JP7216225B2 - クロマトグラムデータ処理装置、クロマトグラムデータ処理方法、クロマトグラムデータ処理プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

クロマトグラムデータ処理装置、クロマトグラムデータ処理方法、クロマトグラムデータ処理プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、クロマトグラムデータ処理装置、クロマトグラムデータ処理方法、クロマトグラムデータ処理プログラム及び記憶媒体に関する。
クロマトグラフを使用して試料中の成分を測定する際、クロマトグラムのピーク部分に複数個の成分が重なり合う部分は、ガウシアン(Gaussian)関数や指数関数により修飾されたガウシアン(EMG:Exponentially Modified Gaussian)関数を用いてクロマトグラムをフィッティングすることにより、クロマトグラムをそれぞれの成分に分解し、それぞれの試料成分を測定するデータ処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、クロマトグラムにより試料の成分を測定するクロマトグラフのデータ処理装置において、試料から得られるデータの重なりピークに対してガウシアン関数又はEMG関数を用いてフィッティングして見積もった非線形パラメータと、標準試料から同様にして得られた非線形パラメータとを比較し、両パラメータが近似している場合にはフィッティングが妥当であることを出力し、試料から得られた非線形パラメータを用いてデータの重なりピークを個々の成分に分解するデータ処理装置が開示されている。
日本国特開2000-131305号公報
特許文献1のデータ処理装置では、クロマトグラム内の隣接するピーク同士の重なりが小さいピークについては、ガウシアン関数及び指数関数により修飾されたガウシアン関数のいずれを用いても、精度良くフィッティングすることができる。しかし、クロマトグラム内の隣接するピーク同士の重なりが大きいピークの場合、隣接するピーク同士が互いに影響し合うため、ピークのリーディング又はテーリングが発生する場合がある。その結果、隣接するピーク同士の重なりが大きいピークについては、指数関数により修飾されたガウシアン関数であっても、精度良くフィッティングできない場合がある。
即ち、特許文献1のデータ処理装置を用いても、フィッティング前後の差が大きくなるため、フィッティング後の結果を妥当と見なすことが困難となる可能性が高くなる。
本発明の一態様は、クロマトグラム内のピークを個々の成分ごとにより高精度に分解できるクロマトグラムデータ処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るクロマトグラムデータ処理装置は、測定対象試料に含まれる複数の成分が分離カラムで分離され、分離された前記成分を検出して得られるクロマトグラムにより前記成分を測定するクロマトグラムデータ処理装置であって、時間と信号強度とをそれぞれ軸として、複数の前記成分に由来するピークを有する前記クロマトグラムを得るクロマトグラム取得部と、前記クロマトグラム内の複数の前記ピークに対して、ガウシアン関数又は指数関数で修飾されたガウシアン関数と、ピアソン関数とを用いて、フィッティング処理を行い、複数の前記ピークを分解するフィッティング部と、前記フィッティング処理を行った後の前記クロマトグラムから前記成分を判定する判定部と、を備える。
本発明の一態様に係るクロマトグラムデータ処理装置は、クロマトグラム内のピークを個々の成分ごとにより高精度に分解できる。
一実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置の機能を示すブロック図である。 クロマトグラムの一例を示す図である。 微分データの一例を示す図である。 ピーク面積の計算の一例を示す図である。 ピーク面積の比較の一例を示す図である。 ピークの分離度が1.0未満の場合の2つのピークの重なり具合を示す説明図である。 ピークの分離度が1.0以上の場合の2つのピークの重なり具合を示す説明図である。 クロマトグラムデータ処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理方法を説明するフローチャートである。 クロマトグラムデータ処理装置を適用した分析装置の一例を示す図である。 実施例1で用いたクロマトグラムである。 実施例1-1のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例1-1のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例1-2のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例1-3のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例1-4のフィッティング処理した結果を示す図である。 実施例2で用いたクロマトグラムである。 実施例2-1のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例2-1のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例2-2のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例2-3のフィッティング処理した結果を示す図である。 比較例2-4のフィッティング処理した結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書において数値範囲を示すチルダ「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<クロマトグラムデータ処理装置>
一実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置について説明する。図1は、一実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置の機能を示すブロック図である。図1に示すように、クロマトグラムデータ処理装置1は、データ処理部10と、入力部20と、出力部30と、表示部40とを備える。クロマトグラムデータ処理装置1は、データ処理部10で測定対象試料に含まれる成分を、クロマトグラフである分離カラムで分離して、分離カラムから溶出した測定対象試料中の分離された成分を検出して得られるクロマトグラムを処理することにより成分を測定する。
