JPH0718380U - ２芯ケーブル用アダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２芯ケーブルの一端に簡単に接続可能な２芯
ケーブル用ＢＮＣコネクタを提供すること。 【構成】 共通ジャケット36内に２本のツイストペアワ
イヤ32、34を有する２芯ツイストペアケーブル30の一端
を端末処理する。ヒンジ21にて半円柱状の１対の半体22
a 、22b に中心溝25及び分岐溝26を形成したインサート
20を使用する。このインサート20の中心溝25の一方のワ
イヤ32に中心コンタクトを接続して配置し、分岐溝26に
他方のワイヤ34を配置してその導体38を外部に露出させ
インサート副組立体を得る。このインサート副組立体を
ＢＮＣコネクタ10の金属シェル12内に挿入して外部フェ
ルール13と共にかしめ、導体38を金属シェル12に接続す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気コネクタ、特にツイストペア等の２芯ケーブルをＢＮＣ型標準コ ネクタに接続するアダプタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

２本の絶縁ワイヤを相互に撚り合わせて絶縁ジャケットに収めたいわゆるツイ ストペアケーブルは音声信号等の比較的低周波の信号を伝送する為に電話等の通 信機器に広く使用されている。斯るツイストペアケーブルの接続にはパッチコネ クタと称されるコネクタにより行われるのが一般的である。

【０００３】 他方、一般には50Ωである同軸ケーブル、即ち誘電体層を介して同心状に配置 された中心信号導体と編組線状の外部接地導体とを外部絶縁ジャケットに収めた ケーブルはＢＮＣ型と称される同軸状の標準コネクタにより接続されるのが一般 的である。この同軸ケーブルは中心信号導体外周を接地外部導体で包囲するので 、外部からの又は外部への雑音（ノイズ）が最小であり且つ全長にわたり特性イ ンピーダンスが一定であるので、高周波且つ広帯域の信号を最小歪で効率良く伝 送できる。従って、ＢＮＣコネクタと共に高周波の電子計測器等に広く採用され ている。

【０００４】 ＢＮＣコネクタは端末処理された同軸ケーブルに接続される。即ち、同軸ケー ブルの一端の外部絶縁ジャケットを切除して外部導体である編組線を所定長露出 する。この露出した外部導体及びその内側の内部誘電体層を先端から所定長切除 して一般には単線である中心信号導体を露出する。この中心信号導体に針状の中 心コンタクトを半田付又はかしめにより接続する。この中心コンタクトをＢＮＣ コネクタの金属シェル内の絶縁ハウジングの中空部に挿入する。同軸ケーブルの 外部導体とＢＮＣコネクタの金属シェルとの接続は、金属シェルの筒状部を直接 又は導電性フェルールを介して同軸ケーブルの露出された外部導体にかしめ（圧 着）することにより行うのが一般的である。金属シェルの筒状部は一般に六角形 その他の多角形状にかしめられている。また、金属シェルの嵌合端（前端）には 一般には座金状のばねを介してバヨネット式取付金具が回転的に固定されている 。

【０００５】

【本考案の解決課題】

このようなＢＮＣコネクタは同軸ケーブルに接続するには好適であり、専用工 具を用いて比較的簡単に組立製造することが可能である。例えば、一端にパッチ コネクタが接続されている前述したツイストケーブルの他端にＢＮＣコネクタを 接続して、ＢＮＣコネクタとツイストケーブル等の２芯ケーブルを接続したい場 合がある。しかし、上述の如く、ＢＮＣコネクタは同軸状に構成されているので 、２芯ケーブルと接続することは極めて困難である。特に、２芯ケーブルの１本 をＢＮＣコネクタの金属シェルに安定的に接続するのは困難である。

【０００６】 従って、本考案の目的は２芯ケーブルをＢＮＣコネクタに簡単且つ安定的に接 続可能にする２芯ケーブルとＢＮＣコネクタとの変換アダプタを提供することで ある。

