JPH07118275B2 - カラ−受像管及びその製造方法 - Google Patents

カラ−受像管及びその製造方法

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JPH07118275B2
JPH07118275B2 JP8422486A JP8422486A JPH07118275B2 JP H07118275 B2 JPH07118275 B2 JP H07118275B2 JP 8422486 A JP8422486 A JP 8422486A JP 8422486 A JP8422486 A JP 8422486A JP H07118275 B2 JPH07118275 B2 JP H07118275B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はシャドウマスク型カラー受像管に係り、特にそ
のシャドウマスクに関するものである。
(従来の技術) 一般にシャドウマスク型カラー受像管は管内に3本の電
子ビームを発生する電子銃と、この電子ビームを選択的
に色別に振分けるシャドウマスクと、ビームの励起によ
り赤,緑,青3色に発光する蛍光体スクリーンを有して
おり、スクリーンに映出される画像を外囲器のパネルを
通して観察できる構造となっている。シャドウマスクに
は多数の透孔が設けてあり、スクリーンの各色蛍光体パ
ターンと、これら孔とが精密に対応している。しかし
て、透孔を通過する有効電子ビーム量は受像管の動作上
1/3以下で残りの電子ビームはシャドウマスクに射突し
て熱エネルギーに変換され、一般テレビの動作中では80
℃程度までシャドウマスクを加熱させる。また、航空機
のコックピットなどの計示用に使用される特殊なカラー
受像管では、時として200℃前後まで、シャドウマスク
の温度が上昇することもある。シャドウマスクは、一般
に熱膨張係数が1.2×10-5/℃と大きい鉄を主成分とする
いわゆる冷間圧延鋼からなる厚さ0.1mm〜0.3mmの薄板か
ら形成されており、このシャドウマスクのスカート部を
支持するマスクフレームは厚さ1mm前後の強固な断面L
字型の黒化処理を施された同じく冷間圧延鋼から形成さ
れている。従って、加熱されたシャドウマスクは容易に
熱膨張を生ずるが、その周辺部は黒化処理を施された熱
容量の大きなマスクフレームに対接しているため輻射や
伝導によりシャドウマスク周辺からマスクフレームに熱
が移動し、シャドウマスク周辺の温度が中央部よりも低
くなる。このためシャドウマスクの中央部と周辺部に温
度差を生じ、相対的に中央部を主体として加熱膨張され
たいわゆるドーミング現象を生ずる。この結果、シャド
ウマスクと蛍光体スクリーンとの距離が変化し、電子ビ
ームの正確なランディングが乱され色純度の劣化を生ず
る。このような、ドーミングによるミスランディングの
現象は特にカラー受像管の動作初期において顕著であ
る。また、映像面上で部分的に高輝度の映像が映出さ
れ、特に、この高輝度映像部分が一定時間停止している
時は、シャドウマスクに高電子流密度部が生じ、局部的
なドーミング現象を起こす。
このようなカラー受像管のドーミング現象に対しては、
シャドウマスクの中央部からの熱の放射の促進という観
点より多数の提案がなされている。例えば、米国特許第
2826538号では、シャドウマスクの熱放射を促進すべく
シャドウマスクの表面に黒鉛よりなる黒色層を設ける提
案がなされている。このようなカラー受像管ではこの黒
鉛層が良好な放熱器として作用するのでシャドウマスク
の温度は低下する。しかし、黒鉛より成る黒色層は、一
面次のような欠点も有している。すなわち、カラー受像
管の製造工程中の熱工程での熱サイクルにより黒色層の
密着性が劣化し、カラー受像管に振動が与えられると一
部が剥離して微小片が脱落することがある。このように