測定対象試料(以下、単に試料という)は、液体、気体のいずれでもよい。試料として、例えば、生体由来の物質(血液、汗、唾液、又は尿等)、医薬品、食品添加物、合成された化学物質(農料等)、又は環境負荷物質(工場等から排出される排水、廃液又は地下水等)が挙げられる。本実施形態では、クロマトグラムデータ処理装置1で試料中の成分の分析を行うものとする。
データ処理部10は、クロマトグラム取得部11と、微分データ作成部12と、ピーク解析部13と、ピーク面積比較部14と、フィッティング部15と、判定部16とを備える。
クロマトグラム取得部11は、複数の成分に由来するピークを有するクロマトグラムを取得する。図2に示すように、クロマトグラム取得部11は、溶出時間(保持時間)及び信号強度(電圧)を、それぞれX軸及びY軸とした時系列データを取得する。取得したクロマトグラムには、試料中の各種成分に由来する複数のピークが現れる。図2に示すクロマトグラムは、目的成分に由来するピーク(以降、単に目的ピークという)の頂点P1とその周辺部を拡大表示したクロマトグラムである。目的ピークは、頂点P1と、2つの谷T1及びT2と、2つの変曲点I1及びI2とを有する。谷T1は、図2においてP1の左側に位置する谷であり、谷T2は、図2においてP1の右側に位置する谷である。変曲点I1は頂点P1と谷T1との間に位置し、変曲点I2は頂点P1と谷T2との間に位置する。
クロマトグラム上に出現した、あるピークの信号強度は、あるピークと対応する成分の、試料中における成分濃度に比例する。試料の種類や分析条件等によっては、ある溶出時間の周りに複数の成分が近接して溶出するため、複数のピークが混在した不分離ピークが発生する場合がある。この場合、各ピーク同士が重なり合った状態となっているため、不分離ピークは複数のピークに分解(分割)させて、ピークと対応する成分の検出性能を向上させる。
微分データ作成部12は、クロマトグラム取得部11で得たクロマトグラムを平滑化処理して、平滑化処理したクロマトグラムを少なくとも1回微分することで、微分データを取得する。微分データ作成部12は、クロマトグラムを平滑化処理して1回微分することで、図3に示すような1次微分データを取得することができる。なお、図3の縦軸は信号強度(単位:uV)を溶出時間(単位:分)で微分した微分値(d(uV)/dt)を示す。
図3に示す1次微分データは、クロマトグラムを1回微分して得られたデータである。図3の正の領域は、図2のクロマトグラムの傾きが増大している領域で、図3の負の領域は、図2のクロマトグラムの傾きが減少している領域である。例えば、図2に示す、頂点P1、谷T1及びT2は、図3の1次微分データで、1次微分値がゼロとなる点である。図3の1次微分データにおいて、1次微分値がゼロとなる点を探索し、その前後において、1次微分値が正から負へ、又は負から正へと推移しているかを判定することで、これらのゼロとなる点が頂点P1、又は谷T1及びT2であるかを判定することができる。また、1次微分値がゼロとなる点の溶出時間を求めることで、頂点P1、谷T1及びT2の溶出時間を正確に求めることができる。2つの谷T1及びT2が正確に求められるので、谷T1と谷T2との間をピーク面積の境界とした時、ピーク面積が正確に求められる。
また、図2に示すクロマトグラムの変曲点I1が、図3では検出強度が上昇から下降に変わる点となり、図2に示すクロマトグラムの変曲点I2が、図3では検出強度が下降から上昇に変わる点となる。変曲点I1及びI2が正確に求められるので、変曲点I1と変曲点I2との間をピーク幅とした時、ピーク幅が正確に求められる。
微分データ作成部12は、クロマトグラムの平滑化処理及び微分処理に、クロマトグラムの平滑化と微分とを同時に行うSavitzky-Golay法(SG法)等を用いることができる。Savitzky-Golay法は、最小二乗平滑化処理の一例であり、他の方式と比較して比較的容易に複雑な処理を実行することが可能である。なお、クロマトグラムの平滑化及び微分手法としては、Savitzky-Golay法に限らず、適宜各種手法を使用することができる。
ピーク解析部13は、図4に示すように、微分データ作成部12で得られた1次微分データからクロマトグラムの目的成分のピーク面積S1を計算する。具体的には、ピーク解析部13は、微分データ作成部12で得られた1次微分データから目的ピークの谷T1及びT2を導出する。その後、谷T1から谷T2までの範囲において、図4に示すように、図2のクロマトグラムにおいて頂点P1を有する目的ピークを積分することで得られる面積を、ピーク面積S1として算出する。
ピーク面積比較部14は、複数のピークが出現する溶出時間領域(ピーク検出領域)において、複数のピークのピーク面積比を比較することで、目的ピークであるかを判断する。具体的には、ピーク面積比較部14は、予め、目的ピークが出現する溶出時間領域と、その領域内に現れるピーク面積比の範囲とを規定する。そして、ピーク面積比較部14は、図5に示すようなクロマトグラムでは、ピーク検出領域A1の中にあるすべてのピークに対して、溶出時間及び面積比の何れもが、規定された範囲内にあるか判定を行う。
前記条件を満たすピークが存在した場合は、前記条件を満たすピークが目的ピークとなる。図5では、2つのピークのうち、溶出時間が遅いピークをピーク1とし、溶出時間が早いピークをピーク2とする。ピーク面積比較部14は、2つのピーク(ピーク1、ピーク2)の溶出時間及び面積の何れもが、所定の範囲内にあるかを判断することで、目的ピークであるかを検出する。図5のピーク1では溶出時間及び面積比の範囲の何れもが所定の範囲内にあり、図5のピーク2では溶出時間のみ所定の範囲内にある。よって、ピーク面積比較部14は、ピーク1を目的ピークと判断することができ、ピーク1と隣接するピーク2を目的ピークから除外することができる。
フィッティング部15は、図2に示すクロマトグラム内の複数のピークに対して、下記式(I)に示す放物型分散修正ガウシアン(PVMG:Parabolic-Variance Modified Gaussian)関数又はEMG関数と、ピアソン(Pearson)関数とを用いて、フィッティング処理を行い、クロマトグラム内の複数のピークを分解する。
Figure 0007216225000001
(式(I)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、A及びa及びbは任意定数である。)
フィッティング部15は、フィッティング処理を行うことで、例えば、図2に示すクロマトグラムとほぼ同じ溶出時間及びピーク高さを有しつつ、隣接するピーク同士が完全に分解されたデータを、近似的に得ることができる。目的ピークを検出し、検出された目的ピークから目的ピークに由来する成分濃度を算出するには、ピーク面積比を正確に算出できることが重要である。フィッティング部15では、クロマトグラム内に分解不十分なピークが複数存在したとしても、分解不十分な複数のピークから目的ピークのみをフィッティング処理により分解することができる。そのため、目的ピークに由来する成分の成分濃度や検出精度等が高まる。
