JPH07184401A - 整畦機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】畦に盛り土をするロータに代わる盛り土装置を
備えた整畦機を提供すること。 【構成】向きを変えられる鋤装置を設ける。畦に対して
往復動する鋤装置を設ける。これらを併用する。 【効果】鋤の向きにより畦に対する盛り土の量を加減で
きる。特に往復動する鋤は単に鋤を引っ張る場合に比
べ、その速度を大きくできるので盛り土の量を多くでき
る。両者を併用すると一方で土の堀り起こしを行い、他
方でその盛り土を行いその機能を分担してよりよい畦を
作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、整畦機に係わり、特に
盛り土を畦叩き板で叩き固める畦叩き型整畦機の盛り土
用の土起こし手段に関する。

【０００２】

【従来の技術】田圃には水を溜めるためや、農作業者が
歩くため、さらには他人の田圃との仕切りを設けるため
に畦が設けられているが、年ごとに旧畦に盛り土をして
整え、新畦を作ることが行われている。この新畦を作る
ための整畦機には、ロータで田圃の土を旧畦に盛り上
げ、これを畦叩き板で叩く構造のものが広く用いられて
いる。このロータとしては、軸線が畦に平行なものと、
軸線が畦に交差する方向に向いているものとがあり、い
ずれも軸線の周囲に掻き上げ刃を軸方向に離間して設け
たものであり、いずれも実用化されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このロータを用いる前
には鋤を用いることも提案されているが、いずれの場合
も鋤面を畦に対して簡単に変更できるようなものや、そ
の位置の調整を簡単に行える整畦機は知られていない。
そのため、畦側に寄せる土の量を加減することができな
いという問題があった。また、整畦機を走行させて作業
を行う場合、その速度で引っ張る鋤では畦に盛られる土
の量をあまり多くできないという問題もあった。

【０００４】本発明の第１の目的は、堀り起こした泥土
を畦側に寄せる量を加減できる鋤装置を提供することに
ある。本発明の第２の目的は、通常の引っ張る速度の鋤
では得られない量の土を畦に盛ることができる鋤装置を
提供することにある。本発明の第３の目的は、泥土の堀
り起こしと畦に対して土を盛る機能を効果的に発揮でき
る鋤装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、機枠に泥土を堀り起こし畦に盛り上げる
土起こし手段と、畦に盛り上げられた泥土を締め固める
整畦板を有する整畦機において、上記土起こし手段は畦
に対して鋤面を可変にした鋤を有する整畦機を提供する
ものである。また、本発明は、機枠に泥土を堀り起こし
畦に盛り上げる土起こし手段と、畦に盛り上げられた泥
土を締め固める整畦板を有する整畦機において、上記土
起こし手段は畦に対して鋤面が往復動する鋤を有する整
畦機を提供するものである。また、本発明は、機枠に泥
土を堀り起こし畦に盛り上げる土起こし手段と、畦に盛
り上げられた泥土を締め固める整畦板を有する整畦機に
おいて、上記土起こし手段は静止状態で鋤面を回動自在
にし旧畦に対する向きの変更を可能にした第１の鋤と、
その後段に設けた畦に対して鋤面が往復動する第２の鋤
を有する整畦機を提供するものである。

【０００６】

【作用】鋤面を旧畦に対して可変にし、その向きを変え
られるようにしたので、堀り起こした土を畦側に寄せる
量を調整できる。また、畦に対して鋤面が往復動する鋤
装置はその動作を例えばトラクタの動力取出軸から分取
する等により通常の鋤を引っ張る速度より大きな速度で
鋤面を動作することができるので、その畦に対して盛る
土の量を多くすることができる。また、両者を前段と後
段に併用すると、土の堀り起こしと土を畦に盛る機能を
分担することができる。

