JPH07181153A - 線膨張率測定装置 - Google Patents
線膨張率測定装置Info
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- JPH07181153A JPH07181153A JP32816793A JP32816793A JPH07181153A JP H07181153 A JPH07181153 A JP H07181153A JP 32816793 A JP32816793 A JP 32816793A JP 32816793 A JP32816793 A JP 32816793A JP H07181153 A JPH07181153 A JP H07181153A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 10-7/℃代の線膨張率が求められる高精度
な線膨張率測定装置を得る。 【構成】 試験片として線膨張率が既知の規準板17
と、これと同一寸法を有する測定対象材料よりなる試料
板18を貼り合わせたサンドイッチ板を用い、標準片と
して上記既知の規準板17を2枚貼り合わせたサンドイ
ッチ板を用い、これを支持管1内の台座16に取付けた
ものである。 【効果】 規準板と試料板を貼り合わせる事により、線
膨張率の違いによる両材料の伸びの差を、バイメタル効
果で10倍以上の変位として発現させられるため、精度
の高い測定が出来る。
な線膨張率測定装置を得る。 【構成】 試験片として線膨張率が既知の規準板17
と、これと同一寸法を有する測定対象材料よりなる試料
板18を貼り合わせたサンドイッチ板を用い、標準片と
して上記既知の規準板17を2枚貼り合わせたサンドイ
ッチ板を用い、これを支持管1内の台座16に取付けた
ものである。 【効果】 規準板と試料板を貼り合わせる事により、線
膨張率の違いによる両材料の伸びの差を、バイメタル効
果で10倍以上の変位として発現させられるため、精度
の高い測定が出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は材料の線膨張率を精度
よく測定する装置に関するものである。宇宙用のアンテ
ナ鏡面は衛星の外側に取付けられるため、太陽光を直接
受け表裏で約10℃の温度差を受けたり、時間的には1
50℃近くの温度差にさらされる。どの様な材料も温度
により伸縮するため、上記温度環境では変形(熱変形)
を生じ、鏡面精度或は指向精度といった鏡面形状に関す
る主要な性能が損われる事が多い。例えば板厚20mm
で2m径のアルミ合金製のサンドイッチ鏡面を考える
と、表裏の温度差が10℃あると鏡面精度で約2mmR
MS、指向精度で約0.7°の特性劣化を生じてしま
う。地球に向けた静止軌道上の衛星を考えた場合、上記
指向精度の劣化は、地球上に照射されたビームの中心が
440kmもずれる事に対応する。これはアルミ合金の
線膨張率(上記熱の伸縮を示す量)が2.4×10-5/
℃と高い事による。現在の宇宙用鏡面に要求される形状
上の性能は、鏡面精度0.1mmRMS、指向精度0.
01°といったものであり、これを達成するために必要
な材料の線膨張率は夫々1.2×10-6/℃(鏡面精
度)、3.4×10-7/℃(指向精度)が必要となる。
ここで上記数値はサンドイッチ板の板厚をh、使用材料
の線膨張率をα、表裏の温度差をΔT、アンテナ開口径
をD、鏡面精度劣化をΔδrms、指向精度劣化角度をΔ
θとし、Δδrms =αΔT.D2 /(12h)及びΔθ
=αΔTD/(2h)により算出できるものである。こ
のように宇宙用アンテナ鏡面の材料としては10-7/℃
クラスの線膨張材料が必要であるにも拘らず、10-6/
℃クラスの測定装置しかないため、鏡面材料の評価が地
上でなされていないのが現状である。線膨張率の測定精
度を10倍以上向上させることが本発明の意図する所で
ある。
よく測定する装置に関するものである。宇宙用のアンテ
ナ鏡面は衛星の外側に取付けられるため、太陽光を直接
受け表裏で約10℃の温度差を受けたり、時間的には1
50℃近くの温度差にさらされる。どの様な材料も温度
により伸縮するため、上記温度環境では変形(熱変形)
を生じ、鏡面精度或は指向精度といった鏡面形状に関す
る主要な性能が損われる事が多い。例えば板厚20mm
で2m径のアルミ合金製のサンドイッチ鏡面を考える
と、表裏の温度差が10℃あると鏡面精度で約2mmR
MS、指向精度で約0.7°の特性劣化を生じてしま
う。地球に向けた静止軌道上の衛星を考えた場合、上記
指向精度の劣化は、地球上に照射されたビームの中心が
440kmもずれる事に対応する。これはアルミ合金の
線膨張率(上記熱の伸縮を示す量)が2.4×10-5/
℃と高い事による。現在の宇宙用鏡面に要求される形状
上の性能は、鏡面精度0.1mmRMS、指向精度0.
