JPH071847Y2 - 誘導体共振器装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は誘電体共振器装置に関し、特にキャビティに
取り付けられてキャビティ内に配置された誘電体共振器
の共振周波数を調整することができる周波数調整ねじを
有する、誘電体共振器装置に関する。

〔従来技術〕 従来の誘電体共振器装置１は、第３図に示すように、キ
ャビティ２の孔３に、特殊な細目ピッチのねじ４とロッ
クナット５とを組み合わせて取り付けることによって、
誘電体共振器６の周波数調整を行っていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の誘電体共振器装置１においては、まず、所望の周
波数を得るようにねじ４を調整しようとしても、ねじ４
にがたつきがあるため、調整が困難である。次に、調整
後にロックナット５を締めると、ねじ４の位置ずれを生
じるため、周波数が変化し、再調整が必要になる。さら
に、ねじ４およびロックナット５のそれぞれに専用の工
具が必要となり、周波数調整作業が厄介であった。そし
て、特殊な細目ねじが必要なため、それを特別に調達す
る必要があった。

それゆえに、この発明の主たる目的は、簡単かつ高精度
に周波数調整を行える、誘電体共振器装置を提供するこ
とである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、キャビティに内蔵される誘電体共振器と、
キャビティに取り付けられて誘電体共振器との間隔を自
在に調整できる周波数調整ねじとを含む誘電体共振器装
置において、キャビティに透孔が形成され、周波数調整
ねじがその透孔に螺入されるタッピングねじで構成され
ていることを特徴とする、誘電体共振器装置である。

〔作用〕

この考案においては、タッピングねじがキャビティの透
孔（これには雌ねじがあってもよいしなくてもよい）に
螺入されるとき、タッピングねじとキャビティとの間に
は大きな摩擦が生じる。

〔考案の効果〕

この考案によれば、調整時のがたつきがなく、調整が容
易になるとともに、ロックナットを用いないので、ロッ
ク作業が不要となり、作業が容易になるばかりか部品点
数が少なくてよい。

また、この考案によれば、キャビティのタップ加工が不
要になるという別の効果もある。

この考案の上述の目的，その他の目的，特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。

〔実施例〕

第１図を参照して、この実施例の誘電体共振器装置10は
金属によって形成されるキャビティ12を含み、キャビテ
ィ12内には、誘電体共振器14が配置されている。そし
て、キャビティ12の上面には、その内周に雌ねじを有す
るねじ孔16が形成され、このねじ孔16には、樹脂加工ね
じ18が螺合される。この樹脂加工ねじ18と誘電体共振器
14の上面との間隔によって誘電体共振器14の共振周波数
が調整される。

この実施例で用いられる樹脂加工ねじ18は、ねじ部分に
樹脂（たとえばエポキシなど）20が付着されたものであ
り、その樹脂20によってねじ孔16と樹脂加工ねじ18との
間の摩擦が大きくなり、それによって樹脂加工ねじ18の
がたつきが解消される。

また、第２図に示すこの考案の他の実施例の誘電体共振
器装置10においては、第１図実施例で用いた樹脂加工ね
じ18の代わりにタッピングねじ24を用いる。すなわち、
この実施例では、キャビティ12の上面に透孔22を形成
し、この透孔22にタッピングねじ24が螺入される。な
お、透孔22の大きさはタッピングねじ24の最大径より小
さい径を有し、かつその内周ないし内壁には雌ねじが形
成されていてもよいし、雌ねじはなくてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す図解図である。 第２図はこの考案の他の実施例を示す図解図である。 第３図は従来技術を示す図解図である。 図において、10は誘電体共振器装置、12はキャビティ、
14は誘電体共振器、18は樹脂加工ねじ、24はタッピング
ねじを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビティに内蔵される誘電体共振器と、
   前記キャビティに取り付けられて前記誘電体共振器との
   間隔を自在に調整できる周波数調整ねじとを含む誘電体
   共振器装置において、 前記キャビティには透孔が形成され、前記周波数調整ね
   じがその透孔に螺入されるタッピングねじで構成されて
   いることを特徴とする、誘電体共振器装置。