JPH07188954A - 水溶性防錆剤 - Google Patents
水溶性防錆剤Info
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- JPH07188954A JPH07188954A JP33680793A JP33680793A JPH07188954A JP H07188954 A JPH07188954 A JP H07188954A JP 33680793 A JP33680793 A JP 33680793A JP 33680793 A JP33680793 A JP 33680793A JP H07188954 A JPH07188954 A JP H07188954A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
- C23F11/00—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
- C23F11/08—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
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- Organic Chemistry (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 取扱い容易、安全で、浸漬中および引き上げ
た後も一定期間、防錆力を発揮でき、液中で成分の分解
および成分の析出による沈殿を生じない即ち保管性に優
れる、水溶性防錆剤の提供である。 【構成】 (イ)ホウ酸とホウ酸アルカリ(R2B4O7:RはL
i、Na、K)のモル比が25:75〜95:5となる無機成分
0.5 〜15wt% (ロ) R1 −COO−R2 で表される有機酸エステル(R1
は炭素数4以上の脂肪酸基、R2はアルキル基、水酸基を
1以上有するアルキル基、又は糖類)0.1 〜30wt% (ハ)脂肪酸ジエタノールアミド0.1 〜30wt% (ニ)アルカノールアミン0.01〜3wt% (イ)+ (ロ) 、または (イ) + (ハ) 、または (イ)
+ (ニ) の組合せ。 【効果】 ホウ酸とホウ酸アルカリとの相乗効果と、さ
らにこれらの無機成分と各溶媒との相乗効果とが相まっ
て一層の防錆効果が発揮される。
た後も一定期間、防錆力を発揮でき、液中で成分の分解
および成分の析出による沈殿を生じない即ち保管性に優
れる、水溶性防錆剤の提供である。 【構成】 (イ)ホウ酸とホウ酸アルカリ(R2B4O7:RはL
i、Na、K)のモル比が25:75〜95:5となる無機成分
0.5 〜15wt% (ロ) R1 −COO−R2 で表される有機酸エステル(R1
は炭素数4以上の脂肪酸基、R2はアルキル基、水酸基を
1以上有するアルキル基、又は糖類)0.1 〜30wt% (ハ)脂肪酸ジエタノールアミド0.1 〜30wt% (ニ)アルカノールアミン0.01〜3wt% (イ)+ (ロ) 、または (イ) + (ハ) 、または (イ)
+ (ニ) の組合せ。 【効果】 ホウ酸とホウ酸アルカリとの相乗効果と、さ
らにこれらの無機成分と各溶媒との相乗効果とが相まっ
て一層の防錆効果が発揮される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、特に鉄系金属の
防錆を目的とする水溶性防錆剤に関するものである。
防錆を目的とする水溶性防錆剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている水溶性防錆剤と
しては、ホウ酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩等を用いた無機
化合物系、アルカノールアミン、脂肪酸系等の水・油の
両方に溶解可能な有機化合物系、および前記の無機化合
物系と有機化合物系を組み合わせたものが挙げられる。
しかしながら、上記のような従来の水溶性防錆剤には、
以下に述べるように様々な問題点があった。
しては、ホウ酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩等を用いた無機
化合物系、アルカノールアミン、脂肪酸系等の水・油の
両方に溶解可能な有機化合物系、および前記の無機化合
物系と有機化合物系を組み合わせたものが挙げられる。
しかしながら、上記のような従来の水溶性防錆剤には、
以下に述べるように様々な問題点があった。
【0003】例えば、無機化合物系では、防錆力が弱
く、特に、金属を防錆液に浸漬した場合には液中から金
属を引き上げた直後から短時間の間に錆が発生してしま
う、即ち一時防錆力がないという問題を有していた。特
に、ミクロ的に凹凸の激しい鋳鉄や、部分的に油分等の
不純物が付着している鋼材に対しては、防錆液の金属表
面への濡れ性が悪いので、液の接触面と非接触面との間
で部分的に電池現象が起こり、かえって金属の腐食を進
行させる恐れがある。さらに、低温下で使用すると、溶
解濃度によっては、ホウ酸成分が析出し、効力が低下し
たり、配管系内で沈殿する恐れがある。
く、特に、金属を防錆液に浸漬した場合には液中から金
属を引き上げた直後から短時間の間に錆が発生してしま
う、即ち一時防錆力がないという問題を有していた。特
に、ミクロ的に凹凸の激しい鋳鉄や、部分的に油分等の
不純物が付着している鋼材に対しては、防錆液の金属表
面への濡れ性が悪いので、液の接触面と非接触面との間
で部分的に電池現象が起こり、かえって金属の腐食を進
行させる恐れがある。さらに、低温下で使用すると、溶
解濃度によっては、ホウ酸成分が析出し、効力が低下し
たり、配管系内で沈殿する恐れがある。
【0004】一方、有機化合物系では、水に対する溶解
度が低いために、防錆力が充分でなく、取扱いが困難で
ある。また、恒温高湿下で長期間使用したり、保管する
と、細菌の発生によって成分が分解し、効力がいっそう
低下したり、悪臭が発生することもあった。
度が低いために、防錆力が充分でなく、取扱いが困難で
ある。また、恒温高湿下で長期間使用したり、保管する
と、細菌の発生によって成分が分解し、効力がいっそう
低下したり、悪臭が発生することもあった。
【0005】さらに、無機化合物系と有機化合物系を組
み合わせた場合、例えば、亜硝酸塩とアミンの混合物の
場合には、発癌性のおそれのある物質が生成するため、
使用できなかった。
み合わせた場合、例えば、亜硝酸塩とアミンの混合物の
場合には、発癌性のおそれのある物質が生成するため、
使用できなかった。
【0006】ここで、上述の各種防錆剤のうち、無機系
および無機系+有機系の組合せによる水溶性防錆剤につ
いて特許公報から見ると次の通りである。特公昭49−10
905 号公報には、(A) アルカノールアミンと(B) ホウ酸
またはホウ酸塩との縮合反応生成物(ただし、モル比で
