JPH07189802A - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents
内燃機関の燃焼状態検出装置Info
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- JPH07189802A JPH07189802A JP33440593A JP33440593A JPH07189802A JP H07189802 A JPH07189802 A JP H07189802A JP 33440593 A JP33440593 A JP 33440593A JP 33440593 A JP33440593 A JP 33440593A JP H07189802 A JPH07189802 A JP H07189802A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】筒内圧の検出特性のばらつきや燃焼ばらつきが
あっても、筒内圧の積分値に基づいて高精度に失火を検
出できるようにする。 【構成】所定の積分区間内で筒内圧を積分し、筒内圧積
分値IMEPを得る(S1)。そして、機関の定常運転
状態において、前記筒内圧積分値IMEPの加重平均値
BGIMEPを算出させる(S2〜S3)。一方、予め
機関負荷Tpと機関回転数Neとに対応させて非燃焼時
の筒内圧積分値NFIMEPを記憶したマップを参照
し、現在の条件に対応する筒内圧積分値NFIMEPを
求める(S5)。ここで、前記加重平均値BGIMEP
と非燃焼時の筒内圧積分値NFIMEPとの中間値とし
て判定値NFSLを可変設定させる(S6)。そして、
前記判定値NFSLと筒内圧積分値IMEPとを比較し
て失火発生を判定させる(S7)。
あっても、筒内圧の積分値に基づいて高精度に失火を検
出できるようにする。 【構成】所定の積分区間内で筒内圧を積分し、筒内圧積
分値IMEPを得る(S1)。そして、機関の定常運転
状態において、前記筒内圧積分値IMEPの加重平均値
BGIMEPを算出させる(S2〜S3)。一方、予め
機関負荷Tpと機関回転数Neとに対応させて非燃焼時
の筒内圧積分値NFIMEPを記憶したマップを参照
し、現在の条件に対応する筒内圧積分値NFIMEPを
求める(S5)。ここで、前記加重平均値BGIMEP
と非燃焼時の筒内圧積分値NFIMEPとの中間値とし
て判定値NFSLを可変設定させる(S6)。そして、
前記判定値NFSLと筒内圧積分値IMEPとを比較し
て失火発生を判定させる(S7)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃焼状態検出
装置に関し、詳しくは、筒内圧の積分値に基づいて燃焼
状態を検出する装置に関する。
装置に関し、詳しくは、筒内圧の積分値に基づいて燃焼
状態を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関の筒内圧を検出する
一方、該筒内圧を所定積分区間内において積分し、該積
分値と予め設定された判定値との比較に基づいて、失火
発生(異常燃焼)の有無を検出することが行なわれてい
る。上記のように筒内圧の積分値を用いて失火発生を検
出させることで、筒内圧の瞬時値を用いて失火発生を検
出させる場合に比べ、圧力検出信号にノイズが重畳した
ときでも精度の良い失火検出が可能となる。
一方、該筒内圧を所定積分区間内において積分し、該積
分値と予め設定された判定値との比較に基づいて、失火
発生(異常燃焼)の有無を検出することが行なわれてい
る。上記のように筒内圧の積分値を用いて失火発生を検
出させることで、筒内圧の瞬時値を用いて失火発生を検
出させる場合に比べ、圧力検出信号にノイズが重畳した
ときでも精度の良い失火検出が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記筒内圧
の積分値は、筒内圧を検出するセンサの検出特性のばら
つきや燃焼のばらつきによって同一の運転条件において
も変動するため、従来のように、予め決められた固定の
判定値と筒内圧積分値とを比較させる構成の場合には、
失火検出の精度を安定的に維持させることが困難であ
り、失火発生を誤検出したり、或いは、失火発生を検出
できない惧れがあった。
の積分値は、筒内圧を検出するセンサの検出特性のばら
つきや燃焼のばらつきによって同一の運転条件において
も変動するため、従来のように、予め決められた固定の
判定値と筒内圧積分値とを比較させる構成の場合には、
失火検出の精度を安定的に維持させることが困難であ
り、失火発生を誤検出したり、或いは、失火発生を検出
できない惧れがあった。
【0004】特に、燃焼によって発生する圧力の絶対値
が小さい低回転低負荷域では、失火時の筒内圧積分値と
正常燃焼時における筒内圧積分値との間で大きな偏差が
生じず、然も、前述のように筒内圧積分値にばらつきが
生じるため、精度の良い失火検出が行なえないのが実情
であった。また、前記筒内圧積分値のばらつきを考慮し
て、検出精度を維持し得る判定値を予め設定させるには
多くのマッチング工数を必要とし、開発コストの増大を
招くという問題もあった。
が小さい低回転低負荷域では、失火時の筒内圧積分値と
正常燃焼時における筒内圧積分値との間で大きな偏差が
生じず、然も、前述のように筒内圧積分値にばらつきが
生じるため、精度の良い失火検出が行なえないのが実情
であった。また、前記筒内圧積分値のばらつきを考慮し
て、検出精度を維持し得る判定値を予め設定させるには
多くのマッチング工数を必要とし、開発コストの増大を
招くという問題もあった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、筒内圧積分値と判定値との比較に基づいて燃焼状
態を検出する装置において、筒内圧積分値のばらつきに
影響されずに高い検出精度を維持でき、また、判定値の
マッチング工数の低減を図れるようにすることを目的と
する。
あり、筒内圧積分値と判定値との比較に基づいて燃焼状
態を検出する装置において、筒内圧積分値のばらつきに
