JPH07191231A - 光ファイバカプラケースとその製法 - Google Patents

光ファイバカプラケースとその製法

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JPH07191231A
JPH07191231A JP33380993A JP33380993A JPH07191231A JP H07191231 A JPH07191231 A JP H07191231A JP 33380993 A JP33380993 A JP 33380993A JP 33380993 A JP33380993 A JP 33380993A JP H07191231 A JPH07191231 A JP H07191231A
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JP
Japan
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case
optical fiber
fusion
fiber coupler
clad
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JP33380993A
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English (en)
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Fumio Suzuki
文生 鈴木
Ryozo Yamauchi
良三 山内
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバカプラ本体を収容したとき、温度
変化や衝撃・振動に耐性が高い光ファイバカプラケー
ス、おびその安価な製法を得る。 【構成】 光ファイバカプラ本体の融着延伸部5を収容
する融着延伸部収容部11が、融着延伸部の周囲に、ク
ラッド露出部の半径をrとするとき2rを越える距離の
間隙部を有し、かつクラッド固定部12が、クラッド露
出部4を包囲する壁面を有して、その相対する壁面間の
距離が、クラッド露出部の並列する方向に(4n−2)
rないし4nrの範囲内、これと直角の方向に2rない
し6rの範囲内(ただしnは光ファイバカプラの分岐本
数)の値に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバカプラケース
とその製法に関するものであり、特に温度変化に伴う光
学特性の変動が少なく、かつ衝撃・振動に対して保護性
能に優れた光ファイバカプラケース、おびその安価な製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】2本またはそれ以上の並列する光ファイ
バの一部の被覆を除去して互いに並列するクラッド露出
部を形成し、このクラッド露出部の中央部を互いに融着
延伸して融着延伸部を形成した融着延伸型の光ファイバ
カプラは、従来から光の分岐、合波などの目的で多用さ
れている。この光ファイバカプラは、特にその融着延伸
部が細く弱いので、これを外部の衝撃などから保護する
ため、筒状のガラス製、金属製または合成樹脂製などの
ケースに収容して用いられる。
【0003】従来のケース付き光ファイバカプラの一例
を図14に示す。図14において、2本の並列する光フ
ァイバ1、2は、それぞれ、一部分の被覆層が除去され
て互いに並列するクラッド露出部4が形成され、このク
ラッド露出部4の中央部が互いに融着延伸されて融着延
伸部5が形成されている。また、それぞれのクラッド露
出部4の両端部から延びる光ファイバの被覆された部分
は、クラッド露出部4との境界を基部3aとするポート
部3を形成する。そして、この融着延伸部5とクラッド
露出部4とポート部3とが、光ファイバカプラ本体を形
成している。この融着延伸部5とクラッド露出部4とポ
ート部の基部3aとは、融着延伸部5の長さ方向に沿っ
てケース6内に収容される。このケース6は、チューブ