A/B≧1) であるアルカノールアミンホウ酸塩を含む
腐食防止剤が開示されている。
および無機系+有機系の組合せによる水溶性防錆剤につ
いて特許公報から見ると次の通りである。特公昭49−10
905 号公報には、(A) アルカノールアミンと(B) ホウ酸
またはホウ酸塩との縮合反応生成物(ただし、モル比で
A/B≧1) であるアルカノールアミンホウ酸塩を含む
腐食防止剤が開示されている。
【0007】特公昭58−44746 号公報には、上述の(A)
アルカノールアミンと(B) ホウ酸との縮合反応生成物(
モル比でA/B =2 〜4)を(C) コハク酸、マロン酸、リン
ゴ酸およびクエン酸の1種または2種以上の水溶性有機
酸に混合させた水溶性防錆剤が開示されている。ただ
し、 (A+B) :(C) =95〜85:5〜15の割合で配合す
る。特開昭58−39786 号公報には、脂肪酸とホウ酸の混
合物からなる防錆剤が開示されている。
アルカノールアミンと(B) ホウ酸との縮合反応生成物(
モル比でA/B =2 〜4)を(C) コハク酸、マロン酸、リン
ゴ酸およびクエン酸の1種または2種以上の水溶性有機
酸に混合させた水溶性防錆剤が開示されている。ただ
し、 (A+B) :(C) =95〜85:5〜15の割合で配合す
る。特開昭58−39786 号公報には、脂肪酸とホウ酸の混
合物からなる防錆剤が開示されている。
【0008】特公昭62−3235号公報には、(A) ジエタノ
ールアミンおよび(B) ホウ酸の反応生成物(A/B≧1 〜4)
と(C) スルホンアミドカルボン酸との混合物から成る防
食剤が開示されている。ただし、( A+B) :(C) =50
〜90:50〜10、好ましくは70〜90:50〜10である。この
ように、従来にあっては、特開昭58−39786 号公報に開
示されたものを除いて、アルカノールアミンとホウ酸と
の縮合反応生成物を利用している。
ールアミンおよび(B) ホウ酸の反応生成物(A/B≧1 〜4)
と(C) スルホンアミドカルボン酸との混合物から成る防
食剤が開示されている。ただし、( A+B) :(C) =50
〜90:50〜10、好ましくは70〜90:50〜10である。この
ように、従来にあっては、特開昭58−39786 号公報に開
示されたものを除いて、アルカノールアミンとホウ酸と
の縮合反応生成物を利用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような各種従来技術の防錆剤は、例えばアルカノールア
ミンとホウ酸との縮合反応生成物を使用する場合などコ
スト的に見てかなり高価であり、しかも防錆効果におい
ても十分ではなかった。また、ホウ酸と脂肪酸との混合
物の場合にも防錆効果が十分でなかった。
ような各種従来技術の防錆剤は、例えばアルカノールア
ミンとホウ酸との縮合反応生成物を使用する場合などコ
スト的に見てかなり高価であり、しかも防錆効果におい
ても十分ではなかった。また、ホウ酸と脂肪酸との混合
物の場合にも防錆効果が十分でなかった。
【0010】ここに、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、取扱いが容易、安全で、浸漬中および引き上げた
後も一定期間、所定の防錆力を発揮でき、液中で成分の
分解および成分の析出による沈殿を生じない、即ち保管
性に優れる、安価な水溶性防錆剤を提供することであ
る。
消し、取扱いが容易、安全で、浸漬中および引き上げた
後も一定期間、所定の防錆力を発揮でき、液中で成分の
分解および成分の析出による沈殿を生じない、即ち保管
性に優れる、安価な水溶性防錆剤を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、かかる課
題解決のために種々検討を重ねた結果、ホウ酸とホウ酸
アルカリ塩とを一定割合で混合した成分を防錆剤として
利用することにより、それらの相乗的作用効果から、防
錆効果が一層改善され、しかもそれらにそれ自体防錆効
果のある一定の有機溶媒を配合することにより、金属面
への濡れ性が一層改善され、これら三者の相乗的作用効
果によって、防錆作用がより一層改善されることを知
り、本発明を完成した。
題解決のために種々検討を重ねた結果、ホウ酸とホウ酸
アルカリ塩とを一定割合で混合した成分を防錆剤として
利用することにより、それらの相乗的作用効果から、防
錆効果が一層改善され、しかもそれらにそれ自体防錆効
果のある一定の有機溶媒を配合することにより、金属面
への濡れ性が一層改善され、これら三者の相乗的作用効
果によって、防錆作用がより一層改善されることを知
り、本発明を完成した。
【0012】よって、本発明は、(イ) ホウ酸とホウ酸ア
ルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)のモル比が25:75〜
95:5となる無機成分、好ましくは0.05〜15wt%と、
(ロ) R1-COO-R2で表される有機酸エステル(R1は炭素数
4以上の脂肪酸残基、R2はアルキル基、水酸基を1以上
有するアルキル基、又は糖類)、好ましくは0.1 〜30wt
%と残部水との水性混合物からなる水溶性防錆剤であ
る。
ルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)のモル比が25:75〜
95:5となる無機成分、好ましくは0.05〜15wt%と、
(ロ) R1-COO-R2で表される有機酸エステル(R1は炭素数
4以上の脂肪酸残基、R2はアルキル基、水酸基を1以上
有するアルキル基、又は糖類)、好ましくは0.1 〜30wt
%と残部水との水性混合物からなる水溶性防錆剤であ
る。
【0013】別の面からは、本発明は、(イ) ホウ酸とホ
ウ酸アルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)のモル比が2
5:75〜95:5となる無機成分、好ましくは0.05〜15wt
%と、(ハ) 脂肪酸ジエタノールアミド、好ましくは0.1
〜30wt%と残部水との水性混合物からなる水溶性防錆剤
である。
ウ酸アルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)のモル比が2
5:75〜95:5となる無機成分、好ましくは0.05〜15wt
%と、(ハ) 脂肪酸ジエタノールアミド、好ましくは0.1
〜30wt%と残部水との水性混合物からなる水溶性防錆剤
である。
【0014】さらに別の面からは、本発明は、ホウ酸と
ホウ酸アルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)のモル比が
25:75〜95:5となる無機成分、好ましくは0.05〜15wt
%と、(ニ) アルカノールアミン、好ましくは0.01〜3wt
%と残部水との水性混合物からなる水溶性防錆剤であ
る。なお、本発明の好適態様にあっては、上述のアルカ