ピアソン(Pearson)関数としては、下記式(II)に示すピアソンVII(Pearson VII)関数を用いることができる。
Figure 0007216225000002
(式(II)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、ξは形状パラメータであり、Aは任意定数である。)
フィッティング部15は、クロマトグラム取得部11で得られたクロマトグラムの複数のピークに対して、下記式(1)を用いることが好ましい。
Figure 0007216225000003
(式(1)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、A及びa及びbは任意定数であり、ξは形状パラメータである。)
フィッティング部15は、フィッティング処理により分解された、複数のピーク中に含まれる目的ピークと、目的ピークと最隣接するピークとの分離度が1.0以上とすることが好ましい。ピークの分離度が1.0未満では、図6に示すように、隣接する2つのピークの重なりが大きく、これらのピーク間の分解状態が不十分となる。結果、それぞれのピーク同士が影響し合い、ピークのリーディング又はテーリングが発生してしまう。即ち、フィッティング処理により、目的ピークを分解しても、目的ピークに由来する成分濃度を正確に算出できなくなり、検出精度が低下する。一方、ピークの分離度が1.0以上では、図7に示すように、隣接する2つのピークの重なりが小さくなるため、複数ピークの中から、フィッティング処理により目的ピークを、容易に分解することができる。即ち、目的ピークに由来する成分濃度を正確に算出することができ、検出精度を高められる。なお、ピークの分離度が1.5以上であれば、隣接する2つのピークは完全に分解したと見なせるため、ピークの分離度は1.5以上であることが望ましい。
判定部16は、フィッティング部15でフィッティング処理を行った後のクロマトグラムから成分を判定する。
入力部20は、クロマトグラムのデータが入力されると共に、データ処理に必要なパラメータ等が入力される。入力部20は、例えば、キーボード、マウス、操作ボタン、タッチパネル等が挙げられる。
出力部30は、判定部16で判定された成分を出力する。出力部30としては、例えば、プリンタ等が挙げられる。
表示部40は、判定部16で判定された成分やクロマトグラムのピークの分解結果等を表示する。表示部40としては、例えば、モニタディスプレイ等が挙げられる。
<クロマトグラムデータ処理装置のハードウェア構成>
次に、クロマトグラムデータ処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。図8は、クロマトグラムデータ処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図8に示すように、クロマトグラムデータ処理装置1は、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、入力デバイスである入力装置104、出力装置105、通信モジュール106並びにハードディスク等の補助記憶装置107等を含むコンピュータシステムとして構成することができる。これらは、バス108で相互に接続されている。なお、出力装置105及び補助記憶装置107は、外部に設けられていてもよい。
CPU101は、クロマトグラムデータ処理装置1の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU101は、ROM103又は補助記憶装置107に格納されたクロマトグラムデータ処理プログラムを実行して、測定収録画面と解析画面の表示動作を制御する。
RAM102は、CPU101のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。
ROM103は、基本入出力プログラム等を記憶する。クロマトグラムデータ処理プログラムはROM103に保存されてもよい。
入力装置104は、キーボード、マウス、操作ボタン、タッチパネル等である。
出力装置105は、モニタディスプレイ等である。出力装置105では、予測結果等が表示され、入力装置104や通信モジュール106を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
通信モジュール106は、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスであり、外部のデータ収録サーバ等からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースとして機能する。
補助記憶装置107は、SSD(Solid State Drive)、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、例えば、クロマトグラムデータ処理プログラムやクロマトグラムデータ処理装置1の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納する。
図1に示すクロマトグラムデータ処理装置1の各機能は、CPU101、RAM102等の主記憶装置又は補助記憶装置107に所定のコンピュータソフトウェア(クロマトグラムデータ処理プログラムを含む)を読み込ませ、RAM102、ROM103又は補助記憶装置107に格納された予測プログラム等をCPU101により実行する。入力装置104、出力装置105及び通信モジュール106を動作させると共に、RAM102、ROM103及び補助記憶装置107等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで、クロマトグラムデータ処理装置1の各機能は、実現される。すなわち、本実施形態のクロマトグラムデータ処理プログラムをコンピュータ上で実行させることで、クロマトグラムデータ処理装置1は、図1の、クロマトグラム取得部11と、微分データ作成部12と、ピーク解析部13と、ピーク面積比較部14と、フィッティング部15と、判定部16と、入力部20と、出力部30と、表示部40として、それぞれ機能することができる。
クロマトグラムデータ処理プログラムは、以下の構成のプログラムを用いることができる。
すなわち、クロマトグラムデータ処理プログラムは、
測定対象試料に含まれる複数の成分が分離カラムで分離され、分離された前記成分を検出して得られるクロマトグラムにより前記成分を測定する際にコンピュータに実行させるであって、
