JPH07194927A - 多管式気液接触装置 - Google Patents

多管式気液接触装置

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JPH07194927A
JPH07194927A JP5351223A JP35122393A JPH07194927A JP H07194927 A JPH07194927 A JP H07194927A JP 5351223 A JP5351223 A JP 5351223A JP 35122393 A JP35122393 A JP 35122393A JP H07194927 A JPH07194927 A JP H07194927A
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JP
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gas
liquid
gas introduction
liquid tank
partition member
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JP5351223A
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English (en)
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Kenji Kobayashi
健二 小林
Takashi Kimura
隆志 木村
Ikurou Kuwabara
育朗 桑原
Hiromi Koshizuka
博美 腰塚
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下部周壁面に複数のガス噴出孔を有するガス
導入管を多数液体中に垂設した構造の多管式気液接触装
置において、増加されたガス噴出孔の全開孔面積を有し
ながら、液槽内フロス層の大きな動揺の発生が防止され
た、ガス処理性能に著しくすぐれた装置を提供する。 【構成】 大型液槽内に下部周壁面に複数のガス噴出孔
を有するガス導入管の多数をそのガス噴出孔が液槽内静
止液面より下方に位置するように垂設した構造を有する
気液接触装置において、複数の仕切部材を液槽内に垂設
し、それら仕切部材を複数のガス導入管に支持させ、そ
の液槽内にそれら仕切部材により包囲された気泡通過区
画を複数形成させるとともに、ガス導入管の水平断面積
に対するガス噴出孔の全開孔面積比を1〜5の範囲に保
持したことを特徴とする多管式気液接触装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体と液体(スラリー
液を含む)とを接触させる多管式気液接触装置、特に排
煙脱硫装置として好適な多管式気液接触装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】大型液槽内に液体を収容させ、その液体
内に下部周壁面に複数のガス噴出孔を有するガス導入管
(スパージャーパイプ)の多数を垂設し、そのガス導入
管内に導入させたガスをガス噴出孔から液体中に噴出さ
せて気液接触を行わせる装置は広く知られている(特公
昭55−37295号、特公昭57−6375号、特公
昭59−11322号等)。
【0003】図12に、排煙脱硫装置として用いられて
いる気液接触装置の模式図を示す。図12において、S
2を含む排煙は、導管101からガス導入管103を
通り、そのガス導入管103の下部周壁面に設けたガス
噴出口から炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等のカル
シウム化合物のスラリー液中に噴出される。この場合の
ガス導入管103は、図13に示すように、その下部周
壁面に配設されたガス噴出孔104を有する。液槽内の
カルシウム化合物のスラリー液中に噴出された排煙は、
そのスラリー液と接触し、排煙中に含まれるSO2がカ
ルシウム化合物と反応してCaSO3になる。そして、
このCaSO3は、液槽下部の空気導入管106から液
中に導入された空気中酸素と反応してCaSO4(石こ
う)になる。なお、112はガス中の液体を捕捉する気
液分離器を示し、105は攪拌羽根を示し、108は石
こうスラリー抜出管を示す。図12に示した排煙脱硫装
置は、実際には極めて大型の装置であり、その液槽10
2の内径は10m以上、通常25m以上もあり、また、