して生じた脱落黒色層は、シャドウマスクに付着すると
孔詰りを生じて蛍光面における画像特性を劣化させ、ま
た電子銃に付着すると、電極間のスパークを誘発して耐
電圧特性を劣化させるなどカラー受像管の品質を著しく
低下させる。
一方、本出願と同一出願人により、シャドウマスクの表
面に鉛ほう酸塩ガラスを高温加熱処理により封着接合し
て、このドーミング現象を抑制すると言う提案も特願昭
58−148843号で行われている。しかし、シャドウマスク
の表面に封着接合されたガラス層に原子番号の非常に高
い鉛が含まれるため、シャドウマスクに射突する電子の
弾性反射を低減することが難しい。特公昭49−14777号
公報では、このような電子散乱を防ぐ一方法として、電
子透過孔付近をニッケル鍍金する方法が提案されている
が、製造方法が複雑すぎて実用的でなく、また、透過孔
以外のシャドウマスク面での電子散乱が十分に解消でき
ない。電子散乱はスクリーン上の不所望な部分を発光さ
せるため、画像のコントラストを劣化させ、また色純度
を低減させるという問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) このように、シャドウマスク表面に黒色層やガラス層を
設けるか、あるいはニッケル鍍金するだけでは電子ビー
ム射突によるドーミング現象の抑制効果が十分でない上
にさらに膜剥れや電子散乱あるいは製造が複雑である等
の問題がある。
本発明は、シャドウマスク表面の電子ビームの弾性反射
を低減し、かつ電子ビーム射突によるシャドウマスクの
発熱にともなう膨張を抑えて、画像のコントラストおよ
びピューリティドリフト特性を改善したカラー受像管を
得るものである。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は蛍光体スクリーンと、このスクリーンに近接し
て設けた多数の透孔を有するシャドウマスクと、このシ
ャドウマスクの前記蛍光体スクリーンと反対側に設けた
電子銃とを備え、電子銃から発射された電子ビームをシ
ャドウマスクの透孔を介してスクリーンに射突させるカ
ラー受像管において、シャドウマスクの表面の少なくと
も一部に、バインダーとして、非晶質の金属酸化物、非
晶質の水酸化金属物および両者の混合物のうちいずれか
一つを用い、金属、あるいは金属の酸化物、炭化物、窒
化物のうちいずれか一つを含んだ層を形成したものであ
る。さらに、このシャドウマスクの製造が、まず、シャ
ドウマスクに多数の透孔を穿設する工程と、シャドウマ
スクを曲面形状に成形する工程と、シャドウマスクの表
面に金属アルコキシド化合物を含む懸濁液を塗布する工
程と、シャドウマスクを熱処理する工程とを備えたカラ
ー受像管の製造方法にある。
アルコキシド化合物としてメトキシド M(OCH3(M:aetal)、エトキシドM(OC2H5
n−プロポキシドM(O・n−C3H7、イソプロポキ
シドM(O・i−C3H7など任意のものを用いること
ができる。常温でメタノール、エタノール、プロパノー
ルのような、水溶性の低級アルコールに溶解しやすいも
のが工業的に扱いやすい。
(作 用) 本発明によれば、層の熱輻射率が大きいため熱が逃げや
すく、シャドウマスクの温度上昇を抑える。層の体積抵
抗が大きいので大電流時に電子吸収層として負に帯電
し、ビームを静電的に補正する。また、層に含まれる金
属の原子番号が小さいため電子散乱が軽減される。さら
に層は、シャドウマスク上に緻密に形成されているため
ガスの発生を抑え、あるいはガスを吸着する作用により
残存エミッション率が向上する。
(実施例) 以下、本発明について実施例に基き詳細に説明する。本
実施例のシャドウマスク型カラー受像管は、第1図に示
すように、実質的に矩形状のパネル(1)と、漏斗状の
ファンネル(2)及びネック(3)からなる真空外囲器
を有している。そして、パネル(1)の内面には赤,緑
