JPH07190702A - カムシャフトの検査方法および検査装置 - Google Patents
カムシャフトの検査方法および検査装置Info
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- JPH07190702A JPH07190702A JP35028093A JP35028093A JPH07190702A JP H07190702 A JPH07190702 A JP H07190702A JP 35028093 A JP35028093 A JP 35028093A JP 35028093 A JP35028093 A JP 35028093A JP H07190702 A JPH07190702 A JP H07190702A
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- camshaft
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- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/46—Component parts, details, or accessories, not provided for in preceding subgroups
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 複数の同一形状かつ同一位相のカムを有する
カムシャフトの検査において、過大な検査設備を要する
ことなく、短時間にカム面の形状および位相のズレ並び
にカムの基円部半径の寸法精度等を同時に正確に検出す
ることを目的とする。 【構成】 カムシャフトXのカムZの周面に当接する倣
いローラ6を測定ヘッド取付台4に固定金具7を介して
一体に取り付け、カムZ’の周面に当接する変位量測定
子10を上記取付台4に一体に取り付けたマグネスケー
ル8にカム軸Yに垂直方向に摺動自在に内装し、かつ固
定位置に設けた基準金14’に当接する基円半径測定子
11を上記取付台4に一体に取り付けたマグネスケール
9に摺動自在に内装したうえで、カムシャフトXを回転
させたときの変位量測定子10と基円半径測定子11の
各マグネスケール8,9に対する相対移動量をコントロ
ーラ12が所定値と比較してカムZ,Z’の加工仕上が
り状態を検査する。
カムシャフトの検査において、過大な検査設備を要する
ことなく、短時間にカム面の形状および位相のズレ並び
にカムの基円部半径の寸法精度等を同時に正確に検出す
ることを目的とする。 【構成】 カムシャフトXのカムZの周面に当接する倣
いローラ6を測定ヘッド取付台4に固定金具7を介して
一体に取り付け、カムZ’の周面に当接する変位量測定
子10を上記取付台4に一体に取り付けたマグネスケー
ル8にカム軸Yに垂直方向に摺動自在に内装し、かつ固
定位置に設けた基準金14’に当接する基円半径測定子
11を上記取付台4に一体に取り付けたマグネスケール
9に摺動自在に内装したうえで、カムシャフトXを回転
させたときの変位量測定子10と基円半径測定子11の
各マグネスケール8,9に対する相対移動量をコントロ
ーラ12が所定値と比較してカムZ,Z’の加工仕上が
り状態を検査する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジン等に使
用されるカムシャフト、特に同形状かつ同位相のカムを
二つ以上有するもののカムの基円の半径およびその振
れ、並びにカムの周面の欠陥等を検出するカムシャフト
の検査方法および検査装置に関する。
用されるカムシャフト、特に同形状かつ同位相のカムを
二つ以上有するもののカムの基円の半径およびその振
れ、並びにカムの周面の欠陥等を検出するカムシャフト
の検査方法および検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や工作ロボット等、各種機械、装
置の構成部品はそれぞれ何等かの役割を持って組み込ま
れており、なかでも調製された部品の寸法精度もまた完
成品の性能を左右するだけにその検査は常に重要な問題
の一つである。
置の構成部品はそれぞれ何等かの役割を持って組み込ま
れており、なかでも調製された部品の寸法精度もまた完
成品の性能を左右するだけにその検査は常に重要な問題
の一つである。
【0003】しかし、最近の生産効率の向上並びに合理
化の一環としての作業時間の圧縮を鑑みると、確実な仕
上がり状態の検査であって、簡便かつ短時間で実施し得
る寸法精度の検査が望ましい。
化の一環としての作業時間の圧縮を鑑みると、確実な仕
上がり状態の検査であって、簡便かつ短時間で実施し得
る寸法精度の検査が望ましい。
【0004】例えば、実開昭63−195202号公報
には、測定ピンが一端に設けられた測定レバーをその中
心において揺動自在に枢支し、上記測定ピンを被検査体
の丸穴に当接させてこの被検査体を回転させることによ
り、成形された丸穴の形状ないし芯ズレを上記測定レバ
ーの他端の動きによって検出する装置が開示される等の
種々の提案がなされている。
には、測定ピンが一端に設けられた測定レバーをその中
心において揺動自在に枢支し、上記測定ピンを被検査体
の丸穴に当接させてこの被検査体を回転させることによ
り、成形された丸穴の形状ないし芯ズレを上記測定レバ
ーの他端の動きによって検出する装置が開示される等の
種々の提案がなされている。
【0005】自動車業界においても、車両に搭載される
エンジンは様々な機能を有する膨大な数の構成部材から
なり、近年の高速化、高性能化に伴って各部材に対する
耐久性や寸法精度等に関する要求が高揚している。
エンジンは様々な機能を有する膨大な数の構成部材から
なり、近年の高速化、高性能化に伴って各部材に対する
耐久性や寸法精度等に関する要求が高揚している。
【0006】特に、エンジンの動弁機構の主部材である
カムシャフトは、カム軸に複数のカムを備えた構造であ
って、このカムがシリンダ内の燃焼室に混合ガスを吸入
する吸入バルブおよび燃焼膨張した排ガスをシリンダ外
に排気する排気バルブに直接作用し、これらのバルブを
所定時に限られた期間だけ正確に開閉する役割を有する
部材なので、その設計および製造はエンジンの性能面か
ら重要である。
カムシャフトは、カム軸に複数のカムを備えた構造であ
って、このカムがシリンダ内の燃焼室に混合ガスを吸入
する吸入バルブおよび燃焼膨張した排ガスをシリンダ外
に排気する排気バルブに直接作用し、これらのバルブを
所定時に限られた期間だけ正確に開閉する役割を有する
部材なので、その設計および製造はエンジンの性能面か
ら重要である。
【0007】そのうち、カムの形状はバルブの開いてい
る期間およびバルブの駆動量を決定するので、混合ガス
の吸入効率および排ガスの排気効率を高める観点から、
またはバルブがバルブシートに着座するときの衝撃を低
める観点から、その基円半径と共に寸法や形状が設定さ
れている。
る期間およびバルブの駆動量を決定するので、混合ガス
の吸入効率および排ガスの排気効率を高める観点から、
またはバルブがバルブシートに着座するときの衝撃を低
める観点から、その基円半径と共に寸法や形状が設定さ
れている。
【0008】また、シリンダの体積効率の増大に対応し
て一シリンダ当たりのバルブ数を増した多弁型エンジン
が普及するに伴い、同形状かつ同位相のカムを配設した
カムシャフトが一般に使用されるようになっている。上
記エンジンの場合は、一つのシリンダに対して、例えば
二個の吸入バルブが設けられ、これらの二個のバルブが
同時に開閉する必要があるので、各々のバルブに対応す
るべくカムシャフトには二個のカムがカム軸に隣接して
設けられ、それぞれが対応するバルブに正確に同時に作
用するように同形状かつ同位相に設定されている。
て一シリンダ当たりのバルブ数を増した多弁型エンジン
が普及するに伴い、同形状かつ同位相のカムを配設した
カムシャフトが一般に使用されるようになっている。上
記エンジンの場合は、一つのシリンダに対して、例えば
二個の吸入バルブが設けられ、これらの二個のバルブが
同時に開閉する必要があるので、各々のバルブに対応す
るべくカムシャフトには二個のカムがカム軸に隣接して
設けられ、それぞれが対応するバルブに正確に同時に作
用するように同形状かつ同位相に設定されている。
【0009】従って、このような多弁型エンジンに対応
したカムシャフトの製造においては、高度な性能要求に
合致するべく、設定通りの寸法精度で各カムの成形、加
工および組立てを実現する必要がある。かかるカムシャ
フトの製造は、一般に鋳造、鍛造、焼結等によって粗成
形された素材を研削加工等することにより軸部やカム部
を削り出した後、カムが設定通りの形状ないし寸法とな
るようにさらにカムの周面(以下、カム面という)を切
削や研削等することによって精に成形して行われる。
したカムシャフトの製造においては、高度な性能要求に
合致するべく、設定通りの寸法精度で各カムの成形、加
工および組立てを実現する必要がある。かかるカムシャ
フトの製造は、一般に鋳造、鍛造、焼結等によって粗成
形された素材を研削加工等することにより軸部やカム部
を削り出した後、カムが設定通りの形状ないし寸法とな
るようにさらにカムの周面(以下、カム面という)を切
削や研削等することによって精に成形して行われる。
【0010】このとき当初の粗成形において棒状に鍛造
された素材の大きさによっては、次に施される研削加工
でカム面を精密に成形し、寸法を整えても予定された形
状通りの部材が得られない虞がある。例えば、鍛造され
た素材表面の一部に何等かの原因で窪み等が生じた場合
は、次におよその形に削り出されたカムをさらに精に成
形しても、発生した窪みの深さによっては仕上がったカ
ム面にその窪みの底部が残る、所謂黒皮残りと称する現
象が生じるのである。その結果、正確な寸法精度を持つ
べきカムに凹部が発生してバルブの駆動状態に重大な変
動をもたらすこととなる。さらに、上記の多弁型エンジ
ンに対応したカムシャフトにおいては、二つのカムが同
形状であってもこれらが同位相に成形されていないと同
時に開閉すべき二つのバルブの駆動状態にズレが生じ
て、エンジンの性能に重大な影響を及ぼすこととなる。
された素材の大きさによっては、次に施される研削加工
でカム面を精密に成形し、寸法を整えても予定された形
状通りの部材が得られない虞がある。例えば、鍛造され
た素材表面の一部に何等かの原因で窪み等が生じた場合
