JPH07190147A - 動力伝達構造 - Google Patents

動力伝達構造

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JPH07190147A
JPH07190147A JP33219693A JP33219693A JPH07190147A JP H07190147 A JPH07190147 A JP H07190147A JP 33219693 A JP33219693 A JP 33219693A JP 33219693 A JP33219693 A JP 33219693A JP H07190147 A JPH07190147 A JP H07190147A
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JP
Japan
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cylinder member
driving force
transmission member
power transmission
propeller
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JP33219693A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Sumi
晃良 角
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Viscodrive Japan Ltd
Original Assignee
Viscodrive Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝達部材間に生じる振動を広い周波数領域に
わたって減衰することができると共に、弾性体が破断し
た場合においても回転駆動力を部分的に被駆動側に伝達
することができる良好な動力伝達構造を提供する。 【構成】 プロペラ羽根12が立設された円筒状の外筒部
材11と、この外筒部材11の内側で同一回転軸線上に配置
されて駆動される円筒状の内筒部材13との間のほぼ半分
の部分の対向領域にゴム体16を介装する。残り部分の外
筒部材11と内筒部材13との間の対向領域にシリコンオイ
ルが封入された作動室31を構成し、該作動室31内には外
筒部材11及び内筒部材13にそれぞれスプライン係合され
たアウタープレート34及びインナープレート35を交互に
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転駆動力を弾性体を
介して伝達する動力伝達構造に関し、特に伝達部材間に
生じる振動を広い周波数領域において減衰しながら駆動
側から被駆動側に伝達することができる動力伝達構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転駆動力を伝達する動力伝
達系においては、駆動側に生じる回転駆動力の変動を減
衰しながら被駆動側に伝達することにより、回転駆動力
が急激に変化した場合に駆動軸に生じるねじり応力の急
上昇を緩和し、あるいは駆動軸に生じた振動の被駆動側
への伝播を遮断して被駆動側の共振を防止する動力伝達
構造を備えた動力伝達装置がある。
【0003】そして、このように駆動側に生じる回転駆
動力の変動を減衰しながら被駆動側に伝達することによ
り、伝達部材間に生じる振動を減衰する動力伝達構造の
一例として、筒状の外側伝達部材と、該外側伝達部材の
内側で同一回転軸線上に配設された筒状の内側伝達部材
と、前記外側伝達部材と前記内側伝達部材との間に介装
されて回転駆動力を伝達可能な弾性体とを有し、両伝達
部材間に生じる振動を減衰しながら駆動力を伝達する動
力伝達構造がある。このような動力伝達構造において
は、外側伝達部材又は内側伝達部材のいずれかに入力さ
れる駆動力の変動等に起因する振動をゴム等の弾性体の
変形により減衰しながら被駆動側に伝達するようにされ
ている。
【0004】例えば、図4及び図5に示した小型船舶用
のプロペラ1は、エンジンが発生した回転駆動力を伝達
する駆動軸と、この駆動軸により回転させられて小型船
舶を推進させるプロペラとの間に上記の如き動力伝達構
造が用いられている。前記プロペラ1の動力伝達構造
は、その外周面に複数枚のプロペラ羽根3が立設された
円筒状の外側伝達部材である外筒部材2と、この外筒部
材2の内側で同一回転軸線上に配設された円筒状の内側