そのガス導入管103の数も1,000本以上という極
めて多い数である。
【0004】このような気液接触装置における1つの問
題点は、ガス導入管に配設するガス噴出孔の全開孔面積
に限界があることである。ガス導入管を通して液中に導
入されるガス流量は、そのガス噴出孔の全開孔面積に依
存し、ガス噴出孔の全開孔面積が増加するに従ってその
量は増加し、単位時間当りのガス処理量も増加する。し
かしながら、この場合には、多量のガスをガス噴出孔か
ら液中に噴出させることから、このことが原因となっ
て、液槽内上部に形成されたフロス層が不安定になり、
フロス層に全体として定常的で周期的な大きな動揺を生
じやすくなる。このような大きなフロス層の動揺は、フ
ロス層面を大きく変動させて気液接触効率悪化の原因と
なったりする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下部周壁面
に複数のガス噴出孔を有するガス導入管を多数液体中に
垂設した構造の多管式気液接触装置において、増加され
たガス噴出孔の全開孔面積を有しながら、液槽内フロス
層の大きな動揺の発生が防止された、ガス処理性能に著
しくすぐれた装置を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、大型液槽内に下部周
壁面に複数のガス噴出孔を有するガス導入管の多数をそ
のガス噴出孔が液槽内静止液面より下方に位置するよう
に垂設した構造を有する気液接触装置において、複数の
仕切部材を液槽内に垂設し、それら仕切部材を複数のガ
ス導入管に支持させ、その液槽内にそれら仕切部材によ
り包囲された気泡通過区画を複数形成させるとともに、
ガス導入管の水平断面積に対するガス噴出孔の全開孔面
積比を1〜5の範囲に保持したことを特徴とする多管式
気液接触装置が提供される。
【0007】本発明で用いる仕切部材としては、液体中
に垂設したガス導入管に支持させることのできる形状で
あれば板状や板体構造物等の任意の形状のものを用いる
ことができる。仕切部材の材質は、金属の他、プラスチ
ックやセラミック等であることができる。また、仕切部
材は、多孔体(金網や多孔質板、繊維板等)や、波板等
であることができる。
【0008】図1に、仕切部材により形成される気泡通
過区画の一例についての説明図を示す。図1(a)はそ
の斜視図を示し、図1(b)はその水平断面図を示す。
図2に、仕切部材により形成される気泡通過区画の他の
例についての説明図を示す。図2(a)はその斜視図を
示し、図2(b)はその水平断面図を示す。図3に、仕
切部材により形成される気泡通過区画のさらに他の例に
ついての説明図を示す。図3はその斜視図を示す。その
水平断面図は図1(b)と同じである。この図3に示し
たものは、図1に示したものとは、仕切部材の下端がガ
ス噴出孔のレベルよりやや上方にある点で異なってい
る。図4に、仕切部材により形成される気泡通過区画の
さらに他の例についての説明図を示す。図4はその斜視
図を示す。その水平断面図は図2(b)と同じである。
この図4に示したものは、図2に示したものとは、仕切
部材の下端がガス噴出孔のレベルよりやや上方にある点
で異なっている。図5に、仕切部材により形成される気
泡通過区画のさらに他の例についての水平断面図を示
す。この図5に示したものは、気泡通過区画内に独立し
たガス導入管を有する。図6に、仕切部材を用いて形成
した気泡通過区画内を気泡が通過する際の状態説明図を
示す。図6(a)はその水平断面図を示し、図6(b)
は図(a)のA−A断面図を示す。図7に、仕切部材を
用いて形成した気泡通過区画内を気泡が通過する際の他
の状態説明図を示す。図7(a)はその水平断面図を示
し、図7(b)は図7(a)のB−B断面図を示す。図
7に示すものは、図6のものとは、仕切部材の下端がガ
ス噴出孔のレベルよりもやや上方にある点で異なってい
る。
【0009】これらの図において、1はガス導入管、2
はその下部周壁面に形成されたガス噴出孔、3は仕切部
材、4は液槽内の静止液面、5は液槽内のフロス層の上
面、6は気泡と液体との混合物からなるフロス層を示
す。aは仕切部材によって形成された気泡通過区画を示
す。
【0010】図1及び図3に示された気泡通過区画a
は、板状の仕切部材を隣接するガス導入管1の間に配設
し、ガス導入管に支持させて形成した例を示すものであ
り、4個のガス導入管に支持された4個の仕切部材3に
よって1つの気泡通過区画aが形成される。図2及び図
4に示された気泡通過区画aは、あらかじめ4枚羽根を