01°といったものであり、これを達成するために必要
な材料の線膨張率は夫々1.2×10-6/℃(鏡面精
度)、3.4×10-7/℃(指向精度)が必要となる。
ここで上記数値はサンドイッチ板の板厚をh、使用材料
の線膨張率をα、表裏の温度差をΔT、アンテナ開口径
をD、鏡面精度劣化をΔδrms、指向精度劣化角度をΔ
θとし、Δδrms =αΔT.D2 /(12h)及びΔθ
=αΔTD/(2h)により算出できるものである。こ
のように宇宙用アンテナ鏡面の材料としては10-7/℃
クラスの線膨張材料が必要であるにも拘らず、10-6/
℃クラスの測定装置しかないため、鏡面材料の評価が地
上でなされていないのが現状である。線膨張率の測定精
度を10倍以上向上させることが本発明の意図する所で
ある。
【0002】
【従来の技術】図5は市販されている従来の線膨張率測
定装置の動作原理を示す図で、図において、1は試験片
を支持する支持管、2は支持管1を一定温度に保つ電気
炉、3は支持管1に取付けられた標準片、4は支持管1
に取付けられ、標準片と同一形状に加工された試験片、
5a,5bは、それぞれ標準片3及び試験片4の上端に
て軸方向を同一となる様に取付けられた検出棒、6は一
端を検出棒5の中央部に取付けた天秤、7は天秤5に載
せられる分銅、8は標準片3の上端に取付けられた検出
棒5aの他端に取付けられた一次側差動トランス、9は
試験片4の上端に取付けられた検出棒5bの他端に取付
けられた電磁石、10は一次側差動トランス8に一定の
正弦波入力信号を供給する発振器、11は電磁石9を中
心に一次側差動トランス8と反対の位置に取付けられた
二次側差動トランス、12は二次側差動トランスに発生
した正弦波出力信号を増幅する増幅器、13は上記正弦
波入力信号と正弦波出力信号の位相差を求める位相検波
器、14は位相検波器13からの出力より、試験片4の
線膨張率を算出し、出力する記録計、15は本差動トラ
ンス方式による変位を校正するための校正器である。
定装置の動作原理を示す図で、図において、1は試験片
を支持する支持管、2は支持管1を一定温度に保つ電気
炉、3は支持管1に取付けられた標準片、4は支持管1
に取付けられ、標準片と同一形状に加工された試験片、
5a,5bは、それぞれ標準片3及び試験片4の上端に
て軸方向を同一となる様に取付けられた検出棒、6は一
端を検出棒5の中央部に取付けた天秤、7は天秤5に載
せられる分銅、8は標準片3の上端に取付けられた検出
棒5aの他端に取付けられた一次側差動トランス、9は
試験片4の上端に取付けられた検出棒5bの他端に取付
けられた電磁石、10は一次側差動トランス8に一定の
正弦波入力信号を供給する発振器、11は電磁石9を中
心に一次側差動トランス8と反対の位置に取付けられた
二次側差動トランス、12は二次側差動トランスに発生
した正弦波出力信号を増幅する増幅器、13は上記正弦
波入力信号と正弦波出力信号の位相差を求める位相検波
器、14は位相検波器13からの出力より、試験片4の
線膨張率を算出し、出力する記録計、15は本差動トラ
ンス方式による変位を校正するための校正器である。
【0003】次に動作について説明する。まず分銅7を
調整し検出棒5に下向きの力を作用させ、標準片3及び
試験片4と検出棒5を密着させる。この後、電気炉2内
の温度を所定の温度まで上昇或は下降させる。温度変化
に従って、標準片3及び試験片4は伸縮し、検出棒5を
通し一次側差動トランス8及び電磁石9の位置が変わ
る。一次側差動トランス8と電磁石9の位置にずれが生
じると、二次側差動トランス11に発生する正弦波出力
信号は、上記位置のずれに伴う磁場の変化を受け、正弦
波入力信号と位相が異ったものとなる。この位相差は、
上記位置のずれに比例するため上記位相差を位相検波器
13で調べる事により、上記位置のずれが測定される。
試験片4の長さl、標準片3の線膨張率αr 、試験片4
の線膨張率αt 、電気炉2内の初期設定時からの温度差
ΔT、上記位置づれdの間には式(1)の関係が存在す
る。
調整し検出棒5に下向きの力を作用させ、標準片3及び
試験片4と検出棒5を密着させる。この後、電気炉2内
の温度を所定の温度まで上昇或は下降させる。温度変化
に従って、標準片3及び試験片4は伸縮し、検出棒5を
通し一次側差動トランス8及び電磁石9の位置が変わ
る。一次側差動トランス8と電磁石9の位置にずれが生
じると、二次側差動トランス11に発生する正弦波出力
信号は、上記位置のずれに伴う磁場の変化を受け、正弦