を縦割にした形状のケース本体6aと蓋部6bとから構
成され、光ファイバカプラ本体は、ポート部基部3aを
ケース本体6aの壁面に密着させて、蓋部6bととも
に、ケースの両端部において接着剤7で封止されてい
る。この接着剤7は、融着延伸部5を覆わないように施
されているので、融着延伸部5は、ケース両端部の接着
剤7、7によって両側から懸垂されて収容された状態に
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にこの接
着剤7は合成樹脂製であるために、温度によって変形す
る。特に、光ファイバカプラ本体は、ケース本体6aの
壁面に沿って配設され、その中心軸がケースの中心軸か
ら偏心しているので、接着剤7の変形によってケース内
で不均一な応力を受け、その結果、光学特性が変動する
場合がある。すなわち、一般に、ポート部の半径lは
0.125mmであり、従来のケース6の内径は、その
10〜20倍とされているので、接着部における接着剤
層の厚みの偏りは著しく、接着剤7の温度変形が光ファ
イバカプラ本体に大きな応力を及ぼすことになる。ま
た、図14(b)に示すように、このケース付き光ファ
イバカプラに外部から振動や衝撃が加えられると、懸垂
されている融着延伸部5がケース本体6aの壁面からポ
ート部の半径である0.125mmしか隔てられていな
いので、振動により壁面8と衝突し、光学特性に著しい
影響を及ぼす。本発明は上記の問題を解決するためにな
されたものであり、したがっての目的は、温度変化に伴
う光学特性の変動が少なく、かつ融着延伸部の保護性能
に優れた光ファイバカプラケースと、その安価な製法と
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、n本の並
列する光ファイバから形成された融着延伸型の光ファイ
バカプラを、その融着延伸部の長さ方向に沿って収容す
るケースであって、融着延伸部を収容する融着延伸部収
容部と、その両側にそれぞれ、クラッド露出部を固定す
るクラッド固定部と、光ファイバの被覆された部分から
なるポート部の基部を支持するポート支持部とを有し、
この融着延伸部収容部は、融着延伸部の周囲に、クラッ
ド露出部の半径をrとするとき2rを越える距離の間隙
部を有するものであり、クラッド固定部は、クラッド露
出部を包囲する壁面を有して、その相対する壁面間の距
離が、クラッド露出部の並列する方向に(4n−2)r
ないし4nrの範囲内、これと直角の方向に2rないし
6rの範囲内の値に設定され、かつ、ポート支持部は、
並列する2本のポート部基部を収容し得る空隙部とこれ
らを支持し得る壁面とを有するものである光ファイバカ
プラケースを提供することによって解決できる。上記に
おいて、融着延伸部収容部およびポート支持部のいずれ
か一方または双方が、ケースの幅方向両側に、ケース壁
部を貫通する切欠部を有するものであることができる。
上記の光ファイバカプラケースは、基板に、上記の融着
延伸部収容部とクラッド固定部とポート支持部との組合
せからなる光ファイバカプラケースを1単位として、こ
の単位を2単位以上、基板に、切断部を隔てて並列させ
て形成し、次いでこの切断部を切断することによって製
造することができる。
【0006】
【作用】融着延伸部収容部は、融着延伸部の周囲に十分
な距離の間隙部を有するので、振動によって融着延伸部
が壁面に接触することがない。一方、クラッド固定部
は、クラッド露出部を包囲する各壁面が、クラッド露出
部に近接して特定の距離範囲内に設けられているので、
使用する接着剤層の厚みが薄く、接着剤の温度変形によ
る光学特性の変動が抑制される。
【0007】次に本発明を図面を用いて詳しく説明す
る。一般に、n本の並列する光ファイバの一部の被覆を
除去し、互いに並列するクラッド露出部を形成し、この
それぞれのクラッド露出部の中央部を互いに融着延伸し
て融着延伸部を形成した融着延伸型の光ファイバカプラ
をn×n型の光ファイバカプラと呼んでいる。この光フ
ァイバカプラにおいては、クラッド露出部の半径rは
0.0625mmであり、被覆の厚さも、rと等しく