【０００７】

【課題解決の為の手段及び作用】

上述した目的を達成する為に、本考案の２芯ケーブル用アダプタによると、Ｂ ＮＣコネクタの後端から金属シェル内に挿入されるヒンジ結合された一体モール ドの絶縁インサートを使用する。この絶縁インサートにはヒンジを中心に対称に 形成された平行溝と、この平行溝から外縁に分岐するよう形成された分岐溝とを 有する。ヒンジを中心にインサート半体を重ね合わせると、絶縁インサートの平 行溝は中心軸に沿う中心中空部と、この中心中空部より外縁へ導かれる分岐部と を構成する。この絶縁インサート中心中空部及び分岐部に、外側ジャケットが切 除された２芯ケーブルの絶縁ワイヤを配置する。中心中空部に配置されるワイヤ の先端にはＢＮＣコネクタの中心コンタクトを例えば半田付けにより接続する。 勿論両ワイヤの先端部の絶縁被覆は予め切除して所定長の導体が露出する端末処 理を行う。分岐部に配置されたワイヤは絶縁インサートの外部に少なくとも導体 が延出するのが好ましい。

【０００８】 斯る状態で端末処理された２芯ケーブルを装着した絶縁インサート副組立体を ＢＮＣコネクタの背面からＢＮＣコネクタの金属シェル内に挿入する。分岐部か ら外面に露出するワイヤの導体に金属シェルの筒状部を従来と同様に従来の工具 を用いてかしめる（圧着する）ことにより、本考案のアダプタが得られる。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図を参照して本考案の２芯ケーブル用アダプタ（以下単にアダプタ という）の実施例を詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案のアダプタの好適一実施例を一部断面で示す正面図である。図２ は図１のアダプタに使用する絶縁インサート（又はスペーサ）の展開平面図であ る。

【００１１】 本考案の好適一実施例のアダプタＡは、周知のＢＮＣコネクタ10及び絶縁イン サート20を有する。このアダプタＡは２芯ツイストペアケーブル（以下ケーブル という）30の一端に接続され、他端には例えば周知のパッチコネクタ40が接続さ れる。ケーブル30は夫々絶縁被覆で絶縁された２本のワイヤ32、34が相互に一定 ピッチでツイストされ、その外側をスリーブ状絶縁体（又はジャケット）36で被 覆して１本のケーブルとしている。尚、簡単の為に図１中には２本のワイヤ32、 34のツイスト状態は示されず、単に平行状態で図示している。

【００１２】 ＢＮＣコネクタ10は周知の如く、好ましくは機械加工により形成された外部金 属シェル12、その工具に被冠される導電性金属製外部フェルール13、シェル12の 前部に回転的に被冠されると共にバヨネット結合ボス用ガイド溝16が形成されれ ている回転体15を有する。この回転体15とシェル12とはワッシャ板ばね17により 軸方向に一定範囲内で移動可能に構成されている。回転体15の外周面には、軸と 平行方向に多数の溝又は凹凸が形成され、回転操作の便に供している。

【００１３】 次に、上述した従来のＢＮＣコネクタ10にケーブル30の２本のワイヤ32、34を 接続するアダプタＡの構成を説明する。シェル12の後部には比較的小径の内部フ ェルールが形成され、その中空部にインサート20を挿入固定する。

【００１４】 インサート20は、図２に示す如き構成を有する。即ち、中心が比較的薄いヒン ジ（又はウェブ）21で連結された上下対称の、好ましくは絶縁プラスチック材料 のモールドにより一体形成された１対の半体より成る。このインサート20の各半 体、即ち上部分22a と下部分22b には後方部に比較的大径の半円柱状部（大径部 )23 と前方部に比較的小径の半円柱状部（小径部）24を有する。上下部22a 、22 b 共に、中心には軸方向に沿う中心溝25が大径部23から小径部24に延びる全長に わたり形成されている。また、大径部23には、この中心溝25から外面まで斜めに 延びる分岐溝26が形成されている。

【００１５】 図２に示す如く、インサート20の上下部分22a 、22b は中心溝25及び分岐溝26 を含めてヒンジ21を中心に上下対称に形成されている。従って、ヒンジ21を中心 に上下部分22a 、22b を重ね合わせると、断面略円形の中心溝25及び分岐溝26を 有する大径及び小径の同軸状の筒状インサート20が形成される。中心溝25はイン サート20の前端から後端まで貫通し、分岐溝26は大径部23の後端中心部から前端 付近の外面に貫通する。

【００１６】 アダプタＡを製造するには、インサート20に端末処理されたケーブル30の一端 を配置してインサート副組立体を形成し、これをＢＮＣコネクタ10の後端からシ ェル12に挿入する。先ず、ケーブル30の一端から所定長のジャケット36を切除す る。露出した一本のワイヤ（例えば32）の先端の絶縁被覆をストリップして露出 した導体に中心コンタクト（図示せず）を例えば半田付により接続する。他方の ワイヤ（例えば34）の先端も同様に絶縁被覆をストリップして所定長の導体38を 露出する。

