JPH07184564A - 乳化組成物及びその利用食品の製造法 - Google Patents
乳化組成物及びその利用食品の製造法Info
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- JPH07184564A JPH07184564A JP5334250A JP33425093A JPH07184564A JP H07184564 A JPH07184564 A JP H07184564A JP 5334250 A JP5334250 A JP 5334250A JP 33425093 A JP33425093 A JP 33425093A JP H07184564 A JPH07184564 A JP H07184564A
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- water
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- soluble hemicellulose
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- Colloid Chemistry (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 水溶性ヘミセルロースを1〜30%、及び炭
素数6〜10の飽和脂肪酸を含む油脂及び/又はそのエ
ステル交換を施し得られる固体脂含有量(SFC)が5
℃で40%以下である油脂を分散相として1〜40%含
有する水中油型乳化組成物、及びそれを利用した酸性飲
料及び食品の製造法。 【効果】 酸性領域にある飲料及び食品の着濁化が容易
に出来ると共に、冷蔵下での乳化状態も安定化して長期
保存が可能となり、酸性下での乳製品の使用も可能とな
った。
素数6〜10の飽和脂肪酸を含む油脂及び/又はそのエ
ステル交換を施し得られる固体脂含有量(SFC)が5
℃で40%以下である油脂を分散相として1〜40%含
有する水中油型乳化組成物、及びそれを利用した酸性飲
料及び食品の製造法。 【効果】 酸性領域にある飲料及び食品の着濁化が容易
に出来ると共に、冷蔵下での乳化状態も安定化して長期
保存が可能となり、酸性下での乳製品の使用も可能とな
った。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,pHが酸性領域にある
飲料等の食品に対して着濁する機能を有する乳化組成
物、及びそれを利用した飲料等の食品の製造法に関する
ものである。
飲料等の食品に対して着濁する機能を有する乳化組成
物、及びそれを利用した飲料等の食品の製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲料や食品に牛乳,脱脂粉乳
等の乳原料が使用される事が多いが、pHが低い領域
(pH3.5 〜5.0 )にある飲料及び食品等にこれら乳原
料を用いると、蛋白質の変性により凝集や沈殿を生じ、
良好な製品となり難い。
等の乳原料が使用される事が多いが、pHが低い領域
(pH3.5 〜5.0 )にある飲料及び食品等にこれら乳原
料を用いると、蛋白質の変性により凝集や沈殿を生じ、
良好な製品となり難い。
【0003】一方、これら乳原料の代わりとして、コー
ヒークリームに代表されるような水中油型の乳化物であ
る一種の着濁材(クラウディー材)が使用されている。
ヒークリームに代表されるような水中油型の乳化物であ
る一種の着濁材(クラウディー材)が使用されている。
【0004】一般にクリーム等の水中油型乳化組成物
は、単分子系の乳化剤及び高分子系の乳化剤を用いて乳
化されるが、前者にはグリセリン脂肪酸エステル、シュ
ガーエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、主
に、高HLBのグリセリン脂肪酸エステル、シュガーエ
ステル等が用いられる。
は、単分子系の乳化剤及び高分子系の乳化剤を用いて乳
化されるが、前者にはグリセリン脂肪酸エステル、シュ
ガーエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、主