ノールアミン (ニ) と前記無機成分 (イ) との比、(ニ)/
(イ) が0.01〜0.4 である。
ホウ酸アルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)のモル比が
25:75〜95:5となる無機成分、好ましくは0.05〜15wt
%と、(ニ) アルカノールアミン、好ましくは0.01〜3wt
%と残部水との水性混合物からなる水溶性防錆剤であ
る。なお、本発明の好適態様にあっては、上述のアルカ
ノールアミン (ニ) と前記無機成分 (イ) との比、(ニ)/
(イ) が0.01〜0.4 である。
【0015】
【作用】次に、本発明の作用についてその成分限定の理
由とともに説明する。本発明で使用できる無機成分(イ)
は、ホウ酸(H3BO3) とホウ酸アルカリとの混合物であ
る。ホウ酸アルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)は、Li
2B4O7 、Na2B4O7 、K2B4O7が使用可能であるが、ホウ砂
(Na2B4O7)が好ましい。
由とともに説明する。本発明で使用できる無機成分(イ)
は、ホウ酸(H3BO3) とホウ酸アルカリとの混合物であ
る。ホウ酸アルカリ(R2B4O7:RはLi、Na、K)は、Li
2B4O7 、Na2B4O7 、K2B4O7が使用可能であるが、ホウ砂
(Na2B4O7)が好ましい。
【0016】ホウ酸とホウ酸アルカリの配合比は、モル
比で25:75〜95:5の範囲内で用いられる。この範囲内
では、B2O3、又はR2B4O7単独で使用した場合よりも高い
防錆力を有している。この比率は、好ましくは、50:50
〜 88:12である。
比で25:75〜95:5の範囲内で用いられる。この範囲内
では、B2O3、又はR2B4O7単独で使用した場合よりも高い
防錆力を有している。この比率は、好ましくは、50:50
〜 88:12である。
【0017】図1はホウ酸とホウ酸アルカリ(Na2B4O7)
との配合モル比を種々変更したときの防錆力および無機
成分の溶解速度の変化で示す液の安定性を表すもので、
ホウ酸/ホウ酸アルカリ配合比がモル比で25:75〜95:
5のときに特にすぐれた相乗効果がみられるのが分か
る。
との配合モル比を種々変更したときの防錆力および無機
成分の溶解速度の変化で示す液の安定性を表すもので、
ホウ酸/ホウ酸アルカリ配合比がモル比で25:75〜95:
5のときに特にすぐれた相乗効果がみられるのが分か
る。
【0018】防錆力の高低は例えば後述する実施例1と
同様の評価試験を行った場合のB2O3=100 %のときの防
錆力に対する相対評価であり、液の安定性は、溶解液作
成時の無機成分の溶解速度を比較して評価し、同じくB2
O3=100 %のときの安定性に対する相対評価である。
同様の評価試験を行った場合のB2O3=100 %のときの防
錆力に対する相対評価であり、液の安定性は、溶解液作
成時の無機成分の溶解速度を比較して評価し、同じくB2
O3=100 %のときの安定性に対する相対評価である。
【0019】なお、図1の場合の、ホウ酸+ホウ酸アル
カリを重量割合で2.0 %、溶媒としてのシュガーエステ
ル1%の水性混合物を使用し、ホウ酸/ホウ酸アルカリ
の配合比だけを変えた。
カリを重量割合で2.0 %、溶媒としてのシュガーエステ
ル1%の水性混合物を使用し、ホウ酸/ホウ酸アルカリ
の配合比だけを変えた。
【0020】防錆剤水溶液における無機成分の添加量
は、組み合わせる有機成分に依らず一定であり、水性混
合物に対して0.05〜15wt%とされる。0.05 wt %未満で
は、防錆力が弱く、15wt%を越えると、水への溶解が困
難となる。好ましくは、0.1 〜10.0wt%である。
は、組み合わせる有機成分に依らず一定であり、水性混
合物に対して0.05〜15wt%とされる。0.05 wt %未満で
は、防錆力が弱く、15wt%を越えると、水への溶解が困
難となる。好ましくは、0.1 〜10.0wt%である。
【0021】本発明では有機成分として、(ロ) R1−CO
O−R2で表される有機酸エステル、(ハ) 脂肪酸ジエタノ
ールアミド、(ニ) アルカノールアミンのうちのいずれか
が用いられる。
O−R2で表される有機酸エステル、(ハ) 脂肪酸ジエタノ
ールアミド、(ニ) アルカノールアミンのうちのいずれか
が用いられる。
【0022】(ロ) R1−COO−R2で表される有機酸エス
テルとしては、R1が炭素数4以上の脂肪酸残基であり、
R2は、アルキル基、水酸基を1以上有するアルキル基、
又は糖類である。R2は、好ましくは水酸基を2以上有す
るアルキル基 (即ち2価以上のアルコール) 又は糖類で
ある。
テルとしては、R1が炭素数4以上の脂肪酸残基であり、
R2は、アルキル基、水酸基を1以上有するアルキル基、
又は糖類である。R2は、好ましくは水酸基を2以上有す
るアルキル基 (即ち2価以上のアルコール) 又は糖類で
ある。
【0023】(ロ) R1−COO−R2で表される有機酸エス
テルは、R1−COOHで示される脂肪酸と、R2(OH)n
で示されるアルコール又は糖類とから、脱水縮合反応に
よって生成される。R1−COOHで示される脂肪酸は、
炭素数が5以上であれば飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸
のどちらでも使用可能である。
テルは、R1−COOHで示される脂肪酸と、R2(OH)n
で示されるアルコール又は糖類とから、脱水縮合反応に
よって生成される。R1−COOHで示される脂肪酸は、
炭素数が5以上であれば飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸
のどちらでも使用可能である。
【0024】例としては、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデ
シル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペ
ンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステア
リン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノ
セリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、
メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、クロトン酸、
イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソル
ビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロ
ピオール酸、ステアロール酸等の不飽和脂肪酸が挙げら