0.0625mmになっている。本発明の光ファイバカ
プラケースは、被覆の厚さがクラッド露出部の半径rと
等しくされた光ファイバカプラの収容を前提とするもの
である。また、以後の説明においては光ファイバカプラ
ケースを単に「ケース」と称する。
【0008】図1は、2×2型の融着延伸型光ファイバ
カプラを収容した本発明のケースの一例を示している。
以下の説明において、図14を用いて説明した従来例の
構成要素と共通しているものは同一番号を付してその説
明を省略または簡略化する。図1において、ケース10
はケース本体10aと蓋部10bとから構成されてい
る。また、このケース10は、長さ方向に沿って融着延
伸部5を収容する融着延伸部収容部11と、その両側に
それぞれ、クラッド露出部4を固定するクラッド固定部
12と、ポート部の基部3aを支持するポート支持部1
3とを有し、これらの融着延伸部収容部11とクラッド
固定部12とポート支持部13とは、いずれもケース本
体10aと蓋部10bとで形成される空間である。
【0009】この融着延伸部収容部11は、図2に示す
ように、融着延伸部5の周囲に、2rを越える距離Lの
間隙部を有する。振動付加実験の結果、融着延伸部5の
周囲に2rを越える距離の空間が保持されていれば、外
部からの衝撃を受けても、融着延伸部5が壁面に接触す
ることはないことがわかった。
【0010】クラッド固定部12は、図3に示すよう
に、クラッド露出部4を包囲する壁面15、15、1
6、16を有していて、その相対する壁面間の距離は、
クラッド露出部4の並列する方向の壁面15、15間の
距離Mが(4n−2)rないし4nrの範囲内、これと
直角の方向の壁面16、16間の距離Nが2rないし6
rの範囲内の値に設定される。すなわち、収容する光フ
ァイバカプラが2×2型である場合は、クラッド露出部
の並列する方向の距離Mは6rないし8rの範囲内であ
り、これと直角の方向の距離Nは光ファイバの並列本数
nと無関係に2rないし6rの範囲内である。距離Mお
よびNは、これらの値未満であると、配設されたクラッ
ド露出部に圧力を及ぼすことになり、クラッド露出部に
損傷を与え、または光学特性を損なう。また、距離Mと
Nとの最大値は、いずれも実験によって決定された値で
ある。すなわち、光ファイバカプラ本体をケースに挿入
し、温度変化を与えたとき、挿入損失の温度変化が0.
1dB以下に抑さえられるような最大の壁面間距離であ
る。
【0011】ポート支持部13は、図4に示すように、
並列する2本のポート部基部3a、3aを収容し得る大
きさの空隙部と、これらポート部基部3a、3aを支持
し得る壁面17、17、18、18とを有する。2本の
ポート部基部3a、3aは、実際には密着して並列され
ているので、この壁面間の距離の下限は、ポート部基部
3a、3aの並列方向の壁面17、17間の距離Pが4
nr、すなわち2×2型光ファイバカプラでは8rとな
り、これと直角方向の壁面18、18間の距離Qは、光
ファイバの並列本数nと無関係に4rとなる。これら値
未満では、ポート部基部3aを圧迫して損傷を与える可
能性がある。
【0012】本発明のケースは、次の方法で光ファイバ
カプラ本体を収容することができる。図5(a)(b)
に示すように、ケース本体10aの双方のクラッド固定
部12、12およびポート支持部13、13の壁面に適
量の接着剤7を施し、光ファイバカプラ本体の双方のク
ラッド露出部4、4をそれぞれのクラッド固定部12、
12に、また双方のポート部基部3a、3aをそれぞれ
のポート支持部13、13に挿入し固定する。このと
き、接着剤7がはみ出して融着延伸部5を被覆しないよ
うに接着剤の量およびその塗布位置を調節する。次に、
このケース本体10aに蓋部10bをかぶせ、接着剤で
固定する。
【0013】得られたケース付き光ファイバカプラは、
ケース10の両端部からそれぞれ2本のポート部3が導
出され、クラッド露出部4が薄い接着剤層を介してクラ
ッド固定部12に固定され、融着延伸部5は、十分な間
隙部を有する融着延伸部収容部11内に懸垂されている
