JPH07194653A - 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造 - Google Patents

電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造

Info

Publication number
JPH07194653A
JPH07194653A JP5353177A JP35317793A JPH07194653A JP H07194653 A JPH07194653 A JP H07194653A JP 5353177 A JP5353177 A JP 5353177A JP 35317793 A JP35317793 A JP 35317793A JP H07194653 A JPH07194653 A JP H07194653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive unit
wheelchair
wheelchair body
state
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5353177A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Harakawa
正行 原川
Eiji Nogami
英治 野上
Shinichi Suzuki
伸一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP5353177A priority Critical patent/JPH07194653A/ja
Publication of JPH07194653A publication Critical patent/JPH07194653A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動ユニットの装着をさらに容易に行え、こ
れにより車椅子全体の組み立てを容易に行うことがで
き、乗員の負担を軽減できる電動式車椅子の駆動ユニッ
ト着脱構造を提供する。 【構成】 車椅子本体1とこれに着脱自在に設けられた
駆動ユニット10とを備えた電動式車椅子における駆動
ユニット10の着脱構造であって、上記駆動ユニット1
0に、その左右両側部に設けられた前後方向に延びかつ
互いに平行な平行部47と、該平行部47の前端に設け
られ該平行部47の内方に湾曲する湾曲部49とを有す
るガイド部材(ガード)50を設け、上記車椅子本体1
に、上記ガイド部材50の該車椅子本体1への導入を容
易にするための導入部材としてのガイド部材25,26
及び調節ねじ30,31を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動式車椅子の駆動ユ
ニット着脱構造に関し、詳細には車椅子全体の組み立て
を容易に行えるようにした構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子走行時の乗員の負担を軽減するた
めに、自動走行可能な電動式車椅子が提供されている。
さらに、車椅子の運搬を容易にする等の理由から、駆動
ユニットを着脱自在にした電動式車椅子が提供されてい
る。この種の電動式車椅子は、米国特許5050695
号に示すように、車椅子本体と、該車椅子本体に着脱自
在に係止するための係止手段及び回転可能な走行輪を有
する駆動ユニットと、該駆動ユニットに装着された上記
走行輪操向用のステアリングコラムとから主として構成
されている。
【0003】上記駆動ユニットを車椅子本体に装着する
際には、まず駆動ユニットを車椅子本体の前方に配置し
た後、車椅子本体を前方に移動させて該駆動ユニットを
車椅子本体内に挿入する。このとき、上記係止手段が車
椅子本体のフレーム前側部分に当接することにより、該
係止手段による駆動ユニットの係止が行われる。一方、
このとき上記ステアリングコラムは乗員の両脚の間に進
入する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電動式車椅
子では、上述のように、駆動ユニット装着時に該ユニッ
トが車椅子本体の前方から進入するため、ステアリング
コラム進入時に下肢の不自由な乗員が両脚を開かなけれ
ばならず、乗員の負担が大きい。また、駆動ユニットが
車椅子本体内に進入したときに、係止手段がフレーム前
側部分に当接して駆動ユニットを係止する構造となって
いるため、車椅子本体の前部にレッグサポートが配設さ
れている、特に国産タイプの車椅子に対しては、駆動ユ
ニットの前方からの進入が困難であり、該ユニットの装
着を行えないという問題が生じる。
【0005】そこで、このような問題点を解消するため
に、本件出願人により、特願平4−249735号に示
すような自動走行装置(駆動ユニット)を備えた電動式
車椅子が提案されている。これによれば、駆動ユニット
を車椅子本体の後方側から装着することが可能となるの
で、駆動ユニットの装着を容易に行えるようになる。一
方、車椅子は一般に下肢の不自由な人が使用するため、
駆動ユニットの装着をさらに容易に行いたいとする強い
要請がある。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、駆動ユニットの装着をさらに容易に行
え、これにより車椅子全体の組み立てを容易に行うこと
ができ、乗員の負担を軽減できる電動式車椅子の駆動ユ
ニット着脱構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車椅
子本体とこれに着脱自在に設けられた駆動ユニットとを
備えた電動式車椅子における上記駆動ユニットの着脱構
造であって、上記駆動ユニットには、その左右両側部に
設けられた前後方向に延びかつ互いに平行な平行部と、
該平行部の前端に設けられ該平行部の内方に湾曲する湾
曲部とを有するガイド部材が設けられ、上記車椅子本体
には、上記ガイド部材の上記車椅子本体への導入を容易
にするための導入部材が設けられていることを特徴とし
ている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記導入部材は、その後端が外方に拡開しかつ上記平行部
に対応して平行に配設された一対の被ガイド部材と、該
被ガイド部材の間隔を調節するための調節機構とから構
成されていることを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、上記ガイド部材によ
り、駆動ユニットの両側部には前後方向に延びる平行部
が、さらに該平行部の前端には内方に湾曲する湾曲部が
それぞれ配置されるので、駆動ユニットの車椅子本体へ
の導入を容易に行える。しかもこの場合には、車椅子本
体側に該ユニットの導入を容易にするための導入部材が
設けられているので、該ユニットの導入を一層容易に行
えるようになる。これにより車椅子全体の組み立てを容
易に行うことができ、乗員の負担を軽減できる。
【0010】請求項2の発明によれば、車椅子本体側に
設けられた導入部材には、被ガイド部材が平行に配設さ
れ、さらに該ガイド部材の後端が外方に拡開しているの
で、上記駆動ユニットの車椅子本体への導入、すなわち
上記ガイド部材の被ガイド部材への導入をより容易に行
えるようになる。しかもこの場合には、導入部材に調節
