JPH07182986A - カラー受像管 - Google Patents
カラー受像管Info
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- JPH07182986A JPH07182986A JP32487593A JP32487593A JPH07182986A JP H07182986 A JPH07182986 A JP H07182986A JP 32487593 A JP32487593 A JP 32487593A JP 32487593 A JP32487593 A JP 32487593A JP H07182986 A JPH07182986 A JP H07182986A
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- Japan
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- shadow mask
- coating
- electron beam
- picture tube
- mask
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シャドウマスクの熱膨張に起因するピュリテ
ィ・ドリフトの防止を目的とする。 【構成】 シャドウマスク7の電子銃側面に、三酸化タ
ングステンを主成分とする酸化タングステンからなる被
膜20をイソプロピルアルコールを溶媒としたエチルシリ
ケートをバインダーとして塗布形成する。
ィ・ドリフトの防止を目的とする。 【構成】 シャドウマスク7の電子銃側面に、三酸化タ
ングステンを主成分とする酸化タングステンからなる被
膜20をイソプロピルアルコールを溶媒としたエチルシリ
ケートをバインダーとして塗布形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー受像管に関し、
特にシャドウマスクの熱膨張による蛍光体の発光の色ず
れを防止したカラー受像管に関するものである。
特にシャドウマスクの熱膨張による蛍光体の発光の色ず
れを防止したカラー受像管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管のシャドウマスクは、多数
の開孔を有しており、電子銃から射出された電子ビーム
をシャドウマスクの開孔と幾何学的に一対一の関係にあ
る蛍光体層のみに射突するように通過させる機能を有す
るもので、別名色選別電極と呼ばれている。このシャド
ウマスクは、開孔形状で大別すると丸形孔と矩形孔の2
種類があるが、文字や図形を詳細に表示するディスプレ
ー管用としては丸形孔、一般家庭で使われている民生用
としては矩形孔が一般的である。
の開孔を有しており、電子銃から射出された電子ビーム
をシャドウマスクの開孔と幾何学的に一対一の関係にあ
る蛍光体層のみに射突するように通過させる機能を有す
るもので、別名色選別電極と呼ばれている。このシャド
ウマスクは、開孔形状で大別すると丸形孔と矩形孔の2
種類があるが、文字や図形を詳細に表示するディスプレ
ー管用としては丸形孔、一般家庭で使われている民生用
としては矩形孔が一般的である。
【0003】通常、カラー受像管を動作させた場合、電
子銃から射出された全電子ビームの内、シャドウマスク
の開孔を通過して蛍光面に到達するのは全体の15乃至
20%程度であり、残りの80乃至85%はシャドウマ
スクに射突する。この結果、電子ビームの運動エネルギ
ーは熱エネルギーに変換されシャドウマスクは80℃程
度まで加熱される。一般的に、シャドウマスクに用いら
れている素材は0.1乃至0.3mmの板厚を有する鉄の
冷間圧延材で、その熱膨張係数は20乃至100℃で1
2×10-6/℃であり、上記加熱によりシャドウマスク
はいわゆるドーミングと呼ばれる熱膨張を起こす。この
ような熱膨張によりシャドウマスク開孔と蛍光体層の幾
何学的位置ズレが起こり、開孔を通過した電子ビームが
所望の蛍光体層に全て射突せず、一部が他色の蛍光体層
に射突して色純度劣化を生ずるようになる。
子銃から射出された全電子ビームの内、シャドウマスク
の開孔を通過して蛍光面に到達するのは全体の15乃至
20%程度であり、残りの80乃至85%はシャドウマ
スクに射突する。この結果、電子ビームの運動エネルギ
ーは熱エネルギーに変換されシャドウマスクは80℃程
度まで加熱される。一般的に、シャドウマスクに用いら
れている素材は0.1乃至0.3mmの板厚を有する鉄の
冷間圧延材で、その熱膨張係数は20乃至100℃で1
2×10-6/℃であり、上記加熱によりシャドウマスク
はいわゆるドーミングと呼ばれる熱膨張を起こす。この
ような熱膨張によりシャドウマスク開孔と蛍光体層の幾
何学的位置ズレが起こり、開孔を通過した電子ビームが
所望の蛍光体層に全て射突せず、一部が他色の蛍光体層
に射突して色純度劣化を生ずるようになる。
【0004】昨今、人間工学的な見地から外光反射が少
なく画像の歪が少ない平坦な画面を有するFS(Flat S
quare )管の割合が増えているが、FS管はプレス成形
後のシャドウマスクの曲率半径が大きく、従来のシャド
ウマスクと同じ量だけ熱膨張にてマスクがドーミングを
生じてもシャドウマスクの幾何学的位置ズレ量は大きく