ので、温度変化や振動などによる障害が抑制される。
【0014】この光ファイバカプラケース10は、ケー
ス本体10a、蓋部10bとも、ガラス、金属、高剛性
合成樹脂、またはガラスエポキシ樹脂などの複合材で形
成することができる。これらを合成樹脂またはその複合
材で形成する場合は、常法により射出成型、圧縮成型、
注型などにより製造することができる。また、ガラス、
金属などで製造する場合は、対応する基板から切削、エ
ッチングなどにより製造することができる。
【0015】このケース10をガラスなどの基板から切
削によって製造する場合には、融着延伸部収容部11と
クラッド固定部12とポート支持部13との組合せから
なるケース10を1単位として、この単位を2単位以
上、基板に、切断部を隔てて並列させて形成し、次いで
この切断部を切断することによって製造することができ
る。この場合、ケース10は、ケース本体10aと蓋部
10bとをそれぞれの基板から切削して製造する。
【0016】例えば、ケース本体10aは、図6に示す
ように、長方形の基板20に、融着延伸部収容部11と
クラッド固定部12とポート支持部13との組合せから
なるケース本体単位A1、A2、A3、…、を、切断部
21を隔てて並列させて切削形成し、次いでこの切断部
21を切断して形成することができる。一方、蓋部10
bは、図7に示すように、長方形の基板22の対応する
位置に融着延伸部収容部11に相当する溝部を形成した
蓋部単位B1、B2、B3、…、を、切断部21で切断
して形成することができる。この場合、蓋部10bのク
ラッド固定部12およびポート支持部13は基板22の
面と同一レベルとなるので切削形成する必要がない。
【0017】本発明のケースにおいて、融着延伸部収容
部11の間隙部の距離Lに上限はないので、図8に示す
ように、融着延伸部収容部11が、ケース10の幅方向
両側に、ケース壁部を貫通する切欠14を有するもので
あってもよい。この切欠14は、光ファイバカプラの特
性に効果をもたらすものではないが、以下に説明するよ
うに、ケース製造上の利点を有する。
【0018】また、ポート支持部13の相対する壁面の
壁面間距離P、Qにも上限はないので、図9に示すよう
に、ポート支持部13が、ケース10の幅方向両側に、
ケース壁部を貫通する切欠19を有するものであっても
よい。この切欠19は、光ファイバカプラの特性に効果
を及ぼすものではないが、以下に説明するように、ケー
ス製造上の利点を有する。
【0019】上記の、融着延伸部収容部11およびポー
ト支持部13のいずれか一方または双方が、ケースの幅
方向両側にケース壁部を貫通する切欠を有するものは、
次の方法で製造することができる。図10および図11
は、融着延伸部収容部11およびポート支持部13の双
方が幅方向両側に切欠を有するケースの、それぞれケー
ス本体10aおよび蓋部10bの製造例を示すものであ
るが、これらのいずれか一方が切欠を有するものも同様
にして製造することができる。
【0020】このケース本体10aは、次の方法で製造
できる。図10に示すように、長方形の基板23の幅方
向中央部に、長手方向に延びる溝11を切削形成し、さ
らにこの幅方向両端部に、長手方向に延びる溝13をそ
れぞれ切削形成する。溝11は、融着延伸部収容部11
の長さに対応する幅と対応する深さとを有するように切
削し、溝13はポート支持部13の長さに対応する幅と
対応する深さとを有するように切削する。次に、この中
央部の溝11と両端部の溝13、13との間の非切削部
に、クラッド固定部12に対応する寸法形状の溝12、
12からなる組をケース本体単位Cとして形成し、これ
を切断部21を隔てて並列させてケース本体単位C1、
C2、C3、…、とし、次いでこの切断部を切断して、
この例のケース本体10aとする。一方、蓋部10b
は、図11に示すように、長方形の基板24の幅方向中
央部に、融着延伸部収容部11の長さに対応する幅と対
応する深さとを有する溝11を形成し、このケースの幅
に対応する間隔で設けた切断部21で切断して形成す
る。
【0021】融着延伸部収容部11およびポート支持部
