JPH07188290A - アブリンa鎖変異体およびその製造法 - Google Patents

アブリンa鎖変異体およびその製造法

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JPH07188290A
JPH07188290A JP33135793A JP33135793A JPH07188290A JP H07188290 A JPH07188290 A JP H07188290A JP 33135793 A JP33135793 A JP 33135793A JP 33135793 A JP33135793 A JP 33135793A JP H07188290 A JPH07188290 A JP H07188290A
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abrin
chain
ser
ala
leu
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JP33135793A
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Hideki Narimi
英樹 成見
Shigenobu Kimura
成伸 木村
Shiyoujirou Yamazaki
晶次郎 山崎
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】配列番号1〜3に代表される天然型アブリンA
鎖の202番目のアミノ酸にセリンまたはアラニンを挿
入したアブリンA鎖変異体。 【効果】本発明のアブリンA鎖変異体が得られることに
より、活性の高いアブリンA鎖を大量にかつ純粋に生産
できるものである。また、抗体分子との架橋反応効率に
優れたアブリンA鎖変異体が得られることにより抗体毒
素複合体等の医薬品の原料としてアブリンA鎖を利用す
ることが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アブリンA鎖を遺伝子
操作の手法を用いて製造するための、アブリンA鎖を暗
号化しているDNA断片、該DNA断片を発現可能な形
で組み込んだ発現プラスミド、該発現プラスミドで形質
転換された大腸菌、および該大腸菌形質転換株を用いた
アブリンA鎖の製造法に関する。ここでのアブリンA鎖
はアミノ酸配列を変更して得られる組換え型アブリンA
鎖の変異体を含み、本発明では活性、あるいは抗体分子
との架橋反応効率を改変するアブリンA鎖のアミノ酸配
列を提供している。この技術により抗体毒素複合体等の
医薬品の原料としてアブリンA鎖を利用することが可能
となる。
【0002】
【従来の技術】近年、毒性物質をモノクローナル抗体等
と結合させた抗体毒素複合体を用いて疾病の原因となる
細胞を特異的に障害し、疾病を治療しようとするターゲ
ット療法の研究が盛んに行われている(Frankel
ら(1988)Immunotoxins,Kluwe
r Academic Pablishers)。特に
腫瘍特異的モノクローナル抗体を利用した制癌剤として
の研究が盛んに行なわれ、臨床応用の試みもなされてい
る(Wawrzyncnak,E.J.andDerb
yshire,E.J.(1992)Immunolo
gy Today13,381−383)。
【0003】抗体毒素複合体に用いる毒性物質として
は、一般にジフテリア毒素や植物種子中に存在する植物
毒素などの細胞障害性毒素蛋白質や、放射性物質、ある
いは抗癌剤等が用いられている。このうち、植物種子中
に存在する植物毒素であるリボソーム不活化蛋白(RI
P)は、リボソームRNA中の特定の塩基のN−グルコ
シド結合を切断することによってリボソームを不活化す
る酵素であることが知られている。細胞内で繰り返しリ
ボソームを不活化するため、少量で大きな細胞殺傷能力
を有しており、抗体毒素複合体の毒素部分として有用で
ある。
【0004】抗体毒素複合体の毒素部分に用いられてい
るRIPとしては、ヒマ種子に含まれるリシンA鎖が広
く用いられている。しかしながら、毒素部分としてリシ
ンA鎖を用いる場合には、リシンA鎖の持つ非特異的な
肝毒性が問題とされている。リシンA鎖の肝毒性はリシ
ンA鎖中に存在する糖鎖と肝細胞上のマンノースレセプ
ターとの親和性に起因すると考えられており(Skil
leter,D.N.らBiochem Biophy
s Acta 842,12−21)、これを回避する
ために酵母マンナンを添加したり、酵素的、化学的にリ
シンA鎖の糖鎖をはずしたり、遺伝子組換え技術を用い
て作製した糖鎖を持たないリシンA鎖を用いる試みもな
されている(Greenfield,L andDov
ey,H.F.(1992)Antibody,Imm
unoconjugates,and Radioph
armaceuticals 5,37−59)。しか
しながら、酵素的、あるいは化学的な方法では糖鎖の完
全な除去は困難であり、また、遺伝子組換え型のリシン
A鎖では大腸菌菌体中で不溶化しやすいなどの問題があ
る(Piatak,M.ら(1988)J.Biol.
