JPH0718405B2 - 放流弁付き軸流水車の運転方法 - Google Patents

放流弁付き軸流水車の運転方法

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JPH0718405B2
JPH0718405B2 JP62003197A JP319787A JPH0718405B2 JP H0718405 B2 JPH0718405 B2 JP H0718405B2 JP 62003197 A JP62003197 A JP 62003197A JP 319787 A JP319787 A JP 319787A JP H0718405 B2 JPH0718405 B2 JP H0718405B2
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guide vane
opening
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尚夫 桑原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水路を分岐して一方の分岐路に軸流水車を他方
の分岐路に放流弁をそれぞれ設置し、軸流水車及び放流
弁の下流側を合流するようにした放流弁付き軸流水車の
運転方法に関する。
〔従来の技術〕
総流量一定制御を採用している放流弁付き水車プラント
は、例えば灌漑用水路に水力発電プラントを設置する場
合などに見られる。水力発電プラントを併設した灌漑用
水路にあつては流量を所定の値に保つために、水路を分
岐し、一方の水路に水車を、他方の水路に放流弁をそれ
ぞれ設置し水車側は水車のガイドベーンにより流量が制
御され、放流弁側は放流弁により流量が制御されること
により、総流量が所定の値に保たれるようになつてい
る。従来総流量一定制御を採用している放流弁付き水車
プラントにおける放流弁制御の基本的考え方は、単純に
ガイドベーンの開口面積の変化に見合つて放流弁の開口
面積を変化させるというものであつた。一般に放流弁制
御信号はガイドベーンの実開度をとる場合が多く、即ち
放流弁はガイドベーンに追従して制御されるため、動作
遅れが避けられず、上記の基本的考え方を実現するため
には放流弁の開速度の最大値はガイドベーンの閉速度の
最大値と同一かむしろ大きめに設定される。
水車がフランシス形の場合は負荷遮断時の回転速度上昇
にともなつて水車流量はランナーの遠心力などの影響を
受けて減少する傾向を示すので、上記のようにガイドベ
ーンの閉鎖に見合つた分だけ放流弁の開口面積を増やし
たのではプラントの総流量が一時的に減少するため、そ
の分だけ放流弁の解放速度を大きくして総流量の減少を
補うようにしていた。(特許出願公告昭61年第46663号
公報) しかしながら軸流水車の場合には回転が上昇すると羽根
車の吸い出し効果の為にフランシス形の場合と逆に水車
流量は増大傾向を示す。その結果放流弁付き軸流水車プ
ラントにおいて、従来行われたフランシス形水車の場合
と同様な放流弁制御を行うと負荷遮断時総流量が一時的
に増加し、その値が数十パーセントに達する場合もあ
る。下流側に延々数キロメートルも延びた灌漑用水路を
持つ水力プラントの場は、上記のような急激な流量変化
が与えられると、水路表面に水撃波が生じ、これが長水
路を走り各所に被害をもたらす危険性があつた。
従つて、流量変化による下流側水路の損傷を防止するた
めプラント総流量の変動幅を極めて小さくし、制御精度
を上げる必要がある。
とりわけ近年の小水力プラントが見直しされているすう
勢の中で、既設の灌漑用水路の途中に発電所を新設する
ケースが増加しつつあるが、このような場合水車にかか
る有効落差は比較的低く、軸流水車を選定することにな
るので上述の問題はこの種のプラントの成否を左右する
重要課題である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のように従来技術は、軸流水車の負荷遮断時、回転
速度が上昇することにより水車流量が増大するという点
について配慮されておらず、過渡時においてもプラント
総流量を極めて小さい変動幅に押えるということができ
ないという問題があつた。本発明の目的は、上記した従
来技術の欠点をなくし、過渡時においても高精度のプラ
ント総流量一定制御の方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は負荷遮断時の急激な回転上昇に伴う水車流量
の一時的増加を考慮して、ガイドベーンの最大閉速度に
対し、放流弁の最大開速度を格段に遅くしたり、放流弁
の開動作開始をガイドベーンの閉動作開始に対し、意図
的に遅らせたりすることにより達成される。
〔作用〕
本発明によれば、負荷遮断などの負荷急変時に軸流水車
の回転速度上昇による一時的水車流量の増加傾向に対し
て、負荷急変時に対応した放流弁の開口面積の増加制限
効果により総合開口面積が一時的に減少し、それによつ