機構が設けられるので、該被ガイド部材の間隔調節を容
易に行え、これによりガイド部材の導入が一層容易に行
えるようになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1ないし図3は本実施例が適用された電動
式車椅子を、図4及び図5は主に駆動ユニットを示して
おり、図6ないし図8は駆動ユニットの装着動作を説明
するための図を、図9は上記電動式車椅子を介護者とと
もに用いる場合の使用状態図である。これらの図(図8
を除く)において、車椅子本体は二点鎖線で示されてい
る。また駆動ユニットは図1及び図6ないし図8では全
体が実線で示されているが、他の図ではユニット本体の
みが実線で示され、カバーは二点鎖線で示されている。
なお、図1は駆動ユニット装着前の状態を、図2,図3
は駆動ユニット装着後の状態をそれぞれ示している。
【0012】ここで、車椅子本体1の概略構成について
簡単に説明すると、車椅子本体1は、主として、左右一
対の縦フレーム2と、それぞれ一端が上記縦フレーム2
に固定された一対の横フレーム3と、該各横フレーム3
間に配設されたシート4と、主車輪5及び副車輪(キャ
スタ)6とから構成されている。上記横フレーム3の前
側部分にはレッグサポート7及びフットレスト8が設け
られている。
【0013】上記各縦フレーム2の下端にはそれぞれレ
ール9が配設されており、該各レール9の間にはそれぞ
れ前後方向に延びかつ互いに平行な帯板状のガイド部材
25,26が配設されている。各レール9の前後方向中
央部及び縦フレーム2の下部には、上記各ガイド部材2
5,26を保持するための保持部材27及び28がそれ
ぞれ左右一対ずつ設けられている。これらの保持部材2
7,28は各レール9及び縦フレーム2にねじ止めされ
ており、それぞれレール9及び縦フレーム2上の位置を
変えられるようになっている。これらの保持部材27,
28が左右に取り付けられているので、車椅子本体1を
幅方向に折りたたむことができる。なお、保持部材の個
数は本実施例に示すものには限定されない。
【0014】上記各ガイド部材25,26の前端部は調
節ねじ30を介して上記各保持部材27に取り付けられ
ており、同様に上記各ガイド部材25,26の後端側は
調節ねじ31を介して上記保持部材28に取り付けられ
ている。これらの調節ねじの締込量を調節することによ
り上記各ガイド部材25,26の間隔(駆動ユニット
幅)を調節し得るようになっている。このように車椅子
本体1側に幅調節部材を設けたことにより、種々の幅寸
法を有する車椅子本体1に同一の駆動ユニット10を適
用することができる。また該各ガイド部材25,26の
後端部は外方に湾曲しており(図8参照)、その先端に
はローラ35が鉛直方向の支軸回りに回転自在に支持さ
れている。該ローラ35は、後述する駆動ユニット10
の挿入を容易にするためのものであるが、省略すること
も可能である。
【0015】上記各調節ねじ30は上記各ガイド部材2
5,26の前端部を挿通しており、その先端部に装着さ
れたピン20により、駆動ユニット10を係止するため
の前側係止手段が構成されている。また上記各ガイド部
材25,26の後端側内側面には、駆動ユニット係止用
の後側係止手段を構成する係止フレーム21が設けられ
ており、該係止フレーム21には前後方向に延びる切欠
き21a(図6,図7)が形成されている。なお、該係
止フレーム21は、フレーム60を介して車椅子本体1
側にねじ止め固定されている。
【0016】上記駆動ユニット10は、走行輪12と、
該走行輪12を駆動するモータ13と、上記走行輪12
を乗員Pが操向するための着脱自在なハンドルユニット
14と、上記モータ13に電力を供給するためのバッテ
リユニット15と、上記車椅子本体1側に装着するため
の前側係止手段40及び後側係止手段41と、補助輪4
5とから主として構成されている。上記前側係止手段4
0は、車椅子本体側の前側係止手段20に係止される側
面視略L字状のフレームから構成されており、上記後側
係止手段41は、上記後側係止手段21の切欠き21a
内に係止されるピンから構成されている。
【0017】上記駆動ユニット10には上方からカバー
46が装着されている。該カバー46の前側部分は、前
後方向に延びる互いに平行な平行部47と、緩やかな曲
面で形成された前端部48と、上記平行部47及び前端
部48を接続する曲面部49とで形成されており、該前
側部分にはその外周面に沿うように例えばゴム製のガー
ド50が装着されている(図8参照)。このカード部5
0は、駆動ユニット10を人が移動させる場合の把持部
となる。
【0018】次に、上記走行輪12及びモータ13から
構成される走行駆動系の詳細を図10ないし図18に示
す。図10は図4のX−X線断面図(つまみ入,ドッグ
クラッチ入の状態図)、図11は図10のXI−XI線
矢視図、図12は図10のXII-XII 線一部断面図、図1
3はつまみ切,ドグクラッチ入の状態図、図14は図1
3のXIV-XIV 線矢視図、図15は図13のXV-XV 線断面
図、図16はつまみ入,ドグクラッチ切の状態の部分
図、図17はつまみ切,ドグクラッチ切の状態の部分
図、図18は図15のXVIII-XVIII 線一部切欠き断面図
である。
【0019】これらの図において、上記モータ13の回
転軸13aの先端にはウォームギヤ70が装着されてい
る。一方、上記回転軸13aと交差する方向には出力軸
71が配設されている。該出力軸71の一部及び上記ウ
ォームギヤ70はハウジング72内に収納されており、
該出力軸71はハウジング72内において軸受73によ
り回転自在に支持されている。また、該ハウジング72
内において上記出力軸71には上記ウォームギヤ70と
噛み合うウォームホイル75が装着されている。上記モ
ータ13の回転を出力軸71に伝達する機構としては上
述のウォームギヤ70及びウォームホイル75に限定さ
れず、他のギヤ機構を採用することも可能である。例え
ばモータ回転軸13a及び出力軸71を平行に配置し、
両軸に平歯車を装着することによってギヤ機構を構成す
るようにしてもよい。
【0020】上記出力軸71の略中央部には回転部材7
8が回転自在に取り付けられている。この回転部材78
の一端にはフランジ部79が形成されており、該フラン
ジ部79に、走行輪12が装着されたリム80が固定さ
れている。上記出力軸71の他端にはスプライン81が
形成されており、該スプライン81に略円筒状のドグメ
ンバ82がスプライン係合している。該ドグメンバ82
の上記回転部材78側端部には、該回転部材78の底壁
面に形成された係合穴77に係合し得るドグ83が形成
されている。これらドグ83及び係合穴77によりドグ
クラッチ84が構成されており、該ドグクラッチ84が
係合状態となることにより(図10,図13参照)、上
記モータ13の回転力が出力軸71,ドグメンバ82,
回転部材78を介して走行輪12に伝達されるようにな
っている。
【0021】上記回転部材フランジ部79の側面には円
筒状のケーシング85がねじ86によってねじ止め固定
されている。該ケーシング85内において、上記ドグメ
ンバ82上にはカラー87が軸方向スライド自在に設け
られ、上記ドグメンバ82の端部に装着された止め輪9
0により、該カラー87の軸方向移動が規制されてい
る。また該ケーシング85内において出力軸71の周囲
には、小径のばね88及び大径のばね89がいずれも縮