及び青に夫々発光するストライプ状の蛍光体層からなる
蛍光体スクリーン(4)が被着形成され、ネック(3)
にはパネル(1)の水平軸に沿って一列に配列され、
赤,緑及び青に対応する3本の電子ビーム(5)を射出
するいわゆるインライン型電子銃(6)が配設されてい
る。また、蛍光体スクリーン(4)に近接対向した位置
には、多数のスリット状の開孔が垂直方向に配列され、
この垂直配列が水平方向に多数配列されたシャドウマス
ク(7)が、マスクフレーム(8)によって支持固定さ
れている。さらに、マスクフレーム(8)は弾性部材
(9)を介してパネル(1)の直立縁部内壁に埋め込ま
れたスタッドピン(10)で係止されることにより、パネ
ル内に支持されている。
3本のインライン配列の電子ビーム(5)はファンネル
(2)の外部の偏向装置(12)によって偏向され、矩形
状のパネル(1)に対応する矩形の範囲を走査し、かつ
シャドウマスク(7)の開孔を介して色選別されてスト
ライプ状蛍光体層にランディングし、カラー映像を再現
させるようになっている。また、電子ビームは、地磁気
等の外部磁界の影響を受け、ストライプ状蛍光体層に正
確にランディングしない場合があり、再現映像の色純度
が劣化するのを防止するためファンネル(2)内部に強
磁性金属板よりなる磁気遮蔽体(11)がフレーム(8)
を介して係止されている。
シャドウマスクはその素材としての例えば鉄を主成分と
する厚さ0.1mm乃至0.3mmの低炭素鋼板からなる。その両
面に感光剤、例えば牛乳カゼイン酸アルカリと重クロム
酸アンモニウムからなる感光液を塗布乾燥してレジスト
膜を得る。次いでこのレジスト膜に所定の透孔パターン
を有するネガ原版を密着させ露光現像し、透孔を穿設す
べき金属面のみを露出させる。次に、第2塩化鉄からな
るエッチング液を露出金属面にスプレー噴射して所定の
開孔形状を有する透孔を穿設する。透孔の穿設された平
板状のシャドウマスクは所定の外枠に切り取られた後、
その周縁部をブランクホルダーとダイで挟持し、透孔を
有する主面は上部ポンチと下部ノックアウトによって所
定の曲面状に成形され、次いで周縁部はマスク主面を支
持固定するためのスカート部として例えば管軸方向に沿
って折り曲げ成形される。このようにして形成されたシ
ャドウマスクはそのスカート部が例えば断面L型の強固
なマスクフレームに支持固定される。
次に、シャドウマスクの透孔を有する主面の一方に、例
えばスクリーンに近接対向して配設した時電子銃側の凹
面となる主面に下記実施例のような、フィラーとしてジ
ルコン(ZrSiO4)を含んだケイ素と、ジルコニアのアル
コキシド化合物、例えばSi(OC2H5+Zr(OC4H1
の懸濁液をスプレー法で塗布約15μmの膜厚を形成し
た。
実施例 ジルコン 500gr ケイ素とジルコニアのアルコキシド化合物 100gr イソプロピルアルコール 400gr この懸濁液の塗布法は種々の方法を用いることができる
が、均一に塗布すること、透孔の目詰まりを生じないこ
とが必要である。例えば、はけ塗りは塗布膜の均一性及
び透孔の目詰まりの危険性から好ましくない。この点ス
プレー法の場合は、20cm乃至30cmの距離からスプレー圧
約3kg/cm2で塗布すると、前記実施例のような約15μm
の膜は約10秒で形成させることができる。また、万一透
孔上に異物が付着しても後から飛来する高圧の懸濁液に
より除去されてしまうため、非常に量産性に富む好しい
方法である。
このように、電子銃側表面にフィラーとしてジルコンを
含んだケイ素とジルコニアのアルコキシド化合物の懸濁
液を塗布したシャドウマスクを70℃以上の雰囲気中で加
熱することにより、第2図に示すような層(13)を得
た。すなわち、シャドウマスク(7)に塗布されたケイ
素とジルコニアのアルキシド化合物は、70℃以上の雰囲
気中で大気中の水分等により加水分解を起こし、その結
