JPH07185835A - 抵抗溶接の溶接品質監視装置 - Google Patents

抵抗溶接の溶接品質監視装置

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JPH07185835A
JPH07185835A JP32942893A JP32942893A JPH07185835A JP H07185835 A JPH07185835 A JP H07185835A JP 32942893 A JP32942893 A JP 32942893A JP 32942893 A JP32942893 A JP 32942893A JP H07185835 A JPH07185835 A JP H07185835A
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康宏 後藤
Koji Fujii
孝治 藤井
Makoto Riyuudou
誠 龍堂
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者が溶接条件設定の際の情報や溶接チッ
プの交換補修などメンテナンス時期の情報を得、また推
定形成時刻が設定形成時刻を越えたときに溶接条件の再
設定や溶接チップの交換補修などのメンテナンス実施を
促す信号を出力することができるようにした。 【構成】 電極間電圧は溶接電極6,7に取り付けた電
圧検出線を用いて検出部1で測定する。演算部2では、
熱伝導モデルに基づいて温度分布を数値演算する数値計
算シミュレータにより単位時間毎に被溶接材8と溶接電
極6、7の温度分布を推定し温度分布によりナゲット径
を推定するとともに、推定ナゲット径が設定ナゲット径
を越えた推定形成時刻を算出する。表示部3では、演算
部2で算出された推定形成時刻を表示する。比較部4で
は、演算部2からの推定形成時刻とあらかじめ入力済み
の設定形成時刻を比較し、その大小関係を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗溶接、特にスポッ
ト溶接の溶接品質監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から抵抗溶接の品質監視装置として
は、溶接電流や電極間抵抗を検知して設定したモデル波
形と比較した結果、または溶接電流や電極間抵抗とナゲ
ット径の相関関係をもちいることにより、抵抗溶接の良
否判定を行う装置が一般的であった。以下、図5を参照
しながら従来の抵抗溶接の品質監視装置の動作を説明す
る。
【0003】図5に示すように、予備実験で得られた電
極抵抗値のモデル波形を点線で示し、測定した電極間抵
抗を実線で表すと、抵抗値の極大値R0からの抵抗の降
下分はモデル波形の場合ΔR、測定した波形ではΔR1
で表すことができる。従来の手法では、予備実験を行っ
た結果を用いて、ΔR1とΔRの大小関係よりΔR1≧
ΔRならば良またΔR1<ΔRならば否と、単純にナゲ
ット径の判定を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の溶
接品質監視装置では、溶接電流、電流抵抗の変化パター
ンと良好な溶接結果が得られた予備実験での変化パター
ンを比較することで溶接部の良否を判断していた。これ
らの方法では、溶接終了時におけるナゲット径の良否と
いう2値的な判定のみしか行うことができず、同じ良と
いう判定でもナゲットの形成が通電時間の前半にありナ
ゲットが十分に飽和している場合と、ナゲットの形成が
通電時間の後半にあり、条件の微小な変化によりナゲッ
ト径が不足してしまう場合の判別はできなかった。その
ために溶接条件の設定の際にはナゲットが形成されてか
ら十分な飽和時間が有ることを、溶接実験を繰り返して
行うことで認識していた。
【0005】また、従来の溶接品質監視装置では、溶接
品質の打点毎の時系列的な変化については考慮されてお
らず、溶接現場における、溶接チップの交換や補修時期
については判定が行えず、あらかじめ定めた打点数に達
した時点で機械的にメンテナンスを行っていた。その結
果、補修用の電極や補修工数に無駄が発生することとな
った。
【0006】本発明は、上記の従来の問題を解決するも
ので、溶接毎に推定形成時刻を表示することで、作業者
が溶接条件の再設定の必要性や溶接チップの交換補修な
どメンテナンス時期を容易に判断することができ、ま
た、推定形成時刻が設定形成時刻を越えたことを検出す
