JPH0719094U - 側舷開口を有する一般貨物船の設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 貨物が同一の搬送システムを使用してただ一
度の連続的な搬送操作により取扱うことができる側舷開
口を有する一般貨物船の設備を提供する。 【構成】 側舷開口３４，３５と、共通の遮蔽搬送室３
３を有し、船倉１１ａ〜１１ｆより長い連続的な上部構
造２５と、側舷開口３４，３５を介して船体の内外、船
首尾方向、横方向に貨物５９を搬送する搬送設備３６，
３７とを備え、前記搬送装備３６，３７は、船首尾方向
に通る第１のレール３８，３９によって船首尾方向に走
行する第１の搬送手段４１を支持し、第１の搬送手段４
１は横方向に走行する第２の搬送手段４８を支持する第
２のレール４５，４６を有し、第２の搬送手段４８は側
舷開口３４、３５を通じて船体に突出することでき、第
３の搬送手段５３を支持する第３の横方向搬送レール５
５、５６を備え、第３の搬送手段５３は貨物５９を昇降
するホイスト５８を備えるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は船体の設備に係り、特に一般貨物船において船体の内外に貨物を搬送 することのできる側舷開口を有する一般貨物船の設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】

側舷開口を介しての貨物の積み卸しについては従来、幾つかの連続操作により 貨物を取扱うことができるようになっており、たとえば埠頭上にあるフォークリ フトトラックにより貨物を船内に搬送するために別々に設けられたホイスト手段 により取扱ったり、船体内の一部ではフォークリフトトラックにより他の船体内 の部分では他の搬送手段により搬送できるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の側舷開口を有する一般貨物船の設備では、貨物はあ る搬送手段から他の搬送手段への積み替え状態におかれなければならず、またあ らゆる種類の装置により把持されたり、取扱われたりされ、その結果、船体と埠 頭間の搬送移動の間に不必要な損害にさらされる可能性があるという問題がある 。

【０００４】 本願考案の目的は上記貨物が同一の搬送システムを使用してただ一度の連続的 な搬送操作により取扱うことができるような設備を提供することにある。

【０００５】 さらに本考案の目的を明瞭にすると専ら直線運動により正確に制御された方法 で、ただ１個の同一の搬送機構により上記貨物を埠頭から船内の所定位置にある いは船内の所定位置から直接埠頭上の所定位置に移動させることにある。

【０００６】 特に上記目的は積込み時に上記貨物を設定された制御プログラムに従って船倉 内の所定位置に正確に載置することができるようにすること及び貨物を卸す際に 、荷卸し位置に直接あらかじめ設定された手順により荷卸しするために船倉内の 同一の所定位置から再び取って来ることができるように貨物を取り扱うできるよ うにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案による上記設備は、船の内外に対して部分的に形成された１個のあるい は複数個の側舷開口を介して船倉の上方を所定の距離をあけて船首尾方向あるい は横方向に貨物を伴う搬送設備の移動を許すような共通の遮蔽搬送空間を形成す るように船体が上方が開口し船首尾方向に列をなし、最大のハッチ開口を有する 船倉より長い連続的な長さの上部構造を備えた一般貨物船の設備において、 上記設備は上記上部構造の下側において船首尾方向に走行する第１の搬送手段 を支持するための船首尾方向に通る第１のレールが固着され、この第１の搬送手 段には横方向に走行する第２の搬送手段を支持するための横方向に通る第２のレ ールが備えられ、この第２のレールは上記上部構造内の位置から関連する側舷開 口を通じて船体の外部に部分的に突出した位置まで移動できるとともに、第３の 搬送手段を支持するための第３の横方向搬送レールが備えられ、この第３の横方 向搬送レールは第２の搬送手段の内側位置から外側位置へ移動でき、上記第３の 搬送手段に対して貨物を昇降するためのホイストが設けられていることを特徴と するものである。

【０００８】 また、本考案による上記設備は、第１の搬送レールが第１の搬送手段がレール 間を距離をあけて移動可能に上記上部構造の外側に横向きに配置され、上記第１ と第２の搬送手段と第２の搬送レールとがそれ自体が横方向に伸縮自在な積み卸 し設備を形成し、第３の搬送手段はそれ自体が第３の搬送レールに沿って移動可 能な横行ウィンチとして形成されていることを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

上述の搬送システムによれば貨物の簡単で、直線的な運動が、貨物を丁寧かつ 正確に取扱うように搬送手段とホイストとの単純な経路の運動により決定された 搬送手段とホイストとにより順次制御され、保証され得るようになっている。

