル−β−アラニン塩、N−ラウロ
イルアスパラギン酸ナトリウム、N−ラウロイルアスパ
ラギン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイルアス
パラギン酸ナトリウムなどのN−アシルアスパラギン酸
塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウ
ロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ココイ
ルグルタミン酸ナトリウム、N−ココイルグルタミン酸
トリエタノールアミンなどのN−アシルグルタミン酸
塩、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ラウリン酸ア
ミドエチルグリシン、N−2−ヒドロキシエチル−N−
2−ヤシ油脂肪酸アミドエチルグリシン、N−2−ヒド
ロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチル−β−
アラニン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油
脂肪酸アミドエチル−β−アラニン、N−カルボキシメ
チル−N−{2−[N’−(2−ヒドロキシエチル)ラ
ウリン酸アミド]エチル}グリシン、N−カルボキシメ
チル−N−{2−[N’−(2−ヒドロキシエチル)ヤ
シ油脂肪酸アミド]エチル}グリシン、N−{2−[N
−(2−ヒドロキシエチル)ラウリン酸アミド]エチ
ル}グリシン、N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチ
ル)ヤシ油脂肪酸アミド]エチル}グリシンなどのアミ
ドカルボン酸型界面活性剤などが挙げられる。本発明の
洗浄剤組成物に用いられる両性界面活性剤としては、ラ
ウリルベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性
剤、ラウロイルアミドプロピルベタインなどのアミドベ
タイン型両性界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキ
シメチルイミダゾリニウムベタイン、および2−アルキ
ル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインな
どのイミダゾリン型両性界面活性剤、アルキルスルホベ
タイン型両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドジメチル
ヒドロキシプロピルスルホベタインなどのアミドスルホ
ベタイン型両性界面活性剤などを用いることができる。
【0064】本発明の洗浄剤組成物中における、アミド
エステルの含有率が1.5wt%以下のポリオキシエチ
レン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤とアニ
オン界面活性剤および/または両性界面活性剤との配合
比は20:1〜1:20であることが好ましく、各成分
の合計含有量は0.1%以上であることが好ましい。ア
ミドエステルの含有率が1.5wt%以下のポリオキシ
エチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤と
アニオン界面活性剤および/または両性界面活性剤との
配合比が上記の範囲外では起泡力・洗浄力が充分でな
く、また各成分の合計含有量が0.1重量%未満では、
その効果が充分でない。
【0065】また、本発明の洗浄剤組成物においては次
の追加成分を必要に応じて用いることができる。追加成
分としては、例えばヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、
ラウリン酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸ジエタノー
ルアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリ
ン酸モノエタノールアミドなどの脂肪酸モノエタノール
アミド、ヤシ油脂肪酸ジグリコールアミド、ラウリン酸
ジグリコールアミドなどの脂肪酸ジグリコールアミド、
ラウリン酸イソプロパノールアミドなどの脂肪酸イソプ
ロパノールアミド、脂肪酸エステル、ラウリルジメチル
アミンオキサイドなどのアルキルアミンオキサイド、P
OE高級アルコールエーテル、POEアルキルフェニル
エーテル、デシルグルコシドなどのアルキルグルコシド
などの非イオン界面活性剤、塩化ラウリルトリメチルア
ンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、
塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどの第4級ア
ンモニウム塩型カチオン界面活性剤、カチオン化ポリマ
ーおよびカチオン化グアーガムなどを挙げることができ
る。
【0066】また、次の追加成分も必要に応じて用いる
こともできる。これらの追加成分としては、グリセリ
ン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ソルビトールなどの多価アルコール類、メチルポリ
シロキサン、オキシアルキレン変性オルガノポリシロキ
サンなどのシリコーン類、ジンクピリチオン、ピロクト
ンオラミンなどのフケ取り剤、ヒアルロン酸、コラーゲ
ン、エラスチンコンドロイチン硫酸、デルマタン酸、フ
ィブロネクチン、セラミド類、キチン、キトサン等の水
溶性高分子物質、アロエエキス、胎盤抽出エキスなどの
細胞賦活剤、アラントイン、グリチルリチン酸塩などの
消炎剤、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸
塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸などのキレート
