JPH07190979A - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ

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JPH07190979A
JPH07190979A JP33116893A JP33116893A JPH07190979A JP H07190979 A JPH07190979 A JP H07190979A JP 33116893 A JP33116893 A JP 33116893A JP 33116893 A JP33116893 A JP 33116893A JP H07190979 A JPH07190979 A JP H07190979A
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JP
Japan
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oxide
humidity sensor
metal oxide
humidity
hygroscopic
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JP33116893A
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English (en)
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Takashi Ono
敬 小野
Akira Kunimoto
晃 国元
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は湿度センサに関し、高温作動時にお
ける湿度検出感度、及びガス選択性を改善することを目
的とする。 【構成】 200°C以上の高温状態で、連続的に又は
間歇的に作動される湿度センサにおいて、セラミック絶
縁体と、該セラミック絶縁体上に形成された少なくとも
一対の対向電極と、該少なくとも一対の対向電極間に形
成されたガス濃度により電気伝導度が変化する金属酸化
物と、該金属酸化物上に形成された吸収性の酸化物とを
設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸湿性の酸化物に吸着
されたガス濃度により電気伝導度が変化する金属酸化物
を用いた湿度センサ及びその製造方法に関する。従来か
ら大気中の湿度や、各種ガス中の水分を検知するのに多
種多様の検知方式が開発されている。そして、最近では
各種家電機器等に湿度検知手段を取り付けてその機器を
制御している。
【0002】固体素子型の湿度センサは、その検知原理
から抵抗変化(インピーダンス変化)を利用するもの、
周波数変化を利用するもの、熱伝導変化を利用するも
の、及び超音波や赤外線等を利用するものに分類される
が、その中でも、抵抗変化を利用するもの、及び容量変
化を利用するものが、主として用いられている。
【0003】
【従来の技術】前記抵抗変化型や、容量変化型の湿度セ
ンサをその構成材料から分類すると、高分子系センサ
(高分子膜を用いたセンサ)と金属酸化物系センサに大
別される。
【0004】高分子系センサは、抵抗変化型及び容量変
化型のいずれの場合においても雰囲気中の相対湿度を検
知するものであり、その材料特性から0℃以下の低温雰
囲気、又は50℃以上の高温雰囲気の測定には適してい
ない。それは、0℃以下の低温雰囲気では結氷する可能
性があり、又50℃以上の高温雰囲気では高分子膜が変
質する可能性があるからである。一般に、この種の湿度
センサは、非加熱式であるが、高分子系センサでは、使
用雰囲気中の粉塵、油煙等による層表面(高分子膜表
面)のよごれにより出力の変動が見られ易く、長期安定
性が悪い。従って、高分子系センサの使用環境条件には
自ずと制限がある。
【0005】一方、金属酸化物系センサも、又抵抗変化
型及び容量変化型のいずれにおいても、常温で動作され
るものが広く用いられている。この種のセンサも、上述
した高分子系センサと同様に使用環境条件に制約があ
り、又使用雰囲気中の粉塵、油煙等による素子表面の汚
れにより出力の変動が見られ易いという欠点がある。こ
の後者の欠点を解決するための手段として構成材料(金
