JPH07194355A - エタノール製剤 - Google Patents

エタノール製剤

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JPH07194355A
JPH07194355A JP35354593A JP35354593A JPH07194355A JP H07194355 A JPH07194355 A JP H07194355A JP 35354593 A JP35354593 A JP 35354593A JP 35354593 A JP35354593 A JP 35354593A JP H07194355 A JPH07194355 A JP H07194355A
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JP
Japan
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ethanol
preparation
ethanol preparation
present
sinapinic acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP35354593A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ishii
敏宏 石井
Takashi Onishi
隆志 大西
Megumi Yoshimura
恵 吉村
Kazuyuki Sakagami
和之 坂上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANEI GEN F F I Inc
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
SANEI GEN F F I Inc
San Ei Gen FFI Inc
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Publication date
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、微生物に対して、抗菌性が強く、
食品に対する保存性が優れ、しかも食品の風味に影響を
与えない、アルコール製剤を提供するものである。 【構成】 エタノール30〜70重量%にシナピン酸
0.1〜50重量%を添加することにより、抗菌力を有
用に発現するエタノール製剤が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シナピン酸を主成分と
するエタノール製剤に関するものである。具体的には、
食品の保存性を向上または変敗を防止するエタノール製
剤に関し、及び調理の時に使用するエタノール製剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりエタノールは、微生物に対して
殺菌や増殖抑制作用を持つことが知られており、殺菌の
目的でエタノールが調理の時に使用されているほか、し
ょう油、みそなどの食品には、防腐の目的でエタノール
を添加することが行われている。エタノール濃度を60
%容量以上の範囲においてクエン酸をはじめとする有機
酸や無機酸などの酸性物質を混合することにより、エタ
ノールの殺菌力が増強されることは、従来より知られて
いた(特公昭58−2668、特公平5−5870
2)。
【0003】また、食品の保存性を向上させる目的で、
エタノール、酸性物質に脂肪酸エステルの併用(特開昭
58−111669)や脂肪酸の併用(特公昭59−4
5643)、グリシン、酢酸塩の併用(特公平2−40
307)あるいはポリリジン、ビタミンB1エステルの
併用(特開平5−219925)など各種抗菌力のある
物質を数種類組み合わせることで防腐効果の向上、保存
性の向上が検討されてきた。しかし、保存性の向上や防
腐効果の向上を果たそうとするとエタノール自身の添加
量の増加とともに併用物を高い濃度で使用することが必
要となり、その結果食品本来の味を損なうことになり、
必要な添加量を使用できず、所期の目的をはたせないの
が現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種微生物
に対して、抗菌性が強く、食品に対する保存性が優れ、
しかも、食品の風味に影響を与えない、エタノール製剤
が求められていたことに応えるものである。そこで本発
明者は、食品の保存性に関して、少量使用するだけで、
微生物に対する抗菌力が強く、食品の保存性に優れ、か
つ食品の風味に影響の少ないエタノール製剤を開発する
目的で、鋭意研究を行った。その結果、従来から香辛料
として使用されてきたカラシ(マスタード)由来の一成
分であるシナピン酸が強い抗菌または静菌効果をもつこ
とを見いだし、さらにエタノールにシナピン酸を添加す
ることにより、抗菌力を有用に発現するエタノール製剤