波入力信号と位相が異ったものとなる。この位相差は、
上記位置のずれに比例するため上記位相差を位相検波器
13で調べる事により、上記位置のずれが測定される。
試験片4の長さl、標準片3の線膨張率αr 、試験片4
の線膨張率αt 、電気炉2内の初期設定時からの温度差
ΔT、上記位置づれdの間には式(1)の関係が存在す
る。
【0004】
【数1】
【0005】式(1)より既知のαr ,l及び測定値
d,ΔTより所望のαt が得られる。また正弦波入出力
信号間の位相差と上記位置ずれ間の比例定数は事前に校
正器15により求められており、校正器15としてはマ
イクロメータが使用されるのが普通である。試験片4の
長さlは電気炉2の実用寸法の制約から50mm程度と
なっており、標準片3は線膨張率が温度の関数として明
確に分っているクォーツ材(αr =5.4×10-7/
℃)が使用されている。なお同一形状の標準片3を試験
片4と並置した理由は温度変化に伴う支持管1、及び検
出棒5の熱変形分を除去するためである。
d,ΔTより所望のαt が得られる。また正弦波入出力
信号間の位相差と上記位置ずれ間の比例定数は事前に校
正器15により求められており、校正器15としてはマ
イクロメータが使用されるのが普通である。試験片4の
長さlは電気炉2の実用寸法の制約から50mm程度と
なっており、標準片3は線膨張率が温度の関数として明
確に分っているクォーツ材(αr =5.4×10-7/
℃)が使用されている。なお同一形状の標準片3を試験
片4と並置した理由は温度変化に伴う支持管1、及び検
出棒5の熱変形分を除去するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の線膨張率測定装
置は以上のように構成されているため10-7/℃程度の
線膨張率を測定するためには式(1)よりΔT=10℃
として位置ずれ0.27μmが求められるものでなくて
はならない。しかしながら校正器15の精度が約1μm
程度しかないこと、測定装置の機械的なリンク系の誤差
も1μm程度にしか抑えられない事のため位置ずれの測
定精度が数μm程度しかない。従って線膨張率は10-6
/℃代の値を測るのが限界で、宇宙用のアンテナ鏡面材
料の必要な線膨張率10-7/℃を測定できないという問
題点があった。
置は以上のように構成されているため10-7/℃程度の
線膨張率を測定するためには式(1)よりΔT=10℃
として位置ずれ0.27μmが求められるものでなくて
はならない。しかしながら校正器15の精度が約1μm
程度しかないこと、測定装置の機械的なリンク系の誤差
も1μm程度にしか抑えられない事のため位置ずれの測
定精度が数μm程度しかない。従って線膨張率は10-6
/℃代の値を測るのが限界で、宇宙用のアンテナ鏡面材
料の必要な線膨張率10-7/℃を測定できないという問
題点があった。
【0007】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、10-7/℃代の線膨張率を測定できる
装置を得ることを目的としている。
なされたもので、10-7/℃代の線膨張率を測定できる
装置を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る線膨張率
測定装置は試験片として線膨張率が既知の規準板と、こ
れと同一寸法を有する測定対象材料よりなる試料板を貼
り合わせたサンドイッチ板を用い、標準片として上記既
知の規準板を2枚貼り合わせたサンドイッチ板を用い、
これを支持管内の台座に取付けたものである。
測定装置は試験片として線膨張率が既知の規準板と、こ
れと同一寸法を有する測定対象材料よりなる試料板を貼
り合わせたサンドイッチ板を用い、標準片として上記既
知の規準板を2枚貼り合わせたサンドイッチ板を用い、
これを支持管内の台座に取付けたものである。
【0009】
【作用】この発明における線膨張率測定装置は、試験片
を線膨張率が既知の規準板と、これと同一寸法を有す測
定対象材料よりなる試料板を貼り合わせたサンドイッチ
板より構成したため、いわゆるバイメタル効果により、
両平板の線膨張率の違いによる伸びの差を試験片の曲げ
変形として拡大表現できる。上記拡大率は試験片の寸法
に依存するが、後述する様に実用的寸法の範囲で容易に
10倍以上の値が可能である。また標準片として、試験
片で用いた規準板を2枚サンドイッチ状に貼り合わせた
ものを用いる事によって、検出棒等の熱変形を従来と同
様に取除く事ができるため、装置全体の測定精度は上記