は、次におよその形に削り出されたカムをさらに精に成
形しても、発生した窪みの深さによっては仕上がったカ
ム面にその窪みの底部が残る、所謂黒皮残りと称する現
象が生じるのである。その結果、正確な寸法精度を持つ
べきカムに凹部が発生してバルブの駆動状態に重大な変
動をもたらすこととなる。さらに、上記の多弁型エンジ
ンに対応したカムシャフトにおいては、二つのカムが同
形状であってもこれらが同位相に成形されていないと同
時に開閉すべき二つのバルブの駆動状態にズレが生じ
て、エンジンの性能に重大な影響を及ぼすこととなる。
【0011】同じような問題は、研削加工前の素材が予
定より全体に小さく鍛造されて、削り出されるカム部の
サイズないし基円部の大きさに満たない部分を有する結
果、黒皮残りが生じる場合、精成形時の研削によってカ
ム面にピンホールが生じる場合、または精加工時に削り
残しをした場合等にも発生する。
定より全体に小さく鍛造されて、削り出されるカム部の
サイズないし基円部の大きさに満たない部分を有する結
果、黒皮残りが生じる場合、精成形時の研削によってカ
ム面にピンホールが生じる場合、または精加工時に削り
残しをした場合等にも発生する。
【0012】従って、製造後にカムシャフトの検査、特
にカム面の仕上がり状態を検査することは必要不可欠な
ことであり、従来から様々な検査方法が採用されてい
る。
にカム面の仕上がり状態を検査することは必要不可欠な
ことであり、従来から様々な検査方法が採用されてい
る。
【0013】例えば、CCDカメラを用いて被検査体表
面を映像化し、これを画像処理することによって欠陥部
分を検出するものや、レーザ光線を照射して、その照射
距離や光量等に基づき、反射光の波形の乱れから被検査
体の表面状態を割り出すもの等がある。
面を映像化し、これを画像処理することによって欠陥部
分を検出するものや、レーザ光線を照射して、その照射
距離や光量等に基づき、反射光の波形の乱れから被検査
体の表面状態を割り出すもの等がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前者の方法は、検出精
度が高く信憑性に優れた検査結果が得られるが、画像処
理された形状だけを判定の対象とするので、被検査体の
形状に由来しないものを欠陥として誤認する虞がある。
例えば、僅かな粉塵や、研削加工で使用する工作油また
は部材の洗浄で使用する洗浄液等が付着したまま検査す
ると、これを画像処理したときに、全て一律に被検査体
の凹凸として検出されてしまい、正常品であっても欠陥
品と判定されることとなる。
度が高く信憑性に優れた検査結果が得られるが、画像処
理された形状だけを判定の対象とするので、被検査体の
形状に由来しないものを欠陥として誤認する虞がある。
例えば、僅かな粉塵や、研削加工で使用する工作油また
は部材の洗浄で使用する洗浄液等が付着したまま検査す
ると、これを画像処理したときに、全て一律に被検査体
の凹凸として検出されてしまい、正常品であっても欠陥
品と判定されることとなる。
【0015】一方、上記後者によれば、照射するレーザ
光線として金属のみに反射するものを選べばかかる誤っ
た検出は免れるが、形状の変化がある程度大きくないと
反射光の乱れとなって現れないため検出能力に限界があ
る。例えば、加工中に生じたピンホールのような比較的
表面状態が急変するものは波形の乱れが生じて測定し易
いが、黒皮残りのように欠陥部位が徐々に変化する場合
は波形の乱れが僅かなので欠陥を確実に捉え難いという
問題がある。
光線として金属のみに反射するものを選べばかかる誤っ
た検出は免れるが、形状の変化がある程度大きくないと
反射光の乱れとなって現れないため検出能力に限界があ
る。例えば、加工中に生じたピンホールのような比較的
表面状態が急変するものは波形の乱れが生じて測定し易
いが、黒皮残りのように欠陥部位が徐々に変化する場合
は波形の乱れが僅かなので欠陥を確実に捉え難いという
問題がある。
【0016】本発明は、部材の寸法精度の検査における
上記問題に対処するもので、特に、同形状かつ同位相の
カムを二つ以上有するカムシャフトのカム基円半径およ
び該半径の振れ、並びにカム面の仕上がり状態の欠陥等
を正確に検出するカムシャフトの検査方法および検査装
置に関し、また生産コストの低減ないし生産効率の向上
を鑑みて、過大な設備を要することなく短時間で実施し
得るカムシャフトの検査方法および検査装置に関する。
上記問題に対処するもので、特に、同形状かつ同位相の
カムを二つ以上有するカムシャフトのカム基円半径およ
び該半径の振れ、並びにカム面の仕上がり状態の欠陥等
を正確に検出するカムシャフトの検査方法および検査装
置に関し、また生産コストの低減ないし生産効率の向上
を鑑みて、過大な設備を要することなく短時間で実施し
得るカムシャフトの検査方法および検査装置に関する。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明(以下、第1発明という)は、複数の同
一形状かつ同一位相のカムを有するカムシャフトの検査
方法であって、同一形状かつ同一位相の二つのカムの周
面に、該カムシャフトの軸心に直交する方向に移動可能
な接触子をそれぞれ当接させ、この状態でカムシャフト
を回転させたときの両接触子の相対移動量に基づいて上
記二つのカムの周面の状態を判定することを特徴とする
ものである。
1に記載の発明(以下、第1発明という)は、複数の同
一形状かつ同一位相のカムを有するカムシャフトの検査
方法であって、同一形状かつ同一位相の二つのカムの周
面に、該カムシャフトの軸心に直交する方向に移動可能
な接触子をそれぞれ当接させ、この状態でカムシャフト
を回転させたときの両接触子の相対移動量に基づいて上
記二つのカムの周面の状態を判定することを特徴とする
ものである。
【0018】また、本願の請求項2に記載の発明(以
下、第2発明という)は、複数の同一形状かつ同一位相
のカムを有するカムシャフトの検査装置であって、同一
形状かつ同一位相の二つのカムのうち第1のカムの周面
に当接する基準接触子を一体に有すると共に上記カムシ
ャフトの軸心に直交する方向に移動可能とされた移動部
材と、該移動部材にその移動方向と同方向に摺動自在に
備えられて上記二つのカムのうち第2のカムの周面に当
接する可動接触子とを有し、上記基準接触子および可動
接触子を上記第1のカムおよび第2のカムの周面にそれ
ぞれ当接させた状態でカムシャフトを回転させたときの
上記可動接触子の移動部材に対する相対移動量に基づい
て上記二つのカムの周面の状態を判定する判定手段が設
けられていることを特徴とするものである。
下、第2発明という)は、複数の同一形状かつ同一位相
のカムを有するカムシャフトの検査装置であって、同一
形状かつ同一位相の二つのカムのうち第1のカムの周面
に当接する基準接触子を一体に有すると共に上記カムシ
ャフトの軸心に直交する方向に移動可能とされた移動部
材と、該移動部材にその移動方向と同方向に摺動自在に
備えられて上記二つのカムのうち第2のカムの周面に当
接する可動接触子とを有し、上記基準接触子および可動
接触子を上記第1のカムおよび第2のカムの周面にそれ
ぞれ当接させた状態でカムシャフトを回転させたときの
上記可動接触子の移動部材に対する相対移動量に基づい
て上記二つのカムの周面の状態を判定する判定手段が設
けられていることを特徴とするものである。
【0019】そして、本願の請求項3に記載の発明(以
下、第3発明という)は、上記第2発明の構成に加え、
所定の位置に固定された基円検査面に当接する基円検査
用の可動接触子を移動部材にその移動方向と同方向に摺
動自在に備え、上記移動部材の基準接触子を第1のカム
の周面に当接させた状態でカムシャフトを回転させたと
きの上記基円検査用の可動接触子の移動部材に対する相
対移動量に基づいて、判定手段が上記第1のカムの基円
部周面の状態を判定することを特徴とするものである。
下、第3発明という)は、上記第2発明の構成に加え、
所定の位置に固定された基円検査面に当接する基円検査
用の可動接触子を移動部材にその移動方向と同方向に摺
動自在に備え、上記移動部材の基準接触子を第1のカム
の周面に当接させた状態でカムシャフトを回転させたと
きの上記基円検査用の可動接触子の移動部材に対する相
対移動量に基づいて、判定手段が上記第1のカムの基円
部周面の状態を判定することを特徴とするものである。
【0020】さらに、本願の請求項4に記載の発明(以
下、第4発明という)は、上記第2発明または第3発明
の構成において、第1のカムの周面に当接する基準接触
子および第2のカムの周面に当接する可動接触子の移動
軸の延長線上にカムシャフトの軸心があることを特徴と
するものである。
下、第4発明という)は、上記第2発明または第3発明
の構成において、第1のカムの周面に当接する基準接触
子および第2のカムの周面に当接する可動接触子の移動
軸の延長線上にカムシャフトの軸心があることを特徴と
するものである。
【0021】
【作用】上記発明によれば次のような作用を得ることが
できる。
できる。
【0022】まず、第1発明では、検査対象であるカム
シャフトの軸心に直交する方向に移動可能な接触子をカ
ムの周面に当接させたままの状態で、このカムシャフト
を軸心を中心として回転させるので、このとき接触子は
カムの形状、さらに正確にはこの接触子がカムの周面に
当接している部分(以下、当接部という)の形状に従っ
てカムシャフトの軸心に直交する方向において振動する
こととなる。
シャフトの軸心に直交する方向に移動可能な接触子をカ
ムの周面に当接させたままの状態で、このカムシャフト
を軸心を中心として回転させるので、このとき接触子は
カムの形状、さらに正確にはこの接触子がカムの周面に
当接している部分(以下、当接部という)の形状に従っ
てカムシャフトの軸心に直交する方向において振動する
こととなる。
【0023】そして、同一形状かつ同一位相の二つのカ
ムの周面に二つの接触子をそれぞれ当接させてこの動作
を行うので、このときは同時に各接触子が対応するそれ
ぞれの当接部の形状に従って別個に振動することとな
る。
ムの周面に二つの接触子をそれぞれ当接させてこの動作
を行うので、このときは同時に各接触子が対応するそれ
ぞれの当接部の形状に従って別個に振動することとな
る。
【0024】このときの各接触子のカムシャフトの軸心
に直交する方向における振動量、すなわち移動量の差
は、それぞれ当接しているカムの周面状態の差を直接反
映するので、二つの接触子の移動量を同時に測定し、こ
