JPH07188049A - 代謝不全肝疾患の患者の治療のための方法および組成物 - Google Patents

代謝不全肝疾患の患者の治療のための方法および組成物

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JPH07188049A
JPH07188049A JP5279386A JP27938693A JPH07188049A JP H07188049 A JPH07188049 A JP H07188049A JP 5279386 A JP5279386 A JP 5279386A JP 27938693 A JP27938693 A JP 27938693A JP H07188049 A JPH07188049 A JP H07188049A
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ポール・ビー・クレティエン
G Matthnick Milton
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Wayne State University
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肝代謝不全の患者を治療するための新規組成
物。 【構成】 B型肝炎ウイルス減少量のTα1を含有する
医薬投与単位よりなり、該医薬投与単位を代謝不全の肝
疾患のB型肝炎感染患者に投与して、肝代謝不全のB型
肝炎患者をB型肝炎ウイルスDNAについて血清反応陰
性にすることを特徴とする肝代謝不全のB型肝炎患者の
治療に使用するための組成物。 【効果】 サイモシンα1(「Tα1」)が、代謝不全肝
疾患のB型肝炎患者を、B型肝炎ウイルスDNAについ
て血清陰性にし、これによりかかる患者を肝臓移植に適
合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝代謝不全(hepatic
decompensation)の患者を治療するための方法および組
成物に関する。
【0002】
【従来技術および課題】肝代謝不全は、B型肝炎ウイル
スによる患者の慢性または慢性活動性感染から生じ得る
肝不全である。B型肝炎の治療に使用するために提案さ
れている幾つかの公知の治療剤のうち、最も広範に評価
されているものは、イントロン(INTRON)(登録商標)A
として商業的に入手可能なインターフェロン・アルファ
2b(以下、「α−インターフェロン」という)であ
る。不幸なことに、α−インターフェロンに対するB型
慢性肝炎の患者の反応率は50%未満である。種々の肝
疾患の治療様式としての肝臓移植の確立に伴い、B型肝
炎感染により生ずる肝代謝不全の治療に新しい期待が寄
せられている。不幸なことに、肝臓移植を数年経験した
後、移植後のB型肝炎感染の再発率が高いことが明らか
である。移植前に患者の血清中にB型肝炎ウイルスDN
Aを検出し得る肝臓移植を受けた患者においては、B型
肝炎感染の再発は、移植後1年以内においてほぼ一般的
である。かかる観点から、現在の医療実施では多数の移
植センターにおいて、B型肝炎感染を有しB型肝炎ウイ
ルスDNAに対して血清陽性な患者の場合は、肝臓移植
が排除されている。
【0003】α−インターフェロンでの治療は、代謝不
全の慢性B型肝炎疾患のほとんどの患者の血清をB型肝
炎ウイルスDNAについて陰性にすることに成功してい
ない。実際、イントロン(登録商標)Aのラベル掲載
は、α−インターフェロンは肝不全の症状を呈している
患者には禁忌であり、臨床的代謝不全の危険性を実際に
上昇させ得ると警告している。また、α−インターフェ
ロンは、致死レベルの代謝不全につながり得ることが知
られている。α−インターフェロンの他に、B型肝炎の
患者における治療のために提案されているもう1つの薬
は、サイモシンα1(「Tα1」)である。しかし、α−
インターフェロンを用いてB型肝炎を治療する場合の肝
代謝不全の危険性の増大に関して発表されている警告を
考慮すると、代謝不全肝疾患の症状を呈している患者に
サイモシンα1を使用することに消極的になることは明
らかであろう。当該分野においては、肝代謝不全の患者
を治療して該患者を肝臓移植に適合させる方法が今なお
必要とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の肝代謝不全のB
型肝炎患者を治療する方法は、代謝不全の肝疾患を有す
る患者にB型肝炎ウイルス減少量のTα1を投与して、
上記患者をB型肝炎ウイルスDNAについて血清陰性