有するように作製した仕切部材3を4個のガス導入管で
形成される4辺形の中心部に配設し、その羽根の先端を
隣接するガス導入管1に支持させて形成した例であり、
その4枚の羽根によって1つの気泡通過区画aが形成さ
れる。図5は、仕切部材によって包囲される気泡通過区
画a内に、仕切部材が支持されていない独立したガス導
入管1’が存在する例を示す。
【0011】仕切部材3は、気泡通過区画aにおける仕
切壁を構成し、図1及び図3に示すように板体であるこ
とができる他、図2及び図4に示すようにあらかじめ作
製された板体構造物等であることができる。この仕切部
材3の下端は図1、図2及び図6に示すように、ガス導
入管1のガス噴出孔2より下方に位置するように配設し
てもよいし、図3、図4及び図7に示すように、ガス噴
出孔2と同一レベル又はそれよりやや上方に位置するよ
うに配設してもよい。仕切部材3の上端の位置は特に制
約されず、例えば、運転開始後に形成されるフロス層面
5より上方、フロス層面5と同一レベル又はそれよりや
や上方もしくはやや下方、装置運転開始前の静止液面4
より下方、静止液面4の近傍あるいはガス噴出孔2とフ
ロス層の上面5との間の中間部等の位置に配設すること
ができる。図6及び図7は、仕切部材3の上端が静止液
面4より下方に位置する例を示す。図1、図2及び図6
に示すように、仕切部材3の下端をガス噴出孔2より下
方に位置させる場合、ガス導入管のガス噴出孔2と仕切
部材3の下端との間の距離は、ガス噴出孔の直径の1倍
以上、好ましくは3倍以上、さらに好ましくは4〜20
倍の範囲に規定するのがよい。
【0012】一方、図3、図4及び図7に示すように、
仕切部材3の下端をガス噴出孔2と同一レベル又はそれ
より上方に位置させる場合、ガス導入管のガス噴出孔2
と仕切部材3の下端との間の距離は、ガス噴出孔の直径
の10倍以下、好ましくは5倍以下、さらに好ましくは
0〜3倍の範囲に規定するのがよい。また、図6及び図
7に、仕切部材3の上端をガス噴出孔2と静止液面4と
の間に配置した例についての気泡通過区画の説明図を示
したが、この場合、仕切部材3の上端は、ガス噴出孔2
のレベルからの高さが、ガス噴出孔2と静止液面4との
間の距離に対して、25〜100%、好ましくは40〜
85%になるように位置させるのがよい。一般的には、
その上端は、ガス噴出孔2のレベルからの高さで、5〜
50cm、好ましくは10〜30cmである。気泡通過
区画aの横断面積を小さくすれば、区画内での噴出ガス
によるリフト効果が大きくなり、液体を区画内にすい込
み上昇させる効果も大きくなり、液体の循環もよくな
り、液体の攪拌動力の節約にもなる。
【0013】図5においては、仕切部材を用いて形成し
た気泡通過区画a内に仕切部材と接合していない独立し
たガス導入管の1本を存在させた例を示したが、その区
画a内には独立したガス導入管の複数本を存在させるこ
とができる。この種の気液接触装置は大型のもので、液
槽内に配設されるガス導入管は数千本と極めて多数であ
る。本発明では、気泡通過区画a内には、これらの独立
したガス導入管の複数本、例えば、2〜16本、好まし
くは4〜9本を存在させることができる。
【0014】図8に、その内部に多数の独立したガス導
入管を存在させた気泡通過区画aを多数含む液槽内の説
明平面図を示す。この図において、10は液槽壁を示
す。図8の液槽は、仕切部材3を仕切壁とする多数の気
泡通過区画aからなる構造のものである。これらの各気
泡通過区画aには、複数のガス導入管(図示されず)が
配設されている。また、各気泡通過区画aにおける縦の
寸法:n及び横の寸法:mは、その寸法の大きい方のm
又はnの長さが1.5m以下、好ましくは0.25〜1
mになるように規定するのがよい。
【0015】本発明により液槽内に配設する仕切部材3
は、任意の方法で液槽内に支持させることができる。例
えば、その液槽内液面上方又は液面下に支持体を配設
し、これに支持させることができる他、ガス導入管を支
持させるために格子状に配設された支持体に支持させる
ことができる。従来の気液接触装置においては、静止液
面上方にガス導入管を支持させるために配設された格子
状の支持体が配設され、この格子状支持体は図9に示す
ように、ガス導入管を支持固定化するガス導入管支持部
11と、その支持部11間を連結する板体部12とから
構成されている。本発明では、この格子状のガス導入管
支持体を液槽内の静止液面下に、その板体部12の下端
がガス噴出孔2の近傍に位置するように配設し、これに
よってガス導入管を支持させるときには、その板体部1