Chem.263,4837−4843))。
【0005】東南アジアに自生するトウアズキ(Abr
us precatorius)種子中に含まれるRI
PであるアブリンのA鎖は、リシンA鎖と類似の植物毒
素であるが、糖鎖を持たないためリシンA鎖に見られる
ような肝細胞への非特異的吸着が小さく、抗体毒素複合
体として用いた場合、非特異的な毒性が低減できること
から、抗体毒素複合体の毒素部分としてリシンA鎖より
も有用であると考えられる。
【0006】しかしながらトウアズキは人為的にほとん
ど栽培されておらず、医薬品の原料として産業上利用す
るためには、遺伝子組換え型のアブリンA鎖の大量産生
技術と精製技術の確立が望まれている。遺伝子組換え型
アブリンA鎖においては、人為的にアミノ酸配列を変更
することが可能となるため、蛋白工学的手法により抗体
毒素複合体の毒素部分としてさらに有用な諸性質を付加
し、改良することも可能となる。例えば、抗体のFa
b’のヒンジに存在するシステインとアブリンA鎖に一
つだけ存在するシステインのチオール基間をジマレイミ
ド等の架橋剤で架橋反応を行って複合体を作製するとき
システイン残基の位置を人為的に移動してチオール基を
アブリンA鎖分子の表面に露出させることが出来れば、
架橋反応効率を向上させることが出来よう。
【0007】ところが、現在までアブリンaA鎖の大腸
菌等に於ける大量発現に成功した例はなく、遺伝子組み
換え型アブリンA鎖の変異体についての報告もなされて
いない。さらに、船津らによって天然型アブリンaA鎖
のアミノ酸配列として報告されているアミノ酸配列(船
津ら(1988)Agric.Biol.Chem.5
2,1095−1097)に基づいて遺伝子を化学合成
して得られる大腸菌組換え型アブリンA鎖にはRIP活
性が非常に低いことが後述の実施例で示された。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、前に述べ
た問題点を解消し、活性の有るアブリンA鎖を大量かつ
純粋に生産する系を構築することを目的に、大腸菌を宿
主としたアブリンA鎖の発現系を開発したものである。
この方法を用い、アミノ酸配列を変更して得られる組換
え型アブリンA鎖の変異体を作製することでRIP活性
のみならず他分子との相互作用を改変する物性を添加す
ることを可能とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、遺伝子操作の
手法を用いてアブリンA鎖変異体を製造するための、ア
ブリンA鎖変異体を暗号化する合成遺伝子、該遺伝子を
組み込んだ大腸菌を宿主とするアブリンA鎖発現プラス
ミド、該プラスミドによる大腸菌形質転換体、該大腸菌
形質転換体を用いたアブリンA鎖の製造法、およびアブ
リンA鎖複合体を提供するものである。
【0010】アブリンA鎖変異体を暗号化する遺伝子断
片として、既に知られている天然のアブリンaA鎖のア
ミノ酸配列(船津ら(1988)Agric.Bio
l.Chem.52,1095−1097)を暗号化す
るように作られた合成DNA断片を用いることが可能で
ある。この場合、大腸菌における使用頻度に合うように
DNA配列を設計すれば好ましい。また、等変異体作製
が容易であるよう、特有な制限酵素切断部位が遺伝子内
および両端に散在するようにDNA配列を設計するとよ
り好ましい。ただし、アブリンA鎖のリボゾーム不活化
活性(RIP活性)を発現するためには202番目に配
列番号1に示すようにセリン、もしくは配列番号2に示
すようにアラニンを暗号化する配列を添加するのがよ
い。また、このように合成されたDNA断片の前にメチ
オニンあるいは大腸菌体外への分泌を指令するペプチド
等を暗号化するDNA断片を連結することでアブリンA
鎖の発現部位をコントロールすることが可能である。
【0011】化学合成されたDNAオリゴマーから蛋白
質を暗号化するDNA断片を作る技術は既に幾つかの報
告が有る(大塚、岩井(1986)細胞工学5.402
−411)。これらの方法に準じれば上に示したアブリ
ンA鎖変異体を暗号化するDNA断片を得ることが出来
る。
【0012】上で述べたアブリンA鎖変異体を暗号化す
るDNA断片を、大腸菌を宿主として発現させるために
は、その前にmRNA合成とmRNAから蛋白質翻訳を
行わせるための遺伝子発現系を連結しておく必要があ
る。この発現系は産生物質が宿主の増殖に対して不利に
はたらかないよう、添加物質や温度などの培養条件を変
化させることで誘導することが可能であるものの方が好
ましい。このような例としては、ラクトースプロモータ
ー、トリプトファンプロモーター、PLプロモーターな
どがあるが、T7ファージプロモーター下に挿入したア
ブリンA鎖遺伝子を、ラクトースプロモーター下に制御
されるT7RNAポリメラーゼにより発現させる系
(F.Williamら(1986)J.Mol.Bi
ol189.113〜130)が好ましい。このT7の
系のプラスミドベクターであるpET8cに配列番号1
のアブリンA鎖変異体を暗号化するDNA断片を挿入し
たpET8−AA(+Ser)、あるいは配列番号2の
アブリンA鎖変異体の配列を暗号化するDNA断片を挿
入したpET8−AA(+Ala)を用いることは活性
のある組換え型アブリンA鎖を得るのに適している。
【0013】上に述べたアブリンA鎖変異体を発現でき
るように構成されたプラスミドベクターで大腸菌を形質
転換する。T7発現系を用いる場合はBL21株の様な
ラックプロモーター下流にT7RNAポリメラーゼ遺伝
子を持つλファージλDE3の溶原菌を用いるのが好ま
しい。
【0014】得られた形質転換体を公知の培地を用いて
発現すれば、アブリンA鎖変異体を得ることが出来る。
T7発現系を用いる場合には、例えば50mg/lのア
ンピシリンを含むLB 培地で菌体をOD(600n
m)で0・9まで増殖した後、0.4mMとなるように
イソプロピルチオガラクトピラノシドを添加し更に3時
間培養することでアブリンA鎖変異体の発現を誘導する
ことが出来る。菌体内に蓄積されたアブリンA鎖変異体
は、大腸菌を超音波や凍結融解により破壊した後クロマ
トグラフィー、塩析、限外漉過、電気永動等の通常の蛋
白質精製法で純粋なアブリンA鎖変異体を得ることが出
来る。クロマトグラフィーはBlue Dextran
やBlue Sepharoseの様なBlue色素架
橋担体とDEAE(ジエチルアミノエチル)やQAE
(第四級アミノエチル)等の陰イオン交換体を組み合せ
ることで天然からの抽出精製より少工程で高純度のアブ
リンA鎖変異体を得ることが出来る。このとき、大腸菌
破壊物を硫安沈殿やゲル濾過等によって10〜100m
M程度の濃度でpHを中性領域としたリン酸緩衝液等の
溶液とし、同緩衝液で平衡化した培養液のおよそ1/2
0倍容以下のBlue色素架橋担体カラムに添加後洗浄
し、0.5〜1M程度のNaCl等で塩濃度を上昇させ
た同緩衝液で効率良くアブリンA鎖変異体を溶出して濃
縮することができる。更にこのアブリンA鎖変異体溶液
を透析等によって、アブリンA鎖の等電点よりアルカリ
領域、例えばpH8前後とした10mM程度のリン酸緩
衝液等の溶液とし、培溶液のおよそ1/50倍容以下の
陰イオン交換樹脂カラムに添加後洗浄し、例えばNaC
l等による塩濃度勾配上昇させた同緩衝液あるいはpH
の低化でカラムから溶出されるアブリンA鎖の画分を分
取することでアブリンA鎖変異体を純化できる。このカ
ラム操作中は2−メルカプトエタノ−ルを共存させるこ
とが精製アブリンA鎖変異体の安定上更にのぞましい。
