JPH0718068B2

JPH0718068B2 - 意匠撚糸の製造装置

Info

Publication number: JPH0718068B2
Application number: JP23213889A
Authority: JP
Inventors: 宗雄菱沼
Original assignee: 宗雄菱沼
Priority date: 1989-09-07
Filing date: 1989-09-07
Publication date: 1995-03-01
Anticipated expiration: 2010-03-01
Also published as: JPH0397934A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は意匠撚糸の製造装置に係り、第１の発明は芯糸
を中心に通したループを、ループ脱出装置を備える糸案
内杆と、その糸案内杆の周りで旋回して該杆の周りにル
ープを形成する輪奈用糸の供給パイプとにより構成して
なり、第２の発明は前記第１の発明を主要発明としその
主要発明と産業上の利用分野及び構成に欠くことができ
ない事項の主要部を同一にしたものである。

（従来の技術と問題点）意匠撚糸の一種であるループヤーンは、芯糸と輪奈用糸
（浮き糸とも云う）と押え糸とを素材とするものであつ
て、例えば特許第116843号明細書に記載するように極め
て古くから公知である。本発明は前記の素材を変更する
もので無いが、第１発明、第２発明ともにループ形成に
新たな方法をとり入れて、製造速度を改良しようとする
ものである。

（発明が解決しようとする問題点・発明の目的）意匠撚糸の重要な一種であるループヤーンその他撚の強
い輪奈糸（浮き糸）を使用してループを変形させた角糸
などの製法は旧態の方法によつているもので、少しは改
良の跡もあるが製造能率はあまり進歩していない。本発
明は輪奈糸（浮き糸）の過給により形成するループの形
成速度に問題があるため、これを改良してより高速度化
することを課題とし、本発明の目的とするものである。

（問題点を解決するための手段）本発明は前記した目的に合致させたもので、第１の発明
は、摺動案内管12で進退可能に支持したループ形成杆13
と、該ループ形成杆13の回りに旋回可能に設けた輪奈用
糸ガイドパイプ6a、6bと、ループ形成杆13の外周に近接
して配置したループ脱出装置15及びループ形成杆13の外
周に接近して芯糸ａを通過させる糸ガイド32を備え、輪
奈用糸ガイドパイプ6a、6bに通した輪奈用糸b₁、b₂を輪
奈用糸ガイドパイプ6a、6bの旋回運動によりループ形成
杆13に巻き付けて輪奈用糸b₁、b₂にループＬを形成し、
該ループＬをループ形成杆13の後退に伴いループ脱出装
置15でループ形成杆13から脱出させ、脱出したループＬ
を輪奈用糸b₁、b₂の撚り戻り作用により、芯糸ａがルー
プＬの内部を通るように反転させてループヤーン素糸
ｙ′を製造することを特徴とする意匠撚糸の製造装置に
係り、第２の発明は、前記の第１の発明を発明の主要部
とするもので、請求項１に記載の意匠撚糸の製造装置に
おいて、前記のループヤーン素糸ｙ′に押え糸ｃを巻き
掛ける押え糸巻掛け装置Ｂを設けたことを特徴とする意
匠撚糸の製造装置に係るもので、第１発明、第２発明と
もに従来とは異なるループ形成を施す装置により構成し
た特異性を持つ。

（実施例）第１図において、３は直立板１に設けた上下方向の長孔
からなる摺動案内２に下端の移動支点ピン４を上下動自
由に通して係合した板材からなる揺振部材であつて、モ
ータ７のベルト８により回転する回転軸９の先端に設け
たクランク円板10を揺振機構ｘとして偏心ピン11を連結
する。揺振部材３には揺振方向とほぼ直角方向の一乃至
数個の揺動案内筒5a、5b・・・ほぼ平行に設け、その案
内筒5a、5b・・・の１個または２個以上に輪奈用糸ガイ
ドパイプ6a、6b・・・を摺動自由に通す。

12は揺振部材３の上端部の輪奈用糸ガイドパイプ6a、6b
・・・に対応させて設けた摺動案内管であつてこれにル
ープ形成杆13を摺動自由に通し、該杆13の摺動案内筒5
a、5b・・・に対応する先端部に半径方向の割り溝14を
設け、摺動案内管12の取付板から突出したループ脱出装
置15を割り溝14に通す。ループ形成杆13には下方の糸ガ
イド32から該杆13の上方に設置した押え糸巻掛け装置Ｂ
に通す芯糸ａを外周にほぼ接触状に通すものでループ脱
出装置15に芯糸ａをも同時に押し出す突部15aを形成す
る。