色純度劣化の程度は従来管に比較して大きくなる。
なく画像の歪が少ない平坦な画面を有するFS(Flat S
quare )管の割合が増えているが、FS管はプレス成形
後のシャドウマスクの曲率半径が大きく、従来のシャド
ウマスクと同じ量だけ熱膨張にてマスクがドーミングを
生じてもシャドウマスクの幾何学的位置ズレ量は大きく
色純度劣化の程度は従来管に比較して大きくなる。
【0005】このようにドーミングによる色純度劣化の
激しいカラー受像管には、熱膨張係数が鉄の約1/10
の鉄−ニッケル合金アンバー材をシャドウマスク材とし
て使用することが、特公昭42−25446号公報等で
提案されている。しかし、アンバー材は素材価格やアニ
ール後の降伏点強度が高くマスク成形歩留まりが悪いこ
となどにより、鉄マスクを使用したカラー受像管に比較
して価格が非常に高価になってしまう。
激しいカラー受像管には、熱膨張係数が鉄の約1/10
の鉄−ニッケル合金アンバー材をシャドウマスク材とし
て使用することが、特公昭42−25446号公報等で
提案されている。しかし、アンバー材は素材価格やアニ
ール後の降伏点強度が高くマスク成形歩留まりが悪いこ
となどにより、鉄マスクを使用したカラー受像管に比較
して価格が非常に高価になってしまう。
【0006】そこで、シャドウマスクに被膜を形成して
この被膜の働きによりドーミングによる色純度劣化を抑
制することが従来提案されている。第1の方法は、特開
昭60−54139号で提案されているような、シャド
ウマスクの表面に鉛ほう酸塩の結晶化ガラスを塗布し、
高温加熱処理にて溶融接合することによりドーミングを
抑制する方法である。この方法では、ガラス層に有害物
質である鉛が含有されているため、作業環境や環境対策
の面から取扱い上注意が必要となる。
この被膜の働きによりドーミングによる色純度劣化を抑
制することが従来提案されている。第1の方法は、特開
昭60−54139号で提案されているような、シャド
ウマスクの表面に鉛ほう酸塩の結晶化ガラスを塗布し、
高温加熱処理にて溶融接合することによりドーミングを
抑制する方法である。この方法では、ガラス層に有害物
質である鉛が含有されているため、作業環境や環境対策
の面から取扱い上注意が必要となる。
【0007】第2の方法は、特公昭60−14459号
公報で提案されているような、原子番号が70を越える
重金属物質の粒子を含む塗液をシャドウマスクの電子ビ
ーム入射側面に吹き付け塗布し、電子ビーム反射性の被
膜を被着形成する方法である。そして、酸化ビスマスな
どの重金属微粒子を含む水溶性懸濁液をシャドウマスク
の電子ビーム入射側面に吹き付け塗布することが有効で
あるとされている。しかし、シャドウマスクのドーミン
グによる色純度劣化を防止する効果は、酸化ビスマスな
どの単一要素に依るだけであり、電子ビーム反射性の被
膜を有しないシャドウマスクの場合に比べてその効果が
十分でない。
公報で提案されているような、原子番号が70を越える
重金属物質の粒子を含む塗液をシャドウマスクの電子ビ
ーム入射側面に吹き付け塗布し、電子ビーム反射性の被
膜を被着形成する方法である。そして、酸化ビスマスな
どの重金属微粒子を含む水溶性懸濁液をシャドウマスク
の電子ビーム入射側面に吹き付け塗布することが有効で
あるとされている。しかし、シャドウマスクのドーミン
グによる色純度劣化を防止する効果は、酸化ビスマスな
どの単一要素に依るだけであり、電子ビーム反射性の被
膜を有しないシャドウマスクの場合に比べてその効果が
十分でない。
【0008】第3の方法は、上述の電子ビーム反射以外
に熱伝導や熱輻射効率を高めることによりマスクドーミ
ングを抑制する方法であり、特開平4−48530号公
報では酸化ビスマス、タングステン粒子、部分黒鉛化炭
素粒子を水ガラスと混ぜ、シャドウマスクの電子ビーム
入射側面に複合的な被膜を形成する方法が提案されてい
る。この方法では目的の色純度劣化防止効果は比較的良
好であるが、原材料の粒径が大きいためボールミルにて
平均粒径が約2ミクロンになるまで粉砕撹拌するが、均
一粉砕は難しくシャープな粒度分布にすることが困難で
ある。したがって、マスク開孔の形状崩れやマスク孔詰
まりを防止するため、被着形成層は3ミクロン程度の厚
みに制御するが、粒度分布がシャープでなく且つ比重の
異なる物質を混合した液のため均一に混じり合わせた状
態でスプレーできず、シャドウマスクの被覆を塗膜液に
て完全に行うことは困難である。
に熱伝導や熱輻射効率を高めることによりマスクドーミ
ングを抑制する方法であり、特開平4−48530号公
報では酸化ビスマス、タングステン粒子、部分黒鉛化炭
素粒子を水ガラスと混ぜ、シャドウマスクの電子ビーム
入射側面に複合的な被膜を形成する方法が提案されてい
る。この方法では目的の色純度劣化防止効果は比較的良
好であるが、原材料の粒径が大きいためボールミルにて
平均粒径が約2ミクロンになるまで粉砕撹拌するが、均
一粉砕は難しくシャープな粒度分布にすることが困難で
ある。したがって、マスク開孔の形状崩れやマスク孔詰
まりを防止するため、被着形成層は3ミクロン程度の厚
みに制御するが、粒度分布がシャープでなく且つ比重の
異なる物質を混合した液のため均一に混じり合わせた状
態でスプレーできず、シャドウマスクの被覆を塗膜液に
て完全に行うことは困難である。
【0009】また、第4の方法として、非晶質の金属酸