て総合流量の増加が適正に抑制される。
〔実施例〕
第2図は本発明の対象となる放流弁を備えた軸流水車プ
ラントの概念図である。同図において、1は上流側水車
側分岐管,6は上流側放流弁分岐管である。2は水車側下
流管,9は放流弁側下流水路,3は水車軸,4は円周上に等分
配置された複数個のガイドベーン,5はこの軸流水車のラ
ンナー,7は左右に動いて開口面積を変える放流弁のゲー
ト,8は放流弁のコーン,10は放流弁のボデーを示す。又
Qはこの水車プラントの総流量,Qは水車流量,Qは放
流弁流量である。
先ず軸流水車の流量特性と従来のフランシス形水車の流
量特性との差異について説明する。
第4図は軸流水車の流軸特性の一例を示し、第5図はフ
ランシス水車の流量特性を示すがこれらの図で横軸は単
位落差当りの回転速度 を示し、縦軸は単位落差当りの流量 の変化を示す。Hは水車の有効落差,パラメータYG1,Y
G2,YG3はガイドベーン開度を示し、YG1>YG2>YG3
関係になつている。
第4図は軸流水車の流量特性の一般的な傾向を示したも
ので、ランナブレード角度Yが一定の下で描かれたグ
ラフである。本図において注意すべき点は、回転速度が
上昇するにつれて流量も増加する。即ち右上がりの傾向
にあることである。第1図に示すように、軸流水車の回
転速度Nは、負荷遮断後一旦上昇し、最大値に達した後
徐々に降下してくる。この傾向を第4図に重ねてみる
と、ガイドベーンの変化に対し回転速度Nの変化は急速
であるから、運転点Pは負荷遮断後、破線で示すような
軌跡をたどる。即ち、負荷しや断後、軸流水車の流量は
一旦増加し、その後徐々に減少してくる。尚、上記過渡
時の間中、ランナブレード開度Yも徐々に変化してい
るので厳密には第4図も変化してくるが、一般にランナ
ブレード開度Yの閉鎖速度に比べ、ガイドベーン閉鎖
速度および回転速度Nの変化は急速であるので軸流水車
の流量が過渡的に増大する傾向には変わりはない。
一方、比較のために従来のフランシス水車の流量特性を
第5図に示す。この場合、回転速度N1が上昇するにつれ
て水車流量Q1も減少する、即ち右下がりの傾向にあるの
で、負荷遮断後回転速度が上昇しても水車流量は減少す
る一方である。
上記の特性は考慮に入れながら第1図に示す本発明の一
実施例を説明する。Yはガイドベーン開度,Yは放流
弁開度を示しSは両者の開口面積の総和を示す。又Y
はランナブレードの開度,Nは回転速度変化を示す。負荷
遮断と同時に回転速度Nは上昇し始める。これを図示し
てないガバナーが検出してこのガバナーの作用で(又は
速度ガバナーが付いていない場合には負荷遮断条件を直
接入力して)ガイドベーン開度Yが絞られる。この場
合不動時間△tを伴う。このガイドベーン閉動作に応
動して放流弁開度Yが増大する。この時矢張り各種動
作遅れによつて不動時間△tを伴う。
この例ではガイドベーン開度Yは時間T で閉鎖を
完了するが、この間に回転速度Nは図のように上昇す
る。それにより前述のように軸流水車の流量は一時的に
増加し、その後徐々に減少していく。この特性を考慮し
て放流弁の開度Yをゆつくりと開放し、時間T
その開放を終了する。研究結果によれば時間T は時
間T の1.5倍以上必要である。かくして、ガイドベ
ーン開度Yと放流弁開度Yの各面積の総和Sは図に
示すように、一旦ガイドベーンの閉鎖に伴い減少し、つ
いで放流弁の開放により増加し負荷遮断前の総開口面積
に復帰する。
この開口面積Sの減少は、研究結果によれば遮断前のそ
れを100%とした時、最小時点S′において95%以下と
なる必要がある。
他の実施例として、放流弁の不動時間△tを意図的に
遅らせ、放流弁の開放時間t を上記実施例より比較
的速く(短く)することでも前述の総開口面積Sの変化
が得られる。
上述のようにガイドベーン開度Y,放流弁開度Y
操作すると第3図のように、軸流水車流量Qと放流弁
流量Qの合計流量Qはある一定の精度ε以内におさめ
ることができる。
第6図はガイドベーン制御装置と放流弁制御装置の関係
の代表的例を示すブロツク線図である。Xはガイドベ
ーンの開度指令,Yはガイドベーンの実開度,Xは放流
弁の開度指令,Yは放流弁の実開度を示す。19はガイド
ベーンの開度指令Xと実開度Yの比較部,εはガ
イドベーン制御用配圧弁の変位指令,11は同配圧弁のス
トローク制限機構,12はガイドベーンサーボモータの動
作積分量を表すブロツク,13は復元機構である。上記に
おいてストローク制限機構11の横軸は配圧弁指令、縦軸
は配圧弁の有効出力を示し、グラフの勾配は45゜であ
る。従つて配圧弁ストローク制限機構11の出力はε
0からβないしβの範囲ではεに等しく、ε
越えるとβないしβに制限される。その結果、例え
ば負荷遮断時等にガイドベーンの開度指令Xがガイド
ベーンの閉鎖を行わせようとする場合XにYが追従
制御されるが、この時のガイドベーン閉鎖速度はβ
決められ、|β2|に比例する。
14はガイドベーンの実開度に連動して動くカムであり、
これにより放流弁の開度指令Xが与えられる。15は放