れる。
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデ
シル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペ
ンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステア
リン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノ
セリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、
メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、クロトン酸、
イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソル
ビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロ
ピオール酸、ステアロール酸等の不飽和脂肪酸が挙げら
れる。
【0025】R2(OH)nとしては、アルコール又は糖類
が使用できる。モノアルコールの例としては、メタノー
ル、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、シ
クロプロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、tert
- ブタノール、シクロブタノール、n-ペンタノール、i-
ペンタノール、シクロペンタノール等が挙げられる。
が使用できる。モノアルコールの例としては、メタノー
ル、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、シ
クロプロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、tert
- ブタノール、シクロブタノール、n-ペンタノール、i-
ペンタノール、シクロペンタノール等が挙げられる。
【0026】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、1,1-ジヒドロキシプロパン、1,1-ジヒドロキシブ
タン、1,1-ジヒドロキシペンタン等のジアルコール、グ
リセリン、1,1,1-トリヒドロキシブタン等のトリアルコ
ールが挙げられる。上記の各種アルコールは、鎖状のみ
でなく、構造異性体、幾何異性体、および環状化合物も
使用可能である。
ール、1,1-ジヒドロキシプロパン、1,1-ジヒドロキシブ
タン、1,1-ジヒドロキシペンタン等のジアルコール、グ
リセリン、1,1,1-トリヒドロキシブタン等のトリアルコ
ールが挙げられる。上記の各種アルコールは、鎖状のみ
でなく、構造異性体、幾何異性体、および環状化合物も
使用可能である。
【0027】さらに、アルキルセルロース、ニトロセル
ロース、デンプン等の多糖類が使用できる。この他に
も、植物繊維、再生人造繊維、動物繊維、カゼイン、ア
ルギン酸、寒天、樹脂等の多価アルコールの混合物も使
用することができる。
ロース、デンプン等の多糖類が使用できる。この他に
も、植物繊維、再生人造繊維、動物繊維、カゼイン、ア
ルギン酸、寒天、樹脂等の多価アルコールの混合物も使
用することができる。
【0028】上述のようにR1とR2を特定することによっ
て、(ロ) 有機酸エステルは親水性と親油性の両者を備え
ることができ、金属に対してより効果的に潤滑性を付与
できる。
て、(ロ) 有機酸エステルは親水性と親油性の両者を備え
ることができ、金属に対してより効果的に潤滑性を付与
できる。
【0029】(ロ) R1 −COO−R2で表される有機酸エ
ステルの添加量は、好ましくは0.1 〜30wt%とされ、0.
1 wt%未満では金属に対する濡れ性が落ち、30wt%を越
える量を使用しても効果は変わらない。より好ましく
は、0.5 〜20wt%である。
ステルの添加量は、好ましくは0.1 〜30wt%とされ、0.
1 wt%未満では金属に対する濡れ性が落ち、30wt%を越
える量を使用しても効果は変わらない。より好ましく
は、0.5 〜20wt%である。
【0030】(ハ) 脂肪酸ジエタノールアミドは、R1-COO
-N(C2H4OH)2 で表される脂肪酸アミドであり、R1は上記
に示した基である。本発明で使用可能な脂肪酸ジエタノ
ールアミドとしては、ラウリン酸ジエタノールアミド、
ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノ
ールアミド、ヤシ油ジエタノールアミド等が例示でき
る。
-N(C2H4OH)2 で表される脂肪酸アミドであり、R1は上記
に示した基である。本発明で使用可能な脂肪酸ジエタノ
ールアミドとしては、ラウリン酸ジエタノールアミド、
ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノ
ールアミド、ヤシ油ジエタノールアミド等が例示でき
る。
【0031】(ハ)脂肪酸ジエタノールアミドの添加量
は、好ましくは0.1 〜30wt%であり、0.1 wt%未満では
金属に対する濡れ性が低下することになり、30wt%を越
える量の場合には、溶液の粘性が高くなって、取扱いが
困難となってしまう。より好ましくは、0.5 〜10wt%で
ある。この脂肪酸ジエタノールアミドは、(ロ) 有機酸エ
ステルよりも金属に対する潤滑性が優れ、界面活性剤的
な作用を有している。
は、好ましくは0.1 〜30wt%であり、0.1 wt%未満では
金属に対する濡れ性が低下することになり、30wt%を越
える量の場合には、溶液の粘性が高くなって、取扱いが
困難となってしまう。より好ましくは、0.5 〜10wt%で
ある。この脂肪酸ジエタノールアミドは、(ロ) 有機酸エ
ステルよりも金属に対する潤滑性が優れ、界面活性剤的
な作用を有している。
【0032】(ニ) アルカノールアミンは、(イ) 成分と併
用しても、防錆力の向上は計れないが、低温下において
も無機成分の結晶の析出を防止できるため、長期間の保
存の際には適している。使用できるアルカノールアミン
としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、等であり、好ましくはジエタノールアミンであ
る。
用しても、防錆力の向上は計れないが、低温下において
も無機成分の結晶の析出を防止できるため、長期間の保
存の際には適している。使用できるアルカノールアミン
としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、等であり、好ましくはジエタノールアミンであ
る。
【0033】好適使用量は(イ) 成分0.05〜15wt%に対し
て、(ニ) 成分0.01〜3wt%であって、かつ(ニ)/(イ) が0.