化物等をバインダーとして用い、原子番号の小さい金属
を含有する層を形成して、熱輻射率向上と帯電による電
子ビーム軌道の静電補正により色純度劣化を防止する方
法が特開昭62−110240号公報に示されている。
化物等をバインダーとして用い、原子番号の小さい金属
を含有する層を形成して、熱輻射率向上と帯電による電
子ビーム軌道の静電補正により色純度劣化を防止する方
法が特開昭62−110240号公報に示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた通り、従
来、シャドウマスクのドーミングによる色純度劣化を防
止する手段として、シャドウマスク表面に電子ビーム反
射被膜や熱伝導又は熱放射の良い被膜を形成することが
行われている。しかし、上述の手段においては、十分な
色純度劣化防止効果及び付着力を備えていない等の問題
がある。
来、シャドウマスクのドーミングによる色純度劣化を防
止する手段として、シャドウマスク表面に電子ビーム反
射被膜や熱伝導又は熱放射の良い被膜を形成することが
行われている。しかし、上述の手段においては、十分な
色純度劣化防止効果及び付着力を備えていない等の問題
がある。
【0011】つまり、シャドウマスクの表面に酸化ビス
マスやタングステン粒子等と水ガラスよりなる被膜を形
成する場合、均一な被覆は困難で、被覆部にピンホール
部分が生ずると製造工程中で赤錆が発生し、その錆が進
行して被覆物が脱落し耐圧不良を発生しやすくなる。ま
た、金属粒子は熱処理にて溶融しないため、分散不良に
てマスク開孔部に塊の状態で被着したものは固定された
状態のままになり、蛍光面形成時に欠陥の原因となる。
さらに、被着形成された膜は複合的な状態であるが、そ
の構造を均一にすることは不可能で局部的にはばらつき
を生じ、ドーミング抑制効果も局部的に変化する。
マスやタングステン粒子等と水ガラスよりなる被膜を形
成する場合、均一な被覆は困難で、被覆部にピンホール
部分が生ずると製造工程中で赤錆が発生し、その錆が進
行して被覆物が脱落し耐圧不良を発生しやすくなる。ま
た、金属粒子は熱処理にて溶融しないため、分散不良に
てマスク開孔部に塊の状態で被着したものは固定された
状態のままになり、蛍光面形成時に欠陥の原因となる。
さらに、被着形成された膜は複合的な状態であるが、そ
の構造を均一にすることは不可能で局部的にはばらつき
を生じ、ドーミング抑制効果も局部的に変化する。
【0012】また、タングステン粒子は三酸化タングス
テンに比較して熱放射率はよいが、酸化開始温度が27
0乃至310℃程度のためカラー受像管製造工程中の黒
色酸化膜形成工程、パネルとファンネルとの封着工程、
排気工程などの熱処理工程を通過する際に酸化される。
これらの熱処理工程は大気雰囲気中であるが、特開平4
−48530号公報にて提案の二酸化炭素を主成分とす
る酸化性ガス雰囲気中であっても程度の差こそあれ酸化
は進行する。熱処理の結果として、無機バインダー層を
拡散浸透してきた酸素分子を含むガスが成膜した無機バ
インダー層を劣化させ、熱処理前のマスク表面に強固に
結着した黒色のタングステン粒子層状態から、手で擦る
と容易に脱落する酸化タングステン粒子が混在した層状
態になる。従って、カラー受像管製造工程を搬送する中
で生成した酸化タングステン粒子が脱落しやすく、耐圧
不良の発生割合が増加するため、タングステン粒子の採
用は実用上問題がある。
テンに比較して熱放射率はよいが、酸化開始温度が27
0乃至310℃程度のためカラー受像管製造工程中の黒
色酸化膜形成工程、パネルとファンネルとの封着工程、
排気工程などの熱処理工程を通過する際に酸化される。
これらの熱処理工程は大気雰囲気中であるが、特開平4
−48530号公報にて提案の二酸化炭素を主成分とす
る酸化性ガス雰囲気中であっても程度の差こそあれ酸化
は進行する。熱処理の結果として、無機バインダー層を
拡散浸透してきた酸素分子を含むガスが成膜した無機バ
インダー層を劣化させ、熱処理前のマスク表面に強固に
結着した黒色のタングステン粒子層状態から、手で擦る
と容易に脱落する酸化タングステン粒子が混在した層状
態になる。従って、カラー受像管製造工程を搬送する中
で生成した酸化タングステン粒子が脱落しやすく、耐圧
不良の発生割合が増加するため、タングステン粒子の採
用は実用上問題がある。
【0013】さらに、Na2 OやK2 OとSiO2 の混
合物である水ガラスをバインダーとして用いた場合は、
空気中の二酸化炭素を吸収して炭酸塩を生ずる。この炭
酸塩は製造工程中の熱エネルギーにより分解して二酸化
炭素を放出する。よって、水ガラスを用いると二酸化炭
素によりカソードが被毒されてエミッション不良にな
る。
合物である水ガラスをバインダーとして用いた場合は、
空気中の二酸化炭素を吸収して炭酸塩を生ずる。この炭
酸塩は製造工程中の熱エネルギーにより分解して二酸化
炭素を放出する。よって、水ガラスを用いると二酸化炭
素によりカソードが被毒されてエミッション不良にな
る。
【0014】本発明は、上述のような問題点に鑑み、カ
ソードのエミッション不良を起こすことなく、シャドウ
マスクの表面に均一な無機材料よりなる層を形成し、電
子ビームの射突による発熱に伴う熱膨張を緩和して色純
度劣化を防止するカラー受像管を提供することを目的と
する。
