JPH07191010A - ガスクロマトグラフにおけるデータ解析装置および方法 - Google Patents

ガスクロマトグラフにおけるデータ解析装置および方法

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JPH07191010A
JPH07191010A JP34597393A JP34597393A JPH07191010A JP H07191010 A JPH07191010 A JP H07191010A JP 34597393 A JP34597393 A JP 34597393A JP 34597393 A JP34597393 A JP 34597393A JP H07191010 A JPH07191010 A JP H07191010A
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JP
Japan
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peak
evaluation value
peaks
cumulative evaluation
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Application number
JP34597393A
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English (en)
Inventor
Hirayuki Satou
平行 佐藤
Fumikiyo Sekine
史磨 関根
Takahiro Kashiwa
隆裕 柏
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスクロマトグラムにおいて,標準試料のピ
ークと分析対象試料のピークとを自動的に関連(「対
応」,「無視」,「重なり」および「逆転」)づける。 【構成】 標準試料のピーク濃度データと分析対象試料
のピーク濃度データとのすべての組合せまたはピーク間
遷移について,それらの出現順序にしたがって,ピーク
間または遷移の関連性を数値で表わす累積評価値fi,j
を算出するとともに,累積評価値を生じさせるパスg
i,j を決定する。そして最小の累積評価値を生じさせる
パスにしたがって,標準試料におけるピークと分析対象
試料におけるピークとを相互に関連づける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,ガスクロマトグラフにおいて
得られるガスクロマトグラムの示すピーク濃度に対応す
る成分を解析するために,分析対象試料のガスクロマト
グラムのピークを標準試料のガスクロマトグラムのピー
クに関連づけるデータ解析装置および方法に関する。
【0002】
【背景技術】吸着剤(または吸収剤)を充填したカラム
(分離管)中にキャリヤーガスを流しておき,かつ複数
の成分を含むガス状試料を注入すると,試料の各成分は
吸着剤(または吸収剤)との親和力(吸着性または吸収
性)の差に応じて,カラム内を移動する速度に差が生じ
る。したがって,カラムの出口では試料成分は親和力の
小さい順に分離する。これがガスクロマトグラフィの原
理である。
【0003】カラムの出口において,分離された各成分
の濃度を,時間を軸にして測定することによりガスクロ
マトグラムが得られる。ガスクロマトグラムにおける各
ピークは各成分に対応する。各ピークの時間軸上の位置
は各成分特有の値(保持時間:試料注入から成分溶出ま
での時間)に依存するので,分析条件(キャリヤーガス
の流速,流量,カラムの状態)が同一であれば常に同じ
になる。これによって定性分析が可能となる。また,ガ
スクロマトグラムのピークの面積は各成分の濃度に比例
するので,その面積を測定することにより各成分の濃度
が分る。すなわち,定量分析が可能となる。
【0004】定性分析においては,ガスクロマトグラム
の各ピークに対応する成分(物質)を同定する作業が必
要である。従来から行なわれている成分同定の手法の一
つに,既知の物質を試料中に混入しておくものがある。
ガスクロマトグラムにおいて既知の物質のピークが分れ
ば,その前後にあるピークに対応する成分を類推するこ
ともできるし,判定することも可能となる。
【0005】すべてまたは殆どすべての成分が既に分っ
ている標準的な試料を使う場合もある。標準試料につい
てのガスクロマトグラムと分析対象試料についてのガス
クロマトグラムとを対比し,それらのピークを対応づけ
ていくことにより,分析対象試料の成分を同定すること
ができる。ここで標準試料とは分析のために特別に調整
したものに限られない。分析対象試料と同じもの,同じ
ものと考えられるもの,似ていると思われるものであっ
て,過去の分析においてその成分が判明したものも当然
に含まれる。
【0006】標準試料についてのガスクロマトグラムと
分析対象試料についてのガスクロマトグラムとを対比す
るこの手法は,分析条件が同じである,ということを前
提としている。しかしながら実際はカラムの状態は劣化
などにより変化するし,キャリヤーガスの流量等も全く
同じに設定できない場合が多い。試料に含まれる成分の
種類がきわめて多い場合にはガスクロマトグラムにはき
わめて多くのピークが現われる。これらのピークを逐一
照合する作業は多大な労力を必要とする。2つの異なる
成分が分離されずに,別個に現われるべきピークが重な
る場合,2つの異なる成分の位置が入れ替る場合,微量
の異物が混入しているために現われる筈のない小さなピ
ークが出現する場合等,予想できない現象もあるので,
この作業は一層煩雑となる。
【0007】
【発明の概要】この発明は,標準試料のガスクロマトグ
ラムと分析対象試料のガスクロマトグラムにおけるピー
クを自動的に照合できるデータ解析装置および方法を提