01〜0.4 とされる。(ニ) 成分の量が0.01 wt %未満では
無機成分が析出し易くなり、3wt%を越える量の場合に
は、pH値が上昇し、高アルカリ域となって取扱性が劣
るため好ましくない。また、(ニ)/(イ) の比率が0.01未満
でも同じく無機成分が析出し易くなり、0.4 を越える量
の場合には過剰添加となり、pH値が上昇するのでやは
り好ましくない。
て、(ニ) 成分0.01〜3wt%であって、かつ(ニ)/(イ) が0.
01〜0.4 とされる。(ニ) 成分の量が0.01 wt %未満では
無機成分が析出し易くなり、3wt%を越える量の場合に
は、pH値が上昇し、高アルカリ域となって取扱性が劣
るため好ましくない。また、(ニ)/(イ) の比率が0.01未満
でも同じく無機成分が析出し易くなり、0.4 を越える量
の場合には過剰添加となり、pH値が上昇するのでやは
り好ましくない。
【0034】本発明の水溶性防錆剤は、室温〜80℃の温
水、好ましくは30〜40℃の温水に、(イ) の無機成分を攪
拌下で加え、完全に溶解した後、(ロ) 、(ハ) 、(ニ) のい
ずれかの化合物を加えて均一に混合する。
水、好ましくは30〜40℃の温水に、(イ) の無機成分を攪
拌下で加え、完全に溶解した後、(ロ) 、(ハ) 、(ニ) のい
ずれかの化合物を加えて均一に混合する。
【0035】本発明の水溶性防錆剤を使用する場合に
は、始めから必要とされる濃度の溶液を調合してもよい
が、一般的には高濃度の溶液を作製しておき、必要に応
じて所定の濃度に希釈して使用する。
は、始めから必要とされる濃度の溶液を調合してもよい
が、一般的には高濃度の溶液を作製しておき、必要に応
じて所定の濃度に希釈して使用する。
【0036】本発明の水溶性防錆剤は、水性溶液である
ので、水を使って容易に低濃度液へ希釈でき、しかも直
ちに液系内で均一な濃度に分散する。本発明において、
ホウ酸とホウ酸アルカリの所定比率の無機成分を、有機
酸エステル等の有機成分と共に水に溶解させることによ
って、すぐれた相乗効果が得られる理由については明確
にはまだ分かっていないが、一応次のように推測され
る。
ので、水を使って容易に低濃度液へ希釈でき、しかも直
ちに液系内で均一な濃度に分散する。本発明において、
ホウ酸とホウ酸アルカリの所定比率の無機成分を、有機
酸エステル等の有機成分と共に水に溶解させることによ
って、すぐれた相乗効果が得られる理由については明確
にはまだ分かっていないが、一応次のように推測され
る。
【0037】有機成分の親水基中の隣接OH基と無機成
分のオルトホウ酸が反応し、錯体を形成する。この点、
従来のようにホウ酸が単独で存在する場合には、pHが
酸性側へ変動するためにホウ酸と有機成分との反応は、
起こりにくく、防錆力がおちる。
分のオルトホウ酸が反応し、錯体を形成する。この点、
従来のようにホウ酸が単独で存在する場合には、pHが
酸性側へ変動するためにホウ酸と有機成分との反応は、
起こりにくく、防錆力がおちる。
【0038】しかし、本発明の防錆溶液では、ホウ酸ア
ルカリを加えたことにより、遊離したアルカリ金属が酸
性側への変動を抑えて溶液を中性域に保持するので、防
錆力の低下が抑制できる。さらに、中性の液のため、安
全で取扱いが容易であり、特別な廃液処理が不要であ
る。
ルカリを加えたことにより、遊離したアルカリ金属が酸
性側への変動を抑えて溶液を中性域に保持するので、防
錆力の低下が抑制できる。さらに、中性の液のため、安
全で取扱いが容易であり、特別な廃液処理が不要であ
る。
【0039】ホウ酸のみの溶液では、液中でホウ酸成分
が環状構造を形成し易いので、浸漬中の金属の凹凸面
や、油分等不純物が付着している面に対しての濡れ性が
悪いが、本発明によれば、有機成分の脂肪酸基が親油性
となって界面活性剤のような効果を発揮するため、金属
との濡れ性がさらに改良される。
が環状構造を形成し易いので、浸漬中の金属の凹凸面
や、油分等不純物が付着している面に対しての濡れ性が
悪いが、本発明によれば、有機成分の脂肪酸基が親油性
となって界面活性剤のような効果を発揮するため、金属
との濡れ性がさらに改良される。
【0040】しかも、上記のように液中で錯塩を形成し
ているので、低温下で使用・保管しても、ホウ酸成分の
結晶の析出を防止できる。また、ホウ酸成分には、抗菌
力があるため、細菌による有機成分の分解を抑制する作
用も有する。
ているので、低温下で使用・保管しても、ホウ酸成分の
結晶の析出を防止できる。また、ホウ酸成分には、抗菌
力があるため、細菌による有機成分の分解を抑制する作
用も有する。
【0041】このようにして用意された本発明にかかる
防錆剤は、例えばその一時的防錆作用を利用するため
に、例えば、機械部品や金属部品等の洗浄・保管 (一時
的) や、金属加工の際の切削液、冷却液、配管系内やタ
ンク等の防錆に利用できる。次に、本発明にかかる防錆
剤の優れた作用効果を、実施例に関連させてさらに具体
的に説明する。
防錆剤は、例えばその一時的防錆作用を利用するため
に、例えば、機械部品や金属部品等の洗浄・保管 (一時
的) や、金属加工の際の切削液、冷却液、配管系内やタ
ンク等の防錆に利用できる。次に、本発明にかかる防錆
剤の優れた作用効果を、実施例に関連させてさらに具体
的に説明する。
【0042】
(実施例1)水溶性防錆剤の調製 約23℃の水に対して、表1〜3に示す濃度となる無機成
分を溶解させた溶液100 mlに対して、同じく表1〜3に
示す濃度となる各種の有機成分を加えた。有機酸エス
テルとしてシュガーエステルを、有機酸エステルとし
てオレイン酸2−プロパノールエステルを、そして脂
肪酸ジエタノールアミドとしてステアリン酸ジエタノー
ルアミドをそれぞれ使用して水溶性防錆液を調製した。
各成分の濃度は、各表1〜3に示すように調製した。
分を溶解させた溶液100 mlに対して、同じく表1〜3に