【０００７】

【実施例】次に本発明の実施例を説明する。第１図中、
Ａは整畦機であり、この整畦機Ａは、その機枠１がトラ
クタＴの後方に設けられた連結機構ａにより連結され、
図示省略した油圧装置によりこの連結機構を介して下方
に回動でき、また、元の位置に戻ることができるように
なっている。上記整畦機Ａは、上記機枠１の前段に第１
の鋤装置２を有するとともに、その後段に第２の鋤装置
３を有する。すなわち、第１の鋤装置２は、図２に示す
ように機枠１の前側にアーム２ａが突設され、その先端
に一対の細長片の中間に向かい合わせの相対する半円状
の膨出部を形成した握持部２ｂ、２ｂを有する挟着片２
ｃが延設され、それらの握持部の中間及び先端部にねじ
２ｄに螺合するねじ孔２ｅ、２ｅが設けられ、適宜選択
できる握持部２ｂ、２ｂの一つにはシャフト２ｆが嵌挿
されて上記ねじのねじ孔への螺合によりねじ止めされ、
そのシャフトの上端にはハンドル２ｈが設けられ、その
下端には第１の鋤２ｊが設けられている。また、上記第
２の鋤装置３は、鋤をカム機構により動作させる鋤装置
からなり、図１に示すように、トラクタの動力取出軸に
自在継手を介して連結された動力伝達軸に減速機１ｋが
連結され、この減速機の出力軸にはクランク装置１ｍが
設けられ、さらにその出力軸の先端にスプロケットホイ
ール３ａが取り付けられ、これがチエーン３ｂにより部
分拡大図の図３に示す機枠１に突設された支持片３ｃに
軸支されたスプロケットホイール３ｄと連結され、この
スプロケットホイールと同軸にカム３ｅが設けられ、一
方、上記機枠１に突設された両側一対の支持片３ｆ、３
ｆに設けた固定軸３ｇに円筒状の回転軸３ｈが嵌合さ
れ、これに第２の鋤３ｊの上端が取り付けられている。
上記機枠１の畦側には図示省略したが上記チェーンを通
す通孔を有する仕切り板が設けられ、この仕切り板の上
縁部には畦の上方及び前後両側を覆う覆い板１ａが回動
自在に取り付けられ、この前後両側の覆い板下端にはゴ
ム板１ｂ（後部のもののみ図示）が設けられている。

【０００８】４はこの覆い板１ａの畦側に上下動自在に
設けられた上下動板で、畦の上面を走行する車輪４ａ、
４ａ、４ａを有するとともに、上記覆い板の両側に設け
た断面コの字状の案内溝４ｂ、４ｂに摺動自在に嵌合さ
れ、かつ両側に設けた把手と上記案内溝間に設けたバー
とにより抜け防止されている。

【０００９】上記クランク装置１ｍにはプランジャーに
よりシリンダ内の油を吸入、排出するプランジューポン
プ５が設けられ、このプランジャーポンプに可撓性管５
ａが連結され、この可撓性管５ａに畦叩き装置６が連結
されている。この畦叩き装置６は、詳細は図示省略した
が、角筒状のスリープ６ａ内にシリンダが設けられ、こ
のシリンダにピストンが設けられ、そのピストンロッド
がスリーブに固着されることにより、上記プランジャー
ポンプによる油の供給、排出に伴うピストンの移動によ
りスリーブが往復動できるようになっている。なお、シ
リンダにはスリーブの内面に適合する四角形で、この内
面に周側が摺動される回り止板が取付けられ、スリーブ
の回り止めをしている。なおまた、この回り止板とスリ
ーブの上面板内面との間にコイルスプリングが二重に設
けられ、戻り促進機能を果たしている。詳細は特公昭６
３─１２５６２号公報に記載されており、これらも使用
できる。

【００１０】上記スリーブ６ａには断面方形の取付軸７
が設けられ、この取付軸７は軸受部８の凹部に挿入さ
れ、この軸受部が畦側に向かって回動自在に取り付けら
れ、その回動方向の軸受部の上側凹部と取付軸の間にゴ
ム等の弾性材が設けられている。上記軸受部８には整畦
板としての畦叩き板９が取り付けられ、上記取付軸７に
対して回動自在に設けられている。すなわち、この畦叩
き板９は、畦の上面を叩く上面叩き板と、一方側面を叩
く一方側面叩き板と、畦際田面を叩く田面叩き板からな
り、これらは一体に形成され、さらにこれらの叩き板の
前後両側には立上り壁が形成され、これらの立上り壁の
間に上記軸受部８が取り付けられている。そしてこれら
の叩き板の叩き面及び前側立上り壁の全面及び後側立上
り壁の下側の外表面には毛ばだっている側を表側にした
バッファローの毛皮等の泥付着防止体１０が設けられて
いる。

【００１１】上記畦叩き装置６のシリンダは支持枠１１
に回動自在に支持され、このシリンダとともに回動する
下降杆と支持枠１１に設けた弾性体によりスリープ６ａ
の回動範囲が制限されている。支持枠１１は上下動装置
１２に取り付けられている。この上下動装置は、ハンド
ルによりねじ杆を作動させてスライダー１２ｂを移動で
きるようにしたものである。この上下動装置は取付板１
３に固着され、この取付板の移動により横方向の位置も
調整できるようになっている。１４は尾輪である。

【００１２】次に本実施例の整畦機の使用方法を説明す
る。トラクタＴに整畦機Ａを所定の姿勢に連結して旧畦
の所定の位置に配置し、尾輪１４の位置、畦叩き板９の
位置を調整する。ついでトラクタを走行させて整畦機Ａ
を移動させると、第１の鋤装置２はその第１の鋤２Ｊに
より田面の泥土を堀り起こしその一部を畦に盛り上げ、
ついで第２の鋤装置の第２の鋤３ｊが固定軸３ｇを中心
にカム３ｅにより摺動されて往復回動し、自ら堀り起こ
した泥土とともに上記第１の鋤により堀り起こされた残
部の泥土を持ち上げ、畦に盛り上げる。このようにして
盛られた土は畦叩き板９で叩き固められるが、畦の上
面、一方側面、他方側面上部及び畦際田面が叩かれ、畦
の上面及び一方側面のみならず、畦際田面も叩かれるの
で畦の根元は強固になり、しかも水漏れを防ぐことがで
きる。