時間と信号強度とをそれぞれ軸として、複数の前記成分に由来するピークを有する前記クロマトグラムを得るクロマトグラム取得部と、
前記クロマトグラム内の複数の前記ピークに対して、ガウシアン関数又は指数関数で修飾されたガウシアン関数と、ピアソン関数とを用いて、フィッティング処理を行い、複数の前記ピークを分解するフィッティング部と、
前記フィッティング処理を行った後の前記クロマトグラムから前記成分を判定する判定部と、
をコンピュータに実行させる。
クロマトグラムデータ処理プログラムは、例えば、RAM22やROM23の主記憶装置又は補助記憶装置24等のコンピュータが備える記憶装置内に格納することができる。また、クロマトグラムデータ処理プログラムは、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、コンピュータが備える通信モジュール等により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
また、クロマトグラムデータ処理プログラムは、その一部又は全部が、CD-ROM、DVD-ROM、フラッシュメモリ等の携帯可能な記憶媒体に格納し、コンピュータで読み取り可能としてもよい。これにより、クロマトグラムデータ処理プログラムは記憶媒体に格納された状態から、コンピュータで読み取らせてコンピュータ内に記録(インストールを含む)させることができる。また、クロマトグラムデータ処理プログラムは記憶媒体に格納された状態で移動させることができる。
<クロマトグラムデータ処理方法>
次に、本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置を用いて、本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理方法について説明する。本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理方法は、図1に示すような構成を有するクロマトグラムデータ処理装置1において、測定対象試料に含まれる成分を、予め分離カラムで分離して、分離カラムから溶出した測定対象試料中の分離された成分を検出して得られるクロマトグラムにより成分を測定する。
図9は、本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理方法を説明するフローチャートである。図9に示すように、本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理方法は、クロマトグラム取得工程(ステップS11)、微分データ作成工程(ステップS12)、ピーク解析工程(ステップS13)、ピーク面積比較工程(ステップS14)、フィッティング工程(ステップS15)及び判定工程(ステップS16)を含む。
クロマトグラムデータ処理装置1は、クロマトグラム取得部11により、図2に示すような溶出時間及び信号強度をそれぞれX軸及びY軸とした時系列データ、即ち、試料中の各種成分に由来する複数のピークが出現するクロマトグラム(生データ)を入力情報として得る(クロマトグラム取得工程:ステップS11)。
取得したクロマトグラムには、試料中の各種成分に由来する複数のピークが現れる。図2に示すように、クロマトグラムには、頂点P1と、2つの谷T1及びT2と、2つの変曲点I1及びI2とを有する目的ピークが出現する。
次に、クロマトグラムデータ処理装置1は、微分データ作成部12により、クロマトグラム取得部11で得たクロマトグラムを平滑化処理して1回微分することで、図3に示すような1次微分データを得る(微分データ作成工程:ステップS12)。
図2に示す、目的ピークの頂点P1、谷T1及びT2は、図3の微分データでは、1次微分値がゼロとなる点であるため、1次微分値がゼロとなる点の溶出時間を求めることで、頂点P1、谷T1及びT2の溶出時間を正確に求めることができる。また、図3の微分データより、変曲点I1及びI2が正確に求められるので、変曲点I1と変曲点I2との間をピーク幅とした時、ピーク幅も正確に求められる。
次に、クロマトグラムデータ処理装置1は、ピーク解析部13により、図4に示すように、微分データ作成工程(ステップS12)で得られた1次微分データから、目的ピークの谷T1及びT2を導出する。その後、谷T1から谷T2までの間で目的ピークを積分計算することで、目的ピークのピーク面積S1を算出する(ピーク解析工程:ステップS13)。
次に、クロマトグラムデータ処理装置1は、ピーク面積比較部14により、複数のピークを含む溶出時間領域において、複数のピークのピーク面積比を比較して、目的ピークを判断する(ピーク面積比較工程:ステップS14)。
具体的には、予め、目的ピークが出現するピーク検出領域と、その領域内に現れるピークの面積比の範囲とを規定する。そして、図5に示すようなクロマトグラムでは、予め規定した溶出時間のピーク検出領域A1の中で、溶出時間及び面積比の何れもが所定の範囲内にあるピークが存在するかを判定する。図5に示す2つのピーク(ピーク1、ピーク2)のうち、溶出時間が遅く且つ面積比が範囲内にあるピークをピーク1、溶出時間が早く且つ面積比が範囲外にあるピークをピーク2とする。このとき、クロマトグラムデータ処理装置1は、ピーク1を目的ピークと判断することができ、ピーク1と隣接するピーク2を目的ピークから除外することができる。
次に、クロマトグラムデータ処理装置1は、フィッティング部15により、クロマトグラム内の複数のピークに対して、上記式(I)に示すPVMG関数又はEMG関数と、ピアソン関数とを用いて、フィッティング処理を行い、クロマトグラム内の複数のピークを分解する(フィッティング工程:ステップS15)。
フィッティング処理を行うことで、例えば、図2に示すクロマトグラムとほぼ同じ溶出時間及びピーク高さを有しつつ、隣接するピーク同士が完全に分解されたデータを、近似的に得ることができる。フィッティング処理により、クロマトグラム内の分解不十分な複数ピークから、目的ピークのみを分解することができるので、目的ピーク由来成分の成分濃度や検出精度等を高めることができる。
ピアソン(Pearson)関数としては、上記式(II)に示すピアソン VII(Pearson VII)関数を用いることが好ましい。
クロマトグラムデータ処理装置1は、クロマトグラムの複数のピークに対して、上記式(1)を用いて、フィッティング処理を行うことが好ましい。
次に、クロマトグラムデータ処理装置1は、判定部16により、フィッティング工程(ステップS15)でフィッティング処理を行った後のクロマトグラムから、試料中の目的成分を判定する(判定工程:ステップS16)。