【0015】得られるアブリンA鎖は既報の配列では活
性が無く、配列番号1あるいは配列番号2のように既報
の配列にセリンやアラニンを202番目に加えた組換え
型ではじめて天然型のアブリンA鎖と同等以上のRIP
活性を持つことが示された。
【0016】上に述べた技術を用い、合成DNAの配列
を遺伝子操作によりさらに置換・削除・挿入することで
アミノ酸配列を変異させたアブリンA鎖変異体を得るこ
とが出来る。これは一般的な遺伝子組換え技術により行
い得るが、設計された制限酵素認識配列部位を利用し、
両端に対応する制限酵素部位を配した合成DNA断片あ
るいはPCRによる増幅断片を置換挿入することにより
容易に達成することが出来る。この変異体作製により、
アブリンA鎖にターゲット療法薬としてより有利な物性
を付与することも可能となる。例えば、特定の生体物質
と親和性を持つ抗体等の分子と架橋反応を行うとき、ア
ブリンA鎖にただ一つ存在するシステインのチオール基
を架橋剤の反応対象として利用することは一般的だが、
このシステインは疎水性度の高いカルボキシル末端付近
に存在し高い反応効率は得られない。これに対して、ア
ミノ末端の様な親水性が高く分子表面への露出度が高い
部位にシステインを移行させたアブリンA鎖では架橋効
率を増進させ得る。配列番号3に示したアミノ酸配列は
この例であり、247番目(天然型アブリンA鎖の24
6番目にあたる)のシステイン残基をアラニンに置換
し、N末端から2番目にシステイン残基を挿入した変異
体である。このアミノ酸配列を暗号化するDNA断片を
pET8c挿入したプラスミドpET8−AA(Cys
2 )を用いて得られたアブリンA鎖は、抗体のFab’
とジマレイミドリンカーで架橋反応(反応条件は実施例
8に示した)を行ったときの反応効率を従来の2倍に向
上させることを可能とした。この時、アブリンA鎖変異
体と架橋する分子は実施例8で示した様なガン細胞表面
抗原を認識し、速やかに細胞内に取り込まれるモノクロ
−ナル抗体であるXF−8(ヒト肺癌株化細胞を用いて
作製された(H.Takahashiら(1989)H
epatology9.625)のFab´以外の抗体
またはその断片、さらには標的細胞表面に特異的に発現
している受容体に対するリガンドを用いることも可能で
ある。これらの分子には望ましくは1つ、あるいはそれ
以上のチオ−ル基が存在しているか組換えDNA技術を
用いたり化学的に導入されていると、変異型アブリンA
鎖のチオ−ル基との間の架橋をメチルエ−テルの両端に
マレイミド基を持つBMME(ビスマレイミドメチルエ
−テル)等のジマレイミドリンカ−の様なチオ−ル基反
応性二価性架橋剤により、例えば0.1Mリン酸緩衝液
(pH6.2)の様な中性付近から弱酸性の水溶液中、
4℃〜37℃程度の温和な反応条件下で行うことができ
る。架橋剤にSPDP(N−スクシンイミジル3−(2
−ピリジルジチオン)プロピオネイト)やEMCS(N
−(ε−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド)
等を用いて抗原結合性分子のアミノ基と変異型アブリン
A鎖のチオ−ル基間で連結する際も同様の効果が期待で
きる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。以下に述べる遺伝子操作の一般的手法は、マニ
ュアル書(Maniatisら(1982)、Mole
cular Cloning:A Laborator
y Manual.Cold Spring Harb
orLaboratory)および試薬の仕様に従っ
た。
【0018】実施例1 アブリンA鎖を暗号化するDNA断片の合成 公知のアブリンaA鎖アミノ酸配列(船津ら(198
8)Agric.Biol.Chem.52,1095
−1097)を基に、それを暗号化するDNA断片を図
1,2の様に設計した。(図1,2は第1段は塩基番
号、第2段<>はセンスDNA合成オリゴマー番号、第
3段はセンスDNA配列、第4段/は制限酵素切断部位
と制限酵素名、第5段はアンチセンスセンスDNA配
列、第6段<>はアンチセンスDNA合成オリゴマー番
号、第7段はアミノ酸配列を示す。)このDNA断片に
は成熟型アブリンaA鎖の蛋白質を暗号化する部分に加
え、前部にメチオニン(アミノ酸配列上1番とした)を
暗号化するDNA、後部には終止コドンTGA TAG
を連結して付加した。更に全DNA断片の5’側および
3’側にはそれぞれEcoRI、NcoIおよびBam
HI、HindIII、また遺伝子の随意に特有の制限
酵素切断部位を設けた。設計にあたってコドンの使用頻
度が大腸菌のそれに近くなるよう留意した。
【0019】このように設計したDNA断片を図1,2
に示す様に<ABR1>から<ABR26>および<A
BRa>から<ABRz>の計52本のDNAオリゴマ
ーに分けて合成した。このうち<ABR1>から<AB
R11>および<ABRa>から<ABRk>の22本
と<ABR12>から<ABR26>および<ABRl
>から<ABRz>の30本を各々別個にアニーリン
グ、T4DNAリガーゼによるライゲーション反応を行
った。反応液をアガロースゲル電気泳動により分離後、
各々約330bpと470bp付近のDNAバンドを切
り出しDNAを溶出精製した。これら2つの断片とEc
oRIとXbaIで完全に消化したプラスミドpUC1
9を混合しT4DNAリガーゼを用いてライゲーション
した。このライゲーション混合物を用いてE.coli
JM109を形質転換した。得られたアンピシリン耐性
を示す形質転換株の中で、抽出したプラスミドがEco
RIとXbaI消化により約800bpのDNA断片を
生じたpUCAA−4を選択した。pUCAAー4のE
coRIからXbaIまでの塩基配列を決定したところ
図1,2に示す配列と完全に一致し、目的のアブリンa
A鎖を暗号化するDNA断片を取得することが出来た。
【0020】2.pET8−AAの作製 T7ファージプロモーター下に目的の遺伝子が挿入され
たプラスミドベクターで、ラックプロモーター下流にT
7RNAポリメラーゼ遺伝子を持つλファージλDE3
の溶原菌を形質転換することにより、IPTG(イソプ
ロピル−β−D−チオ−ガラクトピラノシド)等を培養
液に添加したときに特異的に遺伝子産物を発現させるこ
とが可能である(F.Williamら(1986)
J.Mol.Biol189.113〜130)。この
T7の系のプラスミドベクターであるpET8cのNc
oIとBamHIの切断部位に、実施例1で取得したp
UCAAー4のNcoIとBamHI消化によって生じ
る約750bpのアブリンaA鎖遺伝子部分をT4DN
Aリガーゼを用いて連結した。反応物を用いてE.co
liHB101を形質転換し、得られたアンピシリン耐
性株の中から、抽出したプラスミドがNcoIとBam
HI消化により約750bpのアブリンaA鎖遺伝子断
片を生じるpET8−AA(図3)を保持するものを得
た。
【0021】3.pET8−AA(+Ser)、pET
8−AA(+Ala)の作製 pET8−AAを基に202番目にセリン、アラニンを
暗号化するDNA配列を添加したプラスミドを、図3で
示す概略のごとく作製した。センスプライマーとして図
4に示した202番にセリンを暗号化するAGTを導入
した配列を持つ<rAA+Ser>46merを合成
し、アンチセンスには図1,2で示した合成DNA<A
BRz>を用いてpET8−AAを鋳型にPCRを行っ
た。PCRの条件は、pET8−AAを1ng、50m
M KCl、10mM Tris−HCl(pH8.