(血清反応陰性)にすることよりなる。さらに本発明
は、B型肝炎減少量のTα1を含有する医薬投与単位よ
りなり、該医薬投与単位を代謝不全の肝疾患のB型肝炎
感染患者に投与して、上記患者の血清をB型肝炎ウイル
スDNAについて陰性にすることよりなる、肝代謝不全
のB型肝炎患者の治療に使用するための組成物を包含す
る。
【0005】すなわち本発明は、(1)B型肝炎ウイル
ス減少量のTα1を含有する医薬投与単位よりなり、該
医薬投与単位を代謝不全の肝疾患のB型肝炎感染患者に
投与して、肝代謝不全のB型肝炎患者をB型肝炎ウイル
スDNAについて血清反応陰性にすることを特徴とする
肝代謝不全のB型肝炎患者の治療に使用するための組成
物、(2)該Tα1の医薬投与単位が約0.4〜4mgで
ある上記(1)記載の組成物、(3)該Tα1の医薬投
与単位が約1〜4mgである上記(1)記載の組成物、
(4)該Tα1の医薬投与単位が約1.6mgである上記
(1)記載の組成物、(5)該Tα1が注射可能なまた
は注入可能な医薬上許容しうる液体担体中に存在する上
記(1)記載の組成物、(6)B型肝炎ウイルス減少量
のTα1を代謝不全の肝疾患の患者に投与して、該患者
をB型肝炎ウイルスDNAについて血清反応陰性にする
ことを特徴とする肝代謝不全のB型肝炎患者の治療方
法、(7)約0.4〜4mgの範囲の投与量で該Tα1
投与する上記(6)記載の方法、(8)約1〜4mgの
範囲の投与量で該Tα1を投与する上記(6)記載の方
法、(9)約1.6mgの投与量で該Tα1を投与する上
記(6)記載の方法、(10)毎週2回皮下注射により
該患者に該Tα1を投与する上記(6)記載の方法、
(11)該患者が慢性B型肝炎に感染している上記
(6)記載の方法、(12)該患者が慢性活動性B型肝
炎に感染している上記(6)記載の方法、および(1
3)さらに、該患者をB型肝炎ウイルスDNAについて
血清陰性にした後、該患者の代謝不全肝臓を除去し、つ
いで健康な肝臓を該患者に移植する段階を含む上記
(6)記載の方法に関する。
【0006】驚くべきことに、サイモシンα1(「T
α1」)が、代謝不全肝疾患のB型肝炎患者を、B型肝
炎ウイルスDNAについて血清陰性にし、これによりか
かる患者を肝臓移植に適合させ得ることが知見された。
承認されている唯一のB型肝炎治療薬であるα−インタ
ーフェロンが代謝不全肝疾患の患者における使用に禁忌
であるため、これは驚くべきことである。本明細書中で
使用する「サイモシンα1」、「サイモシン・アルファ
1」および「Tα1」なる語は、天然(すなわち、天然
に存在する)Tα1だけでなく、天然Tα1のアミノ酸配
列、実質的にこれと同じアミノ酸配列またはそれから省
略された配列を有する合成Tα1および組換えTα1、お
よびTα1と実質的に同様の生物活性を有する置換され
た(substituted)、欠失された、延長された、置換さ
れた(replaced)、またはさもなくば修飾された配列を
有するそれらの生物学的に活性なアナログ(突然変異タ
ンパク質を含む)をも包含する。
【0007】サイモシンα1のB型肝炎ウイルス減少量
は、0.4〜4mgの用量範囲に包含される。患者がB
型肝炎ウイルスDNAについて血清陰性になるまで、す
なわち、2個の連続的な月毎の試験でB型肝炎ウイルス
DNAに対して患者が血清反応陰性になるまで、代謝不
全肝疾患のB型肝炎患者にサイモシンα1を投与する。
血清B型肝炎ウイルスDNAについての試験は、いずれ
の適切な試験であってもよく、例えば、アボット・ラボ
ラトリーズ(Abbott Laboratories)から入手可能なラ
ジオイムノアッセイであってもよい。
【0008】特に好ましい具体例においては、週2回、
皮下注射により、約1〜4mg(例、約1.6mg)の
範囲の医薬投与単位でサイモシンα1を投与する。しか
し、サイモシンα1を含有する医薬投与単位は、いずれ
かの適切な経路による投与のためのいずれかの適切な方
法で配合されていてもよいと理解されるべきである。適
切な投与経路は、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および
皮内を含む)、経口および経皮を包含してもよいが、こ
れらに限定されるわけではない。特に好ましい具体例
は、非経口投与を用いる。好ましい具体例においては、
独立した医薬投与単位にてTα1を投与する。本発明の
医薬投与単位は、1以上の医薬上許容しうる担体および
所望により用いる他の治療的成分を含む。該担体は、該
投与単位製剤の他の成分と適合し得、そのレシピエント
に悪影響を及ぼさないという意味で「許容しうる」もの
である。
【0009】該医薬投与単位製剤は、いずれの適切な方