剤、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒド
ロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸塩、2,4,4’−トリ
クロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,
4,4’−トリクロロカルバニト、塩化ベンザルコニウ
ム、ヒノキチオール、レゾルシンなどの防腐剤、殺菌
剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシア
ニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸などの酸
化防止剤、香料および色素などを挙げることができる。
【0067】本発明の洗浄剤をシャンプーとして用いる
場合の形状は液状またはペースト(ゲル)状で、外観は
透明またはパール、乳濁状を呈しているのが一般的であ
るが、これに限定されるものではない。本発明の洗浄剤
を製造するには、当業者間で一般的に行われている配合
方法を用いればよい。
【0068】また、用途も任意であるが、代表的なもの
として、台所洗剤、硬質表面洗浄剤、洗顔剤、クレンジ
ングフォーム、シャンプー、ボディシャンプーなどの洗
浄剤が挙げられる。
【0069】
【作用】本発明の、アミドエステルの含有率が wt
%以下のポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステ
ル塩型界面活性剤が、起泡力・洗浄力に優れ、皮膚や毛
髪に対する刺激が少なく、かつ溶解性に優れている理由
は、本発明の界面活性剤の製造に際し、以下のようにア
ミドエステルが転移反応を起こすためである。
【0070】すなわち、エチレンオキサイド付加反応で
副生したアミドエステルにアルカノールアミンを反応さ
せると、化24の反応式に示すように、アミドエステル
のエステル基側のアシル基が、アルカノールアミンのア
ミノ基に転移する反応が起こる。
【0071】
【化24】
【0072】この転移反応によって、アミドエステルは
ほぼ定量的にポリオキシエチレン脂肪酸アミドに変換さ
れる。
【0073】アミドエステルを分解させるだけであれ
ば、低濃度のアルカリ水で処理することにより、アミド
エステルのエステル基のみを加水分解させ、ポリオキシ
エチレン脂肪酸アミドと脂肪酸石けんに分解することも
可能である。しかし、この方法では、刺激のある脂肪酸
石けんが少量生成してしまう。また、エチレンオキサイ
ド付加で副生したアミドエステル全量が、ポリオキシエ
チレン脂肪酸アミドに変換されることはないので、効率
的でない。
【0074】本発明によれば、余分な脂肪酸石けんは生
成せず、副生したアミドエステルをそのまま再びポリオ
キシエチレン脂肪酸アミドに変換することができること
から、副生成物であるアミドエステルを有効に利用でき
る。
【0075】また、従来の製造方法で得られた、アミド
エステルを含んだポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン
酸エステル塩型界面活性剤から、酢酸エチルなどの溶媒
を用いた抽出でアミドエステルのみを除去しても、本発
明のアミドエステルの含有率が1.5wt%以下のポリ
オキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活
性剤を得ることができる。アミドエステルは水に対する
溶解性がほとんどないので、酢酸エチルなど抽出溶媒を
用いれば比較的容易にアミドエステルとポリオキシエチ
レン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤とを分
離できる。しかし、この方法は、引火性あるいは揮発性
の溶媒を用いねばならず、抽出という余計な工程を必要
とし、また抽出後トッピングしなければならず、工業的
製造方法には適さない。
【0076】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
【0077】
【実施例】下記実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0078】製造例1 ヤシ油脂肪酸メチル225gにモノエタノールアミン6
1gおよびナトリウムメトキシド0.5gを加え、生成
するメタノールを減圧下留去しながら加熱攪拌し(20
mmHg、90℃、1時間)、ヤシ油脂肪酸モノエタノ
ールアミド255gを得た。これに、エチレンオキサイ
ド220gを加え、オートクレーブ中で、150℃、1
時間反応してポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸ア
ミド475gを得た。
【0079】このもののアミドエステル含量を測定する
ため1H−NMR分析を行った。すなわち、アミドエス
テルの−CH2−OCO−Rのメチレン基はTMSを内
部標準とした場合、δ4.2ppmに3重線となって特
徴的に観測されるので、他のシグナルとは容易に区別さ
れる。δ0.88ppmのCH3基の積分値とδ4.2
ppmのシグナルの積分値から、アミドエステル含量は
容易に算出できる。また、IR分析によっても分析可能
であるが、定量には向かない。ただ、アミドエステルが
存在しているかいないかの判断を付けるには好適であ
る。すなわち、1730cm-1のアミドエステルのエス
テル基のC=O伸縮の吸収があるかないかで、アミドエ
ステルの有無がわかる。
【0080】以下に1H−NMRの分析結果とアミドエ
ステル含量を示す。
【0081】1 H−NMR(250MHz、CDCl3
内部標準TMS) δ0.88ppm(t、CH3)のシグナルを3Hとし
て各シグナルを積分 δ4.22ppm(t、0.13H、−CH2 −O−C
