JPH07184509A - 底棲魚類幼稚魚用魚礁 - Google Patents

底棲魚類幼稚魚用魚礁

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JPH07184509A
JPH07184509A JP5347563A JP34756393A JPH07184509A JP H07184509 A JPH07184509 A JP H07184509A JP 5347563 A JP5347563 A JP 5347563A JP 34756393 A JP34756393 A JP 34756393A JP H07184509 A JPH07184509 A JP H07184509A
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fish reef
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】底棲魚類に代表されるキジハタの幼稚魚をシェ
ルター式の魚礁内に放流すると、天敵魚(カサゴ)から
保護することができる。また、シェルター式の魚礁内に
キジハタの幼稚魚を放流すると、天敵魚(カサゴ)から
保護しつつ安全に分散させることができる。このような
場合に用いるのに最適な魚礁を得る。 【構成】底部および頂部が開放された底広がり状の側面
台形状の筒体Aの頂部に、左右2枚の枠体4,4を開閉
自在に取り付ける。両枠体4,4の裏側に幼稚魚(キジ
ハタ)は通過可能で、天敵魚(カサゴ)は通過不可能な
網目を有する網体Bを取り付ける。筒体Aの底部に、底
板6を取り付ける。本魚礁は、筒体Aの底部が海底にほ
ぼ接するように設置し、魚礁の内部および外部に人工海
藻Cを取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、底棲魚類、例えば、キ
ジハタ等の栽培種苗を放流した時、カサゴ等の天敵魚に
よる食害を防止するために水底に設置する放流用および
保護用の魚礁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】底棲魚類、例えば、キジハタの栽培種苗
である幼稚魚を例に挙げると、その放流種苗の大きさは
5cmないし10cm程度である。放流場所は稚魚の生態に適
した水深5mないし10mの岸近くの転石帯が選定されて
いる。放流規模は数千尾から数万尾程度であり、放流時
期は9月から10月頃で、転石帯で越冬するが、春まで
はあまり成長せず、大きさは変わらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一箇所に放流した場合
には、一時的に高密度に狭い範囲に分布することにな
る。このため、放流場所に既に生息している天敵魚カサ
ゴ等による食害が起こることが、数多く報告されてい
る。食害は放流種苗が小さい春先まで続く。しかも、放
流種苗は、放流までは狭い小割網や水槽の中で高密度に
飼育されてきており、天然の環境には全く馴れていな
い。そのため、放流されると石の上などで無警戒に静止
しているような個体も多い。このような性質を持った種
苗を、いかにして天敵から保護するかが、キジハタ放流
事業の大きな問題点となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】キジハタの最大の天敵と
して、放流場所に多く生息し、捕食能力に優れたカサゴ
を対象として、キジハタの保護方法を種々検討した。ま
ず、キジハタとカサゴの違いを以下に整理する。
【0005】
【表1】
【0006】さらに、放流時のキジハタとカサゴの生態
について検討する。まず、放流されたキジハタは、放流
されるとどんどん移動、分散していくものと、しばら
く、放流地点に留まるものとに分けられることが、放流
後の分布調査等から明らかになった。この初期の分散
は、放流する時間帯が作業の関係で午後になることが多
かったため、カサゴが捕食活動を起こし得る時間帯で起
こる。そのため、分散していく途中にカサゴに遭遇した
個体は、捕食されてしまう。また、しばらく留まってい