示す濃度となる各種の有機成分を加えた。有機酸エス
テルとしてシュガーエステルを、有機酸エステルとし
てオレイン酸2−プロパノールエステルを、そして脂
肪酸ジエタノールアミドとしてステアリン酸ジエタノー
ルアミドをそれぞれ使用して水溶性防錆液を調製した。
各成分の濃度は、各表1〜3に示すように調製した。
【0043】シュガーエステル
【0044】
【化1】
【0045】オレイン酸2プロパノールエステル
【0046】
【化2】
【0047】ステアリン酸ジエタノールアミド CH3(CH2)16COON(CH2CH2OH)2 防錆力の評価試験 上記のように各種濃度で調製した水溶性防錆液を使用し
て、防錆力の評価を行った。アセトンで洗浄したFC−20
鋳物切粉3gを、直径70mmのメッシュ型番5Aの濾紙の上
に散布した後、この濾紙をシャーレに入れた。この濾紙
に上記で調製した各水溶性防錆液を2ml滴下し、外気と
完全に遮断することなく (空気の出入りが幾らかあるよ
うに) フタをして、室温で保管した。48時間後に各シャ
ーレ中の鋳物切粉の状態を観察した。鋳物切粉の錆の状
態を次の6段階に分けて評価した。
て、防錆力の評価を行った。アセトンで洗浄したFC−20
鋳物切粉3gを、直径70mmのメッシュ型番5Aの濾紙の上
に散布した後、この濾紙をシャーレに入れた。この濾紙
に上記で調製した各水溶性防錆液を2ml滴下し、外気と
完全に遮断することなく (空気の出入りが幾らかあるよ
うに) フタをして、室温で保管した。48時間後に各シャ
ーレ中の鋳物切粉の状態を観察した。鋳物切粉の錆の状
態を次の6段階に分けて評価した。
【0048】ランクA−変化なし (錆なし) ・・・合格 B−1〜2点錆発生 C−数点錆発生 D−1部に鉄の溶出がある E−全体に鉄の溶出がある F−溶出が更に進行し、切粉が固化している この結果を表1〜3に示す。
【0049】表に示す結果からわかるように、無機成分
と有機酸エステルあるいは脂肪酸ジエタノールアミドと
の並用により、防錆力が向上している。なお、有機酸エ
ステル等を単独で用いた場合には、ほとんど防錆力はな
く、無機成分と有機酸エステルあるいは脂肪酸ジエタノ
ールアミドとの組合せは、相乗効果以上の防錆力を発揮
することがわかった。
と有機酸エステルあるいは脂肪酸ジエタノールアミドと
の並用により、防錆力が向上している。なお、有機酸エ
ステル等を単独で用いた場合には、ほとんど防錆力はな
く、無機成分と有機酸エステルあるいは脂肪酸ジエタノ
ールアミドとの組合せは、相乗効果以上の防錆力を発揮
することがわかった。
【0050】(実施例2)本例では本発明にかかる防錆剤
を研削液として用いた場合の研削性能を評価するもので
ある。下記の各成分の配合比を以下のようにして、実施
例1と同様にして研削液を調製した。
を研削液として用いた場合の研削性能を評価するもので
ある。下記の各成分の配合比を以下のようにして、実施
例1と同様にして研削液を調製した。
【0051】(a) 液 (イ) B2O3:Na2B4O7 =56:44 (モル比) の割合で、水溶
液中の割合が10wt%、(ハ) ステアリン酸ジエタノールア
ミド2wt%となるように調製した。
液中の割合が10wt%、(ハ) ステアリン酸ジエタノールア
ミド2wt%となるように調製した。
【0052】(b) 液 極圧添加剤として塩素を含むアミン系溶液の市販研削液
を用いた。上記の(a) 液および(b) 液をそれぞれ20倍希
釈し、下記の条件で研削を行った。 被研削剤 SUS420J2鋼板(40w−150L−10t) 研削機 平面研削盤 砥石 WA−#800の樹脂砥石 回転数 2400rpm 。
を用いた。上記の(a) 液および(b) 液をそれぞれ20倍希
釈し、下記の条件で研削を行った。 被研削剤 SUS420J2鋼板(40w−150L−10t) 研削機 平面研削盤 砥石 WA−#800の樹脂砥石 回転数 2400rpm 。
【0053】研削後の鋼板は、両者ともに錆の発生はな
かったが、表面粗さに差異が生じた。表面粗さは、(a)
液を使った場合、Ra=0.15μm、(b) 液を使った場合、
Ra=0.25μmであった。本発明品は、鋼材に対する濡れ
性が優れるので、研削板の振動幅が安定したことによ
り、表面粗さが小さくなったと推察される。
かったが、表面粗さに差異が生じた。表面粗さは、(a)
液を使った場合、Ra=0.15μm、(b) 液を使った場合、
Ra=0.25μmであった。本発明品は、鋼材に対する濡れ
性が優れるので、研削板の振動幅が安定したことによ
り、表面粗さが小さくなったと推察される。
【0054】(実施例3)本例では防錆処理後の鋼材の状
態変化による防錆剤の評価を行った。表4記載の基液3
種 (〜) を実施例1にならって作成した。ただし表
中、無機成分とあるのはB2O3:Na2B4O7 =56:44 (モル
比) となるホウ酸とホウ砂の混合物である。
態変化による防錆剤の評価を行った。表4記載の基液3
種 (〜) を実施例1にならって作成した。ただし表
中、無機成分とあるのはB2O3:Na2B4O7 =56:44 (モル
比) となるホウ酸とホウ砂の混合物である。
【0055】次いで、表5の記載にあるように、3種の
基液 (〜) を5〜20倍に希釈した各溶液にJIS G 31
09規定の炭素鋼棒を30sec 浸漬し、引上げ後、保管条件
を変えて、一定日数放置し、その後の錆の発生度を評価
した。比較例として、水道水に浸漬した鋼棒と、未処理
のまま放置した鋼棒とについても同様にして錆の発生度
を評価した。
基液 (〜) を5〜20倍に希釈した各溶液にJIS G 31
09規定の炭素鋼棒を30sec 浸漬し、引上げ後、保管条件
を変えて、一定日数放置し、その後の錆の発生度を評価
した。比較例として、水道水に浸漬した鋼棒と、未処理
のまま放置した鋼棒とについても同様にして錆の発生度