【００１３】この際、第１の鋤装置２は、ねじ２ｄを緩
めることによりハンドル２ｈの操作により第１の鋤２ｊ
の向き及びその高さを調整でき、また、挟着片２ｃを開
くことによりシャフト２ｆを他の握持部２ｂに移動し、
上記と同様にねじ止めすることにより第１の鋤２ｊの畦
に対する距離を調整することができる。これらにより堀
り起こす泥土の量、その泥土を畦に盛る量を調整するこ
とができる。また、第２の鋤装置３はそのカム３ｅの回
転数を例えば毎分１００〜２５０回転にできるので、そ
の回転数により畦に対する泥土の盛る量を単に鋤を引っ
張る場合に比べて多くすることができ、さらに減速機の
出力軸に歯数の異なるギアを設けておけばその盛る量も
加減できる。また、その土を持ち上げる高さや畦に対す
るストロークはカム面の形状により適宜変えることがで
きる。これらの調整により、第１の鋤２ｊが主に泥土を
堀り起こし、第２の鋤３ｊがこれを畦に盛る機能を分担
すると、より良い盛り土作業をすることができるが、そ
れぞれを単独で用いることもできることはいうまでもな
いことである。

【００１４】上記実施例は、第２の鋤装置３はカム機構
を用いたが、図４に示すように、上記スプロケットホイ
ール３ａからの動力を上記チェーンと同様のチエーン３
ｋにより、機枠１に図示省略した支持部材を介して支持
された回転軸３ｍに固着されたスプロケットホイール３
ｎに伝達し、これにより同軸のクランク盤３ｐを回転さ
せ、このクランク盤に軸支された連接棒３ｑの先端を第
３の鋤３ｒの両側の突片３ｓ、３ｓの細長孔３ｔ、３ｔ
に遊嵌された横軸３ｕに回動自在に連結し、さらにこの
鋤の上端に取り付けた回転軸３ｖを機枠１に図示省略し
た支持部材を介して支持された固定軸３ｘに嵌合し、こ
れにより第３の鋤３ｑを回転軸３ｕを中心にして畦に向
かって往復回動させるクランク機構を用いた第３の鋤装
置３’を用いても良い。なお、図示省略したが、上記畦
叩き板を動作させたと同様の水鉄砲式油圧装置、その他
の油圧機構を上記カム機構、クランク機構の代わりに用
いても良い。

【００１５】本考案に係わるカム機構、クランク機構等
による土盛り作業は、畦叩き板をクランク機構その他の
機構により動作させる整畦機、旧畦に対する盛り土を整
畦板で振動させて整畦する整畦機にも適用できる。

【００１６】

【考案の効果】本考案によれば、鋤面の向きを変えるこ
とができるようにしたので、堀り起こした土を畦に盛る
量を調整することができる。また、畦に対して鋤面が往
復動する鋤装置を用いることにより畦に盛る土の量を多
くすることができる。また、両者を併用することにより
土の堀り起こして、土の畦に対する盛り上げのそれぞれ
を機能的に分担し、畦に対するより良いい盛り土作業を
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例の整畦機の使用状態の斜
視図である。

【図２】上記第１の実施例の第１の鋤装置を示す拡大斜
視図である。

【図３】その第１の実施例のカム機構を示す拡大斜視図
である。

【図４】第２の実施例のクランク機構を示す拡大斜視図
である。

【符号の説明】

Ａ 整畦機 ２ 第１の鋤装置 ２ｊ 第１の鋤 ３ 第２の鋤装置 ３ｊ 第２の鋤 ３ｅ カム ３ｐ クランク盤 ３’ 第３の鋤装置 ９ 整畦板としての畦叩き板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機枠に泥土を堀り起こし畦に盛り上げる
   土起こし手段と、畦に盛り上げられた泥土を締め固める
   整畦板を有する整畦機において、上記土起こし手段は畦
   に対して鋤面を可変にした鋤を有する整畦機。
2. 【請求項２】 機枠に泥土を堀り起こし畦に盛り上げる
   土起こし手段と、畦に盛り上げられた泥土を締め固める
   整畦板を有する整畦機において、上記土起こし手段は畦
   に対して鋤面が往復動する鋤を有する整畦機。
3. 【請求項３】 機枠に泥土を堀り起こし畦に盛り上げる
   土起こし手段と、畦に盛り上げられた泥土を締め固める
   整畦板を有する整畦機において、上記土起こし手段は静
   止状態で鋤面を回動自在にし旧畦に対する向きの変更を
   可能にした第１の鋤と、その後段に設けた畦に対して鋤
   面が往復動する第２の鋤を有する整畦機。