【００１０】

【実施例】

図１には数個（６個）の相互に分離された船倉を有する一般貨物船１０が示さ れている。この船倉１１ａ〜１１ｆは船首尾方向に連設されており、各船倉は一 組の隔たった横断区画隔壁１２、１３と中間形成隔室１４とにより分離されてい る。実施例に示された各船倉には船倉の縦方向及び横方向に広がる貨物ハッチ開 口が形成されている。各船倉は２個の離れて配置された区画隔壁１２、１３の間 に船首尾方向に形成されており、横方向は２個の側方隔壁１６、１７で形成され ている。そしてこれらは船舶の側舷１８、１９内の距離に配置されている。船倉 は所定の深さを有しており、船体の底部２１の上方に配置された内側底部２０か ら船体の中間甲板２３と呼ばれる主甲板の上方位置に突出するようなハッチ縁材 ２２まで延設されている。上記ハッチ縁材２２の上方には着脱自在なフェンス２ ４が示されており、このフェンスは上記ハッチ上縁材の上方に突き出した貨物を 覆うようになっている。甲板２２の上方には突出するように上部構造２５（図３ を見よ）は船体の縦方向の寸法のほとんどの部分を覆うような、さらに詳しく説 明すると上記上部構造は側舷２６、２７を有し、この側舷は船体の側舷１８、１ ９と一直線をなすように延設されており、また前方隔壁２８（図１を見よ）を船 体の前部に有し、後方隔壁２９を船体の後部に有する。さらに後部隔壁２９は従 来の船体構造３０のリーディングエッジとなっている。上記上部構造の頂部には 覆い甲板３１が設けられるとともに、この甲板３１の後端部において艦橋構造３ ２が設けられている。上記上部構造２５により巨大で連続的で共通する搬送室３ ３（図３を見よ）が船倉列の上部に形成されている。搬送室には効果的な搬送設 備のための各種の移動の可能性が備えられており、すなわち船体内において貨物 を移動するための数種の協働的な搬送設備が形成されており、上記上部構造は同 時に上記船倉の効果的な覆いまたは遮蔽を形成するようになっている。上記上部 構造の一方の側２６に示された２個の側舷開口部３４、３５により（図示されて いないが、同様の側舷開口を上記上部構造の反対側にも設けることができる）貨 物は船体の内方または外方に向けて船体内に備えられた移動機構により所定の運 動によって搬送することができる。それぞれの側舷開口３４、３５を介して操作 できるような２個の別々の搬送装置３６、３７が示されている（図１及び図２） 。

【００１１】 上記搬送設備は図４〜図７に示したように第１の船首尾方向の搬送レール３８ 、３９（図３に示されたように）がそれぞれ甲板３１の下に堅固に固定された上 部構造２５の側舷２６、２７の一方に固着されている。上記レールは両方の搬送 設備に対して共通であることが好ましく、このため上記搬送設備の各々は必要な 場合には搬送設備を保持するための所定の動作パターンにおいてオーバーラップ することもできる。各搬送設備において、レール３８、３９上には横走行車輪４ ０により第１の搬送手段すなわちキャリッジ４１が支持されており、この搬送手 段はラック手段と駆動歯車の装着された駆動モータとにより長手方向に移動でき るようになっている（詳細は示さず）。

【００１２】 上記キャリッジ４１上には他の組の横方向搬送レール４５、４６が固定されて いる。このレール４５、４６上には横走行車輪４７により第２の搬送手段すなわ ちキャリッジ４８が支持されており、このキャリッジ４８は上記キャリッジ４１ とともに伸縮自在に移動可能な搬送設備を形成している。上記キャリッジ上のラ ック４９と駆動歯車とが備えられた駆動モータにより上記モータはキャリッジ４ １に対して軸方向に移動できるとともにこの状態において側舷開口３４（３５） を介して船体の外側にまでこの経路を移動させることができる。

【００１３】 上記キャリッジ４１とキャリッジ４８とは上下方向に互いに配置されており、 図５に示したように中間室５２を有する環状の下部構造として別々に設計されて いる。上記中空の中間室５２内には第３の搬送手段として横移動ウィンチ５３が 移動可能に設けられている。また、横走行車輪５４すなわち横移動ウィンチ５４ がキャリッジ４８上の第３の走行レール５５、５６上に支持されている。

【００１４】 上記横移動ウィンチ５３上にはホイスト設備５７が固着されており、ホイスト ５８により貨物５９を昇降させて埠頭６１上にある貨物トラック６０から直接船 倉内の所定位置に積み込んだり積み出したりすることができる。

【００１５】 図２には貨物の積み卸し位置から離れた位置のトラック６０′と船体の側舷開 口にそれぞれ一致する貨物の積み卸し位置の下方にある２台のトラック６０とが 示されている。また、上記貨物の積み卸し位置の上方で屋根を構成するように上 方及び外側に回動される接続された側舷３４ａ、３５ａが示されている。

【００１６】 図３には貨物を携えた横移動ウィンチ５３の４つの異なる位置が示されており 、すなわち第１の位置は船体の側部１８の外側位置であり、このとき船体の外側 部分に部分的に伸縮装置が押し出されるとともに、横移動ウィンチ５３が接続さ れている第２のキャリッジ４８が外位置にある状態であり、第２の位置は伸縮装 置が船体の内側に押し込まれた状態で、このとき上記横移動ウィンチは第１の位 置と同じ位置にあり、第３の位置は上記第２のキャリッジ４８の中央位置まで上 記横移動ウィンチを移動させた状態であり、第４の位置は上記第２のキャリッジ において第２の外側位置に対して第２の横移動ウィンチを移動させた状態である 。