3)、1.5mM MgCl2、0.01%(W/V)
ゼラチン、 250μM dNTPs、センス・アンチ
センスプライマー各1.0μM、2.5 units
AmplitaqTMDNA Polymerase
(Perkin Elmer Cetus、宝酒造)の
組成で反応溶液100μlを調製し、94℃ 1分、5
0℃ 2分、72℃ 3分インキュベーションを25サ
イクル行った。得られた約200bpのPCR増幅DN
A断片をXhoIとBamHI消化した後、アガロース
ゲル電気泳動によりDNAバンドを切り出し溶出精製し
た。他方でpET8−AAを同様にXhoIとBamH
I消化した後、アブリンaA鎖のC末端に相当するおよ
そ180bpの断片を除いた。除去したC末端断片に代
えてSer202を含むPCR断片をライゲーション反
応により挿入した。ライゲーション混合物を用いてE.
coliHB101を形質転換した。得られたアンピシ
リン耐性を示す形質転換株の中で、抽出したプラスミド
が<rAA+Ser>に導入した制限酵素AflII
(pET8−AAはAflII認識配列を持たない)で
切断されることで目的のプラスミドpET8−AA(+
Ser)を保持するクローンを選択した。
【0022】pET8−AA(+Ala)はセンスプラ
イマー<+Ala>を図5のように合成し、pET8−
AA(+Ser)と同様の方法で作製した。
【0023】4.pET8−AA、pET8−AA(+
Ser)、pET8−AA(+Ala)を用いたアブリ
ンA鎖変異体の発現 ラックプロモーター下流にT7RNAポリメラーゼ遺伝
子を持つλファージλDE3の溶原菌BL21株を、プ
ラスミドpET8−AA、pET8−AA(+Se
r)、pET8−AA(+Ala)で各々形質転換し
た。50mg/lのアンピシリンを含むL培地で形質転
換体をOD(600nm)=0.9まで振盪培養し、最
終0.4mMとなるようにIPTG(イソプロピル−β
−D−チオ−ガラクトピラノシド)を添加して更に30
℃で3時間培養を続けた。菌体を遠心分離により採取
し、培養液の1/5容のSDS−PAGE(Laemm
liの系)サンプルバッファーに懸濁した後、煮沸処理
してSDS−PAGEのサンプルとした。同時に、遠心
分離により採取した菌体を培養液の1/10容のTE
(10mM Tris−HCl(pH7.6)、1mM
EDTA)に懸濁後、凍結融解及び超音波により破壊
した。これをマイクロ遠心機で15Krpm、30分遠
心分離し、上清を可溶性蛋白質画分としてTEと等量の
2倍濃度SDS−PAGEサンプルバッファーと混合、
沈殿を不溶性蛋白質画分としてTEの2倍容のSDS−
PAGEサンプルバッファーに懸濁してSDS−PAG
Eのサンプルとした。SDS−PAGEによる分離後、
蛋白質をPVDF膜にセミドライ転写しウサギ抗アブリ
ンaA鎖抗体、HRP標識ヒツジ抗ウサギIgG抗体で
処理し、コニカイムノステインで抗アブリンaA鎖抗体
と反応するバンドを発色検出した。図6にはpET8ー
AAの形質転換体の結果を示すが、3種のプラスミドに
よる形質転換体はいずれも天然アブリンA鎖と等しい移
動度を持ち、アブリンaA鎖抗体と反応する分子を可溶
性画分に発現していることが確認された。濃度既知の天
然型のアブリンaA鎖(0.1μg)のバンドの濃度と
の比較により培養液1l当りの重量に換算すると約50
mgの組換え型アブリンA鎖を発現していると換算され
た。(図6においてT:大腸菌総蛋白(全蛋白)、S:
可溶性画分(超音波破壊後の遠心上清)、P:不溶性画
分(超音波破壊後の遠心沈殿)、nA:天然型アブリン
A鎖0.1μgを示す。) 5.大腸菌生産アブリンA鎖の精製 図7に代表例として、pET8−AAを用いた形質転換
体からのアブリンaA鎖の各精製工程におけるSDSー
PAGEの結果[SDSーPAGE(12%)により分
離後、クーマシー染色を行ったもの]を示したが、アブ
リンA鎖と親和性のあるCibacron Blue
3GAの架橋担体(BlueSepharoseCL−
6B:ファルマシア社製)と陰イオン交換体カラムを組
み合せることで、天然からのアブリンaA鎖の抽出精製
より少工程で高純度のアブリンaA鎖を得ることが出来
た。尚、以下に示す精製工程には常に0.1%の2−メ
ルカプトエタノールを共存させた。
【0024】pET8−AA、pET8−AA(+Se
r)あるいはpET8−AA(+Ala)による大腸菌
BL21の形質転換体について、実施例4で示したよう
に発現誘導を行った後、菌体を遠心分離により採取し、
培養液の1/10容のTE(10mM Tris−HC
l(pH7.6)、1mM EDTA)に懸濁し、凍結
融解・超音波により菌体を破壊した。15Krpm、3
0分の遠心分離で未破壊の菌体及び破壊断片を除き、上
清をSephadexG25(ファルマシア)により5
0mMリン酸緩衝(pH6.8)溶液とした。培養液の
1/20容のBlueSepharoseCL−6B
(ファルマシア)カラムに一晩循環添加後、50mMリ
ン酸緩衝液(pH6.8)を用いて未吸着画分を洗浄し
た。吸着画分を1MのNaClを含む同リン酸緩衝液に
より溶出させ、10mMリン酸緩衝液(pH8.0)に
対して透析を行った。透析後培養液の1/50容のDE
AE−Sephacel(ファルマシア)に添加し、1
0mMリン酸緩衝液(pH8.0)で洗浄した後、0−
250mM NaCl濃度勾配溶出を行い、純粋なアブ
リンaA鎖の溶出画分を得た。最終精製収率は収率は培
養液1l当り40〜43.7mgであった。pET−A
A(+Ser),pET8−AA(+Ala)およびp
ET8−AA(Cys2 )を用いた形質転換体からのア
ブリンA鎖変異体は同様に精製され、pET8−AA
(+Ser)産生アブリンA鎖変異体についてはアミノ
酸分析とN末端配列解析により、実施例1〜3で設計し
たDNAに従って蛋白質が発現されていることを確かめ
た。
【0025】6.大腸菌生産アブリンA鎖のリボゾーム
不活化活性の測定 リボゾーム不活化活性測定は、ウサギ網状赤血球の系を
用いた蛋白合成の阻害度を計量することにより行った。
網状赤血球ライセートの調製、無細胞翻訳反応の条件は
Oliver等の方法(Press,O.W.,Mar
tin,P.J.ら(1986)Immunol.Le
tt.14.37−41)に従った。反応終了後、グラ
スフィルターに吸着した蛋白質に取り込まれた3 H−L
euを液体シンチレーションカウンターにて測定し、ア
ブリンA鎖非共存時のカウントを100%として蛋白合
成度を表した。図8に示したごとく既報の天然のアブリ
ンaA鎖のアミノ酸配列(船津ら(1988)Agri
c.Biol.Chem.52,1095−1097)
に従って作製されたpET8−AA組換え体によって生
産されるアブリンA鎖より、pET8−AA(+Se
r)あるいはpET8−AA(+Ala)組換え体によ