クロマトグラムデータ処理装置1は、判定部16による判定結果を、出力部30により出力してもよいし、表示部40に表示してもよい。
以上の通り、クロマトグラムデータ処理装置1は、クロマトグラム取得部11、フィッティング部15及び判定部16を備える。クロマトグラムデータ処理装置1は、クロマトグラム取得部11で、試料中の各種成分に由来する複数のピークを有するクロマトグラムを得る。そして、クロマトグラムデータ処理装置1は、フィッティング部15で、クロマトグラム内の複数のピークに対して、PVMG又はEMG関数と、ピアソン関数とを用いてフィッティング処理を行い、複数のピークから目的ピークを分解する。クロマトグラムデータ処理装置1は、フィッティング部15でフィッティング処理したクロマトグラムから、判定部16で分解した目的ピークに由来する成分を判定する。
分離カラムで試料中の各種成分を分離して得られるクロマトグラムには、ピーク形状が急峻で左右対称なピーク、急峻で裾野の長い左右非対称なピーク、起伏に乏しくブロードなピーク等、様々な形状のピークが現れる。ピーク形状は、主に、分離カラムの大きさや材質(カラムの基材や修飾基)等で決定される分離性能によって、大きく左右され易い。例えば、試料体積が極めて微量で、且つ、一般的な粒子カラムを用いて成分を分離する場合、カラム体積を可能な限り抑えないと、クロマトグラムのピーク形状がブロードになってしまう。このような場合、EMG関数、又はガウシアン関数をローレンツ関数で重み付けした関数等を用い、クロマトグラムのフィッティング処理を行うことで、目的ピークに由来する成分を分解することができる。なお、ローレンツ関数とは、下記式(III)のように示される。
Figure 0007216225000004
(式(III)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、Aは任意定数である。)
一方、無機材料や有機材料等からなるモノリス構造体で構成されるカラム(以下、単にモノリスカラムという)の場合、モノリスカラムは、モノリス構造体の骨格構造(マクロ孔)と、骨格構造中に存在する微小な空隙(メソ孔)によって、粒子カラムと同じカラム体積であっても、粒子カラムよりも低い送液圧力で、高い分離性能を発揮することができる。よって、試料体積が極めて微量で、且つ、モノリスカラムを用いて成分の分離を行う場合、精度良く分離することが可能となる。モノリスカラムを用いて得られるクロマトグラムのピーク形状は、一般的な粒子カラムと比較して、ピーク頂点近傍が急峻で且つピーク裾野が広がり易い傾向にあるため、指数関数により修飾されたガウシアン関数(EMG関数)等では、精度良くフィッティングすることが困難となる。
クロマトグラムデータ処理装置1は、フィッティング部15でフィッティング処理を行う際に、ガウシアン関数又はEMG関数と、ピアソン関数を合成した関数により、モノリスカラムを用いて得られたクロマトグラムのピークを、精度良くフィッティングすることができる。この結果、クロマトグラムデータ処理装置1は、判定部16において、フィッティング処理後の曲線データ(分解後の目的ピーク)から、試料中に含まれる目的成分を高精度に判定できる。
よって、クロマトグラムデータ処理装置1は、試料が少量であって、試料中の各種成分が十分に分離されていない場合であっても、クロマトグラム上の各種成分由来のピークをフィッティングし分解することができるので、クロマトグラム上の各種成分濃度や検出精度等を高精度で算出することができる。そのため、クロマトグラムデータ処理装置1は、特に、小型で送液圧力が低く、高い分離性能を有する分離カラム(例えば、モノリスカラム)を用いた場合に有効に用いることができる。
クロマトグラムデータ処理装置1は、フィッティング部15で、フィッティング処理を行う際、クロマトグラムの複数のピークに対して、上記式(1)を用いることができる。上記式(1)は、PVMG関数とピアソンVII関数を合成(乗算)した関数である。そのため、クロマトグラム上のピークが、モノリスカラム等の高い分離性能を有する分離カラムを用いて分離した場合に得られるような、ピーク頂点近傍が急峻で且つピーク裾野が広がり易い場合でも、フィッティング処理を精度よく行うことができる。この結果、クロマトグラムデータ処理装置1は、判定部16において、フィッティング処理後の曲線データから試料中に含まれる目的成分を高精度に判定することができる。
クロマトグラムデータ処理装置1は、微分データ作成部12で、クロマトグラムの平滑化処理を行い、平滑化処理したクロマトグラムを少なくとも1回微分することで、微分データを得ることができる。クロマトグラムの平滑化及び微分を行うことで、得られる微分データのノイズ成分を低減することができる。特に、1次微分値がゼロとなる点を探索する場合、微分データ作成部12がクロマトグラムの平滑化処理を行うことによって、頂点P1、谷T1及びT2の溶出時間をより正確に求めることができる。谷T1及びT2の溶出時間をより正確に求めることで、各ピークのピーク面積をより正確に求めることができる。
クロマトグラムデータ処理装置1は、ピーク解析部13で、微分データ作成部12で得られた1次微分データから目的ピークの積分範囲を求めて目的ピークのピーク面積を計行し、ピーク面積比較部14で、複数のピークを含む溶出時間領域において、複数のピークのピーク面積を比較して、目的ピークを判定することができる。これにより、クロマトグラムデータ処理装置1は、目的ピークをより正確に判定できるので、試料中に含まれる目的成分をより高精度に判定することができる。
このように、クロマトグラムデータ処理装置1は、分離する試料が少量であっても、フィッティング処理を行うことで、クロマトグラムの各種成分を分解できるため、試料中の各種成分濃度や検出精度等を高精度で算出することができる。特に、小型で送液圧力が低く、高い分離性能を有する分離カラム(例えば、モノリスカラム)を通過させた試料に対して、有効に用いることができる。そのため、クロマトグラムデータ処理装置1は、例えば、血液中に含まれるタンパク質や核酸等の血液成分、工場等から排出される排水中に含まれる化学物質、地下水に含まれる微量な物質等の分析に有効に用いることができる。特に、血液中のタンパク質濃度の分析に有効に用いることができる。そのため、流路プレート10Aは、臨床検査、食物検査、環境検査、又は診療や看護等の医療現場等、様々な用途において好適に用いることができる。
本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置1を用いて分離カラムを含む流路プレートから排出される試料を分析する分析装置について説明する。なお、ここでは、試料として血液を用い、血液成分として、赤血球中に含まれるタンパク質の一種であるヘモグロビンに対しグルコースが結合したグリコヘモグロビン(HbA1c)を測定する場合について説明する。