るものも、カサゴに発見されると、集中的に捕食されて
しまう。従って、キジハタを保護するためには、次の2
つの方法が有効であると考えられる。
【0007】 カサゴの不活発な時間帯にキジハタを
広い範囲に分散して放流し、カサゴが活発になるまで
に、キジハタをさらに分散させてしまう。この方法によ
り、集中的に捕食される現象は、ある程度防止できよ
う。しかし、放流時間が夜明け直後の時間帯となるた
め、作業の都合上現実的には、対応しにくい方法であ
る。 キジハタが不活発で、カサゴが活動している午後に
放流せざるを得ない場合には、キジハタを一箇所に集め
て、そこに、カサゴが侵入できないような工夫をして、
一時的にキジハタを保護する。その時間は、放流時か
ら、カサゴが不活発になる深夜まで、さらに、キジハタ
が自分でどんどん分散していける夜明け前までを保護で
きることが必要である。この方法であれば、放流当初の
集中的な食害を防ぎつつ、カサゴが不活発な早朝にキジ
ハタを安全に分散させることが可能となる。
【0008】上記の方法を実現するために必要な要素
として、以下の点が挙げられる。 (1) 放流種苗を捕食し得る大きさのカサゴの侵入を防ぐ
ことができること。 (2) キジハタ種苗を一時的に大量にシェルター式の魚礁
に留まらせることができること。 (3) 放流用魚礁の試作実験装置は人力で運搬、設置が可
能であること。なぜなら、キジハタがシェルターから出
てしまった後は速やかに回収して、再び利用することか
ら。シェルター式の魚礁内は広く、荒天でも動揺せず、
静かであること。キジハタ種苗が魚礁内に容易に出入り
できること。
【0009】以上の3点を実現するために、いくつかの
実験を行って、必要な技術を開発した。 上記(1) について キジハタは通過できるが、カサゴは通過できない網目を
有する網体でシェルター式の魚礁を覆うこと。この網体
の目合いは、1辺が2.5cm 程度の正方形であることが望
ましい。 上記(2) について キジハタが蝟集しやすい色は、黒色である。キジハタが
密集して存在することができ、しかも、落ち着いた状態
でいられるようなものを付着させておくのが好ましい。
このような付着素材としては、人工海藻が最適である。
キジハタは、明るい所よりも暗い所を好む性質を持つ。 上記(3) について 放流用の魚礁はアルミニウム製など比較的軽いものと
し、1個の大きさは縦横とも1m程度、高さ70cm程度と
するのが好ましい。また、重量は約30kg以内とするのが
好ましい。放流用の魚礁底部四隅に、15cm程度の足を鉛
直方向に取り付けて海底に固定できるようにするのが好
ましい。カサゴが魚礁の底側から侵入するのを防止する
ために、放流用の魚礁底部に底板を設けた場合には、取
り上げ時の負荷を軽減するため、水抜き穴を明けるのが
好ましい。放流用の魚礁には、側板を取り付けて周囲を
囲む構造とする。さらに、前記(1) の網体を頂部に取り
付け、キジハタの出入口とする。放流用の魚礁の内部に
は、人工海藻を16本程度取り付け、装置の周囲にも、
外へ出てしまったキジハタを保護するため、人工海藻を
20本程度取り付けておくのが好ましい。以上のような
基本設計を行い、試験装置を試作して非公開で以下のよ
うな実証試験を行った。
【0010】放流時間は午後2時頃とし、カサゴ等とキ
ジハタの生息する水深5〜7mの転石帯を放流場所に選
定した。放流前に、試作装置を海底に設置した。試作装
置4台をダイバー2名で、2〜3時間で設置した。放流
方法は、キジハタをネットに入れ、ダイバーが試作装置
内部に全ての種苗が入るよう注意して行った。一部、外
に出たものもあったが、その数は1台当たり数十尾であ
った。放流直後は、キジハタは装置内部の底付近に折り
重なるようにして静かに存在していた。キジハタの日周
性や、人工海藻への付着状況から推察すると、翌朝まで
は、ほとんどのものが、装置内に留まるものと考えられ
る。放流当日の装置周囲の分布状況を調査すると、装置
から半径3m以内にのみわずかな分布が認められた。放
流翌日の午前11時頃の調査では、装置内に、キジハタ
は数十尾〜十数尾程度しか残っておらず、予定通り、早