供することを目的とする。
【0008】この発明はまた,上記データ解析装置およ
び方法において,2つのピークが重なった場合,2つの
ピークの位置が入れ替った場合,予想したピークが現わ
れない場合,予想しないピークが現われた場合等にも対
処できるようにするものである。
【0009】この発明によるガスクロマトグラフにおけ
るデータ解析装置は,標準試料についてピーク濃度デー
タをその出現の順序に記憶する標準ピーク濃度データ記
憶手段,ガスクロマトグラフから得られる分析対象試料
についての濃度データからピーク濃度を検出するピーク
濃度検出手段,上記ピーク濃度検出手段によって検出さ
れた分析対象試料についてのピーク濃度データをその出
現の順序に記憶する分析対象ピーク濃度データ記憶手
段,上記標準ピーク濃度データ記憶手段に記憶されてい
るピーク濃度データと上記分析対象ピーク濃度データ記
憶手段に記憶されているピーク濃度データとのすべての
組合せまたはピーク間遷移について,上記出現順序にし
たがって,ピーク間または遷移の関連性を数値で表わす
累積評価値を算出するとともに,累積評価値を生じさせ
るパスを決定する手段,および最小の累積評価値を生じ
させるパスにしたがって,標準試料におけるピークと分
析対象試料におけるピークとを相互に関連づける手段を
備えている。
【0010】この発明によるガスクロマトグラフにおけ
るデータ解析方法は,標準試料についてピーク濃度デー
タを,その出現の順序に,標準ピーク濃度データ記憶手
段にあらかじめ記憶しておき,ガスクロマトグラフから
得られる分析対象試料についての濃度データからピーク
濃度を検出し,検出した分析対象試料についてのピーク
濃度データを,その出現の順序に,分析対象ピーク濃度
データ記憶手段に記憶し,上記標準ピーク濃度データ記
憶手段に記憶されているピーク濃度データと上記分析対
象ピーク濃度データ記憶手段に記憶したピーク濃度デー
タとのすべての組合せまたはピーク間遷移について,上
記出現順序にしたがって,ピーク間または遷移の関連性
を数値で表わす累積評価値を算出するとともに,累積評
価値を生じさせるパスを決定し,最小の累積評価値を生
じさせるパスにしたがって,標準試料におけるピークと
分析対象試料におけるピークとを相互に関連づけるもの
である。
【0011】この発明の好ましい実施態様においては,
関連づけには,標準試料のピークと分析対象試料のピー
クとを「対応」づけるもの,いずれか一方の試料のピー
クを「無視」するもの,一方の試料の隣接する2つのピ
ークと他方の試料の1つのピークとを対応づける「重な
り」,一方の試料の隣接する2つのピークと他方の試料
の隣接する2つのピークとをその順序を入れ替えて対応
づける「逆転」がある。
【0012】「対応」は,一実施態様では2つのピーク
間距離に特徴づけることができる。「無視」は,「対
応」でないことを担保するための定数を考慮することに
より特徴づけることができる。「重なり」や「逆転」も
ピーク間距離によって特徴づけられるが,好ましくは,
「重なり」や「逆転」であって「対応」でないことを担
保とするための定数が考慮される。
【0013】いずれにしても,累積評価値はこれらを特
徴づける量に,前に出現したピーク値の組合せにおける
累積評価値を加算することにより求めることができる。
【0014】好ましい実施態様では,累積評価値を,対
応の関係についての第1の累積評価値および無視の関係
についての第2の累積評価値のいずれか小さい値によっ
て決定する。
【0015】他の実施態様においては,累積評価値を,
対応関係についての第1の累積評価値,無視の関係につ
いての第2の累積評価値,ならびに重なりの関係および
逆転の関係の少なくともいずれか一方に関する第3の累
積評価値のうちの最も小さい値によって決定する。
【0016】このようにして,この発明によると,分析
対象試料のガスクロマトグラムにおける各ピークを標準
試料におけるガスクロマトグラムにおけるピークに自動
的に対応づける(関連づける)ことができる。しかも,
この関連づけには,「対応」に加えて,「無視」,「重
なり」,「逆転」等を含ませることが可能となる。
【0017】この発明はまた,時間または空間を表わす
軸に沿って複数のピークが出現する第1および第2の2
つの物理量について,それらのピークを相互に関連づけ
るピーク照合装置を提供している。
【0018】この照合装置は,第1の物理量についてピ
ーク値データをその出現の順序に記憶する第1の記憶手
段,第2の物理量についてのピーク値データをその出現
の順序に記憶する第2の記憶手段,上記第1の記憶手段
に記憶されているピーク値データと上記第2の記憶手段
に記憶されているピーク値データとのすべての組合せま
たはピーク間遷移について,上記出現順序にしたがっ
て,ピーク間または遷移の関連性を数値で表わす累積評
価値を算出するとともに,累積評価値を生じさせるパス
を決定する手段,および最小の累積評価値を生じさせる
パスにしたがって,第1の物理量におけるピークと第2
の物理量におけるピークとを相互に関連づける手段を備
えている。
【0019】この発明による時間または空間を表わす軸
に沿って複数のピークが出現する第1および第2の2つ
の物理量について,それらのピークを相互に関連づける
方法は,第1の物理量についてピーク値データを,その
出現の順序に,第1の記憶手段に記憶し,第2の物理量
についてのピーク値データを,その出現の順序に,第2
の記憶手段に記憶し,上記第1の記憶手段に記憶されて
いるピーク値データと上記第2の記憶手段に記憶されて
いるピーク値データとのすべての組合せまたはピーク間
遷移について,上記出現順序にしたがって,ピーク間ま
たは遷移の関連性を数値で表わす累積評価値を算出する
とともに,累積評価値を生じさせるパスを決定し,最小
の累積評価値を生じさせるパスにしたがって,第1の物
理量におけるピークと第2の物理量におけるピークとを