を評価した。
【0056】 表中の評価記号 ○−錆発生なし・・・合格 △−1部に発生 ×−全体に発生 結果を表5にまとめて示す。
【0057】湿度の高い苛酷な保管環境においても、本
発明によりホウ酸/ホウ酸アルカリの無機成分と有機酸
エステルあるいは脂肪酸とを含有する溶液を用いた場
合、浸漬後においても長期間、防錆力を発揮することが
判明した。
発明によりホウ酸/ホウ酸アルカリの無機成分と有機酸
エステルあるいは脂肪酸とを含有する溶液を用いた場
合、浸漬後においても長期間、防錆力を発揮することが
判明した。
【0058】(実施例4)本例では、切削剤の腐敗防止効
果を評価した。一般に切削剤中に含まれる脂肪酸エステ
ルと本発明にかかる防錆剤による細菌数の増加 (抑制)
効果を調査した。
果を評価した。一般に切削剤中に含まれる脂肪酸エステ
ルと本発明にかかる防錆剤による細菌数の増加 (抑制)
効果を調査した。
【0059】下記の三種の溶液を作成した。 シュガーエステル3wt%水溶液 シュガーエステル3wt%+亜硝酸ソーダ(0.1, 0.5,
1.0) wt%各水溶液 シュガーエステル3wt%+無機成分(B2O3:Na2B4O7
=56:44 (モル比) となるホウ酸+ホウ砂) の(0.1, 0.
5,1.0)wt%各水溶液 次いで、これらの水溶液に黄色ブドウ球菌、緑膿菌を混
合し、35℃−1日間寒天培地で保管し、菌数を測定し
た。
1.0) wt%各水溶液 シュガーエステル3wt%+無機成分(B2O3:Na2B4O7
=56:44 (モル比) となるホウ酸+ホウ砂) の(0.1, 0.
5,1.0)wt%各水溶液 次いで、これらの水溶液に黄色ブドウ球菌、緑膿菌を混
合し、35℃−1日間寒天培地で保管し、菌数を測定し
た。
【0060】結果を表6にまとめて示すが、これからも
分かるように、次のような結果を得た。 シュガーエステルのみでは菌は増加する。 従来から防錆剤として知られている亜硝酸ソーダを併
用しても同様菌は増加する。このような場合、細菌に
よって成分が分解するので防錆力は低下する。 本発明品は無機成分が細菌を抑制するので、細菌によ
る成分の分解がなく、長期間防錆力を維持できる。
分かるように、次のような結果を得た。 シュガーエステルのみでは菌は増加する。 従来から防錆剤として知られている亜硝酸ソーダを併
用しても同様菌は増加する。このような場合、細菌に
よって成分が分解するので防錆力は低下する。 本発明品は無機成分が細菌を抑制するので、細菌によ
る成分の分解がなく、長期間防錆力を維持できる。
【0061】(実施例5)本例では、アルカノールアミン
を添加した場合の無機成分の再結晶析出防止効果をみ
た。ホウ酸ソーダ等を溶解させた防錆液は低温下で使用
すると、成分が再結晶析出してしまうので、溶解成分の
濃度が低下し、防錆力が劣るおそれがある。
を添加した場合の無機成分の再結晶析出防止効果をみ
た。ホウ酸ソーダ等を溶解させた防錆液は低温下で使用
すると、成分が再結晶析出してしまうので、溶解成分の
濃度が低下し、防錆力が劣るおそれがある。
【0062】本発明では、アルカノールアミンと併用す
ることによって、低温下で、使用または保管しても無機
成分が析出することがなく、使用勝手が向上する。ま
ず、無機成分としてB2O3:Na2B4O7 =56:44 (モル比)
となるホウ酸+ホウ砂を使用して溶液を調整した。これ
にトリエタノールアミン(TEA) またはジエタノールアミ
ン(DEA) を各々所定量を水に溶解させた水溶液を作成
(約30〜40℃の温水で作成) した。
ることによって、低温下で、使用または保管しても無機
成分が析出することがなく、使用勝手が向上する。ま
ず、無機成分としてB2O3:Na2B4O7 =56:44 (モル比)
となるホウ酸+ホウ砂を使用して溶液を調整した。これ
にトリエタノールアミン(TEA) またはジエタノールアミ
ン(DEA) を各々所定量を水に溶解させた水溶液を作成
(約30〜40℃の温水で作成) した。
【0063】各溶液を所定温度で24時間保管後の溶液中
に沈殿した無機成分の量を測定した。結果は表7、8に
まとめて示す。アルカノールアミンを含まない溶液は低
温保管のものほど、沈殿量が多いが、アルカノールアミ
ンを含んだ溶液は、無機成分濃度が10%と高濃度でも成
分の沈殿を防止することができる。
に沈殿した無機成分の量を測定した。結果は表7、8に
まとめて示す。アルカノールアミンを含まない溶液は低
温保管のものほど、沈殿量が多いが、アルカノールアミ
ンを含んだ溶液は、無機成分濃度が10%と高濃度でも成
分の沈殿を防止することができる。
【0064】同じく無機成分とアルカノールアミンとの
組合せによる防錆力の比較を表9にまとめて示す。これ
からも分かるように、アルカノールアミンは上記のよう
に、沈殿防止作用はあるが、これを含有しただけでは防
錆力の向上は計れない。
組合せによる防錆力の比較を表9にまとめて示す。これ
からも分かるように、アルカノールアミンは上記のよう
に、沈殿防止作用はあるが、これを含有しただけでは防
錆力の向上は計れない。
【0065】なお、表9では、B2O3:Na2B4O7 が上記モ
ル比率のホウ酸+ホウ砂の無機成分10wt%と、アルカノ
ールアミン (TEA, DEAとも) 2wt%とを含有した基液を
所定濃度に希釈した溶液100 mlにSS41鉄材 (30mm角−1
mm厚さ) を7日間浸漬後の溶液中のFe溶出量を測定して
防錆力を評価した。
ル比率のホウ酸+ホウ砂の無機成分10wt%と、アルカノ
ールアミン (TEA, DEAとも) 2wt%とを含有した基液を
所定濃度に希釈した溶液100 mlにSS41鉄材 (30mm角−1
mm厚さ) を7日間浸漬後の溶液中のFe溶出量を測定して
防錆力を評価した。
【0066】比較例1 本例では、特開昭58−39786 号公報に開示された脂肪酸