朝からの分散が起こったことがうかがえた。装置周辺の
分布状況調査時、半径5m以内においてのみ、キジハタ
が数多く観察されたことから、この時の分散範囲は半径
約5m以内であったと推定できる。
【0011】昨年までの放流結果では、放流直後のキジ
ハタの狭い範囲での一時的な分布と集中的な食害が起こ
っていた。また、放流翌日の調査では、ごくまばらにし
かキジハタを確認する事が出来なかった。それに比較し
て、上記試作装置を用いた放流の場合には、放流直後の
食害を、ほぼ防ぐ事ができたこと、また、翌朝、カサゴ
の不活発な時間帯にキジハタを分散させることができた
こと、が成果として挙げられる。以上の結果から、放流
用の魚礁としてのシェルター式試作装置の有効性が実証
された。
【0012】なお、放流後翌春まで放流稚魚は小さく、
カサゴの食害は続くが、これを防止するための保護用魚
礁としての必要事項として、実験の結果、以下の点が挙
げられる。 (1) 冬季の風浪により動いて行くことがある。従って、
シェルター式の魚礁はなるべく転石の下の平坦な海底に
接して固定することが好ましい。 (2) 海底がシェルター式の魚礁の底縁に添い得る地点で
は、底板は不要であるが、隙間があき、天敵魚が侵入す
るおそれのある場合は、底部に底板等を設けることが好
ましい。 (3) シェルター式の魚礁は荒天の場合でも浮き上がらな
いようにすることが好ましい。また、シェルター式の魚
礁内の海水が静かである構造とすることが好ましい。
【0013】底棲魚類に代表されるキジハタの幼稚魚
は、上述したようなシェルター式の魚礁内に放流するこ
とにより、天敵魚から保護しつつ安全に分散させること
ができる。
【0014】このような幼稚魚の放流および保護の目的
を達成するための魚礁として、本発明では、底部および
頂部が開放された底広がり状の側面台形状の筒体Aの少
なくとも頂部に、幼稚魚は通過可能で、天敵魚は通過不
可能な網目を有する網体Bを配置する。そして、前記筒
体Aの底部が海底にほぼ接するように設置するものとす
る。
【0015】前記筒体Aの底部には、底体を設けておく
とよい。側面台形状の前記筒体Aの上縁に、枠体4を開
閉自在に取り付け、該枠体4に前記網体Bを取り付ける
ようにするとよい。前記筒体Aの下端四周には、外側に
向けてゴム板10,10を取り付けておくとよい。魚礁内部
および外部には、人工海藻Cを取り付けておくのが好ま
しい。
【0016】
【作用】本発明の魚礁は、図4および図5に示すよう
に、筒体Aの底部が海底にほぼ接するように設置され
る。そして、この筒体A内に幼稚魚を放流する。この筒
体Aの周囲は囲まれており、また、少なくとも頂部は網
体Bで覆われているので、放流された幼稚魚はこの筒体
Aにより保護され、天敵魚に捕食されるのを確実に防止
することができる。前記筒体Aの内部は比較的広く、ま
た、筒体Aの周囲は囲まれているので、荒天でも魚礁内
は動揺せず、静かであり、幼稚魚の生息に有利である。
幼稚魚は前記網体Bの網目から容易に出入りすることが
できる。
【0017】前記筒体Aの底部に底体を設けておくと、
天敵魚が魚礁の底側から侵入するのを完全に防止するこ
とができる。
【0018】また、側面台形状の前記筒体Aの上縁に、
枠体4を開閉自在に取り付け、該枠体4に前記網体Bを
取り付けておくと、この部分は開閉自在であるから、魚
礁内に幼稚魚を放流するのに便利である。また、枠体4
を閉めてしまえば、魚礁内に放流された幼稚魚を天敵魚
から保護することができる。
【0019】前記筒体Aの下端四周に、外側に向けてゴ
ム板10,10を取り付けておくと、魚礁を海底に設置した
際、このゴム板10,10により海底との設置面をスムーズ
にすることができる。
【0020】魚礁内部および外部に、人工海藻Cを取り
付けておくと、幼稚魚はこの人工海藻Cの中に隠れるこ
とができる。そして、魚礁内にあっては、魚礁内にある
人工海藻Cの中に幼稚魚が密集して存在することがで
き、しかも落ち着いた状態でいられる。また、魚礁の外
にあっては、魚礁の外にある人工海藻Cにより、外へ出
てしまった幼稚魚を保護することができる。