相互に関連づけるものである。
【0020】これによって,一般的に,任意の物理量に
おけるピーク照合が可能となる。
【0021】
【実施例】図1は,ガスクロマトグラフおよびデータ解
析装置の全体的構成の一例を示している。
【0022】恒温槽16内には吸着剤(または吸引剤)が
充填されたカラム(分離管)15およびセンサ13,14が設
けられている。キャリヤーガス容器10のガス出口に接続
されたガス管21は恒温槽16内に導かれ,カラム15の入口
に接続されている。カラム15の出口からガス管22が恒温
槽16の外に延びている。ガス管21には流量調節器11およ
び圧力計12が設けられ,ガス管22には流量計19が設けら
れている。
【0023】キャリヤーガスは容器10からガス管21,カ
ラム15およびガス管22を通って流れ,外部に放出され
る。キャリヤーガスの流量は,オペレータが流量計19を
目視しながら流量調節器11を操作することによって,常
に一定になるように調節される。
【0024】分析対象である少量の多成分試料は,注射
器などを用いて試料注入口18から注入される。試料は気
化器17においてガス化され,キャリヤーガスによってカ
ラム15内に送られていく。カラム15中の吸着剤との親和
力の差により試料の各成分の移動速度に差異が生じ,親
和力の小さい成分から順にカラム15から出てガス管22に
流れていく。
【0025】対照側センサ13は試料注入口18よりも上流
側においてガス管21に,試料側センサ14はカラム15の出
口側においてガス管22にそれぞれ設けられている。これ
らのセンサ13,14はたとえば熱伝導度セルであり,2つ
の抵抗としてホイーストンブリッジ回路20の一部を構成
するように接続されている。この回路20には増幅器が含
まれており,増幅された不平衡電位差はA/D変換器35
によってディジタル・データに変換されてデータ解析装
置30に与えられる。
【0026】データ解析装置30はコンピュータ・システ
ム(たとえば,いわゆるパーソナル・コンピュータ)に
よって構成される。コンピュータ31には,出力装置とし
ての表示装置32,入力装置としてのキーボード33および
記憶装置34が接続されている。出力装置としてプリンタ
を用いることもできるし,入力装置にはマウスの併用も
可能である。記憶装置34はハードディスクまたはフレキ
シブルディスクによって実現されよう。もちろん記憶装
置34としてコンピュータ31の内部メモリ(半導体メモ
リ)を用いることもできる。データ分析装置30の構成お
よび動作の詳細については後述する。
【0027】図2は標準試料について得られたクロマト
グラムと分析対象試料について得られたクロマトグラム
とを対比して示すものである。煩雑さを避けるためにピ
ークの数を極端に減らして単純化して表わしている。面
積強度(%)は増幅器20またはA/D変換器35の出力で
ある。時間は試料注入時点から計時した時間を表わす。
標準試料のクロマトグラムにおいて各ピークに対応する
成分(物質)は,すべてまたは殆ど分っている。上述し
たように標準試料のクロマトグラムとして過去の分析結
果を用いることができる。
【0028】標準試料のクロマトグラムには8つのピー
クがあり,これらに説明の便宜上,時間の順序にしたが
ってa1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 ,a6 ,a7 および
8の符号を付けておく。分析対象試料のクロマトグラ
ムにおける8つのピークにも,時間の順序にしたがって
1 ,b2 ,b3 ,b4 ,b5 ,b6 ,b7 およびb8
の符号を割当てておく。標準試料のピークの数と分析対
象試料のピークの数とは等しいとは限らない。一般的に
は異なる場合が多いであろう。
【0029】標準試料の成分と分析対象試料の成分が全
く同じであって,かつ分析条件が全く同じであれば,こ
れら2つのクロマトグラムは全く同じになり,時間軸上
の全く同じ位置に全く同じ大きさのピークが現われる。
しかしながら,分析条件が全く同じであるということは
実際上はあり得ない。また標準試料の成分と分析対象試
料の成分とが一部において異なる場合もある。したがっ
て現実的には,2つのクロマトグラムにおいて,相互に
対応するピークが時間軸上で少しずれて現われることも
あるし,一方のクロマトグラムにのみ特定のピークが現
われることもあるし,時間軸上で隣接する2つのピーク
が前後に入れ替わることもある。
【0030】データ解析装置30は標準試料のピークa1
〜a8 と分析対象試料のピークb1〜b8 とを相互に対
応づけるものである。すなわち,分析対象試料のピーク
1〜b8 を,標準試料のピークa1 〜a8 の中で,そ
れらと同じ成分に起因するものに対応づける(より正確
には,後述するように関係づける)ものである。これを
ピーク照合という。
【0031】ガスクロマトグラフィの性質から次の原則
が導き出される。
【0032】(1) 標準試料と分析対象試料とが類似して
いる場合には,同一成分に起因するピークの高さ(面積
強度)はほぼ等しい。ピークの高さ情報に基づいてピー
ク照合が可能であることを意味する。すなわち,標準試
料におけるピークの高さをai ,分析対象試料における
ピークの高さをbj とし,ピーク間距離をd(ai ,b
j )としたとき,
【数1】Σd(ai ,bj ) ‥式(1) が最小になるように,標準試料のピークと分析対象試料
のピークとを対応づけていけばよい。
【0033】ピーク間距離の定義は種々と考えられる
が,この実施例では次のように定義する。
【0034】
【数2】 d(ai ,bj )=| log10(ai /bi )| ‥式(2)
【0035】ai =bj のときに距離d(ai ,bj
は0となり,最小値をとる。
【0036】なお,ai ,bj は,時と場合により,ピ
ークを指し示す符号として用いられたり,ピーク高さ