果、アルコキシド同志の重縮合反応により造膜し、ジル
コンを含んだ非晶質のケイ素とジルコニアの金属酸化物
および水酸化金属物の混合層を形成する。なお、上述の
例では懸濁液を塗布後加熱したが、製造時間短縮のため
に70℃以上で加熱しながら懸濁液を塗布すれば後の加熱
処理工程を省略することができる。また、このケイ素と
ジルコニアのアルコキシド化合物は、赤外線領域の電磁
線の吸収特性がよいため、造膜させる場合、70℃以上の
雰囲気中ではなく、ケイ素とジルコニアのアルコキシド
化合物が塗布されるシャドウマスクの表面を例えば、赤
外線により照射しながらケイ素とジルコニアのアルコキ
シド化合物を含む懸濁液を塗布した後常温においても充
分造膜が行われることも確認できた。さらに塗布後、赤
外線を照射することも可能である。
このようにして完成したシャドウマスク(7)は、パネ
ルと組み合わせた状態でスクリーン形成工程が行われ
る。まず、パネル内面にアジド系の感光レジスト膜を形
成し、シャドウマスク(7)の透孔(7a)を介して超高
圧水銀ランプを用いて露光する。レジスト膜現像後黒鉛
を塗布乾燥し、分解剤を用いて現像し、パネル内面の所
定位置に光吸収細条帯を形成する。次いで、ADCとPVA系
からなる感光レジスト膜に蛍光体粒子、例えば青用蛍光
体粒子を添加したスラリーをパネル内面に塗布し、同様
に露光現像して青色発光蛍光体細条を形成する。以下、
同様に緑色及び赤色発光蛍光体細条を順次形成してスク
リーンが形成される。
以上のようにして完成したパネル構体は、ファンネルと
フリットガラスにより接合され排気封止後所定の工程を
経てカラー受像管が得られる。
このようにして得られた21型カラー受像管のピュリティ
ドリフト特性につき、本発明者らが実験した結果は次の
通りである。再生画面パターンとして、第3図の全面白
色と、第4図の部分白色パターンを用いた。第4図では
水平方向幅75mmの帯状体(51)を左右に2箇所に中心か
ら各140mm離して位置するようにスクリーンに再生す
る。残部は黒色すなわち非発光部である。*印が測定点
を示す。ビーム移動量の測定結果を第1表に示す。測定
条件はEb=26.5kV、Ikはパターン(A)で1500μA、パ
ターン(B)で110μAとした。
同表において比較品とは、本出願と同一出願人が特願昭
58−148843号で提案したシャドウマスクの電子銃側表面
に約20μmの鉛ほう酸塩ガラスを高温加熱にて封着接合
した21型カラー受像管のことである。従って、本発明に
よるカラー受像管のピュリティドリフト特性は、従来の
カラー受像管のそれよりも良好であることが確認され
た。これは、シャドウマスクに形成されたジルコンを含
む層の熱輻射率が、約0.9と従来のシャドウマスクの熱
輻射率よりはるかに大きいため、シャドウマスクからの
熱放散を促進してシャドウマスクの温度上昇を抑制する
ためである。第7図は、層の塗布厚を変えた時の第4図
のパターンでの比較品に対するビーム移動量の改善率を
示した特性図である。このグラフからわかる様に、好ま
しい厚みの範囲は1μm〜30μmである。又、本実施例
ではフィラーとしてジルコンを用いたが、本発明の主旨
はこれに限らず、例えば、フィラーとして他の金属酸化
物例えば酸化コバルト、酸化クロム、酸化鉄、酸化マン
ガン等からなる黒色顔料を用いれば同様に熱輻射率を向
上でき、ピュリティドリフト特性を改善できる。さら
に、炭化物として、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タン
グステン等をフィラーとして用いても同様の効果が得ら
れた。これは、上記炭化物の熱伝導度が軟鋼板の0.144c
al/cm・sec℃よりも炭化ケイ素:1.0、炭化ホウ素:0.6
5、炭化タングステン:0.7と大きい為、シャドウマスク
で発生した熱を逃しやすい事にあると思われる。又、窒