ソードのエミッション不良を起こすことなく、シャドウ
マスクの表面に均一な無機材料よりなる層を形成し、電
子ビームの射突による発熱に伴う熱膨張を緩和して色純
度劣化を防止するカラー受像管を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
みてなされたものであり、外囲器のパネル内面に形成さ
れた蛍光面に近接対向して配置されるとともに電子銃か
ら射出される電子ビームを通過させる多数の開孔を有す
るシャドウマスクを備え、このシャドウマスクの電子ビ
ーム入射側面に被膜を有するカラー受像管において、前
記被膜が、三酸化タングステンを主成分とする酸化タン
グステンと変性アルキルシリケートの無機バインダーと
からなる懸濁液を塗布焼成して形成されたものであるこ
とを特徴とするカラー受像管である。
みてなされたものであり、外囲器のパネル内面に形成さ
れた蛍光面に近接対向して配置されるとともに電子銃か
ら射出される電子ビームを通過させる多数の開孔を有す
るシャドウマスクを備え、このシャドウマスクの電子ビ
ーム入射側面に被膜を有するカラー受像管において、前
記被膜が、三酸化タングステンを主成分とする酸化タン
グステンと変性アルキルシリケートの無機バインダーと
からなる懸濁液を塗布焼成して形成されたものであるこ
とを特徴とするカラー受像管である。
【0016】さらに、前記被膜の膜厚が5乃至15μm
で空隙率が0.4%以下であることを特徴とするもので
あり、また、前記開孔の内壁部には前記被膜が形成され
ていないか若しくは開孔間の非開孔部に比して膜厚が小
さいことを特徴とする。
で空隙率が0.4%以下であることを特徴とするもので
あり、また、前記開孔の内壁部には前記被膜が形成され
ていないか若しくは開孔間の非開孔部に比して膜厚が小
さいことを特徴とする。
【0017】
【作用】酸化タングステンの粒子は粒径1ミクロン以下
の球状の微細粉末で、僅かな量で稠密構造をとることが
可能である。従って、シャドウマスクの電子ビーム通過
孔の形状に影響を与えることなくマスク表面を覆うこと
が可能となる。また、完全黒体の熱放射率を1とする
と、酸化ビスマスは0.8乃至0.85、タングステン
は0.95乃至0.98、三酸化タングステンは0.9
2乃至0.95である。つまり、三酸化タングステンを
主成分とする酸化タングステン粒子にて形成した被膜の
熱放射率は、タングステン粒子の塗膜に比較してほぼ同
等で、四三酸化鉄や酸化ビスマスよりは優れている。さ
らに、高い電子ビーム反射能力も有する。
の球状の微細粉末で、僅かな量で稠密構造をとることが
可能である。従って、シャドウマスクの電子ビーム通過
孔の形状に影響を与えることなくマスク表面を覆うこと
が可能となる。また、完全黒体の熱放射率を1とする
と、酸化ビスマスは0.8乃至0.85、タングステン
は0.95乃至0.98、三酸化タングステンは0.9
2乃至0.95である。つまり、三酸化タングステンを
主成分とする酸化タングステン粒子にて形成した被膜の
熱放射率は、タングステン粒子の塗膜に比較してほぼ同
等で、四三酸化鉄や酸化ビスマスよりは優れている。さ
らに、高い電子ビーム反射能力も有する。
【0018】また、塗膜自体電子ビームの射突によって
表面に電荷が溜まり静電界を形成し、電子ビームはピュ
リティドリフトを補正する方向に曲げられる。さらに無
機バインダーにアルカリ金属を含まない変性アルキルシ
リケートを使用しているため製造工程中の熱により二酸
化炭素が放出されることはほとんどなく、水素の放出が
少量あるが水素は還元ガスであるため、エミッションの
寿命を長くする効果がある。
表面に電荷が溜まり静電界を形成し、電子ビームはピュ
リティドリフトを補正する方向に曲げられる。さらに無
機バインダーにアルカリ金属を含まない変性アルキルシ
リケートを使用しているため製造工程中の熱により二酸
化炭素が放出されることはほとんどなく、水素の放出が
少量あるが水素は還元ガスであるため、エミッションの
寿命を長くする効果がある。
【0019】このように、三酸化タングステンを主成分
とする酸化タングステン粒子にてシャドウマスク表面に
被膜を形成すると、シャドウマスクの温度上昇が大幅に
抑制され、且つ被膜の表面に形成された静電界にて電子
ビーム軌道を補正することにより、シャドウマスク方式
カラー受像管のマスク熱膨張に起因するピュリティード
リフトが著しく改善される。
とする酸化タングステン粒子にてシャドウマスク表面に
被膜を形成すると、シャドウマスクの温度上昇が大幅に
抑制され、且つ被膜の表面に形成された静電界にて電子
ビーム軌道を補正することにより、シャドウマスク方式
カラー受像管のマスク熱膨張に起因するピュリティード
リフトが著しく改善される。
【0020】なお、シャドウマスクの電子銃側に被膜を
塗布形成するに当たって、金属粒子はカラー受像管の製
造工程で加わる温度では溶融しないためマスクの開孔部
縁の直線性を劣化させるか、孔の一部を塞ぐ欠陥が生じ
る虞が高い。そこで、三酸化タングステンを主成分とす
る酸化タングステンの層をシャドウマスクの電子銃側表
面に比べ開孔部周縁にはその層を形成しないか薄くする
ことにより、十分な色純度抑制特性を有したまま、開孔
縁切れ不良による蛍光面品位劣化及びマスク開孔詰りに
起因する蛍光面欠点発生を防ぐことができる。