流弁の開度指令Xと実開度Yの比較部,εは放流
弁制御用配圧弁の変位指令,16は同配圧弁のストローク
制御機構,17は放流弁サーボモータの動作積分量を表す
ブロツク,18は復元機構である。ガイドベーン開度指令
に応じてカム14により放流弁開度指令が与えられる
と放流弁実開度Yがこれに追従するがこの時の放流弁
開速度は放流弁制御用配圧弁のストローク制限機構16に
よりβないしβによつて決められる。
本実施例においてはガイドベーン閉鎖速度制限値β
対して放流弁開放速度制限値βを小さく設定すること
により第1図に示したようなガイドベーンと放流弁の制
御が行われ、その結果として第3図に示すような軸流水
車流量Q及び放流弁流量Qの制御が行われ、プラン
ト総合流量Qは適正値に制御される。
上記実施例は負荷遮断時の過渡時についての説明である
が、他の過渡時、例えば非常停止の時にも同様な方法で
本発明の目的が達成される。
〔発明の効果〕
本発明によれば、放流弁付き軸流水車プラントにおいて
軸流水車およびこれより分岐した放流弁のそれぞれの流
量の総和を過渡時においても精度よく一定に制御するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における負荷遮断時のタイム
チヤート図、第2図は本発明の対象とする放流弁付き軸
流水車プラントの概念図、第3図は本発明による各流量
の変化を示す図、第4図は軸流水車の一般的な流量特性
図、第5図は従来のフランシス水車の一般的な流量特性
図、第6図は本発明のガイドベーン制御と放流弁制御の
関係を示すブロツク線図である。 4……軸流水車のガイドベーン、5……ランナー、7…
…放流弁ゲート、Y……ガイドベーン開度、Y……
ランナーベーン開度、Y……放流弁開度、S……総合
開口面積、N……水車回転速度、Q……軸流水車流
量、Q……放流弁流量、Q……プラント総合流量。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水路を分岐管により水車側分岐管と放流弁
    側分岐管に分け、水車側分岐管の下流に軸流水車を設置
    し、放流側分岐管の下流に放流弁を設置し、軸流水車の
    下流側と放流弁側の下流側を合流するようにしてなり、
    軸流水車のガイドベーンの開度変化に連動して放流弁の
    開度を調整することにより、軸流水車及び放流弁の下流
    側の合流後の総合流量を所定値に保つようにしたものに
    おいて、負荷遮断時などの負荷急変時には、負荷急変の
    直後の所定の時間は、ガイドベーンの開口面積の減少分
    より放流弁の開口面積の増加分が少なくなるように放流
    弁を開き、両者の総合開口面積が一時的に負荷急変前の
    総合開口面積より減少するようにガイドベーンと放流弁
    を制御するようにしたことを特徴とする放流弁付き軸流
    水車の運転方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項の発明において、前
    記負荷急変時の前記総合開口面積が負荷急変前の総合開
    口面積の95%以下まで減少するように、ガイドベーンと
    放流弁を制御するようにしたことを特徴とする放流弁付
    き軸流水車の運転方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項の発明において、前
    記負荷急変時の放流弁の最大開放速度が、ガイドベーン
    の最大閉鎖速度の1.5分の1以下となるように、ガイド
    ベーンと放流弁を制御するようにしたことを特徴とする
    放流弁付き軸流水車の運転方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項の発明において、前
    記負荷急変時における放流弁の解放開始時点をガイドベ
    ーンの解放開始時点よりも意図的に遅らせるようにした
    ことを特徴とする放流弁付き軸流水車の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010098242A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 三菱重工業株式会社 航空機構造体製造装置

Cited By (3)

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WO2010098242A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 三菱重工業株式会社 航空機構造体製造装置
JP2010201986A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 航空機構造体製造装置
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