化物として窒化ケイ素、窒化ボロン、窒化アルミ等をフ
ィラーとして用いても同様の効果が得られた。これは、
上記窒化物の体積抵抗が1012Ωm〜1014Ωmと大きい
為、大電流時にこの層が電子吸収層として負に帯電し、
ビームを静電的に補正してピュリティドリフト特性を改
善すると思われる。また、タングステン、鉛、ビスマス
等を用いても同様の効果が得られた。
一方、本実施例では、金属アルコキシド化合物としてケ
イ素とジルコニアの化合物について述べたが、フィラー
同様発明の主旨はこれに限らずケイ素、ケイ素とチタ
ン、ケイ素とアルミニウム、チタン、ジルコニウム等の
アルコキシド化合物を用いる事ができる。
次に、前述の本発明によるカラー受像管と同じく前述の
特願昭58−148843号によるカラー受像管のコントラスト
特性を比較した。すなわち、第5図に示すように、スク
リーン上に画像パターンを再生した。この画面(30)は
300mm×100mmの白色部(31)を画面中央上方に配置し、
残部(32)を黒色としたものである。*印は測定点で画
面中心から下方にそれぞれ30mm,60mm位置させた、各点
をrf1,rf2とし、暗部輝度結果を第2表に示す。測定条
件はカラー受像管のアノード電圧Eb=26.5kV、全カソー
ド電流Ik=500μA、白色の色は9300゜K+27MPCDとし
た。
第2表から本実施例において暗部輝度を低減できること
がわかる。これは電子の弾性散乱が軽減されていること
を意味しており、コーティング層(13)の構成成分であ
るSiやZrの原子番号がそれぞれ14,40と比較品の鉛ほう
酸塩ガラス層のPbやBaの82や56に比べて低いことにも依
存しているためである。
次に、本実施例のカラー受像管を連続して3000時間作動
させた後、残存エミッション率を測定したところ、初期
動作時に対して80%と向上していることが判明した。従
来一般に70%が標準とされているから、一割以上の改善
がはかられたことになる。これは本実施例のコーティン
グ層がガス吸着をしたためと推定され、特にバインダと
して用いた酸化シリコン(SiO2)が有効に作用したと考
えられる。
また、シャドウマスク表面に緻密なコーティング層が形
成されるため、ガス発生が抑えられたとも考えられる。
従って、特に電子ビームが直接射突して非常に高温とな
る不安定ガスの発生しやすいシャドウマスクの電子銃側
表面に、コーティング層を形成することは有効である。
もちろん若干の作業時間の増加にはなるが、第6図に示
すように、シャドウマスク表面の全域を本発明によるコ
ーティング層(13)で被覆すればシャドウマスクから不
安定ガスの発生はほとんど抑制されることは言うまでも
ない。
尚、本実施例の説明では、ジルコンとケイ素とジルコニ
アのアルコキシド化合物を含む懸濁液を、蛍光体スクリ
ーンを形成する前にシャドウマスクに塗布し、ジルコン
を含む非晶質のケイ素とジルコニアの金属酸化物および
水酸化金属物の混合層を形成したが、このコーティング
層の存在により蛍光体スクリーンを形成する時の露光工
程で微妙な光化学的悪影響が生じるならば、このコーテ
ィング層の形成を蛍光体スクリーンの形成後に実施して
もよい。
又、本発明のコーティング層をシャドウマスク電子銃表
面に形成した場合、導電性被膜を形成しなくてもよく、
その場合、導電性被膜を形成した場合に比べピュリティ
ドリフト特性を5〜10%改善できた。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、コントラスト特性、ピュ
ーリティドリフト特性を改善し、さらに、エミッション
寿命特性が良く、工業量産性に富むカラー受像管を得る
事ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を縦断面図、第2図は第1図
の実施例のシャドウマスクの一部を示す拡大斜視図、第