に、高HLBのグリセリン脂肪酸エステル、シュガーエ
ステル等が用いられる。
【0005】また、後者は、カゼインに代表されるよう
な乳蛋白質等の蛋白質、さらに、加工澱粉,デキストリ
ン等が通常用いられているが、加工澱粉やデキストリン
はそれ自体の乳化力が弱く他の適当な乳化剤の併用が必
要である。
な乳蛋白質等の蛋白質、さらに、加工澱粉,デキストリ
ン等が通常用いられているが、加工澱粉やデキストリン
はそれ自体の乳化力が弱く他の適当な乳化剤の併用が必
要である。
【0006】これらの単分子系の乳化剤及びカゼイン等
の高分子乳化剤を単独、若しくは併用して調製されたク
リーム類もまた一般にはpHの変化に弱く、特に酸性領
域では乳化力を失いエマルジョンの乳化破壊が起こる。
の高分子乳化剤を単独、若しくは併用して調製されたク
リーム類もまた一般にはpHの変化に弱く、特に酸性領
域では乳化力を失いエマルジョンの乳化破壊が起こる。
【0007】また、これらの乳化剤を用いた水中油型乳
化組成物を酸性飲料及び食品に使用しても、酸性飲料及
び食品として満足する品質を得難い。
化組成物を酸性飲料及び食品に使用しても、酸性飲料及
び食品として満足する品質を得難い。
【0008】
【発明が解決するための課題】本発明は,酸性飲料・食
品等の着濁材(クラウディー材)として、酸性下でも乳
化破壊を起こさず、いずれの温度帯(特に冷蔵下)にお
いても長期的に安定な乳化状態を保てる水中油型乳化組
成物、及びそれを利用した食品の製造法を提供すること
にある。
品等の着濁材(クラウディー材)として、酸性下でも乳
化破壊を起こさず、いずれの温度帯(特に冷蔵下)にお
いても長期的に安定な乳化状態を保てる水中油型乳化組
成物、及びそれを利用した食品の製造法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意研究を行なった結果、水溶性ヘミセルロー
ス及び、水中油型乳化組成物の分散相として炭素数6〜
10の飽和脂肪酸を含む油脂が適することを見出した。
について鋭意研究を行なった結果、水溶性ヘミセルロー
ス及び、水中油型乳化組成物の分散相として炭素数6〜
10の飽和脂肪酸を含む油脂が適することを見出した。
【0010】即ち、本発明は、水溶性ヘミセルロース、
及び構成脂肪酸中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含む固
体脂含有量(SFC)が5℃で40%以下である油脂を
含有することを特徴とする水中油型乳化組成物、並び
に、水溶性ヘミセルロース、及び構成脂肪酸中炭素数6
〜10の飽和脂肪酸を含む固体脂含有量(SFC)が5
℃で40%以下である油脂を含有する水中油型乳化組成
物を着濁剤として添加すること特徴とする酸性食品の製
造法である。
及び構成脂肪酸中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含む固
体脂含有量(SFC)が5℃で40%以下である油脂を
含有することを特徴とする水中油型乳化組成物、並び
に、水溶性ヘミセルロース、及び構成脂肪酸中炭素数6
〜10の飽和脂肪酸を含む固体脂含有量(SFC)が5
℃で40%以下である油脂を含有する水中油型乳化組成
物を着濁剤として添加すること特徴とする酸性食品の製
造法である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
水中油型乳化組成物に用いる水溶性ヘミセルロースは、
ヘミセルロースを含む植物原料から水性媒体で抽出して
得ることができ、平均分子量は数千乃至数百万程度の範
囲にある。その好適例としては、大豆、特にその子葉の
所謂オカラ成分から、酸性下に熱水抽出し、疎水性物質
と分離して得る平均分子量5千乃至100万程度のもの
が例示され、そのまま使用できる市販品も用意に入手で
きる。
水中油型乳化組成物に用いる水溶性ヘミセルロースは、
ヘミセルロースを含む植物原料から水性媒体で抽出して
得ることができ、平均分子量は数千乃至数百万程度の範
囲にある。その好適例としては、大豆、特にその子葉の
所謂オカラ成分から、酸性下に熱水抽出し、疎水性物質
と分離して得る平均分子量5千乃至100万程度のもの
が例示され、そのまま使用できる市販品も用意に入手で
きる。
【0012】水溶性ヘミセルロースは本発明水中油型乳