設状態で配置されている。上記ばね88の一端は上記カ
ラー87に、他端は上記ドグ83の側部に圧接してお
り、また上記ばね89の一端は上記カラー87に、他端
は上記フランジ部79の側面に圧接している。すなわ
ち、ばね88は上記ドグクラッチ84を係合方向に、ま
たばね89は解除方向に付勢していることになる。
【0022】また上記ケーシング85の開口には、円筒
状の外周面を有し上記カラー87に当接し得る押え部材
92が挿入され、該押え部材92の外周面は上記ケーシ
ング85の内周面に摺接している。該押え部材92の一
端には、該押え部材92を手動で回転させるとともに軸
方向に移動させるためのつまみ93がねじ止め固定され
ている。また該押え部材92の他端のボス側にはばね9
4が配置され、該ばね94は該ボス側端面と出力軸端に
装着された止め輪との間に縮設されている。さらに該押
え部材92の他端の外周側には、係脱機構95が設けら
れている。
【0023】上記係脱機構95は、図15に示すよう
に、上記押え部材92の外周端部に略180゜間隔で形
成された半径方向に延びる2個の突起96と、上記ケー
シング85の内周面の一部に形成され、上記各突起96
が周方向に移動するための環状溝97と、該環状溝97
の両端部に形成され上記各突起96がそれぞれ係合し得
る係合穴98,99とから構成されている。また上記各
係合穴98,99の軸方向の位置関係は、係合穴98の
方が係合穴99よりも図15の紙面奥側に位置している
(図18参照)。
【0024】この構成により、操作者が上記つまみ93
を押し込みながら回すことによって、上記押え部材92
は、各突起96が各係合穴98に係合して(すなわちつ
まみ切の状態)、上記ドグクラッチ81の切状態(解除
状態)を許容する解除許容位置(図13,図17参照)
と、各突起96が各係合穴99に係合して(すなわちつ
まみ入の状態)、上記ドグクラッチ81の入状態(係合
状態)を強制する係合強制位置(図10,図16参照)
とをとり得るようになっている。また上記係合穴99を
環状溝97よりも凹ませて形成したことにより、動力伝
達時に路面からの振動を受けた際に、上記突起96を係
合穴99からはずれにくくすることができる。
【0025】なお、図10はまた動力伝達(ドグクラッ
チ係合)状態を示している。この状態から動力遮断(ド
グクラッチ解除)状態にするには、まずつまみ93を押
し込みながら回してつまみ切の状態にし(図13)、こ
の状態から乗員Pが車椅子を揺すると、走行輪12が前
後し、その影響で上記ばね89のばね力によりドグクラ
ッチ84の係合が解除される(図17)。これにより、
動力遮断状態となる。したがって、自動走行装置10を
装着した状態で、例えばバッテリー上がり等により車椅
子の自動走行が不可能となった場合には、このような動
力遮断状態にすることにより、車椅子を手動で走行させ
ることができる。
【0026】また図17に示す状態から動力伝達状態に
するには、つまみ93を押し込みながら回してつまみ入
の状態にし(図16)、この状態から乗員Pが車椅子を
揺すると、その影響で上記ばね88のばね力によりドッ
グクラッチ84が係合する(図10)。このように、ド
グクラッチ84の係脱をつまみ93の操作のみで簡単に
行うことができる。
【0027】次に、上記ハンドルユニット14の詳細に
ついて図19ないし図25を用いて説明する。上記ハン
ドルユニット14は、上下方向に延びるステアリングコ
ラム100と、該ステアリングコラム100の上端に連
結パイプ110を介して連結されたハンドルアーム10
1と、該ハンドルアーム101の他端に配置された乗員
操作用の把持部102とから主として構成されている。
【0028】上記ステアリングコラム100は、孔11
5aが形成された略円筒状のパイプ115を有してい
る。該パイプ115は例えばアルミニウムの押出し成型
により製作され、リード線113を該パイプ115内に
通すための軸方向に延びる溝115bを有している。ま
た上記パイプ115には、上記溝115bを覆うための
軸方向に延びる樹脂製カバー板116が装着されてい
る。このように、リード線113をステアリングコラム
100内を通すことにより、車椅子全体の外観をよくで
きるのみならず、乗員Pの脚に干渉する等の不具合を防
止できる。
【0029】上記連結パイプ110はその一端が上記ハ
ンドルアーム101の一端に固定されるともに、上記パ
イプ115の孔115a内に挿入されている。また上記
連結パイプ110は、上記パイプ115内に固定された
固定部材112に、該パイプ115内を挿通するボルト
111を介してねじ止め固定されている。上記把持部1
02には、車速を制御するための押しボタン式の操作子
103が取り付けられており、これはコントローラ11
4(図3)に上記リード線113を介して電気的に接続
されている。該操作子103を押すと、その押し込み量
に応じて把持部102内の電気抵抗可変装置(図示せ
ず)の抵抗値が変化し、その変化量が上記コントローラ
114で検出されて速度制御が行われるようになってい
る。
【0030】また、上記ハンドルアーム101には、同
様に上記コントローラ114に電気的に接続されたスイ
ッチボックス104が取り付けられている。このスイッ
チボックス104には、メインスイッチ105,前後進
切り換えレバー106及び高低速切り換えレバー107
が設けられている。この高低速切り換えレバー107
は、高速側では車速が毎時4.5kmに、低速側では車
速が毎時2kmに維持されるようになっている。また、
上記前後進切り換えレバー106を後進側に切り換える
とブザー(図示せず)が鳴るようになっている。
【0031】上記ステアリングコラム100は、図19
に示すような概ねクランク状の部材であり、これにより
ハンドルユニット装着時に該ステアリングコラム100
が操作者の脚に干渉するのを防止できる。該ステアリン
グコラム100の下端開口には、例えばアルミニウム製
の中実丸棒である挿入部120が固着されている。該挿
入部120の下部には小径部121が形成され、該小径
部121には例えば鉄製のカラー122が圧入されてい
る。また該小径部121の下端は大きく面取が施されて
おり、これにより該挿入部120の後述する雌端子ユニ
ット140への挿入が容易に行われるようになってい
る。
【0032】上記挿入部120には雄端子ユニット13
0が設けられている。該雄端子ユニット130は、上記
挿入部120上に固定されたスリーブ131と、該スリ
ーブ131上に取り付けられた略円筒状のケース133
とを有している。上記スリーブ131の下部には、上記
リード線113が接続された雄端子部132が取り付け
られている。該雄端子部132は円周上に複数個設けら
れている。また上記ケース133の下端開口には、上記
雄端子部132を覆うためのガイド部材134が摺動自
在に挿入されている。上記ケース133内にはばね13
5が縮設されており、該ばね135の上端は該ケース1
33の底面に、また下端は上記カバー134の上端に圧
接している。
【0033】駆動ユニット10のフレーム141前端に
は、上記ステアリングコラム100を装着するための雌
端子ユニット140が設けられている。該雌端子ユニッ
ト140は例えば樹脂製のベース部材141を有してい
る。該ベース部材141内には段付孔141a,141
b,141cが上方から順に形成され、該穴141aの
上端には面取141dが施されている。上記孔141a