塗布形成するに当たって、金属粒子はカラー受像管の製
造工程で加わる温度では溶融しないためマスクの開孔部
縁の直線性を劣化させるか、孔の一部を塞ぐ欠陥が生じ
る虞が高い。そこで、三酸化タングステンを主成分とす
る酸化タングステンの層をシャドウマスクの電子銃側表
面に比べ開孔部周縁にはその層を形成しないか薄くする
ことにより、十分な色純度抑制特性を有したまま、開孔
縁切れ不良による蛍光面品位劣化及びマスク開孔詰りに
起因する蛍光面欠点発生を防ぐことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。図1に示すように、カラー受像管は一般的
に、矩形状のパネル1と漏斗状のファンネル2とネック
3とから構成されている。パネル1の内面には、赤、
緑、青に各々発光する蛍光体層4がストライプ状に形成
されており、ネック3にはパネル1の水平軸に沿って一
列に配置された赤、緑、青にそれぞれ対応する電子ビー
ム5を射出するインライン型電子銃6が内設されてい
る。又、蛍光体層4に近接対向した位置には、多数の微
細な開孔を有するシャドウマスク7が、その周辺をマス
クフレーム8にて支持され、さらにマスクフレーム8が
ホルダー9を介してパネル内面の垂直内壁部に埋め込ま
れたスタッドピン10に係り止めされることにより、パネ
ル内面に支持され、シャドウマスク7と蛍光体層4との
間隔は設計値に入るように保持されている。そして、偏
向装置12により電子ビーム5を偏向走査することにより
画像を再現している。
説明する。図1に示すように、カラー受像管は一般的
に、矩形状のパネル1と漏斗状のファンネル2とネック
3とから構成されている。パネル1の内面には、赤、
緑、青に各々発光する蛍光体層4がストライプ状に形成
されており、ネック3にはパネル1の水平軸に沿って一
列に配置された赤、緑、青にそれぞれ対応する電子ビー
ム5を射出するインライン型電子銃6が内設されてい
る。又、蛍光体層4に近接対向した位置には、多数の微
細な開孔を有するシャドウマスク7が、その周辺をマス
クフレーム8にて支持され、さらにマスクフレーム8が
ホルダー9を介してパネル内面の垂直内壁部に埋め込ま
れたスタッドピン10に係り止めされることにより、パネ
ル内面に支持され、シャドウマスク7と蛍光体層4との
間隔は設計値に入るように保持されている。そして、偏
向装置12により電子ビーム5を偏向走査することにより
画像を再現している。
【0022】また、シャドウマスク7は、図2に示すよ
うに、多数の開孔7aを有しており、基材の電子銃側で主
として開孔7a間の表面に三酸化タングステンを主成分と
する酸化タングステンと無機バインダーからなる被膜20
が形成されている。
うに、多数の開孔7aを有しており、基材の電子銃側で主
として開孔7a間の表面に三酸化タングステンを主成分と
する酸化タングステンと無機バインダーからなる被膜20
が形成されている。
【0023】シャドウマスク7は、フォトエッチングに
よるフラットマスク製造工程、プレスによる成形工程を
経て製造される。フォトエッチング工程で形成された目
的の開孔寸法を有する平坦なフラットマスクは、素材の
機械的強度を下げるため700℃乃至800℃の温度範
囲にて水素還元雰囲気中で焼成される。次いで、所望の
曲率を形成するようにプレス成形され、成形後に成形油
を有機溶剤又は高温アルカリ溶液にて脱脂される。その
後、二酸化炭素ガスを主成分とする550℃乃至650
℃の高温ガス雰囲気中を通すことにより、マスク表面に
耐食性のFe3O4 を主成分とする黒色酸化膜を形成す
る。その後、この黒化済みシャドウマスクの電子銃側に
本発明の被膜を形成する。黒色酸化膜は耐食性を有する
黒色酸化膜であり本願発明の無機質からなる被膜にピン
ホール等が生じても熱処理工程中での赤錆の発生を抑制
するばかりでなく、シャドウマスクの表面に比較して微
細凹凸が多いため、無機質からなる被膜の密着性を向上
させ剥離しにくいものとする。
よるフラットマスク製造工程、プレスによる成形工程を
経て製造される。フォトエッチング工程で形成された目
的の開孔寸法を有する平坦なフラットマスクは、素材の
機械的強度を下げるため700℃乃至800℃の温度範
囲にて水素還元雰囲気中で焼成される。次いで、所望の
曲率を形成するようにプレス成形され、成形後に成形油
を有機溶剤又は高温アルカリ溶液にて脱脂される。その
後、二酸化炭素ガスを主成分とする550℃乃至650
℃の高温ガス雰囲気中を通すことにより、マスク表面に
耐食性のFe3O4 を主成分とする黒色酸化膜を形成す
る。その後、この黒化済みシャドウマスクの電子銃側に
本発明の被膜を形成する。黒色酸化膜は耐食性を有する
黒色酸化膜であり本願発明の無機質からなる被膜にピン
ホール等が生じても熱処理工程中での赤錆の発生を抑制
するばかりでなく、シャドウマスクの表面に比較して微
細凹凸が多いため、無機質からなる被膜の密着性を向上
させ剥離しにくいものとする。
【0024】次に、この黒化処理済みのシャドウマスク
の電子銃側に三酸化タングステンを主成分とする酸化タ
ングステン粒子からなる本願発明の被膜を形成する。無
機バインダーには変性アルキルシリケートを用いるが、
その一例としてイソプロピルアルコールを溶剤としたエ
チルシリケートを用いた。これは、リン酸の酸性触媒と
の共存下において加水分解反応が繰り返され、シロキサ