(面積強度)を表わす符号として用いられたりするが,
どちらであるかは文脈から明らかとなろう。
【0037】(2) 各成分のピークは決まった順序で現わ
れる。標準試料のガスクロマトグラムと分析対象試料の
ガスクロマトグラムとを,それらの時間軸が図2に示す
ように平行になるように配置したときに,ほぼ同一時点
に対応するピークが存在することを意味する。
【0038】標準試料におけるピークai に対応する点
と分析対象試料におけるピークbjに対応する点とを,
一定間隔で,図4に示すように直交する2つの軸上に配
置し,これらの点の関係をその交点で表現するモデルを
考えたとき(図4参照),相互に対応するピークを表わ
す交点は斜め方向に結ばれることになる(後述する「パ
ス」)。
【0039】発明者らが詳細に検討した結果,クロマト
グラムには次のような現象も生起することが分った。
【0040】(3) 標準試料または分析対象試料のいずれ
か一方にのみ存在する成分(異物も含む)については,
一方の試料のクロマトグラムにのみその成分を表わすピ
ークが現われ,他方の試料のクロマトグラムには対応す
るピークは存在しない。
【0041】このような場合には,上記のモデルにおい
て交点は斜め方向ではなく,一方の軸方向に進む(後述
する「パス」)。
【0042】(4) 標準試料または分析対象試料のいずれ
か一方のクロマトグラムにおいて隣接する2つのピーク
が,他方のクロマトグラムにおいて重なり,1つのピー
クとして現われることがある。
【0043】このような場合には,重なって現われる1
つのピークの高さは,対応する2つのピークの高さの和
にほぼ等しくなる。クロマトグラフィにおいてはピーク
の高さは成分の濃度を表わしているので,このような加
算が成立つ。
【0044】(5) 標準試料のクロマトグラムにおける2
つのピークの出現時間順序が,分析対象試料のクロマト
グラムにおける対応する2つのピークにおいて逆の出現
時間順序となることがある。これは上記(2) の原則の例
外である。上述した原則,特異な現象または例外を具体
的にみてみよう。図3は,図2に示すガスクロマトグラ
ムのピーク照合結果を示すものである。
【0045】標準試料のピークa1 (面積強度8.0 %)
と分析対象試料のピークb1 (面積強度7.5 %)は「対
応」している,すなわち同じ成分に依るものと認められ
る。面積強度がほぼ等しくかつ出現時間も近いと判断で
きるからである(原則(1) および(2) )。
【0046】ピークa4 とb3 ,ピークa7 とピークb
7 ,ピークa8 とピークb8 もそれぞれ「対応」してい
ると判断される。
【0047】標準試料のピークa2 (面積強度1.0 %)
およびa3 (面積強度2.5 %)と分析対象試料のピーク
2 (面積強度3.0 %)は「重なり」であると判断され
る。すなわち,ピークa2 とa3 とが重なって,ピーク
2 として出現している。ピークa2 とa3 との和はピ
ークa3 にほぼ等しい(原則(4) )。
【0048】「重なり」とみるか否かの判断において
は,当該ピークの前後のピーク照合とのバランスが考慮
される。すなわち,それらのピークおよびそれらの前後
のピークについて特に原則(1) および(2) が適用できる
かどうかが充分に考慮される。
【0049】ピークa2 とb2 とを対応付けるには,そ
れらの面積強度があまりに違いすぎている(a2 :b2
=1:3)。仮に対応付け得たとしても,つぎのピーク
3とb3 (面積強度7.5 %)もまた面積強度が違いす
ぎており(a3 :b3 =2.5:7.5 =1:3),対応付
けることはできない。それよりも,ピークb3 はピーク
4 (面積強度7.0 %)と「対応」づけ(a4 :b3
7.0 :7.5 =14:15),ピークa2 およびa3 とピーク
2 とを「重なり」とみたほうが(a2 +a3:b2
1.0 +2.5 :3.0 =7:6),全体のバランスからみて
妥当である。
【0050】標準試料の1つのピークと分析対象試料の
2つのピークとが「重なり」と判断されることもある。
【0051】分析対象試料のピークb4 (面積強度0.1
%)はピーク照合において「無視」される(原則(3)
)。
【0052】「無視」するか否かの判断においても,上
述の「重なり」と同様に,当該ピーク以降におけるピー
ク照合のバランスが考慮される。ピークb4 とa5 (面
積強度3.0 %)を「対応」づけるよりは(a5 :b4
3.0 :0.1 =30:1),ピークb4 を「無視」するほう
が妥当である。
【0053】分析対象試料のみならず,標準試料のガス
クロマトグラムにおけるピークが無視されることもあ
る。
【0054】基準試料のピークa5 およびa6 (面積強
度1.0 %および10.0%)と分析対象試料のピークb5
よびb6 (面積強度11.0%および2.5 %)は「逆転」と
判定される。「逆転」とは,上述したように隣り合った
ピークの位置が互いに入れ替わる現象であり,a5 とb
6 ,a6 とb5 がそれぞれ「対応」していることを意味
する(上記例外(5) )。「逆転」の判断もまた,上述の
「重なり」,「無視」と同様に,他のピークの「対応」
づけを考慮して行なわれる。
【0055】図3はピークの数を少なくして典型的な例
を含ませるように作図されているが,実際はピークの数
がかなり多く,かつ「対応」と判断されるピークの対が
数多く存在する。
【0056】図4は,先に少し触れたピーク照合のモデ
ルを示している。横軸方向に標準試料におけるピークが
出現時間順序にしたがって一定間隔で配置された点で表
わされ,縦軸方向に分析対象試料におけるピークが出現
時間順序にしたがって一定間隔で配列された点で表わさ
れている。標準試料のピーク数をm,分析対象試料のピ
ーク数をnとする。最初のピークの出現時間よりも早い
時点に相当する仮想点を開始点とすると,標準試料にお