れらの差である相対移動量を検出することによって、同
一形状かつ同一位相であるべき二つのカムの周面状態を
比較し、例えばこの相対移動量が、許容範囲等から予め
求めておいた所定値を超えたときは両カムの形状もしく
は位相にズレが生じている、もしくは一方に黒皮残りや
ピンホールが発生している等と判定することができ、カ
ムシャフトを正確に短時間で検査することができる。
に直交する方向における振動量、すなわち移動量の差
は、それぞれ当接しているカムの周面状態の差を直接反
映するので、二つの接触子の移動量を同時に測定し、こ
れらの差である相対移動量を検出することによって、同
一形状かつ同一位相であるべき二つのカムの周面状態を
比較し、例えばこの相対移動量が、許容範囲等から予め
求めておいた所定値を超えたときは両カムの形状もしく
は位相にズレが生じている、もしくは一方に黒皮残りや
ピンホールが発生している等と判定することができ、カ
ムシャフトを正確に短時間で検査することができる。
【0025】また、第2発明は、上記第1発明の実施に
使用するカムシャフトの検査装置であって、その構成に
よれば、カムシャフトの軸心に直交する方向に移動可能
とされた移動部材に基準接触子と可動接触子とが備えら
れている。このうち基準接触子は当該移動部材に一体に
設けられ、また可動接触子は移動部材にその移動方向と
同方向、すなわちカムシャフトの軸心に直交する方向に
摺動可能に備えられているので、結局、移動部材、基準
接触子および可動接触子は全て同方向、すなわちカムシ
ャフトの軸心に直交する方向に移動可能であり、かつ移
動部材と基準接触子とは一体となって、可動接触子はこ
れらと相対的にそれぞれ移動することとなる。
使用するカムシャフトの検査装置であって、その構成に
よれば、カムシャフトの軸心に直交する方向に移動可能
とされた移動部材に基準接触子と可動接触子とが備えら
れている。このうち基準接触子は当該移動部材に一体に
設けられ、また可動接触子は移動部材にその移動方向と
同方向、すなわちカムシャフトの軸心に直交する方向に
摺動可能に備えられているので、結局、移動部材、基準
接触子および可動接触子は全て同方向、すなわちカムシ
ャフトの軸心に直交する方向に移動可能であり、かつ移
動部材と基準接触子とは一体となって、可動接触子はこ
れらと相対的にそれぞれ移動することとなる。
【0026】そして、同一形状かつ同一位相の二つのカ
ムのうち第1のカムの周面に上記基準接触子を、第2の
カムの周面に上記可動接触子をそれぞれ当接させたまま
の状態で、このカムシャフトを軸心を中心として回転さ
せると、基準接触子は第1のカムの周面状態に従って、
可動接触子は第2のカムの周面状態に従って、それぞれ
別個に振動することとなる。このときの可動接触子の移
動部材に対する相対移動量に基づいて同一形状かつ同一
位相であるべき二つのカムの周面状態を判定手段が判定
するのであるが、上述のように、第1のカムの周面状態
を反映して移動する基準接触子は移動部材に一体に備え
られているので、移動部材もまた第1のカムの周面状態
を反映した動きをすることとなる。従って、この移動部
材の動きを基準とすると、当該移動部材に摺動可能に備
えられ、第2のカムの周面状態を反映して移動する可動
接触子の当該移動部材に対する相対移動量は、そのまま
両カムの周面状態の差であり、換言すれば、同一形状か
つ同一位相であるべき二つのカムのいずれかの周面に黒
皮残りやピンホール等が発生した場合における形状のズ
レもしくは位相のズレ等を直接に表すものとなる。
ムのうち第1のカムの周面に上記基準接触子を、第2の
カムの周面に上記可動接触子をそれぞれ当接させたまま
の状態で、このカムシャフトを軸心を中心として回転さ
せると、基準接触子は第1のカムの周面状態に従って、
可動接触子は第2のカムの周面状態に従って、それぞれ
別個に振動することとなる。このときの可動接触子の移
動部材に対する相対移動量に基づいて同一形状かつ同一
位相であるべき二つのカムの周面状態を判定手段が判定
するのであるが、上述のように、第1のカムの周面状態
を反映して移動する基準接触子は移動部材に一体に備え
られているので、移動部材もまた第1のカムの周面状態
を反映した動きをすることとなる。従って、この移動部
材の動きを基準とすると、当該移動部材に摺動可能に備
えられ、第2のカムの周面状態を反映して移動する可動
接触子の当該移動部材に対する相対移動量は、そのまま
両カムの周面状態の差であり、換言すれば、同一形状か
つ同一位相であるべき二つのカムのいずれかの周面に黒
皮残りやピンホール等が発生した場合における形状のズ
レもしくは位相のズレ等を直接に表すものとなる。
【0027】その結果、判定手段は、例えば各々二つの
接触子の移動量を検出して、これらの差を演算する等の
過大な装置を要することなく、一方の接触子の移動量、
すなわち可動接触子の移動部材に対する相対移動量だけ
を検出することにより簡便かつ正確に二つのカムの周面
状態を比較することができ、一方のカム周面に黒皮残り
やピンホール等が発生した場合を含め、同一形状かつ同
一位相であるべき二つのカム間の形状もしくは位相のズ
レを判定し、かかるカムシャフトの検査が短時間で実行
し得ることとなる。
接触子の移動量を検出して、これらの差を演算する等の
過大な装置を要することなく、一方の接触子の移動量、
すなわち可動接触子の移動部材に対する相対移動量だけ
を検出することにより簡便かつ正確に二つのカムの周面
状態を比較することができ、一方のカム周面に黒皮残り
やピンホール等が発生した場合を含め、同一形状かつ同
一位相であるべき二つのカム間の形状もしくは位相のズ
レを判定し、かかるカムシャフトの検査が短時間で実行
し得ることとなる。
【0028】さらに、第3発明は、上記第2発明の構成
に基円検査用の可動接触子(以下、基円用接触子とい
う)を追加して、カムの基円部分については二つのカム
間の形状と位相のズレだけでなく、成形された基円の半
径の寸法精度をも同時に検査し得るように構成されたカ
ムシャフトの検査装置である。
に基円検査用の可動接触子(以下、基円用接触子とい
う)を追加して、カムの基円部分については二つのカム
間の形状と位相のズレだけでなく、成形された基円の半
径の寸法精度をも同時に検査し得るように構成されたカ
ムシャフトの検査装置である。
【0029】すなわち、第3発明によれば、基円用接触
子が移動部材にその移動方向と同方向、つまりカムシャ
フトの軸心に直交する方向に摺動自在に備えられ、かつ
所定の位置に固定された基円検査面に当接するので、こ
の基円用接触子は移動部材に対して同方向に相対的に移
動することとなり、かつ基円用接触子は上記基円検査面
に当接している間は移動部材の動きに関係なく、換言す
れば、移動部材が基準接触子の移動に伴って一体となっ
て移動するときでも当該当接位置で静止することとな
る。なぜならば、この基円検査面は所定の位置に固定さ
れているからである。
子が移動部材にその移動方向と同方向、つまりカムシャ
フトの軸心に直交する方向に摺動自在に備えられ、かつ
所定の位置に固定された基円検査面に当接するので、こ
の基円用接触子は移動部材に対して同方向に相対的に移
動することとなり、かつ基円用接触子は上記基円検査面
に当接している間は移動部材の動きに関係なく、換言す
れば、移動部材が基準接触子の移動に伴って一体となっ
て移動するときでも当該当接位置で静止することとな
る。なぜならば、この基円検査面は所定の位置に固定さ
れているからである。
【0030】かかる構成としたうえで、上記移動部材に
一体に設けられた基準接触子を第1のカムの周面に当接
させた状態でカムシャフトを回転させると、基準接触子
および移動部材は、前述のように、第1のカムの周面の
形状に従ってカムシャフトの軸心に直交する方向におい
て移動するが、基円用接触子は上記基円検査面に当接す
る間はその当接面で静止する。そして、カムシャフトの
回転により、基準接触子がカムの基円部と当接するとき
は、その基円の寸法精度が良好であればカムの周面は基
円半径のまま推移するので当該基準接触子および移動部
材は移動しなくなり、第1のカムの周面上で静止するこ
ととなる。
一体に設けられた基準接触子を第1のカムの周面に当接
させた状態でカムシャフトを回転させると、基準接触子
および移動部材は、前述のように、第1のカムの周面の
形状に従ってカムシャフトの軸心に直交する方向におい
て移動するが、基円用接触子は上記基円検査面に当接す
る間はその当接面で静止する。そして、カムシャフトの
回転により、基準接触子がカムの基円部と当接するとき
は、その基円の寸法精度が良好であればカムの周面は基
円半径のまま推移するので当該基準接触子および移動部
材は移動しなくなり、第1のカムの周面上で静止するこ
ととなる。
【0031】つまり、この場合、第1のカムの基円部が
正しく成形されていれば移動部材および基円用接触子の
双方共移動がなく静止状態にあるので、基円用接触子の
移動部材に対する相対移動量は0となる。
正しく成形されていれば移動部材および基円用接触子の
双方共移動がなく静止状態にあるので、基円用接触子の
移動部材に対する相対移動量は0となる。
【0032】そして、判定手段が、この相対移動量が、
例えば許容範囲等から予め求めておいた所定値を超えた
ときは、カムの基円部における周面状態が設定通りでな
いと判定できることとなる。なぜならば、このとき基円
用接触子は移動部材から独立して基円検査面上で必ず留
まっているので、相対移動量の増加はカムの基円部の状
態にのみ起因するものだからである。
例えば許容範囲等から予め求めておいた所定値を超えた
ときは、カムの基円部における周面状態が設定通りでな
いと判定できることとなる。なぜならば、このとき基円
用接触子は移動部材から独立して基円検査面上で必ず留
まっているので、相対移動量の増加はカムの基円部の状
態にのみ起因するものだからである。
【0033】従って、基円用接触子の移動部材に対する
相対移動量だけを検出することにより、過大な装置を必
要とせずにカムの基円部の異常、例えば同じ半径を有し
ておらず正確な円に成形されていない、または正確な円
に成形されていても基円中心が芯ズレを生じている等を
判定することができると共に、カム周面に黒皮残りやピ
ンホール等が発生した場合の同一形状かつ同一位相であ
るべき第1のカムと第2のカムとの間の形状の相違も同
時に判定するので、正確に多面的なカムシャフトの検査
を短時間で簡便に行うことができることとなる。
相対移動量だけを検出することにより、過大な装置を必