属酸化物)の耐熱性を利用して素子を一時的に400〜
500℃に加熱して素子(金属酸化物)表面の汚れを焼
飛ばしてしまういわゆるリフレッシュ機構を備えた形式
のセンサも開発されている。
【0006】しかしながら、このリフレッシュ機構を作
動させて一時的に素子を加熱すると、リフレッシング中
及びリフレッシング後の暫くの間(再び初期安定レベル
に復旧するまでの間)、湿度センサとして機能せず、そ
の間の湿度検知は行えない。尚、金属酸化物センサにお
いては、金属酸化物の低温における大きな吸着能を利用
し、水分の吸脱着に伴う抵抗変化を測定して湿度を検知
するように構成されたものが広く利用されている。
【0007】以上述べた常温作動型のセンサ(リフレッ
シュ機構を備えたセンサも含む)が有する欠点(使用環
境温度範囲の狭さや長期安定性に劣ること)を解決しよ
うとしたものとして、高温作動型の金属酸化物センサが
開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高温域での金
属酸化物の湿度に対する抵抗値の変化量は、常温作動型
のセンサに比べて著しく小さくなる。これは低温域と高
温域における湿度検知メカニズムの違いによるものと考
えられる〔低温域(常温を含む。)では、ファンデール
ワールス力による物理吸着による抵抗変化が支配的であ
るのに対して、高温域では、吸湿性の高い金属酸化物A
とその水和物Bとの間で次の化学式
【0009】
【化1】 で示される可逆的な化学吸着反応による抵抗変化が支配
的であるという検知メカニズムの違いにあると考えられ
る〕。
【0010】このように、高温作動型の湿度センサは、
常温作動型に比べて抵抗変化量は少ない。そのため、湿
度センサを構成する感湿体は水分に対する吸湿能が大き
い材料にする必要がある。その感湿体としては、アルカ
リ土類金属酸化物系、吸湿性の酸化物の材料を用いるこ
とが必要となる。
【0011】酸化物系の材料を感湿体(高温作動型で
は、Zr O2 系酸化物が一般に用いられている。)とし
て用いた場合に、電極構造は感湿体を上下から鋏み込む
サンドイッチ構造、又は積層型構造が一般的である。こ
の構造は、電極面積を大きくすることができるため、感
湿体が比抵抗の高い酸化物材料であっても水分吸着によ
る抵抗変化を検知することができる素子抵抗が得られる
からである。逆に、対向電極型のように感湿体の面内方
向の抵抗検知では素子抵抗が大き過ぎて検出が不可能と
なる。
【0012】一方、薄膜で積層電極構造にする場合に
は、一般的にはスパッタリング法等が用いられる。しか
しながら、スパッタリング法を用いて電極を形成した場
合、バルクタイプに比べて電極の多孔度が小さいため、
感湿体に雰囲気中の水分が到着し難く、良好な湿度感度
が得られ難い。又、応答も遅くなる等の問題がある。
又、薄膜におけるセンサ素子の電極構造としては、対向
電極型が広く用いられている。この対向電極型構造によ
ると、感応膜は、雰囲気中に直接晒されるために検知し
易い。しかしながら、対向電極の上に感湿抵抗体として
比抵抗の高い酸化物系材料を直接形成した場合に高抵抗
化してしまい、小型化の観点から好ましくない。又、干
渉ガス特性を考えると、直接雰囲気ガスに触れるので、
他ガスに感じてしまう場合が多い。
【0013】これらのことから、高温作動型湿度センサ
では、サンドイッチ構造、又は積層構造にせざるを得な
い。そのため、湿度センサの製造コストが高くなり、歩
留り、再現性が悪い等の大きな問題がある。本発明は、
斯かる技術的課題に鑑みて創作されたもので、高温作動
時においても湿度感度、及びガス選択性が良好な湿度セ
ンサを提供することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
200℃以上の高温状態で、連続的に又は間歇的に作動
される湿度センサにおいて、セラミック絶縁体と、該セ
ラミック絶縁体上に形成された少なくとも一対の対向電
極と、該少なくとも一対の対向電極間に形成され、ガス
濃度により電気伝導度が変化する金属酸化物と、該金属
酸化物上に形成された吸湿性の酸化物とを設けて構成し
たものである。
【0015】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
湿度センサにおいて、セラミック絶縁体を基板状に形成
し、一対の対向電極と、金属酸化物と、吸湿性の酸化物