内には例えば樹脂製のガイド部材142がボルト143
により取り付けられており、該ガイド部材142の上端
面142aは上記面取141dに連続する傾斜面となっ
ている。これにより上記挿入部120の挿入が容易にな
されるようになっている。
【0034】上記孔141b内にはスライド部材144
が上下方向スライド自在に挿入されており、該スライド
部材144には、上記雄端子部132に対応する複数個
の雌端子部145が円周上に配設されている。該各雌端
子部145は、上記ベース部材141の側部に形成され
た孔141eを通るリード線146を介してコントロー
ラ114に電気的に接続されている。また上記スライド
部材144の上端面144aも上記ガイド部材142と
同様の傾斜面となっている。これら上記面取141d,
上端面142a,144aにより、該雌端子ユニット1
40の上端開口がすりばち状に形成されているので、乗
員Pが上記雌端子部145の位置の確認を容易に行える
ようになっている。
【0035】上記孔141b内において上記スライド部
材144の下方には複数個の板ばね148aが装着され
ている。該各板ばね148aの上端は上記スライド部材
144の下面に当接し、下端は該孔141のbの底壁上
に固定されている。これらの板ばね148aにより、上
記挿入部120の装着時において雌端子部145が下方
に若干量移動し得るようになっており、これにより雄,
雌端子部接続時の衝撃を吸収するとともに接続を確実に
行わせることができる。またこれにより、該挿入部装着
後の実走行時において上記ステアリングコラム100が
多少上下した場合でも該コラム100が容易にはずれな
いようにすることができる。
【0036】上記スライド部材144の下端には、プー
リ溝150aが形成されたプーリ部150をその上部に
有する回転部材151が固定されている。該回転部材1
51の中央に形成された孔内にはカラー152が圧入さ
れ、該カラー152内には上記小径部121の挿入を容
易にするためのコロ軸受153が設けられている。また
該回転部材151の下部にはピン154が固定されてお
り、該ピン154は、上記挿入部小径部121の下端に
形成された切欠き121bに係合し得るようになってい
る。さらに該回転部材151の下部外周にはストッパ1
56がボルト157によりねじ止め固定されている。
【0037】一方、上記回転部材151の周囲には円筒
状のストッパ部材158が設けられている。該ストッパ
部材158は、駆動ユニット10の下方に前後方向に配
設されたフレーム141(図25)の前端に固定されて
いる。上記回転部材151は該ストッパ部材158内に
おいて軸受155を介して回転自在に支持されている。
また上記ストッパ部材158の下端には円周方向に延び
る切欠き158aが形成されている。上記ストッパ15
6は該切欠き158a内に位置しており、ストッパ15
6は該切欠き158a内においてのみ円周方向移動が可
能となっている。すなわちハンドルアーム101の切角
は図25中の矢印Aのようになっている。
【0038】なお、上記駆動ユニット10の後部には、
上記雌端子ユニット140と同様の構成を有する雌端子
ユニット200が設けられている(図2,図3参照)。
この雌端子ユニット200は、図9に示すように、介護
者Sの操作用のハンドルユニット201のステアリング
コラム202を取り付けるためのものである。このステ
アリングコラム202の上端にはハンドルアーム203
が取り付けられており、該ハンドルアーム203には、
車速制御用の操作子200を有する把持部205が設け
られている。なお、上記両ハンドルユニット14及び2
01が共に取り付けられ、両操作子103及び204が
同時に操作された場合においては、いずれか一方の操作
を優先するか、またはいずれか一方のハンドルユニット
14,201を取り外さなければ走行できないような回
路構成にしておけば、操作上の不都合が回避される。
【0039】次に、図26ないし図30を用いて、上記
走行輪12のフォーク160を起立状態(図28参照)
でロックするためのロック機構170について説明す
る。
【0040】このロック機構170は、駆動ユニット1
0の前後方向に配設されたフレーム171の前端に固定
されたブラケット172と、該ブラケット172の下部
に設けられた回転自在な回転部材173と、上記ブラケ
ット172及び回転部材173を挿通する上下動可能な
ロッド174とを有している。上記ロッド174は、上
記ブラケット172内に装着されたばね(図示せず)に
よって常時下方に付勢されている。また該ロッド174
の上端には平面視コ字状の係合板190が取り付けられ
ており、さらに該係合板190の下方にはピン191が
固定されている。
【0041】上記回転部材173の下部には、上記フォ
ーク160の上部を支持するための支持部175が設け
られており、該フォーク160の上部及び支持部175
にはピン176が挿通している。これにより、フォーク
160は支持部175に回動自在に支持されている。ま
たフォーク160の上部には、上記ロッド174の下部
174aが係脱自在に係合し得る凹部177が形成され
ている。なお、上記ロッド下部174aが凹部177に
係合している状態がロック機構170によるロック状態
である。
【0042】上記回転部材173の外周にはプーリ溝部
173aが形成されており、該プーリ溝部173aと上
記雌端子ユニット140のプーリ溝部150a(図2
2,図23)には、ワイヤ178が巻き掛けられてい
る。なお、このワイヤ178はチューブ179内を移動
自在となっている。
【0043】この構成により、上記ハンドルアーム10
1を旋回させて操舵を行うと、雌端子ユニット140の
ピン154を介して回転部材151が回転し、この結
果、ワイヤ178が移動してロック機構170の回転部
材173を回転させる。この回転部材173の回転によ
り、上記フォーク160を介して上記走行輪12が操向
することになる。なお、このとき、上記走行輪12とと
もに出力軸71及びモータ13を含む走行駆動系全体が
回転することになるが、この場合には、図10に示すよ
うに、モータ軸13aが概ね上下方向にかつ走行輪12
に近接して配置されているので、操舵時の操舵系(即ち
上記走行駆動系及び上記ハンドルユニット14を含む
系)全体の慣性モーメントが小さい。したがって、操舵
を容易に行うことができる。
【0044】なお、上記回転部材173の外周の一部に
は、カム部181aを2個所に有するカム部材181
(図25)が取り付けられている。一方、上記回転部材
173の側方にはセンサ182が配置されており、この
センサ182の検出部には上記各カム部181aが当接
し得るようになっている。そして、操作者がハンドルア
ーム101を大きく切ったときに、センサ182により
カム部181aが検出されると、車速がセンサ検出時の
車速の約1/2に設定されるようになっている。
【0045】上記ロック機構170には、該ロック機構
170のロックを解除するためのロック解除レバー18
5が配置されている。該レバー185を支持する支軸1
86は下方に屈曲しており、その下端には二股状のフレ
ーム187が固定されている。該フレーム187の下部
188は上記ブラケット172の両側方に配置されてお
り、該ブラケット172を挿通するボルト189によっ
て該ブラケット172に回動自在に取り付けられてい
る。また上記フレーム187の上部には、上記ロック機