けるすべてのピークと,分析対象試料におけるすべての
ピークとの相互関係は,存在しない開始点との関係も含
めて,(m+1)×(m+1)個の交点からなるマトリ
クスで表現される。これらの交点を関係点R(ai ,b
j )(i=0〜m,j=0〜n)と呼ぶことにする。
【0057】ピークai とピークbj との関係は,他の
関係点から当該関係点R(ai ,bj )に至る経路(こ
れをパスと呼ぶ)によって表わされる。
【0058】ここで関係とは,上述した「対応」,「無
視」,「重なり」および「逆転」のいずれかを意味す
る。
【0059】図5はパスによって表わされる6種類の関
係および関係点R(ai ,bj )に付与される累積評価
値fi,j (累積評価値の概念は次第に明らかになる)を
示している。
【0060】パスP1は,関係点R(ai-1 ,bj-1
から関係点R(ai ,bj )に向う経路であり,ピーク
i とbj とが「対応」していることを示す。関係点R
(ai-1 ,bj-1 )の累積評価値をfi-1,j-1 ,ピーク
i とbj とのピーク間距離をd(ai ,bj )(式
(2) 参照)とすると,このパスP1を通って関係点R
(ai ,bj )に至ったときの関係点R(ai ,bj
における暫定的な累積評価値h1 は次式で表わされる。
【0061】
【数3】 h1 =fi-1,j-1 +d(ai ,bj ) ‥式(3)
【0062】パスP2は,関係点R(ai ,bj-1 )か
ら関係点R(ai ,bj )に向う経路であり,ピークb
j を「無視」することを意味する。関係点R(ai ,b
j-1)の累積評価値をfi,j-1 とすると,このパスP2
を通って関係点R(ai ,bj )に至ったときの関係点
R(ai ,bj )における暫定的累積評価値h2 は次式
で表わされる。
【0063】
【数4】h2 =fi,j-1 +C1 ‥式(4)
【0064】パスP3は,関係点R(ai-1 ,bj )か
ら関係点R(ai ,bj )に向う経路であり,ピークa
i を「無視」することを意味する。関係点R(ai-1
j)の累積評価値をfi-1,j とすると,このパスP3
を通って関係点R(ai ,bj )に至ったときの関係点
R(ai ,bj )における暫定的累積評価値h3 は次式
で表わされる。
【0065】
【数5】h3 =fi-1,j +C1 ‥式(5)
【0066】ここで,C1は存在するピーク(bj また
はai )を存在しないピークと「対応」づける(これが
「無視」することの意味である)ときのピーク間距離に
相当する定数である。面積強度が異なる2つのピークを
相互に「対応」するものと判断しない程度に大きな値
(できるだけ小さな値が好ましい)として設定される。
逆に言えば,定数C1は「対応」関係にあるものを誤っ
て「無視」と判定しないことを担保するための定数であ
る。
【0067】たとえば,強度比が2:1以上の場合に一
方のピークを「無視」するときには, C1=d(2,1)=| log10(2/1)|=0.30 とすればよい。
【0068】この定数C1をあまり小さくすると,面積
強度が僅かに異なっている2つのピークを「対応」づけ
られなくなってしまい,大きすぎると,あきらかに対応
しない2つのピークを「対応」づけてしまうことにな
る。
【0069】パスP4は関係点R(ai-1 ,bj-2 )か
ら関係点R(ai ,bj )に向う経路であり,一つのピ
ークai が2つのピークbj-1 およびbj に対応してい
る,すなわちピークbj-1 およびbj に対応する筈の2
つのピークが重なってピークai として現われている
(「重なり」)を意味する。このパスP4を通って関係
点R(ai ,bj )に至ったときの関係点R(ai ,b
j )における暫定的累積評価値h4 は次式で与えられ
る。
【0070】
【数6】 h4 =fi-1,j-2 +d(ai ,bj-1 +bj )+C2 ‥式(6)
【0071】パスP5は関係点R(ai-2 ,bj-1 )か
ら関係点R(ai ,bj )に向う経路であり,一つのピ
ークbj が2つのピークai-1 およびai に対応してい
る,すなわちピークai-1 およびai に対応する筈の2
つのピークが重なってピークbj として現われている
(「重なり」)を意味する。このパスP5を通って関係
点R(ai ,bj )に至ったときの関係点R(ai ,b
j )における暫定的累積評価値h5 は次式で与えられ
る。
【0072】
【数7】 h5 =fi-2,j-1 +d(ai-1 +ai ,bj )+C2 ‥式(7)
【0073】式(6) および式(7) において,
i-1,j-2 ,fi-2,j-1 はそれぞれ関係点R(ai-1
j-2 ),R(ai-2 ,bj-1 )における累積評価値で
ある。
【0074】また,d(ai ,bj-1 +bj )は,ピー
クai の面積強度ai と2つのピークbj-1 ,bj の面
積強度和(bj-1 +bj )とを式(2) に代入して得られ
るピーク間距離を表わしている。同じように,d(a
i-1 +ai ,bj )は,2つのピークai-1 ,ai の面
積強度和(ai-1 +ai )とピークbj の面積強度bj
とを式(2) に代入して得られるピーク間強度を表わして
いる。
【0075】定数C2は「対応」関係にあるものを誤っ
て「重なり」と判断しないことを担保とするための定数
であり,定数C1と同じように,C2=0.30程度に設定
される。
【0076】パスP6は関係点R(ai-2 ,bj-2 )か
ら関係点R(ai ,bj )に向う経路であり,「逆転」
を表わす。すなわち,ピークai-1 とピークbj とが
「対応」し,ピークai とピークbj-1 とが「対応」し
ていることを意味する。このパスP6を通って関係点R
(ai ,bj )に至ったときの関係点R(ai ,bj
における暫定的累積評価値h6 は次式で表わされる。