ることで、溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修な
どのメンテナンス実施を促す信号を出力することができ
る溶接の品質監視装置を提供することを目的とする。
【0007】さらに、溶接毎の推定形成時間率を表示す
ることで、通電時間に対するナゲット生成時間の比率が
容易に確認でき、作業者は溶接条件の再設定や溶接チッ
プの交換補修などメンテナンス時期を判断することがで
き、また、推定形成時間率が設定時間率を越えたことを
検出することで、溶接条件の再設定や溶接チップの交換
補修などのメンテナンス実施を促す信号を出力すること
ができる溶接の品質監視装置を提供することを目的とす
る。
【0008】さらに、推定形成時刻の統計処理値を表示
することで、溶接チップの劣化に関係のある径時的変化
が確認でき、作業者は溶接条件の再設定や溶接チップの
交換補修などメンテナンス時期を容易に判断することが
でき、また、推定形成時刻の統計処理値が設定統計値を
越えたことを検出することで、溶接条件の再設定や溶接
チップの交換補修などのメンテナンス実施を促す信号を
出力することができる溶接の品質監視装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】さらに、形成時間率の統計処理値を表示す
ることで、溶接チップの劣化に関係のある径時的変化が
確認でき、作業者は溶接条件の再設定や溶接チップの交
換補修などメンテナンス時期を容易に判断することがで
き、また、形成時間率の統計処理値が設定統計値を越え
たことを検出することで、溶接条件の再設定や溶接チッ
プの交換補修などのメンテナンス実施を促す信号を出力
することができる溶接の品質監視装置を提供することを
目的とする。
【0010】さらに、推定変化率を表示することで、前
回の溶接と今回の溶接の差異を確認でき作業者は溶接条
件の再設定や溶接チップの交換補修などメンテナンス時
期を判断することができ、また、推定変化率が設定変化
率を越えたことを検出することで、溶接条件の再設定や
溶接チップの交換補修などのメンテナンス実施を促す信
号を出力することができる溶接の品質監視装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】さらに、連続した溶接に対して変化率の統
計処理値を表示することで、溶接チップの劣化に関係の
ある径時的な変化が確認でき、作業者は溶接条件の再設
定や溶接チップの交換補修などメンテナンス時期を判断
することができ、また、変化率の統計処理値が設定統計
処理値を越えたことを検出することで、溶接条件の再設
定や溶接チップの交換補修などのメンテナンス実施を促
す信号を出力することができる溶接の品質監視装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の抵抗溶接の溶接品質監視装置における、第
1の解決手段は、被溶接材をはさむ溶接電極間に印加さ
れる溶接電流と電極間電圧を検出する検出部と、検出部
による検出値を用いて、熱伝導モデルに基づいて温度分
布および通電径を数値解析するとともに、この温度分布
から生成した推定ナゲット径を任意の時刻毎に推定し、
あらかじめ入力された設定ナゲット径と、演算部により
推定されたナゲット径を比較し、推定ナゲット径が設定
ナゲット径を越えた推定形成時刻を算出する演算部と、
推定形成時刻を表示する表示部および設定形成時刻と推
定形成時刻を比較して比較結果を出力する出力部の少な
くとも一方とを備えたものである。
【0013】さらに、第2の解決手段は、第1の解決手
段とともに、推定形成時間と通電時間から推定形成時間
率を算出する演算部と、推定形成時間率を表示する表示
部および設定時間率と推定形成時間率を比較して比較結
果を出力する出力部の少なくとも一方とを備えたもので
ある。
【0014】さらに、第3の解決手段は、第1の解決手
段とともに、連続して行った溶接に対する推定形成時刻
の統計的な処理を行う演算部と、推定形成時刻の統計処
理値を表示する表示部および設定形成時刻の設定値と推
定形成時刻の統計処理値を比較して比較結果を出力する
出力部の少なくとも一方とを備えたものである。
【0015】さらに、第4の解決手段は、第2の解決手
段とともに、連続して行った溶接に対する推定形成時間
率の統計的な処理を行う演算部と、形成時間率の統計処
理値を表示する表示部および形成時間率の設定値と形成
時間率の統計処理値を比較して比較結果を出力する出力