13のいずれか一方または双方の幅方向両側に切欠を有
するケースは、上記のように、基板に一連の溝11およ
び/または溝13を形成して製造することができるの
で、ケースを大量に製造する場合には有利である。この
観点から、融着延伸部収容部11とポート支持部13と
の双方に切欠を有するものが好ましい。
【0022】(試験例)融着延伸部収容部11における
間隙部距離L、およびクラッド固定部12における壁面
間距離M、Nと光ファイバカプラの光学特性との関係を
試験した。 (挿入損失の温度変化)クラッド固定部12の壁面間距
離M、Nを種々に変化させたときの2×2型光ファイバ
カプラの挿入損失の温度変化を測定した。図1に示す形
状のケースで、図3に示したクラッド固定部12の壁面
間距離MおよびNが種々に異なるものを作製し、それぞ
れに光ファイバカプラ本体を収容し、接着剤で固定して
ケース入り光ファイバカプラの試料とした。
【0023】試験は、環境試験機に試料を設置し、光フ
ァイバカプラの一端部から導出された2本のポート部を
ポート1、ポート2とし、それぞれ対応して他端部から
導出される2本のポート部をポート3、ポート4とし
て、ポート1を光源に接続し、ポート3に光パワーメー
タを接続して、下記の1サイクル8時間のヒートサイク
ルを12サイクル与えて、光パワーメータに表れる挿入
損失の変化(dB)を測定した。 20℃保持(1時間) 85℃へ昇温(1時間) 85℃保持(1時間) 20℃へ降温(1時間) 20℃保持(1時間) −40℃へ降温(1時間) −40℃保持(1時間) 20℃へ昇温(1時間)
【0024】まず、Mを6rに固定し、Nを2r以上で
種々に変えた試料について測定結果を図12(a)に示
す。次に、Nを2rに固定し、Mを6r以上で種々に変
えた試料について測定結果を図12(b)に示す。この
結果から、挿入損失の温度変化を0.1dB以内に抑え
るためには、Mが6rないし8rの範囲内、Nが2rな
いし6rの範囲内にあることが必要であることがわか
る。
【0025】(耐振動性試験)融着延伸部収容部11に
おける、融着延伸部5の周囲の間隙部の距離Lと耐振動
性との関係を試験した。試料1として、図1に示す形状
のケースで、融着延伸部5の周囲の間隙部の最短距離L
0が0.45mm(7.2r)であるものを作製し、こ
れに光ファイバカプラ本体を収容した。試料2として
は、図14に示す従来タイプのケース入り光ファイバカ
プラを用いた。この従来タイプのものにおいては、融着
延伸部5の周囲の間隙部の最短距離L0は0.125m
m(2r)であった。試験は、各試料を振動試験機に設
置し、周波数100ないし4000Hz、振動加速度5
Gを与え、ポート1にLED光源を接続し、ポート3の
出力をO/E変換して挿入損失変化(dB)をレコーダ
に記録させて行った。結果を図13に示す。この結果か
ら、L0が2rを越える本発明のケースが、振動による
挿入損失変化を有効に抑制していることは明かである。
【0026】このケース付き光ファイバカプラは、温度
の急激な変化や湿度や衝撃などに対する保護性を一層向
上させるために、必要なら、他の金属ケースまたはプラ
スチックケースに収納することもできる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 (実施例1)図1に示した形状の光ファイバカプラケー
スを、ガラスブロックから切削により製造した。このケ
ースは、2×2型光ファイバカプラ本体を収容するため
のものであって、ケース本体10aと蓋部10bとから
構成されている。ケース本体10aの外寸法は、長さ6
0mm、幅1.5mm、厚み0.9mmであり、蓋部1
0bの寸法は長さ60mm、幅1.5mm、厚み0.6
mmであった。ケース本体10aに切削形成された融着
延伸部収容部11、各クラッド固定部12、および各ポ
ート支持部13のそれぞれの寸法(mm)は以下の通り
であった。各部寸法の主要な部分には、光ファイバのク
ラッド露出部の半径r(r=0.0625mm)に対す
る倍率を括弧内に併記した。
【0028】融着延伸部収容部11:長さ40×幅0.