図10は、クロマトグラムデータ処理装置1を適用した分析装置の一例を示す図である。図10に示すように、分析装置60は、クロマトグラムデータ処理装置1と、流路プレート61と、分離カラム62と、容器63と、送液ポンプ64と、流路切替弁(切替バルブ)65と、供給管66Aと、排出管66Bと、検出器67とを備える。
流路プレート61は、2枚のプレートで構成されており、各プレート同士が接する面上に、液体が通過する流路部及び分離カラム収容部を有している。流路プレート61は、前記流路及び収容部が正対する状態で、板厚方向に前記プレートを積層することで構成されている。流路プレート61には、例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂、ガラス等を用いることができる。流路プレート61は、その内部に、液体が通過する流路を有して、主面に流入口61a及び流出口61bを有する。流路プレート61は、流路の途中に分離カラム62を収容している。
分離カラム62は、流路プレート61内の流路の途中に配置され、2枚のプレートの間に封止された状態で収容されている。分離カラム62は、血液中の成分を分離するものであり、例えば、液体クロマトグラフィー用の分離カラムが用いられる。
分離カラム62は、円柱状に加工された多孔質体や微粒子の集合体で構成されている。分離カラム62は、通過する液体に含まれる各種成分と分離カラム62との相互作用(例えば、疎水性相互作用、イオン交換作用等)によって、血液中に含まれる各種成分を分離させる。具体的には、相互作用によって生じる、成分同士の移動速度の差や分子の大きさ及び荷電状態等を利用して、血液中に含まれる各種成分を分離する。
固定相の材料は、無機材料や有機材料等から選択される。固定相は、無機材料や有機材料等からなるモノリス構造体を含むことができる。モノリス構造体は、骨格構造(マクロ孔)と、骨格構造中に存在する微小な空隙(メソ孔)の大きさを、目的に合わせて適宜設計することができる。モノリス構造体としては、シリカモノリス等が用いられる。
容器63は、外部から注入された、移動相を一時的に収容する容器63Aと、試料である血液を一時的に収容する容器63Bとを有している。
送液ポンプ64は、容器63A内の移動相を送液する送液ポンプ64Aと、容器63B内の血液を送液する送液ポンプ64Bとを有する。
切替バルブ65は、送液ポンプ64A又は送液ポンプ64Bと流路プレート61とを連結する流路を切り替える。切替バルブ65で流路を切り替えることで、移動相又は血液が流路プレート61に送液される。
供給管66A及び排出管66Bは、流路プレート61の主面に設けた流入口61a及び流出口61bに挿脱可能に配置されている。供給管66Aは、流入口61aに挿入され、血液を流路プレート61内の流路に供給する。排出管66Bは、流出口61bに挿入され、血液を流路プレート61内の流路から排出する。
検出器67は、血液中の分離された成分を検出する。検出器67としては、UV検出器、三次元検出器、示差屈折率検出器、質量検出器等が用いられる。血液中の分離された成分を、検出器67で検出することにより得られるクロマトグラムは、クロマトグラムデータ処理装置1にクロマトグラムデータとして入力される。
分析装置60では、容器63中に注入された血液を送液ポンプ64が吸引して一定流量で供給管66Aに供給する。血液は、供給管66Aを介して流入口61aから流路プレート61内の流路に送られる。血液は、流路内を通って、分離カラム62に送られ、分離カラム62を通過することで、血液中の各種成分が分離されて、分離カラム62の出口から溶出する。分離カラム62を通過した血液は、流路内を通り、流出口61bから排出管66Bに流れて外部に排出される。排出管66Bから外部に排出された血液は、検出器67で検出することにより、溶出時間に対する信号強度(クロマトグラム)として変換される。測定に用いられた血液は、不図示の回収容器等で回収されてもよいし、そのまま廃棄してもよい。検出器67で得られた血液のクロマトグラムは、クロマトグラムデータとしてクロマトグラムデータ処理装置1のデータ処理部10に入力される。
クロマトグラムデータ処理装置1は、データ処理部10でクロマトグラムデータを処理して、血液中に含まれる各種タンパク質の中から、特定のタンパク質であるHbA1cを検出する。クロマトグラムデータ処理装置1は、データ処理部10で処理されたデータを出力部30で出力すると共に、表示部40に測定結果を表示する。
このように、分析装置60は、血液が少量であっても、クロマトグラムデータ処理装置1で、クロマトグラム上の各種タンパク質由来のピークをフィッティング処理により分解できるので、特定のタンパク質であるHbA1cを高精度に検出することができる。そのため、分析装置60は、分離カラム62として、小型で送液圧力が低く高い分離性能を有するシリカモノリス等を用いて、血液中のタンパク質を分離することで、少量の血液で、血液中のHbA1cを高精度に検出することができる。
そのため、分析装置60は、例えば、糖尿病の診断基準として用いられるHbA1c値を高精度に算出することができるため、糖尿病の診断等に好適に用いることができる。
また、分析装置60は、分離カラム62が小型であり、血液が通る流路を小さくできるので、送液ポンプ64の送液圧力を低くすることができる。
さらに、分析装置60は、分離カラム62を流路プレート61内に収容することができるので、分析装置60の小型化を図ることができると共に、取り扱いを簡単にすることができる。
なお、本実施形態では、試料が液体である場合について説明したが、試料は気体でもよい。
本実施形態においては、データ処理部10は、ピーク解析部13及びピーク面積比較部14を備えなくてもよいし、微分データ作成部12、ピーク解析部13及びピーク面積比較部14を備えなくてもよい。
本実施形態においては、微分データ作成部12は、クロマトグラム取得部11で得たクロマトグラムを2回以上微分した微分データを取得してもよい。
また、本実施形態においては、微分データ作成部12は、クロマトグラムの平滑化処理が不要な場合等には、クロマトグラムの平滑化処理を行わず、微分のみを行うようにしてもよい。
本実施形態においては、微分データ作成部12がクロマトグラム取得部11で得たクロマトグラムの平滑化及び微分を行っているが、データ処理部10は、クロマトグラムの平滑化処理を行う平滑化処理部と、クロマトグラムの微分のみを行う微分データ作成部12とを別々に備えてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
<実施例1>
[実施例1-1]
(血液中の成分の分析)