ocoyl) アミドエステル含量:7モル% NMRシグナルの積分値からアミドエステル含量は下記
の計算式で求めた。
【0082】
【数1】
【0083】比較例1 製造例1で得られた、アミドエステルを含むポリオキシ
エチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド475gを、20℃
に加熱して均一に溶解させ、この溶解液にオキシ塩化リ
ン230gを20℃以下を保つように1時間かけて滴下
した。その後、室温で3時間反応させ、リン酸エステル
化した。
【0084】反応終了後、発生した塩化水素、未反応オ
キシ塩化リンを減圧で除去して、ポリオキシエチレン
(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸エステル555gを得
た。これを水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオキ
シエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウム
を合成した(アニオン有効成分:30%)。この物は、
室温で濁っていた。
【0085】31P−NMR分析の結果は以下のようであ
った。
【0086】 31P−NMR(101MHz,D2O,内
部標準:H3PO4) 0.96ppm(−10.99ppmは検出されず) この結果から、得られたリン酸エステルには、ジエステ
ルは含まれておらず、リン酸エステル分としては、モノ
(ポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド)リン
酸ナトリウムのみであった。
【0087】TLC分析(シリカゲル、展開液:クロロ
ホルム/メタノール/アンモニア水=100/35/
8)でアミドエステルの有無を調ベた。その結果、Rf
0.91にアミドエステルのスポットを認めた。
【0088】得られたポリオキシエチレン(6)ヤシ油
脂肪酸アミドリン酸ナトリウム100gを酢酸エチル1
00mlで3回抽出し、酢酸エチル層を水洗したのち硫
酸マグネシウムで乾燥してから溶媒除去したところ、ア
ミドエステルの結晶2.4gを得た。これはポリオキシ
エチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウム純
分に対して8.1重量%に相当し、これは、ポリオキシ
エチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドのリン酸エステル塩
化で、アミドエステルが反応せずにそのまま残っていた
と仮定した含量(8.1重量%)と一致したことから、
ポリオキシエチレン脂肪酸アミド中のアミドエステル
は、リン酸エステル塩化を受けず、製品ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミドリン酸エステル塩にそのまま残ってし
まうことがわかった。
【0089】製造例2 ラウリン酸メチル107gに、モノエタノールアミン3
1gおよびナトリウムメトキシド0.3gを加え、滅圧
下メタノールを留去しながら加熱撹拌し(20mmH
g,100℃,2時間)、ラウリン酸モノエタノールア
ミドを合成した。これに、エチレンオキサイド44gを
加え、オートクレーブ中で130℃、1時間反応させ
て、ポリオキシエチレン(3)ラウリン酸アミドを得
た。このものの1H−NMR分析(250MHz、CD
Cl3)を行い、アミドエステル含量を算出したとこ
ろ、アミドエステルを5.2モル%含んでいた。
【0090】比較例2 製造例2で得られたアミドエステルを含むポリオキシエ
チレン(3)ラウリン酸アミド166gを、五酸化リン
71gをへキサンでスラリーにした懸濁液に滴下した。
滴下終了後、60℃で5時開撹拌して、リン酸エステル
化した。
【0091】反応終了後、水を加えクエンチした。得ら
れた淡黄色液体を酢酸エチルで抽出してから、有機層を
水で洗浄して、オルトリン酸を除去した。酢酸エチルを
滅圧留去して、ポリオキシエチレン(3)ラウリン酸ア
ミドリン酸エステル200gを得た。これを、水酸化ナ
トリウム水溶液で中和してポリオキシエチレン(3)ラ
ウリン酸アミドリン酸ナトリウムを合成した(アニオン
有効成分:30%)。この物は室温で濁っていた。
【0092】31P−NMR分析の結果は以下のようであ
った。
【0093】−10.99ppm:0.95ppm=
3:7 また、特公昭58−8746号に示された方法にしたが
って、水醸化ナトリウムで中和する前のものについて、
モノエステル、ジエステルおよびオルトリン酸含量を定
量すると以下のようであった。
【0094】モノエステル:68% ジエステル :31% オルトリン酸: 1% TLC分析(シリカゲル、展開液:クロロホルム/メタ
ノール/アンモニア水=l00/35/8)でアミドエ
ステルの有無を調べた。その結果、Rf0.91にアミ
ドエステルのスポットを認めた。
【0095】得られたポリオキシエチレン(3)ラウリ
ン酸アミドリン酸ナトリウム100gを酢酸エチル10
0mlで3回抽出し、酢酸エチル層を水洗したのち硫酸
マグネシウムで乾燥してから溶媒除去したところ、アミ
ドエステルの結晶1.9gを得た。これはポリオキシエ
チレン(3)ラウリン酸アミドリン酸ナトリウム純分に
対して6.4重量%に相当し、これは、ポリオキシエチ
レン(3)ラウリン酸アミドのリン酸エステル塩化で、
アミドエステルが反応せずにそのまま残っていたと仮定
した含量(6.5重量%)とほぼ一致した。
【0096】参考例1 製造例2のエチレン付加反応において、エチレンオキサ
イド付加反応の温度を変えて、エチレンオキサイド付加
反応に要した時間とポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂
肪酸アミド中のアミドエステル含有量に及ぼす影響を調
べた。結果を表1に示した。
