JPH0719272A - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

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Publication number
JPH0719272A
JPH0719272A JP16235993A JP16235993A JPH0719272A JP H0719272 A JPH0719272 A JP H0719272A JP 16235993 A JP16235993 A JP 16235993A JP 16235993 A JP16235993 A JP 16235993A JP H0719272 A JPH0719272 A JP H0719272A
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JP
Japan
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paper
fibers
organic
ceramic fibers
friction material
Prior art date
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Pending
Application number
JP16235993A
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English (en)
Inventor
Masato Suzuki
雅登 鈴木
Hideto Nakagawa
英人 中川
Hideo Ono
英雄 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性を有し、また、十分な気孔率と耐衝撃
性を有する湿式摩擦材を得る。 【構成】 セラミック繊維からなる繊維基材と、有機質
の繊維または粉状体と含む抄紙体を焼成し、有機質の繊
維または粉状体を焼失すると共に、セラミック繊維を一
体に焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の流体式自動変速
機等に使用される湿式摩擦材に関するもので、特に、耐
熱性に優れた無機質多孔体からなる湿式摩擦材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の自動変速機等におい
ては、通常金属製である基板の表面に湿式摩擦材を接着
した複数のディスクプレートと、金属板などの一枚板か
らなる摩擦相手材としての複数のセパレートプレートと
を交互に配し、潤滑油として使用されるATF(オート
マチックトランスミッションフルード)の中で、回転す
る相手材に対して停止している湿式摩擦材を押圧して回
転を停止させる、あるいは、停止している相手材に対し
て回転している湿式摩擦材を押圧して相手材と湿式摩擦
材とを同一回転させることにより、原動機の駆動力を伝
達あるいは遮断している。また、原動機の駆動力を滑ら
かに伝達するために、湿式摩擦材と相手材との間に差回
転を発生させつつ、ちょうど半クラッチと同様の状態で
駆動力を伝達している。
【0003】このようなディスクプレートに接着して油
中で使用する湿式摩擦材は、油が十分に含浸される必要
があることから多孔質体として形成され、従来より、軽
量で、安価である等の点で、繊維基材の抄紙体に熱硬化
性樹脂を含浸し、加熱硬化したものが一般的である。そ
して、この繊維基材としては木材パルプが一般に用いら
れ、またこの抄紙体には摩擦調整剤、固体潤滑剤等の充
填材が適宜添加される。この種の湿式摩擦材に関して
は、例えば、特開平1−169134号公報、特開平1
−288639号公報、特公平2−61661号公報等
に、その種々の改良技術が掲載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
湿式摩擦材に関しても、近年の自動車エンジンの出力の
増大、変速機の小型化等により、その性能に対する要求
はますます厳しくなっている。特にその一つは耐熱性で
あり、例えば、車の加速性能向上のため自動変速機の変
速点を向上させると、摩擦材の係合回転数が上昇し、摩
擦係合面が瞬間的に400℃にも達することもあり、そ
のために、木材パルプを繊維基材とする従来の湿式摩擦
材では熱劣化を生じ、安定した摩擦係数を得ることがで
きず、また、耐摩耗性、耐久性を十分に満足することが
できなくなっている。
【0005】他方、湿式摩擦材を耐熱性のある焼結合金
等の無機質多孔体から構成することは古くから知られて
いる。また、例えば特開昭59−83980号公報に
は、セラミックス粉を焼結してシート状に形成した湿式
摩擦材が提案されている。
【0006】しかし、これらの金属またはセラミックの
粉体を焼結したものは、耐熱性は有するものの、摩擦表
面に油膜を形成するに必要な十分な気孔率を確保するこ
とが困難であり、また対衝撃性も脆い点に問題があっ
た。
【0007】そこで、本発明は、耐熱性を有し、また、
十分な気孔率と、優れた耐衝撃性等の強度とを有する湿