ン結合の側鎖に−OHと−OC2 H5 を有するオルガノ
シリカゾルが形成されたものである。この加水分解した
溶液に、平均粒径が0.5ミクロンの三酸化タングステ
ン粒子を95%以上含有する酸化タングステン粒子を1
5乃至60重量%添加して泥状の懸濁液を作製する。三
酸化タングステンを主成分とする酸化タングステン粒子
は、0.3μm以下では粒子同志が凝集しやすく分散不
良を起こし、0.8μm以上では分散が悪いためボール
ミール粉砕を施さなくてはならないが完全分散を得るこ
とはできなくなる。
の電子銃側に三酸化タングステンを主成分とする酸化タ
ングステン粒子からなる本願発明の被膜を形成する。無
機バインダーには変性アルキルシリケートを用いるが、
その一例としてイソプロピルアルコールを溶剤としたエ
チルシリケートを用いた。これは、リン酸の酸性触媒と
の共存下において加水分解反応が繰り返され、シロキサ
ン結合の側鎖に−OHと−OC2 H5 を有するオルガノ
シリカゾルが形成されたものである。この加水分解した
溶液に、平均粒径が0.5ミクロンの三酸化タングステ
ン粒子を95%以上含有する酸化タングステン粒子を1
5乃至60重量%添加して泥状の懸濁液を作製する。三
酸化タングステンを主成分とする酸化タングステン粒子
は、0.3μm以下では粒子同志が凝集しやすく分散不
良を起こし、0.8μm以上では分散が悪いためボール
ミール粉砕を施さなくてはならないが完全分散を得るこ
とはできなくなる。
【0025】このようにして作製した懸濁液をエアスプ
レー又はエアレススプレーガンを用いてスプレーするこ
とにより、成形及び黒色酸化被膜を形成したシャドウマ
スクの電子銃側に所定の厚さを有する塗膜を形成する。
塗膜中のエチルシリケートの加水分解液は、溶剤の蒸発
の後表面に残留するコロイド粒子同士の融合や大気中の
水分との反応による脱アルコール反応により、シロキサ
ン分子が巨大化し密着性のよい被膜を形成する。
レー又はエアレススプレーガンを用いてスプレーするこ
とにより、成形及び黒色酸化被膜を形成したシャドウマ
スクの電子銃側に所定の厚さを有する塗膜を形成する。
塗膜中のエチルシリケートの加水分解液は、溶剤の蒸発
の後表面に残留するコロイド粒子同士の融合や大気中の
水分との反応による脱アルコール反応により、シロキサ
ン分子が巨大化し密着性のよい被膜を形成する。
【0026】塗布後乾燥を行い膜硬化を行う。変性アル
キルシリケート単体では、硬化過程における体積収縮に
より亀裂を生じやすいが、添加している酸化タングステ
ンが緩衝材の役割をし亀裂の発生を防ぐ。急激な硬化
は、亀裂を生じたり、膜内に溶剤が残存し蒸し焼き状態
になり膜の接着力を低下させる。従って、初期の乾燥は
溶剤を飛ばすことを主体にし、その後の乾燥を膜硬化を
主体にすることが望ましい。一例として、乾燥炉に塗膜
を形成したシャドウマスクを入れた後、30分かけて8
0℃まで昇温後30分維持し、その後30分かけて25
0℃まで昇温後30分維持し、終了後10℃/分の速度
で室温まで冷却する。急激な冷却は、体積収縮率が一気
に解放されるため形成した膜に亀裂が生じる確率が高い
ため、徐冷が望ましい。
キルシリケート単体では、硬化過程における体積収縮に
より亀裂を生じやすいが、添加している酸化タングステ
ンが緩衝材の役割をし亀裂の発生を防ぐ。急激な硬化
は、亀裂を生じたり、膜内に溶剤が残存し蒸し焼き状態
になり膜の接着力を低下させる。従って、初期の乾燥は
溶剤を飛ばすことを主体にし、その後の乾燥を膜硬化を
主体にすることが望ましい。一例として、乾燥炉に塗膜
を形成したシャドウマスクを入れた後、30分かけて8
0℃まで昇温後30分維持し、その後30分かけて25
0℃まで昇温後30分維持し、終了後10℃/分の速度
で室温まで冷却する。急激な冷却は、体積収縮率が一気
に解放されるため形成した膜に亀裂が生じる確率が高い
ため、徐冷が望ましい。
【0027】被膜の空隙率を0のとき稠密充填(完
全)、1のとき粉体なしと定義すると、空隙率0.4以
下で膜厚が5乃至15ミクロンが適当である。膜厚は、
塗布重量をW、比重をρ、マスク面積をS、空隙率をP
とすると次式のように定義できる。
全)、1のとき粉体なしと定義すると、空隙率0.4以
下で膜厚が5乃至15ミクロンが適当である。膜厚は、
塗布重量をW、比重をρ、マスク面積をS、空隙率をP
とすると次式のように定義できる。
【0028】膜厚=W/{ρ・S・(1−P)} 熱処理が終了したシャドウマスクはフレームと組み合わ
され、次の工程に供せられる。塗膜が厚くなるとシャド
ウマスク開孔に孔詰まりを生じたり、開孔の周縁がギザ
ギザになりすぎるため、5乃至15μmの膜、さらに好
ましくは3乃至10μmの膜厚が適当である。また、開
孔の孔詰まりの発生を避けるための手段として、スプレ
ー終了後は塗膜層を形成した面と反対側の蛍光面側から
シャドウマスクを変形させない適当な圧力の清浄な空気
を吹き付け、シャドウマスク開孔内にある不要の塗膜物
を吹き飛ばすようにしてもよい。そして、変性アルキル
シリケートは乾燥が水ガラスよりも速いため異物が塗膜
層に付着してしまうことはほとんどない。
され、次の工程に供せられる。塗膜が厚くなるとシャド
ウマスク開孔に孔詰まりを生じたり、開孔の周縁がギザ
ギザになりすぎるため、5乃至15μmの膜、さらに好