【0097】
【表1】
【0098】この結果から、エチレンオキサイド付加温
度が高いほどエチレンオキサイド付加反応時間は短くな
るが、アミドエステル含量は高くなることがわかる。ま
た、反応温度を低くしても、少量のアミドエステルが生
成してしまうことがわかる。エチレンオキサイド付加の
原料であるヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの融点は
70℃であるので、80℃より低い温度でのエチレンオ
キサイド付加は実質的に困難である。したがって、エチ
レンオキサイド付加反応を行なうかぎり、アミドエステ
ルの生成は避けられないことがわかる。
【0099】実施例1 製造例1で得られた、アミドエステルを含むポリオキシ
エチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド475gに、モノエ
タノールアミン4.3g(0.07mol、1.0eq
vs アミドエステル)を加え、80℃で1時聞加熱
撹拌して、アミドエステルの転移反応を行なった。反応
後の1H−NMR分析で、δ4.22ppmのシグナル
は観測されなかったことから、アミドエステルは完全に
消失していた。また、モノエタノールアミン由来のシグ
ナルも観測されなかった。さらに、IR分析でも、アミ
ドエステルに由来する1730cm-1の吸収は認められ
なかった。得られた、アミドエステルを含まないポリオ
キシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドは淡黄色液体で
あった(収量479g)。このもののアミン価は5であ
った。以下に1H−NMRとIR分析の結果を示す。
【0100】1 H−NMR分析(250MHz,CDC
3、内部標準TMS) δ0.88ppm(t,3H,CH3 ) δ1.26ppm(br,16H,−CH2 −) δ1.62ppm(m,2H,−CH2 −CH2−CO
−) δ1.89ppm(br,1H,−OH) δ2.18ppm(t,2H,−CH2 −CONH−) δ3.47ppm(q,2H,−CH2 −NHCO−) δ3.66ppm(m,10H,−OCH2CH2 O−) δ6.07ppm(br,1H,−NH−)IR分析 (KBr錠剤) 3284cm-1(NH伸縮、OH伸縮) 1634cm-1(アミドI) 1564cm-1(アミドII) 1138cm-1(C−O−C伸縮) こうして得られた、アミドエステルを含まないポリオキ
シエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド479gを、20
℃に冷却した所に、オキシ塩化リン230gを20℃以
下を保つように1時間かけて滴下した。その後、室温で
3時間反応させリン酸エステル化した。
【0101】反応終了後、発生した塩化水素および未反
応オキシ塩化リンを減圧で除去してポリオキシエチレン
(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸エステル558gを得
た。これを水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオキ
シエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウム
を合成した(アニオン有効成分:30%)。この物には
濁りは認められなかつた。
【0102】1H−NMRおよび31P−NMR分析の結
果は以下のようであった。
【0103】1 H−NMR分析(250MHz,D2O) δ0.88ppm(t,3H,CH3 ) δ1.29ppm(br,17H,−CH2 −) δ1.60ppm(t,2H,−CH2 −CH2−CO
−) δ2.26ppm(t,2H,−CH2 −CO−) δ3.40ppm(t,2H,−NH−CH2−) δ3.60ppm(t,2H, −NHCH2 CH2 −(CH2CH2 O)4CH2 CH2
OP) δ3.91ppm(t,2H,−CH2 −OP) 31P−NMR (101MHz,D20,内部標準:H3
4) 0.96ppm(−10.99ppmは検出されず) この結果から、得られたリン酸エステルには、ジエステ
ルは含まれておらず、リン酸エステル分としては、モノ
(ポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド)リン
酸ナトリウムのみであった。
【0104】TLC分析では、アミドエステルのスポッ
トは認められなかった。得られたポリオキシエチレン
(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウム100gを
酢酸エチル100mlで3回抽出し、酢酸エチル層を水
洗したのち硫酸マグネシウムで乾燥してから溶媒除去し
たが、アミドエステルは得られなかった。
【0105】実施例2 製造例2で得られた、アミドエステルを含むポリオキシ
エチレン(3)ラウリン酸アミド166gに、モノエタ
ノールアミン3.7g(0.06mol、1.2eq
vs アミドエステル)を加え、50℃で2時間加熱撹
拌し、アミドエステルを分解した。1H−NMR分析お
よびIR分析より、得られたポリオキシエチレン(3)
ラウリン酸アミド中にはアミドエステルは残っていなか
った。
【0106】こうして得られた、アミドエステルを含ま
ないポリオキシエチレン(3)ラウリン酸アミド170
gを、五酸化リン71gをヘキサンでスラリーにした懸
濁液に滴下した。滴下終了後、60℃で5時間撹拌し
て、リン酸エステル化した。
【0107】反応終了後、水を加えクエンチした。得ら
れた淡黄色液体を酢酸エチルで油出してから、有機層を
水で洗浄して、オルトリン酸を除去した。酢酸エチルを
減圧留去して、ポリオキシエチレン(3)ラウリン酸ア
ミドリン酸エステル204gを得た。これを、トリエタ
ノールアミン水溶液で中和してポリオキシエチレン