影響されずに高い検出精度を維持でき、また、判定値の
マッチング工数の低減を図れるようにすることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる内燃機関の燃焼状態検出装置は、図1に示すよ
うに構成される。図1において、筒内圧検出手段は内燃
機関の筒内圧を検出し、筒内圧積分手段は、所定の積分
区間において筒内圧検出手段で検出された筒内圧を積分
する。
にかかる内燃機関の燃焼状態検出装置は、図1に示すよ
うに構成される。図1において、筒内圧検出手段は内燃
機関の筒内圧を検出し、筒内圧積分手段は、所定の積分
区間において筒内圧検出手段で検出された筒内圧を積分
する。
【0007】また、積分値平均化手段は、筒内圧積分手
段で得られる筒内圧積分値の平均値を算出する。更に、
判定値設定手段は、積分値平均化手段で算出された筒内
圧積分値の平均値に応じて判定値を可変設定する。そし
て、異常燃焼判定手段は、判定値設定手段で設定された
判定値と前記筒内圧積分手段で得られた筒内圧積分値と
を比較して異常燃焼状態を判定する。
段で得られる筒内圧積分値の平均値を算出する。更に、
判定値設定手段は、積分値平均化手段で算出された筒内
圧積分値の平均値に応じて判定値を可変設定する。そし
て、異常燃焼判定手段は、判定値設定手段で設定された
判定値と前記筒内圧積分手段で得られた筒内圧積分値と
を比較して異常燃焼状態を判定する。
【0008】ここで、請求項2の発明では、前記請求項
1にかかる内燃機関の燃焼状態検出装置において、前記
判定値設定手段が、予め記憶された非燃焼時に対応する
筒内圧積分値と、前記積分値平均化手段で算出された筒
内圧積分値の平均値とに基づいて判定値を可変設定する
よう構成した。また、請求項3の発明では、前記請求項
1にかかる内燃機関の燃焼状態検出装置において、前記
判定値設定手段が、予め記憶された判定値を、前記積分
値平均化手段で算出された筒内圧積分値の平均値に基づ
いて修正するよう構成した。
1にかかる内燃機関の燃焼状態検出装置において、前記
判定値設定手段が、予め記憶された非燃焼時に対応する
筒内圧積分値と、前記積分値平均化手段で算出された筒
内圧積分値の平均値とに基づいて判定値を可変設定する
よう構成した。また、請求項3の発明では、前記請求項
1にかかる内燃機関の燃焼状態検出装置において、前記
判定値設定手段が、予め記憶された判定値を、前記積分
値平均化手段で算出された筒内圧積分値の平均値に基づ
いて修正するよう構成した。
【0009】
【作用】請求項1の発明にかかる内燃機関の燃焼状態検
出装置によると、筒内圧を所定積分区間において積分
し、該筒内圧積分値と判定値とを比較することで、異常
燃焼が判定される。ここで、前記判定値は、前記筒内圧
積分値の平均値に基づいて可変設定されるようになって
いる。即ち、筒内圧積分値を平均化することで、正常燃
焼状態における平均的な積分値を知ることができるか
ら、かかる平均値に基づいて判定値を可変設定すること
で、筒内圧検出値のばらつきや燃焼のばらつきがあって
も、かかるばらつきに対応する適当な判定値を設定する
ことが可能となる。
出装置によると、筒内圧を所定積分区間において積分
し、該筒内圧積分値と判定値とを比較することで、異常
燃焼が判定される。ここで、前記判定値は、前記筒内圧
積分値の平均値に基づいて可変設定されるようになって
いる。即ち、筒内圧積分値を平均化することで、正常燃
焼状態における平均的な積分値を知ることができるか
ら、かかる平均値に基づいて判定値を可変設定すること
で、筒内圧検出値のばらつきや燃焼のばらつきがあって
も、かかるばらつきに対応する適当な判定値を設定する
ことが可能となる。
【0010】また、請求項2の発明にかかる装置では、
予め非燃焼時に対応する筒内圧積分値を記憶しており、
かかる非燃焼時に得られると予測される筒内圧積分値
と、実際に算出した筒内圧積分値の平均値とから判定値
を可変設定する。実際に算出した筒内圧積分値の平均値
は前述のように正常燃焼状態における平均的な積分値を
示すものと見做すことができ、また、前記非燃焼時に対
応する積分値は最低レベルと見做すことができるから、
両者の中間値を判定値とする設定を行なわせることで、
正常燃焼時において得られる筒内圧積分値の変化に対応
した判定値の設定が可能である。
予め非燃焼時に対応する筒内圧積分値を記憶しており、
かかる非燃焼時に得られると予測される筒内圧積分値
と、実際に算出した筒内圧積分値の平均値とから判定値
を可変設定する。実際に算出した筒内圧積分値の平均値
は前述のように正常燃焼状態における平均的な積分値を
示すものと見做すことができ、また、前記非燃焼時に対
応する積分値は最低レベルと見做すことができるから、
両者の中間値を判定値とする設定を行なわせることで、
正常燃焼時において得られる筒内圧積分値の変化に対応
した判定値の設定が可能である。
【0011】更に、請求項3の発明にかかる装置では、
予め基準となる判定値を記憶しており、前記筒内圧積分
値の平均値に基づいて前記記憶された判定値を修正す
る。即ち、実際に算出した筒内圧積分値の平均値を求め
ることで、正常燃焼時に対応する積分値の変動を知るこ
とができ、かかる変動に応じて基準判定値を修正するこ
とで、正常燃焼時において得られる筒内圧積分値の変化
に対応した判定値の設定が可能である。
予め基準となる判定値を記憶しており、前記筒内圧積分
値の平均値に基づいて前記記憶された判定値を修正す
る。即ち、実際に算出した筒内圧積分値の平均値を求め
ることで、正常燃焼時に対応する積分値の変動を知るこ
とができ、かかる変動に応じて基準判定値を修正するこ
とで、正常燃焼時において得られる筒内圧積分値の変化
に対応した判定値の設定が可能である。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1には、エアクリーナ
2,スロットルチャンバ3,吸気マニホールド4を介し
て空気が吸入される。そして、機関1からの燃焼排気
は、排気マニホールド5,排気ダクト6,三元触媒7,
