JP2001295746A - 水車のガイドベーン制御方法 - Google Patents

水車のガイドベーン制御方法

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JP2001295746A
JP2001295746A JP2000111971A JP2000111971A JP2001295746A JP 2001295746 A JP2001295746 A JP 2001295746A JP 2000111971 A JP2000111971 A JP 2000111971A JP 2000111971 A JP2000111971 A JP 2000111971A JP 2001295746 A JP2001295746 A JP 2001295746A
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Kazuhiko Watanabe
邊 和 彦 渡
Takahiko Nakazawa
澤 孝 彦 中
Tomoyoshi Sagawa
川 朋 美 佐
Yuetsu Uto
藤 祐 悦 宇
Toshiaki Suzuki
木 敏 暁 鈴
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Electric Power Development Co Ltd
Toshiba Corp
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Electric Power Development Co Ltd
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Control Of Water Turbines (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷遮断時の水撃現象を十分抑制し、またそ
れに伴い主機の回転速度上昇をも抑制することができる
ようにした水車のガイドベーン制御方法を得ること。 【解決手段】 発電運転中に負荷遮断等で主機を緊急停
止するような場合に、ガイドベーンを一旦閉方向に制御
した後にそのガイドベーンを開方向に制御し、その後再
び全閉または全閉付近の開度までガイドベーンを閉制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水車のガイドベー
ンを開閉制御するガイドベーン制御方法に係り、特に負
荷遮断等により主機を緊急停止するような事態が発生し
た時のガイドベーン制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電力需要の増大に伴う発電容量の
増加によって水力発電所は高落差・高速度・大流量化の
傾向にある。そのため、長大な流水路を有する水力発電
所も建設されている。また、建設コストの低減のため
に、流水路の途中に複数本の分岐流水路を形成し、これ
らの分岐流水路に各々水力機械を配置する分岐水路方式
が一般に採用されている。
【0003】図10は一般的な水力発電所の水路系を示
したもので、上池1には一本の流水路2が連通され、こ
の流水路2は水車、ポンプ水車等の水力機械3を介して
放水路4に接続されている。また、この放水路4は放水
口または下池5に連通している。
【0004】図11は、フランシス形ポンプ水車3の概
略構成を示す図であり、上記流水路2にケーシング6が
接続されている。このケーシング6の内周部には流量を
調整するための多数のガイドベーン7が周方向に配列さ
れている。これらのガイドベーン7はガイドベーン駆動
装置8によって開閉駆動され、このガイドベーン駆動装
置8が制御装置9によって制御される。このように環状
に配列されたガイドベーン7の中央部には主軸10に連
結されたランナ11が配設されており、この主軸10に
図示しない発電電動機が接続されている。また、上記ラ
ンナ11の下方に放水路4に接続された吸出管12が設
けられている。
【0005】このような水力発電所では水力機械3の発
電運転中に電力系統の事故或は発電所機器に異常が発生
した場合には、電力系統から水力機械を切り離して主機
停止操作により主機を保護する。すなわち、上記異常が
発生した場合、制御装置9によって電力系統からの切り
離しに起因するガイドベーン閉指令が駆動装置8に入力
され、これに応じて駆動装置8によってガイドベーン7
