JPH07189992A - 電動送風機 - Google Patents

電動送風機

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JPH07189992A
JPH07189992A JP33501793A JP33501793A JPH07189992A JP H07189992 A JPH07189992 A JP H07189992A JP 33501793 A JP33501793 A JP 33501793A JP 33501793 A JP33501793 A JP 33501793A JP H07189992 A JPH07189992 A JP H07189992A
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JP
Japan
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impeller
fan casing
suction port
electric blower
seal member
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JP33501793A
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Hisanori Toyoshima
久則 豊島
Takahiro Nakai
貴弘 中居
Shigenori Sato
繁則 佐藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ファンケ−シングと羽根車との間の生じる隙間
をシ−ルして循環流の発生を防止し、送風性能を向上さ
せる。 【構成】ファンケ−シング34の吸込口34aの内面側
に延伸多孔質のポリテトラフロロエチレン樹脂により形
成した環状のシ−ル部材35を設け、遠心羽根車33の
前面シュラウド33aと摺接するように構成した。延伸
多孔質のポリテトラフロロエチレン樹脂のシール部材3
5は、遠心羽根車33に摺接しても摩擦損失を増加させ
ることなく、確実に循環流を防止することができ、送風
性能を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は遠心羽根車を用いた電動
送風機に係り、特に、送風機効率の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】一端面側が開口したハウジング内に固定
子および回転子を収納し、前記一端面側にエンドブラケ
ットを配設して固定したモ−タと、前記エンドブラケッ
トを貫通して伸びる回転軸に取付け固定された遠心羽根
車と、該遠心羽根車の流路後段側に配置された固定案内
羽根と、前記遠心羽根車及び固定案内羽根を覆うファン
ケ−シングとを備え、前記遠心羽根車が前記ファンケ−
シングの吸込口に対向する前面シュラウドの吸込口から
空気を吸い込んで前記固定案内羽根に吐出する電動送風
機において、遠心羽根車の外周出口から吐出した気流の
一部が該遠心羽根車の前面シュラウドとファンケーシン
グの間を通って吸込口に流れ込むことによって生ずる循
環流は、送風機効率を低下させる原因となる。
【0003】従来、電動送風機における遠心羽根車の前
面シュラウドとファンケ−シングの隙間に生ずる循環流
を防止するために、特開平3−233194号公報に記
載された電動送風機は、筒状に形成された良摺動性の環
流遮断部材をファンケ−シングの吸込口に設けて遠心羽
根車の前面シュラウドと略接触状態にし、該環流遮断部
材の作用により前記循環流を堰き止めて送風効率を向上
するように工夫されている。この還流遮断部材は、組立
時には遠心羽根車の前面シュラウドに圧接状態となるよ
うにファンケ−シングに取り付けられ、組立後の最初の
運転によって遠心羽根車の前面シュラウドに削り取られ
て略接触状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファン
ケ−シングに固着されて遠心羽根車の前面シュラウドに
接触させられる従来の前記筒状の還流遮断部材は、外部
からの気流を吸い込む案内部材として機能するものであ
ることから、保形性の高い部材であることが必要であ
り、従って、高い組立精度が得られる部品加工作業と部
品組立作業が必要となる。
【0005】すなわち、組立後の最初の運転において遠
心羽根車をロックさせないために環流遮断部材は弾性体
でなければならないが、案内部材として機能するための