2が本発明で用いる仕切部材の役割を果たし、その4つ
の板体12によって、本発明による気泡通過区画aが形
成される。従って、本発明による気泡通過区画aは、従
来の装置に用いられているガス導入管支持体を液槽内の
静止面下に配設することによっても形成することができ
る。
【0016】本発明の気液接触装置の原理を図7を参照
して示すと、ガス導入管1内にガスを導入し、そのガス
をガス導入管1のガス噴出孔2から噴出させると、その
ガス噴出により生じた微細気泡は、その噴出後、上方に
移動し、仕切部材3で形成された気泡通過区画a内に入
り、区画a内の液体中を上昇し、その区画aのガス噴出
孔2のレベルからその上方には気泡と液体の混合物から
なるフロス層6が生じる。図7において、4は、ガス導
入管1内にガスを導入する以前の静止液面を示し、5
は、ガス導入管1内にガスを導入した後に形成されるフ
ロス層の上面(膨張液面)を示す。液槽内の液体は、仕
切部材3により形成される区画aの下端開口部からその
区画aに吸込まれ、区画a内の気泡とともに上昇し、そ
の区画aの上端開口部から排出される。液槽内に噴出さ
れたガスは、微細気泡となって区画a内を上昇する間に
液体と効率的に接触する。そして、ガス導入管1のガス
噴出孔2から噴出されたガスの気泡は、区画a内に集合
され、区画a内を上昇することから、気泡の上昇に際し
て起る液体流の運動エネルギーはその区画a内に封止さ
れ、他の部分へ伝達することが防止され、その結果、液
槽内の液体の大きな動揺の発生が防止される。
【0017】本発明の気液接触装置において、仕切部材
の上端をフロス層面5より下方、特に静止液面4より下
方に位置させることにより(図6及び図7参照)、その
液槽内に収容させたフロス層の上部を水平方向に連絡さ
せることができる。フロス層上部をこのようにして水平
方向に連絡させることにより、液体の流動をその1つの
気泡通過区画内のみならず、他の区画との間において行
わせることができるので、液槽内に収容させた液体中に
含まれる溶解成分の濃度を全体的に均一化させることが
できる。また、このようにして、フロス層上部を水平方
向に連絡させても、ガス噴出孔付近には仕切部材による
仕切壁が存在し、ガス噴出孔からガスが噴出する際に起
る液体の急激な流動エネルギーの他の部分への伝達が防
止されることから、液槽内におけるフロス層の大きな動
揺の発生は防止される。
【0018】本発明においては、ガス噴出孔2の全開孔
面積nS(Sはガス噴出孔1個の面積、nはガス噴出孔
の数)を、ガス導入管1の水平断面積に対する面積比
で、1〜5、好ましくは1.5〜3の範囲に規定する。
従来のガス噴出孔の場合、ガス導入管の水平断面積に対
するそのガス噴出孔の全開孔面積比は、通常、0.8以
下である。本発明の場合、この面積比は、従来の場合に
比べて大きく規定され、ガス導入管の内圧を同一条件に
保持したときに、より多い量のガスが液中に噴出され、
単位時間当りのガス処理量が高められる。しかも、本発
明の場合、このようにガス流量を高めても、前記したよ
うに、仕切部材3の配設により、液槽内のフロス層の大
きな動揺の発生が防止されていることから、気液接触効
率の悪化は防止される。
【0019】本発明における前記面積比の上限は、前記
範囲内に保持するのが好ましく、余りにも大きくなる
と、仕切部材による大きなフロス層の動揺の発生の防止
が困難になる。また、前記面積比が前記範囲より小さく
なると、従来の場合に比して、ガス流量の格別の向上が
得られない。ガス導入管1に対してガス噴出孔を開設す
る場合、そのガス噴出孔の面積と数は、ガス導入管の水
平断面積に対するガス噴出孔の全開孔面積比が前記範囲
内になるように行えばよい。このための方法としては、
(1)従来のガス噴出孔と同じ寸法の孔を、ガス導入管
の周壁に横方向に複数列配設する方法、(2)従来のガ
ス噴出孔と同じ寸法の孔をガス導入管の周壁に横一列に
配設する際に、その孔の数を増加する方法、(3)ガス
導入管の周壁にガス噴出孔を横一列に配設する際に、そ
の1個当りの孔の面積を増加する方法等の各種の方法を
採用することができる。本発明においては、前記(3)
の方法の採用が好ましく、この場合には、従来の場合の
ガス噴出孔の数と同じでありながら、ガス噴出孔の全開
孔面積を高めることができる。図10(a)〜(e)
に、ガス噴出孔の形状の具体例を示す。図10に示した
形状のガス噴出孔は、いずれも、その孔面積が従来の円
形の孔面積に比較して増加されている非円形状のもので
ある。即ち、孔の水平方向の最大長さRを有する孔の面
積が、円形の場合の面積π(0.5R)2よりも大きく