伝達部材である内筒部材4と、前記外筒部材2の内周面
2aと前記内筒部材4の外周面4aとの間に介装された
厚肉円環状のゴム体6とを備えており、前記内筒部材4
の内周側に刻設された雌スプライン5を介して伝達され
る駆動軸(図示せず)の回転駆動力が前記ゴム体6を介
して前記外筒部材2に伝えられ、前記プロペラ羽根3を
回転するようにされている。
【0005】そこで、エンジン出力が急激に増減されて
前記内筒部材4に衝撃的に回転駆動力が伝達された時に
は、前記ゴム体6がねじり方向に大きく弾性変形し、よ
って駆動軸に生じるねじり応力の急激な増加を緩和する
とともに、船体が急加減速しないようにして乗り心地を
向上するようにされている。即ち、レジャーボート等の
小型船舶においてはエンジン出力を急激に増減させるこ
とが可能であるとともに、そのプロペラは比較的大きな
回転慣性を有しているため、駆動軸とプロペラとを直結
した場合のように、エンジン出力が急激に増減される際
に駆動軸のねじり応力が急激に上昇するとともに、船体
に加減速ショックが発生するのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のゴム
体6は、駆動軸からプロペラに伝達される回転駆動力を
高い耐久性をもって伝達できるようにその硬度が定めら
れるから、エンジンのトルク変動に起因して生じる駆動
軸のねじり方向の振動等を特定の周波数領域においては
効果的に減衰することができるものの、広い周波数領域
の大半においては充分に減衰することができず、船体に
不快な振動を生じたり、エンジン出力を増減させる際に
船体に加減速ショックが生じたりしてしまう。
【0007】また、広い周波数領域の振動を減衰できる
ように前記ゴム体6を柔らかくすると強度が不足するた
め、プロペラ羽根3が海底に接触したり漁網のロープに
引っかかったりしてその回転が急激に停止させられる
と、前記ゴム体6が破断し、プロペラ羽根3に回転駆動
力を伝達することができなくなってしまう。即ち、上記
の如き動力伝達構造においては、伝達部材間に生じる振
動を広い周波数領域において減衰することは難しく、万
が一弾性体が破断した場合には動力伝達が不可能となっ
てしまうという問題がある。
【0008】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、伝達部材間に生じる振動を広い周波数領
域にわたって減衰することができると共に、弾性体が破
断した場合においても回転駆動力を部分的に被駆動側に
伝達することができる良好な動力伝達構造を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、筒
状の外側伝達部材と、該外側伝達部材の内側で同一回転
軸線上に配設された筒状の内側伝達部材と、前記外側伝
達部材と前記内側伝達部材との間に介装されて回転駆動
力を伝達可能な弾性体とを有し、両伝達部材間に生じる
振動を減衰しながら駆動力を伝達する動力伝達構造にお
いて、前記外側伝達部材と前記内側伝達部材との間に
は、両伝達部材により構成されて粘性流体が封入された
作動室と、前記外側伝達部材と回転方向に係合した第1
のプレート組と、該第1のプレート組と前記作動室内で
交互に配置されると共に前記内側伝達部材と回転方向に
係合した第2のプレート組とが設けられていることを特
徴とする動力伝達構造により達成することができる。
【0010】
【作用】上記構成によれば、弾性体がねじり方向に弾性
変形して外側伝達部材と内側伝達部材との間に相対回転
が生じることにより、作動室内の第1のプレート組と第
2のプレート組とが相対変位する。そこで、これら第1
及び第2のプレート組間に生じる粘性流体の剪断抵抗に
よってもねじり方向の振動が減衰され、該減衰力は外側
伝達部材と内側伝達部材との相対角速度に比例して変わ
るので、広い周波数領域にわたってねじり振動等の振動
を減衰することができる。
【0011】また、弾性体が破断した場合にも外側伝達
部材と内側伝達部材との相対回転数に応じた第1及び第
2のプレート組間に生じる粘性流体の剪断抵抗によっ
て、回転駆動力を部分的に伝達することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の動力伝達構造の一実施例を添
付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1
実施例に基づく動力伝達構造を備えた小型船舶用のプロ
ペラ100の要部縦断面図であり、プロペラ100は、
その外周面11aに複数のプロペラ羽根12が立設され
