JPH07180736A - 湿式摩擦材料 - Google Patents

湿式摩擦材料

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JPH07180736A
JPH07180736A JP32861493A JP32861493A JPH07180736A JP H07180736 A JPH07180736 A JP H07180736A JP 32861493 A JP32861493 A JP 32861493A JP 32861493 A JP32861493 A JP 32861493A JP H07180736 A JPH07180736 A JP H07180736A
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JP
Japan
Prior art keywords
fibers
paper
fiber
resin
friction material
Prior art date
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Pending
Application number
JP32861493A
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English (en)
Inventor
Keiji Hayashi
圭二 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 付きの防止を図り、ペーパー繊維の層間剥離
を防止し、耐久性を向上させたペーパー系湿式摩擦材
料。 【構成】 繊維が3次元ランダムに絡まった小球状とな
ったファイバーボールを5〜10体積%配合した。ファ
イバーボールは、ペーパー部に比べて空隙が多く、かつ
繊維の接点が多いため樹脂含浸時に樹脂を多く保持する
ことができるので、成形品厚みに応じて適当な大きさの
ファイバーボールを所定量配合すれば成形時に圧縮され
て、摩擦面から接着面にまたがる樹脂リッチで高弾性な
粒となる。そのため、使用時に荷重を集中的に受け持
ち、マトリックスの気孔のつぶれを抑制でき、焼付きが
生じにくく、耐久性が向上する。さらに、ペーパー部は
繊維が2次元ランダムであり、層間方向にはあまり強度
がないが、ファイバーボール部は3次元ランダムである
ため、ペーパー部の層間強度を高めるのに効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用ブレーキライニ
ング、クラッチフェーシング等に用いられるペーパー系
摩擦材料に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等に使用される摩擦板には、大き
く分けて乾式摩擦板と湿式摩擦板とがあり、後者の湿式
摩擦板は、コアプレートと、その表面に固着された摩擦
材とからなる。摩擦材の表面には溝が形成されており、
この溝の中を流れる油が摩擦板の冷却を担い、摩擦材の
焼付きを防止している。
【0003】この摩擦板の油の流れによる冷効果を増大
するため、実開平4−5519号公報の湿式摩擦板の溝
構造の考案においては、従来の摩擦板ではその溝は内縁
から外縁に向かって放射状に構成されているのに対し
て、この放射状の半径方向溝に加えて環状溝を設け、さ
らにこの環状溝を境にして半径方向溝を周方向にずらせ
て、溝を通過する油の滞留時間を増している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記考
案においては、摩擦面の温度を低減する効果はあるもの
の、ペーパー系摩擦板では長期間使用する繰り返しの圧
縮により繊維間の気孔がつぶれてしまうため、摩擦面に
油膜が形成されず焼付いてしまう。あるいは、全体に油
膜が形成されて摩擦特性が低下してしまう。従って、油
溝を設けるだけでは、多少の温度低下があるだけで、焼
付き防止効果は小さい。また、溝を設けることで、繊維
の層間剥離が起きやすいという問題点もある。
【0005】本発明は湿式摩擦材料の前記のごとき問題
点を解決するためになされたものであって、気孔のつぶ
れを防止することにより焼付きの防止を図り、ペーパー
繊維の層間剥離を防止し、耐久性を向上させた湿式摩擦
材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、先ずペーパー
系摩擦板において繰り返しの圧縮により、摩擦板に含有
される繊維間の気孔がつぶれてしまう原因について、研
究を進めた。その結果、図3の摩擦材の断面組織の模式
図に示すように、含有される繊維の絡みが2次元的であ
って層間同士の絡み合いに乏しいため、繰り返し加圧に
よって復元できなくると、へたりと称される摩擦面の気
孔つぶれが発生し、焼きつき易くなることが判明した。
【0007】そこで、発明者は繊維が3次元的に絡んで
ボール状になったファイバーボールを摩擦材に混入する
ことを着想した。その結果、このファイバーボールが摩
擦面から接着面にわたり樹脂リッチな高弾性粒となっ
て、摩擦材のへたりを生じないことを新たに知見して本
発明を完成した。
【0008】本発明の湿式摩擦材は、湿式摩擦材料であ
って、繊維が3次元ランダムに絡まった小球状となった
ファイバーボールを5〜10体積%配合したことを要旨
とする。
【0009】本発明に用いられるファイバーボールは、
繊維径10〜15μm、長さ3〜5mmの短繊維が30
0〜400本が3次元的に絡み合って小球状となったも
のであって、用いられる繊維は、炭素繊維、セラミック
繊維、有機繊維等、特に種類を問わない。
【0010】本発明の湿式摩擦材料は、従来から公知の
方法で製造される。すなわち、セルローズ等の紙質基材
に摩擦調整剤、無機質添加剤等を混合した抄紙原液に、
ファイバーボールを添加し、紙質基材を形成する。この
紙質基材にフェノール樹脂を含浸・風乾後、加熱硬化さ
せてペーパー摩擦材料を得る。
【0011】ファイバーボールは基材の一部と置換して
用いれば良い。勿論、潤滑性向上を狙って炭素繊維とし
たり、摩擦係数の向上を狙ってセラミック繊維とする等
基材に係わらず選択しても良い。
【0012】
【作用】ファイバーボールは、空隙が多く、かつ繊維の
接点が多いため樹脂含浸時に樹脂を多く保持することが
できる。また、ファイバーボールは容易に変形するた
め、狙いとする成形品厚みに応じて適当な大きさのファ
イバーボールを配合すれば成形時に圧縮されて、摩擦面
から接着面にまたがる樹脂リッチで高弾性な粒となる。
そのため、図4の模式図に示すように、使用時に荷重を
集中的に受け持ち、マトリックスの気孔のつぶれを抑制
でき、耐久性が向上する。
【0013】また、ペーパー部は繊維が2次元ランダム
であり、層間方向にはあまり強度がないが、ファイバー
ボール部は3次元ランダムであるため、層間方向の強度
がある。また、単なる硬質粒子と違い、回りのペーパー
部とのなじみが良いのでペーパー部の層間強度を高める
のに効果がある。