(3)ラウリン酸アミドリン酸トリエタノールアミンを
合成した(アニオン有効成分:30%)。この物に濁り
は認められなかった。
【0108】31P−NMR分析の結果は以下のようであ
った。
【0109】−10.99ppm:0.95ppm=
3:7(積分値) また、特公昭58−8746号に示された方法にしたが
って、トリエタノールアミン水溶液で中和する前のもの
について、モノエステル、ジエステルおよびオルトリン
酸含量を定量すると以下のようであった。
【0110】モノエステル:68%ジエステル :31
%オルトリン酸: 1%TLC分析では、アミドエステ
ルのスポットは認められなかった。また、得られたポリ
オキシエチレン(3)ラウリン酸アミドリン酸トリエタ
ノールアミン100gを酢酸エチル100mlで3回油
出し、酢酸エチル層を水洗したのち硫酸マグネシウムで
乾燥してから溶媒除去したが、アミドエステルは得られ
なかった。
【0111】実施例3 製造例1で得られたポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂
肪酸アミド475gに、トリグリコールアミン(2−
[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]−エタノー
ル)21g(0.14mml、2eq vs アミドエ
ステル)を加え、50℃で2時間加熱撹拌し、アミドエ
ステルを分解した。1H−NMR分析およびIR分析よ
り、得られたポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸ア
ミド中にはアミドエステルは残っていなかった。
【0112】こうして得られた、アミドエステルを含ま
ないポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド49
6gを加熱して均一に溶解させ、この溶解液を、オキシ
塩化リン230g中に、反応温度が10℃以下を保つよ
うにして滴下した。滴下終了後1時間撹拌してリン酸エ
ステル化した。反応終了後、発生した塩化水素および未
反応オキシ塩化リンを減圧で除去して、ポリオキシエチ
レン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸エステル560g
を得た。これをアンモニア水で中和してポリオキシエチ
レン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸アンモニウムを合
成した(アニオン有効成分:30%)。この物には濁り
が見られなかった。
【0113】31P−NMR分析(101MHz,D
2O,内部標準:H3PO4)より。0.96ppmのシ
グナルのみで、−10.99ppmは検出されなかった
ことから、得られたリン酸エステルには、ジエステルは
含まれておらず、モノ(ポリオキシエチレン(6)ヤシ
油脂肪酸アミド)リン酸アンモニウムのみであった。
【0114】TLC分析および酢酸エチル抽出の結果、
得られたポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド
リン酸アンモニウム中にはアミドエステルは含まれてい
なかった。
【0115】実施例4 ステアリン酸メチル299gにモノエタノールアミン6
1gおよびナトリウムメトキシド0.5gを加え、生成
するメタノールを減圧下留去しながら加熱撹拌し(20
mmHg、110℃、1時間)、ステアリン酸モノエタ
ノールアミド328gを得た。これに、エチレンオキサ
イド441gを加え、オートクレーブ中で、100℃、
1時間反応してポリオキシエチレン(11)ステアリン
酸アミド769gを得た。1H−NMR分析より、この
もののアミドエステル含量は10.4モル%であった。
【0116】得られたポリオキシエチレン(11)ステ
アリン酸アミドに、ジグリコールアミン(2−(2−ア
ミノエトキシ)−エタノール)22g(0.21mo
l、2eq vs アミドエステル)を加え、50℃で
2時間加熱撹拌し、アミドエステルを分解した。1H−
NMR分析およびIR分析より、得られたポリオキシエ
チレン(11)ステアリン酸アミド中にはアミドエステ
ルは残っていなかった。こうして得られた、アミドエス
テルを含まないポリオキシエチレン(11)ステアリン
酸アミド791gを、五酸化リン140gをトルエン中
で懸濁した所に滴下した。滴下終了後、80℃で3時間
加熱撹拌してリン酸エステル化した。反応終了後、水を
加えクエンチしたのち、酢酸エチルを加え、抽出・分液
してから、有機層を水で洗浄してオルトリン酸を除去し
た。酢酸エチルを滅圧留去して、ポリオキシエチレン
(11)ステアリン酸アミドリン酸エステル849gを
得た。これをリジン水溶液で中和して、ポリオキシエチ
レン(11)ステアリン酸アミドリン酸リジン塩を合成
した(アニオン有効成分:30%)。この物には濁りは
認められなかった。
【0117】31P−NMR(101MHz,D20,内
部標準:H3PO4)分析では、−10.99ppm:
0.96ppm=3:7であった。
【0118】また、特公昭58−8746号に示された
方法にしたがって、リジン水溶液で中和する前のものに
ついて、モノエステル、ジエステルおよびオルトリン酸
含量を定量した所、以下のようであった。
【0119】モノエステル:62% ジエステル :37% オルトリン酸: 1% TLC分析および酢酸エチル油出の結果、得られたポリ
オキシエチレン(11)ステアリン酸アミ下リン酸リジ
ン塩中にはアミドエステルは含まれτいなかった。
【0120】実施例5 製造例1で示した中間体である、アミドエステルを含ん
だポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド475
gに1重量%の水酸化ナトリウム水溶液500mlを加
え、50℃で3時聞加熱撹拌し、アミドエステルを加水