化組成物中に1〜30重量%、好ましくは5〜20重量
%含まれるのがよい。量が少ないと、充分な乳化力が得
られず、又、多過ぎると水中油型乳化組成物の粘度が高
くなり、使用する水溶性ヘミセルロースの精製如何によ
っては色調も悪くなることがある。
化組成物中に1〜30重量%、好ましくは5〜20重量
%含まれるのがよい。量が少ないと、充分な乳化力が得
られず、又、多過ぎると水中油型乳化組成物の粘度が高
くなり、使用する水溶性ヘミセルロースの精製如何によ
っては色調も悪くなることがある。
【0013】また乳化組成物の分散相となる油脂は、構
成脂肪酸組成中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含む固体
脂含有量(SFC)が5℃で40%以下の油脂を用い、
その油脂の好ましい量は、乳化組成物中1〜40重量%
の範囲にある。
成脂肪酸組成中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含む固体
脂含有量(SFC)が5℃で40%以下の油脂を用い、
その油脂の好ましい量は、乳化組成物中1〜40重量%
の範囲にある。
【0014】当該油脂の好適例は、炭素数6〜10の飽
和脂肪酸のみから構成されるトリグリセリドまたはそれ
を他の油脂と混合若しくはエステル交換した油である
が、不飽和脂肪酸が多く含まれると、油脂の劣化が起こ
りやすく風味上好ましくなく、また、炭素数が16より
も長鎖脂肪酸が多くても、油脂自体の粘度が高くなり乳
化粒子径も大きくなる傾向にあって安定な水中油型乳化
組成物を得がたくなるので、当該他の油脂としては、ラ
ウリン系油脂、例えば、ヤシ油、パーム核油及びその硬
化、分別、エステル交換を施した加工油脂が好適であ
る。
和脂肪酸のみから構成されるトリグリセリドまたはそれ
を他の油脂と混合若しくはエステル交換した油である
が、不飽和脂肪酸が多く含まれると、油脂の劣化が起こ
りやすく風味上好ましくなく、また、炭素数が16より
も長鎖脂肪酸が多くても、油脂自体の粘度が高くなり乳
化粒子径も大きくなる傾向にあって安定な水中油型乳化
組成物を得がたくなるので、当該他の油脂としては、ラ
ウリン系油脂、例えば、ヤシ油、パーム核油及びその硬
化、分別、エステル交換を施した加工油脂が好適であ
る。
【0015】上記炭素数6〜10の飽和脂肪酸が含まれ
ていることにより、乳化組成物の粘度が低くなって微細
な乳化粒子を得やすくし、酸性の飲料乃至食品のクラウ
ディ−材の用途において安定な乳化を保持するのに役立
つ。
ていることにより、乳化組成物の粘度が低くなって微細
な乳化粒子を得やすくし、酸性の飲料乃至食品のクラウ
ディ−材の用途において安定な乳化を保持するのに役立
つ。
【0016】油脂の構成脂肪酸組成中、炭素数6〜10
の飽和脂肪酸の量は5℃のSFCが40%以下、望まし
くは20%以下となるよう多量に含まれるべきである。
炭素数6〜10の飽和脂肪酸が含まれていないと、冷蔵
温度で保持する際に、経時的に油脂結晶が白い斑点とし
て現れ、商品価値を低下させる。
の飽和脂肪酸の量は5℃のSFCが40%以下、望まし
くは20%以下となるよう多量に含まれるべきである。
炭素数6〜10の飽和脂肪酸が含まれていないと、冷蔵
温度で保持する際に、経時的に油脂結晶が白い斑点とし
て現れ、商品価値を低下させる。
【0017】本発明の水中油型乳化組成物中の油脂の含
有量は1〜40重量%で、好ましくは10〜30重量%
がよい。下限未満ではクラウディー材としての着濁機能
に乏しく、上限を越えると乳化粒子径が細かくなりにく
いという欠点を生ずる。また、乳化粒子径が大きいとエ
マルションが浮遊しやすく懸濁安定性が良くないため、
1ミクロン以下が望ましい。
有量は1〜40重量%で、好ましくは10〜30重量%
がよい。下限未満ではクラウディー材としての着濁機能
に乏しく、上限を越えると乳化粒子径が細かくなりにく
いという欠点を生ずる。また、乳化粒子径が大きいとエ
マルションが浮遊しやすく懸濁安定性が良くないため、
1ミクロン以下が望ましい。
【0018】また、水溶性ヘミセルロースは、アルカリ
性域や中性域よりも酸性域で最も乳化力が強く、従っ
て、本発明の水中油型乳化組成物は、pHを6以下に調
整するのが望ましい。