ましくは3乃至10μmの膜厚が適当である。また、開
孔の孔詰まりの発生を避けるための手段として、スプレ
ー終了後は塗膜層を形成した面と反対側の蛍光面側から
シャドウマスクを変形させない適当な圧力の清浄な空気
を吹き付け、シャドウマスク開孔内にある不要の塗膜物
を吹き飛ばすようにしてもよい。そして、変性アルキル
シリケートは乾燥が水ガラスよりも速いため異物が塗膜
層に付着してしまうことはほとんどない。
【0029】なお、上述のようにスプレー法にて被膜を
形成する際に重要な点は、無機バインダー中の酸化タン
グステン添加量と使用空気量である。この使用空気量は
供給空気の圧力と相関がある。酸化タングステン添加量
が多いほど孔詰りを防止するために使用空気量を多くす
る必要があり、シャドウマスク開孔の内壁部に被膜を形
成しないか若しくは薄くするための酸化タングステン添
加量と使用空気量の関係を図3に示す。図3でOKと示
してある範囲は、良好な被膜状態になっている範囲であ
り、NGと示している範囲は、被膜が電子ビームの入射
を妨げており使用不可能な状態を示している。
形成する際に重要な点は、無機バインダー中の酸化タン
グステン添加量と使用空気量である。この使用空気量は
供給空気の圧力と相関がある。酸化タングステン添加量
が多いほど孔詰りを防止するために使用空気量を多くす
る必要があり、シャドウマスク開孔の内壁部に被膜を形
成しないか若しくは薄くするための酸化タングステン添
加量と使用空気量の関係を図3に示す。図3でOKと示
してある範囲は、良好な被膜状態になっている範囲であ
り、NGと示している範囲は、被膜が電子ビームの入射
を妨げており使用不可能な状態を示している。
【0030】開孔部を有する薄板にスプレー法にて塗布
する場合、開孔部内壁近傍は開孔間の非開孔部と同様に
塗液が当たろうとするが、使用空気量がある値を越える
とその液は固定されず、一部は開孔部を通り抜ける塗液
に吸引されてしまう。このことは、一旦塗面に当たって
跳ね返る塗液にも同様のことが言える。従って、スプレ
ーされる塗液のエネルギーと吸引力の関係、つまり供給
する塗液の無機バインダーと酸化タングステンとの割合
及び使用空気量との関係で、開孔内壁部の膜厚が決定さ
れる。
する場合、開孔部内壁近傍は開孔間の非開孔部と同様に
塗液が当たろうとするが、使用空気量がある値を越える
とその液は固定されず、一部は開孔部を通り抜ける塗液
に吸引されてしまう。このことは、一旦塗面に当たって
跳ね返る塗液にも同様のことが言える。従って、スプレ
ーされる塗液のエネルギーと吸引力の関係、つまり供給
する塗液の無機バインダーと酸化タングステンとの割合
及び使用空気量との関係で、開孔内壁部の膜厚が決定さ
れる。
【0031】以上のようにして作製されたシャドウマス
クを内設する25型カラー受像管を用い、シャドウマス
クのドーミングに起因する電子ビームの移動量を測定
し、従来管との比較を行った。測定は、図4に示すよう
に、幅88mmの帯状の白パターンを画面中心から各々1
60mm離した位置にアノード電圧を26KV、カソード
電流を1330μAで表示させた、スイッチを入れた後
シャドウマスクが熱膨張することによって時間と共に移
動する電子ビームの位置を測定点Aにてマイクロスコー
プを用いて測定した。規定の時間で移動した電子ビーム
の最大移動量を測定した結果を表1に示す。
クを内設する25型カラー受像管を用い、シャドウマス
クのドーミングに起因する電子ビームの移動量を測定
し、従来管との比較を行った。測定は、図4に示すよう
に、幅88mmの帯状の白パターンを画面中心から各々1
60mm離した位置にアノード電圧を26KV、カソード
電流を1330μAで表示させた、スイッチを入れた後
シャドウマスクが熱膨張することによって時間と共に移
動する電子ビームの位置を測定点Aにてマイクロスコー
プを用いて測定した。規定の時間で移動した電子ビーム
の最大移動量を測定した結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】本願発明にて作製されたシャドウマスクの
ドーミング抑制効果は、酸化タングステン量に依存する
が、所定の効果を得られるように適宜調整すればよい。
なお、無機バインダーに対して15乃至60重量%添加
したものは、約30%電子ビーム移動を抑制する効果が
ある。これは酸化タングステン自体の電子ビーム反射能
力と、電子ビームが入射するマスク孔付近に形成された
静電界による電子ビーム軌道補正の相乗効果によるもの
である。
ドーミング抑制効果は、酸化タングステン量に依存する
が、所定の効果を得られるように適宜調整すればよい。
なお、無機バインダーに対して15乃至60重量%添加
したものは、約30%電子ビーム移動を抑制する効果が
ある。これは酸化タングステン自体の電子ビーム反射能
力と、電子ビームが入射するマスク孔付近に形成された
静電界による電子ビーム軌道補正の相乗効果によるもの
である。
【0034】なお、無機バインダーとしては、エチルシ
リケート以外に、n−ブチルシリケート又は両者を混合
したものや、さらに被膜の表面抵抗を109 乃至1011
Ω/cm2 に調整するため酸化スズや酸化アンチモンを導
電物質として添加したもの出もよい。
リケート以外に、n−ブチルシリケート又は両者を混合
したものや、さらに被膜の表面抵抗を109 乃至1011