【0021】本発明の実施例を添付の図面に基づいて説
明する。図1は、人工海藻Cを取り付ける前の魚礁全体
の平面図で、図2は、その正面図である。本発明に係る
魚礁は、基本的には図2に示すように、底部および頂部
が開放された底広がり状の側面台形状の筒体Aの少なく
とも頂部に、幼稚魚は通過可能で、天敵魚は通過不可能
な網目を有する網体Bを配置したものである。
【0022】筒体Aはアルミニウム製など比較的軽いも
のとするのがよい。筒体Aを比較的軽いものとしておい
た方がよい理由は、短期間の使用後は、魚礁を速やかに
回収して、再び利用することから、人力で魚礁を運搬、
設置可能ならしめるためである。実施例に示す筒体A
は、図1に示すように、正方形の対角線上に配置した4
本の支柱1,1間を4枚のカバー2で囲んで一体的な筒
体としたものである。
【0023】筒体Aの頂部は図3に示すように開放され
ており、開放されたこの部分に、幼稚魚は通過可能で、
天敵魚は通過不可能な網目を有する網体Bを配置する。
実施例では、図1および図2に示すように、左右2枚の
カバー2,2の上縁付近に取り付けた蝶番3,3によ
り、筒体Aの頂部開放部分に左右2つ割りの枠体4,4
を開閉自在となるように配置し、両枠体4,4の裏側に
前記網体Bが取り付けられている。左右の枠体4,4の
いずれか一方もしくは両方を開けると、筒体Aの頂部は
開放せしめられる。
【0024】筒体Aの四隅には、図2に示すように、鉛
直方向の脚5を下方に向けて取り付ける。都合4本の脚
5,5は、図4および図5に示すように本魚礁を海底に
設置した際、海底の底面深く差し込まれ、魚礁を固定す
る場合に用いられる。
【0025】実施例に示す筒体Aの下側の開放部分に
は、図2に示すように1枚の底板6が水平状に配置して
あり、その裏側には底板補強材7が正方形の対角線上に
配置されている。なお、この底板6には、図3に示すよ
うに水抜用の孔6aが適当数形成されている。
【0026】また、前記底板6の上面には、図1に示す
ようにその中心線上に位置するごとく平面U字状のウエ
イトガイド8が取り付けてあり、各ウエイトガイド8内
には図1、図2に示すように重り9がそれぞれ挿入して
ある。この重り9は、海底に設置された本魚礁が風浪に
より動くのを防止するのに役立つものである。
【0027】また、実施例に示す筒体Aの下端四周に
は、図1および図2に示すように、外側に向けてゴム板
10,10が取り付けられている。このゴム板10は本魚礁を
海底に設置した際、海底との設置面をスムーズにするた
めに用いられるものである。なお、実施例に示すゴム板
10の先端部分は、図1において10a で示すように鋸歯状
にしてあり、また、各鋸歯10a ,10a 間は、図1におい
て10b で示すように切込まれている。
【0028】実施例に示す魚礁はこのような構造をした
ものである。そして、この魚礁は図4および図5に示す
ように、例えば、海底の転石帯S上に設置される。海底
の泥の上や砂地の上に設置する場合もある。海底の転石
帯Sの上に設置した場合を例に挙げて実施例に示す魚礁
の使用方法を説明すると、4本の脚5,5を転石帯Sの
中に差し込んで筒体Aの底部がほぼ海底の転石帯Sに接
するように魚礁を位置せしめ、魚礁を固定する。そし
て、この筒体A内に幼稚魚(例えば、キジハタ)を放流
する。
【0029】この筒体Aの周囲は、カバー2で囲まれて
おり、また、少なくとも頂部は網体Bで覆われているの
で、放流された幼稚魚(キジハタ)はこの筒体Aにより
保護され、天敵魚(カサゴ)に捕食されるのを確実に防
止することができる。前記筒体Aの内部は比較的広く、
また、筒体Aの周囲は囲まれているので、荒天でも魚礁
内は動揺せず、静かであり、幼稚魚(キジハタ)の生息
に有利である。幼稚魚(キジハタ)は前記網体Bの網目
から容易に出入りすることができる。
【0030】なお、魚礁は転石帯Sに差し込まれた4本
の脚5,5と、底板6上に配置された重り9の重みによ
り、筒体Aが比較的軽いにもかかわらず転石帯S上に安
定して固定され、風浪による移動が防止される。
【0031】前記筒体Aの底部に底体、例えば、底板6