部の少なくとも一方とを備えたものである。
【0016】さらに、第5の解決手段は、第1の解決手
段とともに、連続して行った推定形成時刻および推定形
成時間率の少なくとも一方に対して前回の溶接における
推定形成時刻および推定形成時間率の少なくとも一方と
今回の溶接における推定形成時刻および推定形成時間率
の少なくとも一方との推定変化率を算出する演算部と、
推定変化率を表示する表示部および推定変化率と設定変
化率を比較して比較結果を出力する出力部の少なくとも
一方とを備えたものである。
【0017】さらに、第6の解決手段は、第5の解決手
段とともに、時系列的に変化率の統計処理を行う演算部
と、変化率の統計処理値を表示する表示部および変化率
の統計処理値と設定統計処理値の統計処理結果を比較し
て比較結果を出力する出力部の少なくとも一方とを備え
たものである。
【0018】
【作用】本発明は上記した構成により、第1の解決手段
では、測定した溶接電流と溶接電圧を用い、熱伝導モデ
ルに基づいて温度分布および通電径を数値演算する数値
計算シミュレータ〔参考文献 溶接学会抵抗溶接研究委
員会編:「抵抗溶接現象とその応用(I)」,社団法人
溶接学会,(昭57),p.12〜p.52〕により任
意の時間毎に算出されるナゲット径が設定ナゲット径を
越えた時刻を検出する。この推定形成時刻を溶接毎に表
示することで、作業者が溶接条件の再設定の必要性や溶
接チップの交換補修などメンテナンス時期を容易に判断
することができ、また、推定形成時刻が設定形成時刻を
越えたことを検出することで、溶接条件の再設定や溶接
チップの交換補修などのメンテナンス実施を促す信号を
出力することができる。
【0019】また、第2の解決手段では、第1の解決手
段で推定した推定形成時刻を通電時間で割った推定形成
時間率を算出し表示する。その結果、作業者は通電時間
に対するナゲット生成時間の比率が容易に確認でき、溶
接条件の再設定の判断や溶接チップの交換補修などメン
テナンス時期を判断することができ、また、推定形成時
間率が設定時間率を越えたことを検出して出力すること
で、溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修などのメ
ンテナンス実施を促す信号を出力することができるよう
になる。
【0020】第3の解決手段では、第1の解決手段で推
定した推定形成時刻に関して時系列的に統計処理を行
い、推定形成時刻の統計処理値を表示することで、作業
者は溶接チップの劣化に関係のある径時的変化が確認で
き、溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修などメン
テナンス時期を容易に判断することができる。また、推
定形成時刻の統計処理値が推定形成時刻の設定値を越え
たことを検出することで、溶接条件の再設定や溶接チッ
プの交換補修などのメンテナンス実施を促す信号を出力
することができる。
【0021】第4の解決手段では、第2の解決手段で推
定した推定形成時間率に関して時系列的に統計処理を行
い、形成時間率の統計処理値を表示することで、作業者
は溶接チップの劣化に関係のある径時的変化が確認で
き、溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修などメン
テンス時期を容易に判断することができる。また、形成
時間率の統計処理値が形成時間率の設定値を越えたこと
を検出することで、溶接条件の再設定や溶接チップの交
換補修などのメンテナンス実施を促す信号を出力するこ
とができる。
【0022】第5の解決手段では、連続した溶接につい
て、第1の解決手段で推定した前回の溶接における推定
形成時刻と今回の溶接における推定形成時刻の変化率、
および第2の解決手段で推定した前回の溶接における推
定形成時間率と今回の溶接における推定形成時間率の変
化率の少なくとも一方を算出し、表示することで作業者
は前回と今回の溶接の差異を確認し、溶接条件の再設定
や溶接チップの交換補修などメンテナンス時期を判断す
ることができる。また、推定変化率が設定変化率を越え
たことを検出することで、溶接条件の再設定や溶接チッ
プの交換補修などのメンテナンス実施を促す信号を出力
することができる。
【0023】第6の解決手段では、第5の解決手段で推
定した推定変化率が設定変化率を越えたことを表示する
ことで、前回の溶接と今回の溶接の差異を確認でき、作
業者は溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修などメ