要とせずにカムの基円部の異常、例えば同じ半径を有し
ておらず正確な円に成形されていない、または正確な円
に成形されていても基円中心が芯ズレを生じている等を
判定することができると共に、カム周面に黒皮残りやピ
ンホール等が発生した場合の同一形状かつ同一位相であ
るべき第1のカムと第2のカムとの間の形状の相違も同
時に判定するので、正確に多面的なカムシャフトの検査
を短時間で簡便に行うことができることとなる。
【0034】そして、第4発明では、基準接触子および
可動接触子の双方の移動軸、すなわちこれらの接触子が
カムシャフトの軸心に直交する方向に移動するときの移
動線の延長上にカムシャフトの軸心があるので、カムシ
ャフトが回転してこれらの接触子がカムの形状に沿って
移動するときの移動量の時間変化が急激とならず、検査
精度を高めることができる。
可動接触子の双方の移動軸、すなわちこれらの接触子が
カムシャフトの軸心に直交する方向に移動するときの移
動線の延長上にカムシャフトの軸心があるので、カムシ
ャフトが回転してこれらの接触子がカムの形状に沿って
移動するときの移動量の時間変化が急激とならず、検査
精度を高めることができる。
【0035】すなわち、上記二つの接触子の移動軸がカ
ムシャフトの軸心を中心とする放射線上にある場合はそ
れらの当接部もまたこの線上にあるので、基準接触子、
可動接触子および移動部材はカム周面の形状の変化のま
ま放射線上を移動するが、移動軸が上記放射線上にない
場合は、カムシャフトを回転させたときの当接部におけ
るカムの形状の変化に偏りが生じ、カムシャフトの回転
速度が同じであっても接触子の移動量の時間変化に緩急
が伴って誤差が生じ易くなり、また過度の当接部の形状
変化が起こると接触子がカムの周面から離れる虞が生じ
る。従って、第4発明によれば、接触子の移動量が常に
カム周面の形状変化を正確に反映し、カムシャフトの検
査精度を高めることとなる。
ムシャフトの軸心を中心とする放射線上にある場合はそ
れらの当接部もまたこの線上にあるので、基準接触子、
可動接触子および移動部材はカム周面の形状の変化のま
ま放射線上を移動するが、移動軸が上記放射線上にない
場合は、カムシャフトを回転させたときの当接部におけ
るカムの形状の変化に偏りが生じ、カムシャフトの回転
速度が同じであっても接触子の移動量の時間変化に緩急
が伴って誤差が生じ易くなり、また過度の当接部の形状
変化が起こると接触子がカムの周面から離れる虞が生じ
る。従って、第4発明によれば、接触子の移動量が常に
カム周面の形状変化を正確に反映し、カムシャフトの検
査精度を高めることとなる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0037】図1は、本発明に係るカムシャフトの検査
装置を用いてカムシャフトのカム面を検査している様子
を示す正面図である。
装置を用いてカムシャフトのカム面を検査している様子
を示す正面図である。
【0038】まず、検査対象であるカムシャフトXは、
各シリンダに吸入バルブもしくは排気バルブとしてそれ
ぞれ2個のバルブを有する多弁型4気筒DOHC式エン
ジンに用いられるものであり、軸部Yとその長手方向に
並設された8個のカムZまたはZ’とを有すると共に、
これらのカムZ,Z’は上記エンジンの各シリンダに設
けられた2個の吸入バルブもしくは排気バルブを同時期
に同期間だけ開閉するべく同一形状かつ同一位相に成形
された隣接する2個のカムZおよびZ’からなる組に分
割されて、4つのカム組Z1,Z2,Z3およびZ4が
形成されている。また、このカムシャフトXは鍛造等に
よる粗成形と研削加工等による精成形とを経て製造さ
れ、軸部Yと上記8個のカムZ,Z’とは一体に成形さ
れている。
各シリンダに吸入バルブもしくは排気バルブとしてそれ
ぞれ2個のバルブを有する多弁型4気筒DOHC式エン
ジンに用いられるものであり、軸部Yとその長手方向に
並設された8個のカムZまたはZ’とを有すると共に、
これらのカムZ,Z’は上記エンジンの各シリンダに設
けられた2個の吸入バルブもしくは排気バルブを同時期
に同期間だけ開閉するべく同一形状かつ同一位相に成形
された隣接する2個のカムZおよびZ’からなる組に分
割されて、4つのカム組Z1,Z2,Z3およびZ4が
形成されている。また、このカムシャフトXは鍛造等に
よる粗成形と研削加工等による精成形とを経て製造さ
れ、軸部Yと上記8個のカムZ,Z’とは一体に成形さ
れている。
【0039】一方、検査台Aには、カムシャフト回転装
置Bが設置され、該装置Bに設けられた二つの回転ロッ
ドCによって上記カムシャフトXは両端から押圧され水
平に把持されている。尚、上記回転ロッドCは検査する
カムシャフトの長さに応じてその間隔を変えることがで
きるように装置本体Bから進退可能に設けられると共
に、その回転速度が任意に調節されるようになされてい
る。
置Bが設置され、該装置Bに設けられた二つの回転ロッ
ドCによって上記カムシャフトXは両端から押圧され水
平に把持されている。尚、上記回転ロッドCは検査する
カムシャフトの長さに応じてその間隔を変えることがで
きるように装置本体Bから進退可能に設けられると共
に、その回転速度が任意に調節されるようになされてい
る。
【0040】そして、上記検査台Aには、回転装置Bに
よって把持されたカムシャフトXのカム面の加工仕上が
り状態を検査するカムシャフト検査装置1が設置されて
いる。
よって把持されたカムシャフトXのカム面の加工仕上が
り状態を検査するカムシャフト検査装置1が設置されて
いる。
【0041】この検査装置1は、後述するように、成形
されたカムZ,Z’の基円半径の寸法精度および該半径
の芯ズレ、並びに上記カム組を形成する隣接する同一形
状かつ同一位相の一対のカムZおよびZ’間の形状およ
び位相のズレ等を検出するもので、上記カムシャフトX
に形成された4つのカム組Z1,Z2,Z3およびZ4
毎に一基が設けられて、図1に示すように、この実施例
では4基の検査装置1が配置されている。
されたカムZ,Z’の基円半径の寸法精度および該半径
の芯ズレ、並びに上記カム組を形成する隣接する同一形
状かつ同一位相の一対のカムZおよびZ’間の形状およ
び位相のズレ等を検出するもので、上記カムシャフトX
に形成された4つのカム組Z1,Z2,Z3およびZ4
毎に一基が設けられて、図1に示すように、この実施例
では4基の検査装置1が配置されている。
【0042】検査装置1の構成を図1および図2を参照
して説明すると、まず検査台Aに設置される機台2に検
査器台3が固設されると共に、該検査器台3には、次に
説明する倣いローラ固定金具7、変位量測定用マグネス
ケール8および基円半径測定用マグネスケール9を備え
た測定ヘッド取付台4が、該取付台4に設けられた凸部
(図示せず)と当該検査器台3に設けられたスリット部
5との嵌合によって上下に摺動可能に取り付けられてい
る。
して説明すると、まず検査台Aに設置される機台2に検
査器台3が固設されると共に、該検査器台3には、次に
説明する倣いローラ固定金具7、変位量測定用マグネス
ケール8および基円半径測定用マグネスケール9を備え
た測定ヘッド取付台4が、該取付台4に設けられた凸部
(図示せず)と当該検査器台3に設けられたスリット部
5との嵌合によって上下に摺動可能に取り付けられてい
る。
【0043】そして、この測定ヘッド取付台4には、検
査する一対のカム組の一方のカム面Zに当接する倣いロ
ーラ6を当該取付台4に固設する倣いローラ固定金具7
と、次に説明するように上記カム組のもう一方のカム面
Z’に当接する変位量測定子10を上下に摺動可能に内
装する変位量測定用マグネスケール8と、後述するよう
に所定の位置に固定された基円半径基準金14’に当接
する基円半径測定子11を上下に摺動可能に内装する基
円半径測定用マグネスケール9とが一体に備えられてい
る。
査する一対のカム組の一方のカム面Zに当接する倣いロ
ーラ6を当該取付台4に固設する倣いローラ固定金具7
と、次に説明するように上記カム組のもう一方のカム面
Z’に当接する変位量測定子10を上下に摺動可能に内
装する変位量測定用マグネスケール8と、後述するよう
に所定の位置に固定された基円半径基準金14’に当接
する基円半径測定子11を上下に摺動可能に内装する基
円半径測定用マグネスケール9とが一体に備えられてい
る。
【0044】上記変位量測定用マグネスケール8には、
検査する一対のカム組の他方のカム面Z’に当接して該
マグネスケール8内を上下に移動可能とされた変位量測
定子10が内装され、この測定子10の該マグネスケー
ル8に対する上下方向の相対移動量をこのマグネスケー
ル8によって電気信号に変換することにより上記変位量
測定子10の移動量が測定される。
検査する一対のカム組の他方のカム面Z’に当接して該
マグネスケール8内を上下に移動可能とされた変位量測
定子10が内装され、この測定子10の該マグネスケー
ル8に対する上下方向の相対移動量をこのマグネスケー
ル8によって電気信号に変換することにより上記変位量
測定子10の移動量が測定される。
【0045】また、上記基円半径測定用マグネスケール
9には、当該マグネスケール9内を上下に移動可能とさ
れた基円半径測定子11が内装され、この測定子11の
該マグネスケール9に対する上下方向の相対移動量をこ
の基円半径測定用マグネスケール9によって電気信号に
変換することにより上記基円半径測定子11の移動量が
測定される。
9には、当該マグネスケール9内を上下に移動可能とさ
れた基円半径測定子11が内装され、この測定子11の
該マグネスケール9に対する上下方向の相対移動量をこ
の基円半径測定用マグネスケール9によって電気信号に
変換することにより上記基円半径測定子11の移動量が
測定される。
【0046】そして、電気信号に変換されたこれら二つ
の測定子10および11の移動量は、上記機台2に設置
されたコントローラ12に接続されたコード線を介して
出力され、該コントローラ12はこれらの信号に基づい
てこのカムシャフトXのカム面Z,Z’の加工仕上がり
状態を判定する。
の測定子10および11の移動量は、上記機台2に設置
されたコントローラ12に接続されたコード線を介して
出力され、該コントローラ12はこれらの信号に基づい
てこのカムシャフトXのカム面Z,Z’の加工仕上がり
状態を判定する。
【0047】以上の説明から明らかなように、測定ヘッ
ド取付台4と、倣いローラ6と、倣いローラ固定金具7
と、変位量測定用マグネスケール8と、基円半径測定用
マグネスケール9とは一個のユニットとなって、固定さ