性域や中性域よりも酸性域で最も乳化力が強く、従っ
て、本発明の水中油型乳化組成物は、pHを6以下に調
整するのが望ましい。
【0019】pHの調整に用いる酸としては、クエン
酸,乳酸,酢酸,林檎酸等の飲食品に通常用いられるい
ずれの酸でもよく、乳化時に添加して用いる。なお、香
料等が適宜含まれていてもよい。
酸,乳酸,酢酸,林檎酸等の飲食品に通常用いられるい
ずれの酸でもよく、乳化時に添加して用いる。なお、香
料等が適宜含まれていてもよい。
【0020】以上の混合物の乳化方法は特に問わない
が、好適には、ホモミキサー等で予備乳化した後、高圧
ホモゲナイザーで乳化・均質化し、途中に殺菌工程を含
むのがよい。
が、好適には、ホモミキサー等で予備乳化した後、高圧
ホモゲナイザーで乳化・均質化し、途中に殺菌工程を含
むのがよい。
【0021】本発明の他の一つは、上記のようにして得
られた水中油型乳化組成物、即ち水溶性ヘミセルロー
ス、及び構成脂肪酸中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含
む固体脂含有量(SFC)が5℃で40%以下である油
脂を含有する水中油型乳化組成物、を着濁剤として添加
すること特徴とする酸性食品の製造法である。
られた水中油型乳化組成物、即ち水溶性ヘミセルロー
ス、及び構成脂肪酸中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含
む固体脂含有量(SFC)が5℃で40%以下である油
脂を含有する水中油型乳化組成物、を着濁剤として添加
すること特徴とする酸性食品の製造法である。
【0022】酸性食品としては、果汁飲料や乳飲料等の
酸性飲料、ゼリー、ドレッシング等の酸性の食品が例示
される。これら酸性食品に上記の水中油型乳化組成物を
添加することにより、着濁効果による高級感のアップ、
油脂の添加による風味のマイルド感の付与のみならず、
牛乳、脱脂粉乳等の乳原料を、酸性領域でも、凝集、沈
澱の問題なく使用が可能になる。
酸性飲料、ゼリー、ドレッシング等の酸性の食品が例示
される。これら酸性食品に上記の水中油型乳化組成物を
添加することにより、着濁効果による高級感のアップ、
油脂の添加による風味のマイルド感の付与のみならず、
牛乳、脱脂粉乳等の乳原料を、酸性領域でも、凝集、沈
澱の問題なく使用が可能になる。
【0023】また、酸性飲料の乳蛋白安定剤として従来
使用されたペクチンに比べて、一般に低粘度にすること
ができ、さっぱり感のある酸性飲料・食品を得ることが
可能になる。
使用されたペクチンに比べて、一般に低粘度にすること
ができ、さっぱり感のある酸性飲料・食品を得ることが
可能になる。
【0024】水中油型乳化組成物は、酸性食品中、0.
5〜20%、好ましくは1〜10%の範囲で使用するの
が好適である。
5〜20%、好ましくは1〜10%の範囲で使用するの
が好適である。
【0025】本発明は、後記実施例にも示すように、上
記水中油型乳化組成物を使用せず、同様の配合混合物を
単に添加、乳化、均質化したものと比較して、有意に乳
化安定性が優れた製品となる。
記水中油型乳化組成物を使用せず、同様の配合混合物を
単に添加、乳化、均質化したものと比較して、有意に乳
化安定性が優れた製品となる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施に限定されるものでは
ない。また、以下に例示の部、%は何れも重量基準を意
味する。
明するが、本発明はこれらの実施に限定されるものでは
ない。また、以下に例示の部、%は何れも重量基準を意
味する。
【0027】(実施例1)市販の水溶性ヘミセルロース
(不二製油株式会社製の水溶性大豆多糖類;「ソヤファ
イブS」)10部、中鎖脂肪酸トリグリセリド(構成脂
肪酸組成はC8が、60%、C10が40%、SFC
(5℃)0%)(以下「油脂(A)」という)20部,
及び水70部を混合し、乳酸を用いてpHを4に調整し
た。この混合物を70℃で20分間加熱攪拌して予備乳
化し、殺菌したのち、ホモゲナイザーにて200kg/
cm2 で2回均質化,冷却し水中油型乳化組成物を得
た。
(不二製油株式会社製の水溶性大豆多糖類;「ソヤファ
イブS」)10部、中鎖脂肪酸トリグリセリド(構成脂