揺振部材３には多数の軸支突起16a、16b・・・を設け、
輪奈用糸ガイドパイプ6a、6b・・・と同数のレバー17
a、17b・・・を各１個の軸支突起に軸支し、上端の長孔
18a、18b・・・を輪奈用糸ガイドパイプ6a、6b・・・に
ピンにより連結すると共に、下側の曲げ脚19a、19b・・
・の各端部のロール20a、20b・・・の夫々に回転軸９の
１回転毎に鎖線に示すように任意選択的に後退を制御さ
れる案内板21a、21b・・・を接触し、後退した案内板に
対応するレバー例えば17bを鎖線のように傾動させて輪
奈用糸ガイドパイプ例えば6bを後退させる。

ループ形成杆13は摺動案内管12の全面より右方に摺動で
きるようにして、第３図に示すように摺動案内管12の前
面をループ脱出装置15とし、かつ突部15aを兼ねさせる
ことができる。

ループ形成杆13の後端のピン27には回転軸９に固嵌した
フエイスカム22に下端のロールをばね23により接触する
揺動レバー24の上端の長孔25を嵌めて連結する。26は揺
動レバー24の軸である。

揺振部材３は回転軸９及びクランク円板10の１回転毎に
移動支点ピン４を揺動案内２内で上下動すると同時に揺
振して、輪奈用糸ガイドパイプ6a、6b・・・を、揺動レ
バー24により押し出されたループ形成杆13の外周を第４
図のように旋回し、１旋回毎に第５図のループ（Ｌ）を
作るものであるが、案内板21a、21b・・の何れかが後退
し、レバー17a、17b・・・の何れかを介して揺振部材３
の例えば揺動案内筒5b内で左方に後退した輪奈糸用ガイ
ドパイプ6bがループ形成杆13の外周より先端方で空回転
してループ（Ｌ）を形成しない。このようにどの輪奈用
糸ガイドパイプを通る輪奈用糸b₁、b₂によりループを作
るか作らないかは、案内板21a、21b・・・を前進のまま
にするか、後退させるかにより決まるから該案内板21
a、21b・・・の移動制御はこの原則に従つて決め、以上
の構成により意匠撚糸素糸加撚装置Ａとする。

押え糸巻掛け装置Ｂは糸ガイド32及びループ形成杆13の
上方に設けるもので、輪奈用糸ガイドパイプ6a、6b・・
・の全部若しくは１〜２個がループ形成杆13の周りを１
回転して輪奈用糸b₁、b₂の全部または一部によりループ
（Ｌ）を形成し、さらにループ形成杆13bが揺動レバー2
4により後退してループ脱出装置15により前記のループ
を脱ぎ、かつ芯糸ａをループ形成杆13の先端部から外
し、その時輪奈用糸の撚り戻り作用によりループ（Ｌ）
が第５図状態から第６図のとおりに反転し、芯糸ａを中
心に通して絡ませ（その詳細は後に説明する）た合糸を
ベルト等により回転する垂直方向のスピンドル28に通し
て巻き取り枠等で強制的に引き上げ、スピンドル28には
押え糸ｃのボビン29の固定と、押え糸ｓの導糸口31をボ
ビン29の回りに臨ませたフライヤー30の固定を施してな
る。