とを薄膜で形成したものである。請求項3に係る発明
は、請求項1に記載の湿度センサにおいて、吸湿性の酸
化物をアルカリ土類金属酸化物、P25 、ThO2 、C
r23 、V25のうちの少なくとも一種類以上で形成し
たものである。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項1に記載の
湿度センサにおいて、金属酸化物をZnO、SnO2、Ti
2、In23のうちの少なくとも一種類以上で形成した
ものである。
【0017】請求項5に係る発明は、セラミック絶縁体
上に少なくとも一対の対向電極を形成し、該少なくとも
一対の対向電極間にガス濃度により電気伝導度が変化す
る金属酸化物を形成し、該金属酸化物上に吸湿性の酸化
物を形成したものである。
【0018】
【作用】請求項1に係る発明は、セラミック基板上に少
なくとも一対の対向電極、金属酸化物、及び吸湿性の酸
化物を順次に形成して湿度センサを構成したので、抵抗
が低く、且つ200℃以上の高温で動作させた場合にお
いても、湿度検出感度、及びガス選択性の良好な湿度セ
ンサを得ることができる。
【0019】請求項2に係る発明は、セラミック絶縁体
を基板状に形成し、一対の対向電極と、金属酸化物と、
吸湿性の酸化物とを薄膜で形成したから、センサ自体の
体積が小さくなり、熱容量が小さくなる。従って、ヒー
タの小容量化、消費電力の低減が達成される。又、出力
の安定化時間及び反応時間が速くなる。請求項3に係る
発明は、請求項1記載の湿度センサ素子において、該吸
湿性の酸化物をアルカリ土類金属の酸化物や、P
25 、ThO2 、Cr23 、V25の中の少なくとも
一種類以上からなることを特徴とし、請求項1と同様の
効果が得られる。
【0020】請求項4に係る発明は、請求項1記載の湿
度センサ素子において、該金属酸化物をZnO、Sn
2 、TiO2 、In23 の中の少なくとも一種類以上
からなることを特徴とし、請求項1と同様の効果が得ら
れる。請求項5に係る発明は、セラミック基板上に少な
くとも1対の対向電極を形成し、該少なくとも1対の対
向電極上に金属酸化物を形成し、該金属酸化物上に吸湿
性の酸化物を形成して製造される湿度センサは、請求項
1と同様の効果が得られる。
【0021】
【実施例】請求項1乃至請求項4に係る発明の一実施例
を説明する。この実施例の湿度センサの構造を図1に示
す。その湿度センサは、セラミック絶縁基板10(請求
項1乃至請求項4に記載のセラミック絶縁体に対応す
る。)の片面上に薄膜状の櫛型対向電極12(請求項1
乃至請求項4に記載の一対の対向電極に対応する。)、
ガス吸着により電気抵抗値に変化が生ずる酸化物半導体
層14(請求項1乃至請求項4に記載の金属酸化物に対
応する。)、そしてアルカリ土類金属元素の酸化物又は
吸着性の酸化物から成る感湿層16(請求項1乃至請求
項4に記載の吸湿性の酸化物に対応する。)を順次に積
層形成されて成る一方、前記セラミック絶縁基板10の
他面上に薄膜状ヒータ18を形成して成る。酸化物半導
体層14は、薄膜状の櫛型対向電極12の少なくとも櫛
型対向電極12間に形成される。ここで、「酸化物半導
体層14が、薄膜状の櫛型対向電極12の少なくとも櫛
型対向電極12間に形成される」とは、酸化物半導体層
14の櫛型対向電極12間への形成のほか、櫛型対向電
極12間及び櫛型対向電極12上方への形成、又は櫛型
対向電極12を完全に包み込む態様(図1参照)での形
成も含むことを意味している。
【0022】セラミック絶縁基板10の片面上に形成さ
れる薄膜状の櫛型対向電極12は、Pt、Au、RuO
2 等の薄膜であり、その形成は、スパッタリング、CV
D、イオンプレーティング等による。又、スクリーン印
刷等により形成してもよい。薄膜状の櫛型対向電極12
上に形成される酸化物半導体層14は、ZnO、Sn
2 、TiO2 、In23 等の層であり、この形成も、
スパッタリング、CVD、イオンプレーティング等によ
る。ZnO、SnO2 、TiO2 、In23等は、単一の材
料であってもよく、又はそれらの材料の内の1つの材料
に他の材料を混合してもよいし、若しくは1つの材料に
他の材料を添加してもよい。
【0023】酸化物半導体層14上に形成される感湿層
16は、MgO、P25 、CaO、ThO2 、Cr
23 、V25 等の層である。この形成も、スパッタリ