【0077】
【数8】 h6 = fi-2,j-2 +d(ai ,bj-1 )+d(ai-1 ,bj )+C3 ‥式(8)
【0078】ここで,fi-2,j-2 は関係点R(ai-2
j-2 )の累積評価値,C3は「対応」関係にあるもの
を誤って「逆転」と判断しないことを担保するための定
数であり,0.05程度に設定される。
【0079】関係点R(ai ,bj )における最終的な
累積評価値fi,j は次式によって求められる。
【0080】
【数9】fi,j =MIN hk ‥式(9)
【0081】ここでMINはhk (k=1〜6)のうち
の最小値を選択する演算を表わす。
【0082】hk (k=1〜6)のうちの最小値を与え
るパスが最適パスと決定される。関係点(ai ,bj
に至る最適パスをgi,j で表わす。たとえば,h1 〜h
6 のうちh1 が最小の場合にはパスP1が最適パスとな
る。gi,j =P1またfi,j=h1 となる。
【0083】関係点によっては6種類のすべてのパスが
あるとは限らない。たとえば,図4において,関係点R
(a5 ,b7 )についてはそこに至る6種類のパスが存
在する。しかしながら,関係点R(a8 ,b1 )につい
ては,そこに至るパスとしてはパスP1,P2,P3,
P5は存在するが,パスP4とP6は存在し得ない。ま
た,関係点R(a1 ,b7 )についてはパスP1,P
2,P3,P4は存在するが,パスP5およびP6は存
在し得ない。このような場合には,存在するパスに関し
て得られる暫定的累積評価値についてのみ式(9) のMI
N演算を行なえばよい。
【0084】図4に戻って,標準試料におけるガスクロ
マトグラムのピークと分析対象試料におけるガスクロマ
トグラムのピークとの照合は次のようにして達成できる
ことが理解されよう。
【0085】i,jの値の小さい方から大きい方に向っ
て順次,すべての関係点R(ai ,bj )についてその
累積評価値fi,j と最適パスgi,j とを算出する。
【0086】次に,i,jの値の最も大きい関係点から
i,jの値の小さい方に向って,最も小さい累積評価値
を持つ関係点をその関係点の最適パスにしたがって遡っ
ていく最適ルートを見つけ出す。
【0087】最適ルート上にある関係点の最適パスによ
って規定される関数がピーク照合結果となる。
【0088】「対応」のみを考慮した場合には,このピ
ーク照合方法は式(1) によって表わされるピーク間距離
の総和を縮小するルートを見つけ出すことと等価とな
る。
【0089】他の関係,すなわち「無視」,「重なり」
および「逆転」を考慮するときには,式(3) 〜式(9) に
したがう演算により累積評価値fi,j と最適パスgi,j
とを求めることが必要となる。
【0090】累積評価値算出処理において,関係点R
(a0 ,b0 )(a0 ,b0 は仮想のピーク)の累積評
価値は0に設定される。また,最も左側の縦のルートお
よび最上段の横のルートはすべて「無視」に対応し,こ
れらの「無視」に関するパスの定数はC1である。関係
点R(a0 ,bj )およびR(ai ,b0 )における累
積評価値はあらかじめ定まっているので,演算処理する
には及ばない。
【0091】最適ルートは終了点から遡ることにより検
索されるが,この終了点は関係点R(a8 ,b8 )(=
R(am ,bn ))またはその近傍の点(たとえば,関
係点R(a7 ,b8 ),R(a8 ,b7 )等のR
(ai ,bn )またはR(am ,bj )で表わされる関
係点)のうち,累積評価値が最も小さい点に選択され
る。
【0092】各関係点において,その関係点に至る複数
のパスのうち累積評価値の最も小さい値をもつパスが決
定されている。したがって,最終点から決定されたパス
を辿ることにより,常に最小累積評価値をもつ関係点を
通ることになり,そのような関係点が抽出されることに
なる。
【0093】開始点から終了点に至る可能なルートの数
はきわめて多い。すべての可能なルートによって表わさ
れるピークの組合せの数は膨大である。したがってその
ようなすべての組合せを検討したとするときわめて多量
の演算が必要である。ピークの数の増加にしたがって計
算量は指数関数値に増大していくであろう。
【0094】これに対して上述の方法によると,高々m
×n個の関係点についてのみ累積評価値を算出すれば足
り,計算量はピークの数が増加しても,mまたはnに比
例して増加するだけである。
【0095】上述したピーク照合方法,その精度の観点
から複数の段階の態様に分けて捉えることができる。
【0096】その一は,「対応」関係のみを考慮するこ
とである。パスP1のみについて計算を行えばよい。
【0097】その二は,「対応」関係に加えて,「無
視」の関係を加えることである。パスP1,P2および
P3に関する演算が行なわれる。「重なり」や「逆転」
は「無視」という関係に置換えられるであろう。その一
よりも精度が向上しよう。
【0098】その三は,「対応」,「無視」に加えて,
「重なり」および「逆転」のいずれか一方または両方を
考慮することである。精度は一層向上しよう。
【0099】図4および図5においては,理解を容易に
するために,関係点をピークai とbj との交点として
示したが,関係点がピークとピークの関係にしたがって
パスを通して遷移すると考えれば,図6に示すように,
ピーク間に関係点を描くことができるし,この方が適切
である。
【0100】図7はデータ解析装置30,とくにそのコン
ピュータ31によるピーク照合処理の手順を示している。
【0101】データ解析装置30の記憶装置34には,図8
(A) に示すように,標準試料について既に得られている
ピーク値(面積強度,ピーク強度またはピーク高さ)
が,ピークが現われた時間順序にしたがってあらかじめ
格納されている。
【0102】データ解析装置30はA/D変換器35を通し