なっている。従って、従来のガス噴出孔の場合と同じ孔
数であり、また、その水平方向の最大長さが同じであり
ながら、その全開孔面積は増加されたものとなってい
る。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、液槽内を複数の気泡通
過区画に構成したことから、ガス導入管のガス噴出孔か
ら液体中にガスを噴出させる際に起る液体の急激な流動
エネルギーは、一次的にその区画内に封止され、その液
体の流動エネルギーが他の区画に伝達されることが非常
に少なくなり、その結果、液槽内での大きなフロス層の
動揺の発生が防止される。従来の気液接触装置において
は、各ガス導入管のガス噴出孔から液体中にガスを噴出
させる際に起る液体の各流動エネルギーは、仕切部材が
存在しないことから、相互に干渉しあって、全体として
定常的で周期的な大きなフロス層の動揺を生じさせ、フ
ロス層面を変動させて気液接触効率の悪化を生じさせる
等の問題を生じるが、本発明の場合には、前記したよう
に、液槽内を複数の気泡通過区画に構成したことから、
ガス噴出により起る急激な液体の流動エネルギーは、こ
の区画内に封止され、他の区画への伝達が防止されてい
るため、従来の気液接触装置に見られた如き大きなフロ
ス層の動揺の発生は防止される。その上、気泡通過区画
においては、噴出ガスによるリフト効果が得られるた
め、気泡通過区画内にはガス導入管の下方に存在する新
鮮な液体が上方にすい込まれ、区画内において気泡と混
合されるという利点がある。
【0021】さらに、本発明の場合には、従来の場合に
比較して、そのガス噴出孔の全開孔面積を増加させたこ
とから、ガス噴出孔から液体中に導入させるガス流量を
増加させることができる。例えば、本発明の場合、ガス
導入管にガスを導入し、そのガス噴出孔よりガスを液中
に噴出させる場合、従来の場合と同じ圧損でガス流量を
2〜3倍に高めることができる。従って、従来の場合と
同じガス処理量を達成する場合には、本発明の装置は、
従来の装置よりも著しく小型化された装置でよく、その
装置コストを著しく減少させることが可能となる。しか
も、本発明の場合、そのガス噴出孔の静止液面下の深さ
が従来の場合と同じであっても、ガス噴出孔からのガス
噴出量が多くなるため、液面上に形成されるフロス層の
高さも高くなり、その結果、ガスのフロス層通過時間も
長くなり、より効率的な気液接触を達成することができ
る。また、本発明の装置は、従来の装置の場合よりもガ
ス噴出孔の全開口面積が増加され、ガス導入管の内圧が
同じであっても従来の装置の場合よりも大きなガス流量
が得られることから、従来の装置と同一規模において同
一ガス処理量で運転する場合には、そのガス導入管の内
圧を下げることができる。その結果、ガスをガス導入管
に供給し、ガス噴出孔から液中に噴出させるのに必要な
エネルギー量が少なくてすむという利点がある。
【0022】本発明の気液接触装置は、各種の気液接触
を伴う反応装置として利用され、例えば、亜硫酸ガスを
含む排ガスと炭酸カルシウムスラリー液等のアルカリ性
液体との接触を行う排煙脱硫装置や、炭酸ガスを含む排
ガスとアルカリ性液体との接触を行う脱炭酸ガス装置等
として好ましく適用される。特に、本発明の装置は、液
槽の直径が10m以上、特に20m以上という大型の排
煙脱硫装置として有利に用いることができる。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0024】実施例1 縦0.65m、横1.15m、高さ3mの槽型液槽内
に、全体で8本のガス導入管を、横方向2列、縦方向4
列で垂設した構造のテスト装置を用いた。この場合、ガ
ス導入管は、長さ:2000mm、内径:100mmの
円筒管の下端から150mmの位置の周壁面に、水平方
向長さ:25mm、高さ:50mmの図10(a)に示
した長方形の孔を横一列に穿設した構造のものを用い
た。この場合、ガス導入管の水平断面積に対するガス噴
出孔の全開孔面積の比は1.43であった。また、この
ガス導入管は、そのガス噴出孔が水面下10〜25cm
の深さになるように配設した。このテスト装置におい
て、その液槽内を図11に示すように、仕切板により仕
切るとともに、これをガス導入管及び液槽壁に支持させ
て、液槽内に15個の気泡通過区画を形成した。この場
合、仕切板の上端を静止水面上5cmの位置に、そして
その下端を静止水面下30〜40cmの深さになるよう
に位置させた。このようなテスト装置の液槽内に液体と
して水を高さ100cmの位置まで入れ、ガス導入管1