図10に示す分析装置60を準備し、測定対象液体(試料)として血液を用いた。血液を流路プレート61の流入口61aから供給して、分離カラム62で血液中の成分を分離させた後、流路プレート61の流出口61bから血液を排出させた。排出された血液を検出器67に供給し、血液中の各種成分を検出することで、図11に示すような血液成分のクロマトグラムを得た。図11中の破線領域内に、赤血球中のグリコヘモグロビン(HbA1c)に由来するピークが2つ検出された。図11に示すクロマトグラムの破線領域内では、隣接する2つのピークの分離度が低かった。図11中の破線領域内の2つのピークのうち、溶出時間が約1.2分程度で検出されたピークが不安定型A1c(Labile A1c:L-A1c)に由来するピークであり、溶出時間が約1.6分程度で検出されたピークが安定型A1c(Stable A1c:St-A1c)に由来するピークである。
(フィッティング処理)
図11に示すクロマトグラムの破線領域を、上記式(1)を用いてフィッティング処理した。フィッティング処理した結果を図12に示す。図12中、細線が、図11に示すクロマトグラムのデータ(生データ)を示し、太線が、フィッティング処理後のデータを示し、破線が、フィッティング処理により分解した成分のピークを示す。
[比較例1-1]
実施例1-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えてEMG関数を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして行った。フィッティング処理した結果を図13に示す。図13中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
[比較例1-2]
実施例1-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えてPVMG関数を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして行った。PVMG関数として下記式(I)を用いた。フィッティング処理した結果を図14に示す。図14中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
Figure 0007216225000005
(式(I)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、A及びa及びbは任意定数である。)
[比較例1-3]
実施例1-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えてローレンツ関数を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして行った。ローレンツ関数とは、下記式(III)を用いた。フィッティング処理した結果を図15に示す。図15中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
Figure 0007216225000006
(式(III)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、Aは任意定数である。)
[比較例1-4]
実施例1-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えてピアソンVII関数を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして行った。ピアソンVII関数として下記式(II)を用いた。フィッティング処理した結果を図16に示す。図16中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
Figure 0007216225000007
(式(II)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、ξは形状パラメータであり、Aは任意定数である。)
<実施例2>
[実施例2-1]
(クロマトグラムの準備)
実施例1-1で得た図11に示すクロマトグラムに代えて、図17に示すような、隣接する2つのピークの分離度が高いクロマトグラムを用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして行った。図17中の破線領域内の2つのピークのうち、溶出時間が約0.9分程度で検出されたピークがL-A1cに由来するピークであり、溶出時間が約1.3分程度で検出されたピークがSt-A1cに由来するピークである。フィッティング処理した結果を図18に示す。図18中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
[比較例2-1]
実施例2-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えてEMG関数を用いたこと以外は、実施例2-1と同様にして行った。フィッティング処理した結果を図19に示す。図19中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
[比較例2-2]
実施例2-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えて上記の比較例1-2で用いたPVMG関数を用いたこと以外は、実施例2-1と同様にして行った。フィッティング処理した結果を図20に示す。図20中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
[比較例2-3]
実施例2-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えて上記の比較例1-3で用いたローレンツ関数を用いたこと以外は、実施例2-1と同様にして行った。フィッティング処理した結果を図21に示す。図21中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
[比較例2-4]
実施例2-1において、フィッティング処理を上記式(1)に代えて上記の比較例1-4で用いたピアソンVII関数を用いたこと以外は、実施例2-1と同様にして行った。フィッティング処理した結果を図22に示す。図22中の細線、太線及び破線は、図12と同様である。