分解した。この後、減圧で水を除去してアミドエステル
を含まないポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミ
ドを得た。HPLC分析より、このポリオキシエチレン
(6)ヤシ油脂肪酸アミドにはヤシ油脂肪酸ナトリウム
が3重量%含まれていた。
【0121】こうして得られた、アミドエステルを含ま
ないポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド47
5gを、20℃に加熱して均一に溶解させ、この溶解液
にオキシ塩化リン230gを20℃以下を保つようにl
時間かけて滴下した。その後、室温で3時間反応させ、
リン酸エステル化した。
【0122】反応終了後、発生した塩化水素、未反応オ
キシ塩化リンを滅圧で除去して、ポリオキシエチレン
(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸エステル555gを得
た。これを水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオキ
シエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウム
を合成した(アニオン有効成分:30%)。この物には
濁りは認められなかった。
【0123】また、得られたポリオキシエチレン(6膚
ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウムを酢酸エチル油出
した所、アミドエステルは膏まれていなかつた。しか
し、HPLC分析より、ヤシ油脂肪酸ナトリウムが1重
量%含まれていた。
【0124】実施例6 製造例1で得られた、アミドエステルを含むポリオキシ
エチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミドリン酸ナトリウム1
00gを酢酸エチル100mlで3回拙出した。残った
水層を減圧でトッピングした。NMR分析(250MH
z、D2O)およびTLC分折の結果、アミドエステル
は認められなかった。
【0125】実施例7〜17および比較例3〜6 実施例1、2および比較例1で得られたポリオキシエチ
レン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤を、表
2に示すように配合して洗浄剤を調製した。得られた洗
浄剤を下記の起泡力、洗浄力試験、耐寒性試験およびタ
ンパク質変性試験に供した。
【0126】これらの試験方法は次の方法で行った。
【0127】1)起泡力試験 活性剤純分が0.2%となるように洗浄剤を蒸留水で希
釈し、JIS規格K3362記載の方法に従って起泡力
を測定した。
【0128】評価の基準を次のように設定した。
【0129】 ◎…泡立ちが極めて良好、起泡力200mm以上 ○…泡立ちが良好、起泡力170mm以上、200mm
未満 △…泡立ちが普通、起泡力130mm以上、170mm
未満 ×…泡立ちが不良、起泡力130mm未満 2)洗浄力試験 牛脂に指示薬としてSudan IIIを0.1%添加
し、この5%を磁製の皿(直径25cm)に塗布したも
のを、10重量%の洗浄溶液30gをしみ込ませたスポ
ンジでこすり洗いし、もはや皿より牛脂が洗浄できなく
なるまでに洗浄された皿の枚数をもって洗浄力とした。
【0130】3)耐寒性試験 20重量%の試料濃度に調製した試料を、試験管に入
れ、−5℃の冷蔵庫中に7日間保存して濁りが認められ
るかどうかで、耐寒性を調べた。
【0131】○…透明で濁りなし △…室温では透明だが、−5℃、7日間保存で白濁 ×…室温で濁りあり 4)タンパク質変性率試験 水系ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーを使用し、卵
白アルブミンpH7緩衝溶液に、試料濃度1%になるよ
うに試料を加えた場合の卵白アルブミン変性率を220
nmの吸収ピークを用いて測定した。
【0132】
【数2】
【0133】評価の基準を次のように設定した。
【0134】◎ 卵白アルブミン変性率 30%未満 ○ 卵白アルブミン変性率 30〜59% △ 卵白アルブミン変性率 60〜79% × 卵白アルブミン変性率 80%以上 試験結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】表2の結果から明らかなように、本発明の
アミドエステルを実質的に含まないポリオキシエチレン
脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤を配合した
実施例7〜17の洗浄剤、起泡力、洗浄力に優れかつ皮
膚刺激性も低く、相溶性に優れていた。一方、従来のア
ミドエステルを含むポリオキシエチレン脂肪酸アミドリ
ン酸エステル塩型界面活性剤を配合した比較例3〜6の
洗浄剤は、起泡力、洗浄力、皮膚刺激性、相溶性の点で
やや劣っていた。
【0137】実施例18 下記組成のコンディショニングシャンプーを調製し、実
施例1と同一の試験に供した。
【0138】 成分 重量% 実施例1の化合物 10.0 ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム (30%) 20.0 カチオン化グアーガム*1 0.3 ラウリン酸ジエタノールアミド 2.0 グリセリン 3.0 カルボキシメチルキチン 0.2 EDTA 0.1 クエン酸 pHを6.5に調整 水 残部 〔註〕*1:MEYHALL社製、商標:JAGUAR
C−120試験結果を表3に示す。
【0139】実施例19 下記組成のパール状シャンプーを調製し、実施例1と同
一の試験に供した。