マフラー8を介して大気中に排出される。
を示す図2において、内燃機関1には、エアクリーナ
2,スロットルチャンバ3,吸気マニホールド4を介し
て空気が吸入される。そして、機関1からの燃焼排気
は、排気マニホールド5,排気ダクト6,三元触媒7,
マフラー8を介して大気中に排出される。
【0013】前記スロットルチャンバ3には、図示しな
いアクセルペダルに連動して開閉するスロットル弁9が
設けられており、このスロットル弁9によって機関1の
吸入空気量が調整されるようになっている。また、各気
筒(#1〜#4)の燃焼室に臨ませてそれぞれ点火栓
(図示省略)が装着されるが、かかる点火栓と対に、そ
れぞれの気筒毎に筒内圧検出手段としての筒内圧センサ
10a〜10dを設けてある。
いアクセルペダルに連動して開閉するスロットル弁9が
設けられており、このスロットル弁9によって機関1の
吸入空気量が調整されるようになっている。また、各気
筒(#1〜#4)の燃焼室に臨ませてそれぞれ点火栓
(図示省略)が装着されるが、かかる点火栓と対に、そ
れぞれの気筒毎に筒内圧検出手段としての筒内圧センサ
10a〜10dを設けてある。
【0014】前記筒内圧センサ10a〜10dは、実開昭6
3−17432号公報に開示されるような点火栓の座金
として装着されるタイプの他、特開平4−81557号
公報に開示されるようなセンサ部を直接燃焼室内に臨ま
せて筒内圧を絶対圧として検出するタイプのものであっ
ても良い。また、機関1の図示しないカム軸には、カム
軸の回転を介してクランク角を検出するクランク角セン
サ11が設けられている。
3−17432号公報に開示されるような点火栓の座金
として装着されるタイプの他、特開平4−81557号
公報に開示されるようなセンサ部を直接燃焼室内に臨ま
せて筒内圧を絶対圧として検出するタイプのものであっ
ても良い。また、機関1の図示しないカム軸には、カム
軸の回転を介してクランク角を検出するクランク角セン
サ11が設けられている。
【0015】このクランク角センサ11は、本実施例の4
気筒機関1において、気筒間の行程位相差に相当するク
ランク角180 °毎の基準角度信号REFと、単位クラン
ク角毎の単位角度信号POSとをそれぞれ出力するセン
サである。尚、前記基準角度信号REFは、気筒判別が
行なえるように、少なくとも特定1気筒に対応する検出
信号がそのパルス幅等によって他の検出信号と区別でき
るようになっている。
気筒機関1において、気筒間の行程位相差に相当するク
ランク角180 °毎の基準角度信号REFと、単位クラン
ク角毎の単位角度信号POSとをそれぞれ出力するセン
サである。尚、前記基準角度信号REFは、気筒判別が
行なえるように、少なくとも特定1気筒に対応する検出
信号がそのパルス幅等によって他の検出信号と区別でき
るようになっている。
【0016】ここで、前記筒内圧センサ10a〜10d及び
クランク角センサ11の出力は、機関制御用として設けら
れたコントロールユニット12に出力される。マイクロコ
ンピュータを内蔵したコントロールユニット12は、図示
しない燃料噴射弁による燃料噴射量や点火時期を制御す
る一方、図3のフローチャートに示すようにして前記筒
内圧センサ10a〜10dの出力に基づき各気筒別に異常燃
焼状態(失火)の検出を行なう。
クランク角センサ11の出力は、機関制御用として設けら
れたコントロールユニット12に出力される。マイクロコ
ンピュータを内蔵したコントロールユニット12は、図示
しない燃料噴射弁による燃料噴射量や点火時期を制御す
る一方、図3のフローチャートに示すようにして前記筒
内圧センサ10a〜10dの出力に基づき各気筒別に異常燃
焼状態(失火)の検出を行なう。
【0017】尚、本実施例において、筒内圧積分手段,
積分値平均化手段,判定値設定手段,異常燃焼判定手段
としての機能は、前記図3のフローチャートに示すよう
に、コントロールユニット12がソフトウェア的に備えて
いる。図3のフローチャートにおいて、ステップ1(図
中ではS1としてある。以下同様)では、所定の積分区
間(例えばATDC10°〜BTDC70°或いは100 °)
において、前記筒内圧センサ10a〜10dで検出される各
気筒毎の筒内圧を積分することで筒内圧積分値IMEP
を各気筒別に算出する。
積分値平均化手段,判定値設定手段,異常燃焼判定手段
としての機能は、前記図3のフローチャートに示すよう
に、コントロールユニット12がソフトウェア的に備えて
いる。図3のフローチャートにおいて、ステップ1(図
中ではS1としてある。以下同様)では、所定の積分区
間(例えばATDC10°〜BTDC70°或いは100 °)
において、前記筒内圧センサ10a〜10dで検出される各
気筒毎の筒内圧を積分することで筒内圧積分値IMEP
を各気筒別に算出する。
【0018】尚、前記積分区間は、少なくとも点火後の
燃焼行程を含むものであれば良く、そのクランク角範囲
を限定するものではない。次のステップ2では、機関1
が定常運転状態であるか否かを判別する。具体的には、
クランク角センサ11からの検出信号に基づいて算出され
る機関回転数Neが一定の状態を定常運転と見做す。
燃焼行程を含むものであれば良く、そのクランク角範囲
を限定するものではない。次のステップ2では、機関1
が定常運転状態であるか否かを判別する。具体的には、
クランク角センサ11からの検出信号に基づいて算出され
る機関回転数Neが一定の状態を定常運転と見做す。
【0019】機関1が定常運転状態であるときには、ス
テップ3へ進み、最新に筒内圧積分値IMEPが算出さ
れた気筒を判別する。そして、次のステップ4では、前
記ステップ3で判別された気筒に対応する筒内圧積分値
IMEPの加重平均値BGIMEPi (i=1〜4であ
り、気筒ナンバーを示す)を以下の式に従って演算す
る。
テップ3へ進み、最新に筒内圧積分値IMEPが算出さ
れた気筒を判別する。そして、次のステップ4では、前
記ステップ3で判別された気筒に対応する筒内圧積分値
IMEPの加重平均値BGIMEPi (i=1〜4であ
り、気筒ナンバーを示す)を以下の式に従って演算す
る。