6(9.6r)×深さ0.6(9.6r) クラッド固定部12:長さ5×幅0.5(8r)×深さ
0.25(4r) ポート支持部13:長さ5×幅0.6(9.6r)×深
さ0.3(4.8r) 蓋部10bに切削形成された融着延伸部収容部11の寸
法(mm)は以下の通りであった。 長さ40×幅0.6(9.6r)×深さ0.3(4.8
r)
【0029】実施例1のケースに光ファイバカプラ本体
を収容するとき、融着延伸部5の周囲の最短壁間距離L
0は約0.45mm(7.2r)であった。このケース
入り光ファイバカプラは、前記の方法で試験するとき、
温度変化および振動に対して良好な耐性を示した。
【0030】(実施例2)このケースは、融着延伸部収
容部11の形状、寸法を除いて実施例1のものと同様で
ある。この融着延伸部収容部11は、長さおよび深さは
実施例1のものと同様であるが、ケースの幅方向両側
が、図8に示したように、ケース壁部を貫通する切欠1
4になっている。実施例2のケースに光ファイバカプラ
本体を収容するとき、融着延伸部5の周囲の最短壁間距
離L0は約0.45mm(7.2r)であった。このケ
ース入り光ファイバカプラは、前記の方法で試験すると
き、温度変化および振動に対して良好な耐性を示した。
【0031】(実施例3)このケースは、ポート支持部
13の形状、寸法を除いて実施例2のものと同様であ
る。このポート支持部13は、長さおよび深さは実施例
1のものと同様であるが、幅方向が、図9に示したよう
に、ケース壁部を貫通する切欠19になっている。実施
例3のケースに光ファイバカプラ本体を収容し、ケース
入り光ファイバカプラとして前記の方法で試験すると
き、温度変化および振動に対して良好な耐性を示した。
【0032】(実施例4)以下のようにして実施例3の
ケースを製造した。 (ケース本体10a):図10に示すように、幅60m
m、厚み0.9mmの長方形のガラス基板23の幅方向
中央部に、基板の長手方向に延びる幅40mm、深さ
0.6mmの溝11を切削形成し、さらにこの幅方向両
端部に、長手方向に延びる幅5mm、深さ0.3mmの
溝13をそれぞれ切削形成した。次に、この中央部の溝
11と両端部の溝13との間の非切削部に、基板23の
幅方向直線上に、幅0.5mm,深さ0.25mmの溝
12を切削形成してケース単位Cとした。このケース単
位Cを、基板の長手方向に1.5mm間隔で形成して1
枚の基板23上にケース単位C1、C2、C3…を形成
した。次いで、このケース単位の間隔の中央部を切断部
21としてここで各ケース単位C1、C2、C3…を切
断し、それぞれのケース本体10aを製造した。 (蓋部10b):図11に示すように、幅60mm、厚
み0.6mmの長方形のガラス基板24の幅方向中央部
に、基板の長手方向に延びる幅40mm、深さ0.3m
mの溝11を切削形成し、これを基板24の長手方向に
1.5mm間隔で切断して、それぞれ蓋部10bを製造
した。この方法により、実施例3の光ファイバカプラケ
ースが、きわめて容易に、しかも大量に生産できるよう
になった。
【0033】
【発明の効果】本発明の光ファイバカプラケースは、融
着延伸部収容部が、融着延伸部の周囲に2rを越える距
離の間隙部を有するものであるから、これを用いた光フ
ァイバカプラは、衝撃や振動を受けても融着延伸部がケ
ースの壁面に接触せず、耐衝撃性・耐振動性が高いもの
となる。また、本発明の光ファイバカプラケースは、ク
ラッド固定部がクラッド露出部を包囲する壁面を有し
て、その相対する壁面間の距離が、クラッド露出部の並
列する方向に(4n−2)rないし4nrの範囲内、こ
れと直角の方向に2rないし6rの範囲内の値に設定さ
れているので、これを用いた光ファイバカプラは、接着
剤の温度変形に起因する挿入損失の温度変化が抑えら
れ、温度変化に対する安定性が高くなる。本発明の光フ
ァイバカプラケースを製造するに際して、基板にケース
単位を2単位以上、切断部を隔てて並列させて形成し、
次いでこの切断部を切断する方法を用いれば、光ファイ