ンテナンス時期を判断することができる。また、統計処
理値が設定レベルを越えたことを検出することで、溶接
条件の再設定や溶接チップの交換補修などのメンテナン
ス実施を促す信号を出力することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は、本発明の一実施例の抵抗溶接
の品質監視装置の構成を示すブロック図である。図1に
おいて、通電は、被溶接材8を挟んだ溶接電極6および
7を介して、図示しない溶接電源により行われる。その
際の溶接電流はトロイダルコイル9を用いて検出した信
号を検出部1にて積分することにより測定する。また、
電極間電圧は溶接電極6、7の取り付けた電圧検出線を
用いて検出部1にて測定される。
【0025】演算部2では、熱伝導モデルに基づいて温
度分布を数値演算する数値計算シミュレータにより単位
時間毎に前記被溶接材8と前記溶接電極6、7の温度分
布を推定し温度分布によりナゲット径を推定するととも
に、推定ナゲット径が設定ナゲット径を越えた時刻(推
定形成時刻)を算出する。
【0026】表示部3では、演算部2で算出された推定
形成時刻を、LED、LCD(液晶表示装置)により表
示する。比較部4では、演算部2からの推定形成時刻と
あらかじめ入力済みの設定形成時刻を比較し、その大小
関係を出力する。
【0027】上記構成において動作を説明する。通電開
始後、任意の時刻毎に溶接電流、電極間電圧を検出部1
により測定する。測定された溶接電流と電極間電圧は演
算部2に入力される。演算部2では、あらかじめ入力さ
れた被溶接材の板厚、材質、重ね枚数や電極形状を用い
て、図2に示すようなフローチャートに基づいた数値計
算シミュレータにより、被溶接材と溶接電極部分の温度
分布を単位時間毎に推定を行う。
【0028】また、推定した温度分布が設定済みの溶接
材の溶接温度を越えた部分を、推定ナゲットとする。推
定ナゲットの直径(推定ナゲット径)の通電時間に対す
る変化の一例を図3に示す。ナゲットの形成時刻が通電
時間の前半にある場合はナゲットがその後十分に飽和し
安定した条件となるが、ナゲットの形成が通電時間の後
半にある場合は、条件の少しの変化により最終ナゲット
径が変化する不安定な条件となる。
【0029】前記演算部2では、図3において実線で示
した推定ナゲット径が、点線で示した設定ナゲット径を
越える時刻を算出して推定形成時刻とする。なお、推定
形成時刻は設定ナゲット径を変化させて複数算出しても
よく、推定形成時刻の検出については通電中に随時行っ
ても、全通電後にまとめて行ってもよく、全通電時間か
ら推定形成時刻を差し引くことでナゲット形成後の残り
の時間としてもよい。演算部2にて推定した推定形成時
刻を表示部3にて7セグメントのLEDやLCD(液晶
表示装置)により数字として表示する。なお、表示は数
字以外の棒グラフや色の変化により行ってもよい。
【0030】推定形成時間率は、全通電の終了後におい
て、演算部2にて検出した推定形成時刻を、測定した全
通電時間で割ることにより算出する。時間率で表した場
合は通電時間が変化した場合でも同じ設定値で対応が可
能となる。なお、推定形成時間率は測定した全通電時間
から推定形成時刻を差し引いた値を用いて算出すること
で、ナゲット形成後の時間として表してもよい。演算部
2にて算出された推定形成時刻、推定形成時間率は記憶
部5にて溶接毎に記憶される。
【0031】推定形成時刻と推定形成時間率の時系列的
な統計処理は演算部2にて行われ、処理後に再び記憶部
5に記憶される。実施例では、統計処理として図4に示
すように、打点数に対する推定形成時刻の変化として用
いた。図4より明らかなように打点の増加に対してナゲ
ット径が低下していくが、ナゲット径の低下以前に推定
形成時刻は遅くなる。この推定形成時刻の値を用いるこ
とで電極の寿命の検知が可能となる。なお、統計処理
は、複数の溶接における推定形成時間または推定時間率
の平均処理回帰分析による近似処理、任意データの出現
頻度の分析処理でもよい。
【0032】推定形成時刻と推定形成時間率の変化率
は、記憶部5にて記憶された溶接毎の推定形成時刻およ
び推定形成時間率の少なくとも一方を、前回の溶接時と
比べどれだけ変化したかを演算部2にて算出することで
行う。変化率は変化量の絶対値でも推定形成時刻と推定
形成時間率に対する変化の割合でもよい。また、算出し
た変化率は再度、記憶部5に記憶される。
【0033】変化率の統計処理は、記憶部5に記憶され