【0020】BGIMEPi(n)=BGIMEPi(n-1)・
(1−x)+IMEPi(n)・x 上式で、nはサンプリングナンバーを示し、最新に演算
された筒内圧積分値IMEPi(n)と、前回までにおける
当該気筒における加重平均値BGIMEPi(n- 1)とを、
重み係数xで加重平均し、その結果を最新のBGIME
Pi(n)とするものである(図4参照)。
(1−x)+IMEPi(n)・x 上式で、nはサンプリングナンバーを示し、最新に演算
された筒内圧積分値IMEPi(n)と、前回までにおける
当該気筒における加重平均値BGIMEPi(n- 1)とを、
重み係数xで加重平均し、その結果を最新のBGIME
Pi(n)とするものである(図4参照)。
【0021】ステップ4で気筒別に加重平均値BGIM
EPi を更新設定した後、或いは、ステップ2で機関1
が定常運転状態でないと判別されたときには、ステップ
5へ進む。ステップ5では、機関負荷Tpと機関回転数
Neとによって複数に区分される運転領域毎に、予め非
燃焼時(完全失火時)における筒内圧積分値NFIME
Pを記憶したマップを参照し、現在の運転条件に対応す
る非燃焼時積分値NFIMEPを検索する。
EPi を更新設定した後、或いは、ステップ2で機関1
が定常運転状態でないと判別されたときには、ステップ
5へ進む。ステップ5では、機関負荷Tpと機関回転数
Neとによって複数に区分される運転領域毎に、予め非
燃焼時(完全失火時)における筒内圧積分値NFIME
Pを記憶したマップを参照し、現在の運転条件に対応す
る非燃焼時積分値NFIMEPを検索する。
【0022】尚、本実施例では、電子燃料噴射制御にお
ける基本燃料噴射量Tpを、機関負荷相当値として用い
ている。次のステップ6では、該当する気筒の加重平均
値BGIMEPi と、前記ステップ5で求めた非燃焼時
積分値NFIMEPとに基づいて、筒内圧積分値IME
Pに基づく失火検出に用いる判定値NFSLi を以下の
ようにして気筒別に可変設定する。
ける基本燃料噴射量Tpを、機関負荷相当値として用い
ている。次のステップ6では、該当する気筒の加重平均
値BGIMEPi と、前記ステップ5で求めた非燃焼時
積分値NFIMEPとに基づいて、筒内圧積分値IME
Pに基づく失火検出に用いる判定値NFSLi を以下の
ようにして気筒別に可変設定する。
【0023】NFSLi =(BGIMEPi −NFIM
EP)・k+NFIMEP 上式においてkは1未満の定数であり、加重平均値BG
IMEPi と非燃焼時積分値NFIMEPとの差分の所
定割合を、非燃焼時積分値NFIMEPに加算した値が
その気筒の判定値NFSLi とされる(図5参照)。即
ち、筒内圧積分値IMEPは、筒内圧センサ10a〜10d
のばらつきや気筒毎の燃焼ばらつき等によって気筒毎に
同じ運転条件であっても変動する。一方、加重平均値B
GIMEPi は、正常燃焼時の筒内圧積分値IMEPを
示すものと見做すことができ、その値は筒内圧センサ10
a〜10dのばらつきや気筒毎の燃焼ばらつき等の影響を
含んで算出されることになる。
EP)・k+NFIMEP 上式においてkは1未満の定数であり、加重平均値BG
IMEPi と非燃焼時積分値NFIMEPとの差分の所
定割合を、非燃焼時積分値NFIMEPに加算した値が
その気筒の判定値NFSLi とされる(図5参照)。即
ち、筒内圧積分値IMEPは、筒内圧センサ10a〜10d
のばらつきや気筒毎の燃焼ばらつき等によって気筒毎に
同じ運転条件であっても変動する。一方、加重平均値B
GIMEPi は、正常燃焼時の筒内圧積分値IMEPを
示すものと見做すことができ、その値は筒内圧センサ10
a〜10dのばらつきや気筒毎の燃焼ばらつき等の影響を
含んで算出されることになる。
【0024】従って、上記のように、加重平均値BGI
MEPi と非燃焼時積分値NFIMEPとに基づいて判
定値NFSLi を可変設定させるようにすれば、筒内圧
センサ10a〜10dのばらつきや気筒毎の燃焼ばらつき等
によって正常燃焼時の積分値IMEPに変動があったと
しても、かかる変動に対応して、正常燃焼時の積分値と
非燃焼時の積分値との中間値として判定値NFSLi を
設定させることができ、判定値NFSLi と積分値IM
EPとの比較に基づいて高精度に失火(異常燃焼)を検
出させることが可能である。
MEPi と非燃焼時積分値NFIMEPとに基づいて判
定値NFSLi を可変設定させるようにすれば、筒内圧
センサ10a〜10dのばらつきや気筒毎の燃焼ばらつき等
によって正常燃焼時の積分値IMEPに変動があったと
しても、かかる変動に対応して、正常燃焼時の積分値と
非燃焼時の積分値との中間値として判定値NFSLi を
設定させることができ、判定値NFSLi と積分値IM
EPとの比較に基づいて高精度に失火(異常燃焼)を検
出させることが可能である。
【0025】また、筒内圧積分値IMEPのばらつきを
考慮して判定値NFSLi を予めマッチング設定してお
く必要はなく、正常燃焼時の積分値と非燃焼時の積分値
との間のいずれのレベルに判定値を設定すべきかを決定
する係数kを適宜設定し、また、非燃焼時の積分値のみ
を予め求めておけば良いので、工数の大幅な低減が図れ
る。
考慮して判定値NFSLi を予めマッチング設定してお
く必要はなく、正常燃焼時の積分値と非燃焼時の積分値
との間のいずれのレベルに判定値を設定すべきかを決定
する係数kを適宜設定し、また、非燃焼時の積分値のみ
を予め求めておけば良いので、工数の大幅な低減が図れ
る。
【0026】尚、前記加重平均値BGIMEPi を気筒
別に機関負荷と機関回転数とによって区分される運転領
域毎に記憶させるようにしても良い。ステップ7では、
上記のようにして気筒別に加重平均値BGIMEPi と
非燃焼時積分値NFIMEPとに基づいて可変設定され
る判定値NFSLi と、筒内圧積分値IMEPi との大
小関係を判別する。そして、積分値IMEPi が判定値
NFSLi を下回っているときには、失火(異常燃焼)
の発生によって筒内圧の低下が生じたものと見做し、ス