て入力するデータに基づいて,分析対象試料についての
ピーク値(面積強度,ピーク強度またはピーク高さ)を
検出し,それらの値をピークの出現の順序にしたがっ
て,図8(B) に示すように,記憶装置34またはコンピュ
ータ31内の内部メモリに格納する。A/D変換器35から
は短いサンプル周期でサンプルされたデータがコンピュ
ータ31に入力する。このサンプル周期はガスクロマトグ
ラムにおいて一つのピークを表わす波形を複数の点(多
い方が好ましい)で表現できる程度に短い。コンピュー
タ31はこれらのデータを用いて公知のピーク検出にした
がってピーク値を検出する。
【0103】照合処理の開始にあたって,標準試料およ
び分析対象試料についてのピーク値データ(図8(A) お
よび(B) )はコンピュータ31の内部メモリに転送され
る。
【0104】内部メモリに記憶された標準試料および分
析対象試料についてのピーク値データを,その出現の時
間順序(メモリ内の配列の順序)にしたがってそれぞれ
指定するポインタをi,jとする。また,式(3) 〜式
(8) にしたがって演算される暫定的累積評価値hk (k
=1〜6)を識別するための添字kを計数するカウンタ
の計数値をkとする。
【0105】さらに,関係点R(ai ,bj )ごとに得
られた累積評価値fi,j および最適パスgi,j を記憶す
るエリアがコンピュータ31の内部メモリに設けられてい
る。これらのエリアの内容が図9および図10にそれぞれ
示されている。定数C1,C2およびC3はあらかじめ
メモリに設定されている。
【0106】図7において,まずポインタi,jが1に
初期化される(ステップ50,51)。
【0107】カウンタの内容がk=1に初期化される
(ステップ52)。このkによって指定される暫定的累積
評価値hk が算出される(ステップ53)。暫定的累積評
価値hk の算出は,kを1つずつインクレメントしなが
らk=6になるまで繰返される(ステップ54,55)。
【0108】上述したように一つの関係点R(ai ,b
j )において6つの暫定的累積評価値h1 〜h6 が算出
されるとは限られない。関係点R(ai ,bj )に向う
パスの起点に当る関係点が存在しないものについては暫
定的累積評価値は算出されないのはいうまでもない。
【0109】このようにして得られた最大6つの暫定的
累積評価値の最小値が演算され,関係点R(ai
j )の累積評価値fi,j となる。また,この累積評価
値fi,jを生じさせるパスPkが最適パスgi,j として
決定される。これらの累積評価値fi,j および最適パス
i,j はメモリの累積評価値エリア(図9)および最適
パス・エリア(図10)に記憶される(ステップ56)。
【0110】ポインタjを1ずつインクレメントしなが
ら,ステップ52〜56の処理が繰返され,j=nになるま
で続けられる(ステップ57,58)。
【0111】さらにポインタiを1ずつインクレメント
しながら,ステップ51〜58の処理がi=mになるまで繰
返される(ステップ59,60)。
【0112】このようにして,すべての関係点R
(ai ,bj )について累積評価値fi,jおよび最適パ
スgi,j が得られると,終了点が検索される。関係点R
(am ,bj )またはR(ai ,bn )のmまたはnを
固定してjまたはiをデクレメントしながら,これらの
関係点のうちで最小の累積評価値をもつ関係点が捜し出
される。図11に示すように,最適パス・エリアにおい
て,捜し出された終了点から最適パスgi,j を遡りなが
ら,最適パスによって規定される関係(「対応」,「無
視」,「重なり」または「逆転」)およびこれらの関係
によって関係づけられるピークai とbj とが抽出され
る(ステップ61)。
【0113】抽出されたピーク対(重なりの場合には3
つのピーク,無視の場合には1つのピーク)とその関係
が表示装置32に表示され,またはプリンタ(図示略)に
よって印字される。
【0114】最終的に出力された照合結果の例が図12に
示されている。分析対象試料おいて,標準試料のピーク
と関係づけられたピークに,標準試料におけるものと同
一の符号(ai )が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスクロマトグラフィおよびデータ解析装置の
全体的構成例を示す。
【図2】標準試料と分析対象試料のガスクロマトグラム
の例を示す。
【図3】図2に示すガスクロマトグラムのピークの関係
づけ結果を示す。
【図4】標準試料のピークと分析対象試料のピークとに
よって形成される関係点マトリクスを示す。
【図5】6種類のパスとそれらによる累積評価値の算出
方法とを示す。
【図6】図5の他の表現例を示す。
【図7】照合処理の手順を示すフロー・チャートであ
る。
【図8】(A) ,(B) はそれぞれ標準試料と分析対象試料
のピーク値の記憶エリア示す。
【図9】累積評価値記憶エリアを示す。
【図10】最適パス・エリアを示す。
【図11】最適パスを遡る様子を示す。
【図12】照合結果の出力側を示す。
【符号の説明】
13,14 センサ 15 カラム 20 ホイーストン・ブリッジ回路 30 データ分析装置 31 コンピュータ 32 表示装置 33 キーボード 34 記憶装置 35 A/D変換器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標準試料についてピーク濃度データをそ
    の出現の順序に記憶する標準ピーク濃度データ記憶手
    段,ガスクロマトグラフから得られる分析対象試料につ
    いての濃度データからピーク濃度を検出するピーク濃度
    検出手段,上記ピーク濃度検出手段によって検出された
    分析対象試料についてのピーク濃度データをその出現の
    順序に記憶する分析対象ピーク濃度データ記憶手段,上
    記標準ピーク濃度データ記憶手段に記憶されているピー