とホウ酸の混合物からなる防錆剤と、本発明にかかる防
錆剤とを区別するために、当該公報の実施例1のNo.1〜
4の成分と、本発明にかかる防錆剤との防錆力を比較し
た。
とホウ酸の混合物からなる防錆剤と、本発明にかかる防
錆剤とを区別するために、当該公報の実施例1のNo.1〜
4の成分と、本発明にかかる防錆剤との防錆力を比較し
た。
【0067】防錆剤の組成は表10に示す通りであった。 ただし、本発明例中、無機成分とあるのは次の配合比の
成分 (B2O3:Na2B4O7 =56:44(モル比)) 防錆力の評価試験は実施例1に準じて行った。結果は表
10にまとめて示す。本発明にかかる防錆剤の防錆力と比
較して、上記従来例のそれは1ないし2ランク低下して
いるのが分かる。
成分 (B2O3:Na2B4O7 =56:44(モル比)) 防錆力の評価試験は実施例1に準じて行った。結果は表
10にまとめて示す。本発明にかかる防錆剤の防錆力と比
較して、上記従来例のそれは1ないし2ランク低下して
いるのが分かる。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、ホウ酸とアルカリホウ酸との相乗効果を利用できる
ばかりでなく、それと有機成分との組合せによる相乗効
果をも利用でき、それらの総合的効果として、単なる混
合物として使用してもすぐれた防錆力が発揮され、混合
物とするだけでよいから安価な手段ということができ、
本発明は実用的にもすぐれた効果が発揮される。
ば、ホウ酸とアルカリホウ酸との相乗効果を利用できる
ばかりでなく、それと有機成分との組合せによる相乗効
果をも利用でき、それらの総合的効果として、単なる混
合物として使用してもすぐれた防錆力が発揮され、混合
物とするだけでよいから安価な手段ということができ、
本発明は実用的にもすぐれた効果が発揮される。
【図1】防錆力とホウ酸/アルカリホウ酸のモル比との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 山本 哲 愛知県名古屋市昭和区高辻町11番15号 石 塚硝子株式会社内 (72)発明者 河合 寛 愛知県名古屋市昭和区高辻町11番15号 石 塚硝子株式会社内 (72)発明者 下野 富二雄 愛知県名古屋市昭和区高辻町11番15号 石 塚硝子株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 (イ) ホウ酸とホウ酸アルカリ(R2B4O7:
RはLi、Na、K)のモル比が25:75〜95:5となる無機
成分と、(ロ) R1−COO−R2 で表される有機酸エステ
ル(R1は炭素数4以上の脂肪酸残基、R2はアルキル基、
水酸基を1以上有するアルキル基、又は糖類) との水性
混合物からなる、水溶性防錆剤。 - 【請求項2】 (イ) ホウ酸とホウ酸アルカリ(R2B4O7:
RはLi、Na、K)のモル比が25:75〜95:5となる無機
成分と、(ハ) 脂肪酸ジエタノールアミドとの水性混合物
からなる、水溶性防錆剤。 - 【請求項3】 (イ) ホウ酸とホウ酸アルカリ(R2B4O7:
RはLi、Na、K)のモル比が25:75〜95:5となる無機
成分と、(ニ) アルカノールアミンとの水性混合物からな
る、水溶性防錆剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33680793A JPH07188954A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 水溶性防錆剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33680793A JPH07188954A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 水溶性防錆剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188954A true JPH07188954A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18302873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33680793A Withdrawn JPH07188954A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 水溶性防錆剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188954A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101138658B1 (ko) * | 2003-02-19 | 2012-04-19 | 제너럴 일렉트릭 캄파니 | 압축되거나 비압축된 미분탄의 연소를 향상시키기 위한 비-부식성 처리제 |
JP2012188682A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Kurita Water Ind Ltd | ボイラ水処理剤及びボイラの水処理方法 |
CN105441959A (zh) * | 2014-12-01 | 2016-03-30 | 阜阳师范学院 | 一种水性防锈剂及其制备方法 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33680793A patent/JPH07188954A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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