って生産されるアブリンA鎖変異体の方が高いリボゾー
ム不活化活性を持っていた。
【0026】7.pET8−AA(Cys2 )の作製と
大腸菌による産生 アブリンA鎖アミノ酸247番(Ser202を付加し
た時)のシステインをシステインをアラニンに置換し、
同時に2番にシステインを導入(N末端配列をMet−
Glu−Cys−Asp−−−とし)した組換え型アブ
リンA鎖を発現させるためのプラスミドpET8−AA
(Cys2 )を実施例3と同様に作製した。センスプラ
イマー<+Cys>、アンチセンスプライマー<−Cy
s>を図9のように合成し、鋳型DNAにpET8−A
A(+Ser)を用いてPCRを行った。得られた約7
70bpのPCR増幅DNA断片をNcoIとBamH
I消化した後、アガロースゲル電気泳動によりDNAバ
ンドを切り出し溶出精製した。これをpET8cのNc
oIとBamHIの切断部位にT4DNAリガーゼを用
いて連結した。ライゲーション混合物を用いてE.co
liHB101を形質転換した。得られたアンピシリン
耐性を示す形質転換株の中から、抽出したプラスミドが
PCRプライマーに導入した制限酵素で切断されること
で目的のプラスミドpET8−AA(Cys2 )を保持
するクローンを選択した。実施例4、5に示したように
pET8−AA(Cys2 )を用いて大腸菌BL21に
よりシステインをC末端からN末端に移行したアブリン
A鎖を得てrAA(Cys2 )とした。
【0027】8.rAA(Cys2 )とFab’の架橋
反応 毒素を抗体等と結合させてターゲット療法に用いる際の
架橋反応は、専らRIPのA鎖に存在するシステインの
チオール基を架橋剤の反応対象にするが、このシステイ
ンのアブリンA鎖における存在位置を上述の技術を用い
て移行することにより架橋反応の効率を向上させること
が出来ることを示す。
【0028】実施例3〜5で得た天然型と同様にC末端
の疎水性領域に唯一システインを持つpET8−AA
(+Ser)による大腸菌産生アブリンA鎖変異体(r
AA(+Ser))と、実施例7で得たN末端の親水性
領域に唯一システインを持つrAA(Cys2 )を抗体
のFab’と架橋反応した。架橋反応はアブリンA鎖と
Fab’のヒンジに存在するシステインのチオール基間
を二価性架橋剤であるビスマレイミドメチルエーテル
(BMME、ベーリンガー・マンハイム山之内)を用い
て行った。Fab’は文献(H.Takahashiら
(1989)Hepatology9,625)記載の
方法に従って作製されたヒト肝癌株化細胞FOCUSの
表面抗原に対するモノクローナル抗体XF−8を用い
た。
【0029】図10に示したように、まずrAA(+S
er)、rAA(Cys2 )を各々6%(V/V)のB
MME/ジメチルホルムアミド溶液(2.5 mg/m
l)で処理した後、未反応のBMMEをセファデックス
Gー25(ファルマシア社製)により除き等重量のFa
b’と室温で一晩反応させた。反応は全て100mMリ
ン酸緩衝液(pH6.2)中で行った。架橋反応効率は
アブリンA鎖とFab’架橋体(Fab’−s−AA)
の生成量をSDS−PAGE分離後、バンド濃度をデン
シトメーターで測定し比較した。その結果架橋体が総反
応物質に占める割合(Fab’−S−rAA÷(rAA
+Fab’+Fab’−S−rAA)×100(%))
が従来のシステインをC末端に持つrAA(+Ser)
を用いたときは25.5%であるのに対して、rAA
(Cys2 )を用いたときは52.8%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明により、活性の高い組換え型アブ
リンA鎖を大量にかつ純粋に生産できるものである。ま
た、抗体分子との架橋反応効率に優れたアブリンA鎖変
異体が得られることにより抗体毒素複合体等の医薬品の
原料としてアブリンA鎖を利用することが可能となっ
た。
【0031】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:252 配列の型:アミノ酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 GAATTCGTGAATCCGGAGTGTAACCC ATG GAA GAC CGT CCA ATC AAA TTT AGT 53 Met Glu Asp Arg Pro Ile Lys Phe Ser -1 1 5 ACT GAG GGT GCT ACT AGC CAA AGC TAC AAA CAG TTT ATC GAA GCT CTG 101 Thr Glu Gly Ala Thr Ser Gln Ser Tyr Lys Gln Phe Ile Glu Ala Leu 10 15 20 CGT GAA CGT TTA CGT GGT GGA CTG ATC CAT GAT ATC CCG GTG TTG CCA 149 Arg Glu Arg Leu Arg Gly Gly Leu Ile His Asp Ile Pro Val Leu Pro 25 30 35 40 GAC CCG ACT ACC CTG CAG GAA CGT AAC CGT TAC ATT ACT GTT GAA CTC 197 Asp Pro Thr Thr Leu Gln Glu Arg Asn Arg Tyr Ile Thr Val Glu Leu 45 50 55 TCA AAT TCA GAT ACT GAG TCT ATT GAA GTT GGT ATC GAT GTC ACC AAT 245 Ser Asn Ser Asp Thr Glu Ser Ile Glu Val Gly Ile Asp Val Thr Asn 60 65 70 GCA TAT GTG GTC GCC TAC CGT GCT GGA ACT CAG TCA TAT TTC CTT CGC 293 Ala Tyr Val Val Ala Tyr Arg Ala Gly Thr Gln Ser Tyr Phe Leu Arg 75 80 85 GAC GCT CCG TCA TCT GCT AGC GAT TAT CTT TTC ACT GGT ACC GAC CAA 341 Asp Ala Pro Ser Ser Ala Ser Asp Tyr Leu Phe Thr Gly Thr Asp Gln 90 95 100 CAT AGC CTG CCA TTC TAC GGT ACT TAC GGT GAC CTT GAA CGA TGG GCT 389 His Ser Leu Pro Phe Tyr Gly Thr Tyr Gly Asp Leu Glu Arg Trp Ala 105 110 115 120 CAT CAA TCT CGA CAA CAA ATC CCG TTG GGA CTG CAA GCG TTA ACC CAC 437 His Gln Ser