テップ8へ進んで、失火カウンタをインクリメントして
本ルーチンを終了させる。
別に機関負荷と機関回転数とによって区分される運転領
域毎に記憶させるようにしても良い。ステップ7では、
上記のようにして気筒別に加重平均値BGIMEPi と
非燃焼時積分値NFIMEPとに基づいて可変設定され
る判定値NFSLi と、筒内圧積分値IMEPi との大
小関係を判別する。そして、積分値IMEPi が判定値
NFSLi を下回っているときには、失火(異常燃焼)
の発生によって筒内圧の低下が生じたものと見做し、ス
テップ8へ進んで、失火カウンタをインクリメントして
本ルーチンを終了させる。
【0027】尚、前記失火カウンタで検出される失火判
定回数が所定回数以上になった場合には、失火発生を運
転者に警告する構成とすると良い。また、上記実施例で
は、筒内圧積分値IMEPを各気筒別に加重平均し、各
気筒別に判定値NFSLを可変設定させるようにした
が、気筒とは無関係に筒内圧積分値IMEPを加重平均
し、該加重平均値に基づいて全気筒共通の判定値を可変
設定させる構成としても良い。
定回数が所定回数以上になった場合には、失火発生を運
転者に警告する構成とすると良い。また、上記実施例で
は、筒内圧積分値IMEPを各気筒別に加重平均し、各
気筒別に判定値NFSLを可変設定させるようにした
が、気筒とは無関係に筒内圧積分値IMEPを加重平均
し、該加重平均値に基づいて全気筒共通の判定値を可変
設定させる構成としても良い。
【0028】更に、前記ステップ6の判定値NFSLの
設定に用いる係数kを、機関運転条件に応じて変化させ
るようにしても良い。ところで、上記実施例では、非燃
焼時の筒内圧積分値を予め記憶させておき、筒内圧積分
値の加重平均値が求められた段階で判定値を設定させる
ようにしたが、予め基準となる判定値(ばらつきに対応
せずに共通的に用いることを前提とする基本値)を記憶
させておき、かかる判定値を筒内圧積分値の加重平均値
に基づいて修正させることで、筒内圧積分値のばらつき
に対応した判定値の設定を可能にすることもできる。
設定に用いる係数kを、機関運転条件に応じて変化させ
るようにしても良い。ところで、上記実施例では、非燃
焼時の筒内圧積分値を予め記憶させておき、筒内圧積分
値の加重平均値が求められた段階で判定値を設定させる
ようにしたが、予め基準となる判定値(ばらつきに対応
せずに共通的に用いることを前提とする基本値)を記憶
させておき、かかる判定値を筒内圧積分値の加重平均値
に基づいて修正させることで、筒内圧積分値のばらつき
に対応した判定値の設定を可能にすることもできる。
【0029】かかる構成によると、定常運転されて加重
平均値が算出される機会を得る前から、失火検出が可能
であり、初期状態から失火検出が可能で、運転の継続に
伴ってより失火検出の精度を上げられることになる。こ
こで、上記のように予め記憶されている判定値を、筒内
圧積分値の加重平均値に基づいて修正する第2実施例を
以下に説明する。尚、ハードウェア構成については、前
記第1実施例で説明した図2を参照する。
平均値が算出される機会を得る前から、失火検出が可能
であり、初期状態から失火検出が可能で、運転の継続に
伴ってより失火検出の精度を上げられることになる。こ
こで、上記のように予め記憶されている判定値を、筒内
圧積分値の加重平均値に基づいて修正する第2実施例を
以下に説明する。尚、ハードウェア構成については、前
記第1実施例で説明した図2を参照する。
【0030】例えば筒内圧センサ10a〜10dとして点火
栓と共締めされる座金タイプのセンサを用いた場合に
は、負圧を検出しないため、非燃焼時の筒内圧を積分す
ると、図6に示すように、前記積分値IMEPは機関回
転数Neとは無関係にそのときの機関負荷レベルに応じ
た値を示す。そこで、第2実施例では、図7に示すよう
に機関回転数Neとは無関係に機関負荷Tpのみに対応
させて判定値S/Lを記憶させることとする。
栓と共締めされる座金タイプのセンサを用いた場合に
は、負圧を検出しないため、非燃焼時の筒内圧を積分す
ると、図6に示すように、前記積分値IMEPは機関回
転数Neとは無関係にそのときの機関負荷レベルに応じ
た値を示す。そこで、第2実施例では、図7に示すよう
に機関回転数Neとは無関係に機関負荷Tpのみに対応
させて判定値S/Lを記憶させることとする。
【0031】尚、同じ機関負荷条件であっても、図8に
示すように、そのときの機関回転数Neによって正常燃
焼時の筒内圧積分値IMEPのレベルが異なるから、正
常燃焼時と異常燃焼時(失火時)とで積分値IMEPに
大きな偏差が生じない低回転側(図8の800rpmの条件)
に適合させて判定値S/Lを設定させるようにする。但
し、上記のようにして機関負荷Tpに対応する判定値S
/Lを予め設定させても、筒内圧センサのばらつきや燃
焼ばらつきによって、同じ負荷条件であっても筒内圧積
分値IMEPに変動を生じることがあり、これによっ
て、初期設定された判定値S/Lをそのまま用いたので
は、失火検出の精度を維持できなくなる惧れがある。
示すように、そのときの機関回転数Neによって正常燃
焼時の筒内圧積分値IMEPのレベルが異なるから、正
常燃焼時と異常燃焼時(失火時)とで積分値IMEPに
大きな偏差が生じない低回転側(図8の800rpmの条件)
に適合させて判定値S/Lを設定させるようにする。但
し、上記のようにして機関負荷Tpに対応する判定値S
/Lを予め設定させても、筒内圧センサのばらつきや燃
焼ばらつきによって、同じ負荷条件であっても筒内圧積
分値IMEPに変動を生じることがあり、これによっ
て、初期設定された判定値S/Lをそのまま用いたので
は、失火検出の精度を維持できなくなる惧れがある。
【0032】そこで、図9のフローチャートに示すよう
にして、前記判定値S/Lを修正させる。尚、本第2実
施例においても、筒内圧積分手段,積分値平均化手段,
判定値設定手段,異常燃焼判定手段としての機能は、前
記図9のフローチャートに示すように、コントロールユ
ニット12がソフトウェア的に備えている。図9のフロー
チャートにおいて、ステップ11では、筒内圧積分値IM