構170のピン191が係止し得る切欠き192が形成
されている。
【0046】ロック機構170によるロック状態(図2
8)を解除するには乗員Pが上記レバー185を手前に
引き上げる。すると、上記フレーム187の端面187
aがロッド174を徐々に押し上げ、これによりロッド
下部174aとフォーク上部の係合凹部177との係合
が外れる。そして、フレーム187の切欠き192内に
ピン191が係止することにより、このロック解除状態
が維持されることになる。
【0047】次に、上記フォーク160の傾斜状態中
(図27参照)に走行輪12を直進状態に位置決めする
ための位置決め装置180について、図31ないし図3
5を用いて説明する。これらの図において、上記ブラケ
ット172の下部にはガイド部材196が設けられてい
る。該ガイド部材196には前後方向(図左右方向)に
延びる係合凹部197が形成されており、該係合凹部1
97の開口部197aは開口端にいくほど広くなってい
る。また上記フォーク160の上端には突起部160a
が形成され、該突起部160aは走行輪12の傾斜状態
で上記係合凹部197内の両側壁に沿いつつ、該係合凹
部197に係合するようになっている。これにより走行
輪12が直進状態でロックされるようになっている。
【0048】また、駆動ユニット10の車椅子本体1へ
の装着後において、上述の前側係止手段40による係止
状態を補助するための係止補助機構195(図27,図
30ないし図34参照)が設けられている。該補助機構
195は上記走行輪12の後方において幅方向に配設さ
れた樹脂製のバー210を有している。該バー210の
両端側方に配設されたフレーム211上には、その一端
が回動自在に支持されたプレート212が設けられてい
る。上記バー210の両端部は、該プレート212の他
端に回転自在に支持されている。また該プレート212
上には、カム面213aを有するカム部材213が取り
付けられている。該カム部材213及び上記フレーム2
11の各前端部はばね214により連結されている。
【0049】駆動ユニット10の左右のフレーム220
に形成された孔220a内には、係止補助部材221が
出没自在に設けられている。該係止補助部材221の側
面には、駆動ユニット10の幅方向に延びる支軸222
の一端が固定されている。該支軸222の他端は上記プ
レート212を挿通するとともに下方に屈曲しており、
その先端部223は上記カム部材213のカム面213
a上に当接している。また上記支軸222の回りにはば
ね224が装着されており、このばね224のばね力に
より、上記係止補助部材221はフレーム220の外方
に、すなわち上記前側係止手段(フレーム)40内に突
出する方向に常時付勢されている。
【0050】図27及び図34に示すように、駆動ユニ
ット装着前において走行輪12が完全に傾斜した状態で
は、走行輪12は上記バー210に圧接し、支軸先端部
223はカム部材213のカム面213aの前方側(図
左側)に位置している。この結果、上記係止補助部材2
21はフレーム220の孔220a内に没入した状態と
なっている。この状態で駆動ユニット10の車椅子本体
1に対する装着が行われる。該装着は、車椅子本体1側
のローラ(前側係止手段)20が上記フレーム40内に
進入して係合することにより行われるが、このとき上記
係止補助部材221はフレーム220内に没入している
ので、該ローラ20の進入は円滑に行われることにな
る。
【0051】駆動ユニット10の装着が完了すると、走
行輪12は上記バー210から離れて起立状態に移行す
るが、この起立状態では、図7に示すように、ローラ2
0はフレーム40の底部40aに係合している。またこ
のとき図31,図32に示すように、ばね214のばね
力により、カム部材213が支軸222の回りを回動
し、該支軸先端部223がカム部材213のカム面21
3aの後方側(図右側)に移動している。これにより、
上記係合補助部材221がフレーム40内に突出してお
り、この結果、走行中の振動等によって上記ローラ20
がのフレーム40内から容易に外れないようになってい
る。
【0052】また、駆動ユニット10の後端に配置され
た補助輪45にはスタンド部材201の一端が取り付け
られている(図4ないし図7参照)。該スタンド部材2
01及び補助輪45によって、駆動ユニット10の後端
部が駆動ユニット装着時の地上高さ位置に維持されてい
る。したがって、従来装置のように駆動ユニット10の
後端部をジャッキアップする必要はなくなり、前端部の
みのジャッキアップで済み、これによりモータ13の消
費電力を節約できる。該スタンド部材201の他端はピ
ン(後側係止手段)41を介して上記フレーム220に
回動自在に取り付けられている。該ピン41の回りには
ばね232が装着されており、該ばね232のばね力に
より、スタンド部材201は図の右回りにすなわち起立
方向に常時付勢されている。またスタンド部材201の
前方には係止レバー230が配置されている。該係止レ
バー230には、上記フレーム220の幅方向に配設さ
れた回転自在な支軸231が固定されている。該支軸2
31の周囲にもばね233が装着されており、これによ
り係止レバー230は図の右回りに常時付勢されてい
る。またスタンド部材201の起立状態においては、係
止レバー230の上端230aはスタンド部材201先
端の係合凹部201aに係合しており、これにより、該
スタンド部材201を起立位置(図6)に確実にロック
することができる。
【0053】一方、車椅子本体1側において上記係止フ
レーム21の側面には、カム部材235,236(図
6,図7)が前後に設けられている。該カム部材235
は、駆動ユニット装着時に上記係止レバー230の下部
に前方から当接して、該係止レバー230を支軸231
の図左回りに回動させるためのものであり、また上記カ
ム部材236は同様に駆動ユニット装着時に上記スタン
ド部材201の端部238に当接して、該スタンド部材
201をピン41の図左回りに回動させるためのもので
ある。これにより、駆動ユニット装着後には、スタンド
部材201は図7に示すようなはね上げ位置に移動す
る。
【0054】次に、バッテリユニット148の取付部分
について図36ないし図38を用いて説明する。該バッ
テリユニット148は、バッテリ本体250と、これを
支持するケース251とから構成されている。該ケース
251には、バッテリ本体250の両側面及び底面を支
持するためのコ字状に折り曲げられた支持プレート25
2が設けられている。また上記ケース251上には把手
255が設けられている。該把手255は、支軸256
を介してケース251上に回動自在に設けられており、
ケース251側に収容された収容位置(図38)と、バ
ッテリユニット148の持ち運びに便利な起立位置(図
36)とをとり得る。
【0055】また上記支軸256にはカム部材258が
取り付けられている。一方、該支軸256の下方には、
前後方向(図左右方向)に延びるスライドプレート26
0が配設されている。該スライドプレート260は、そ
の前端側(図左側)が上方に屈曲しており、その前端部
260aは上記カム部材258に当接している。また該
スライドプレート260は、ケース251に設けられた
下方に延びるステー261,262に前後方向スライド
自在に支持されている。また該スライドプレート260
の下方にはばね263が前後方向に配設され、該ばね2