肪酸組成はC8が、60%、C10が40%、SFC
(5℃)0%)(以下「油脂(A)」という)20部,
及び水70部を混合し、乳酸を用いてpHを4に調整し
た。この混合物を70℃で20分間加熱攪拌して予備乳
化し、殺菌したのち、ホモゲナイザーにて200kg/
cm2 で2回均質化,冷却し水中油型乳化組成物を得
た。
【0028】(実施例2)水溶性ヘミセルロース10
部、油脂(B)(上記油脂(A)75%と椰子油25%
を混合した油脂でSFC(5℃)7%)20部、及び水
70部を混合し、実施例1と同様な操作を行い水中油型
乳化組成物を得た。
部、油脂(B)(上記油脂(A)75%と椰子油25%
を混合した油脂でSFC(5℃)7%)20部、及び水
70部を混合し、実施例1と同様な操作を行い水中油型
乳化組成物を得た。
【0029】(比較例1)実施例1の水溶性ヘミセルロ
ースの代わりにカゼインナトリウムを10部使用し、p
H調整を行わない以外は実施例1と同様な操作を行い水
中油型乳化組成物を得た。
ースの代わりにカゼインナトリウムを10部使用し、p
H調整を行わない以外は実施例1と同様な操作を行い水
中油型乳化組成物を得た。
【0030】(比較例2)油脂(A)20部、ショ糖脂
肪酸エステル(HLB16)3部、及び水77部を加
え、pH調整を行わず、実施例1と同様な操作で水中油
型乳化組成物を得た。
肪酸エステル(HLB16)3部、及び水77部を加
え、pH調整を行わず、実施例1と同様な操作で水中油
型乳化組成物を得た。
【0031】(比較例3)油脂(A)20部のかわりに
椰子油20部を使用する他は、実施例1と同様な操作を
行い、水中油型乳化組成物を得た。なお、椰子油の5℃
でのSFCは84%であった。
椰子油20部を使用する他は、実施例1と同様な操作を
行い、水中油型乳化組成物を得た。なお、椰子油の5℃
でのSFCは84%であった。
【0032】(実施例3)以上の実施例1〜2及び比較
例1〜3で得られた水中油型乳化組成物を酸性飲料に添
加した直後,及び冷蔵で1ヵ月保存した後の懸濁状態を
観察し結果を比較して下表に示した。なお,酸性飲料の
配合は、1/5 濃縮イチゴ果汁5%、砂糖混合異性化糖1
0%、水中油型乳化物5%、水80%からなり、クエン
酸を用いてpH4に調整したものである。
例1〜3で得られた水中油型乳化組成物を酸性飲料に添
加した直後,及び冷蔵で1ヵ月保存した後の懸濁状態を
観察し結果を比較して下表に示した。なお,酸性飲料の
配合は、1/5 濃縮イチゴ果汁5%、砂糖混合異性化糖1
0%、水中油型乳化物5%、水80%からなり、クエン
酸を用いてpH4に調整したものである。
【0033】
【表1】 乳化組成物 平均粒子径 該酸性飲料の懸濁状態 (μm) (製造直後) (冷蔵1カ月後) 実施例1 0.50 白濁良好 白濁良好 実施例2 0.52 白濁良好 白濁良好 比較例1 0.52 分離 ─ 比較例2 0.58 分離 ─ 比較例3 0.55 白濁良好 白斑点有り 注)平均粒子径は、レ−ザ−回折粒度分布測定装置(LA
-500: HORIBA社製)で測定した。
-500: HORIBA社製)で測定した。
【0034】以上のように、水溶性ヘミセルロースを用
いた水中油型の乳化物は、カゼイン、ショ糖脂肪酸エス
テルと比較し、酸性下でも乳化が安定であり、また比較
例3の椰子油をもちいた乳化物は、冷蔵で1ヵ月保存後
に白斑点が生じるのに対し、油脂(A)、油脂(B)を
用いた乳化物は冷蔵1ヵ月後も良好であった。
いた水中油型の乳化物は、カゼイン、ショ糖脂肪酸エス
テルと比較し、酸性下でも乳化が安定であり、また比較
例3の椰子油をもちいた乳化物は、冷蔵で1ヵ月保存後
に白斑点が生じるのに対し、油脂(A)、油脂(B)を
用いた乳化物は冷蔵1ヵ月後も良好であった。
【0035】(比較例4)実施例1の乳化組成物に代え
て、同じ配合の単なる混合組成物を使用する他は実施例
3と同様の果汁飲料を調製したが、全原料をホモゲナイ
ザーにて150kg/cm2程度の処理では、保存後1カ月で
油脂の分離がみられた。
て、同じ配合の単なる混合組成物を使用する他は実施例
3と同様の果汁飲料を調製したが、全原料をホモゲナイ
ザーにて150kg/cm2程度の処理では、保存後1カ月で
油脂の分離がみられた。
【0036】(実施例4及び5)実施例1で得られた水