法により製造されてもよい。かかる方法は、Tα1有効
成分をその担体(これは1以上の成分よりなるものであ
ってもよい)に別々に合体させる段階を包含してもよ
い。一般には、該製剤は、Tα1有効成分を液体担体ま
たは細分した固体担体またはその双方と一様におよび直
接的に合体させることにより製造される。また、固体の
投与単位製剤は、生成物を成型する段階を包含してもよ
い。経口投与に適切な本発明の製剤は、所定量のTα1
有効成分を含有する、例えばカプセル剤、カシェ剤また
は錠剤のような別個の単位として、散剤または顆粒剤と
して、水性液または非水性液中の液剤または懸濁剤とし
て、または水中油型液体エマルションまたは油中水型液
体エマルションなどとして提供されてもよい。
【0010】錠剤は、所望により1以上の補助成分と共
に圧縮または成形することにより製造してもよい。圧縮
された錠剤は、所望により結合剤、滑沢剤、不活性希釈
剤、保存剤、界面活性剤または分散剤と混合し、流通粉
末または顆粒を適当な機械中で圧縮することにより製造
してもよい。成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿
らした粉末化合物の混合物を適当な機械中で成形するこ
とにより製造してもよい。錠剤は所望により被覆したり
または切れ目を入れたりしてもよく、その中の有効成分
の放出遅延または放出制御を付与するように製剤化して
もよい。非経口投与に適切な製剤は、所望により抗酸化
剤、緩衝剤、静菌剤、および該製剤を意図されるレシピ
エントの血液と等張にする溶質を含有してもよい水性お
よび非水性の滅菌注射溶液;および懸濁化剤および増粘
剤を含んでいてもよい水性および非水性滅菌懸濁液を包
含する。該製剤は、単位投与または複数投与容器、例え
ば密閉アンプルおよびバイアルで提供されてもよく、使
用直前に滅菌液体担体、例えば注射用水を添加すること
のみを要する凍結乾燥状態で保存してもよい。即席注射
溶液および懸濁液は、上記種類の滅菌散剤、顆粒剤およ
び錠剤から製造してもよい。
【0011】Tα1の適切な投与単位を、患者に毎日、
1日1回以上、例えば1日2回または3回投与すること
ができ、用量を1週間に1日以上、例えば1週間に2
日、3日、4日、5日、6日または7日投与することが
できる。患者がB型肝炎ウイルスDNAについて血清陰
性になった後、該患者の代謝不全の肝臓を除去し、つい
で健康な肝臓を該患者に移植する。
【0012】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 患者1は、注射針を突き刺す傷害の後でB型肝炎表面抗
原(HBsAg)陽性肝炎になった48歳の医師であ
る。約13年後、肝臓の生検は慢性活動性肝炎および肝
硬変を示した。彼は非常な疲労に苦しんだ。彼は腹水を
有し、肝硬変の他の症状を呈していた。肝臓の酵素が上
昇していた。標準的な血清学的検査は、B型肝炎ウイル
スDNA、HBeAgおよびHBsAgが陰性であった
点で異常であった。しかし、生検時に得られた肝組織の
B型肝炎DNA試験では、より高感度のPCR(ポリメ
ラーゼ・チェイン・リアクション)アッセイによれば、
B型肝炎ウイルスDNAが陽性であった。彼は、B型肝
炎ウイルス感染の変異型を有していると考えられた。彼
は、α−インターフェロンに反応しなかった。彼のB型
肝炎感染を治療して移植に適合させるため、1.6mg
の用量で週2回、サイモシン・アルファ1の皮下投与を
開始した。約3カ月後、疲労が減弱したと彼は述べてい
る。約6カ月後、B型肝炎DNA PCRは陰性であっ
た。彼は肝臓移植を受け、移植後まもなく復職した。最
近の来診では、彼はアミノトランスフェラーゼ酵素の上
昇はなく元気であった。
【0013】実施例2 患者2は、長期保持慢性B型肝炎感染に続発性の非常に
進行した肝硬変の69歳の男性であった。彼の所見は、
黄疸、虚弱、重いエンセファロパシー、腎不全を伴う肝
腎性症候群、および門脈圧の増加に続発性の門脈胃疾患
を含んでいた。彼は、B型肝炎ウイルス感染を治療して
肝臓移植を受け得るための試みにおいて、特別な使用法
で、1.6mgの用量で、週2回、皮下的にサイモシン
・アルファ1の投与を受けた。彼は治療によく耐え、副
作用はなかったが、胃出血、腎不全およびエンセファロ
パシーで、治療の3.5週間後に死亡した。死は、門脈
高圧症および肝硬変の合併症と関連しており、サイモシ
ン・アルファ1によるものではなかった。
【0014】実施例3 患者3は、慢性B型肝炎感染、肝硬変および食道静脈瘤
の53歳の男性であった。また、彼は、部分的肝臓切除
の後再発した肝癌を患っていた。残っている正常な肝組