ング、CVD、イオンプレーティング等による。又、感
湿層の形成は、溶液状のものを酸化物半導体層14上に
塗布し、焼成してもよいし、スクリーン印刷等により形
成してもよい。MgO、P25 、CaO、ThO2 、C
r23 、V25 等は、単一の材料であってもよく、又
はそれらの材料の内の1つの材料に他の材料を混合して
もよいし、若しくは1つの材料に他の材料を添加しても
よい。そして、前記セラミック絶縁基板10の他面上に
形成される薄膜状ヒータ18は、Pt 等の層である。そ
の形成は、スパッタリング法等による。
【0024】又、湿度センサは、バルク構造で形成され
てもよい。バルク構造の湿度センサに対する薄膜構造の
湿度センサの利点は、センサ自体の体積が小さくなるた
め熱容量が小さくなる。従って、ヒータの発熱量がバル
ク型に比べて小さくて済むことから、ヒータの消費電力
を小さくすることができる。又、素子の加熱が容易であ
り、電源投入から素子が動作温度に到達し安定測定が可
能となるまでの時間を短縮でき、素子全体の温度分布も
バルク型に比べて均一である。
【0025】その他に、金属酸化物の抵抗変化は、H2
Oの金属酸化物表面への吸着、つまり表面での反応であ
ることから、素子を薄膜構造とすることでバルク型のも
のより反応速度が速くなる。又、酸化物半導体層14の
比抵抗ρ1 は吸湿性の酸化物16の比抵抗ρ2 よりかな
り小さい(ρ1 ≪ρ2 )ことが必要である。一般に、或
る材料の断面積Sが一様で、長さがlで、比抵抗がρで
あるとすると、その材料の抵抗Rは、(l/S)×ρで
表される。従って、ρ1 ≪ρ2 でないと、吸湿性の酸化
物16の抵抗変化の影響が酸化物半導体層14の抵抗変
化に現れてしまうので、前記ρ1 ≪ρ 2 であることが必
要になる。
【0026】次に、前記薄膜構造の湿度センサの製造方
法を説明する。 実施例1乃至実施例10 ドクターブレード法により作製された縦4 mm×横4 mm×
厚さ0.2mm のアルミナ基板の一方の片面上に厚さ2000オ
ングストロームのPt 薄膜櫛形電極を高周波マグネトロ
ンスパッタリング法により形成する。前記アルミナ基板
の他方の片面上に厚さ4000オングストロームのPt 薄膜
ヒータを高周波マグネトロンスパッタリング法により形
成する。
【0027】次いで、Pt 薄膜櫛形電極上に2000オング
ストロームのZnO層及び5000オングストロームのMgO
層を高周波マグネトロンスパッタリング法により順次に
形成する。そして、ZnO層及びMgO層中の酸素欠損の
補完及び膜歪みの除去の目的で、形成された積層体(ア
ルミナ基板、Pt 薄膜ヒータ、Pt 薄膜櫛形電極、Zn
O層、及びMgO層から成る積層体)を大気中で600
℃で2時間加熱して積層体を得る。
【0028】こうして出来上がった積層体のPt 薄膜櫛
形電極及びPt 薄膜ヒータにリード線を取り付けて湿度
センサを製造した。その製造に際して、前記高周波マグ
ネトロンスパッタリング法で前記各電極及び層を形成す
るスパッタリング電力を50〜500Wの範囲で50W
だけ変えて湿度センサを製造した。この50Wずつ異な
るスパッタリング電力で製造した湿度センサの各々をそ
れぞれ実施例1〜実施例10として以下説明する。
【0029】前記実施例1〜実施例10の各湿度センサ
について、図2に示す回路(2電源回路方式)の中に湿
度センサを置いた状態において、湿度センサを予め決め
られた雰囲気中でMgO成膜電力と湿度検出感度Sとの
関係を調べた。湿度センサで11した湿度は、図2中の
抵抗RL に掛かる電圧を直接利用してもよいし、次式 ΔVRL=EC {RL /( Rg +RL ) −RL /( Ra
L ) } を用いてもよい。上式中のEC は電極電圧、RL は参照
抵抗、Ra は酸化物半導体層12が標準的なガスに晒さ
れた場合の酸化物半導体層12の抵抗値、Rg は酸化物
半導体層12が標準的なガスに或るガスを混入したガス
に晒された場合の酸化物半導体層12の抵抗値である。
図2中のRh は、ヒータ抵抗値である。
【0030】前記測定結果を図3に示す。この測定にお
いては、湿度センサの動作温度を300℃とした。図3
中に示す湿度検出感度Sは、周囲温度25℃、相対湿度
15%におけるZnO層14の抵抗値をR1とし、周囲温
度25℃、相対湿度85%におけるZnO層14の抵抗
値をR2として次式により算出した。