バカプラケースを容易にかつ大量に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバカプラケースの一例とそ
の実施態様とを示す蓋部を除いた平面図(a)、図1
(a)の線X−Xで切った蓋部を含む縦断面図(b)、
および長さ方向から見た側面図(c)。
【図2】 図1のケースの融着延伸部収容部における横
断面図。
【図3】 図1のケースのクラッド固定部における横断
面図。
【図4】 図1のケースのポート支持部における横断面
図。
【図5】 図1のケースに光ファイバカプラ本体を収容
した状態を示す蓋部を除いた平面図(a)、蓋部を含む
縦断面図(b)。
【図6】 図1のケースのケース本体を製造する製造工
程の一例を示す平面図と基板長手方向の側面図。
【図7】 図1のケースの蓋部を製造する製造工程の一
例を示す平面図と基板長手方向の側面図。
【図8】 本発明の光ファイバカプラケースの他の一例
の融着延伸部収容部の横断面図。
【図9】 本発明の光ファイバカプラケースの他の一例
の、ポート支持部の横断面図。
【図10】 本発明の光ファイバカプラケースのケース
本体の製造工程の他の一例を示す平面図と基板長手方向
の側面図。
【図11】 本発明の光ファイバカプラケースの蓋部の
製造工程の他の一例を示す平面図と基板長手方向の側面
図。
【図12】 ケース付き光ファイバカプラの挿入損失の
温度変化を示すグラフ。
【図13】 ケース付き光ファイバカプラの耐振動性を
示すグラフ。
【図14】 従来のケース付き光ファイバカプラを示す
長手方向に沿う横断面図(a)、長手方向に沿う縦断面
図(b)、および長手方向から見た側面図(c)。
【符号の説明】
3…ポート部、3a…ポート部基部、4…クラッド露出
部、5…融着延伸部、10…ケース、10a…ケース本
体、10b…蓋部、11…融着延伸部収容部、12…ク
ラッド固定部、13…ポート収容部、14,19…切
欠。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n本の並列する光ファイバの一部の被覆
    を除去し、互いに並列するクラッド露出部を形成し、こ
    のそれぞれのクラッド露出部の中央部を互いに融着延伸
    して融着延伸部を形成した融着延伸型の光ファイバカプ
    ラを収容するケースであって、 融着延伸部を収容する融着延伸部収容部と、その両側に
    それぞれ、クラッド露出部を固定するクラッド固定部
    と、光ファイバの被覆された部分からなるポート部の基
    部を支持するポート支持部とを有し、 この融着延伸部収容部は、融着延伸部の周囲に、クラッ
    ド露出部の半径をrとするとき2rを越える距離の間隙
    部を有するものであり、 クラッド固定部は、クラッド露出部を包囲する壁面を有
    して、その相対する壁面間の距離が、クラッド露出部の
    並列する方向に(4n−2)rないし4nrの範囲内、
    これと直角の方向に2rないし6rの範囲内の値に設定
    され、 かつ、ポート支持部は、並列する2本のポート部基部を
    収容し得る空隙部とこれらを支持し得る壁面とを有する
    ものである光ファイバカプラケース。
  2. 【請求項2】 上記の融着延伸部収容部およびポート支
    持部のいずれか一方または双方が、ケースの幅方向両側
    に、ケース壁部を貫通する切欠部を有するものである請
    求項1記載の光ファイバカプラケース。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の融着延伸部収容
    部とクラッド固定部とポート支持部との組合せからなる
    光ファイバカプラケースを1単位として、この単位を2
    単位以上、基板に、切断部を隔てて並列させて形成し、
    次いでこの切断部を切断することを特徴とする光ファイ
    バカプラケースの製法。
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