が閉駆動され、水力機械3が停止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発電運転中
の水力機械に同時に負荷遮断が発生しガイドベーンが閉
方向に制御された場合には、ガイドベーンの閉動作によ
る流量変動のための水撃現象が発生して水圧変動が起こ
り、ガイドベーンを適切に閉駆動しないとこのような水
圧変動が重畳することにより流水路の最大水圧が設計水
圧を上回り、流水路を破損するといった問題を生ずる可
能性がある。さらに、上述の水圧変動の重畳によって放
水路水圧が低下して絶対真空以下になると水柱分離現象
が発生し、この水柱の再結合時に過大な水圧上昇が誘起
され、放水路や水車機器を破損するといった問題も生ず
る。複数台のフランシス形ポンプ水車を有する発電所で
はこれらの問題はさらに顕著となる。
【0007】このような水撃現象に起因する問題を解決
するためには、水路の断面積を大きくして水路の有する
慣性エネルギーを小さくすること、或は巨大な容量を有
するサージタンクを水路に設置することなどが考えられ
るが、いずれの方法も設備が巨大化してしまうといった
問題がある。
【0008】そこで、ガイドベーンの閉鎖方法なども提
案されている。図12(a)〜(e)は、発電運転中に
負荷遮断が発生した時の従来のガイドベーン閉鎖サーボ
ストロークと、流量と、回転速度と、放水路水圧と、流
水路水圧とをそれぞれ示したものである。なお、図12
(a)〜(e)において、点線はガイドベーンの閉動作
速度を比較的遅くした場合を表し、実線はガイドベーン
の閉動作速度を比較的速くした場合を表す。
【0009】負荷遮断が発生した時には、外部の負荷が
喪失するため一般に水流エネルギによって回転速度が上
昇する。そこで、この回転速度の上昇を抑えるために、
図12(a)に示したようにガイドベーンを急速に閉動
作する。すると、このガイドベーンの急閉鎖に伴い流水
路水圧は図12(e)に示したように急激に上昇し、放
水路水圧は図12(d)に示すように下降する。なお、
このような場合でも回転速度は図12(c)に示すよう
に上昇する。そこで、これらの水圧変動を抑えるため、
或るガイドベーン開度から、ガイドベーンを急閉鎖から
引き続き緩閉鎖する。したがって、このガイドベーンの
閉動作の開始に伴い、ポンプ水車の流量は図12(b)
に示したように減少する。
【0010】ところが、負荷遮断が発生した時に、ガイ
ドベーンの急閉鎖の速度を大きくすると、水流を素早く
減少させるため回転速度上昇を抑えることができるが、
水流量減少に伴う水撃現象により流水路および放水路の
水圧変動が大きくなってしまうことになる。さらに、こ
の流動変動が大きい場合には、逆転ポンプ水車領域に入
り込むこともあり、水路内を水流が逆流することで非常
に不安定な状態に陥ることになる。
【0011】また、ガイドベーンの急閉鎖速度を遅くす
ると、流水路および放水路の水圧変動を抑えることがで
きるが、回転速度上昇が大きくなってしまう。特にポン
プ水車においては、ガイドベーンの急閉鎖速度が遅すぎ
ても、ランナの強い遠心力作用により水車方向回転が上
昇すると急激に水車方向流量が減少するために流水路水
圧上昇が大きくなってしまう等の問題がある。
【0012】水路系の特性を考慮した場合のフランシス
形ポンプ水車の特性は、いわゆる完全特性として代表さ
れる。この完全特性は、通常、図13に示したように、
ガイドベーン開度がA1 〜A3 と変化したときの単位落
差あたりの回転速度n1 と単位落差あたりの流量q1
の関係、または図示していない単位落差あたりの回転速
度n1 と単位落差あたりのトルクとの関係として表わさ
れる。
【0013】負荷遮断が発生した時のガイドベーンの閉
口制御に伴う完全特性上の時間によるポンプ水運転特性
軌跡の一例を曲線Qに示す。曲線Qは長大な水路系にお
いて、また負荷遮断時の条件によっては、水が逆流する
など更に複雑となる。なお、図13において、領域I
(水車方向回転、水車方向流量)は水車領域、領域II
(水車方向回転、ポンプ方向流量)は逆転ポンプ領域で
あって、上記水の逆流は、この逆転ポンプ領域に入るこ
とで発生する。
【0014】上記完全特性上のポンプ水車運転特性軌跡
において最大回転速度は、単位落差あたり回転速度n1
がもっとも大きくなる点Pにおいて発生する。しかしな
がら、その付近においてq1 に対するn1 の変化は小さ