【0031】S=R1 /R2 図3より、MgO成膜電力が150W以上のとき良好な
湿度検出感度が得られることが判る。
【0032】図4に前記実施例1〜実施例10の湿度セ
ンサの各々について、周囲温度が25℃で、相対湿度が
15%のときの湿度センサの抵抗値を示す。図4から湿
度センサの抵抗値は、MgOの成膜電力に依存しないこ
とが判る。
【0033】又、前記実施例1〜実施例10の湿度セン
サの各々について、干渉ガス特性を調べた。その結果を
表1に示す。表1の中のH2Sの干渉ガス感度は1ppm
がその単位であり、その他は1000ppm がその単位で
ある。
【0034】
【表1】 この表1に示す干渉ガス感度Kは、周囲温度25℃、相
対湿度15%におけるZnO層14の抵抗値をR3とし、
1を測定した標準ガス(周囲温度25℃、相対湿度1
5%)に干渉ガスを混入した混合ガスにZnO層14が
晒された場合のZnO層14の抵抗値をR4として次式に
より算出した。
【0035】K=R3 /R4 MgO成膜電力が300W(実施例6)までは良好なガ
ス選択性を示すが、301W以上になると、C25OH
の感度が増大してしまう。
【0036】以上より、MgO成膜電力は150〜30
0Wで良好な湿度検出感度、及びガス選択性が得られ
た。そして、実施例5の湿度センサについて、ヒータの
動作温度を200℃乃至600℃の範囲で50℃ずつ動
作温度をずらせた場合の動作温度に対する湿度検出感
度、動作温度に対する応答時間特性、及び動作温度に対
する干渉ガス特性を測定した。
【0037】湿度センサの動作温度に対する湿度検出感
度の結果を図5に示す。図5から動作温度200℃乃至
500℃のときに良好な湿度検出感度が得られ、特に動
作温度が300℃乃至400℃のときにより良好な湿度
検出感度が得られた。
【0038】湿度センサの動作温度に対する90%応答
時間特性(T90)の結果を図6に示す。応答時間特性T
90は、300℃未満では遅いが、300℃以上では速く
なり、特に350℃以上で良好な応答特性が得られた。
湿度センサの動作温度に対する干渉ガス特性の結果を表
2に示す。表2の中のH2Sの干渉ガス感度は1ppm が
その単位であり、その他は1000ppm がその単位であ
る。
【0039】
【表2】 この表2から判るように、500℃まではC25OHの
感度もあまり大きくなく、良好なガス選択性を示すが、
500℃以上ではC25OHの感度が大きくなってしま
う。これはMgO層へのC25OHの吸着が活性化され
るからである。
【0040】以上より、ヒータの動作温度は300℃乃
至500℃の範囲で湿度検出感度、応答時間、及びガス
選択性が良好であることが判る。 実施例11乃至実施例21 ドクターブレード法により作製された縦4 mm×横4 mm×
厚さ0.2mm のアルミナ基板の一方の片面上に厚さ2000オ
ングストロームのPt 薄膜櫛形電極を高周波マグネトロ
ンスパッタリング法により形成した。前記アルミナ基板
の他方の片面上に厚さ4000オングストロームのPt 薄膜
ヒータを高周波マグネトロンスパッタリング法により形
成する。
【0041】次いで、Pt 薄膜櫛形電極上に2000オング
ストロームのZnO層を高周波マグネトロンスパッタリ
ング法により形成する。そして、ZnO層上に亜リン酸
トリエチル溶液を塗布して乾燥する。その積層体(アル
ミナ基板、Pt 薄膜ヒータ、Pt 薄膜櫛形電極、ZnO
層、及び塗布された亜リン酸トリエチル溶液層)を大気
中で600℃で2時間加熱して積層体を得る。
【0042】こうして出来上がった積層体のPt 薄膜櫛
形電極及びPt 薄膜ヒータにリード線を取り付けて湿度
センサを製造した。この湿度センサの製造に際して、Z
nO層上に塗布される亜リン酸トリエチル溶液の濃度と
して、0.001 %乃至30%の範囲において、0.001 %か
ら始めて次の1桁濃度が上がる毎の濃度と、各濃度間の
中間の濃度とを測定対象の濃度とするようにして10%
まで順次に濃度を増やし、10%以上には20%及び3
0%の濃度を測定対象濃度として選んで実施例11乃至
実施例21とした。
【0043】このようにして得られた実施例11乃至実
施例21の湿度センサの各々についての亜リン酸トリエ
チル溶液濃度に対する湿度検出感度の特性を実施例1乃
至実施例10で用いた測定回路と同一の測定回路を用い