式摩擦材を提供することをその課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる湿式摩擦
材は、セラミック繊維からなる繊維基材と、有機質の繊
維または粉状体と含む抄紙体を焼成し、有機質の繊維ま
たは粉状体を焼失すると共に、セラミック繊維を一体に
焼結してなるものである。
【0009】
【作用】本発明にかかる湿式摩擦材は、有機質の繊維ま
たは粉体を焼成時に焼失させたセラミック繊維の焼結体
から構成されているために、耐熱性を有する。また、有
機質の繊維または粉体の焼失によって解放気孔が形成さ
れるため、セラミック繊維からなる繊維基材が空隙のあ
る抄紙体とした状態で焼成されることと相俟って、十分
な気孔率を確保することができる。更に、繊維の焼結体
であるために、靭性を有し、耐衝撃性等の機械的強度に
優れる。
【0010】ここで、セラミック繊維としては、アルミ
ナ繊維、シリカ繊維、アルミナ−シリカ繊維、チタン酸
カリウム繊維、炭化ケイ素等の炭化物繊維、等を使用す
ることができ、また、ウイスカーも使用することができ
る。そして、これらの繊維は、それぞれ単独で、あるい
は組み合わせて使用することができ、その繊維平均長さ
は0.5〜5mm(好ましくは1〜2mm)、繊維径は0.
1〜6μm(好ましくは1.5〜2.0μm)のものが
一般に使用される。
【0011】また、有機質の繊維または粉体としては、
セラミック繊維の焼結温度で熱分解して焼失するもので
あれば、どのような種類、または材質のものでもよい。
例えば、有機質の繊維としては、アラミド繊維等の合成
繊維、リンターパルプ等の天然繊維などを好適に使用す
ることができる。そしてこれらの繊維は、その平均繊維
長さが0.1〜4mm(好ましくは0.5〜2mm)、また
繊維径が5〜30μm(好ましくは10〜20μm)の
ものが一般に使用されるある。また、有機質の粉体とし
ては、天然あるいは合成の有機質材料を粉砕したもの等
を適宜に使用することができるが、例えば摩擦材の充填
材としても用いられているカシューダスト等は、容易に
入手でき、好適に使用することができる。そしてこの粉
体は、一般に50〜300μm、好ましくは150μm
以下のものが使用される。なお、これらの有機質の繊維
または粉体は、セラミック繊維に対して、一般に、5〜
50重量%、好ましくは、10〜30重量%の割合で配
合される。
【0012】なお、本発明においては、充填材を更に用
いることができるが、その充填材としては焼成温度で熱
分解や強度劣化することのない無機質のものが使用さ
れ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、グラファイト、二
硫化モリブデン、酸化鉄、酸化珪素、酸化マグネシウ
ム、ウオラストナイト、珪藻土等を、単独で、または2
種以上混合して使用することができる。そして、これら
の充填材は、セラミック繊維の焼結によってその繊維間
に定着されるが、セラミック繊維と同程度の温度で焼結
し、焼成時にセラミック繊維と共に焼結して一体化する
ようなものが、より好ましい。この点からも、これらの
充填剤の中で、多孔質でもある珪藻土は特に好適であ
り、2〜20μm、好ましくは4〜6μmの粒子径のも
のを使用することができる。なお、これらの充填材は、
摩擦材全体に対して、一般に、5〜50重量%、好まし
くは5〜30重量%の割合で使用される。
【0013】そして、セラミック繊維と有機質の繊維ま
たは粉体とを含む抄紙体は、通常の湿式摩擦材の製造の
場合と同様に、これらの材料を水中に分散し、長網式ま
たは円網式等の抄紙機で抄紙することによって形成され
る。そして、この抄紙された抄紙体を、乾燥した後、打
ち抜き等の手段によって所定の形状に形成する。次い
で、この抄紙体を、セラミック繊維の融点以下の温度で
焼成する。この焼成は一般に1000℃以上の温度でな
され、そしてこれによって、有機質の繊維または粉体は
熱分解して焼失し、またセラミック繊維は一体に焼結す
る。なお、充填材が使用される場合、その充填材は、抄
紙時に抄紙体に含まれるようにしても、あるいは、抄紙
体形成後に表面にコーティングしてもよい。
【0014】このようにして、セラミック繊維が焼結に
よって一体化した多孔質の湿式摩擦材を得ることができ
る。そして、得られた湿式摩擦材は、30〜50%の気
孔率を有することが好ましい。しかし、この範囲外の気
孔率であることも適宜可能である。そして、この湿式摩
擦材は、通常の湿式摩擦材と同様に、自動変速機のディ
スクプレート等の基板に接着して、油中で使用される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】本発明の実施例の湿式摩擦材を、以下に述
べる配合、製法により作製した。
【0017】平均繊維長1mm,繊維径2μmのセラミッ
ク繊維(アルミナ50重量%,シリカ50重量%)80
重量%に、平均繊維長0.8mm,繊維径12μmのアラ
ミド繊維20重量%を加え、マシンチェストで十分混合
した後、これを、定着剤としてPVAを含む水中に分散
させ、抄紙機で厚さ0.5mmのシート状に抄紙した。次
いで、このシート状抄紙体を乾燥した後、外径130m
m,内径100mmの中空円板状に打抜き、リング状の抄
紙体を形成した。そして、これを電気炉内に入れ、空気