Arg Gln Gln Ile Pro Leu Gly Leu Gln Ala Leu Thr Glu 125 130 135 GGT ATC TCA TTT TTT CGA AGT GGT GGC AAC GAC AAC GAG GAA AAA GCT 485 Glu Lys His Gly Ile Ser Phe Phe Arg Ser Gly Gly Asn Asp Asn Ala 140 145 150 CGT ACC TTA ATC GTT ATC ATC CAA ATG GTT GCA GAA GCA GCA CGA TTC 533 Arg Thr Leu Ile Val Ile Ile Gln Met Val Ala Glu Ala Ala Arg Phe 155 160 165 CGC TAT ATT AGT AAC CGT GTG CGC GTT AGT ATT CAG ACC GGC ACC GCA 581 Arg Tyr Ile Ser Asn Arg Val Arg Val Ser Ile Gln Thr Gly Thr Ala 170 175 180 TTC CAG CCA GAT GCT GCG ATG ATT AGC CTC GAG AAT AAT TGG GAC AAC 629 Phe Gln Pro Asp Ala Ala Met Ile Ser Leu Glu Asn Asn Trp Asp Asn 185 190 195 200 TTA AGT CGT GGC GTC CAA GAG TCT GTA CAA GAC ACC TTT CCG AAC CAA 677 Leu Ser Arg Gly Val Gln Glu Ser Val Gln Asp Thr Phe Pro Asn Gln 205 210 215 GTT ACC CTG ACT AAT ATT CGT AAC GAA CCG GTT ATC GTC GAC AGT CTG 725 Val Thr Leu Thr Asn Ile Arg Asn Glu Pro Val Ile Val Asp Ser Leu 220 225 230 TCC CAC CCT ACC GTA GCT GTC CTG GCA TTA ATG CTG TTC GTA TGC AAC 773 Ser His Pro Thr Val Ala Val Leu Ala Leu Met Leu Phe Val Cys Asn 235 240 245 CCT CCA AAC TGA TAG GATCCAAGCTTCTAGA 804 Pro Pro Asn *** *** 250 配列番号:2 配列番号:1 配列の長さ:252 配列の型:アミノ酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 GAATTCGTGAATCCGGAGTGTAACCC ATG GAA GAC CGT CCA ATC AAA TTT AGT 53 Met Glu Asp Arg Pro Ile Lys Phe Ser -1 1 5 ACT GAG GGT GCT ACT AGC CAA AGC TAC AAA CAG TTT ATC GAA GCT CTG 101 Thr Glu Gly Ala Thr Ser Gln Ser Tyr Lys Gln Phe Ile Glu Ala Leu 10 15 20 CGT GAA CGT TTA CGT GGT GGA CTG ATC CAT GAT ATC CCG GTG TTG CCA 149 Arg Glu Arg Leu Arg Gly Gly Leu Ile His Asp Ile Pro Val Leu Pro 25 30 35 40 GAC CCG ACT ACC CTG CAG GAA CGT AAC CGT TAC ATT ACT GTT GAA CTC 197 Asp Pro Thr Thr Leu Gln Glu Arg Asn Arg Tyr Ile Thr Val Glu Leu 45 50 55 TCA AAT TCA GAT ACT GAG TCT ATT GAA GTT GGT ATC GAT GTC ACC AAT 245 Ser Asn Ser Asp Thr Glu Ser Ile Glu Val Gly Ile Asp Val Thr Asn 60 65 70 GCA TAT GTG GTC GCC TAC CGT GCT GGA ACT CAG TCA TAT TTC CTT CGC 293 Ala Tyr Val Val Ala Tyr Arg Ala Gly Thr Gln Ser Tyr Phe Leu Arg 75 80 85 GAC GCT CCG TCA TCT GCT AGC GAT TAT CTT TTC ACT GGT ACC GAC CAA 341 Asp Ala Pro Ser Ser Ala Ser Asp Tyr Leu Phe Thr Gly Thr Asp Gln 90 95 100 CAT AGC CTG CCA TTC TAC GGT ACT TAC GGT GAC CTT GAA CGA TGG GCT 389 His Ser Leu Pro Phe Tyr Gly Thr Tyr Gly Asp Leu Glu Arg Trp Ala 105 110 115 120 CAT CAA TCT CGA CAA CAA ATC CCG TTG GGA CTG CAA GCG TTA ACC CAC 437 His Gln Ser Arg Gln Gln Ile Pro Leu Gly Leu Gln Ala Leu Thr Glu 125 130 135 GGT ATC TCA TTT TTT CGA AGT GGT GGC AAC GAC AAC GAG GAA AAA GCT 485 Glu Lys His Gly Ile Ser Phe Phe Arg Ser Gly Gly Asn Asp Asn Ala 140 145 150 CGT ACC TTA ATC GTT ATC ATC CAA ATG GTT GCA GAA GCA GCA CGA TTC 533 Arg Thr Leu Ile Val Ile Ile Gln Met Val Ala Glu Ala Ala Arg Phe 155 160 165 CGC TAT ATT AGT AAC CGT GTG CGC GTT AGT ATT CAG ACC GGC ACC GCA 581 Arg Tyr Ile Ser Asn Arg Val Arg Val Ser Ile Gln Thr Gly Thr Ala 170 175 180 TTC CAG CCA GAT GCT GCG ATG ATT AGC CTC GAG AAT AAT TGG GAC AAC 629 Phe Gln Pro Asp Ala Ala Met Ile Ser Leu Glu