た円筒状の外側伝達部材である外筒部材11と、この外
筒部材11の内側で同一回転軸線上に配置された円筒状
の内側伝達部材である内筒部材13と、前記外筒部材1
1の内周面11bおよび前記内筒部材13の外周面13
aとの間の図示右半分の部分に介装された厚肉円環状の
弾性体であるゴム体16とを有している。そして、前記
内筒部材13の内周側には雌スプライン14が設けら
れ、図示されない駆動軸と回転方向に係合して回転駆動
力が入力されるように構成されている。
【0013】また、前記内筒部材13の外周面13aの
図中左端側には、外周部に設けられた段部21aが前記
外筒部材11の左端部11cと溶接されて一体的に回転
する略円盤状の蓋体21に貫設された内孔21bが回転
自在に外嵌されている。そして、この内孔21bの内周
面には、溝21cが形成されてシール部材であるXリン
グ23が収納されると共に、右方端縁に形成された段部
21dにスラストベアリング25が取り付けられてい
る。
【0014】前記外筒部材11の軸線方向におけるほぼ
中央部には、外筒部材11の内周面11bに外周端部2
2aが溶接されて前記ゴム体16と隣り合った状態で外
筒部材11と一体的に回転する円盤状部材22が配置さ
れており、該円盤状部材22に貫設された内孔22bが
前記内筒部材13の外周面13aに回転自在に外嵌され
ている。そして、この内孔22bの内周面には、溝22
cが形成されてXリング24が収納されると共に、左方
端縁に形成された段部22dにスラストベアリング26
が取り付けられている。
【0015】前記蓋体21及び前記円盤状部材22で挟
まれる部分の内周面11b及び外周面13aには、それ
ぞれ雌スプライン32及び雄スプライン33が軸線方向
に沿って刻設されている。そして、雄スプライン33の
図中左端側面33bには蓋体21に取り付けられたスラ
ストベアリング25が当接すると共に、図中右端側面3
3aには円盤状部材22に取り付けられたスラストベア
リング26がそれぞれ当接し、内筒部材13は外筒部材
11に作用するスラスト力を支持可能とされている。
【0016】更に、前記外筒部材11と一体に固定され
た前記蓋体21及び前記円盤状部材22と、前記内筒部
材13とにより画成された円環状の作動室31内には、
粘性流体である高粘度のシリコンオイルが注入され、前
記Xリング23,24により外部に漏れ出さないように
密封されている。この作動室31内の前記雌スプライン
32には、薄い鋼板を打ち抜いて略円盤状に成形した第
1のプレート組である複数のアウタープレート34が軸
線方向へ移動自在にスプライン係合されており、スペー
サリング36により間隔を保持されている。また、作動
室31内の前記雄スプライン33には、薄い鋼板を打ち
抜いて略円盤状に成形した第2のプレート組である複数
のインナープレート35が軸線方向へ移動自在にスプラ
イン係合されており、前記アウタープレート34と交互
に配置されている。
【0017】即ち、前記外筒部材11と前記内筒部材1
3との間の図示左半分の部分には、振動減衰手段として
所謂粘性流体継手(ビスカスカップリング)30が配設
されており、外筒部材11と内筒部材13との相対角速
度に比例したシリコンオイルの剪断抵抗により両部材間
のねじり方向の振動を減衰する減衰力が得られるように
構成されている。
【0018】次に、上述のように構成された本第1実施
例の動力伝達構造を備えた小型船舶用のプロペラ100
の作動について説明すると、エンジンが発生した回転駆
動力は図示されない駆動軸を介して内筒部材13に伝達
される。そして、内筒部材13に伝達された回転駆動力
はゴム体16を介して外筒部材11に伝達され、プロペ
ラ羽根12を回転する。
【0019】そして、内筒部材13に入力される回転駆
動力が変動すると、前記ゴム体16がねじり方向に弾性
変形し、駆動軸に生じるねじり応力の急激な増加を緩和
するとともに、外筒部材11と内筒部材13との間に生
じる振動を減衰する。更に、前記ゴム体6がねじり方向
に弾性変形して外筒部材11と内筒部材13との間に相
対回転が生じることにより、前記アウタープレート34
と前記インナープレート35とが相対変位するので、両
プレート間には相対角速度に比例したシリコンオイルの
剪断抵抗が生じ、外筒部材11と内筒部材13との間に
生じるねじり方向の振動が減衰される。
【0020】この時、アウタープレート34とインナー
プレート35との間に生じるシリコンオイルの剪断抵抗
に基づく減衰力は、アウタープレート34とインナープ