い。これは、n1 が単位落差あたりの数値であることか
ら、落差も回転速度とともに上昇していることに起因す
る。すなわち、落差も点P付近で最大となる。
【0015】しかして、ガイドベーンの制御に伴う流水
量の変化は回転速度に大きな影響があり、回転速度変動
を適切に抑制しかつ流量変化を適切に抑えることが流水
路および放水路の水圧変動を抑えることにつながる。
【0016】本発明は、このような点に鑑み、負荷遮断
時の水撃現象を十分に抑制し、またそれに伴い主機の回
転速度上昇をも抑制することができるようにした水車の
ガイドベーン制御方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、発電運転
中に負荷遮断等で主機を緊急停止するような場合に、ガ
イドベーンを一旦閉方向に制御した後にそのガイドベー
ンを開方向に制御し、その後再び全閉または全閉付近の
開度まで上記ガイドベーンを閉制御することを特徴とす
る。
【0018】第2の発明は、第1の発明において、発電
運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止するような場合
に、まずガイドベーンを所定の速度V1 で閉方向に制御
し、次に上記速度V1以下の速度V2 で開方向に制御
し、さらに上記速度V2以下の速度V3 で全閉または全
閉付近の開度まで上記ガイドベーンを制御することを特
徴とする。
【0019】また、第3の発明は、第1の発明におい
て、発電運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止するよう
な場合に、ガイドベーンのサーボストロークまたはガイ
ドベーン開度を一旦90%以下まで閉方向に制御し、次
に上記サーボストロークまたはガイドベーン開度を10
%以上開方向に制御し、再び全閉または全閉付近まで閉
方向に制御することを特徴とする。
【0020】第4の発明は、第1の発明において、発電
運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止するような場合
に、まずガイドベーンのサーボストロークまたはガイド
ベーン開度を一旦90%以下まで所定の速度V1 で閉方
向に制御し、次に上記サーボストロークまたはガイドベ
ーン開度を10%以上だけ上記速度V1以下の速度V2
開方向に制御し、さらに上記速度V2以下の速度V3
全閉または全閉付近の開度まで上記サーボストロークま
たはガイドベーン開度を閉方向に制御することを特徴と
する。
【0021】第5の発明は、第1の発明において、発電
運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止するような場合
に、ガイドベーンを一旦閉方向に制御した後に、ガイド
ベーンを開方向と閉方向に交互に2回以上継続させて制
御し、その後再び全閉または全閉付近の開度まで上記ガ
イドベーンを閉方向に制御することを特徴とする。
【0022】さらに、第6の発明は、第1の発明におい
て、ガイドベーンを一旦閉方向に所定開度まで制御した
後に、所定時間だけその開度に保持し、その後ガイドベ
ーンを開方向に制御することを特徴とする。
【0023】第7の発明は、第1の発明において、ガイ
ドベーンを一旦閉方向に所定開度まで制御した後に開方
向に制御し、所定時間だけその開度を保持し、その後ガ
イドベーンを再び全閉または全閉付近まで閉方向に制御
することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図9を参照して本
発明の実施の形態について説明する。
【0025】図1は、分岐水路におけるフランシス形ポ
ンプ水車のガイドベーン制御方法の一例を概略的に示し
たブロック図であり、各フランシス形ポンプ水車のガイ
ドベーン7a,7bにはそれぞれ開度検出装置13a,
13bが付設されている。これらの開度検出装置13
a,13bは対応するガイドベーン7a,7bの開度を
検出し、検出した開度に応じた開度検出信号を発生し、
これらの開度検出信号がコントローラ14に入力され、
このコントローラ14から上記各開度検出信号に対応し
た制御信号が各ガイドベーン駆動装置8a,8bに入力
され、各ガイドベーン7a,7bの開度が制御される。
【0026】そこで、フランシス形ポンプ水車が発電運
転しているときにフランシス形ポンプ水車に負荷遮断が
発生すると、コントローラ14は負荷遮断に起因するガ