63の一端は上記スライドプレート260の下部に、他
端は上記ステー262の下部にそれぞれ係止されてい
る。このばね263のばね力により、スライドプレート
260は、常時図右方に付勢されている。また、上記ケ
ース251には給電用端子264が設けられている。
【0056】駆動ユニット10側には、上記バッテリユ
ニット148を収容するためのバッテリ収容部265が
設けられている。該バッテリ収容部265には、上記ス
ライドプレート260の先端260bが係合し得る係合
孔268が形成されている。また該バッテリ収容部26
5には、上記給電用端子264が接続される受電用端子
270が設けられている。該バッテリ収容部265の前
方には、リード線271を介してバッテリユニット14
8と電気的に接続されるコントローラ114が配置され
ている。なお、280は駆動ユニット10の後端部に幅
方向に配設されたパイプフレームであり、該フレーム2
80は、該駆動ユニット10を車椅子本体1と切り離し
て携帯するときに好都合である。
【0057】上記バッテリユニット148の装着時に
は、把手255をつかみ、該バッテリユニット148を
バッテリ収容部265の上方から挿入する(図36参
照)。このとき、把手255は上方へ回動して起立位置
にあるため、カム部材258がばね263のばね力に抗
してスライドプレート260を図左方に移動させてお
り、該スライドプレート260の先端260bはステー
262側に退避している。これによりバッテリユニット
148はバッテリ収容部265内にスムーズに挿入され
る。またこのとき、バッテリユニット148側の給電用
端子264がバッテリ収容部165側の受電用端子27
0に接続される。
【0058】バッテリユニット装着後、把手255を回
動させてケース251側に収容させる(図38参照)。
把手255の回動にともなってカム256も回動し、こ
の結果、ばね263のばね力によりスライドプレート2
60が図右方に移動して、スライドプレート先端部26
0bがバッテリ収容部265の係合孔268内に係合す
る。これにより、バッテリユニット148を収容状態で
確実にロックすることができる。逆にバッテリユニット
148を取り外す際には、上記と逆の動作を行えばよ
く、このようにして、バッテリユニット148の着脱を
簡単に行うことができる。
【0059】次に、駆動ユニット10の車椅子本体1へ
の装着作業について説明する。この場合には、まず、駆
動ユニット10からハンドルユニット14を外した状態
で、駆動ユニット10を車椅子本体1の後方に配置す
る。このとき、図1,図5,図6に示すように、駆動ユ
ニット10のスタンド部材201は下方に回動してお
り、補助車輪45は接地状態にある。また、図27に示
すように、ロック機構170のロッド下部174aがフ
ォーク160上部の係合凹部177から外れて、フォー
ク160が傾斜した状態にあり、走行輪12が係止補助
機構195のバー210に圧接している(図34参
照)。バー210に走行輪12が圧接することにより、
上述のように係止補助部材221がフレーム(前側係止
手段)40内から退避していてフレーム220内に没入
している。またこのとき図27,図34,図35に示す
ように、位置決め装置180によって、走行輪12が直
進状態に位置決めされている。
【0060】次に、乗員Pが車椅子本体1を手動で後方
へ移動させる。この場合には、上述のように、駆動ユニ
ット10のカバー46の前側部分には、平行部47と曲
面部49とが設けられている(図8参照)。しかも車椅
子本体1側には、上記平行部47の進入をガイドするた
めのガイド部材25,26が設けられており、該各ガイ
ド部材25,26の後端部は外方に湾曲し、その先端に
は回転自在なローラ35が装着されている。これによ
り、駆動ユニット10及び車椅子本体1が多少ずれた位
置に配置されていたとしても、駆動ユニット10は上記
ガイド部材25,26に沿いつつ車椅子本体1内に進入
できるので、両者を自動的に位置合わせすることができ
ることになり、駆動ユニット10の車椅子本体1への挿
入を容易に行うことができる。この結果、車椅子全体の
組み立てを容易に行え、乗員の負担を軽減できる。
【0061】駆動ユニット10が車椅子本体1の下部に
進入すると、図6に示すように、ローラ(車椅子本体側
の前側係止手段)20がフレーム40(駆動ユニット側
の前側係止手段)内に進入するとともに、ピン(駆動ユ
ニット側の後側係止手段)41が係止フレーム(車椅子
本体側の後側係止手段)21の切欠き21a内に進入す
る。一方、雌端子ユニット140は車椅子本体1の前端
側に位置している。
【0062】この状態から、乗員Pがハンドルユニット
14の取り付けを行う。この場合には、ハンドルアーム
101を図3に示すように左右方向に配置した状態で、
ステアリングコラム100の挿入部120を雌端子ユニ
ット140内に徐々に挿入する。このとき、雌端子ユニ
ット140の上端開口は、上述のように面取141d,
傾斜面142a,上端面144aによりすりばち状に形
成されているので(図22参照)、乗員Pが雌端子部1
45を容易に確認できるとともに、挿入部下部の小径部
121が雌端子ユニット上端開口の上記各面に沿いつつ
該開口内に進入することになり、挿入部120の挿入を
容易に行える。しかもこの場合には、挿入部下部の小径
部121下端に大きな面取121aが施されているので
(図21参照)、挿入部120の挿入を一層容易に行え
る。また挿入部120の挿入が完了すると、挿入部12
0側の雄端子部132が雌端子部145に電気的に接続
されることになる。なお、この場合には、図10に示す
ように、つまみ93及びドグクラッチ84がともに入状
態にあり、動力伝達状態になっている。
【0063】次に、主車輪5をロックした状態で、前後
進切り換えレバー106(図3)を前進側に切り換え
る。そして、メインスイッチ105をONにした後、操
作子103を操作する。すると、モータ13が起動し、
車椅子本体1が停止した状態で駆動ユニット10が前進
を開始する。これにより、フレーム40がローラ20に
当接するまで移動するとともに(図4の二点鎖線20参
照)、ピン41が係止フレーム21の切欠き21aに係
合して後側係止手段による係止が行われる。その一方、
車椅子本体側のカム部材235が係止レバー230の下
部に前方から当接し、ばね233のばね力に抗して該係
止レバー230を支軸231回りに回動させる。またカ
ム部材236がスタンド部材201の端部238に当接
し、ばね232のばね力に抗して該スタンド部材201
をピン41回りに回動させ、これによりスタンド部材2
01ははね上げ位置に移動する(図7参照)。
【0064】この状態からさらに走行輪12が回転する
と、このとき上記後側係止手段により駆動ユニット10
の移動が規制されているため、走行輪12が路面上を転
動する。すると、フォーク160がピン176の回りを
回動して車椅子本体1の前端側をジャッキアップしつ
つ、徐々に起立状態に移行する(図30,図32参
照)。
【0065】一方、走行輪12が係止補助機構195の
バー210から離れると、ばね214のばね力によりカ
ム部材213が回動し、これにより係合補助部材221
がフレーム40内に突出する(図33参照)。走行輪1
2がさらに回転すると、フォーク160が完全な起立状
態となり、フォーク上部の係合凹部177内にロッド下