れた検査器台3を検査台Aに対し垂直方向に設けられた
スリット部5に沿って一体に上下にスライド移動する一
方、変位量測定子10と基円半径測定子11とはそれぞ
れ別個の、かつ上記ユニットから独立した上下方向の移
動が可能となる。従って、上記コントローラ12が受信
する電気信号は二つの測定子10および11の上記ユニ
ットに対する相対移動量、より正確には二つのマグネス
ケール8および9に対するそれぞれの相対移動量を示す
こととなる。ここに、上記倣いローラ6は所定の長さを
有したまま、その固定金具7によって測定ヘッド取付台
4に固設されているので、上記ユニットに対する相対移
動量はなく、常に上記取付台4の下面から所定の長さを
保って下方に突出している。
ド取付台4と、倣いローラ6と、倣いローラ固定金具7
と、変位量測定用マグネスケール8と、基円半径測定用
マグネスケール9とは一個のユニットとなって、固定さ
れた検査器台3を検査台Aに対し垂直方向に設けられた
スリット部5に沿って一体に上下にスライド移動する一
方、変位量測定子10と基円半径測定子11とはそれぞ
れ別個の、かつ上記ユニットから独立した上下方向の移
動が可能となる。従って、上記コントローラ12が受信
する電気信号は二つの測定子10および11の上記ユニ
ットに対する相対移動量、より正確には二つのマグネス
ケール8および9に対するそれぞれの相対移動量を示す
こととなる。ここに、上記倣いローラ6は所定の長さを
有したまま、その固定金具7によって測定ヘッド取付台
4に固設されているので、上記ユニットに対する相対移
動量はなく、常に上記取付台4の下面から所定の長さを
保って下方に突出している。
【0048】また、上記検査器台3には別のスリット部
13が設けられて、このスリット部13の所定の位置に
基円半径基準金14が固定して取り付けられている。こ
の基準金14は扁平な基準面14’を有し、該基準面1
4’が検査台AないしカムシャフトXのカム軸と水平に
なるように取り付けられていると共に、この基準面1
4’が上記基円半径測定子11の下方に位置し、上記ユ
ニット全体が下方にスライド移動したときに該測定子1
1が当接することができる位置までこの検査装置1の前
面方向に延びて設けられている。
13が設けられて、このスリット部13の所定の位置に
基円半径基準金14が固定して取り付けられている。こ
の基準金14は扁平な基準面14’を有し、該基準面1
4’が検査台AないしカムシャフトXのカム軸と水平に
なるように取り付けられていると共に、この基準面1
4’が上記基円半径測定子11の下方に位置し、上記ユ
ニット全体が下方にスライド移動したときに該測定子1
1が当接することができる位置までこの検査装置1の前
面方向に延びて設けられている。
【0049】一方、測定ヘッド取付台4の上部にはコイ
ルスプリング15が接続され、その他端が天井部Dに連
結されているので、該取付台4は天井部Dから懸垂する
結果、この取付台4およびこれに装着された各部の重量
が倣いローラ6および変位量測定子10に直接荷重され
これら二つの接触子6および10がカム面Z,Z’上を
滑らかに動くことが困難になることを防止している。
ルスプリング15が接続され、その他端が天井部Dに連
結されているので、該取付台4は天井部Dから懸垂する
結果、この取付台4およびこれに装着された各部の重量
が倣いローラ6および変位量測定子10に直接荷重され
これら二つの接触子6および10がカム面Z,Z’上を
滑らかに動くことが困難になることを防止している。
【0050】そして、上記倣いローラ6と変位量測定子
10とが、検査する一対のカムのカム面Z,Z’にそれ
ぞれ当接すると共に、垂直方向にあるこれら二つの接触
子6および10の移動軸がカムシャフトXの軸心O、す
なわち上記回転装置Bによって回転されたときの回転中
心の真上となるように当該検査装置1がカムシャフトX
に対して位置している。かかる位置関係とすることによ
って、上記二つの接触子6および10がカム面Z,Z’
と当接する部分、すなわち当接部は常にカムシャフトX
の軸心Oの真上にあり、かつ、この検査装置1では上下
の移動軸が検査台Aに対して垂直方向なので、カム面
Z,Z’の形状変化を正確に検出することができて、高
い測定精度と検査の信憑性とを維持することとなる。
10とが、検査する一対のカムのカム面Z,Z’にそれ
ぞれ当接すると共に、垂直方向にあるこれら二つの接触
子6および10の移動軸がカムシャフトXの軸心O、す
なわち上記回転装置Bによって回転されたときの回転中
心の真上となるように当該検査装置1がカムシャフトX
に対して位置している。かかる位置関係とすることによ
って、上記二つの接触子6および10がカム面Z,Z’
と当接する部分、すなわち当接部は常にカムシャフトX
の軸心Oの真上にあり、かつ、この検査装置1では上下
の移動軸が検査台Aに対して垂直方向なので、カム面
Z,Z’の形状変化を正確に検出することができて、高
い測定精度と検査の信憑性とを維持することとなる。
【0051】次に、実際にカムシャフトXを回転させ
て、以上の構成とされた検査装置1によるカムシャフト
の検査について説明する。
て、以上の構成とされた検査装置1によるカムシャフト
の検査について説明する。
【0052】図2から図6までは、上記4つのカム組Z
1,Z2,Z3およびZ4のうちいずれか一つのカム組
に対する検査装置1の右側面図であり、図面の順に検査
中の動作の時間変化を示し、図2から図6へと検査時間
が経過し、再び図2の状態に戻る。なお、図面構成の都
合上、変位量測定用マグネスケール8および基円半径測
定用マグネスケール9からの電気信号をコントローラ1
2に伝達するためのコード線の図示を省略している。ま
たカムシャフトXとしては、変位量測定用マグネスケー
ル8が当接するカムZ’のみを示した。
1,Z2,Z3およびZ4のうちいずれか一つのカム組
に対する検査装置1の右側面図であり、図面の順に検査
中の動作の時間変化を示し、図2から図6へと検査時間
が経過し、再び図2の状態に戻る。なお、図面構成の都
合上、変位量測定用マグネスケール8および基円半径測
定用マグネスケール9からの電気信号をコントローラ1
2に伝達するためのコード線の図示を省略している。ま
たカムシャフトXとしては、変位量測定用マグネスケー
ル8が当接するカムZ’のみを示した。
【0053】まず、検査中、カムシャフトXはその軸心
Oを中心に図面上、反時計回りに回転している。
Oを中心に図面上、反時計回りに回転している。
【0054】そして、図2を参照すると、このカムシャ
フトXに設けられたカムZ’および図示しない倣いロー
ラ6が当接するカムZは、rの半径を有し、その中心が
上記カムシャフトの軸心Oと一致する基円部と、該軸心
Oからの最大距離がlであるリフト部とが滑らかに連続
する形状とされ、いま図2の状態においては変位量測定
子10が上記基円部を過ぎてリフト部と当接し始めると
ころである。
フトXに設けられたカムZ’および図示しない倣いロー
ラ6が当接するカムZは、rの半径を有し、その中心が
上記カムシャフトの軸心Oと一致する基円部と、該軸心
Oからの最大距離がlであるリフト部とが滑らかに連続
する形状とされ、いま図2の状態においては変位量測定
子10が上記基円部を過ぎてリフト部と当接し始めると
ころである。
【0055】このとき、倣いローラ6が図中に示すカム
Z’と同一形状かつ同一位相のもう一方のカムZのカム
面と当接しており、この倣いローラ6と一体となって上
下にスライド移動する変位量測定用マグネスケール8、
基円半径測定用マグネスケール9および測定ヘッド取付
台4が、機台2に固定された検査器台3に対して図示す
る高さ位置にある。一方、変位量測定子10は上記変位
量測定用マグネスケール8から自重によって懸垂し、図
示するカムZ’のカム面と当接している。
Z’と同一形状かつ同一位相のもう一方のカムZのカム
面と当接しており、この倣いローラ6と一体となって上
下にスライド移動する変位量測定用マグネスケール8、
基円半径測定用マグネスケール9および測定ヘッド取付
台4が、機台2に固定された検査器台3に対して図示す
る高さ位置にある。一方、変位量測定子10は上記変位
量測定用マグネスケール8から自重によって懸垂し、図
示するカムZ’のカム面と当接している。
【0056】そして、図2の状態では、この変位量測定
子10の当接部は軸心Oから基円半径rの距離だけ真上
の位置にあり、二つのカムZおよびZ’が正常、換言す
ると同一形状かつ同一位相であり、カム面に黒皮残りや
ピンホール等が発生していなければ、倣いローラ6の当
接部も軸心Oから基円半径rの距離だけ真上の位置にあ
って、上記変位量測定子10の変位量測定用マグネスケ
ール8からの突出長さは一定値に保たれる。
子10の当接部は軸心Oから基円半径rの距離だけ真上
の位置にあり、二つのカムZおよびZ’が正常、換言す
ると同一形状かつ同一位相であり、カム面に黒皮残りや
ピンホール等が発生していなければ、倣いローラ6の当
接部も軸心Oから基円半径rの距離だけ真上の位置にあ
って、上記変位量測定子10の変位量測定用マグネスケ
ール8からの突出長さは一定値に保たれる。
【0057】そして、カムシャフトXの回転により倣い
ローラ6が当接するカム面Zが基円部からリフト部に移
行するに伴って、倣いローラ6の当接部の軸心Oからの
距離が滑らかに増大し、該ローラ6を一体に取り付けた
測定ヘッド取付台4がカムのリフト部によって上方に押
し上げられ、検査器台3に対して上方にスライド移動す
ると共に、該取付台4に取り付けられた変位量測定用マ
グネスケール8と基円半径測定用マグネスケール9も上
方に移動することとなる。
ローラ6が当接するカム面Zが基円部からリフト部に移
行するに伴って、倣いローラ6の当接部の軸心Oからの
距離が滑らかに増大し、該ローラ6を一体に取り付けた
測定ヘッド取付台4がカムのリフト部によって上方に押
し上げられ、検査器台3に対して上方にスライド移動す
ると共に、該取付台4に取り付けられた変位量測定用マ
グネスケール8と基円半径測定用マグネスケール9も上
方に移動することとなる。
【0058】このとき、変位量測定子10は変位量測定
用マグネスケール8から独立して下方向に懸垂している
ので該マグネスケール8と共に上方行に移動することは
ないが、この測定子10が当接するカムZ’も上記カム
Zと同様に基円部からリフト部に移行することから、こ
のカムZ’の回転によって上記変位量測定子10も上方
に押し上げられることとなる。そして、二つのカムZお
よびZ’が正常であれば、一方のカムZ’のカム面の形