EPを読み込み、次のステップ12では、該筒内圧積分値
IMEPの加重平均値IMEPAVEを演算する。
にして、前記判定値S/Lを修正させる。尚、本第2実
施例においても、筒内圧積分手段,積分値平均化手段,
判定値設定手段,異常燃焼判定手段としての機能は、前
記図9のフローチャートに示すように、コントロールユ
ニット12がソフトウェア的に備えている。図9のフロー
チャートにおいて、ステップ11では、筒内圧積分値IM
EPを読み込み、次のステップ12では、該筒内圧積分値
IMEPの加重平均値IMEPAVEを演算する。
【0033】また、ステップ13では、機関負荷Tp,機
関回転数Neなどの機関運転条件を読み込む。ステップ
14では、機関1の定常運転を判別するために、機関負荷
Tpの変化量ΔTp,機関回転数Neの変化量ΔNeを
演算する。そして、ステップ15では、前記変化量ΔT
p,ΔNeと所定値との比較によって、機関負荷Tp,
機関回転数Neが共に安定している定常運転状態である
か否を判別する。
関回転数Neなどの機関運転条件を読み込む。ステップ
14では、機関1の定常運転を判別するために、機関負荷
Tpの変化量ΔTp,機関回転数Neの変化量ΔNeを
演算する。そして、ステップ15では、前記変化量ΔT
p,ΔNeと所定値との比較によって、機関負荷Tp,
機関回転数Neが共に安定している定常運転状態である
か否を判別する。
【0034】ここで、定常運転状態でないと判別された
ときには、ステップ16へ進みカウンタCをゼロリセット
して本ルーチンを終了させる。一方、機関が定常運転状
態であると判別されたときには、ステップ17へ進んで前
記カウンタCを1アップさせ、次のステップ18では、前
記カウンタCが所定値以上であるか否かを判別する。
ときには、ステップ16へ進みカウンタCをゼロリセット
して本ルーチンを終了させる。一方、機関が定常運転状
態であると判別されたときには、ステップ17へ進んで前
記カウンタCを1アップさせ、次のステップ18では、前
記カウンタCが所定値以上であるか否かを判別する。
【0035】そして、カウンタCが所定値未満であると
きには、そのまま本ルーチンを終了させる。即ち、機関
1が定常運転されるようになってから、カウンタCが所
定値までカウントアップされるまでの間は、ステップ19
以降の処理に進まないようにして、安定して定常運転さ
れているときにのみステップ19以降の処理が行なわれる
ようにしてある。
きには、そのまま本ルーチンを終了させる。即ち、機関
1が定常運転されるようになってから、カウンタCが所
定値までカウントアップされるまでの間は、ステップ19
以降の処理に進まないようにして、安定して定常運転さ
れているときにのみステップ19以降の処理が行なわれる
ようにしてある。
【0036】カウンタCが所定値以上になると、ステッ
プ18からステップ19へ進み、前記加重平均値IMEPA
VEを、機関負荷Tpと機関回転数Neとによって複数
に区分される運転領域毎に記憶するマップ(図10参照)
を検索し、現在の運転条件に対応する加重平均値IME
PAVEを前回値IMEPAVEOLD として読み込む。
プ18からステップ19へ進み、前記加重平均値IMEPA
VEを、機関負荷Tpと機関回転数Neとによって複数
に区分される運転領域毎に記憶するマップ(図10参照)
を検索し、現在の運転条件に対応する加重平均値IME
PAVEを前回値IMEPAVEOLD として読み込む。
【0037】ステップ20では、今回新たに算出された加
重平均値IMEPAVENEW と、ステップ19で読み込ん
だ前回値IMEPAVEOLD との比KIMEP(=IM
EPAVENEW /IMEPAVEOLD )を算出する。
尚、かかる比KIMEPの算出後に、今回算出された加
重平均値IMEPAVENEW を該当する領域のデータと
してマップに更新記憶させる。また、前記加重平均値I
MEPAVEのマップには、予め判定値S/Lの初期値
に対応する積分値IMEPを記憶させておくようにす
る。
重平均値IMEPAVENEW と、ステップ19で読み込ん
だ前回値IMEPAVEOLD との比KIMEP(=IM
EPAVENEW /IMEPAVEOLD )を算出する。
尚、かかる比KIMEPの算出後に、今回算出された加
重平均値IMEPAVENEW を該当する領域のデータと
してマップに更新記憶させる。また、前記加重平均値I
MEPAVEのマップには、予め判定値S/Lの初期値
に対応する積分値IMEPを記憶させておくようにす
る。
【0038】ステップ21では、機関負荷Tpに応じて記
憶されている判定値S/L(図7参照)の中から、現在
の機関負荷Tpに対応するデータを検索して読み込む。
そして、ステップ22では、前記読み込んだ判定値S/L
に前記比KIMEPを乗算した値を、現在の機関負荷T
pに対応する新たな判定値S/LNEW (←KIMEP×
S/L)としてセットする。
憶されている判定値S/L(図7参照)の中から、現在
の機関負荷Tpに対応するデータを検索して読み込む。
そして、ステップ22では、前記読み込んだ判定値S/L
に前記比KIMEPを乗算した値を、現在の機関負荷T
pに対応する新たな判定値S/LNEW (←KIMEP×
S/L)としてセットする。
【0039】ステップ23では、上記ステップ22で新たに
設定された判定値S/LNEW を現在の機関負荷Tpに対
応する値としてマップ上の該当領域におけるデータの書
き換えを行なう。ここで、前記マップに記憶される判定
値S/Lの中から該当運転条件の判定値S/Lが読み出
され、該判定値S/Lと筒内圧積分値IMEPとの比較
によって失火検出が行なわれる。
設定された判定値S/LNEW を現在の機関負荷Tpに対
応する値としてマップ上の該当領域におけるデータの書
き換えを行なう。ここで、前記マップに記憶される判定
値S/Lの中から該当運転条件の判定値S/Lが読み出
され、該判定値S/Lと筒内圧積分値IMEPとの比較
によって失火検出が行なわれる。
【0040】前記加重平均値IMEPAVEは、正常燃