た変化率に対して演算部2にて行われ、処理後に再び記
憶部5に記憶される。なお、統計処理は複数の溶接にお
ける変化率の平均処理、回帰分析による近似処理、任意
データの出現頻度の分析処理でもよい。
【0034】なお、推定形成時刻や推定形成時間率、こ
れらの時系列的な統計処理値、およびこれらの推定変化
率、ならびにこれらと設定値とを比較した出力を溶接電
源の制御数値に入力することにより、溶接条件を変更し
溶接品質の改善を図ることもできる。
【0035】このように、本実施例によれば、推定形成
時刻の統計処理値を表示することで、作業者は条件の決
定に重要な情報となる形成開始時期または、溶接チップ
の劣化に関係のある径時的変化が確認でき溶接条件の再
設定や溶接チップの交換補修などメンテナンス時期を容
易に判断することができる。
【0036】また、推定形成時刻の統計処理値が推定形
成時刻の設定値を越えたことを検出することで、溶接条
件の再設定や溶接チップの交換補修などのメンテナンス
実施を促す信号を出力することができる。
【0037】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、推定形成時刻を溶接毎に表示することで、作業者が
溶接条件の再設定の必要性や溶接チップの交換補修など
メンテナンス時期を容易に判断することができる。ま
た、推定形成時刻が設定形成時刻を越えたことを検出す
ることで、溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修な
どのメンテナンス実施を促す信号を出力することができ
る。
【0038】また、このように推定した推定形成時刻を
通電時間で割った推定形成時間率を算出し表示すること
で、作業者は通電時間に対するナゲット生成時間の比率
が容易に確認でき、溶接条件の再設定の判断や溶接チッ
プの交換補修などメンテナンス時期を判断することがで
きるようになる。また、推定形成時間率が設定時間率を
越えたことを検出して出力することで、溶接条件の再設
定や溶接チップの交換補修などのメンテナンス実施を促
す信号を出力することができるようになる。
【0039】また、このように推定した推定形成時刻に
関して時系列的に統計処理を行い、推定形成時刻の統計
処理値を表示することで、作業者は溶接チップの劣化に
関係のある径時的変化が確認でき、溶接条件の再設定や
溶接チップの交換補修などメンテナンス時期を容易に判
断することができる。また、推定形成時刻の統計処理値
が推定形成時刻の設定値を越えたことを検出すること
で、溶接条件の再設定や溶接チップの交換補修などのメ
ンテナンス実施を促す信号を出力することができる。
【0040】また、上記のように推定した推定形成時間
率に関して時系列的に統計処理を行い、形成時間率の統
計処理値を表示することで、作業者は溶接チップの劣化
に関係のある径時的変化が確認でき、溶接条件の再設定
や溶接チップの交換補修などメンテンス時期を容易に判
断することができる。また、形成時間率の統計処理値が
形成時間率の設定値を越えたことを検出することで、溶
接条件の再設定や溶接チップの交換補修などのメンテナ
ンス実施を促す信号を出力することができる。
【0041】また、連続した溶接について、上記のよう
に推定した前回の溶接における推定形成時刻および推定
形成時間率の少なくとも一方と、推定した今回の溶接に
おける推定形成時刻および推定形成時間率の少なくとも
一方との変化率を算出し、表示することで作業者は前回
と今回の溶接の差異を確認し、溶接条件の再設定や溶接
チップの交換補修などメンテナンス時期を判断すること
ができる。また、推定変化率が設定変化率を越えたこと
を検出することで、溶接条件の再設定や溶接チップの交
換補修などのメンテナンス実施を促す信号を出力するこ
とができる。
【0042】さらに、上記のように推定した推定変化率
が設定変化率を越えたことを表示することで、前回の溶
接と今回の溶接の差異を確認でき、作業者は溶接条件の
再設定や溶接チップの交換補修などメンテナンス時期を
判断することができる。また、統計処理値が設定レベル
を越えたことを検出することで、溶接条件の再設定や溶
接チップの交換補修などのメンテナンス実施を促す信号
を出力することができる。
【0043】以上により、溶接品質の管理に大きく効果
を得ることのできる抵抗溶接機の品質監視装置を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である抵抗溶接の品質監視装