を設けておくと、天敵魚が魚礁の底側から侵入するのを
完全に防止することができる。魚礁の設置場所が転石帯
Sでない所、例えば、海底の泥の上や砂地の上の場合に
は、底板6に代えて網体を筒体Aの底部に取り付けるよ
うにしてもよい。魚礁の設置場所が転石帯S上の場合に
は、転石間に天敵魚(カサゴ)がまぎれ込んで筒体Aの
底側から天敵魚(カサゴ)が侵入する危険があるのに対
し、魚礁の設置場所が海底の泥の上や砂地の上の場合に
は、そこを通って天敵魚(カサゴ)が侵入してくること
がなく、網体でも充分であるからである。
【0032】なお、実施例に示すように、底板6に水抜
用の孔6a(図3参照)を明けておくと、魚礁を取り上げ
る際筒体A内に溜まった水を水抜用の孔6aから自然に排
出させることができ、取り上げ時の負荷を軽減すること
ができる。
【0033】また、実施例に示すように、側面台形状の
前記筒体Aの上縁に、枠体4を開閉自在に取り付け、該
枠体4に前記網体Bを取り付けておくと、この部分は開
閉自在であるから、魚礁内に幼稚魚を放流するのに便利
である。また、枠体4を閉めてしまえば、魚礁内に放流
された幼稚魚を天敵魚から保護することができる。な
お、枠体4は実施例に示すように、左右両開き形式のも
のとしておくと、幼稚魚(キジハタ)の放流、その他の
面できわめて有利である。
【0034】一方、実施例においては、図5に示すよう
に魚礁内部および外部に、人工海藻Cを取り付けてあ
る。このように魚礁内部および外部に、人工海藻Cを取
り付けておくと、幼稚魚(キジハタ)はこの人工海藻C
の中に隠れることができる。そして、魚礁内にあって
は、魚礁内にある人工海藻Cの中に幼稚魚(キジハタ)
が密集して存在することができ、しかも落ち着いた状態
でいられる。また、魚礁の外にあっては、魚礁の外にあ
る人工海藻Cにより、外へ出てしまった幼稚魚(キジハ
タ)を保護することができる。なお、魚礁および人工海
藻Cは黒色系とした方がよい。その理由は、キジハタが
蝟集しやすい色は黒色であって、キジハタが密集して存
在することができ、しかも落ち着いた状態でいられるか
らである。
【0035】実施例においては、図1および図2に示す
ように、筒体Aの頂部開放部分に等間隔を置いて複数本
の取付棒11,11を前後に渡し掛けて配置し、各取付棒1
1,11に魚礁内部の人工海藻Cを取り付け得るようにし
てある。また、図3に示すように、筒体Aの頂部上縁で
ある開放部分にフランジ12,12を固定しておき、各フラ
ンジ12、12に取付孔12a ,12a を形成し、各取付孔12
a,12a に人工海藻Cをそれぞれ取り付け、それらをい
ずれも魚礁の外部に伸び出させることにより、人工海藻
Cを魚礁外部に位置させることができる。
【0036】本魚礁は図5に示すように1基のみを海底
に設置してもよいが、普通は何基かを海底に並べて設置
する。そして、各魚礁内に幼稚魚(キジハタ)をそれぞ
れ放流するものとする。何基かの魚礁を海底に並べて設
置する場合には、図4に示すように、筒体Aの下端四周
から外側に向けて取り付けられているゴム板10,10を互
いに重なり合うように位置せしめ、その上に数個の転石
S'を置いておくとよい。
【0037】図示例においては、本魚礁を海底の転石帯
S上に設置した場合を例示したが、本魚礁を設置する部
分のみの転石を取り除き、一段低くなった所に本魚礁を
設置するようにしてもよい。
【0038】なお、図示はしないが、本魚礁の設置場所
の上方に給餌ブイと称するブイを浮かべ、それに搭載し
た自動給餌装置により海底に設置した魚礁に向けて餌を
投入するようにしてやれば、幼稚魚に餌を自動的にやる
ことができるので、きわめて便利である。また、音響給
餌と称して音を発しながら幼稚魚に餌をやるようにすれ
ば、幼稚魚の分散を防止しながら、しかも、シェルター
式の本魚礁で幼稚魚を保護しながら成長させることがで
きるので、幼稚魚の放流事業にとってきわめて便利であ
る。
【0039】実施例においては、本魚礁を幼稚魚放流
用、特に、底棲魚類に代表されるキジハタ放流用に用い
た場合について説明したが、幼稚魚を翌春まで越冬させ