が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の内容か
らなるものである。 1.エタノールにシナピン酸を配合することを特徴とす
るエタノール製剤であること。この製剤にクエン酸など
の有機酸や脂肪酸エステル類などを併用してもよい。
【0006】2.食品用エタノール製剤の内容成分を1
00%(重量、以下同じ)として、エタノール30〜7
0%、シナピン酸0.1〜50%を配合するエタノール
製剤である。
【0007】3.本発明のエタノール製剤に用いられる
エタノールの濃度は、シナピン酸がエタノール製剤中に
分散、溶解できる濃度であればよく、エタノール製剤に
対して、30−70%が望ましい。エタノール製剤に用
いられるエタノールは、含水、無水、変性、未変性など
各種の濃度のものを用いることができる。
【0008】4.本発明のエタノール製剤に用いられる
シナピン酸は、カラシ(ブラシカ ユンサ Brass
icca juncer, シナピス アルバ Sin
apis albaなど)の種子より公知の溶媒抽出、
熱水抽出等の抽出方法によって得られる。詳しくは、カ
ラシ種子粉末またはカラシ配糖体に水を加えると共存す
る酵素ミロシンの作用により、シナピンの他にアリルイ
ソチオシアネートまたはアルキルイソチオシアネートを
生成する。アリルイソチオシアネート等は、時間の経過
とともに分解することはよく知られている。同時に生成
したシナピンがさらに分解されて、シナピン酸を生成す
る。本発明では、このようにして得られた天然物由来の
シナピン酸を用いてもよいし、化学的に合成したシナピ
ン酸を用いてもよい。
【0009】5.エタノール製剤に使用するシナピン酸
の含有量は、製剤では、0.1〜50%の範囲とする。
食品に対する添加量は、本発明品のシナピン酸単独とし
て、0.01%以上の添加量でよく、またシナピン酸を
含む抽出液または抽出物を使用する場合には、単独での
使用量に基づく添加量を含むことで要件をみたしうる。
一般の食品に使用する添加量は、上記のシナピン酸の使
用量を満たし、本発明製剤として、1〜5%の添加量に
設定することが望ましい。
【0010】6.本発明のエタノール製剤の対象食品と
しては、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ハム、ソー
セージ、すり身製品、魚介乾燥品、くん製などの水産製
品、ハム、ソーセージ、ウインナソーセージ、ベーコ
ン、挽き肉類などの畜産肉製品、サラダ、ハンバーグ、
ぎょうざ、シュウマイ、佃煮、煮豆などの惣菜類、はく
さい、きゅうり、野菜類などの浅漬けやキムチ、ザーサ
イ、たくあんなどの漬物類、いか塩辛、たこ塩辛、海老
塩辛などの半固形水産製品、たれ、つゆなどの調味液
類、みそ、しょうゆなどの調味料、生めん、中華めん、
ゆでめんなどのめん類、カット野菜、果物などの生野菜
類及びこれらの半調理品、半加工のまま冷凍した食品類
であり、これらの食品のみに保存効果が認められるわけ
ではなく、他の食品に対しても、調理器具、調理施設関
連や調理備品を含め、保存効果は十分に認められる。
【0011】7.本発明のエタノール製剤を食品に使用
する方法には、特に制限はなくエタノールとシナピン酸
またはシナピン酸を含む抽出液あるいは抽出物を別々に
食品に添加して、結果として本発明のエタノール製剤の
構成となるようにしてもよいし、本発明のエタノール製
剤として調製したものを直接食品に添加、練り込み、噴
霧または浸漬する方法のいずれを用いてもよい。以下、
実験例および実施例をあげて更に詳しく説明する。
【0012】
【実施例】
実験例1 各種微生物に対する抗菌性を比較するために
次に実験を行った。 被検菌 1.バチラス ズブチリス Bacillus sub
tillis (枯草菌とする) 2.バチラス ステアロサーモフィラス Bacill
us stearothermophilus(フラッ
トサワー菌の一種類、サワ菌とする) 3.シュードモナス フルオレセン Pseudomo
nas fluorescens(シュードモナス菌、
モナスとする) 4.エスケリヒア コリ Escherichia c
oli(大腸菌とする) 5.ラクトバチラス ファーメンタム Lactoba
cillus fermentus(乳酸菌とする) 6.サッカロミセス セレビシエ Saccharom
yces cerevisiae(酵母とする)
【0013】培地 1〜5 : 標準寒天培地 6 : ポテトデキストロース寒天培地
【0014】菌希釈液 1〜5では、ニュトリエントブロスにて前培養し、(3
5℃、2日間培養) 6では、Mグリーンイーストにより前培養する。(25
℃、2日間培養) 上記の培養液で活性化させた菌液を103〜104個/m
lに希釈調整した菌希釈液(100×2倍滅菌水)を各
シャーレに1mlづつ添加する。(なお、原液を108
個/mlのものとみなし、各シャーレに104個の菌を
植えたものとする。実際の菌数は、ブランクによって測
定する。)
【0015】試験方法 1.表1のように各種濃度に調整したエタノール製剤を