部174aが係合するとともに(図28参照)、ピン2
0がフレーム40の側壁に沿いつつ底部40aに係合す
る(図7参照)。このようにして、前側係止手段による
係止が行われて、該係止状態がロックされる。なお、車
椅子本体1のジャッキアップにより、キャスタ6が上昇
して路面から離れる(図2,図7参照)。また該ジャッ
キアップは車椅子本体1の前側部分に限られるので、車
椅子本体1を多少前上がりにすることができる。
【0066】次に、駆動ユニット10の取り外し作業に
ついて説明する。この場合には、まず、図26,図31
に示すように、ハンドルアーム41を直進状態にする。
この状態から、乗員Pがステアリングコラム100を把
持してハンドルユニット14を持ち上げて抜く。次に、
乗員Pがロック解除レバー185を手前に引き上げる
(図29参照)。これにより、ロッド下部174aとフ
ォーク上部の係合凹部177との係合が外れ、ロック機
構170によるロック状態が解除される。
【0067】この時、上記走行駆動系が動力伝達(ドグ
クラッチ係合)状態となっていると、ウォームギヤ70
及びウォームホイル75のギヤ比が大きいため、走行輪
12は転動せず静止したままである。しかし、主車輪5
がロックされていなければ車椅子本体1を前進させるこ
とができるので、フォーク160を容易に回動させて傾
斜姿勢にすることができる(図30二点鎖線位置参
照)。
【0068】またフォーク160の回動時には、フォー
ク160の上端部160aがフレーム下部188を押し
上げるので、ロック解除レバー185によるロック解除
状態が解除される(図30参照)。これにより、図30
及び図35に示すように、フォーク上端部160aがガ
イド部材196の係合凹部197内に係合し、この結
果、走行輪12が直進状態でロックされることになる。
このようにして車椅子本体1と駆動ユニット10とを分
離させることができる。
【0069】なお、上記係合凹部197の開口部197
aは開口端にいくほど広く形成されているので、フォー
ク上端部160aの係合凹部197への係合はスムーズ
に行われる。また、このように走行輪12が直進状態で
ロックされることにより、駆動ユニット装着時のジャッ
キアップ動作の際に、走行輪12が他部品に干渉したり
するのを防止でき、またハンドルユニット14の装着も
容易に行うことができる。
【0070】上記実施例では、駆動ユニットを移動させ
ることによって車椅子本体に駆動ユニットを自動で取り
付けた場合を説明したが、本発明では、車椅子乗員又は
補助者が車椅子本体を移動させることによって駆動ユニ
ットの取り付けを行うこともできる。これは、駆動ユニ
ットにおいて、走行輪12の格納状態ではこの走行輪1
2が該駆動ユニットに対して揺動可能になっており、か
つ該走行輪12がウォーム機構によってブレーキが作動
したのと同じ状態になっていることで実現できるもので
ある。これにより車椅子本体を駆動ユニット側に移動さ
せると、上記ブレーキ作用によって駆動ユニットはその
場に固定され、かつ上記揺動可能によって走行輪が走行
状態となる。
【0071】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係る電動
式車椅子の駆動ユニット着脱構造によれば、平行部及び
湾曲部を有するガイド部材を駆動ユニットに設け、導入
部材を車椅子本体に設けるようにしたので、該ユニット
の車椅子本体への導入を容易に行える効果がある。これ
により車椅子全体の組み立てを容易に行え、乗員の負担
を軽減できる。
【0072】また請求項2の発明に係る電動式車椅子の
駆動ユニット着脱構造によれば、外方に拡開しかつ平行
に配設された被ガイド部材と調節機構とから上記導入部
材を構成するようにしたので、上記ガイド部材の導入部
材への導入をさらに容易に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された車椅子の駆動ユ
ニット装着前の側面図である。
【図2】上記車椅子の駆動ユニット装着後の側面図であ
る。
【図3】上記車椅子(図2)の平面部分図である。
【図4】上記駆動ユニット(図2)の全体側面図であ
る。
【図5】上記駆動ユニット(図1)の全体側面図であ
る。
【図6】図1の一部拡大図である。
【図7】図2の一部拡大図である。
【図8】上記駆動ユニットの装着動作を説明するための
図である。
【図9】上記車椅子の他の使用例を示す図である。
【図10】図4のX−X線断面図である。
【図11】図10のXI−XI線矢視図である。
【図12】図10のXII-XII 線一部断面図である。
【図13】上記駆動ユニットの走行駆動系のつまみ切,
ドグクラッチ入の状態図である。
【図14】図13のXIV-XIV 線矢視図である。
【図15】図13のXV-XV 線断面図である。
【図16】上記走行駆動系のつまみ入,ドグクラッチ切
の状態図である。
【図17】上記走行駆動系のつまみ切,ドグクラッチ切
の状態図である。
【図18】図15のXVIII-XVIII 線一部切欠き断面図で
ある。
【図19】ハンドルユニットの全体図である。
【図20】図19のXX-XX 線断面図である。
【図21】図19の部分断面図である。
【図22】雌端子ユニットの断面図である。
【図23】上記ハンドルユニットの雌端子ユニットへの
装着状態を示す図である。
【図24】図22のXXIV-XXIV 線矢視図である。
【図25】図3の一部拡大図である。
【図26】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図(図28のXXVI-XXVI 線矢視図)である。
【図27】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図28】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図29】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図30】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図31】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図32】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図33】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図34】上記駆動ユニットの着脱動作を説明するため
の図である。
【図35】位置決め装置の拡大図である。
【図36】バッテリユニットの装着動作を説明するため
の図である。
【図37】バッテリユニット装着状態の平面図である。
【図38】図37の側面図である。
【符号の説明】
1 車椅子本体 10 駆動ユニット 25,26 (被)ガイド部材 30,31 調節ねじ 35 ローラ 46 カバー 47 平行部 49 湾曲部 50 ガード(ガイド部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車椅子本体とこれに着脱自在に設けられ
    た駆動ユニットとを備えた電動式車椅子における駆動ユ
    ニットの着脱構造であって、上記駆動ユニットには、そ
    の左右両側部に設けられた前後方向に延びかつ互いに平
    行な平行部と、該平行部の前端に設けられ該平行部の内