状に由来する変位量測定子10の上方行への動きと、も
う一方のカムZのカム面の形状に由来する変位量測定用
マグネスケール8の上方行への動きとは一致し、その結
果、変位量測定子10の突出長さは一定値に保たれるは
ずである。
用マグネスケール8から独立して下方向に懸垂している
ので該マグネスケール8と共に上方行に移動することは
ないが、この測定子10が当接するカムZ’も上記カム
Zと同様に基円部からリフト部に移行することから、こ
のカムZ’の回転によって上記変位量測定子10も上方
に押し上げられることとなる。そして、二つのカムZお
よびZ’が正常であれば、一方のカムZ’のカム面の形
状に由来する変位量測定子10の上方行への動きと、も
う一方のカムZのカム面の形状に由来する変位量測定用
マグネスケール8の上方行への動きとは一致し、その結
果、変位量測定子10の突出長さは一定値に保たれるは
ずである。
【0059】つまり、カムシャフトXの回転により両接
触子6および10が当接するカムZおよびZ’の形状が
それぞれ変化しても、変位量測定子10の変位量測定用
マグネスケール8に対する相対移動量は0となる。
触子6および10が当接するカムZおよびZ’の形状が
それぞれ変化しても、変位量測定子10の変位量測定用
マグネスケール8に対する相対移動量は0となる。
【0060】しかし、図7に拡大して示すように、例え
ば変位量測定子10が当接するカムZ’のカム面に黒皮
残りが生じて凹部があると、仮想線で示す正常である場
合の位置より長さaだけ当該測定子10は下方に位置す
る結果、相対移動量が発生することとなる。変位量測定
用マグネスケール8はこの内装する測定子10の相対移
動量を電気信号、例えば電流に変換してコントローラ1
2に伝達し、コントローラ12はこの伝達された電気量
が予め設定された許容量を超える場合には異常と判定
し、外部にその旨をアラームしてカムシャフトXの回転
を停止したり、その旨を記録する等の処置を行うことと
なる。
ば変位量測定子10が当接するカムZ’のカム面に黒皮
残りが生じて凹部があると、仮想線で示す正常である場
合の位置より長さaだけ当該測定子10は下方に位置す
る結果、相対移動量が発生することとなる。変位量測定
用マグネスケール8はこの内装する測定子10の相対移
動量を電気信号、例えば電流に変換してコントローラ1
2に伝達し、コントローラ12はこの伝達された電気量
が予め設定された許容量を超える場合には異常と判定
し、外部にその旨をアラームしてカムシャフトXの回転
を停止したり、その旨を記録する等の処置を行うことと
なる。
【0061】その後、図3に示すカムシャフトXの回転
に伴いカムZまたはカムZ’のリフト部が真上となっ
て、当接部が軸心Oから最大距離lだけ隔たった最も測
定ヘッド取付台4が上方行に移動した状態までは、該取
付台4は上昇移動し、さらにカムシャフトXの回転が進
むと、図4に示すように、当接部は再び基円部へと向か
って、上記取付台4は下降することとなる。
に伴いカムZまたはカムZ’のリフト部が真上となっ
て、当接部が軸心Oから最大距離lだけ隔たった最も測
定ヘッド取付台4が上方行に移動した状態までは、該取
付台4は上昇移動し、さらにカムシャフトXの回転が進
むと、図4に示すように、当接部は再び基円部へと向か
って、上記取付台4は下降することとなる。
【0062】そして、当接部が基円部に至るまでの図2
から図5までの間は、前述したように、倣いローラ6お
よび変位量測定子10共に上下方向に移動しながら変位
量測定子10の変位量測定用マグネスケール8に対する
相対移動量に基づいて、同一形状かつ同一位相であるべ
き二つのカムZ,Z’間の相対的な形状のズレを検査す
ることとなる。
から図5までの間は、前述したように、倣いローラ6お
よび変位量測定子10共に上下方向に移動しながら変位
量測定子10の変位量測定用マグネスケール8に対する
相対移動量に基づいて、同一形状かつ同一位相であるべ
き二つのカムZ,Z’間の相対的な形状のズレを検査す
ることとなる。
【0063】一方、倣いローラ6および変位量測定子1
0の当接部が基円部上に至った図5の状態から、さらに
回転が進んだ図6の状態を経て最初の図2の状態まで
は、両接触子6および10はrの半径を有するカムZお
よびZ’の基円部を滑動するので、軸心Oから半径rの
距離を保ち、上下方向の移動がない状態で二つのカム
Z,Z’間の相対的な形状のズレを検査することとな
る。
0の当接部が基円部上に至った図5の状態から、さらに
回転が進んだ図6の状態を経て最初の図2の状態まで
は、両接触子6および10はrの半径を有するカムZお
よびZ’の基円部を滑動するので、軸心Oから半径rの
距離を保ち、上下方向の移動がない状態で二つのカム
Z,Z’間の相対的な形状のズレを検査することとな
る。
【0064】そして、この基円部の検査中においては、
当該検査装置1は、かかる二つのカム間の形状のズレの
検査と共に、基円半径測定用マグネスケール9、基円半
径測定子11および基円半径基準金14を用いて基円半
径の成形異常や基円の軸心Oからのズレ等を併せて検査
する。
当該検査装置1は、かかる二つのカム間の形状のズレの
検査と共に、基円半径測定用マグネスケール9、基円半
径測定子11および基円半径基準金14を用いて基円半
径の成形異常や基円の軸心Oからのズレ等を併せて検査
する。
【0065】すなわち、倣いローラ6がカムZの基円部
と当接して測定ヘッド取付台4が最も下方の位置に移動
したとき(例えば、図5の状態)に、基円半径測定用マ
グネスケール9内に摺動自在に内装された基円半径測定
子11が、前述したように検査器台3の所定の位置に固
定された基円半径基準金14の基準面14’に当接す
る。この基円半径基準金14の固定位置は、基円半径測
定用マグネスケール9から下方に自由懸垂した基円半径
測定子11が、測定ヘッド取付台4が最も下方の位置に
移動したときにその基準面14’に初めて当接する高さ
より少なくとも上の位置である。
と当接して測定ヘッド取付台4が最も下方の位置に移動
したとき(例えば、図5の状態)に、基円半径測定用マ
グネスケール9内に摺動自在に内装された基円半径測定
子11が、前述したように検査器台3の所定の位置に固
定された基円半径基準金14の基準面14’に当接す
る。この基円半径基準金14の固定位置は、基円半径測
定用マグネスケール9から下方に自由懸垂した基円半径
測定子11が、測定ヘッド取付台4が最も下方の位置に
移動したときにその基準面14’に初めて当接する高さ
より少なくとも上の位置である。
【0066】こうすることにより、測定ヘッド取付台4
が下降してきて、倣いローラ6の当接部がカムZのリフ
ト部から基円部に移る直前に、当該取付台4に一体に取
り付けられた基円半径測定用マグネスケール9から懸垂
した基円半径測定子11が、基円半径基準金14の基準
面14’に当接することとなる。
が下降してきて、倣いローラ6の当接部がカムZのリフ
ト部から基円部に移る直前に、当該取付台4に一体に取
り付けられた基円半径測定用マグネスケール9から懸垂
した基円半径測定子11が、基円半径基準金14の基準
面14’に当接することとなる。
【0067】そして、倣いローラ6がカムZの基円部を
滑動する間(図5から図6を経て図2の状態まで)は、
このローラ6の当接部は軸心Oから基円半径rの距離を
保ったまま推移するので、測定ヘッド取付台4の上下方
向の移動はなく、かつ基円半径基準金14は所定の位置
に固定されているので、上記取付台4に一体に取り付け
られた基円半径測定用マグネスケール9、および上記基
準金14に当接した基円半径測定子11も共に上下方向
の移動がなく静止した状態で検査が推移することとな
り、このとき基円半径測定子11のマグネスケール9か
らの突出長さは一定に保たれるはずである。
滑動する間(図5から図6を経て図2の状態まで)は、
このローラ6の当接部は軸心Oから基円半径rの距離を
保ったまま推移するので、測定ヘッド取付台4の上下方
向の移動はなく、かつ基円半径基準金14は所定の位置
に固定されているので、上記取付台4に一体に取り付け
られた基円半径測定用マグネスケール9、および上記基
準金14に当接した基円半径測定子11も共に上下方向
の移動がなく静止した状態で検査が推移することとな
り、このとき基円半径測定子11のマグネスケール9か
らの突出長さは一定に保たれるはずである。
【0068】従って、被検査体である倣いローラ6が当
接するカムZのカム面の状態が、もう一方のカムZ’と
の比較ではなく、絶対的な形状の異常として判別し得る
こととなる。
接するカムZのカム面の状態が、もう一方のカムZ’と
の比較ではなく、絶対的な形状の異常として判別し得る
こととなる。
【0069】すなわち、倣いローラ6が当接するカムZ
の基円部において、例えば削り残しが生じていたり、基
円中心がカムシャフトXの軸心Oと一致していない等の
場合には、図8に仮想線で示す正常のときのカム面の位
置より高い位置(図中、符号bで示す)にカムZのカム
面が位置するときがあり、その距離bだけ倣いローラ6
が正常の位置より上方に押し上げられる結果、測定ヘッ
ド取付台4および基円半径測定用マグネスケール9も上
方向に移動することとなる。一方、基円半径測定子11
は上記マグネスケール9とは別個独立に移動可能なの
で、これらの動きとは無関係に自重により基円半径基準
金14の基準面14’上に当接したまま残る。すると、
一定に保たれるべきはずの基円半径測定子11の突出長
さが変化する(この場合は突出長さが距離bだけ長くな
る)ので、当該測定子11の基円半径測定用マグネスケ
ール9に対する相対移動量が発生することとなる。
の基円部において、例えば削り残しが生じていたり、基
円中心がカムシャフトXの軸心Oと一致していない等の
場合には、図8に仮想線で示す正常のときのカム面の位
置より高い位置(図中、符号bで示す)にカムZのカム
面が位置するときがあり、その距離bだけ倣いローラ6
が正常の位置より上方に押し上げられる結果、測定ヘッ
ド取付台4および基円半径測定用マグネスケール9も上
方向に移動することとなる。一方、基円半径測定子11
は上記マグネスケール9とは別個独立に移動可能なの
で、これらの動きとは無関係に自重により基円半径基準
金14の基準面14’上に当接したまま残る。すると、
一定に保たれるべきはずの基円半径測定子11の突出長
さが変化する(この場合は突出長さが距離bだけ長くな
る)ので、当該測定子11の基円半径測定用マグネスケ
ール9に対する相対移動量が発生することとなる。