予め準備した。 2.前培養し、希釈した菌液を各シャーレに添加、 3.所定の培地20mlと1のエタノール製剤所定量
(表2)を各シャーレに添加 4.菌種1〜5では、35℃、24〜96時間培養し、
菌種6では、25℃、24〜96時間培養し、菌数測
定、生育状況を観察し、その結果を表2、表3に示し
た。
【0016】
【表1】 上記のエタノール製剤を調整するときに、水にて全量1
00%とした。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】表中の記号の意味 +、+2、+3:菌の生育の度合いを示す。 ± : 菌の生育をわずかに認める。 − : 菌の生育を認めない。
【0020】実施例1 ポテトサラダ じゃがいも(煮熟、カット品)300g、にんじん(煮
熟、カット品)50g、スライス玉ねぎ60g、スライ
スキュウリ80g、食酢12.5g、食塩2g、こしょ
う0.05g及びマヨネーズ100gの配合量に対し
て、エタノール50%、シナピン酸5%、水45%を配
合した製剤本発明品を所定量添加して、ポテトサラダを
製造し、各試験区200gを滅菌ポリエチレン袋(20
0ml容量)に充填し、密封したのち、30℃での保存
性を調べた。表4に結果を示した。
【0021】
【表4】
【0022】表4の結果は、本エタノール製剤がサラダ
に対してサラダの保存性を改善したことを示している。
【0023】実施例2 はくさいの一夜漬け 市販のはくさいを水洗したのち、各区1kgを10%食
塩水に室温で5時間浸漬し、水切りを行った。これに2
%食塩、0.1%グルタミン酸ナトリウム及び実施例1
で使用したエタノール製剤を溶解した調味液250gを
添加し、滅菌ポリエチレン袋に詰め、20℃に保存し、
外観判定により、にごり状態を観察し、保存効果を判定
した。その結果を表5に示した。
【0024】
【表5】
【0025】表中の評価内容(にごり状態) +:にごりを生じた。 ±:少しにごりが生じた。 −:にごりが生じていない。* :にごりがひどい。
【0026】表5の結果は、本エタノール製剤がはくさ
いの一夜漬に対して、1%以上の添加量において、はく
さいの一夜漬の保存性を改善したことを示している。
【0027】実施例3 ロースハム(スライス) 豚ロース1000gに対して、予め調製した水265
g、重合リン酸塩4g、食塩25g、砂糖6gからなる
ピックル液300gをインジェクションして、10℃3
日間塩漬したのち、手動式スタッファーを用いてケーシ
ングに詰めスモークハウスで40分間乾燥、くん煙を行
い、中心温度が75℃になるように加熱を行って、ロー
スハムを作成した。このロースハムを本発明エタノール
製剤(エタノール40%、シナピン酸5%、水55%)
及びこのエタノール製剤と同じ濃度の40%エタノール
溶液に1分間浸漬したのち風乾し、スライサーにかけ
て、2mm厚の薄切りハムとした。次に真空包装して2
0℃に保存し、菌数の変化を調べ、表6の結果を得た。
【0028】
【表6】
【0029】実施例4 本発明のエタノール製剤として、エタノール45%、シ
ナピン酸2%、水53%からなる組成物を調製し、本製
剤を1平方センチメートル当たり0.5mlになるよう
に、作業台の上に散布し、3分間ブラッシングを行った
後、十分量の水(10ml/cm2)にて水洗いを行
い、組成物を洗い流した後、作業台の上を滅菌ガーゼに
て拭き取り、細菌数を計測した。同様な方法で水洗いだ
けを行ったものを比較した結果を表7に示す。表7の結
果より、本発明品は、十分な殺菌力を持ち、作業台の表
面を清潔にすることが確認された。
【0030】
【表7】
【0031】
【発明の効果】本発明は微生物に対して抗菌性が強く、
食品に対する保存性が優れ、しかも食品の風味に影響を
与えない、エタノール製剤を提供するものである。エタ
ノールにシナピン酸を添加することにより、抗菌性を有
用に発現するエタノール製剤が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エタノールにシナピン酸を配合すること
    を特徴とするエタノール製剤。
  2. 【請求項2】 エタノール30〜70重量%、シナピン
    酸0.1〜50重量%の範囲で配合することを特徴とす
    る請求項1記載のエタノール製剤。
JP35354593A 1993-12-28 1993-12-28 エタノール製剤 Pending JPH07194355A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7268160B2 (en) * 2000-01-27 2007-09-11 Takara Bio, Inc. Remedies

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7268160B2 (en) * 2000-01-27 2007-09-11 Takara Bio, Inc. Remedies

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