拡大率だけ向上する事となる。
を線膨張率が既知の規準板と、これと同一寸法を有す測
定対象材料よりなる試料板を貼り合わせたサンドイッチ
板より構成したため、いわゆるバイメタル効果により、
両平板の線膨張率の違いによる伸びの差を試験片の曲げ
変形として拡大表現できる。上記拡大率は試験片の寸法
に依存するが、後述する様に実用的寸法の範囲で容易に
10倍以上の値が可能である。また標準片として、試験
片で用いた規準板を2枚サンドイッチ状に貼り合わせた
ものを用いる事によって、検出棒等の熱変形を従来と同
様に取除く事ができるため、装置全体の測定精度は上記
拡大率だけ向上する事となる。
【0010】
実施例1 以下この発明の一実施例を図について説明する。図1は
本発明の線膨張率測定装置の構成図で、1,2,5〜1
5は上記従来装置と同一のものである。図中16は標準
片及び試験片を取付ける台座を示す。図2は図1にて破
線で囲われたA部の拡大図で17は線膨張率が既知の規
準板、18は上記規準板17と同一寸法を有する線膨張
率が未知の試料板、19は上記規準板17と試料板18
を接合する接着剤である。規準板17と試料板18と接
着剤19で構成される試験片4は図示されてない締結材
で台座16に取り付けられている。図中tは規準板17
及び試料板18の板厚、lは上記試験片4の台座16へ
の取付点から長手方向自由端までの距離を示す。図3は
図1にて破線で囲われたB部の拡大図で、上記試験片3
にて、試料板18の代わりに規準板17を用いたもので
従来の標準片3に相当する。
本発明の線膨張率測定装置の構成図で、1,2,5〜1
5は上記従来装置と同一のものである。図中16は標準
片及び試験片を取付ける台座を示す。図2は図1にて破
線で囲われたA部の拡大図で17は線膨張率が既知の規
準板、18は上記規準板17と同一寸法を有する線膨張
率が未知の試料板、19は上記規準板17と試料板18
を接合する接着剤である。規準板17と試料板18と接
着剤19で構成される試験片4は図示されてない締結材
で台座16に取り付けられている。図中tは規準板17
及び試料板18の板厚、lは上記試験片4の台座16へ
の取付点から長手方向自由端までの距離を示す。図3は
図1にて破線で囲われたB部の拡大図で、上記試験片3
にて、試料板18の代わりに規準板17を用いたもので
従来の標準片3に相当する。
【0011】次に動作について説明する。分銅7の調整
による従来と同様の初期状態の設定後、電気炉2内の温
度をΔTだけ変化させると、試験片4はバイメタル効果
で熱変形し、検出棒5を上下させ、一次側差動トランス
8及び電磁石9の位置をづれさせる。上記一次側差動ト
ランス8及び電磁石9の位置のずれが従来と同様の原理
で既述正弦波入出力信号の位相差として検知される。本
発明は図1に示す構成となっているため、上記位置づれ
d′は、試料板18のヤング率をE1 、規準板17のヤ
ング率をE2 を用いて式(2)で与えられ。
による従来と同様の初期状態の設定後、電気炉2内の温
度をΔTだけ変化させると、試験片4はバイメタル効果
で熱変形し、検出棒5を上下させ、一次側差動トランス
8及び電磁石9の位置をづれさせる。上記一次側差動ト
ランス8及び電磁石9の位置のずれが従来と同様の原理
で既述正弦波入出力信号の位相差として検知される。本
発明は図1に示す構成となっているため、上記位置づれ
d′は、試料板18のヤング率をE1 、規準板17のヤ
ング率をE2 を用いて式(2)で与えられ。
【0012】
【数2】
【0013】同一寸法の試料板18を同一温度ΔTにお
いたときに、この発明で得られる位置づれd′と従来装
置で得られる位置づれdとの比は式(2)と式(1)で
除する事で得られ、上記E1 とE2 にオーダー上の差が
ないときには、近似的に式(3)となる。
いたときに、この発明で得られる位置づれd′と従来装
置で得られる位置づれdとの比は式(2)と式(1)で
除する事で得られ、上記E1 とE2 にオーダー上の差が
ないときには、近似的に式(3)となる。
【0014】
【数3】
【0015】一般にl/(2t)>10となる様に試料
板18を選択するのは容易であるため、熱変形の拡大率
d′/dは式(3)より容易に10以上となる。本発明
の測定装置は、板厚方向に生じる面内の僅かな変形の拘
束が面外方向の大きな変形として生じる現象を利用した
ものである。これは軌道上で平板状の鏡面が、材料の線
膨張率の違い、或は板厚方向の温度勾配により板面内に