【００１７】 次に、一方のワイヤ32をインサート20の例えば上部分22a の中心溝25内に、中 心コンタクトの先端の接触部が小径部25の前端から突出するよう配置する。また 、他方のワイヤ34をインサート20の分岐溝26に配置して、ワイヤ34の露出された 導体38がインサート20の大径部23の外方へ突出するようにする。この状態で下部 分22b を上部分22a にヒンジ21を中心に折重ねて前述した大小同軸柱状のインサ ート副組立体を得る。このインサート副組立体の小径部の外周に好ましくはリン グ状の導体カバー14を被冠する。

【００１８】 最後に、インサート副組立体をＢＮＣコネクタ10のシェル12の後端から中空部 に挿入する。この状態で、図１の縦断面図から理解される如く、ワイヤ34の先端 の露出された導体38はシェル12の内部フェルールと筒状外部フェルール13間に間 挿される。更に、外部フェルール13の外部を圧着工具を用いてかしめることによ り、前述の導体38をシェル12に電気的に接続すると共に外部フェルール13と金属 シェル12を機械的に結合する。これにより、ＢＮＣコネクタ10とケーブル30の２ 本のワイヤ32、34を電気的且つ機械的に接続してアダプタＡを完成する。

【００１９】 尚、中心コンタクトは周知の手段によりインサート20の中心溝25に固定され軸 方向への移動を阻止する。また、ケーブル30の他端のパッチコネクタ40は周知の 構成であるので、詳細説明は省略する。簡単に説明すると、一体モールドされた ハウジング41を有し、その前端中央の突出部42の上下面に露出する弾性コンタク ト43、44にケーブル30の２本のワイヤ32、34のストリップされた導体が夫々接続 される。ハウジング41は更に一側にシーソー状のラッチアーム45を有し、他側に はガイド用突起46を有する。

【００２０】 以上、本考案の２芯ケーブル用アダプタの好適実施例を図面を参照して説明し た。しかし、本考案は斯る実施例のみに限定するべきではなく、用途に応じて種 々の変更が可能である。例えばＢＮＣコネクタの外部フェルールをシェルと一体 に形成し、内部フェルールはインサートの小径部にケーブルのワイヤの露出導体 と一体に被冠してインサート副組立体を構成するようにしてもよい。このような 内部フェルール付きインサート副組立体をＢＮＣコネクタの外部フェルール内に 挿入して圧着する。また、必要に応じて２芯ケーブルの両端共に上述したＢＮＣ コネクタとしてもよい。

【００２１】

【考案の効果】

本考案のアダプタによると、２芯ツイストペアケーブルの一端に絶縁インサー トを介してＢＮＣコネクタに挿入圧着して２本のワイヤを中心コンタクト及び外 部金属シェルに接続可能であるので、２芯ツイストペアケーブルをＢＮＣコネク タに接続するアダプタが簡単な構成で安価に実現できる。また、２芯ケーブルの 両端のコネクタをパッチコネクタのみならず、パッチコネクタとＢＮＣコネクタ 、ＢＮＣコネクタ同士と種々の組合せが選択可能であるので接続形態の多様性が 実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の２芯ケーブル用アダプタの好適一実施
例の平面図。

【図２】図１の２芯ケーブル用アダプタに使用するイン
サートの展開図。

【符号の説明】

Ａ アダプタ 10 ＢＮＣコネクタ 12 金属シェル 13 外部フェルール 20 インサート 21 ヒンジ 22a 、22b インサート半体 25 中心溝 26 分岐溝 30 ２芯ケーブル 32、34 ワイヤ 38 導体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２本の絶縁ワイヤを有する２芯ケーブル
   の一端に接続されるコネクタであって、 夫々ヒンジで連結され、対称位置に中心溝及び分岐溝が
   形成された１対の略半円柱状の半体を有する絶縁性イン
   サートを用い、 前記２芯ケーブルの一方のワイヤ端部に中心コンタクト
   を接続して前記インサートの中心溝に配置し、他方のワ
   イヤ端部の導体を前記分岐溝から外部へ露出させてイン
   サート副組立体とし、 該インサート副組立体をＢＮＣコネクタの金属シェル内
   に挿入して外部フェルールを圧着して前記他方のワイヤ
   の導体と前記金属シェルを接続してなる２芯ケーブル用
   アダプタ。