保形性を得る剛性も必要である。従って、組立精度が低
いと、還流遮断部材が遠心羽根車に過度に押圧されて該
遠心羽根車がロックされて運転不能になったり、運転中
の摩擦抵抗が増えたり、逆に前面シュラウドと接触せず
に循環流を防止できなかったりする恐れがある。
【0006】電気掃除機等に用いられる高速回転の電動
送風機では、摩擦抵抗の増加は、循環流防止による効率
向上を摩擦損失による効率低下が上回って総合的に電動
送風機の効率が低下してしまう恐れもある。更に、摩擦
抵抗の増加は、摩擦熱による還流遮断部材の変形,破損
や羽根車との固渋あるいは摺動部の隙間が増大して循環
流の発生を招来する恐れもあり、実用化には多くの問題
点がある。
【0007】従って本発明の目的は、摩擦損失の増加を
抑制しつつ循環流を確実に防止して送風機効率を向上さ
せることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸に取付
け固定された羽根車と、該羽根車の流路後段側に配置さ
れた固定案内羽根と、前記羽根車及び固定案内羽根を覆
うファンケ−シングとを備え、前記羽根車は、前記ファ
ンケ−シングの吸込口に対向する前面シュラウドの吸込
口から空気を吸い込んで前記固定案内羽根に吐出する電
動送風機において、延伸多孔質のポリテトラフロロエチ
レン樹脂により形成したシ−ル部材を前記羽根車の前面
シュラウドの吸込口端縁に摺接するように前記ファンケ
−シングの内面に設けたことを特徴とする。
【0009】
【作用】延伸多孔質のポリテトラフロロエチレン樹脂で
形成したシール部材は、低摩擦係数で弾性に富んでいる
ので、組立時にシ−ル部材を羽根車に押圧する押圧代を
多くしても弾性変形によって羽根車との間に過大な押圧
力が発生して該羽根車をロックすることはない。
【0010】そして、押圧された部分のシ−ル部材は羽
根車の初期の回転によって削り取られてしまうので、そ
の後の運転時の摺動による摩擦抵抗は少なくなる。しか
も、ポリテトラフロロエチレン樹脂は、摩擦係数が小さ
く、耐熱性が高い素材であることから、摩擦損失の増加
が抑制されると共に発熱が少なく、熱変形による固渋や
循環流の発生を招来する心配がない。
【0011】従って、摩擦損失の増加を抑制しつつ循環
流を確実に防止して送風機効率を向上させることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0013】図1は、電気掃除機に用いられる電動送風
機の縦断側面図である。この電動送風機10は、電動機
部20および送風機部30から構成されている。
【0014】電動機部20は、整流子形電動機であっ
て、一端面側が開講した有底筒状のハウジング21とエ
ンドブラケット22によって区画される空間内に固定子
23及び回転子24が収納される。固定子23は界磁巻
線23aを施した固定子鉄心23bを前記ハウジング2
1に固定した構成であり、回転子24は回転軸24aに
嵌着した電機子巻線24bを施した電機子鉄心24c及
び前記電機子巻線24bと接続される整流子24dを軸
受25,26により回転自在に支持した構成である。ハ
ウジング21の外周壁部に螺子止め固定されたブラシ保
持器27に収納されたカーボンブラシ28はバネ等で付
勢されて前記整流子24dの外周面に当接されて給電す
る。後述する送風機部によって発生した気流は、エンド
ブラケット22に形成した風窓22aから電動機部内に
導き、該電動機内部を貫流させて冷却した後にハウジン
グ21の外周壁に形成した排気孔21aから機外に排出
するようにする。
【0015】送風機部30は、前記エンドブラケット2
2上に螺子止めされた固定案内羽根31と、前記エンド
ブラケット22及び該固定案内羽根31を貫通して伸び
る前記回転軸24aに螺子32によって固定された遠心
羽根車33と、前記エンドブラケット22の外周に圧入
固定されて前記固定案内羽根31及び遠心羽根車33を
覆うように取り付けられたファンケーシング34を備え
る。
【0016】図2に示すように、ファンケ−シング34
の吸込口34aを形成する吸込口端縁部34bは内側に
湾曲したベルマウス状を成し、遠心羽根車33の前面シ
ュラウド33aの吸込口33bを形成する吸込口端縁部
33cは遠心翼33dの内端を越えて前記ベルマウス部
34bの背面部に伸びている。ファンケ−シング34の
内面には凸部34cが設けられており、該凸部34cに
嵌合させて前記ベルマウス部34bの背面部に接着固定
したシ−ル部材35が前記遠心羽根車33の前面シュラ
ウド33aの吸込口端縁部33cの端に接触するように