て測定した。その結果を図7に示す。亜リン酸トリエチ
ル溶液濃度を0.001 %乃至10%の範囲で良好な湿度検
出感度が得られたが、10%以上になると、湿度検出感
度は低下した。
【0044】更に、前述のようにして得られた実施例1
1乃至実施例21の湿度センサの各々についての亜リン
酸トリエチル溶液濃度に対する干渉ガス特性を測定し
た。その結果を表3に示す。表3の中のH2Sの干渉ガ
ス感度は1ppm がその単位であり、その他は1000pp
m がその単位である。
【0045】
【表3】 0.05%以上のとき良好なガス選択性を示すが、0.05%未
満のときはC25OHに対する感度か大きくなってしま
い、良好なガス選択性が得られない。又、10%以上の
ときは、形成されるP25 層が厚くなり過ぎるために
湿度検出感度が得られない。
【0046】以上述べたところから、亜リン酸トリエチ
ル溶液濃度が0.05%乃至10%の範囲において、良好な
湿度検出感度及びガス選択性が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ラミック絶縁基板上に少なくとも一対の対向電極、ガス
吸着により電気抵抗が変化する金属酸化物、そして吸湿
性の酸化物を順次に形成して構成したので、抵抗が低
く、且つ200℃以上の高温で動作させた場合において
も、良好な湿度検出感度、ガス選択性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項5に係る発明の湿度センサ
の断面図である。
【図2】湿度センサの湿度を測定するための測定回路を
示す図である。
【図3】MgO成膜電力対湿度検出感度特性を示す図で
ある。
【図4】MgO成膜電力対湿度センサ抵抗値特性を示す
図である。
【図5】湿度センサ動作温度対湿度検出感度特性を示す
図である。
【図6】湿度センサ動作温度対応答時間特性を示す図で
ある。
【図7】亜リン酸トリエチル濃度対湿度検出感度特性を
示す図である。
【符号の説明】
10 セラミック絶縁基板 12 櫛型対向電極 14 酸化物半導体層 16 感湿層 18 薄膜状ヒータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃以上の高温状態で、連続的に又
    は間歇的に作動される湿度センサにおいて、 セラミック絶縁体と、 該セラミック絶縁体上に形成された少なくとも一対の対
    向電極と、 該少なくとも一対の対向電極間に形成され、ガス濃度に
    より電気伝導度が変化する金属酸化物と、 該金属酸化物上に形成された吸湿性の酸化物とを設けた
    ことを特徴とする湿度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の湿度センサにおいて、 セラミック絶縁体は基板状に形成され、一対の対向電極
    と、金属酸化物と、吸湿性の酸化物とは薄膜で形成され
    たことを特徴とする湿度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の湿度センサにおいて、 吸湿性の酸化物は、アルカリ土類金属酸化物、P
    25 、ThO2、Cr23、V25 のうちの少なくとも
    一種類以上で形成されたことを特徴とする湿度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の湿度センサにおいて、 該金属酸化物は、ZnO、SnO2、TiO2、In23のう
    ちの少なくとも一種類以上で形成されたことを特徴とす
    る湿度センサ。
  5. 【請求項5】 200℃以上の高温状態で作動される湿
    度センサの製造方法において、 セラミック絶縁体上に少なくとも一対の対向電極を形成
    し、 該少なくとも一対の対向電極間にガス濃度により電気伝
    導度が変化する金属酸化物を形成し、 該金属酸化物上に吸湿性の酸化物を形成することを特徴
    とする湿度センサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100791812B1 (ko) * 2006-07-03 2008-01-04 한국과학기술연구원 산화주석 나노선 가스센서 및 그 제조방법
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