中油型乳化組成物を乳製品(牛乳または脱脂粉乳)と併
用して酸性飲料を調製した。酸性飲料の配合割合及び結
果は表2に示す。
中油型乳化組成物を乳製品(牛乳または脱脂粉乳)と併
用して酸性飲料を調製した。酸性飲料の配合割合及び結
果は表2に示す。
【0037】(比較例5及び6)実施例1で得られた水
中油型乳化組成物を使用せず、乳製品(牛乳または脱脂
粉乳)を併用して酸性飲料を調製した。酸性飲料の配合
割合及び結果は表2に示す。
中油型乳化組成物を使用せず、乳製品(牛乳または脱脂
粉乳)を併用して酸性飲料を調製した。酸性飲料の配合
割合及び結果は表2に示す。
【0038】
【表2】 実施例4 比較例5 実施例5 比較例6 1/5 濃縮イチゴ果汁 3 3 3 3 砂糖混合異性化糖 10 10 10 10 水中油型乳化組成物 5 ─ 5 ─ 牛 乳 5 5 ─ ─ 脱 脂 粉 乳 ─ ─ 1 1 水 77 82 81 86 ク エ ン 酸 適量 適量 適量 適量 (pH4に調整) 飲料中の乳原料の状態 良 好 凝集・沈澱 良 好 分離・凝集
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の水中油型乳化組
成物により酸性領域にある飲料及び食品の着濁化が容易
に出来ると共に、冷蔵下での乳化状態も安定化して長期
保存が可能となり、更に、該水中油型乳化組成物を併用
することにより、これまで困難であった酸性下での乳製
品の使用が可能となった。
成物により酸性領域にある飲料及び食品の着濁化が容易
に出来ると共に、冷蔵下での乳化状態も安定化して長期
保存が可能となり、更に、該水中油型乳化組成物を併用
することにより、これまで困難であった酸性下での乳製
品の使用が可能となった。
【0040】これらのことにより、従来とは異なった新
規な酸性飲料や食品の創出が期待される。
規な酸性飲料や食品の創出が期待される。
Claims (3)
- 【請求項1】水溶性ヘミセルロース、及び構成脂肪酸中
炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含む固体脂含有量(SF
C)が5℃で40%以下である油脂を含有することを特
徴とする水中油型乳化組成物。 - 【請求項2】乳化粒子径が1ミクロン以下である請求項
1記載の水中油型乳化組成物。 - 【請求項3】水溶性ヘミセルロース、並びに構成脂肪酸
中炭素数6〜10の飽和脂肪酸を含む固体脂含有量(S
FC)が5℃で40%以下である油脂を含有する水中油
型乳化組成物を着濁剤として添加すること特徴とする酸
性食品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33425093A JP3381349B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 乳化組成物及びその利用食品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33425093A JP3381349B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 乳化組成物及びその利用食品の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07184564A true JPH07184564A (ja) | 1995-07-25 |
JP3381349B2 JP3381349B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=18275234
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33425093A Expired - Fee Related JP3381349B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 乳化組成物及びその利用食品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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