【0140】 成分 重量% 実施例2の化合物 10.0 N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸 アミドエチルグリシン(30%) 15.0 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸 モノトリエタノールアミン(25%) 5.0 ラウロイルメチルタウリンナトリウム(30%) 5.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 2.0 ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1.5 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5 クエン酸 pHを6.0にする量 メチルパラベン 0.1 香料 適量 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0141】実施例20 下記組成の洗顔剤を調製し、実施例1と同一の試験に供
した。
【0142】 成分 重量% N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸 アミドエチル−β−アラニン(30%) 10.0 実施例2の化合物 20.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 7.0 ジステアリン酸エチレングリコールエステル 2.0 グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.2 メチルパラベン 0.1 クエン酸 pH6.5に調製 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0143】実施例21 下記組成の透明フケ取りシャンプーを調製し、実施例1
と同一の試験に供した。
【0144】 成分 重量% 実施例3の化合物 15.0 ラウリン酸モノエタノールアミド 5.0 2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N− ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン (30%) 10.0 ピロクトンオラミン 0.7 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 クエン酸 pH=7とする量 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0145】実施例22 下記組成のゲル状シャンプーを調製し、実施例1と同一
の試験に供した。
【0146】 成分 重量% 実施例1の化合物 5.0 実施例2の化合物 10.0 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ 酢酸ベタイン(30%) 20.0 カルボキシメチルキチン 0.1 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 クエン酸 pH=7とする量 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0147】実施例23 下記組成のリンス一体型シャンプーを調製し、実施例1
と同一の試験に供した。
【0148】 成分 重量% 実施例1の化合物 8.0% ラウリン酸モノエタノールアミド 2.0 ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム(30%) 20.0 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0 オクタン酸セチル 0.5 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 クエン酸 pH=7とする量 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0149】実施例24 下記組成のボディシャンプーを調製し、実施例1と同一
の試験に供した。
【0150】 成分 重量% 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(30%) 20.0 実施例2の化合物 10.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0 ラウリン酸トリエタノールアミン 7.0 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0151】実施例25 下記組成のシャンプーを調製し、実施例1と同一の試験
に供した。
【0152】 成分 重量% 実施例1の化合物 10.0 C14−αオレフィンスルホン酸ナトリウム 5.0 オキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン (20%変性:ポリオキシエチレン基20重量%) 1.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0 ラウリン酸モノエタノールアミド 2.0 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0153】実施例26 下記組成のシャンプーを調製し、実施例1と同一の試験
に供した。
【0154】 成分 重量% デシルグルコシド(1.7) 5.0 実施例1の化合物 5.0 ココイルイセチオン酸ナトリウム 5.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0 ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノール アミド 3.0 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0155】実施例27 下記組成のシャンプーを調製し、実施例1と同一の試験