レート35との相対角速度に比例して発生し、その相対
回転の周波数には依存しないので、内筒部材13と外筒
部材11との間のねじり方向の振動を広い周波数領域に
わたって減衰することができる。
【0021】したがって、本第1実施例のプロペラ10
0によれば、前記ゴム体16の剛性や前記ビスカスカッ
プリング30の特性を適宜変えて組み合わせることによ
り、エンジンの低回転数領域から高回転数領域にいたる
まで、広い周波数領域にわたって、エンジンのトルク変
動に起因する船体の不快な振動の発生を防止することが
できる。
【0022】更には、プロペラ羽根12が海底や漁網の
ロープ等に接触して、その回転が急激に止められるなど
してゴム体16が破断してしまった時にも、外筒部材1
1にはビスカスカップリング30を介して回転駆動力が
部分的に伝達され、船体を前進させる推進力が完全に失
われることがない。その上、本第1実施例のプロペラ1
00のおいては、外筒部材11の回転軸線が、蓋体21
及び円盤状部材22により内筒部材13の回転軸線と常
に一致するように剛体支持されているから、図4に示し
た従来のゴム体6のみにより弾性支持されるプロペラ1
に比較して、プロペラ羽根の回転中心を良好に保つこと
ができ、よってプロペラ羽根12が高速回転する際のセ
ンターずれに起因する振動を低減して船体に不快な振動
が発生することを防止することができる。
【0023】図2は、本発明の第2実施例に基づく動力
伝達構造を備えた小型船舶用のプロペラ200の要部縦
断面図である。尚、上記第1実施例のプロペラ100と
ほぼ同様の構成部材に関しては同符号を付して説明を省
略する。プロペラ200は、上記第1実施例のプロペラ
100と同様に、その外周面41aに複数のプロペラ羽
根42が立設された円筒状の外側伝達部材である外筒部
材41と、この外筒部材41の内側で同一回転軸線上に
配置された円筒状の内側伝達部材である内筒部材43
と、前記外筒部材41の内周面41bおよび前記内筒部
材43の外周面43aとの間の図示右半分の部分に介装
された弾性体である厚肉円環状のゴム体46とを有して
いる。そして、前記内筒部材43の内側には雌スプライ
ン44が設けられ、図示されない駆動軸と回転方向に係
合して回転駆動力が入力されるように構成されている。
【0024】一方、このプロペラ200においては、外
筒部材41及び内筒部材43と共にビスカスカップリン
グ30の作動室31を画成すべく該外筒部材41に溶接
されて一体回転する第1の円盤状部材51及び第2の円
盤状部材52に貫設された内孔51b及び内孔52b
が、それぞれ内筒部材43の外周面43aに回転自在に
嵌合されている。そして、これら内孔51b及び内孔5
2bの内周面にはそれぞれ溝51c,52cが形成され
てXリング53,54が収納されている。
【0025】また、前記内筒部材43の両端部にはそれ
ぞれ段部43b及び段部43cが形成されてスラストベ
アリング57,58が取り付けられると共に、前記外筒
部材41の両端部には該スラストベアリング57,58
を介して該外筒部材41が内筒部材43に対して軸線方
向に変位しないように支持する為の第1及び第2の円盤
状支持板55,56が固着され、これら第1及び第2の
円盤状支持板55,56の内周端にはスラストベアリン
グ57,58を取付ける為の段部55a,55bが形成
されている。
【0026】即ち、本第2実施例のプロペラ200にお
いては、外筒部材41に作用するスラスト力を支持する
為に内筒部材43に取り付けられたスラストベアリング
57,58がビスカスカップリング30の作動室31の
外側に設けられているので、スラストベアリング57,
58の潤滑が可能となって寿命をより向上させることが
できると共に、前記第1及び第2の円盤状支持板55,
56を着脱可能に外筒部材41に固着すればスラストベ
アリング57,58の交換を容易にすることができる。
勿論、本第2実施例のプロペラ200においても、上記
第1実施例のプロペラ100と同様に、内筒部材43と
外筒部材41との間に生じる振動を広い周波数領域にわ
たって減衰することができる。
【0027】尚、上記各実施例においては本発明の動力
伝達構造を小型船舶用のプロペラに応用した場合の実施
例について述べたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、他の動力伝達系に用いることもできる。図3は
本発明の第3実施例に基づく動力伝達構造を備えたベル
トプーリー300の縦断面図であり、図示されないVベ
ルトが巻き付けられる複数の溝61bが外周面に形成さ