焼状態における筒内圧積分値IMEPの平均的なレベル
を示すものとして扱うことができ、正常燃焼時の積分値
IMEPの変動方向と同じ方向に判定値S/Lを修正す
ることで、失火検出の精度を維持させることができる。
ここで、前記比KIMEPは、正常燃焼時の積分値IM
EPが増大変化すれば、判定値S/Lをより高い値に修
正し、逆に積分値IMEPが減少変化すれば、判定値S
/Lをより低い値に修正するから、上記の要求に合致す
ることになる。
焼状態における筒内圧積分値IMEPの平均的なレベル
を示すものとして扱うことができ、正常燃焼時の積分値
IMEPの変動方向と同じ方向に判定値S/Lを修正す
ることで、失火検出の精度を維持させることができる。
ここで、前記比KIMEPは、正常燃焼時の積分値IM
EPが増大変化すれば、判定値S/Lをより高い値に修
正し、逆に積分値IMEPが減少変化すれば、判定値S
/Lをより低い値に修正するから、上記の要求に合致す
ることになる。
【0041】従って、経時変化や筒内圧センサのばらつ
きなどによって、正常燃焼状態における筒内圧積分値I
MEPが変化しても、かかる変化に対応させて判定値S
/Lが修正されることになり、失火検出の精度を高く維
持させることができるものである。また、上記のように
して個々のばらつき特性に応じて適切な判定値S/Lに
修正されるから、予め機関負荷Tpに応じて記憶させて
おく判定値S/Lの初期値は、ばらつきに対応すべく高
精度なマッチングを行なう必要がなく、工数の低減を図
ることができる。
きなどによって、正常燃焼状態における筒内圧積分値I
MEPが変化しても、かかる変化に対応させて判定値S
/Lが修正されることになり、失火検出の精度を高く維
持させることができるものである。また、上記のように
して個々のばらつき特性に応じて適切な判定値S/Lに
修正されるから、予め機関負荷Tpに応じて記憶させて
おく判定値S/Lの初期値は、ばらつきに対応すべく高
精度なマッチングを行なう必要がなく、工数の低減を図
ることができる。
【0042】更に、本第2実施例では、失火検出に用い
る判定値S/Lを予め記憶させておくから、定常運転に
伴って加重平均値IMEPAVEが算出される前の段階
においても失火検出が可能である。尚、筒内圧センサ10
a〜10dの特性変化は、一般的に図11に示すように、圧
力変化に対する出力変化の割合が変化する形で生じるの
で、上記実施例では、加重平均値IMEPAVEの今回
値と前回値との比KIMEPで判定値S/Lを修正させ
るようにしたが、加重平均値IMEPAVEの今回値と
前回値との差に応じて判定値S/Lを修正させる構成と
しても良い。
る判定値S/Lを予め記憶させておくから、定常運転に
伴って加重平均値IMEPAVEが算出される前の段階
においても失火検出が可能である。尚、筒内圧センサ10
a〜10dの特性変化は、一般的に図11に示すように、圧
力変化に対する出力変化の割合が変化する形で生じるの
で、上記実施例では、加重平均値IMEPAVEの今回
値と前回値との比KIMEPで判定値S/Lを修正させ
るようにしたが、加重平均値IMEPAVEの今回値と
前回値との差に応じて判定値S/Lを修正させる構成と
しても良い。
【0043】また、前記加重平均値IMEPAVEのマ
ップは、必ずしも全運転領域を網羅する必要はなく、判
定値S/Lが機関負荷Tpに対応して設定されることに
対応して、各機関負荷Tpレベルで高頻度に定常運転さ
れる回転数Ne領域(図10の斜線領域)のみで加重平均
値IMEPAVEを記憶するマップとしても良い。ま
た、ある領域(例えば前記常用領域)で加重平均値IM
EPAVEが新たに算出され、該算出結果に基づいて判
定値S/Lが修正されたときに、かかる結果に基づいて
他の機関負荷レベルに対応する判定値S/Lを推定学習
させるようにしても良い。
ップは、必ずしも全運転領域を網羅する必要はなく、判
定値S/Lが機関負荷Tpに対応して設定されることに
対応して、各機関負荷Tpレベルで高頻度に定常運転さ
れる回転数Ne領域(図10の斜線領域)のみで加重平均
値IMEPAVEを記憶するマップとしても良い。ま
た、ある領域(例えば前記常用領域)で加重平均値IM
EPAVEが新たに算出され、該算出結果に基づいて判
定値S/Lが修正されたときに、かかる結果に基づいて
他の機関負荷レベルに対応する判定値S/Lを推定学習
させるようにしても良い。
【0044】更に、上記第2実施例においても、気筒別
に判定値S/Lを備え、気筒別に判定値S/Lを修正さ
せるようにしても良いし、また、全気筒共通の判定値S
/Lを設定させるようにしても良い。
に判定値S/Lを備え、気筒別に判定値S/Lを修正さ
せるようにしても良いし、また、全気筒共通の判定値S
/Lを設定させるようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
かかる燃焼状態検出装置によると、筒内圧積分値を平均
化することによって正常燃焼時における積分値のレベル
を検知し、これに応じて異常燃焼判定に用いる判定値を
可変設定するようにしたので、正常燃焼時における積分
値のレベルが、筒内圧を検出するセンサのばらつきや機
関或いは気筒個々の燃焼ばらつきによって変動しても、
かかる変動に応じて判定値を設定することができ、高い
精度で異常燃焼(失火)を検出させることができるとい
う効果がある。
かかる燃焼状態検出装置によると、筒内圧積分値を平均
化することによって正常燃焼時における積分値のレベル
を検知し、これに応じて異常燃焼判定に用いる判定値を
可変設定するようにしたので、正常燃焼時における積分
値のレベルが、筒内圧を検出するセンサのばらつきや機
関或いは気筒個々の燃焼ばらつきによって変動しても、
かかる変動に応じて判定値を設定することができ、高い
精度で異常燃焼(失火)を検出させることができるとい
う効果がある。
【0046】また、請求項2の発明にかかる装置では、
予め記憶された非燃焼時(失火時)の筒内圧積分値と、
平均化によって検知される正常燃焼時の筒内圧積分値と
に基づいて判定値を可変設定するから、正常燃焼時の積