生じた僅かな長さ変化により、面外方向に大きく撓む現
象と全く同じものである。現実に問題となるのは材料自
身の面内の僅かな変形というよりも、面外方向の大きな
撓みであるため、類似のモデルにより類似の変形量を計
測し、軌道上の面外方向の撓みを推定する方法こそ、本
来の方法といえる。なお式(3)における規準板17、
及び試料板18のヤング率E1 ,E2 は、引張試験等で
正確かつ容易に求められるものであるため、ここでは既
知量として扱った。
板18を選択するのは容易であるため、熱変形の拡大率
d′/dは式(3)より容易に10以上となる。本発明
の測定装置は、板厚方向に生じる面内の僅かな変形の拘
束が面外方向の大きな変形として生じる現象を利用した
ものである。これは軌道上で平板状の鏡面が、材料の線
膨張率の違い、或は板厚方向の温度勾配により板面内に
生じた僅かな長さ変化により、面外方向に大きく撓む現
象と全く同じものである。現実に問題となるのは材料自
身の面内の僅かな変形というよりも、面外方向の大きな
撓みであるため、類似のモデルにより類似の変形量を計
測し、軌道上の面外方向の撓みを推定する方法こそ、本
来の方法といえる。なお式(3)における規準板17、
及び試料板18のヤング率E1 ,E2 は、引張試験等で
正確かつ容易に求められるものであるため、ここでは既
知量として扱った。
【0016】実施例2 なお上記実施例では試料板18として、規準板17と同
一板厚hのものを使用したが必ずしも同一である必要は
なくまた、試験片4の構成として、規準板17と試料板
の間に線膨張率が既知の別の材料を挿入しても良く、こ
の場合の実施例を図4に示す。図において16〜19は
実施例1と同一のものである。20は線膨張率が既知の
ハニカムコアで、t1 、t2 、hはこの順で試料板1
7、規準板18、及びハニカムコア20の各板厚を示
す。この場合、実施例1に対応する位置ずれd′は、N
ASTRAN等の市販の構造解析プログラムを用いて厳
密に求められるが、ハニカムコア20のヤング率が試料
板17及び規準板18のヤング率に比較しはるかに低い
値である事を考慮すれば、式(4)で与えられる。
一板厚hのものを使用したが必ずしも同一である必要は
なくまた、試験片4の構成として、規準板17と試料板
の間に線膨張率が既知の別の材料を挿入しても良く、こ
の場合の実施例を図4に示す。図において16〜19は
実施例1と同一のものである。20は線膨張率が既知の
ハニカムコアで、t1 、t2 、hはこの順で試料板1
7、規準板18、及びハニカムコア20の各板厚を示
す。この場合、実施例1に対応する位置ずれd′は、N
ASTRAN等の市販の構造解析プログラムを用いて厳
密に求められるが、ハニカムコア20のヤング率が試料
板17及び規準板18のヤング率に比較しはるかに低い
値である事を考慮すれば、式(4)で与えられる。
【0017】
【数4】
【0018】式(4)は式(2)と類似である事、通常
の宇宙用アンテナ鏡面はハニカムコアを用いたサンドイ
ッチ板が多い事を考慮すれば、実施例2はより実際のハ
ードウェアに近い形で、所望材料の線膨張率が得られる
事が分る。
の宇宙用アンテナ鏡面はハニカムコアを用いたサンドイ
ッチ板が多い事を考慮すれば、実施例2はより実際のハ
ードウェアに近い形で、所望材料の線膨張率が得られる
事が分る。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば試験片
を規準板と試料板を接合した構成としたので、両材料の
熱による伸びの差を、バイメタル効果により、10倍以
上の曲げ変形量として取り出すことができ、精度の高い
線膨張率測定装置が得られる。
を規準板と試料板を接合した構成としたので、両材料の
熱による伸びの差を、バイメタル効果により、10倍以
上の曲げ変形量として取り出すことができ、精度の高い
線膨張率測定装置が得られる。
【0020】また試験片として、規準板と試料板の間に
ハニカムコアを挿入した構成としたものでは、実際の鏡
面構造に近い形状にてバイメタル効果により精度の高い
線膨張率測定装置が得られる。
ハニカムコアを挿入した構成としたものでは、実際の鏡
面構造に近い形状にてバイメタル効果により精度の高い
線膨張率測定装置が得られる。
【図1】この発明の実施例1を示す線膨張率測定装置の
構成図である。
構成図である。
【図2】この発明の実施例1の試験片の構成を示す図で
ある。
ある。
【図3】この発明の実施例1の標準片の構成を示す図で
ある。
ある。