3図および第4図は本発明の実施例のピュリティドリフ
ト特性を説明する再生画像パターンの略図、第5図は本
発明の実施例のコントラスト特性を説明する再生画像パ
ターンの略図、第6図は本発明の他の実施例を示す一部
断面図、第7図は第4図に示すパターンの場合の比較品
に対する層の厚さとビーム移動量の関係を示す特性図で
ある。 (4)……蛍光体スクリーン、(5)……電子ビーム、 (6)……電子銃、(7)……シャドウマスク、(7a)
……透孔、 (13)……コーティング層。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光体スクリーンと、この蛍光体スクリー
    ンに近接して配置される多数の透孔の穿設されたシャド
    ウマスクと、このシャドウマスクの透孔を介して電子ビ
    ームを前記蛍光体スクリーンに射突させて発光させる電
    子銃とを具備してなるカラー受像管において、前記シャ
    ドウマスクの表面にバインダーとして非晶質の金属酸化
    物、非晶質の水酸化金属物および両者の混合物のうちい
    ずれか一つを用い、金属および金属の酸化物、炭化物、
    窒化物のうち少なくとも一つを含んだ層を形成した事を
    特徴とするカラー受像管。
  2. 【請求項2】前記層が、シャドウマスクの電子銃に対向
    する面に形成されてなる特許請求の範囲第1項記載のカ
    ラー受像管。
  3. 【請求項3】蛍光体スクリーンと、この蛍光体スクリー
    ンに近接して配置される多数の透孔の穿設されたシャド
    ウマスクと、このシャドウマスクの透孔を介して電子ビ
    ームを蛍光体スクリーンに射突させて発光させる電子銃
    とを具備してなるカラー受像管の製造方法において、前
    記シャドウマスクに多数の透孔を穿設する工程と、前記
    シャドウマスクを曲面形状に成形する工程と、前記シャ
    ドウマスクの表面に金属アルコキシド化合物を含む懸濁
    液を塗布する工程と、前記シャドウマスクを熱処理する
    工程とを備えてなる事を特徴とするカラー受像管の製造
    方法。
  4. 【請求項4】懸濁液を塗布する工程または熱処理工程に
    おいて、シャドウマスクの温度が約70℃以上である特許
    請求の範囲第3項記載のカラー受像管の製造方法。
  5. 【請求項5】シャドウマスクの表面に懸濁液を塗布する
    工程において、赤外線を照射する特許請求の範囲第3項
    記載のカラー受像管の製造方法。
  6. 【請求項6】シャドウマスクを曲面形状に成形する工程
    と、シャドウマスクの表面に懸濁液を塗布する工程との
    間に、少なくとも蛍光体スクリーンを形成する工程が含
    まれている特許請求の範囲第3項記載のカラー受像管の
    製造方法。
  7. 【請求項7】金属アルコキシド化合物が、ケイ素、チタ
    ン、アルミニウム、ジルコニウムの群から選ばれた一つ
    又はそれらの混合物である事を特徴とする特許請求の範
    囲第3項記載のカラー受像管の製造方法。
  8. 【請求項8】懸濁液中のフィラーが、炭化ケイ素、酸化
    マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化
    銅、ジルコン、ジルコニウム、ビスマス、鉛、タングス
    テン、及び前記3種類の酸化物の群から選ばれた一つ又
    は混合物である事を特徴とする特許請求の範囲第3項記
    載のカラー受像管の製造方法。
  9. 【請求項9】熱処理工程後の層の厚みが、1μm乃至30
    μmである事を特徴とする特許請求の範囲第3項記載の
    カラー受像管の製造方法。
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