れた円筒状の外側伝達部材であるリム部材61と、この
リム部材61の内側で同一回転軸線上に配置された円筒
状の内側伝達部材であるプーリーハブ64と、前記リム
部材61の内周面61aと前記プーリーハブ64を構成
する内筒部材63の外周面63aとの間に介装された弾
性体である円筒状のゴム体62とを備えている。そし
て、前記プーリーハブ64は、図示されない駆動軸と回
転方向に係合するスプライン65を備えた円筒状のボス
64aと、このボス64aの外周に垂設された鍔部64
bとを備え、該鍔部64bの外周端部が前記内筒部材6
3の内周面63bにおける図中右側端に固定されてい
る。
【0028】これにより、プーリーハブ64のボス64
aに入力された回転駆動力は、内筒部材63からゴム体
62を介してリム部材61に伝達され、よって図示され
ないVベルトからやはり図示されない従動軸に伝達され
る。また、前記ボス64aとは反対側の前記リム部材6
1の軸方向端部には、半径方向内側に向かって延びるよ
うに側壁61dが設けられると共に、該側壁61dに貫
設された前記内孔61eには、円筒状部材66が前記ボ
ス64aに向かって延びるように固着されており、前記
リム部材61とこの円筒状部材66とが一体的に回転す
るようにされている。
【0029】更に、前記内筒部材63の内周面63bと
前記円筒状部材66の外周面には、それぞれ雌スプライ
ン82と雄スプライン83が互いに対向するように刻設
されている。また、前記内筒部材63の内側には、一対
の円盤部材71が前記雌スプライン82を挟んで配置さ
れ、かつその外周部71aが内筒部材63に密着するよ
うに固定されて一体的に回転するように構成されてい
る。そして、この一対の円盤部材71に貫設された内孔
71bには、前記円筒状部材66が相対回転自在に内嵌
されて作動室81が画成されている。該作動室81内に
注入される粘性流体である高粘度のシリコンオイルは、
前記一対の円盤部材71の内孔71bの内周面に形成し
た溝71c内に収納されたXリング73によって、外部
に漏れ出さないように密封されている。
【0030】更に、前記作動室81内の前記雌スプライ
ン82には、薄い鋼板を打ち抜いて略円盤状に成形した
第2のプレート組である複数のアウタープレート84が
軸線方向へ移動自在にスプライン係合されており、スペ
ーサリング86により間隔を保持されている。また、作
動室81内の前記雄スプライン83には、薄い鋼板を打
ち抜いて略円盤状に成形した第1のプレート組である複
数のインナープレート85が軸線方向へ移動自在にスプ
ライン係合されており、前記アウタープレート84と交
互に配置されている。
【0031】即ち、前記リム部材61と前記プーリーハ
ブ64との間には、振動減衰手段として所謂粘性流体継
手(ビスカスカップリング)80がゴム体62と並設さ
れており、リム部材61とプーリーハブ64との相対角
速度に比例したシリコンオイルの剪断抵抗により両部材
間のねじり方向の振動を減衰する減衰力が得られるよう
にされている。
【0032】次に、上述のように構成された本第3実施
例の動力伝達構造を備えたベルトプーリー300の作動
について説明すると、図示されない駆動軸により前記プ
ーリーハブ64に入力された回転駆動力は、内筒部材6
3からゴム体62を介してリム部材61に伝達され、リ
ム部材61の外周面に形成された溝61bに掛けられた
図示しないVベルトを介して図示しない従動軸に伝達さ
れる。
【0033】この際、プーリーハブ64に入力される回
転駆動力が変動すると、前記ゴム体62がねじり方向に
弾性変形してリム部材61とプーリーハブ64との間に
相対回転が生じる。これにより、アウタープレート84
およびインナープレート85とが相対変位するので、両
プレート間には相対角速度に比例したシリコンオイルの
剪断抵抗が発生し、リム部材61とプーリーハブ64と
の間に生じるねじり振動等の振動が減衰される。この様
なアウタープレート84とインナープレート85との間
に生じるシリコンオイルの剪断抵抗に基づく減衰力は、
その相対回転の周波数には依存しないので、リム部材6
1とプーリーハブ64との間のねじり方向の振動を広い
周波数領域にわたって減衰することができる。そして、
前記ゴム体62の剛性や前記ビスカスカップリング80
の特性を適宜変えて組み合わせることにより、更に広い
周波数領域にわたって最適な振動の発生防止が可能とな
る。また、急激な負荷抵抗の変化等によりゴム体62が
破断してしまった時にも、リム部材61にはビスカスカ
ップリング80を介して回転駆動力が部分的に伝達さ