イドベーン閉指令を対応する駆動装置8aに入力し、こ
れによって駆動装置8aによりガイドベーン7aが閉方
向に制御される。
【0027】図2は、本発明の水車のガイドベーン制御
方法の一実施の形態と、そのときの流量変化と流水路水
圧の状態を示す線図であって、図2(a)に示すよう
に、負荷遮断が発生するとガイドベーンサーボストロー
クが小さくなるようにすなわちガイドベーンが一旦閉方
向に急速に制御される。その後ガイドベーンサーボスク
トロークが大きくなるようにすなわちガイドベーンが開
方向に制御され、その後再びガイドベーンサーボストロ
ークが減少されガイドベーンが全閉または全閉付近の開
度まで閉制御される。
【0028】すなわち、図2(e)は上記ガイドベーン
の制御に対応する流水路水圧の変化を示す図であって、
負荷遮断に応じてガイドベーンが急速に閉方向に制御さ
れ、流水路の水圧が或る目標の値まで上昇すると、ガイ
ドベーンが開方向に制御され時間当りの流量変化が減少
せしめられ、流水路水圧の上昇が抑えられる。水車に作
用する水の落差は流水路水圧と放水路水圧との差である
から、流水路水圧が低いと落差も小さくなり、落差が低
くなると、前述のように完全特性上、回転速度も低く抑
えられる。そこで、流水路水圧が最大値を通過した後、
ガイドベーンが再び閉方向に制御される。図2(b)は
上記制御時の流量変化を示す図であって、流量変化はガ
イドベーン開度の影響を受けるまでに時間的な遅れがあ
るため、ガイドベーン急閉鎖時の流量減少は負荷遮断直
後には緩やかである。
【0029】図3は、上記本発明の一実施の形態におけ
るガイドベーン制御方法の場合と、回転速度上昇を抑え
るためにガイドベーンを締め切り付近まで急閉鎖した場
合、および前記従来のガイドベーン閉鎖方式とを比較し
て示したもので、実線が本発明の一実施の形態によるガ
イドベーン制御方式を示し、一点鎖線が締め切り付近ま
でガイドベーンを急閉鎖した制御方法を示し、点線が従
来のガイドベーン閉鎖方式を示したものである。
【0030】この図から判るように、従来のガイドベー
ン閉鎖方法では、腰折れ開度Aでガイドベーンを緩閉鎖
制御することによって流量変化を抑えることができる
が、本発明では、上述のように腰折れ開度から一旦開方
向に制御することにより、時間当りの流量変化を顕著に
少なくさせることができる。したがって、これにより流
水路水圧上昇および回転速度上昇を低く抑えることがで
きる。
【0031】なお、この場合、負荷遮断発生後のガイド
ベーンの急速閉制御は、90%以下のサーボストローク
またはガイドベーン開度まで閉方向に制御し、その後1
00%以下のサーボストロークまたはガイドベーン開度
になるまで、10%以上開方向に制御することが好まし
い。
【0032】図4は本発明の他の実施の形態のガイドベ
ーン制御方法を示す図であり、最大出力で発電運転中に
負荷遮断が発生する点が図の左下に付した三角マークで
ある。
【0033】そこで負荷遮断が発生すると、ガイドベー
ンをまず所定の速度V1 (ストローク/時間)で閉方向
に制御する。その後、上記速度V1 より遅い速度V2
開方向に制御する。このとき、流入路水圧は上昇する
が、上記ガイドベーンの開方向の制御によって上昇量は
従来と比較して顕著に低くなる。その後、流水路水圧が
ピークに達した後、上記速度V2 より更に遅い速度V3
で閉方向に制御する。このガイドベーンの閉方向の速度
を徐々に遅くしてゆくことで、流量や水圧変化の如き現
象の急激な変化を防ぐことができる。尚、速度V1とV2
を、速度V2とV3をそれぞれ等速としても良い。
【0034】通常の水力発電所では、最大出力で発電運
転中でも、ガイドベーンは機械最大開度(ガイドベーン
開度またはサーボストローク100%)より小さい開度
で運転している。図5は、この通常使うことのないガイ
ドベーン開度を利用する例を示す図であり、この場合図
2および図4に示すものに比し、ガイドベーンを一旦閉
方向に制御した後、再び開方向に制御する場合に、発電
運転時よりもさらに大きく開ける。しかして、この場合
流量変化をさらに少なくして、流水路水圧および回転速
度を低く抑えることができる。
【0035】図6は、本発明の他の実施の形態を示す図
であって、負荷遮断が発生した場合に前述と同様にガイ
ドベーンが一旦閉方向に制御され、流水路水圧がある一
定点まで上昇すると、ガイドベーンが開方向に制御さ
れ、流水路水圧が別の一定点まで下降すると再び閉方向
に制御され、この開方向制御および閉方向制御が交互に