図12に示すように、実施例1―1では、隣接する2つのピークの分離度が低いクロマトグラムにおいて、フィッティング処理後のデータの溶出時間及びピーク高さは、生データのものと略一致した。また、フィッティング処理前後で、隣接する2つのピーク形状に大きな差がなかったことから、フィッティング処理により分解した成分のピークは、近似的には、完全分離されたL-A1c及びSt-A1cと見なせることが確認された。一方、図13~図16に示すように、比較例1―1~1-4では、いずれも、フィッティング処理後の、データの溶出時間、ピーク高さ及びデータの隣接する2つのピーク形状は、生データのものから乖離した。よって、フィッティング処理により分解した成分のピークは、完全分離されたL-A1c及びSt-A1cと見なすのは困難であることが確認された。
図18に示すように、実施例2―1では、隣接する2つのピークの分離度が高いクロマトグラムにおいて、フィッティング処理後のデータの溶出時間及びピーク高さは、生データのものとほぼ一致した。また、フィッティング処理前後で、隣接する2つのピーク形状に大きな差がないことから、フィッティング処理により分解した成分のピークは、近似的には、完全分離されたL-A1c及びSt-A1cと見做せることが確認された。一方、図19~図22に示すように、比較例2―1~2-4では、いずれも、フィッティング処理後の、データの溶出時間、ピーク高さ及びデータの隣接する2つのピーク形状は、生データのものから乖離した。よって、フィッティング処理により分解した成分のピークは、完全分離されたL-A1c及びSt-A1cと見なすのは困難であることが確認された。
よって、本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置を用いれば、クロマトグラム内のHbA1cに由来する2つのピークを、L-A1c及びSt-A1cに分解することができるため、分解して得られたSt-A1cの面積比から、HbA1c値を高精度に算出することができる。また、隣接する2つのピークの分離度が低いクロマトグラムであっても、HbA1cに由来する2つのピークを、L-A1c及びSt-A1cに分解することができる。したがって、本実施形態に係るクロマトグラムデータ処理装置は、夾雑物等の影響を受けたクロマトグラムから、St-A1cを分解することができるので、可搬性のある小型な液体クロマトグラフィー装置として有効に用いることができるといえる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本出願は、2019年11月27日に日本国特許庁に出願した特願2019-214450号に基づく優先権を主張するものであり、特願2019-214450号の全内容を本出願に援用する。
1 クロマトグラムデータ処理装置
10 データ処理部
11 クロマトグラム取得部
12 微分データ作成部
13 ピーク解析部
14 ピーク面積比較部
15 フィッティング部
16 判定部
20 入力部
30 出力部
40 表示部

Claims (7)

  1. 測定対象試料に含まれる複数の成分が分離カラムで分離され、分離された前記成分を検出して得られるクロマトグラムにより前記成分を測定するクロマトグラムデータ処理装置であって、
    時間と信号強度とをそれぞれ軸として、複数の前記成分に由来するピークを有する前記クロマトグラムを得るクロマトグラム取得部と、
    前記クロマトグラム内の複数の前記ピークに対して、ガウシアン関数又は指数関数で修飾されたガウシアン関数と、ピアソン関数とを用いて、フィッティング処理を行い、複数の前記ピークを分離するフィッティング部と、
    前記フィッティング処理を行った後の前記クロマトグラムから前記成分を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  2. 測定対象試料に含まれる複数の成分が分離カラムで分離され、分離された前記成分を検出して得られるクロマトグラムにより前記成分を測定するクロマトグラムデータ処理方法であって、
    時間と信号強度とをそれぞれ軸として、複数の前記成分に由来するピークを有する前記クロマトグラムを得るクロマトグラム取得工程と、
    前記クロマトグラム内の複数の前記ピークに対して、ガウシアン関数又は指数関数で修飾されたガウシアン関数と、ピアソン関数とを用いて、フィッティング処理を行い、複数の前記ピークを分解するフィッティング工程と、
    前記フィッティング処理を行った後の前記クロマトグラムから前記成分を判定する判定工程と、
    を含むことを特徴とするクロマトグラムデータ処理方法。
  3. 前記フィッティング工程は、前記クロマトグラムの複数の前記ピークに対して、
    下記式(1):
    Figure 0007216225000008
    (式(1)中、xは溶出時間であり、μはあるピーク(頂点)の溶出時間であり、σは標準偏差であり、A及びa及びbは任意定数であり、ξは形状パラメータである。)
    を用いることを特徴とする請求項2に記載のクロマトグラムデータ処理方法。
  4. 前記クロマトグラムを少なくとも1回微分して、微分データを得る微分データ作成工程を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のクロマトグラムデータ処理方法。
  5. 前記微分データ作成工程で得られた前記微分データから前記クロマトグラムの前記ピークのピーク面積を計算するピーク解析工程と、
    複数の前記ピークを含む時間において、複数の前記ピークのピーク面積を比較して、目的とするピークを判断するピーク面積比較工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載のクロマトグラムデータ処理方法。
  6. 測定対象試料に含まれる複数の成分が分離カラムで分離され、分離された前記成分を検出して得られるクロマトグラムにより前記成分を測定する際にコンピュータに実行させるクロマトグラムデータ処理プログラムであって、
    時間と信号強度とをそれぞれ軸として、複数の前記成分に由来するピークを有する前記クロマトグラムを得るクロマトグラム取得部と、
    前記クロマトグラム内の複数の前記ピークに対して、ガウシアン関数又は指数関数で修飾されたガウシアン関数と、ピアソン関数とを用いて、フィッティング処理を行い、複数の前記ピークを分解するフィッティング部と、
    前記フィッティング処理を行った後の前記クロマトグラムから前記成分を判定する判定部と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするクロマトグラムデータ処理プログラム。
  7. 請求項6に記載のクロマトグラムデータ処理プログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
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