位置する。シ−ル部材35は、延伸多孔質のポリテトラ
フロロエチレン樹脂のシ−ト材を打ち抜いて形成した環
状体であり、弾性に富んでいて摩擦係数が小さく且つ高
耐熱性である。
【0017】遠心羽根車33が回転すると、遠心翼33
dは、前面シュラウド33aの吸込口33bから吸い込
んだ空気を加速してその外周から吐出する。この吐出空
気は遠心羽根車33の流路後段側に位置する固定案内羽
根31に回収されて電動機部20側に案内されるが、一
部は前面シュラウド33aとファンケ−シング34の間
に流れ込んで該部の圧力を高める。シール部材35は、
この吐出空気が吸込口33bに還流するのを防止する。
【0018】電動送風機1が組み立てられたとき、前記
シ−ル部材35は前記遠心羽根車33の前面シュラウド
33aの吸込口端縁部33cを押圧するように接触して
弾性変形状態となり、該電動送風機1の最初の運転によ
る遠心羽根車33の回転で前面シュラウド33aの吸込
口端縁部33cの端で削り取られることにより、該シ−
ル部材35と前面シュラウド33aの吸込口端縁部33
cと軽い摺接状態となる。
【0019】そして、その後の送風運転では軽い摺接状
態で循環流の発生を防止するので大きな摩擦抵抗とはな
らず、また、ポリテトラフロロエチレン樹脂自体の摩擦
係数が低いために摩擦損失を低く抑えることができる。
従って、摩擦による発熱量が少なく、更に、ポリテトラ
フロロエチレン樹脂は耐熱性が高いので熱変形による固
渋や循環流の発生を招来する心配はない。
【0020】図3は、シ−ル部材35をファンケ−シン
グ34に取り付ける手段を変えた他の実施例を示してい
る。弾性に富んだシール部材35が遠心羽根車33に対
して均一な押圧状態となるようにファンケ−シング34
の内面に高精度で取り付けるためには、取付け時にシー
ル部材35が正確に位置決めされること、不均一な力が
作用して不均一な変形が発生しないようにすることが必
要である。この実施例は、ファンケ−シング34の内面
に溶接固定した金属製の環状支持枠36によってシール
部材35の外周部をファンケーシング34の内面に挾持
する構成である。環状支持枠36は、シール部材35の
外周を規制する環状凸部36aと滑りを押える押出し爪
36bを備えている。ファンケ−シング34とシール部
材35の接触面に接着剤を塗布しておくと定着力が一層
強くなる。
【0021】図4は、シ−ル部材35をファンケ−シン
グ34に取り付ける手段を変えた更に他の実施例を示し
ている。この実施例は、予め取付け溝37aにシール部
材35を収納して固定した支持枠37をファンケ−シン
グ34の内面に形成した凸部34cを位置決め部材にし
て取り付けたものである。支持枠37の取付け溝37a
はシール部材35を均一な状態に保持するように機能
し、支持枠自体は取付け作業での正確な位置決めを容易
にすると共にシール部材35の不均一な変形を防止し、
シール部材35を遠心羽根車31に均一に押接するよう
に機能する。
【0022】特に、図1に示すように複数部品が組み立
てられる電動送風機1は軸方向の寸法誤差が大きくなる
ので、その誤差をなるべく小さくするためにこのような
構成が有利である。また、弾性に富んだシ−ル部材35
は取扱い性が悪いために自動組立部品として不向きであ
るが、支持枠37を用いることにより自動組立て作業に
適するようになる。
【0023】図5は、本発明になる消費電力1000W
級の電気掃除機用電動送風機1により実験して確認した
特性を例示している。消費電力、すなわち遠心羽根車3
3の摩擦損失を増大すことなく、空力的には約50mm
2Oの静圧増加が得られることが分かる。
【0024】シ−ル部材35としてポリテトラフロロエ
チレン樹脂以外の素材についても確認したが、遠心羽根
車33をロックさせないための弾性,摩擦損失を増加さ
ないための低摩擦係数および該遠心羽根車33の初期時
の回転により削り取られること、更には耐熱性を総合し
た実用可能な素材としては、延伸多孔質のポリテトラフ
ロロエチレン樹脂が最適であることが分かった。
【0025】延伸多孔質のポリテトラフロロエチレン樹
脂を扁平形状の環状体に形成したシール部材35は、遠
心羽根車33の前面シュラウド33aの吸込口端縁部3
3cを該シール部材35が弾性変形するように押圧して
も摩擦抵抗は僅少であって、初期の運転時に該遠心羽根
車33をロックさせるようなことはない。従って、該電
動送風機1の軸方向組立て許容誤差が大きくなり、ま
た、前面シュラウド33aの吸込口端縁部33cとファ
ンケ−シング34の間に分厚いシール部材を配置するた