2回以上継続され、その後全閉または全閉付近の開度ま
で緩閉鎖が行われる。
【0036】図7は本発明のさらに他の実施の形態を示
す図であって、最大出力で発電運転中に負荷遮断で主機
を緊急停止する場合に、ガイドベーンを一旦閉方向に制
御して回転速度上昇をおさえた後、所定の時間だけ所定
のガイドベーンストロークまたはガイドベーン開度のま
ま保持し、その後ガイドベーンを開方向に制御し、しか
る後再び全閉まで閉方向に制御する。
【0037】上記所定のガイドベーンストロークまたは
ガイドベーン開度を保持することによって、その間のガ
イドベーンにかかる応力を抑えたり、ガイドベーン制御
の切り替えが正常動作せずに遅れた場合に対応すること
ができ、所定のガイドベーンサーボストロークを保持し
た後に開方向に制御することにより、流水路の水圧上昇
および水車の回転速度上昇を抑えることができる。
【0038】図8は本発明の他の実施の形態を示す図で
あって、最大出力で発電運転中に負荷遮断で主機を緊急
停止する場合に、ガイドベーンを閉方向に制御して回転
速度上昇を抑え、続いてガイドベーンを開方向に制御し
て流水路水圧上昇を抑えた後、所定の時間だけ所定のガ
イドベーンサーボストロークのまま保持し、流水路水圧
がピークに達した後再びガイドベーンを全閉または閉方
向に制御する。
【0039】しかして、このように所定時間だけガイド
ベーンサーボストロークを所定ストロークに保持するこ
とによって、流水路水圧がピークに達した後にガイドベ
ーンを閉方向に制御して流水路水圧のピーク値が上昇す
ることを確実に防止することができる。
【0040】ところで、上記各実施の態様においては、
最大出力で発電運転中に負荷遮断が発生し主機を緊急停
止する場合について説明したが、ガイドベーンサーボス
トロークまたはガイドベーン開度が50%以上の中間負
荷での発電運転中に主機を緊急停止する場合も全く同様
に行うことができる。
【0041】すなわち、図9において、点線は前述のよ
うに最大出力発電時における主機の緊急停止のためのガ
イドベーン開度制御方法を示し、実線は、中間負荷発電
状態からガイドベーンを全閉状態に制御するときの制御
方法の例を示す。
【0042】なお、上記各実施の態様ではフランシス形
ポンプ水車について説明したが、ガイドベーンを有する
他の形の水車にも適用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は発電運転
中に負荷遮断が発生した場合に、ガイドベーンを一旦閉
方向に制御した後に開方向に制御し、その後全閉または
全閉付近の開度になるまで閉方向に制御するようにした
ので、急激な流量変化を緩和することができ、水撃現象
の発生を十分に抑制し、且つ回転速度上昇をも十分抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポンプ水車のガイドベーン制御方法の一例を概
略的に示したブロック図。
【図2】本発明の一実施の形態のガイドベーン制御例と
流量変化および流水路水圧の状態を示すグラフ。
【図3】本発明の一実施の形態によるガイドベーン制御
方法と従来のガイドベーン制御方法における流水路水圧
および流量の変化の比較図。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す図。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態を示す図。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す図。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態を示す図。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す図。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す図。
【図10】一般的な水力発電所の水路系を示す図。
【図11】ガイドベーンを有する一般的なフランシス形
ポンプ水車の概略構成を示す図。
【図12】(a)〜(e)は従来のガイドベーンの閉鎖
制御における諸データの変化を示す図。
【図13】フランシス形ポンプ水車の完全特性を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