【図4】この発明の実施例2の試験片の構成を示す図で
ある。
ある。
【図5】従来の線膨張率測定装置の構成を示す図であ
る。
る。
1 支持管 2 電気炉 3 標準片 4 試験片 5 検出棒 6 天秤 7 分銅 8 一次側差動トランス 9 電磁石 10 発振器 11 二次側差動トランス 12 増幅器 13 位相検波器 14 記録計 15 校正器 16 台座 17 規準板 18 試験板 19 接着剤 20 ハニカムコア
Claims (2)
- 【請求項1】 線膨張率が既知の規準板と、被測定材で
ある試料板とを接合した試験片と、上記規準板どうしを
接合した標準片と、上記試験片と上記標準片を並置固定
する台座と、上記台座を支持する支持管と、上記支持管
を恒温に保つ電気炉と、上記試験片及び標準片にそれぞ
れ一端が取付けられた検出棒と、上記検出棒の中央部に
接合点を有する天秤と、上記天秤上に載荷される分銅
と、上記標準片に取付けられた検出棒の先端に固定され
た一次側差動トランスと、上記一次側差動トランスに一
定の正弦波信号を送る発振器と、上記試験片に取付けら
れた検出棒の先端に取付けられた電磁石と、上記電磁石
を中心に一次側差動トランスと相対する位置に固定され
た二次側差動トランスと、上記二次側差動トランスに発
生した正弦波信号を増幅する増幅器と、上記一次側及び
二次側差動トランスで生じた正弦波信号の位相差を検知
する位相検波器と、上記位相検波器より検知された位相
差を記録する記録計と、上記試験片に取付けられた検出
棒の中央部にあり、検出棒の移動量を測定できる校正器
とから成る事を特徴とする線膨張率測定装置。 - 【請求項2】 上記試験片において上記規準板と上記試
料板の中間に線膨張率が既知のハニカムコアを取り込ん
だ事を特徴とする請求項第1項記載の線膨張率測定装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32816793A JPH07181153A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 線膨張率測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32816793A JPH07181153A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 線膨張率測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07181153A true JPH07181153A (ja) | 1995-07-21 |
Family
ID=18207238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32816793A Pending JPH07181153A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 線膨張率測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07181153A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006329955A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Rikogaku Shinkokai | 熱特性測定装置、及び熱特性測定方法 |
JP2012189469A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃料棒交換装置 |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP32816793A patent/JPH07181153A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006329955A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Rikogaku Shinkokai | 熱特性測定装置、及び熱特性測定方法 |
JP2012189469A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃料棒交換装置 |
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