分値に変動が生じても、異常燃焼時の積分値と正常燃焼
時の積分値との中間的な適当なレベルに判定値を設定さ
せることが可能である。
予め記憶された非燃焼時(失火時)の筒内圧積分値と、
平均化によって検知される正常燃焼時の筒内圧積分値と
に基づいて判定値を可変設定するから、正常燃焼時の積
分値に変動が生じても、異常燃焼時の積分値と正常燃焼
時の積分値との中間的な適当なレベルに判定値を設定さ
せることが可能である。
【0047】更に、請求項3の発明にかかる装置では、
予め判定値を記憶し、かかる判定値を筒内圧積分値の平
均値に基づいて修正する構成としたので、筒内圧積分値
の平均化処理がなされる前から、初期設定されている判
定値を用いて失火検出を行なわせることが可能であり、
また、平均値が求められれば判定値をそのときの正常燃
焼時の積分値レベルに適合する値に修正して、より高精
度な検出が可能になるという効果がある。
予め判定値を記憶し、かかる判定値を筒内圧積分値の平
均値に基づいて修正する構成としたので、筒内圧積分値
の平均化処理がなされる前から、初期設定されている判
定値を用いて失火検出を行なわせることが可能であり、
また、平均値が求められれば判定値をそのときの正常燃
焼時の積分値レベルに適合する値に修正して、より高精
度な検出が可能になるという効果がある。
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】第1実施例の失火検出の様子を示すフローチャ
ート。
ート。
【図4】第1実施例における平均化処理の様子を示すタ
イムチャート。
イムチャート。
【図5】第1実施例における判定値設定の様子を示すタ
イムチャート。
イムチャート。
【図6】座金型センサを用いたときの積分値特性を示す
線図。
線図。
【図7】機関負荷と判定値との相関を示す線図。
【図8】回転数による積分値の変化を示すタイムチャー
ト。
ト。
【図9】第2実施例における判定値設定を示すフローチ
ャート。
ャート。
【図10】筒内圧積分値の加重平均値の記憶マップを示す
線図。
線図。
【図11】筒内圧センサの検出特性の変化を示す線図。
1 内燃機関 10a〜10d 筒内圧センサ 11 クランク角センサ 12 コントロールユニット
Claims (3)
- 【請求項1】内燃機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手
段と、 所定の積分区間において前記筒内圧検出手段で検出され
た筒内圧を積分する筒内圧積分手段と、 該筒内圧積分手段で得られる筒内圧積分値の平均値を算
出する積分値平均化手段と、 該積分値平均化手段で算出された筒内圧積分値の平均値
に応じて判定値を可変設定する判定値設定手段と、 該判定値設定手段で設定された判定値と前記筒内圧積分
手段で得られた筒内圧積分値とを比較して異常燃焼状態
を判定する異常燃焼判定手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の燃焼状
態検出装置。 - 【請求項2】前記判定値設定手段が、予め記憶された非
燃焼時に対応する筒内圧積分値と、前記積分値平均化手
段で算出された筒内圧積分値の平均値とに基づいて判定
値を可変設定することを特徴とする請求項1記載の内燃
機関の燃焼状態検出装置。 - 【請求項3】前記判定値設定手段が、予め記憶された判
定値を、前記積分値平均化手段で算出された筒内圧積分
値の平均値に基づいて修正することを特徴とする請求項
1記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33440593A JP2887640B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 内燃機関の燃焼状態検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33440593A JP2887640B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 内燃機関の燃焼状態検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07189802A true JPH07189802A (ja) | 1995-07-28 |
JP2887640B2 JP2887640B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=18277006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33440593A Expired - Lifetime JP2887640B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 内燃機関の燃焼状態検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2887640B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100471225B1 (ko) * | 2002-05-09 | 2005-03-08 | 현대자동차주식회사 | 차량의 점화시기 제어장치 및 방법 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33440593A patent/JP2887640B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100471225B1 (ko) * | 2002-05-09 | 2005-03-08 | 현대자동차주식회사 | 차량의 점화시기 제어장치 및 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2887640B2 (ja) | 1999-04-26 |
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