【００１７】 あらかじめ確立された制御プログラムに従って完全な貨物の取扱いを考慮した コンピュータ制御により上記ホイスト５８と、横移動ウィンチ５３と上記２個の キャリッジ４１、４８を正確に制御された状態で所定の積込み積卸し位置に直接 移動させることが可能である。

【００１８】

【考案の効果】

上記説明から明らかなように、本考案の側舷開口を有する一般貨物船の設備に よれば、一つの搬送設備によって貨物を持ち上げ、搬送し、下ろすことができ、 搬送途中で貨物をある搬送手段から他の搬送手段に受け渡すことがないので、貨 物を安全に積み込み、あるいは積み下ろしすることができる。

【００１９】 また、本考案の設備は、船首・船尾の方向に走行する第一の搬送手段と、横方 向に伸長する第二の搬送手段と、第二の搬送手段に沿って走行する第三の搬送手 段とを有しているので、同一の搬送機構により上記貨物を埠頭から船内の所定位 置にあるいは船内の所定位置から直接埠頭上の所定位置に移動させることができ る。また、上記構成により、簡単な制御プログラムによって、船倉内の所定位置 に正確に載置することができるようにすること、及び貨物を卸す際に、荷卸し位 置に直接あらかじめ設定された手順により荷卸しするために船倉内の同一の所定 位置から再び取って来ることができる側舷開口を有する一般貨物船の設備を提供 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による設備を備えた船体の側面図。

【図２】図１に示した船体の平面図。

【図３】図１の３−３断面線に沿った横断面図。

【図４】伸縮部分を分解して示した搬送手段の側面図。

【図５】図４の搬送手段の位置における断面を示した平
面図。

【図６】伸縮部分を押し出した状態を示した図４と同じ
方向に見た側面図。

【図７】図５の端部正面図。

【符号の説明】

１０ 船舶 １１ 船倉 １８ 上部構造の外側 １９ 上部構造の外側 ２５ 上部構造 ３３ 遮蔽搬送室 ３４ 側舷開口 ３５ 側舷開口 ３６ 搬送設備 ３７ 搬送設備 ３８ 第１のレール ３９ 第１のレール ４１ 第１の搬送手段 ４５ 第２のレール ４６ 第２のレール ４８ 第２の搬送手段 ５３ 第３の搬送手段 ５５ 第３の横方向搬送レール ５６ 第３の横方向搬送レール ５８ ホイスト ５９ 貨物

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】船体の内外に貨物（５９）を搬送すること
   のできる側舷開口（３４，３５）を有し、船舶（１０）
   の内外に対して部分的に形成された１個のあるいは複数
   個の側舷開口を介して船倉の上方を所定の距離をあけて
   船首尾方向あるいは横方向に貨物（５９）を伴う搬送設
   備（３６，３７）の移動を許すような共通の遮蔽搬送室
   （３３）を形成するように船体が上方が開口し船首尾方
   向に列をなし、最大のハッチ開口を有する船倉（１１ａ
   〜１１ｆ）より長い連続的な長さの上部構造（２５）を
   備えた側舷開口を有する一般貨物船の設備において、 上記船首尾方向に通る第１のレール（３８，３９）は、
   上部構造の下側に船首尾方向に走行する第１の搬送手段
   （４１）を支持するために固着され、この第１の搬送手
   段（４１）には横方向に走行する第２の搬送手段（４
   ８）を支持するための横方向に通る第２のレール（４
   ５，４６）が備えられ、この第２のレールは上記上部構
   造（２５）内の位置から関連する側舷開口（３４、３
   ５）を通じて船体の外部に部分的に突出した位置まで移
   動でき、第２の搬送手段（４８）には第３の搬送手段
   （５３）を支持するための第３の横方向搬送レール（５
   ５、５６）が備えられ、この第３の横方向搬送レールは
   第２の搬送手段（４８）の内側位置から外側位置へ移動
   でき、上記第３の搬送手段（５３）に対して貨物（５
   ９）を昇降するためのホイスト（５８）が設けられてい
   ることを特徴とする側舷開口を有する一般貨物船の設
   備。
2. 【請求項２】第１の搬送レールは第１の搬送手段（４
   １）がレール間を距離をあけて移動可能に上記上部構造
   の外側（１８，１９）に横向きに配置され、上記第１
   （４１）と第２（４８）の搬送手段と第２の搬送レール
   とがそれ自体が横方向に伸縮自在な積み卸し設備を形成
   し、第３の搬送手段はそれ自体が第３の搬送レールに沿
   って移動可能な横行ウィンチ（５３）として形成されて
   いることを特徴とする請求項１に記載の側舷開口を有す
   る一般貨物船の設備。