る場合に用いることができることは勿論である。また、
本魚礁をキジハタ以外の幼稚魚の放流、保護および越冬
用として用いることができることも勿論である。
【0040】その他図面において、図面符号13は筒体A
の四隅外側に取り付けた吊環で、本魚礁を海底から取り
上げる場合に利用される。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の魚礁を海底に設置した場
合には、放流された幼稚魚を安全に保護しながら分散さ
せることができ、天敵魚に捕食されるのを確実に防止す
ることができる効果がある。
【0042】請求項2記載の魚礁によれば、天敵魚が魚
礁の底側から侵入するのを完全に防止することができ
る。
【0043】請求項3記載の魚礁によれば、枠体4を開
けることにより筒体Aの頂部を開放させることができる
から、幼稚魚を魚礁内に放流するのにきわめて便利であ
り、逆に、枠体4を閉めてしまえば、魚礁内に放流され
た幼稚魚を天敵魚から確実に保護することができる効果
がある。
【0044】請求項4記載の魚礁によれば、本魚礁を海
底に設置した際、海底との設置面をスムーズにすること
ができる効果がある。
【0045】請求項5記載の魚礁によれば、魚礁内にあ
っては、魚礁内にある人工海藻Cの中に幼稚魚が密集し
て存在することができ、しかも落ち着いた状態でいられ
るという効果があり、また、魚礁の外にあっては、魚礁
の外にある人工海藻Cにより、外へ出てしまった幼稚魚
を保護することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す魚礁全体の平面図で、
人工海藻を取り付ける前の状態を示す。
【図2】図1に示す魚礁の正面図で、一部を切欠いて示
すとともに、左右2枚の枠体のうち右側の枠体を開く途
中の状態を示す。
【図3】魚礁の一部である筒体の頂部の枠体と、この枠
体に取り付けられている網体とを取り除いた場合の平面
図である。
【図4】海底に魚礁を並べて設置した場合の隣接部付近
のみを示す正面図である。
【図5】魚礁を海底に設置した場合において、魚礁の内
部および外部に人工海藻を取り付けた状態を示す正面図
で、一部を切欠いて示す。
【符号の説明】
A─筒体、B─網体、C─人工海藻、4─枠体、6─底
板、10─ゴム板。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部および頂部が開放された底広がり状の
    側面台形状の筒体Aの少なくとも頂部に、幼稚魚は通過
    可能で、天敵魚は通過不可能な網目を有する網体Bを配
    置し、前記筒体Aの底部が海底にほぼ接するように設置
    することを特徴とする底棲魚類幼稚魚用魚礁。
  2. 【請求項2】前記筒体Aの底部に底体を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の底棲魚類幼稚魚用魚礁。
  3. 【請求項3】前記側面台形状の筒体Aの上縁に、枠体4
    を開閉自在に取り付け、該枠体4に前記網体Bを取り付
    けたことを特徴とする請求項1記載の底棲魚類幼稚魚用
    魚礁。
  4. 【請求項4】前記筒体Aの下端四周に、外側に向けてゴ
    ム板10,10を取り付けたことを特徴とする請求項1、
    2、3のいずれかに記載の底棲魚類幼稚魚用魚礁。
  5. 【請求項5】魚礁内部および外部に、人工海藻Cを取り
    付けたことを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれ
    かに記載の底棲魚類幼稚魚用魚礁。
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JP2012217390A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Kyodo Kumiai Marine Techno Yamaguchi 稚魚保護育成礁
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