本当りのガス流量(A)を種々変化させて、空気をその
ガス導入管のガス噴出口から噴出させて気液接触を行っ
た。このような気液接触においては、ガス流量(A)を
400m3/時と高い流量に保持しても、液槽内のフロ
ス層には大きな動揺は生じず、また、フロス層面の大き
な変動も実質上生じなかった。
【0025】一方、前記テスト装置において、仕切板を
配設しないで同様の実験を行ったところ、この場合に
は、ガス流量(A)が200m3/時という低い流量で
あっても、液槽内のフロス層の大きな動揺が起り、フロ
ス層面の変動を生じた。このフロス層面の変動は、静止
水面に対し、水面の最も高い位置で+約40cm、水面
の最も低い位置で−約40cmであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕切部材により形成される気泡通過区画の1例
についての説明図を示す。 a:斜視図 b:水平断面図
【図2】仕切部材により形成される気泡通過区画の他の
例についての説明図を示す。 a:斜視図 b:水平断面図
【図3】仕切部材により形成される気泡通過区画のさら
に他の例についての説明斜視図を示す。
【図4】仕切部材により形成される気泡通過区画のさら
に他の例についての説明斜視図を示す。
【図5】仕切部材により形成される気泡通過区画のさら
に他の例についての水平断面図を示す。
【図6】仕切部材を用いて形成した気泡通過区画内を気
泡が通過する際の状態説明図を示す。 a:水平断面図 b:図6(a)のA−A断面図
【図7】仕切部材を用いて形成した気泡通過区画内を気
泡が通過する際の他の状態説明図を示す。 a:水平断面図 b:図7(a)のB−B断面図
【図8】複数の独立したガス導入管を存在させた気泡通
過区画を多数含む液槽内部の説明平面図を示す。
【図9】従来の装置に配設されているガス導入管を支持
固定化するための支持体の斜視図を示す。
【図10】ガス噴出孔の形状説明図を示す。
【図11】実施例で用いた液槽内部の説明平面図を示
す。
【図12】排煙脱硫装置として用いられている従来の気
液接触装置の模式図を示す。
【図13】ガス導入管の構造説明図を示す。
【符号の説明】
1、1’、103 ガス導入管 2、104 ガス噴出孔 3 仕切部材 4 静止液面 5 フロス層の上面 6 フロス層 101 ガス導管 102 液槽 105 攪拌羽根 106 空気導入管 108 石こうスラリー抜出管 a 気泡通過区画 R ガス噴出孔の水平方向最大長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/77 B01J 10/00 104 8822−4G B01D 53/34 125 E (72)発明者 桑原 育朗 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 腰塚 博美 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大型液槽内に下部周壁面に複数のガス噴
    出孔を有するガス導入管の多数をそのガス噴出孔が液槽
    内静止液面より下方に位置するように垂設した構造を有
    する気液接触装置において、複数の仕切部材を液槽内に
    垂設し、それら仕切部材を複数のガス導入管に支持さ
    せ、その液槽内にそれら仕切部材により包囲された気泡
    通過区画を複数形成させるとともに、ガス導入管の水平
    断面積に対するガス噴出孔の全開孔面積比を1〜5の範
    囲に保持したことを特徴とする多管式気液接触装置。
  2. 【請求項2】 隣接するガス導入管の間に仕切部材を垂
    設し、ガス導入管に支持させてなる請求項1の気液接触
    装置。
  3. 【請求項3】 仕切部材により包囲された気泡通過区画
    内に独立したガス導入管が存在する請求項1の気液接触
    装置。
  4. 【請求項4】 ガス噴出孔が、π(0.5R)2(Rは
    ガス噴出孔の最大水平方向長さ)より大きな面積を有す
    る非円形状の孔に形成されている請求項1〜3のいずれ
    かの装置。
  5. 【請求項5】 酸性ガスを含むガスとアルカリ性液体と
    の接触反応を行うための請求項1〜4のいずれかの装
    置。
JP5351223A 1993-12-30 1993-12-30 多管式気液接触装置 Pending JPH07194927A (ja)

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