2 流水路 3 水力機械 4 放水路 6 ケーシング 7 ガイドベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 澤 孝 彦 東京都中央区銀座6−15−1 電源開発株 式会社内 (72)発明者 佐 川 朋 美 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 宇 藤 祐 悦 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 鈴 木 敏 暁 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 3H073 AA12 BB07 BB34 CC20 CD04 CD11 CE09 CE27 5H590 AA21 AB01 AB15 BB11 CA11 CE01 EA05 GA02 HA02 HA12 HA17 HA26 KK04 KK06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水車のガイドベーンを開閉するガイドベー
    ン制御方法において、発電運転中に負荷遮断等で主機を
    緊急停止するような場合に、ガイドベーンを一旦閉方向
    に制御した後にそのガイドベーンを開方向に制御し、そ
    の後再び全閉または全閉付近の開度まで上記ガイドベー
    ンを閉制御することを特徴とする、水車のガイドベーン
    制御方法。
  2. 【請求項2】発電運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止
    するような場合に、まずガイドベーンを所定の速度V1
    で閉方向に制御し、次に上記速度V1以下の速度V2
    開方向に制御し、さらに上記速度V2以下の速度V3
    全閉または全閉付近の開度まで上記ガイドベーンを制御
    することを特徴とする、請求項1記載の水車のガイドベ
    ーン制御方法。
  3. 【請求項3】発電運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止
    するような場合に、ガイドベーンのサーボストロークま
    たはガイドベーン開度を一旦90%以下まで閉方向に制
    御し、次に上記サーボストロークまたはガイドベーン開
    度を10%以上開方向に制御し、再び全閉または全閉付
    近まで閉方向に制御することを特徴とする、請求項1記
    載の水車のガイドベーン制御方法。
  4. 【請求項4】発電運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止
    するような場合に、まずガイドベーンのサーボストロー
    クまたはガイドベーン開度を一旦90%以下まで所定の
    速度V1 で閉方向に制御し、次に上記サーボストローク
    またはガイドベーン開度を10%以上だけ上記速度V1
    以下の速度V2 で開方向に制御し、さらに上記速度V2
    以下の速度V3 で全閉または全閉付近の開度まで上記サ
    ーボストロークまたはガイドベーン開度を閉方向に制御
    することを特徴とする、請求項1記載の水車のガイドベ
    ーン制御方法。
  5. 【請求項5】発電運転中に負荷遮断等で主機を緊急停止
    するような場合に、ガイドベーンを一旦閉方向に制御し
    た後に、ガイドベーンを開方向と閉方向に交互に2回以
    上継続させて制御し、その後再び全閉または全閉付近の
    開度まで上記ガイドベーンを閉方向に制御することを特
    徴とする、請求項1記載の水車のガイドベーン制御方
    法。
  6. 【請求項6】ガイドベーンを一旦閉方向に所定開度まで
    制御した後に、所定時間だけその開度に保持し、その後
    ガイドベーンを開方向に制御することを特徴とする、請
    求項1記載の水車のガイドベーン制御方法。
  7. 【請求項7】ガイドベーンを一旦閉方向に所定開度まで
    制御した後に開方向に制御し、所定時間だけその開度を
    保持し、その後ガイドベーンを再び全閉または全閉付近
    まで閉方向に制御することを特徴とする、請求項1記載
    の水車のガイドベーン制御方法。
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