Asn Asn Trp Asp Asn 185 190 195 200 CTG GCA CGT GGC GTC CAA GAG TCT GTA CAA GAC ACC TTT CCG AAC CAA 677 Leu Ala Arg Gly Val Gln Glu Ser Val Gln Asp Thr Phe Pro Asn Gln 205 210 215 GTT ACC CTG ACT AAT ATT CGT AAC GAA CCG GTT ATC GTC GAC AGT CTG 725 Val Thr Leu Thr Asn Ile Arg Asn Glu Pro Val Ile Val Asp Ser Leu 220 225 230 TCC CAC CCT ACC GTA GCT GTC CTG GCA TTA ATG CTG TTC GTA TGC AAC 773 Ser His Pro Thr Val Ala Val Leu Ala Leu Met Leu Phe Val Cys Asn 235 240 245 CCT CCA AAC TGA TAG GATCCAAGCTTCTAGA 804 Pro Pro Asn *** *** 250 配列番号3 配列の長さ:253 配列の型:アミノ酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 GAATTCGTGAATCCGGAGTGTAACCC ATG GAA TGC GAT CGT CCA ATC AAA TTT 53 Met Glu Cys Asp Arg Pro Ile Lys Phe -1 1 5 AGT ACT GAG GGT GCT ACT AGC CAA AGC TAC AAA CAG TTT ATC GAA GCT 101 Ser Thr Glu Gly Ala Thr Ser Gln Ser Tyr Lys Gln Phe Ile Glu Ala 10 15 20 CTG CGT GAA CGT TTA CGT GGT GGA CTG ATC CAT GAT ATC CCG GTG TTG 149 Leu Arg Glu Arg Leu Arg Gly Gly Leu Ile His Asp Ile Pro Val Leu 25 30 35 40 CCA GAC CCG ACT ACC CTG CAG GAA CGT AAC CGT TAC ATT ACT GTT GAA 197 Pro Asp Pro Thr Thr Leu Gln Glu Arg Asn Arg Tyr Ile Thr Val Glu 45 50 55 CTC TCA AAT TCA GAT ACT GAG TCT ATT GAA GTT GGT ATC GAT GTC ACC 245 Leu Ser Asn Ser Asp Thr Glu Ser Ile Glu Val Gly Ile Asp Val Thr 60 65 70 AAT GCA TAT GTG GTC GCC TAC CGT GCT GGA ACT CAG TCA TAT TTC CTT 293 Asn Ala Tyr Val Val Ala Tyr Arg Ala Gly Thr Gln Ser Tyr Phe Leu 75 80 85 CGC GAC GCT CCG TCA TCT GCT AGC GAT TAT CTT TTC ACT GGT ACC GAC 341 Arg Asp Ala Pro Ser Ser Ala Ser Asp Tyr Leu Phe Thr Gly Thr Asp 90 95 100 CAA CAT AGC CTG CCA TTC TAC GGT ACT TAC GGT GAC CTT GAA CGA TGG 389 Gln His Ser Leu Pro Phe Tyr Gly Thr Tyr Gly Asp Leu Glu Arg Trp 105 110 115 120 GCT CAT CAA TCT CGA CAA CAA ATC CCG TTG GGA CTG CAA GCG TTA ACC 437 Ala His Gln Ser Arg Gln Gln Ile Pro Leu Gly Leu Gln Ala Leu Thr 125 130 135 CAC GGT ATC TCA TTT TTT CGA AGT GGT GGC AAC GAC AAC GAG GAA AAA 485 Glu Glu Lys His Gly Ile Ser Phe Phe Arg Ser Gly Gly Asn Asp Asn 140 145 150 GCT CGT ACC TTA ATC GTT ATC ATC CAA ATG GTT GCA GAA GCA GCA CGA 533 Ala Arg Thr Leu Ile Val Ile Ile Gln Met Val Ala Glu Ala Ala Arg TTC CGC TAT ATT AGT AAC CGT GTG CGC GTT AGT ATT CAG ACC GGC ACC 581 Phe Arg Tyr Ile Ser Asn Arg Val Arg Val Ser Ile Gln Thr Gly Thr 170 175 180 GCA TTC CAG CCA GAT GCT GCG ATG ATT AGC CTC GAG AAT AAT TGG GAC 629 Ala Phe Gln Pro Asp Ala Ala Met Ile Ser Leu Glu Asn Asn Trp Asp 185 190 195 200 AAC TTA AGT CGT GGC GTC CAA GAG TCT GTA CAA GAC ACC TTT CCG AAC 677 Asn Leu Ser Arg Gly Val Gln Glu Ser Val Gln Asp Thr Phe Pro Asn 205 210 215 CAA GTT ACC CTG ACT AAT ATT CGT AAC GAA CCG GTT ATC GTC GAC AGT 725 Gln Val Thr Leu Thr Asn Ile Arg Asn Glu Pro Val Ile Val Asp Ser 220 225 230 CTG TCC CAC CCT ACC GTA GCT GTC CTG GCA TTA ATG CTG TTC GTC GCG 773 Leu Ser His Pro Thr Val Ala Val Leu Ala Leu Met Leu Phe Val Ala 235 240 245 AAC CCT CCA AAC TGA TAG GATCCAAGCTTCTAGA 807 Asn Pro Pro Asn *** *** 250
【0032】
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】船津ら((1988)Agric.Biol.