織の量が制限されているため、治療のために再度切除す
ることは不可能であった。患者の治療に対する唯一の望
みは移植であった。しかし、B型肝炎の活動的感染のた
め、彼は候補者ではなかった。26週間治療する意図
で、彼は、1.6mgの用量で1週間に2回、皮下的に
サイモシン・アルファ1投与を受け始めた。彼は治療に
よく耐え、悪影響はなかった。しかし、肝硬変の合併症
のため、46回の注射の後、彼の治療を中止した。彼は
最後の注射の約3週間後に死亡した。彼の死は、食道静
脈瘤および肝癌によるものと考えられた。彼の肝疾患専
門医は、サイモシン・アルファ1が彼の死の一因となっ
たものではないと考えた。要約すると、肝硬変および肝
代謝不全の上記3人の患者はサイモシン・アルファ1を
1.6mgの用量で皮下的に週2回、3.5週〜6カ月の
間、投与を受けた。それぞれの場合、治療の意図は慢性
B型肝炎ウイルス感染を治療して患者を移植に適合させ
るためである。Tα1による悪影響を受けた患者はいな
かったと報告されている。これらの患者のうちの1人
は、サイモシン・アルファ1の投与を受ける間にB型肝
炎ウイルス感染が消散し、HBVによる移植の再感染の
徴候なくその後肝臓移植が成功した。非常に進行した疾
患を有していた他の2人の患者は、肝硬変の合併症で死
亡したが、サイモシン・アルファ1が彼らの死の一因に
なったという証拠はなかった。
【0015】実施例4 B型肝炎ウイルス(HBV)DNA陽性の患者(さもな
くば肝臓(OLT)移植に適している)を臨床的試験に
加入させる。末期肝疾患およびB型肝炎の患者の集団か
ら患者を集め、治療の対象となってもらう。移植のため
の候補資格は、以下に示すとおり、肝硬変により立証さ
れる肝不全および医学的要因の幾つかの組み合わせとし
て定義される。 − 肝硬変は生検により(実用的な場合)診断され、生検
が禁忌な場合は、 臨床的に診断され、放射線撮影により確認される − 16秒を超えるプロトロンビン時間(正常は12
秒) − 2.5mg%を超える全ビリルビン(正常は1mg
%未満) − 3mg%未満の血清アルブミン(正常は3.5〜5.
5mg%) − 医学的処置に対して反応しない腹水 − 自発性細菌性腹膜炎の経歴 − 1000cc未満の肝臓容積(正常は1400cc
を超える) − 静脈瘤出血 − 肝エンセファロパシー − 患者はアルコールの使用を自制することをいとわず
自制できる
【0016】移植適合患者の包含基準 − 正位肝臓移植(OLT)についての末期肝臓疾患適
合患者 − 血清HBV DNAがラジオイムノアッセイ(アボッ
ト・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories))により立証
され、少なくとも1カ月間隔の2回の測定により立証さ
れ、血清トランスアミナーゼ値の上昇を伴うかまたは伴
わない − B型肝炎および肝硬変の組織学的証拠(好ましくは
6カ月以内);患者が70,000を超える血小板数お
よび3秒未満のプロトロンビン時間(対照に対して)を
示せば肝臓生検を行う − 研究に加入している全患者に対しHIV抗体につい
て行うエリザ(ELISA)試験でウエスタン・ブロット(2以
上の帯)により確認されるいずれかの陽性結果となる − C型肝炎についての2回目のジェネレーションRI
BA試験が陰性である − 出産年齢の女性についての妊娠試験(尿) − 書面によるインフォームド・コンセント
【0017】移植適合患者の除外基準 − 治効的に治療された皮膚癌または外科的に治療され
た頸部の自然位の癌以外の悪性の付随するまたは過去の
経歴 − 患者が意味のあるインフォームド・コンセントを提
供できないほどの臨床的に重要な肝臓エンセファロパシ
ーを伴う末期肝臓疾患 − 加入から10日以内の輸血を必要とする重要な急性
出血 − 換気援助または透析を必要とする多器官の不全症 − 昇圧薬依存的血行動態不安定性 − 患者は以前に器官移植を受けている − 2回目のジェネレーションRIBA試験によるC型
肝炎の診断 − 集中的治療処置を要する医学的外科的合併症 − 尿妊娠試験により証明された妊娠 − 2年以内の活動的な静脈内薬乱用 − 加入の12カ月以内での16週と等しいまたはこれ
を超える持続時間の経過を含むインターフェロン・アル
ファ療法;加入の6カ月未満の16週未満の持続時間の
いずれかの経過を含むインターフェロン・アルファ療法 − 加入の6カ月以内に患者はコルチコステロイド薬以
外の免疫抑制薬の投与を受けている − 書面のインフォームド・コンセントを提供していな
い − 患者が出産年齢の女性の場合、産児制限を行うこと