    ク濃度データと上記分析対象ピーク濃度データ記憶手段
    に記憶されているピーク濃度データとのすべての組合せ
    またはピーク間遷移について,上記出現順序にしたがっ
    て,ピーク間または遷移の関連性を数値で表わす累積評
    価値を算出するとともに,累積評価値を生じさせるパス
    を決定する手段,および最小の累積評価値を生じさせる
    パスにしたがって,標準試料におけるピークと分析対象
    試料におけるピークとを相互に関連づける手段,を備え
    たガスクロマトグラフにおけるデータ解析装置。
  2. 【請求項2】 上記決定手段において,組合わされる2
    つのピーク間距離を算出し,このピーク間距離を,前に
    出現したピーク値の組合せにおける累積評価値に加算す
    ることにより累積評価値を求める,請求項1に記載のガ
    スクロマトグラフにおけるデータ解析装置。
  3. 【請求項3】 上記決定手段において,累積評価値が,
    対応の関係についての第1の累積評価値および無視の関
    係についての第2の累積評価値のいずれか小さい値によ
    って決定される,請求項1に記載のガスクロマトグラフ
    におけるデータ解析装置。
  4. 【請求項4】 上記決定手段において,累積評価値が,
    対応関係についての第1の累積評価値,無視の関係につ
    いての第2の累積評価値,ならびに重なりの関係および
    逆転の関係の少なくともいずれか一方に関する第3の累
    積評価値のうちの最も小さい値によって決定される,請
    求項1に記載のガスクロマトグラフにおけるデータ解析
    装置。
  5. 【請求項5】 標準試料についてピーク濃度データを,
    その出現の順序に,標準ピーク濃度データ記憶手段にあ
    らかじめ記憶しておき,ガスクロマトグラフから得られ
    る分析対象試料についての濃度データからピーク濃度を
    検出し,検出した分析対象試料についてのピーク濃度デ
    ータを,その出現の順序に,分析対象ピーク濃度データ
    記憶手段に記憶し,上記標準ピーク濃度データ記憶手段
    に記憶されているピーク濃度データと上記分析対象ピー
    ク濃度データ記憶手段に記憶したピーク濃度データとの
    すべての組合せまたはピーク間遷移について,上記出現
    順序にしたがって,ピーク間または遷移の関連性を数値
    で表わす累積評価値を算出するとともに,累積評価値を
    生じさせるパスを決定し,最小の累積評価値を生じさせ
    るパスにしたがって,標準試料におけるピークと分析対
    象試料におけるピークとを相互に関連づける,ガスクロ
    マトグラフにおけるデータ解析方法。
  6. 【請求項6】 組合わされる2つのピーク間距離を算出
    し,このピーク間距離を,前に出現したピーク値の組合
    せにおける累積評価値に加算することにより累積評価値
    を求める,請求項5に記載のガスクロマトグラフにおけ
    るデータ解析方法。
  7. 【請求項7】 対応の関係についての第1の累積評価値
    および無視の関係についての第2の累積評価値のいずれ
    か小さい値によって累積評価値を決定する,請求項5に
    記載のガスクロマトグラフにおけるデータ解析方法。
  8. 【請求項8】 対応関係についての第1の累積評価値,
    無視の関係についての第2の累積評価値,ならびに重な
    りの関係および逆転の関係の少なくともいずれか一方に
    関する第3の累積評価値のうちの最も小さい値によって
    累積評価値を決定する,請求項5に記載のガスクロマト
    グラフにおけるデータ解析方法。
  9. 【請求項9】 時間または空間を表わす軸に沿って複数
    のピークが出現する第1および第2の2つの物理量につ
    いて,それらのピークを相互に関連づける装置であり,
    第1の物理量についてピーク値データをその出現の順序
    に記憶する第1の記憶手段,第2の物理量についてのピ
    ーク値データをその出現の順序に記憶する第2の記憶手
    段,上記第1の記憶手段に記憶されているピーク値デー
    タと上記第2の記憶手段に記憶されているピーク値デー
    タとのすべての組合せまたはピーク間遷移について,上
    記出現順序にしたがって,ピーク間または遷移の関連性
    を数値で表わす累積評価値を算出するとともに,累積評
    価値を生じさせるパスを決定する手段,および最小の累
    積評価値を生じさせるパスにしたがって,第1の物理量
    におけるピークと第2の物理量におけるピークとを相互
    に関連づける手段,を備えたピーク照合装置。
  10. 【請求項10】 時間または空間を表わす軸に沿って複
    数のピークが出現する第1および第2の2つの物理量に
    ついて,それらのピークを相互に関連づける方法であ
    り,第1の物理量についてピーク値データを,その出現
    の順序に,第1の記憶手段に記憶し,第2の物理量につ
    いてのピーク値データを,その出現の順序に,第2の記
    憶手段に記憶し,上記第1の記憶手段に記憶されている
    ピーク値データと上記第2の記憶手段に記憶されている
    ピーク値データとのすべての組合せまたはピーク間遷移
    について,上記出現順序にしたがって,ピーク間または
    遷移の関連性を数値で表わす累積評価値を算出するとと
    もに,累積評価値を生じさせるパスを決定し,最小の累
    積評価値を生じさせるパスにしたがって,第1の物理量
    におけるピークと第2の物理量におけるピークとを相互
    に関連づける,ピーク照合方法。
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