置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例である抵抗溶接の品質監視装
置における熱伝導モデルの数値解析手法を示すフローチ
ャート。
【図3】本発明の一実施例である抵抗溶接の品質監視装
置における推定ナゲット径と通電時間との関係を示す
図。
【図4】本発明の一実施例である抵抗溶接の品質監視装
置における打点数に対する推定形成時刻とナゲット径の
実測値の関係を示す図。
【図5】従来の抵抗溶接の品質監視装置の動作状態を説
明する図。
【符号の説明】
1 検出部 2 演算部 3 表示部 4 比較部 5 記憶部 6,7 溶接電極 8 被溶接材 9 トロイダルコイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被溶接材をはさむ溶接電極間に印加される
    溶接電流と電極間電圧を測定する検出部と、 前記検出部による検出値を用いて、熱伝導モデルに基づ
    いて温度分布および通電径を数値解析するとともに、こ
    の温度分布から生成したナゲット径(以下、推定ナゲッ
    ト径)を任意の時刻毎に推定し、あらかじめ入力された
    設定値(以下、設定ナゲット径)と、前記推定されたナ
    ゲット径を比較し、推定ナゲット径が設定値を越えた時
    刻(以下、推定形成時刻)を算出する演算部と、推定形
    成時刻を表示する表示部および前記推定形成時刻とあら
    かじめ入力済みの形成開始時刻(以下、設定形成時刻)
    を比較して比較結果を出力する出力部の少なくとも一方
    とを備えたことを特徴とする抵抗溶接の溶接品質監視装
    置。
  2. 【請求項2】推定形成時刻と、溶接の通電時間(以下、
    通電時間)とを比較し通電時間に対する推定形成時刻の
    割合(推定形成時間率)を算出する演算部と、 推定形成時間率を表示する表示部およびあらかじめ入力
    済みの通電時間に対する推定形成時刻の時間率(以下、
    設定時間率)を比較して比較結果を出力する出力部の少
    なくとも一方とを備えたことを特徴とする請求項1記載
    の抵抗溶接の溶接品質監視装置。
  3. 【請求項3】形成開始時刻の推定を連続した溶接毎に行
    い、時系列的に統計処理を行った結果(以下、形成開始
    時刻の統計処理値)を算出する演算部と、 形成開始時刻の統計処理値を表示する表示部および形成
    開始時刻の統計処理値とあらかじめ入力済みの設定値
    (以下、形成開始時刻の設定値)を比較して比較結果を
    出力する出力部の少なくとも一方とを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の抵抗溶接の溶接品質監視装置。
  4. 【請求項4】推定形成時間率の算出を連続した溶接毎に
    行い、時系列的に統計処理を行った結果(以下、形成時
    間率の統計処理値)を算出する演算部と、 形成時間率の統計処理値を表示する表示部および形成時
    間率の統計処理値とあらかじめ入力済みの設定値(以
    下、形成時間率の設定値)を比較して比較結果を出力す
    る出力部の少なくとも一方とを備えたことを特徴とする
    請求項2記載の抵抗溶接の溶接品質監視装置。
  5. 【請求項5】形成開始時刻の推定を連続した溶接毎に行
    い、推定形成時刻および推定形成時間率の少なくとも一
    方の時系列上の変化率(以下、推定変化率)を算出する
    演算部と、推定変化率を表示する表示部および推定変化
    率とあらかじめ入力済みの変化率(以下、設定変化率)
    とを比較して比較結果を出力する出力部の少なくとも一
    方とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の抵抗溶接の溶接品質監視装置。
  6. 【請求項6】推定変化率に時系列的に統計処理を行った
    結果(以下、変化率の統計処理値)を算出する演算部
    と、変化率の統計処理値を表示する表示部および変化率
    の統計処理値とあらかじめ入力済みの統計処理値の設定
    値(以下、設定統計処理値)とを比較して比較結果を出
    力する出力部の少なくとも一方とを備えたことを特徴と
    する請求項5記載の抵抗溶接の溶接品質監視装置。
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