に同意していない − 患者が女性の場合、経口避妊薬の使用を避けること
に同意していない− 敗血症 − B型肝炎とは別の慢性肝臓疾患の発生を示唆する証
拠 − 上記包含基準のいずれをも満たさない
【0018】研究計画 これは、血清HDV−DNAの喪失を達成または加速化
するサイモシン・アルファ1注射の役割を調査するため
の研究である。1次的な結果の評価基準は、研究の間に
血清HBV DNAを喪失した患者の割合である。最初
は、研究のためのすべての患者は、最小2回の連続的な
試験において検知しうる値の血清HBVDNAを有して
いる。OLTとみなされる前に、各患者はサイモン(Si
mon)[サイモン,アール(Simon R.)「オプティマル・
ツーステイジ・デザインズ・フォー・フェイズII・クリ
ニカル・トライアルズ(Optimal two-stage designs fo
r Phase II clinicaltrials)」、コントロールド・ク
リニカル・トライアルズ(Controlled Clinical Trial
s)10:1−10(1989)]により記載されている
設計を用いる研究に加わる。サイモンの設計は、成功の
可能性が、「所望標的(desirable target)」を得たも
のに対する「関心標的(interesting target)」を得る
というゼロ仮説を試験する。「成功」は、研究の開始後1
年で、患者がウイルスDNAを喪失して生きていること
として定義される。所望標的は0.30、すなわち30
%成功率として設定した。非関心標的についての適切な
値は、サイモシンまたは他の抗ウイルス剤で治療してい
ない患者におけるウイルスDNAの自発的喪失の1年の
評価に依存する。 患者の監視、処置および評価 肝硬変およびB型肝炎ウイルス感染についての血清学的
マーカーを有する患者の集団を研究に加える。疾患再発
率が高いため、これらの患者は現在、OLT候補として
は除外されている。2個の連続的な試験においてHBV
DNAについて陰性になったすべての加入患者をOL
Tのために再評価する。
【0019】臨床的方法 サイモシン療法 − サイモシン・アルファ1を、週2回、皮下的経路に
より自分で注射投与させる(患者の用量は1注射当たり
1.6mg) − 患者は加入時に、凍結乾燥サイモシン単一用量の再
構成についておよび調査薬の自己注射について指示され
る − 調査薬および注射用水(USP(溶媒))を患者に調
合する − 該臨床的方法におけるサイモシン・アルファ1の注
射療法の持続時間は、 (a)臨床的な最終点(血清HBV DNAの消散)に
全く到達していなければ、12カ月 (b)臨床的な最終点に12カ月以下の期間で到達すれ
ば、患者を再評価し移植を受けた時にサイモシン療法を
終了する、または (c)臨床的な最終点に12カ月以下の期間で到達すれ
ば、患者を再評価し移植に不適合とみなした時点でサイ
モシン療法を終了する 併用薬(一般) 制酸薬 利尿薬 H2アンタゴニスト ラクツロース
【0020】患者の監視 − 治療の1カ月目には1週間に1回、治療の2カ月目
には1カ月に2回、そして残りのサイモシン療法の期間
については月毎に患者を観察する(理学的検査) − HBV DNAが除去されていない患者の場合は、
サイモシン・アルファ1注射の最終投与を受けた後の6
カ月間、月間隔で追跡のために観察する。
【0021】臨床的実験室監視 − 以下の基準がすべて満たされれば肝臓生検を行う:
(a)患者が移植のために差し向けられてないこと、
(b)サイモシン療法の終結後6カ月、および(c)患
者が70,000を超える血小板数および3秒未満のプ
ロトロンビン時間(対照に対して)を示していること。肝
臓生検組織は、分子ハイブリダイゼーション・アッセイ
によるHBV DNAの将来の分析のため、可能であれ
ば、液体窒素中で凍結する。 − HBV DNAのラジオイムノアッセイ(アボット・
ラボラトリー(Abbott Laboratories))を、加入の際(時
間0)および治療および追跡を通じて1回行う。
【0022】− 開始時および治療の最初の月は2週間
毎に、治療および追跡の残りの期間は月毎に、以下の日
常的な臨床実験的分析を行う BUN 血清全タンパク質 血清クレアチニン 血清アルブミン 血清グルコース CBC 血清コレステロール WBC 血清尿酸 白血球百分率数 血清カルシウム PLT 血清リン酸 PT、PTT アルカリリン酸 尿分析 全ビリルビン 直接ビリルビン 血清ナトリウム、カリウム、塩素、CO2 ALT AST GGTP
【0023】開始時および月3、月6および月12、お
よび追跡の最終月(月18)に以下の非日常的な臨床実験