    方に湾曲する湾曲部とを有するガイド部材が設けられ、
    上記車椅子本体には、上記ガイド部材の該車椅子本体へ
    の導入を容易にするための導入部材が設けられているこ
    とを特徴とする電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記導入部材は、そ
    の後端が外方に拡開しかつ上記平行部に対応して互いに
    平行に配設された一対の被ガイド部材と、該被ガイド部
    材の間隔を調節するための調節機構とから構成されてい
    ることを特徴とする電動式車椅子の駆動ユニット着脱構
    造。
JP5353177A 1993-12-29 1993-12-29 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造 Pending JPH07194653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5353177A JPH07194653A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5353177A JPH07194653A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07194653A true JPH07194653A (ja) 1995-08-01

Family

ID=18429080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5353177A Pending JPH07194653A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07194653A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002301114A (ja) * 2001-04-06 2002-10-15 Fuji Heavy Ind Ltd 補助駆動装置
DE102010002632A1 (de) * 2010-03-05 2011-09-08 Aktiv Medical Sanitätshaus Jansen oHG Antriebsunterstützungssystem für unmotorisierte Rollstühle

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60176648A (ja) * 1984-02-23 1985-09-10 徳林股ふん有限公司 車椅子用駆動操縦装置
US5135063A (en) * 1990-08-30 1992-08-04 Smucker Manufacturing, Inc. Power unit for driving manually-operated wheelchair
JPH0699814A (ja) * 1992-09-18 1994-04-12 Yamaha Motor Co Ltd 車椅子用自動走行装置
JPH07507223A (ja) * 1992-06-02 1995-08-10 クイッキー デザインズ インコーポレイテッド 着脱可能な動力駆動アセンブリを備えた動力駆動車椅子

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60176648A (ja) * 1984-02-23 1985-09-10 徳林股ふん有限公司 車椅子用駆動操縦装置
US5135063A (en) * 1990-08-30 1992-08-04 Smucker Manufacturing, Inc. Power unit for driving manually-operated wheelchair
JPH07507223A (ja) * 1992-06-02 1995-08-10 クイッキー デザインズ インコーポレイテッド 着脱可能な動力駆動アセンブリを備えた動力駆動車椅子
JPH0699814A (ja) * 1992-09-18 1994-04-12 Yamaha Motor Co Ltd 車椅子用自動走行装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002301114A (ja) * 2001-04-06 2002-10-15 Fuji Heavy Ind Ltd 補助駆動装置
DE102010002632A1 (de) * 2010-03-05 2011-09-08 Aktiv Medical Sanitätshaus Jansen oHG Antriebsunterstützungssystem für unmotorisierte Rollstühle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101243218B1 (ko) 자동차의 운전보조장치
EP0029213B1 (en) A combination car system
JPH0740878A (ja) 電動自転車
US20020089138A1 (en) Scooter steering control
US20030075372A1 (en) Seat holding structure for a two-wheel vehicle and two-wheel vehicle
US4534439A (en) Parking lock device for motor tricycles
WO2006025245A1 (ja) ハンドル接続構造
JPH07194653A (ja) 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造
JP3209308B2 (ja) 電動式車椅子のバッテリユニット着脱構造
JPH07194658A (ja) 電動式車椅子のクラッチ構造
JPH07196043A (ja) 電動式車椅子のハンドル着脱構造
JPH07194654A (ja) 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造
JPH07194655A (ja) 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造
JPH07194656A (ja) 電動式車椅子の駆動ユニット着脱構造
US6880653B2 (en) Drive unit of electric vehicle
US20020089139A1 (en) Scooter steering control
JPH0699814A (ja) 車椅子用自動走行装置
JPH0699793A (ja) 車椅子用自動走行装置
JPH09207846A (ja) 自転車用スタンド
JPH0795744A (ja) 電動自転車および遊星式減速機
JPH08196572A (ja) 車椅子の走行駆動切換装置
JP2586662Y2 (ja) 携帯用自転車
JP3266944B2 (ja) 電動車両のフレーム構造
JPH0699815A (ja) 車椅子用自動走行装置
JP4823415B2 (ja) 管理機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030527