Ω/cm2 に調整するため酸化スズや酸化アンチモンを導
電物質として添加したもの出もよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カソードのエミッション不良を起こすことなく、シャド
ウマスクの表面に均一な無機材料よりなる被膜を形成す
ることができ、電子ビームの射突による発熱に伴う熱膨
張を緩和して色純度劣化を防止するカラー受像管を提供
することができる。
カソードのエミッション不良を起こすことなく、シャド
ウマスクの表面に均一な無機材料よりなる被膜を形成す
ることができ、電子ビームの射突による発熱に伴う熱膨
張を緩和して色純度劣化を防止するカラー受像管を提供
することができる。
【図1】本発明によるカラー受像管の構造を示す断面図
である。
である。
【図2】図1に示すカラー受像管のシャドウマスクの要
部断面図である。
部断面図である。
【図3】本発明の被膜形成用懸濁液をスプレー法にて塗
布するときの条件を説明するための図である。
布するときの条件を説明するための図である。
【図4】本発明の特性を測定するときの測定点を示す図
である。
である。
7…シャドウマスク 20…被膜
Claims (3)
- 【請求項1】 外囲器のパネル内面に形成された蛍光面
に近接対向して配置されるとともに電子銃から射出され
る電子ビームを通過させる多数の開孔を有するシャドウ
マスクを備え、このシャドウマスクの電子ビーム入射側
面に被膜を有するカラー受像管において、 前記被膜が、三酸化タングステンを主成分とする酸化タ
ングステンと変性アルキルシリケートの無機バインダー
とからなる懸濁液を塗布焼成して形成されたものである
ことを特徴とするカラー受像管。 - 【請求項2】 前記被膜の膜厚が5乃至15μmで空隙
率が0.4%以下であることを特徴とする請求項1記載
のカラー受像管。 - 【請求項3】 前記開孔の内壁部には前記被膜が形成さ
れていないか若しくは開孔間の非開孔部に比して膜厚が
小さいことを特徴とする請求項1記載のカラー受像管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32487593A JPH07182986A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | カラー受像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32487593A JPH07182986A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | カラー受像管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07182986A true JPH07182986A (ja) | 1995-07-21 |
Family
ID=18170615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32487593A Pending JPH07182986A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | カラー受像管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07182986A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19654613A1 (de) * | 1996-12-20 | 1998-07-02 | Samsung Display Devices Co Ltd | Schattenmaske mit Dämmschicht und Verfahren zu ihrer Herstellung |
KR100487863B1 (ko) * | 1997-10-01 | 2005-08-01 | 엘지전자 주식회사 | 칼라음극선관용섀도우마스크의현탁액조성물 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP32487593A patent/JPH07182986A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19654613A1 (de) * | 1996-12-20 | 1998-07-02 | Samsung Display Devices Co Ltd | Schattenmaske mit Dämmschicht und Verfahren zu ihrer Herstellung |
DE19654613C2 (de) * | 1996-12-20 | 2001-07-19 | Samsung Display Devices Co Ltd | Schattenmaske mit Dämmschicht und Verfahren zu ihrer Herstellung |
KR100487863B1 (ko) * | 1997-10-01 | 2005-08-01 | 엘지전자 주식회사 | 칼라음극선관용섀도우마스크의현탁액조성물 |
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