【0070】基円半径測定用マグネスケール9はこの内
装する測定子11の相対移動量bを相当する電気信号、
例えば電流に変換してコントローラ12に伝達し、コン
トローラ12はこの伝達された電気量が予め設定された
許容量を超える場合には、倣いローラ6が当接するカム
Zの基円部の異常と判定し、外部にその旨をアラームし
てカムシャフトXの回転を停止したり、その旨を記録す
る等の処置を行うこととなる。
装する測定子11の相対移動量bを相当する電気信号、
例えば電流に変換してコントローラ12に伝達し、コン
トローラ12はこの伝達された電気量が予め設定された
許容量を超える場合には、倣いローラ6が当接するカム
Zの基円部の異常と判定し、外部にその旨をアラームし
てカムシャフトXの回転を停止したり、その旨を記録す
る等の処置を行うこととなる。
【0071】さらに、予め正常な基円半径である場合に
測定ヘッド取付台4が検査器台3に対して最下端に位置
したときの基円半径測定子11の突出長さ、換言すれ
ば、この測定子11が上記基準面14’に当接すること
によりそれまで自重によって自由懸垂していた長さより
幾分基円半径測定用マグネスケール9内に入り込んで短
くなったときの突出長さを決定して、そのときの該マグ
ネスケール9からコントローラ12に伝達される電気量
を読み込んでおくことにより、倣いローラ6が当接する
被検査体であるカムZの基円半径そのものが設定通りの
寸法で成形されているか否かを絶対的に判定することが
できる。すなわち、基円部の検査中を通じて検出される
電気量が、この予め設定された正常の半径に相当する電
気量に一致するか、もしくは許容範囲を超えないとき
は、倣いローラ6が当接するカムZの基円部の基円半径
寸法が正しく成形されて基円中心のズレ等がないと判定
できる。
測定ヘッド取付台4が検査器台3に対して最下端に位置
したときの基円半径測定子11の突出長さ、換言すれ
ば、この測定子11が上記基準面14’に当接すること
によりそれまで自重によって自由懸垂していた長さより
幾分基円半径測定用マグネスケール9内に入り込んで短
くなったときの突出長さを決定して、そのときの該マグ
ネスケール9からコントローラ12に伝達される電気量
を読み込んでおくことにより、倣いローラ6が当接する
被検査体であるカムZの基円半径そのものが設定通りの
寸法で成形されているか否かを絶対的に判定することが
できる。すなわち、基円部の検査中を通じて検出される
電気量が、この予め設定された正常の半径に相当する電
気量に一致するか、もしくは許容範囲を超えないとき
は、倣いローラ6が当接するカムZの基円部の基円半径
寸法が正しく成形されて基円中心のズレ等がないと判定
できる。
【0072】また、二つのカムZまたはカムZ’の一方
において基円部の異常が検出されるときは、必ず当該カ
ムZ,Z’間で形状のズレが生じるので、図8に示すよ
うに、この場合は変位量測定子10の変位量測定用マグ
ネスケール8からの突出長さも正常時に比べて長さbだ
け長くなる結果、上記マグネスケール8に相対移動量が
発生し、このマグネスケール8からコントローラ12に
この相対移動量に相当する電気量が送信されることとな
り、これによってもカムシャフトXの寸法異常が検出さ
れることとなる。従って、多面的にカムシャフトXの検
査を同時に実施することができて、検査の信憑性および
精度を高めることとなり、誤認のない正確な検査を短時
間で実行し得ることとなる。
において基円部の異常が検出されるときは、必ず当該カ
ムZ,Z’間で形状のズレが生じるので、図8に示すよ
うに、この場合は変位量測定子10の変位量測定用マグ
ネスケール8からの突出長さも正常時に比べて長さbだ
け長くなる結果、上記マグネスケール8に相対移動量が
発生し、このマグネスケール8からコントローラ12に
この相対移動量に相当する電気量が送信されることとな
り、これによってもカムシャフトXの寸法異常が検出さ
れることとなる。従って、多面的にカムシャフトXの検
査を同時に実施することができて、検査の信憑性および
精度を高めることとなり、誤認のない正確な検査を短時
間で実行し得ることとなる。
【0073】なお、本願の発明者は、上記カムシャフト
Xの検査において、倣いローラ6または変位量測定子1
0の当接部を含む移動軸がそれぞれカムシャフトXの回
転中心の真上から0.01ミリメートル以内に納まるよ
うにし、測定ヘッド取付台4等の重量のこれら二つの接
触子6および10の各当接部への荷重が500グラムか
ら750グラムとなるようにコイルスプリング15の引
張強度を調整する等し、両接触子6および10のローラ
部の直径を20ミリメートルとしたときには、比較的カ
ムシャフトXの回転速度を速めても、カム面形状の変化
と上からの荷重とのバランスが良好となって、倣いロー
ラ6および変位量測定子10のローラ部がカム面Zおよ
びZ’から離れることなく滑らかに当接し続け、両カム
Z,Z’間の形状のズレもしくは相対移動量の変化が2
0ミクロンメートルである場合まで検出し得ることを見
出した。従って、検査時間の短縮と検査精度の向上の両
立が可能となった。
Xの検査において、倣いローラ6または変位量測定子1
0の当接部を含む移動軸がそれぞれカムシャフトXの回
転中心の真上から0.01ミリメートル以内に納まるよ
うにし、測定ヘッド取付台4等の重量のこれら二つの接
触子6および10の各当接部への荷重が500グラムか
ら750グラムとなるようにコイルスプリング15の引
張強度を調整する等し、両接触子6および10のローラ
部の直径を20ミリメートルとしたときには、比較的カ
ムシャフトXの回転速度を速めても、カム面形状の変化
と上からの荷重とのバランスが良好となって、倣いロー
ラ6および変位量測定子10のローラ部がカム面Zおよ
びZ’から離れることなく滑らかに当接し続け、両カム
Z,Z’間の形状のズレもしくは相対移動量の変化が2
0ミクロンメートルである場合まで検出し得ることを見
出した。従って、検査時間の短縮と検査精度の向上の両
立が可能となった。
【0074】また、基円部の範囲の検出方法は、基円半
径測定子11の基円半径基準金14に対する位置関係に
よって異なる。すなわち、基円部の検査中に測定ヘッド
取付台4が最下端にまで下降したときにのみ上記測定子
11のローラ部が基準面14’に当接し、リフト部の検
査中に測定ヘッド取付台4が軸心Oから遠ざかっている
間は基準面14’に当接せずに自由懸垂状態にある場合
と、基円半径測定子11の突出長さが十分長くて検査部
位に関係なくカムシャフトXの回転中上記基準面14’
に当接し続ける場合とが考えられる。
径測定子11の基円半径基準金14に対する位置関係に
よって異なる。すなわち、基円部の検査中に測定ヘッド
取付台4が最下端にまで下降したときにのみ上記測定子
11のローラ部が基準面14’に当接し、リフト部の検
査中に測定ヘッド取付台4が軸心Oから遠ざかっている
間は基準面14’に当接せずに自由懸垂状態にある場合
と、基円半径測定子11の突出長さが十分長くて検査部
位に関係なくカムシャフトXの回転中上記基準面14’
に当接し続ける場合とが考えられる。
【0075】前者の場合は、倣いローラ6が基円部にさ
しかかるときに、基円半径測定子11が基準面14’に
当接して基円半径測定用マグネスケール9内に入り込む
ことによる相対移動量が発生し、一方後者の場合には、
上記取付台4の下降に伴って相対移動量が増加していた
のが0に急変することとなる。しかしながら、いずれの
場合も基円部の範囲の検出としては十分であり、本願の
発明者は、特に、かかる相対移動量の変化時点からさら
にカムシャフトXが10°程回転した時点を基円部検査
開始の時点とすることが、カム基円部範囲の決定として
正確であり、リフト部を基円部と誤認して半径寸法が異
常であると誤判定することのないことを見出した。従っ
て、カムシャフトの多面的検査の精度を有効に保つこと
ができた。
しかかるときに、基円半径測定子11が基準面14’に
当接して基円半径測定用マグネスケール9内に入り込む
ことによる相対移動量が発生し、一方後者の場合には、
上記取付台4の下降に伴って相対移動量が増加していた
のが0に急変することとなる。しかしながら、いずれの
場合も基円部の範囲の検出としては十分であり、本願の
発明者は、特に、かかる相対移動量の変化時点からさら
にカムシャフトXが10°程回転した時点を基円部検査
開始の時点とすることが、カム基円部範囲の決定として
正確であり、リフト部を基円部と誤認して半径寸法が異
常であると誤判定することのないことを見出した。従っ
て、カムシャフトの多面的検査の精度を有効に保つこと
ができた。
【0076】以上説明したように、この検査装置1は、
カムシャフトXが少なくとも一回転する間に、同一形状
かつ同一位相の二つのカム面の黒皮残りやピンホール等
の発生を検出し、二つのカムZ,Z’間の位相のズレを
判定し、基円半径の寸法精度や基円のズレ等を検査する
ことができ、生産現場において不良品を後工程に流出す
ることを防ぐことができるが、この間の当該検査装置1
が行う検査動作の一例を図9に示すフローチャートを参
照して説明すると、まずカムシャフトXをカムシャフト
回転装置Bの二つの回転ロッドC間に把持して、倣いロ
ーラ6と変位量測定子10とをそれぞれ被検査体である
二つのカムZおよびZ’のカム面に当接させた後、ステ
ップS1でカムシャフト回転装置Bが当該カムシャフト
Xを回転させるべく起動したか否かを判定し、カムシャ
フトXの回転が確認されるとステップS2において検査
装置1が自動起動して当該カムシャフトXの検査が自動
的に開始される。
カムシャフトXが少なくとも一回転する間に、同一形状
かつ同一位相の二つのカム面の黒皮残りやピンホール等
の発生を検出し、二つのカムZ,Z’間の位相のズレを
判定し、基円半径の寸法精度や基円のズレ等を検査する
ことができ、生産現場において不良品を後工程に流出す
ることを防ぐことができるが、この間の当該検査装置1
が行う検査動作の一例を図9に示すフローチャートを参
照して説明すると、まずカムシャフトXをカムシャフト
回転装置Bの二つの回転ロッドC間に把持して、倣いロ
ーラ6と変位量測定子10とをそれぞれ被検査体である
二つのカムZおよびZ’のカム面に当接させた後、ステ
ップS1でカムシャフト回転装置Bが当該カムシャフト
Xを回転させるべく起動したか否かを判定し、カムシャ
フトXの回転が確認されるとステップS2において検査
装置1が自動起動して当該カムシャフトXの検査が自動
的に開始される。
【0077】次にステップS3において、変位量測定子