れ、ベルト駆動力が完全に失われることがない。
【0034】又、このベルトプーリー300において
は、リム部材61と内筒部材63との間に円盤部材71
が介装されて、その回転軸線が常に一致するように構成
されているので、高速回転時に芯ずれに起因して発生す
る異常振動の発生を防止することができる。更に、上述
の説明においては、回転駆動力がプーリーハブ64に入
力される場合について述べたが、これとは反対にリム部
材61に回転駆動力が入力される場合についても同様の
効果を得ることができることは言うまでもない。
【0035】尚、本発明の振動減衰構造は上記各実施例
の構造に限定されるものではなく、各構成部材は本発明
の主旨に基づいて様々な形状を採りうることは勿論であ
る。
【0036】
【発明の効果】上記の如き本発明の動力伝達構造によれ
ば、弾性体がねじり方向に弾性変形することにより直接
的に振動を吸収すると共に、弾性体がねじり方向に弾性
変形して外側伝達部材と内側伝達部材との間に相対回転
が生じることにより作動室内の第1のプレート組と第2
のプレート組とが相対変位し、これら第1及び第2のプ
レート組間に生じる粘性流体の剪断抵抗によってもねじ
り方向の振動が減衰され、該減衰力は外側伝達部材と内
側伝達部材との相対角速度に比例して変わるので、広い
周波数領域にわたってねじり振動等の振動を減衰するこ
とができる。
【0037】また、弾性体が破断した場合にも、外側伝
達部材と内側伝達部材との相対回転数に応じた第1及び
第2のプレート組間に生じる粘性流体の剪断抵抗によっ
て、回転駆動力を部分的に伝達することができる。従っ
て、伝達部材間に生じる振動を広い周波数領域にわたっ
て減衰することができると共に、弾性体が破断した場合
においても回転駆動力を部分的に被駆動側に伝達するこ
とができる良好な動力伝達構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に基づく動力伝達構造を備
えた小型船舶用のプロペラの要部縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に基づく動力伝達構造を備
えた小型船舶用のプロペラの要部縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施例に基づく動力伝達構造を備
えたベルトプーリーの縦断面図である。
【図4】従来の動力伝達構造を備えた小型船舶用のプロ
ペラの要部縦断面図である。
【図5】図4に示した小型船舶用のプロペラのA−A断
面矢視図である。
【符号の説明】
11 外筒部材(外側伝達部材) 12 プロペラ羽根 13 内筒部材(内側伝達部材) 14 雌スプライン 16 ゴム体(弾性体) 21 蓋体 22 円盤状部材 23 Xリング 24 Xリング 25 スラストベアリング 26 スラストベアリング 30 ビスカスカップリング 31 作動室 32 雌スプライン 33 雄スプライン 34 アウタープレート(第1のプレート組) 35 インナープレート(第2のプレート組) 36 スペーサリング 100 プロペラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の外側伝達部材と、該外側伝達部材
    の内側で同一回転軸線上に配設された筒状の内側伝達部
    材と、前記外側伝達部材と前記内側伝達部材との間に介
    装されて回転駆動力を伝達可能な弾性体とを有し、両伝
    達部材間に生じる振動をを減衰しながら駆動力を伝達す
    る動力伝達構造において、 前記外側伝達部材と前記内側伝達部材との間には、両伝
    達部材により構成されて粘性流体が封入された作動室
    と、前記外側伝達部材と回転方向に係合した第1のプレ
    ート組と、該第1のプレート組と前記作動室内で交互に
    配置されると共に前記内側伝達部材と回転方向に係合し
    た第2のプレート組とが設けられていることを特徴とす
    る動力伝達構造。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102712354A (zh) * 2009-11-20 2012-10-03 拉尔斯·贝蒂尔·卡内哈马尔 船只的旋转系统的减振方法、装置、及系统
KR101313606B1 (ko) * 2012-05-08 2013-10-02 삼성중공업 주식회사 선박용 추진장치 및 이를 갖춘 선박
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