めの大きな間隙は必要がないことから該電動送風機1の
軸方向寸法の増加を押えることができる。そして、遠心
羽根車33の初期の回転によって押圧部が削り取られた
後の摺接状態では、該摺接部の摩擦抵抗は極めて僅少で
あって摩擦損失が還流遮断による効率向上を上回ること
はないことが分かった。
【0026】
【発明の効果】本発明は、低摩擦係数で弾性に富んだ耐
熱性の延伸多孔質のポリテトラフロロエチレン樹脂で形
成したシール部材を羽根車に押接するようにファンケ−
シングに設けたので、弾性変形によって羽根車との間に
過大な押圧力が発生して該羽根車をロックすることがな
く、押圧された部分は羽根車の初期の回転によって削り
取られてしまうので、その後の運転時の摺動による摩擦
抵抗は少なくなり、摩擦損失の増加が抑制されると共に
発熱が少なく、熱変形による固渋や循環流の発生を招来
する心配がなく、従って、摩擦損失の増加を抑制しつつ
循環流を確実に防止して送風機効率を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電動送風機の縦断側面図である。
【図2】図1に示す電動送風機の送風機部におけるシー
ル部の縦断側面図である。
【図3】図1に示す電動送風機の送風機部におけるシー
ル部の変形例を示す縦断側面図である。
【図4】図1に示す電動送風機の送風機部におけるシー
ル部の更に他の変形例を示す縦断側面図である。
【図5】図1に示す本発明になる電動送風機と従来の電
動送風機における特性比較図である。
【符号の説明】
1…電動送風機、20…電動機部、30…送風機部、3
1…固定案内羽根、33…遠心羽根車、33a…前面シ
ュラウド、34…ファンケ−シング、35…シ−ル部
材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に取付け固定された羽根車と、該羽
    根車の流路後段側に配置された固定案内羽根と、前記羽
    根車及び固定案内羽根を覆うファンケ−シングとを備
    え、前記羽根車は、前記ファンケ−シングの吸込口に対
    向する前面シュラウドの吸込口から空気を吸い込んで前
    記固定案内羽根に吐出する電動送風機において、 延伸多孔質のポリテトラフロロエチレン樹脂により形成
    したシ−ル部材を前記羽根車の前面シュラウドの吸込口
    端縁に摺接するように前記ファンケ−シングの内面に設
    けたことを特徴とする電動送風機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記シ−ル部材を前記
    ファンケ−シングの吸込口を形成するベルマウス部の背
    面に設置し、前記前面シュラウドの吸込口端縁を前記シ
    ール部材に接触するように前記ベルマウスの背面部に伸
    ばしたことを特徴とする電動送風機。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ファンケ−シング
    に凸部を設け、該部を位置決め部材として前記シ−ル部
    材を固着したことを特徴とする電動送風機。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記シ−ル部材は略環
    状の支持枠に一体的に固定し、該支持枠を前記ファンケ
    −シングに取付けたことを特徴とする電動送風機。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記シール部材は、扁
    平形状の環状体としたことを特徴とする電動送風機。
  6. 【請求項6】一端面側が開口したハウジング内に回転子
    および固定子を収納し、前記一端面側にエンドブラケッ
    トを配設して固定したモ−タと、前記エンドブラケット
    を貫通した回転軸に取付け固定された羽根車と、該羽根
    車の流路後段側に配置された固定案内羽根と、前記羽根
    車及び固定案内羽根を覆うファンケ−シングとを備え、
    前記羽根車は、前記ファンケ−シングの吸込口に対向す
    る前面シュラウドの吸込口から空気を吸い込んで前記固
    定案内羽根に吐出する電動送風機において、 延伸多孔質のポリテトラフロロエチレン樹脂により形成
    したシ−ル部材を前記羽根車の前面シュラウドの吸込口
    端縁に摺接するように前記ファンケ−シングの内面に設
    けたことを特徴とする電動送風機。
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