的分析を行う。 TSH,FTI 血清タンパク質電気泳動 自己免疫マーカー: ASMA,ANA,AMA B型肝炎血清:sAg/Ab,eAg/Ab,コアAg
/Ab − CD4+、CD8+比を開始時、月6、月12およ
び追跡の最終月(月18)に測定する。 − 血清トリグリセリドおよび分画コレステロールを、
開始時、月12および追跡の最終月に測定する。 肝臓移植への移行 2個の連続的な月毎の試験でHBV DNAについて血
清陰性になった患者は、OLTの候補者として適してい
るとしてよい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、肝代謝不全の患者を治
療するための組成物および方法が提供される。本発明に
おいては、サイモシンα1(「Tα1」)が、代謝不全肝
疾患のB型肝炎患者を、B型肝炎ウイルスDNAについ
て血清陰性にし、これによりかかる患者を肝臓移植に適
合させる。承認されている唯一のB型肝炎治療薬である
α−インターフェロンを代謝不全肝疾患の患者に使用す
ることが禁忌であるため、本発明は特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594001166 ザ・ボード・オブ・ガバナーズ・オブ・ウ ェイン・ステイト・ユニバーシティ The Board of Govern ors of Wayne State University アメリカ合衆国48202ミシガン州デトロイ ト、ウェイン・ステイト・ユニバーシティ (番地の表示なし) (72)発明者 ポール・ビー・クレティエン アメリカ合衆国20852メリーランド州ロッ クビル、グロスベノー・プレイス10201番 (72)発明者 ミルトン・ジー・マッチニック アメリカ合衆国48322ミシガン州ウエス ト・ブルームフィールド、チャールズ・ド ライブ6051番

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 B型肝炎ウイルス減少量のTα1を含有
    する医薬投与単位よりなり、該医薬投与単位を代謝不全
    の肝疾患のB型肝炎感染患者に投与して、肝代謝不全の
    B型肝炎患者をB型肝炎ウイルスDNAについて血清反
    応陰性にすることを特徴とする肝代謝不全のB型肝炎患
    者の治療に使用するための組成物。
  2. 【請求項2】 該Tα1の医薬投与単位が約0.4〜4m
    gである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 該Tα1の医薬投与単位が約1〜4mg
    である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 該Tα1の医薬投与単位が約1.6mgで
    ある請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該Tα1が注射可能なまたは注入可能な
    医薬上許容しうる液体担体中に存在する請求項1記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】 B型肝炎ウイルス減少量のTα1を代謝
    不全の肝疾患の患者に投与して、該患者をB型肝炎ウイ
    ルスDNAについて血清反応陰性にすることを特徴とす
    る肝代謝不全のB型肝炎患者の治療方法。
  7. 【請求項7】 約0.4〜4mgの範囲の投与量で該T
    α1を投与する請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 約1〜4mgの範囲の投与量で該Tα1
    を投与する請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 約1.6mgの投与量で該Tα1を投与す
    る請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 毎週2回皮下注射により該患者に該T
    α1を投与する請求項6記載の方法。
  11. 【請求項11】 該患者が慢性B型肝炎に感染している
    請求項6記載の方法。
  12. 【請求項12】 該患者が慢性活動性B型肝炎に感染し
    ている請求項6記載の方法。
  13. 【請求項13】 さらに、該患者をB型肝炎ウイルスD
    NAについて血清陰性にした後、該患者の代謝不全肝臓
    を除去し、ついで健康な肝臓を該患者に移植する段階を
    含む請求項6記載の方法。
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