Chem.52,1095−1097)により報告され
ているアブリンaA鎖のアミノ酸配列に基づいて遺伝子
を化学合成したアブリンaA鎖配列図
【0034】
【図2】図1の後半部
【0035】
【図3】pET−AAプラスミド構造とpET−AA
(+Ser)プラスミド作製工程の模式図
【0036】
【図4】202番目にセリンを添加したアブリンA鎖の
配列を暗号化する遺伝子を含むpET−AA(+Se
r)プラスミドを作製する工程に用いたPCRセンスプ
ライマー<rAA+Ser>の配列。上段/は制限酵素
切断部位と制限酵素名を表す。
【0037】
【図5】202番目にアラニンを添加したアブリンA鎖
の配列を暗号化する遺伝子を含むpET−AA(+Al
a)プラスミドを作製する工程に用いたPCRセンスプ
ライマー<rAA+Ser>の配列。上段/は制限酵素
切断部位と制限酵素名を表す。
【0038】
【図6】抗アブリンaA鎖抗体を用いたイムノブロティ
ングによる、pET8−AAを用いた大腸菌BL21株
形質転換体のアブリンaA鎖発現確認。
【0039】
【図7】pET8−AAを用いた形質転換体からのアブ
リンaA鎖の各精製工程におけるSDSーPAGEの結
果。
【0040】発現誘導後の全菌体蛋白;レーン.1、B
lueSepharoseCL−6Bの吸着画分(1M
のNaCl/リン酸緩衝液により溶出);レーン.2、
DEAE−Sephacelカラムの0−250mM
NaCl濃度勾配溶出画分;レーン.3、天然型アブリ
ンA鎖;レーン.4、BL21総蛋白;レーン.6、分
子量マーカー(92.5K、66.2K、45.0K、
31.0K、21.5K、14.4K);レーン.5
【0041】
【図8】大腸菌産生アブリンaA鎖のRIP活性。
【0042】
【図9】配列番号3に示されるアブリンA鎖変異体の配
列を暗号化する遺伝子を含むpET8−AA(Cy
2 )プラスミドを作製する工程に用いたPCRセンス
プライマーセンスプライマー<+Cys>、アンチセン
スプライマー<−Cys>の配列を示す。上段/は制限
酵素切断部位と制限酵素名を表す。
【0043】
【図10】rAA(+Ser)からrAA(Cys2
にシステインの位置を移行させたことによるFab’と
の架橋効率の向上を模式的に示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然型アブリンA鎖の202番目のアミノ
    酸にセリンまたはアラニンを挿入してなるアブリンA鎖
    変異体。
  2. 【請求項2】配列表の配列番号1から3に示したアミノ
    酸配列のいずれかからなる請求項1記載のアブリンA鎖
    変異体。
  3. 【請求項3】請求項1記載のアブリンA鎖変異体をコー
    ドするDNA。
  4. 【請求項4】配列表の配列番号1から3に示された塩基
    配列のいずれかからなる請求項3記載のDNA。
  5. 【請求項5】請求項3記載のDNAを大腸菌の遺伝子発
    現系制御下に連結させてなる組換えプラスミド。
  6. 【請求項6】pET−AA(+Ser),pET8−A
    A(+Ala)またはpET8−AA(Cys2 )であ
    る請求項5記載の組換えプラスミド。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の組換えプラスミド
    により形質転換された大腸菌。
  8. 【請求項8】大腸菌株がBL21株である請求項7記載
    の形質転換された大腸菌。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の大腸菌を培養して
    アブリンA鎖変異体を生産せしめ、該菌体からアブリン
    A鎖変異体を回収することを特徴とするアブリンA鎖変
    異体の製造法。
  10. 【請求項10】ブルー色素が結合した担体を用いたクロ
    マトグラフィーおよび陰イオン交換体を用いたクロマト
    グラフラフィーにより精製することを特徴とするアブリ
    ンA鎖変異体の製造法。
  11. 【請求項11】請求項1記載のアブリンA鎖変異体に他
    の分子を結合させてなるアブリンA鎖複合体。
  12. 【請求項12】他の分子が抗体分子または抗体分子の断
    片である請求項11記載のアブリンA鎖複合体。
  13. 【請求項13】抗体分子の断片がFab´である請求項
    12記載のアブリンA鎖複合体。
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