【0014】本発明において、ファイバーボールの配合
率を5〜10%としたのは、配合量が5%未満では荷重
を分担する割合が低く、効果が不十分だからであり、1
0%を越えると、全体として気孔率が低下し、油膜が切
りにくくなり、摩擦抵抗レベルの低下が発生するからで
ある。
【0015】樹脂を充分に保持するためには、ファイバ
ーボールの見掛けの空隙率は80〜98%が望ましい。
空隙率が80%未満では、樹脂が含浸されにくく、98
%を越えると樹脂の定着が著しく悪化する。なお、ファ
イバーボールの見掛けの空隙率は、次式で計算した値で
ある。 100−〔(1ケの重さ/ファイバーの比重)/1ケの
体積〕×100
【0016】また、ファイバーボールの大きさは、製品
厚さの70〜500%であることが望ましい。70%未
満ではファイバーボール部の弾性率が不十分で荷重を負
担する効果が小さいからであり、500%を越えるとフ
ァイバーボール部が成形品の表面に突出し成形品の平滑
性が損なわれるからである。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を従来例および比較例と対比
して説明し本発明の効果を明らかにする。セルロースか
らなる基材に摩擦調整剤としてカシュダストおよび無機
質添加剤として珪藻土を混合した抄紙原液に、炭素繊維
のファイバーボール(径4mm、見掛け空隙率96%)
を添加し、抄紙し紙質基材を形成した。ファイバーボー
ルの添加量は、紙質基材に対し、0、3、5、10、1
5体積%の5種類とした。次いで、この紙質基材にフエ
ノール樹脂を、含浸し、風乾後、加熱硬化させて厚さ1
mmのペーバー摩擦材料を作製した。
【0018】得られた5種類のペーパー摩擦材料につい
て、剪断強度、摩擦係数および耐焼付き性を測定した。
なお、摩擦特性の試験はSAE#2で表2に示す条件2
で比較し、焼付き性については、SAE#2で、表1に
示す条件1で比較した。また、焼付き性の試験結果は表
2に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】剪断強度については、図1に示したよう
に、ファイバーボール添加0%のものが約21kgf/
cm2であったのに対して、ファイバーボール添加量の
増加と共に直線的に上昇し、ファイバーボール添加量が
15%では剪断強度は36kgf/cm2まで向上し
た。
【0022】摩擦係数については、図2に示すように、
ファイバーボール3%添加までは、摩擦係数の低下は殆
ど見られないが、ファイバーボール添加量が5%および
10%では摩擦係数が漸減し、ファイバーボール添加量
が15%になると摩擦係数が大幅に低下した。
【0023】耐焼付き性については表2に示したよう
に、ファイバーボール添加量0%では、3500サイク
ルで焼付き、ファイバーボール添加量3%では、450
0サイクルで焼付いた。これに対して、ファイバーボー
ル添加量5%以上では、5000サイクルでも異常のな
いことが確認された。
【0024】以上の本実施例の結果により、湿式摩擦材
料にファイバーボールを5〜10%配合することによ
り、剪断強度に優れ、摩擦係数を低減させずに、耐焼付
き性に優れ、耐久性のある湿式摩擦材料が得られること
が判明し本発明の効果が確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明の湿式摩擦材料は以上説明したよ
うに、繊維が3次元ランダムに絡まった小球状となった
ファイバーボールを5〜10体積%配合したことを特徴
とするペーパー系湿式摩擦材料であって、ファイバーボ
ールは、ペーパー部に比べて空隙が多く、かつ繊維の接
点が多いため樹脂含浸時に樹脂を多く保持することがで
きるので、成形品厚みに応じて適当な大きさのファイバ
ーボールを所定量配合すれば成形時に圧縮されて、摩擦
面から接着面にまたがる樹脂リッチで高弾性な粒とな
る。そのため、使用時に荷重を集中的に受け持ち、マト
リックスの気孔のつぶれを抑制でき、焼付きが生じにく
く、耐久性が向上する。さらに、ペーパー部は繊維が2
次元ランダムであり、層間方向にはあまり強度がない
が、ファイバーボール部は3次元ランダムであるため、
ペーパー部の層間強度を高めるのに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】湿式摩擦材料へのファイバーボール添加量と剪
断強度の関係を示す線図である。
【図2】湿式摩擦材料へのファイバーボール添加量と摩
擦係数の関係を示す線図である。
【図3】従来の摩擦材料の断面組織の模式図である。
【図4】本発明の摩擦材料の断面組織の模式図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式摩擦材料であって、繊維が3次元ラ
    ンダムに絡まった小球状となったファイバーボールを5
    〜10体積%配合したことを特徴とするペーパー系湿式
    摩擦材料。
JP32861493A 1993-12-24 1993-12-24 湿式摩擦材料 Pending JPH07180736A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32861493A JPH07180736A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 湿式摩擦材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32861493A JPH07180736A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 湿式摩擦材料

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JPH07180736A true JPH07180736A (ja) 1995-07-18

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JP32861493A Pending JPH07180736A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 湿式摩擦材料

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JP (1) JPH07180736A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110062855A (zh) * 2016-11-11 2019-07-26 洛科威国际有限公司 摩擦材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110062855A (zh) * 2016-11-11 2019-07-26 洛科威国际有限公司 摩擦材料

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