（作用）本発明の製造装置を輪奈用糸b₁、b₂を、輪奈ガイドパイ
プ6a、6bに通して使用する場合について説明する。

揺振部材３は回転軸９の１回転毎に上下に移動しかつ左
右に揺振して輪奈用糸ガイドパイプ6a、6bをループ形成
杆13の外周で第４図のように旋回し、第５図の輪奈用糸
によりループ（Ｌ）を作るか、作らないようにする。
［本発明の発明の要旨外ではあるが、レバー17a、17bを
前進したままであるときは、輪奈用糸b₁、b₂を引き揃え
状にしたループ（Ｌ）が形成され、案内板21a、21bを交
互に後退すると、レバー17a、17bが交互に鎖線のとおり
になつて輪奈用糸b₁、b₂により二色交互のループ（Ｌ）
が交互に形成され、（第８図参照）案内板21a、21bを共
に後退するとループが形成されなくなるから、二色ルー
プ、二色交互形成ループ、飛びループ等を任意に形成で
きる。］このようにして形成されたループ（Ｌ）はループ脱出装
置15の後退により芯糸ａと共にループ形成杆13の前に脱
がされ、輪奈用糸の撚り戻り作用により芯糸ａを第６図
のようにループ（Ｌ）に通したループヤーン素糸ｙ′が
加工される。

ループは輪奈用糸が過給されて形成されるものではな
く、ループ形成杆13への巻付きによる形成を強制される
もので、芯糸ａを上方に引いても第５図のループ（Ｌ）
が直ちに消滅するものではなく、大きさがほぼ決められ
たループヤーン素糸ｙ′になる。そのループヤーン素糸
ｙ′は直ちに押え糸巻掛け装置Ｂのスピンドル28の下方
から入り、スピンドル28の回転により仮撚りを生じ、ボ
ビン29から引出されたフライヤー30の導糸孔31によりル
ープヤーン素糸ｙ′の周りで回転する押え糸ｃが巻き付
いてループヤーンｙが製造される。

（効果）本発明の第１の発明によれば、ループ形成杆13の周りで
輪奈用糸b₁、b₂を旋回して芯糸ａに巻付くループ（Ｌ）
を形成する新規な装置により過給機構を不要にして、意
匠糸製造の効率を著しく高め得る装置を提供できる。

第２の発明によれば、ループヤーン素糸ｙ′に押え糸ｃ
を巻き掛けるので、ループヤーンｙの型ぐずれを防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の実施例を示し、第１図は側面図、第
２図は揺振部材３の正面図、第３図はループ形成杆13と
輪奈糸ガイドパイプ6a、6bとの関係を示した斜視図、第
４図は同正面図、第５図はループ形成直前の正面図、第
６図はループの反転を示した正面図、第７図はループ脱
出装置の他の実施例の斜視図、第８図はループの二色交
互形成ループヤーンの斜視図である。２→揺動案内、３→揺振部材、４→移動支点ピン 5a、5b→摺動案内筒、6a、6b→輪奈用糸ガイドパイプ９→回転軸、10→クランク円板Ａ→揺振機構、12→摺動案内管、13→ループ形成杆ａ→芯糸、b₁、b₂……→輪奈用糸、ｃ→押え糸Ｂ→押え糸巻掛け装置、16a、16b……→軸支突起 17a、17b……→レバー、18a、18b……→長孔 19a、19b……→曲げ脚、20a、20b……→ロール 21a、21b……→案内板、Ｂ→押え糸巻掛け装置 22→フエイスカム、23→ばね、24→揺動レバー 25→長孔、26→軸、27→ピン、28→スピンドル 29→ボビン、30→フライヤー、31→導糸孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】摺動案内管12で進退可能に支持したループ
形成杆13と、該ループ形成杆13の回りに旋回可能に設け
た輪奈用糸ガイドパイプ6a、6bと、ループ形成杆13の外
周に近接して配置したループ脱出装置15及びループ形成
杆13の外周に接近して芯糸ａを通過させる糸ガイド32を
備え、輪奈用糸ガイドパイプ6a、6bに通した輪奈用糸
b₁、b₂を輪奈用糸ガイドパイプ6a、6bの旋回運動により
ループ形成杆13に巻き付けて輪奈用糸b₁、b₂にループＬ
を形成し、該ループＬをループ形成杆13の後退に伴いル
ープ脱出装置15でループ形成杆13から脱出させ、脱出し
たループＬを輪奈用糸b₁、b₂の撚り戻り作用により、芯
糸ａがループＬの内部を通るように反転させてループヤ
ーン素糸ｙ′を製造することを特徴とする意匠撚糸の製
造装置。
【請求項２】請求項１に記載の意匠撚糸の製造装置にお
いて、前記のループヤーン素糸ｙ′に押え糸ｃを巻き掛
ける押え糸巻掛け装置Ｂを設けたことを特徴とする意匠
撚糸の製造装置。