に供した。
【0156】 成分 重量% ポリオキシエチレン(3)ラウリル エーテル硫酸ナトリウム 15.0 実施例4の化合物 11.0 モノラウリルリン酸ナトリウム 4.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0 メチルパラベン 0.1 EDTA 0.1 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0157】実施例28 下記組成の台所洗剤を調製し、実施例1と同一の試験に
供した。
【0158】 成分 重量% ポリオキシエチレン(3)ラウリン酸モノエタノール アミド硫酸ナトリウム(30%) 10.0 ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル スルホコハク酸二ナトリウム(30%) 5.0 実施例4の化合物 11.0 ラウリルジメチルアミンオキサイド 4.0 エタノール 2.0 水 残部 試験結果を表3に示す。
【0159】
【表3】
【0160】表3の結果から明らかなように、本発明の
アミドエステルの含有率が1.5wt%以下のポリオキ
シエチレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤
を配合した実施例18〜28の洗浄剤は、起泡力、洗浄
力に優れかつ皮膚刺激性も低く、相溶性に優れていた。
【0161】
【発明の効果】本発明は、アミドエステルの含有率が
1.5wt%以下のポリオキシエチレン脂肪酸アミドリ
ン酸エステル塩型界面活性剤により、起泡力・洗浄力に
優れ、しかも皮膚や毛髪に対する刺激が少なく、さらに
溶解性に優れた洗浄剤組成物を得る事ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖
    の飽和または不飽和の脂肪酸残基、nは1以上の整数を
    表す)で示されるアミドエステルの含有率が、1.5w
    t%以下であることを特徴とする、一般式(2) 【化2】 (式中、RCO、nは前記定義に同じ。AはRCONH
    (CH2CH2O)n またはMO基を表し、Mは水素、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、ア
    ルカノールアミンのカチオン性残基、または塩基性アミ
    ノ酸のカチオン性残基を表す)で示されるポリオキシエ
    チレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤。
  2. 【請求項2】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖
    の飽和、または不飽和の脂肪酸残基を表す)で示される
    脂肪酸モノエタノールアミドにエチレンオキサイドを付
    加させて、一般式(4) 【化4】 (式中、RCOは前記定義に同じ、nは1以上の整数を
    表す)で示されるポリオキシエチレン脂肪酸アミドを製
    造し、該ポリオキシエチレン脂肪酸アミド中に含まれる
    一般式(1) 【化5】 (式中、RCOおよびnは前記定義に同じである)で示
    されるアミドエステルに対して、0.8〜10倍モルの
    一般式(5) 【化6】 (式中、mは1以上の整数を表す)で示されるアルカノ
    ールアミンを反応させて、前記一般式(1)のアミドエ
    ステルを、前記一般式(4)および一般式(6) 【化7】 (式中、RCOおよびmは、前記定義に同じ)で示され
    るポリオキシエチレン脂肪酸アミドに転移させた後、リ
    ン酸化剤とを反応させることを特徴とする、一般式
    (1) 【化8】 (式中、RCO、nは前記定義に同じ)で示されるアミ
    ドエステルの含有率が、1.5wt%以下の一般式
    (2) 【化9】 (式中、RCO、nは前記定義に同じ。AはRCONH
    (CH2CH2O)n またはMO基を表し、Mは水素、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、ア
    ルカノールアミンのカチオン性残基、または塩基性アミ
    ノ酸のカチオン性残基を表す)で示されるポリオキシエ
    チレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化10】 (式中、RCOは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖
    の飽和または不飽和の脂肪酸残基、nは1以上の整数を
    表す)で示されるアミドエステルの含有率が、1.5w
    t%以下の一般式(2) 【化11】 (式中、RCO、nは前記定義に同じ。AはRCONH
    (CH2CH2O)n またはMO基を表し、Mは水素、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、ア
    ルカノールアミンのカチオン性残基、または塩基性アミ
    ノ酸のカチオン性残基を表す)で示されるポリオキシエ
    チレン脂肪酸アミドリン酸エステル塩型界面活性剤を含
    有することを特徴とする洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3において、一般式(1)のアミ
    ドエステルの含有率が1.5wt%以下の一般式(2)
    で示されるポリオキシエチレン脂肪酸アミドリン酸エス
    テル塩型界面活性剤とアニオン界面活性剤および/また
    は両性界面活性剤を含有することを特徴とする洗浄剤組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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