10の変位量測定用マグネスケール8に対する相対移動
量を検出し、コントローラ12はステップS4で上記マ
グネスケール8によって電気信号に変換された相対移動
量を許容範囲として予め設定された所定値と比較する。
そして、この相対移動量が所定値を超えて大きいとき
は、黒皮残りやピンホール等のカム面の不良発生、ある
いは位相のズレ検出としてステップS5に進んで外部に
異常を知らせると同時に、ステップS6において上記カ
ムシャフト回転装置Bに回転停止信号を出力して当該検
査を停止する。さらに、ステップS7でこの異常の部位
並びに程度等の必要項目を記録する。
10の変位量測定用マグネスケール8に対する相対移動
量を検出し、コントローラ12はステップS4で上記マ
グネスケール8によって電気信号に変換された相対移動
量を許容範囲として予め設定された所定値と比較する。
そして、この相対移動量が所定値を超えて大きいとき
は、黒皮残りやピンホール等のカム面の不良発生、ある
いは位相のズレ検出としてステップS5に進んで外部に
異常を知らせると同時に、ステップS6において上記カ
ムシャフト回転装置Bに回転停止信号を出力して当該検
査を停止する。さらに、ステップS7でこの異常の部位
並びに程度等の必要項目を記録する。
【0078】一方、前述したように、基円半径測定子1
1の相対移動量の変化によって倣いローラ6が基円部に
移行したことが判定されるときは、ステップS8におい
て、基円半径測定子11の基円半径測定用マグネスケー
ル9に対する相対移動量を検出し、コントローラ12は
ステップS9でこの基円半径測定用マグネスケール9に
よって電気信号に変換された相対移動量を許容範囲とし
て予め設定された所定値と比較する。そして、この相対
移動量が当該所定値を超えて大きいときは、基円中心の
カム軸Oからのズレ検出として、上記と同様に、ステッ
プS5以下に進んで対応を講じる。
1の相対移動量の変化によって倣いローラ6が基円部に
移行したことが判定されるときは、ステップS8におい
て、基円半径測定子11の基円半径測定用マグネスケー
ル9に対する相対移動量を検出し、コントローラ12は
ステップS9でこの基円半径測定用マグネスケール9に
よって電気信号に変換された相対移動量を許容範囲とし
て予め設定された所定値と比較する。そして、この相対
移動量が当該所定値を超えて大きいときは、基円中心の
カム軸Oからのズレ検出として、上記と同様に、ステッ
プS5以下に進んで対応を講じる。
【0079】そして、いまだ異常発生が検出されないと
きは、ステップS10で上記カムシャフト回転装置B
が、例えば二回転等の所定数の回転を終了したか否かを
調べ、その所定の回転を終えるまで検査を続行する。
きは、ステップS10で上記カムシャフト回転装置B
が、例えば二回転等の所定数の回転を終了したか否かを
調べ、その所定の回転を終えるまで検査を続行する。
【0080】そして、寸法不良が検出されないまま所定
数の回転を終了したときは、ステップS11において当
該検査の終了として上記回転装置Bの回転を停止した
後、ステップS12でこのカムシャフトXを次の工程に
搬出してよい旨の命令を外部に通知することにより一連
のカムシャフトXの寸法精度の検査を終了する。
数の回転を終了したときは、ステップS11において当
該検査の終了として上記回転装置Bの回転を停止した
後、ステップS12でこのカムシャフトXを次の工程に
搬出してよい旨の命令を外部に通知することにより一連
のカムシャフトXの寸法精度の検査を終了する。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本願の発明によれ
ば、過大な装置を準備することなく、同一形状かつ同一
位相の二つのカムの周面状態を比較し、両カム間の形状
もしくは位相のズレ、または一方のカム面に黒皮残りや
ピンホールが発生している等をカムシャフトを回転する
だけで検出することができ、カムシャフトの仕上がり状
態を正確に短時間で検査することが可能となる。
ば、過大な装置を準備することなく、同一形状かつ同一
位相の二つのカムの周面状態を比較し、両カム間の形状
もしくは位相のズレ、または一方のカム面に黒皮残りや
ピンホールが発生している等をカムシャフトを回転する
だけで検出することができ、カムシャフトの仕上がり状
態を正確に短時間で検査することが可能となる。
【0082】特に、第3発明および第4発明では、かか
る検査と同時に、成形されたカムの基円部の基円半径が
設定通りであるか否か、もしくは基円中心が芯ズレを生
じていないか等の判定も行うことができ、多面的なカム
シャフトの検査が可能となる。
る検査と同時に、成形されたカムの基円部の基円半径が
設定通りであるか否か、もしくは基円中心が芯ズレを生
じていないか等の判定も行うことができ、多面的なカム
シャフトの検査が可能となる。
【0083】従って、検査時間の圧縮を図りつつ、不良
品を後工程に流出させる不都合を解消して、生産効率の
向上および生産コストの抑制に寄与し得ることとなる。
品を後工程に流出させる不都合を解消して、生産効率の
向上および生産コストの抑制に寄与し得ることとなる。
【図1】 実施例において、本発明に係る検査装置を使
用してカムシャフトの検査中の様子を示す正面図であ
る。
用してカムシャフトの検査中の様子を示す正面図であ
る。
【図2】 同じく実施例における検査装置の検査動作の
変化を示す右側面図である。
変化を示す右側面図である。
【図3】 同じく実施例における検査装置の検査動作の
変化を示す右側面図である。
変化を示す右側面図である。
【図4】 同じく実施例における検査装置の検査動作の
変化を示す右側面図である。
変化を示す右側面図である。
【図5】 同じく実施例における検査装置の検査動作の
変化を示す右側面図である。
変化を示す右側面図である。
【図6】 同じく実施例における検査装置の検査動作の
変化を示す右側面図である。
変化を示す右側面図である。
【図7】 同じく実施例において、カム面の成形異常を
検出するときの様子を示す要部拡大図である。
検出するときの様子を示す要部拡大図である。
【図8】 同じく実施例において、リフト部の成形異常
を検出するときの様子を示す要部拡大図である。
を検出するときの様子を示す要部拡大図である。
【図9】 本発明に係る検査装置の検査動作の流れを示
すフローチャートである。
すフローチャートである。
1 カムシャフト検査装置 3 検査器台 4 測定ヘッド取付台 6 倣いローラ 8 変位量測定用マグネスケール 9 基円半径測定用マグネスケール 10 変位量測定子 11 基円半径測定子 12 コントローラ 14’ 基円半径基準面 B カムシャフト回転装置 O カムシャフト軸心 X カムシャフト Z,Z’ カム
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の同一形状かつ同一位相のカムを有
するカムシャフトの検査方法であって、同一形状かつ同
一位相の二つのカムの周面に、該カムシャフトの軸心に
直交する方向に移動可能な接触子をそれぞれ当接させ、
この状態でカムシャフトを回転させたときの両接触子の
相対移動量に基づいて上記二つのカムの周面の状態を判
定することを特徴とするカムシャフトの検査方法。 - 【請求項2】 複数の同一形状かつ同一位相のカムを有
するカムシャフトの検査装置であって、同一形状かつ同
一位相の二つのカムのうち第1のカムの周面に当接する
基準接触子を一体に有すると共に上記カムシャフトの軸
心に直交する方向に移動可能とされた移動部材と、該移
動部材にその移動方向と同方向に摺動自在に備えられて
上記二つのカムのうち第2のカムの周面に当接する可動
接触子とを有し、上記基準接触子および可動接触子を上
記第1のカムおよび第2のカムの周面にそれぞれ当接さ
せた状態でカムシャフトを回転させたときの上記可動接
触子の移動部材に対する相対移動量に基づいて上記二つ
のカムの周面の状態を判定する判定手段が設けられてい
ることを特徴とするカムシャフトの検査装置。 - 【請求項3】 所定の位置に固定された基円検査面に当
接する基円検査用の可動接触子を移動部材にその移動方
向と同方向に摺動自在に備え、上記移動部材の基準接触
子を第1のカムの周面に当接させた状態でカムシャフト
を回転させたときの上記基円検査用の可動接触子の移動
部材に対する相対移動量に基づいて、判定手段が上記第
1のカムの基円部周面の状態を判定することを特徴とす
る請求項2に記載のカムシャフトの検査装置。 - 【請求項4】 第1のカムの周面に当接する基準接触子
および第2のカムの周面に当接する可動接触子の移動軸
の延長線上にカムシャフトの軸心があることを特徴とす
る請求項2または請求項3のいずれかに記載のカムシャ
フトの検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35028093A JPH07190702A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | カムシャフトの検査方法および検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35028093A JPH07190702A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | カムシャフトの検査方法および検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07190702A true JPH07190702A (ja) | 1995-07-28 |
Family
ID=18409429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35028093A Pending JPH07190702A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | カムシャフトの検査方法および検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07190702A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-12-27 JP JP35028093A patent/JPH07190702A/ja active Pending
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