雰囲気下で最終到達温度1300℃の焼成処理を行っ
た。この焼成処理により、アラミド繊維は完全に焼失
し、セラミック繊維が一体に焼結した無機質多孔体から
なる湿式摩擦材を得た。
【0018】次に、この得られた湿式摩擦材について、
これをディスクプレートからなる芯金に接着し、機械加
工により縁部分のバリ等を除去した後、以下に述べる試
験方法により、その性能評価を行った。
【0019】〈性能評価試験〉下記に示す条件で、SA
ENo. 2試験を50000サイクル実施した。
【0020】(試験条件) 枚数:3枚 回転数:5000rpm 荷重:8kg/cm2 慣性量:3.5kg・cm・sec 2 油量:1000ml 温度:100℃ 以上の試験を行った結果、本実施例の湿式摩擦材は50
000サイクル終了時点においても摩擦性能の経時的劣
化は認められず、試験後の摩耗量は、最大21μm,平
均16μmであった。
【0021】これに対して、パルプ繊維を繊維基材とす
る抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、加熱硬化した従来の
湿式摩擦材について、同じ条件で上記の試験を行った。
その結果、この従来の湿式摩擦材は、10000〜20
000サイクルで摩擦性能が劣化し、耐久限界に達し
た。そして、その耐久限界時の摩耗量は、80〜120
μmであった。
【0022】これにより、本発明の湿式摩擦材が、従来
のものに比べて格段の耐摩耗性、耐久性を有することが
確認された。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明の湿式摩擦材は、
セラミック繊維からなる繊維基材と、有機質の繊維また
は粉状体とを含む抄紙体を焼成し、有機質の繊維または
粉状体を焼失させると共に、セラミック繊維を一体に焼
結してなるものである。したがって、焼結されたセラミ
ック繊維からなるものであるため、その耐熱性は高く、
一般に500℃以上の温度に耐えることができる。その
ため、高負荷条件で使用されても、熱劣化することがな
く、優れた耐摩耗性と耐久性を有する。また、十分な気
孔率を有するため、摩擦表面に安定した油膜を形成する
ことができ、これによってジャダー現象の発生を軽減す
ることができる。更に、セラミック繊維の焼結体として
形成されたものであるために、強度が高く、また靭性を
有することにより耐衝撃性に優れる。そしてこれらによ
り、高負荷条件での使用が可能となり、自動変速機等に
おいて好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/14 530 D 9049−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック繊維からなる繊維基材と、有
    機質の繊維または粉状体とを含む抄紙体を焼成し、有機
    質の繊維または粉状体を焼失させると共に、セラミック
    繊維を一体に焼結してなることを特徴とする湿式摩擦
    材。
JP16235993A 1993-06-30 1993-06-30 湿式摩擦材 Pending JPH0719272A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16235993A JPH0719272A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 湿式摩擦材

Applications Claiming Priority (1)

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JP16235993A JPH0719272A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 湿式摩擦材

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JPH0719272A true JPH0719272A (ja) 1995-01-20

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ID=15753072

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JP16235993A Pending JPH0719272A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 湿式摩擦材

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT501730B1 (de) * 2002-10-14 2006-11-15 Miba Frictec Gmbh Reibbelag

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT501730B1 (de) * 2002-10-14 2006-11-15 Miba Frictec Gmbh Reibbelag

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